JP2001161886A - スキー靴の踵安全拘束具 - Google Patents

スキー靴の踵安全拘束具

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JP2001161886A
JP2001161886A JP34737899A JP34737899A JP2001161886A JP 2001161886 A JP2001161886 A JP 2001161886A JP 34737899 A JP34737899 A JP 34737899A JP 34737899 A JP34737899 A JP 34737899A JP 2001161886 A JP2001161886 A JP 2001161886A
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】踵部が上下動するようにスキー板上に取り付け
られたスキー靴に対してその踵部の上下動を拘束する、
簡便で汎用性の高いスキー靴の踵安全拘束具を提供す
る。 【解決手段】このスキー靴の踵安全拘束具1は、スキー
靴4の踵部42の後方にてスキー板5に固定される固定
片2と、長さ調節可能な帯体3とから構成される。帯体
3の両端部及び固定片2のうちいずれか一方には掛止爪
22が、他方にはその掛止爪22に掛止可能な掛止環3
6が設けられる。スキー靴4の甲部43から踵部42の
左右両側にかけ渡した帯体3の両端部を固定片2に掛止
させ、帯体3の長さを緊縮させることにより、スキー靴
4の踵部42を固定片2側に引き付けて拘束する。安全
のため、掛止環36には切口37が設けられ、一定以上
の引張力によって掛止爪22から離脱するようになって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてツアー用
スキーに用いられるスキー靴の踵部を、上下動及び左右
動しないようにスキー板上に拘束するためのスキー靴の
踵安全拘束具に関する。
【0002】
【従来の技術】テレマークスキーやクロスカントリース
キーなどのツアー用スキーでは、スキー靴の爪先部のみ
をスキー板上に固定し、この爪先部を支点として、スキ
ー靴の踵部が上下動可能な状態、又は上下動に加えて若
干の左右動も可能な状態で歩行・滑走する。このような
ツアー用スキーにおいて、スキー靴の爪先部をスキー板
に取り付けるための保持具としては、いわゆる3ピン・
ビンディング及びケーブル・ビンディングの2種類が主
流であり、また、両者を合わせた3ピン・ケーブル・ビ
ンディングも存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、特にわが国にお
いては、主としてアルペンスキー(ダウンヒルスキー)
が広く普及しており、ツアー用スキーの普及度はアルペ
ンスキーに比べてはるかに低いのが実情である。アルペ
ンスキーは、スキー靴の爪先部から踵部までをスキー板
上に拘束したままで滑走するスタイルのスキーであり、
アルペンスキーとツアー用スキーとでは、その滑走方
法、例えばスキー板への体重のかけ方やターンの際の下
半身の姿勢の取り方などが大きく異なっている。そのた
め、アルペンスキーの滑走方法に慣れたスキーヤーがツ
アー用スキーを始めた場合には、ツアー用スキー独特の
滑走方法に慣れるまでの間、かなりの不自由を感じるこ
ととなり、そのために転倒や負傷などの可能性も大きく
なる。
【0004】そこで、アルペンスキーに慣れたスキーヤ
ーがツアー用スキーの滑走方法に習熟するまでの間、安
全な滑走のための補助的手段として、スキー靴の踵部を
上下動しないようにスキー板上に拘束することのできる
踵安全拘束具が求められる。
【0005】また、ツアー用スキーの滑走方法に習熟し
たスキーヤーにとっても、滑走する地形条件によって
は、一時的に、踵部をスキー板から離れないように拘束
できるほうが好都合な場合がある。
【0006】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、爪先部を支点として踵部が上下動又は左右動するよ
うにスキー板上に取り付けられたスキー靴に対し、必要
に応じて踵部の上下動及び左右動を拘束することのでき
る、簡便なスキー靴の踵安全拘束具を提供することを目
的とする。併せて本発明は、前記スキー靴や、その爪先
部をスキー板に取り付ける保持具の種類を問わずに、手
軽に使用することのできる汎用性の高いスキー靴の踵安
全拘束具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のスキー靴の踵安全拘束具の構成は、スキー
板上に爪先部が取り付けられ、この爪先部を支点として
踵部が上下動可能又は左右動可能に保持されたスキー靴
を、その踵部が上下動及び左右動しないようにスキー板
上に拘束する踵安全拘束具であって、スキー靴の踵部の
後方にてスキー板に固定される固定片と、長さ調節可能
な帯体とからなり、帯体の両端部及び固定片のうちいず
れか一方にはフック状の掛止爪が設けられ、他方にはそ
の掛止爪に掛止可能な掛止環が設けられて、スキー靴の
甲部から踵部の左右両側にかけ渡した帯体の両端部を固
定片に掛止して帯体の長さを緊縮することにより、スキ
ー靴の踵部が固定片側に拘束されるようになされるとと
もに、掛止環はその一部に切口を有し、帯体を固定片に
係止した状態で一定以上の引張力を受けたときに、掛止
環が塑性変形又は弾性変形して切口が開き、掛止爪から
離脱するように形成されたことを特徴とする。
【0008】すなわちこの発明は、長さ調節可能な1本
の帯体をスキー靴の甲部から踵部の両側にかけ渡して、
その両端部を固定片に掛止させることにより、スキー靴
の踵部を固定片側に引きつけて浮き上がらないように拘
束するものである。スキー板に固定した固定片に1本の
帯体を掛脱するだけでスキー靴の踵部を拘束したり解放
したりすることができるので、構造が簡素で、軽量化で
き、取り扱いも簡単で、故障のおそれもほとんどない。
また、スキー靴の種類や大きさを問わずに使用すること
ができ、スキー靴の爪先部を保持する保持具の種類やス
キー板の種類も限定されない。さらに、スキー靴の外側
に防寒・防水用の靴カバー(ゲイター)等を被せている
場合でも、そのままの状態で使用することができる。
【0009】互いに掛止可能な掛止爪及び掛止環は、い
ずれか一方が固定片に、他方が帯体の両端部に設けられ
る。例えば固定片に掛止爪を設け、帯体に掛止環を設け
る場合には、掛止爪を一箇所に形成し、これに帯体の両
端部にそれぞれ設けた各掛止環をまとめて掛止させる
か、あるいは、掛止爪を左右一対にして形成し、それぞ
れの掛止爪に各掛止環を別々に掛止させる。反対に、固
定片に掛止環を設け、帯体に掛止爪を設ける場合には、
掛止環を1箇所又は左右2箇所に形成し、帯体の両端部
にそれぞれ設けた掛止爪を、掛止環にまとめて、又は左
右別々に掛止させることができる。
【0010】帯体には長さ調節手段を設け、帯体の両端
部を固定片に掛止させた状態でスキー靴の大きさに合わ
せて緊縮させることにより、スキー靴をぐらつかないよ
うに保持することができる。長さ調整手段としては、例
えば帯体を適宜の長さに二分して、分割された帯片を一
般のベルト類に利用されるようなバックルで連結する構
成とすることができる。或いは、帯体を分割せずに一端
片を折り返して重ね合わせ、重ね合わせた部分を締め具
により締結するようにしてもよい。バックルや締め具の
種類としては、帯片同士を摩擦的に係合させるもの、楔
形の爪片やローラーが帯片にくい込んで留めるもの、ス
ナップやバネを利用して挟み込むものなど、周知の機構
を利用することができる。
【0011】また、滑走中の無理な姿勢や転倒によって
スキー靴とスキー板とが離れようとする過大な力が生じ
た場合に、掛止爪と掛止環との間には瞬間的に強い引張
力が作用するが、この引張力が一定限度を超えたときに
掛止環を掛止爪から安全に離脱させるため、以下のよう
な解放機能も付加されている。
【0012】請求項1の発明にかかるスキー靴の踵安全
拘束具においては、掛止環に切口が設けられている。こ
の発明にいう切口とは、線材や細長い板材等を曲げて環
状体を形成するときに、その両端部同士が突き合わされ
ただけで接合されていない状態の部分である。すなわ
ち、この発明における掛止環は、切口のない完全な閉環
ではなく、切口のある開環として形成される。そして、
引張力が一定限度を超えたときに、掛止環が変形して切
口が開き、掛止爪から離脱する。掛止環の切口が開く際
の変形は、塑性変形でも弾性変形でもよい。掛止環を形
成する部材の素材や形状は、この変形を生じるための力
の強さが運動力学的に適切な範囲となるように選択され
る。
【0013】また、請求項2の発明にかかるスキー靴の
踵安全拘束具においては、帯体を固定片に係止した状態
で一定以上の引張力を受けたときに、係止爪及び掛止環
のうち少なくともいずれか一方が破断して、係止爪と掛
止環とが離脱するように形成されている。この場合も、
係止爪及び掛止環を形成する部材の素材や形状を適宜に
選択して、離脱するための強度を調節することができ
る。
【0014】そして、これらにより、初心者でも安全に
滑走することが可能になる。さらに、本発明のスキー靴
の踵安全拘束具の構成は、前記掛止環が、それぞれ複数
個を一組にして、帯体の両端部又は固定片に取り付けら
れたことを特徴とする。すなわちこの発明は、前記した
切口を有する掛止環を複数個で一組とし、相手方の掛止
爪に掛止させる掛止環の個数を任意に選択できるように
したものである。したがって、例えば掛止環を2個で一
組とした場合、そのうちの1個だけを掛止爪に掛止させ
るか、あるいは2個とも掛止させるかによって、掛止環
を掛止爪から離脱させるための引張力の大きさを変える
ことができる。これにより、安全装置としての解放機能
の設定レベルを、スキーヤーの技量や体力に合わせて段
階的に調節することができる。
【0015】また、一組にされた複数個の掛止環を、個
々に強度の異なるものとすることによって、前記した解
放機能の設定レベルをさらにきめ細かく適切に調節する
ことが可能になる。
【0016】また、本発明のスキー靴の踵安全拘束具の
さらなる構成は、前記帯体が、スキー靴の甲部から踵部
の左右両側にかけ渡されたときにスキー靴を甲部から爪
先部にわたって被覆しうるカバー状の幅広部を有するこ
とを特徴とする。
【0017】この発明は、帯体に靴カバーとしての機能
を付加したものである。すなわち、帯体の中央部付近に
幅広部を設けて、スキー靴に帯体をかけ渡したときに、
その幅広部がスキー靴の甲部から爪先部にわたってスキ
ー靴を被覆するように形成する。この幅広部は、例えば
軟質樹脂や耐水性の合成繊維、合成皮革等によって、ス
キー靴の形状に沿うように形成するのが好ましい。これ
により、スキー靴を雪や水から保護したり、足元の保温
を図ったりすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。
【0019】図1に、本発明のスキー靴の踵安全拘束具
1の実施の形態を示す。スキー靴4は、その爪先部41
がスキー板5上にビス固定された爪先保持金具6に嵌め
込まれ、爪先部41の上面にかけ渡された爪先側ベルト
7と、踵部42から靴底の周囲に沿って爪先側までかけ
渡された踵側ベルト8とによって、爪先側に締め付けら
れた状態で保持されている。踵側ベルト8は、複数本の
革製の帯片81,82,83,84を留めピン式の尾錠
85,86やエレフゼン尾錠87等を介して連結したも
ので、スキー靴4の大きさに合わせて全長が調節できる
ようになっている。踵側ベルト8の両端は爪先保持金具
6の左右両側に連結ピン61で回動自在に連結されてい
る。これらにより、スキー靴4の踵部42は、爪先部4
1を支点にして、一定範囲で上下動できる状態で保持さ
れている。
【0020】前記したスキー靴4の爪先部41の保持具
はあくまでも一例であり、その種類は特に前記の形態に
限定されるものではないが、こうして踵部42が上下動
可能な状態、あるいは上下動に加えて若干の左右動も可
能な状態に取り付けられたスキー靴4に対して、本発明
のスキー靴の踵安全拘束具1が使用される。
【0021】本発明のスキー靴の踵安全拘束具1は、ス
キー板5の上面に固定された固定片2と、この固定片2
に掛脱可能な帯体3とから構成される。
【0022】固定片2は、例えばステンレス鋼板などの
金属板や硬質の樹脂等からなる部品で、略半円形状の基
部21と、基部21の縁部2箇所から突き出した一対の
突出部とを有し、各突出部が基板部の上方に折り返され
てフック状の掛止爪22を形成している。基部21は、
スキー靴4の踵部42から後方にやや離れた位置に配置
され、掛止爪22の折り返された先端をスキー板5の後
方に向けた姿勢でスキー板5上にビス固定されている。
【0023】一方、帯体3は、長寸部31と短寸部32
とからなる長短2本の革製の帯片が、金属製のバックル
33を介して長さ調節自在に連結されたものである。バ
ックル33は、楔歯34と遊環35とを組み合わせたも
ので、遊環35に挿通された長寸部31の一面に楔歯3
4が摩擦的にくい込むことによって、長寸部31が任意
の位置で固定されるようになっている。また、長寸部3
1を楔歯34から離すようにして外側に引っ張ると全長
を縮めることができ、緩めると全長を延ばすことがきで
きる。
【0024】帯体3の両端部、すなわち長寸部31及び
短寸部32の各一端部は折り返してかしめられ、環状に
なった各端部にそれぞれ2個ずつの掛止環36が取り付
けられている。掛止環36は、硬鋼線材等を折り曲げて
形成されたもので、図2に示すように、先端側が略円形
状、帯片側が略台形状となるように折り曲げられてい
る。先端側の中央付近には、硬鋼線材の端部同士が付き
合わされた切口37が形成されている。
【0025】この帯体3は、図1に示したように、スキ
ー靴4の甲部43から踵部42の左右両側にわたってか
け渡され、両端部の掛止環36を固定片2の各掛止爪2
2に掛止させて取り付けられる。そして、バックル33
を介して帯体3の長さを緊縮することにより、スキー靴
4が後方に引き付けられ、踵部42がスキー板5上から
浮き上がらないように拘束される。こうして、ツアー用
スキーを行っている途中でも、一時的に又は補助的に、
アルペンスタイルのスキーを行うことができるようにな
る。
【0026】また、このスキー靴の踵安全拘束具1を使
用して滑走している際に、無理な姿勢等によってスキー
靴4とスキー板5とが離れようとする過大な力が生じた
場合には、掛止爪22と掛止環36との間に瞬間的に作
用する一定以上の引張力によって、掛止環36がその切
口37を開きつつ塑性変形又は弾性変形し、掛止爪22
から離脱する。このように、本発明のスキー靴の踵安全
拘束具1は、安全装置としての解放機能も具備したもの
となっている。
【0027】掛止環36を掛止爪22に掛止させるにあ
たっては、図3に示すように、帯体3の両端部に設けら
れた各2個ずつの掛止環36のうち1個のみを掛止爪2
2に掛止させたり、2個とも掛止させたりすることがで
き、それを帯体3の各端部ごとに選択することができ
る。2個の掛止環36を一緒にして掛止させれば、切口
37が開いて掛止環36が掛止爪22から離脱する際の
引張力の強さを強くすることができ、1個のみを掛止さ
せれば弱くすることができるので、安全装置としての解
放機能を段階的に調節することができる。
【0028】また、図4に示すように、スキー靴4の甲
部43から踵部42の左右両側にわたってかけ渡した帯
体3を、さらに踵部42の後側で交差させるようにし
て、左右反対側の固定片2にそれぞれ掛止させることも
できる。このような使用状態では、図3に示した使用状
態に比べて、スキー靴4の踵部42がさらに確実に保持
され、スキー靴4の左右方向へのぐらつきがより小さく
なるとともに、掛止環36を掛止爪22から離脱させる
ための引張力もやや大きくなる。
【0029】したがって、この実施の形態では、固定片
2の左右2箇所に掛止爪22を設けて帯体3のかけ渡し
方を選択可能(2通り)にすること、及び、帯体3の各
端部に2個ずつの掛止環36を設けて掛止爪22に掛止
させる掛止環36の個数を選択可能(各端部につき2通
り=計4通り)にすること、を組み合わせて、踵部42
の拘束力や解放機能の設定レベルを合計8通りのパター
ンから選択することができるようになっている。これに
よって、スキーヤーの滑走技術の習熟度や個人差を問わ
ず、幅広く利用できるものとなっている。
【0030】また、本発明のスキー靴の踵安全拘束具1
は、以下のような形態によって実施することも可能であ
る。
【0031】固定片2については、前記のような板状部
材でなく、例えば硬質の金属線材等を折曲し、その一部
に掛止爪22を形成したような部材とすることができ
る。掛止爪22の形状は、掛止環36が掛脱しやすいも
のである限り、適宜のフック状又はそれに類する形状と
することができる。掛止爪22の個数は、1個のみで
も、或いは3個以上でもよく、掛止爪22の個数を増や
すことによって、踵部42の拘束状態や安全装置として
の解放機能の選択パターンを増やすことができる。掛止
爪22を複数個設ける場合、固定片2は前記のような一
体の部材でなく、個々の掛止爪22ごとに分割された複
数個の部材としてもよい。固定片は、スキー板の表面だ
けでなく、スキー板の側縁部にも固定することができ
る。
【0032】帯体3については、適度な柔軟性や耐水・
耐候性を有するものであれば、合成繊維や合成樹脂等か
らなるベルト状部材を利用してもよい。帯体3の長さ調
節手段は、前記のようなバックル33に替えて、例えば
ローラー状部材と遊環との間に帯片を挟み込んで固定す
るバックルや、帯体3の一端片を折り返して重ね合わ
せ、摩擦的に、あるいはスナップ等を利用して締結する
締め具など、周知の機構を利用することができる。ただ
し、雪上で手袋をしたままでも操作できるように、単純
で扱いやすい機構であるのが好ましい。また、帯体3の
中間部にバックルや締め具等を設ける場合には、そのバ
ックル類がスキー靴4を必要以上に圧迫しないよう、バ
ックル類の位置を、甲部43の前面でなく踵部42の側
方付近にするのが好ましい。
【0033】掛止環36の形状は、前記のような形態に
替えて、円環状や、いわゆるDリング状など、掛止爪2
2に掛脱しやすい他の形状とすることもできる。掛止環
36に形成する切口37の位置は、先端側の中央付近に
限らず、掛止爪22との掛止状態に応じて適切に離脱し
やすい位置を選択することができる。また、例えば図5
に示すように、中央部で交差する略8字状の掛止環36
とすることもできる。このような形状とすることによ
り、掛止環36の弾性が向上し、一定の引張力によって
係止爪22から離脱した後でも、繰り返して使用するの
に好適となる。
【0034】また、掛止環36が複数個を一組にして設
けられる場合には、掛止環36の素材や太さ、切口37
の位置や間隔などを個々の掛止環36ごとに変えて、強
度がそれぞれ異なるようにすることもできる。これによ
り、解放機能の設定レベルを、さらにきめ細かく、多様
な組み合わせパターンの中から適切に選択することが可
能になる。
【0035】また、掛止爪22及び掛止環36を設ける
位置としては、帯体3の両端部に掛止爪22を設け、固
定片2側に掛止環36を設けることも可能である。この
場合でも、固定片2側に掛止環36の取付部を1箇所乃
至複数箇所設けるとともに、各取付部に1個乃至複数個
の掛止環36を取り付けることにより、帯体3のかけ渡
し方や踵部42の拘束力を、複数通りのパターンから選
択可能に構成することができる。
【0036】図6及び図7は、帯体3に靴カバーとして
の機能を付加した実施の形態を示す。帯体3は、その中
央部付近に、スキー靴4(図1参照)の爪先部41から
甲部43に沿うように形成された幅広部38を備えてい
る。この幅広部38でスキー靴4の前半部を被覆するこ
とにより、スキー靴4を雪や水から保護したり、足元の
保温を図ったりすることができる。この幅広部38は、
例えば軟質樹脂や耐水性の合成繊維、合成皮革等によっ
て形成することができる。
【0037】図6に示した帯体3は、樹脂成形品からな
る幅広部38を帯片391とは別体に形成して互いに接
合したものである。この幅広部38は、その底面が全面
的に開口して、スキー靴の上面のみを覆えるようになっ
ている。一方、図7に示した帯体3は、樹脂成形品から
なる幅広部38の両縁部に帯片392を延出して形成し
ている。この幅広部38は、開口された底面の周囲に、
スキー靴4の靴底周縁を被覆する縁部381が形成され
ている。このような幅広部38を有する帯体3は、スキ
ー板5上の爪先保持金具6にスキー靴4の爪先部41を
取り付けたままで、スキー靴4の上に着脱することがで
きる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、1本の帯体をスキー靴
にかけ渡して固定片に掛脱するだけで、手軽に、スキー
靴の踵部をスキー板上に拘束したり解放したりすること
ができる。そのため、スキーヤーが、自分自身の滑走技
術や地形条件等に合わせて、テレマークスキーやクロス
カントリースキー、あるいはアルペンスタイルのスキー
を、不自由なく行うことができる。
【0039】固定片は、どのような種類のスキー板にも
取り付けることができる。また、帯体も、長さ調節手段
を備えるため、スキー靴の種類や大きさを問わず、また
スキー靴の爪先部を保持する保持具の種類にも関係な
く、汎用的に使用することができる。帯体と固定片との
掛脱手段は、一方に設けた掛止爪と相手方に設けた掛止
環とからなり、また、帯体の長さ調節手段も周知のバッ
クルや締め具を利用することができるので、構造が簡素
で、軽量化しやすく、経済的である。構造が簡素なた
め、故障したり、付着した雪によって使用性が悪化する
おそれもほとんどない。使用しないときには帯体を取り
外して携帯することにより、足もとにかかる重量的負担
を軽減することもできるので、ツアー用スキーのための
用具として好適である。
【0040】また、掛止環の一部に切口を形成して一定
以上の引張力により掛止爪から掛止環が離脱するような
構成、あるいは係止爪と掛止環のうちいずれか一方が破
断するような構成によって、万一の場合の安全装置とし
ての解放機能も付加されている。
【0041】さらに、掛止環を複数個で一組にし、相手
方の掛止爪に掛止させる掛止環の個数を選択可能にすれ
ば、安全装置としての解放機能の設定レベルをスキーヤ
ーの滑走技術やその個人差に応じてきめ細かく調節する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるスキー靴の踵安全
拘束具と、その使用方法を示す斜視図である。
【図2】前記スキー靴の踵安全拘束具の帯体の一端に設
けた係止環の平面図である。
【図3】前記スキー靴の踵安全拘束具の使用状態の一例
を示す後面図である。
【図4】前記スキー靴の踵安全拘束具の使用状態の他の
例を示す後面図である。
【図5】係止環の他の実施の形態を示す平面図である。
【図6】帯体に靴カバーの機能を付加した実施の形態を
示す図である。
【図7】帯体に靴カバーの機能を付加した他の実施の形
態を示す図である。
【符号の説明】
1 スキー靴の踵安全拘束具 2 固定片 22 掛止爪 3 帯体 36 掛止環 37 切口 38 幅広部 4 スキー靴 41 爪先部 42 踵部 43 甲部 5 スキー板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スキー板上に爪先部が取り付けられ、こ
    の爪先部を支点として踵部が上下動可能又は左右動可能
    に保持されたスキー靴を、その踵部が上下動及び左右動
    しないようにスキー板上に拘束する踵安全拘束具であっ
    て、 スキー靴の踵部の後方にてスキー板に固定される固定片
    と、長さ調節可能な帯体とからなり、帯体の両端部及び
    固定片のうちいずれか一方にはフック状の掛止爪が設け
    られ、他方にはその掛止爪に掛止可能な掛止環が設けら
    れて、 スキー靴の甲部から踵部の左右両側にかけ渡した帯体の
    両端部を固定片に掛止して帯体の長さを緊縮することに
    より、スキー靴の踵部が固定片側に拘束されるようにな
    されるとともに、 掛止環はその一部に切口を有し、帯体を固定片に係止し
    た状態で一定以上の引張力を受けたときに、掛止環が塑
    性変形又は弾性変形して切口が開き、掛止爪から離脱す
    るように形成されたことを特徴とするスキー靴の踵安全
    拘束具。
  2. 【請求項2】 スキー板上に爪先部が取り付けられ、こ
    の爪先部を支点として踵部が上下動可能又は左右動可能
    に保持されたスキー靴を、その踵部が上下動及び左右動
    しないようにスキー板上に拘束する踵安全拘束具であっ
    て、 スキー靴の踵部の後方にてスキー板に固定される固定片
    と、長さ調節可能な帯体とからなり、帯体の両端部及び
    固定片のうちいずれか一方にはフック状の掛止爪が設け
    られ、他方にはその掛止爪に掛止可能な掛止環が設けら
    れて、 スキー靴の甲部から踵部の左右両側にかけ渡した帯体の
    両端部を固定片に掛止して帯体の長さを緊縮することに
    より、スキー靴の踵部が固定片側に拘束されるようにな
    されるとともに、 帯体を固定片に係止した状態で一定以上の引張力を受け
    たときに、係止爪及び掛止環のうち少なくともいずれか
    一方が破断して、係止爪と掛止環とが離脱するように形
    成されたことを特徴とするスキー靴の踵安全拘束具。
  3. 【請求項3】 掛止環は、それぞれ複数個を一組にし
    て、帯体の両端部又は固定片に取り付けられたことを特
    徴とする請求項1又は2に記載のスキー靴の踵安全拘束
    具。
  4. 【請求項4】 一組にされた複数個の掛止環は、個々に
    強度の異なるものである請求項3に記載のスキー靴の踵
    安全拘束具。
  5. 【請求項5】 帯体は、スキー靴の甲部から踵部の左右
    両側にかけ渡されたときにスキー靴を甲部から爪先部に
    わたって被覆しうるカバー状の幅広部を有することを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスキー靴の
    踵安全拘束具。
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