JP2001160079A - 配線遅延時間算出方法 - Google Patents

配線遅延時間算出方法

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JP2001160079A
JP2001160079A JP34364199A JP34364199A JP2001160079A JP 2001160079 A JP2001160079 A JP 2001160079A JP 34364199 A JP34364199 A JP 34364199A JP 34364199 A JP34364199 A JP 34364199A JP 2001160079 A JP2001160079 A JP 2001160079A
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英之 竹田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】計算処理時間の増大を防止しながら、近似精度
の向上を図り得る配線遅延時間の算出方法を提供する。 【解決手段】駆動セルの負荷駆動能力を等価的に置換し
たセル抵抗値Rdを算出し、前記駆動セルに接続される
被駆動配線及び被駆動セルを等価的に置換したインピー
ダンスRwを算出する。そして、セル抵抗値Rdと配線
インピーダンスRwとの比に基づいて、配線遅延計算式
を駆動セルの負荷駆動能力を考慮した配線遅延計算式に
切り換えて配線遅延時間を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路
の設計過程において、論理回路のシミュレーションや、
論理回路の動作タイミングの解析等を行う上で必要とな
る配線遅延時間を算出するための遅延時間算出方法に関
するものである。
【0002】近年、半導体集積回路の大規模化及び微細
化にともなって、回路を構成する素子のゲート遅延もま
すます短縮されている。一方、配線の高密度化により配
線容量及び配線抵抗はゲート遅延に比して縮小化が進ん
でいないため、回路の動作遅延時間において、配線によ
る遅延時間の割合がゲート遅延に対し相対的に大きくな
っている。そこで、回路の動作遅延時間を算出する場合
に、配線による遅延時間をより正確にかつ効率よく算出
することが必要となっている。
【0003】
【従来の技術】従来、あらかじめ設計された半導体集積
回路のネットリスト、あるいはレイアウトデータに基づ
いて配線遅延時間を演算装置で算出する場合には、当該
配線を抵抗と容量からなるRC回路に置換し、そのRC
回路に基づいて配線遅延時間が近似的に算出されてい
る。
【0004】例えば、駆動セルに対し配線を介して被駆
動セルが接続されている場合には、図3に示すように、
駆動セル1と被駆動セル2との間の配線を抵抗Rと容量
Cからなる等価回路に置換し、その等価回路に基づいて
配線遅延時間が算出される。
【0005】上記のような等価回路を解く方式には、次
のようなものがある。 Elmore Delay 「W.Elmore, The transient response of damped
linear networks with particurar regard to
wideband amplifires,J.Apply physics,vol.19,pp.55
-63,Jan.1948」 AWE 「L.Pillage and R.Rohrer, Asymptotic Waveform
Evaluation for timing analysis,IEEE Trans. C
omputer-Aided Design,pp.352-366,April.1990」 SPICE 「L.W.Nagel,SPICE2,A Computer program to Simul
ate semiconductor circuit,Tech.Rep.ERL-M520,Univ
ersity of california,Berkeley,May.1975」 Lower/Upper Bound Scattering−Parameter これらは、実波形を近似すると、いわゆるhalf-volta
ge delay timeと呼ばれ、RC回路の入力波形と出力
波形との遅延時間をその振幅の中間レベルにおいて近似
的に算出する方法とに大別される。
【0006】「Elmore Delay」は、最もシ
ンプルで計算処理時間も短くて済むが、近似精度におい
て劣っている。また、その他の計算手法は、近似精度に
ついては「Elmore Delay」より優れている
が、演算装置による計算処理時間が長くなる。
【0007】特に、SPICEについては、近似精度
は最も高いが膨大な計算処理時間が必要となる。一般
に、これらの計算手法は、複数の手法を組み合わせて活
用されることはなく、いずれか一つの計算手法が単独で
活用される。
【0008】また、回路及び配線のレイアウトが確定し
ていない段階で配線遅延時間を算出する場合には、配線
の経路予想を実施し、その予想配線長に基づいて配線遅
延時間が算出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の手
法、例えば「Elmore Delay」の手法を使用
して演算される配線遅延時間は、図5に特性線ELで示
すように、単位長さ当たりの配線遅延時間すなわち単位
長当たりの信号伝搬時間が、駆動セルの近傍から被駆動
セル2に向かって徐々に短くなる一次関数で表わされ
る。
【0010】ところが、実際の単位長さ当たりの配線遅
延時間は、図5に特性線P1で示すように、駆動セル近
傍では遅延時間が短く、配線長の1/3付近までは遅延
時間が徐々に長くなり、その後は再度遅延時間が短くな
る。
【0011】従って、従来の手法、例えば「Elmor
e Delay」の手法では、駆動セル近傍部分の配線
において遅延時間の見積もりに誤差を生じ易く、十分な
近似精度を得ることができないという問題点がある。
【0012】また、「Elmore Delay」以外
の他の手法では、近似精度の向上にともなって計算処理
時間が増大するという問題点がある。この発明の目的
は、計算処理時間の増大を防止しながら、近似精度の向
上を図り得る配線遅延時間の算出方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、駆動セルの負荷駆動能力を等価的に置換したセル抵
抗値を算出し、前記駆動セルに接続される被駆動配線及
び被駆動セルを等価的に置換したインピーダンスを算出
する。そして、セル抵抗値と配線インピーダンスとの比
に基づいて、配線遅延計算式を駆動セルの負荷駆動能力
を考慮した配線遅延計算式に切り換えて配線遅延時間を
算出する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した配線遅
延時間算出方法を説明する。この算出方法は、「Elm
ore Delay」の手法を使用しながら、図5に特
性線P1で示す「SPICE」の計算手法による配線遅
延時間に近似した算出値を得ることを可能とするもので
ある。
【0015】すなわち、単位長さあたりの遅延時間が特
性線P1に示す山形の曲線となり、その特性は、駆動セ
ルと配線の条件により変化する。そして、その変化は駆
動セルの駆動能力と配線インピーダンスとの比に基づく
ものであり、駆動セルの駆動能力が大きいほど、駆動セ
ルの近傍において単位長さあたりの配線遅延時間が小さ
くなり、「Elmore Delay」で算出した配線
遅延時間との誤差が大きくなることが判明した。この実
施の形態は、この事実に基づいて「Elmore De
lay」の手法を使用しながら、算出される配線遅延時
間の近似精度を向上させようとするものである。
【0016】まず、「Elmore Delay」によ
る計算値と「SPICE」による計算値との比較を行
う。図2において、縦軸は「Elmore Dela
y」による計算値と「SPICE」による計算値との比
(Elmore/SPICE)であり、横軸はRd/R
wである。
【0017】すなわち、図3に示すように、駆動セル1
と被駆動セル2との間の配線を抵抗Rと容量Cとがπ型
に接続された等価回路に置換し、さらに図4に示すよう
に、駆動セル1の負荷駆動能力をセル抵抗値Rdに置換
し、図3のπ型等価回路及び被駆動セル2をシングルπ
型の等価回路13に置換して、その等価回路のインピー
ダンスを配線インピーダンスRwとする。
【0018】このようにして、「Elmore Del
ay」及び「SPICE」の計算手法により配線遅延時
間が算出された種々の配線について、Rd/Rwの値と
Elmore/SPICEの値との関係を求めた結果が
図2である。
【0019】この結果から明らかなように、Rd/Rw
が1より小さくなると、Elmore/SPICEの値
が大きくなる。すなわち、Rd/Rwが1より小さくな
ると、「Elmore Delay」により算出された
配線遅延時間の誤差が大きくなる。
【0020】次に、「Elmore Delay」の計
算手法による計算誤差の発生理由を解明する。図5は、
直線配線ににおける配線長と単位長さあたりの遅延時間
の関係を示す。「Elmore Delay」による計
算値は、特性線ELで示すように、配線長が短いほど、
言い換えれば駆動セル1に近づくにしたがって遅延時間
が長くなる。
【0021】しかし、「SPICE」の計算手法によれ
ば、特性線P1あるいは特性線P2で示すように、山形
の曲線となる。そして、前記Rd/Rwが小さくなるほ
ど、特性線ELとの差は大きくなる。
【0022】「Elmore Delay」により計算
誤差が発生する最も大きな理由は、駆動セルの近くにお
ける遅延時間の計算誤差が大きくなるからである。そし
て、その計算誤差は配線の単位長さ当たりの抵抗値及び
容量値に依存している。従って、駆動セルの負荷駆動能
力が同一であっても、単位長さ当たりの抵抗値と容量値
が異なる配線が接続されると、配線遅延時間は異なる。
【0023】しかし、配線の終端部での遅延は、「El
more Delay」及び「SPICE」のいずれの
計算においても、配線の単位長さ当たりの抵抗値及び容
量値に関わらず0である。そして、配線の終端から駆動
セルに近づくにつれて、単位長さあたりの遅延時間が増
大する範囲では、は「Elmore Delay」と
「SPICE」の計算値はほぼ近似している。
【0024】「SPICE」による遅延時間が、駆動セ
ルに近づくつれて増大する状態から減少に転ずる変位点
Pは、終端側の配線抵抗と、駆動セルのセル抵抗値を含
む駆動側の配線抵抗の比が逆転する点である。
【0025】このようなことから、配線の終端から上記
変位点Pまでは、「ElmoreDelay」と「SP
ICE」の計算値の誤差は無視できる程度であり、変位
点Pから駆動セルまでの間では、「Elmore De
lay」による計算値の誤差が大きくなる。そして、変
位点Pから駆動セルまでの単位長さあたりの配線遅延時
間は、前記Rd/Rwが1より小さくなったとき、その
比に依存して変化する。
【0026】図6は、分岐構造をなす配線の等価回路を
示す。このような配線においても、「Elmore D
elay」での誤差の発生を同様に理解することができ
る。この等価回路では、駆動セル1の近くで配線が分岐
している。そして、図7に示すように、配線の終端部
A,Bでは、「Elmore Delay」による計算
値EL1,EL2は、「SPICE」による計算値SP
1,SP2と近似している。しかし、同図に示すハッチ
ング部分では、その誤差が最も大きくなっている。
【0027】次に、「Elmore Delay」によ
る計算誤差を補正する計算方法について説明する。ここ
で説明する計算方法は、駆動セルのセル抵抗値を含む二
次定数近似値を備えた改良式を使用するものであり、図
8に示す分岐構造を備えた等価回路について説明する。
【0028】まず、次式において、τpを算出する。
【0029】
【数1】 上式において、kは任意のノード、Rkkはノード1から
ノードkまでの経路上にある抵抗値の和、Ckはノード
kの接地容量である。
【0030】次いで、次式でτDiを算出する。
【0031】
【数2】 なお、上記(2)式は、通常の「Elmore Del
ay」の計算式である。通常の「Elmore Del
ay」の計算の場合、上式において、iはノード2(n
2)〜ノード6(n6)までの各ノードのうちの任意の
着目ノード、Rkiはノードkをノード2(n2)〜ノ
ード6(n6)までの任意のノードとし、ノードkから
ノード2までの経路とノードiからノード2までの経路
に共通に存在する抵抗値の総和である。
【0032】一方、誤差を補正する改良方法では、上式
において、iは、ノード1(n1)〜ノード6(n6)
までの各ノードのうちの任意の着目ノード、Rkiはノー
ドkから入力端子までの経路と、ノードiから入力端子
までの経路に共通して存在する抵抗値の和となる。
【0033】上記(2)式に基づいて、n2〜n6のす
べてのノードについて計算が行われる。その計算式を次
に示す。
【0034】
【数3】 次いで、次式の計算を行う。
【0035】
【数4】 例えばノード4では、(4)式の計算は次式となる。
【0036】
【数5】 次いで、(1)〜(5)式に基づいて、次式により、τ
1,τ2,τzを算出する。
【0037】
【数6】 次いで、ノードiのステップ応答電圧値Viを次式で算
出する。
【0038】
【数7】 なお、τ1,τ2が複素数の場合は次式で算出される。
【0039】
【数8】 Viが、Newton-Raphson法で得られた任意の電圧になる
までの遅延時間は、次式で求められる。
【0040】
【数9】 収束条件は、
【0041】
【数10】 である。(10)式が収束しない場合、反復動作を収束
させる条件は次式で表わされる。
【0042】
【数11】 初期値t1が最初に計算され、次いで次式でt2が計算
される。
【0043】
【数12】 t3も、同様にt2から計算される。
【0044】
【数13】 この計算は、収束用件が満たされるまで繰り返される。
Newton-Raphson法に基づく上記計算の意味を図7に示
す。
【0045】一例として、
【0046】
【数14】 であるとき、
【0047】
【数15】 となり、このとき遅延時間は、563(psec)となる。
【0048】次いで、次式において配線遅延時間Tline
を算出する。
【0049】
【数16】 ここでTniはノードiが電圧Viとなる遅延時間、Tn2
はノード2が電圧Viとなる遅延時間である。
【0050】上記各計算式の参考文献を以下に示す。 (1)「W.Elmore, The transient response of
damped linear networks with particurar regard
to wideband amplifires,J.Apply physics,vol.1
9,pp.55-63,Jan.1948」 (2)M-C Chang,C-F Chen,M-T yen,「FULL-CHIP R
C ROUTING EXTRACTION AND DELAY ANALYSIS」IEEE
1987 CUSTOM INTEGRATED CIRCUITS CONFERENCE
pp.137-141. (3)C-Y CHU and M.A.Horowiz,「Charge-Sharing
Models for Switch-Level Simulation」IEEE TRA
NS.COMPUTER-AIDED DESIGN Vol.CAD-6.No.6,Nov.198
7,pp.1053-1061. 次に、図1において、上記のような配線遅延時間計算を
行う機能を備えた配線遅延時間算出装置による配線遅延
時間算出動作を説明する。
【0051】遅延時間算出動作の開始により、算出装置
の演算部はあらかじめネットリストライブラリ11から
遅延時間の算出対象となる配線のRC情報を読み出す
(ステップ1)。
【0052】次いで、前記演算部は前記配線の終端に接
続される被駆動セルのセル内部容量をセルライブラリ1
2から読み出す。そして、演算部はステップ1で読み出
した配線のRC情報と、被駆動セル2の内部容量とに基
づいて、例えば図3に示すように、駆動セル1に対し抵
抗R及び容量Cがπ型に接続された等価回路を求める
(ステップ2)。
【0053】次いで、演算部は複数のRC情報で構成さ
れた配線形状を、図4に示すようなシングルπ型の等価
回路13に変換する(ステップ3)。次いで、演算部は
駆動セル1の負荷駆動能力をセルライブラリ12からセ
ル抵抗値Rdとして読み出す(ステップ4)。このセル
抵抗値Rdは、駆動セル1の負荷駆動能力に反比例する
値である。
【0054】すると、図4に示すように、駆動セル1が
セル抵抗値Rdに置換され、配線及び被駆動セル2が配
線インピーダンスRwの等価回路13として置換され
る。次いで、演算部はセル抵抗値Rdと配線インピーダ
ンスRwの比、Rd/Rwを算出する(ステップ5)。
【0055】次いで、演算部は算出されたRd/Rwの
値に基づいて、計算式を選択する(ステップ6)。すな
わち、図1のステップ7の計算式Iに「Elmore
Delay」の計算式を適用し、ステップ8の計算式に
その改良式を適用した場合、例えばRd/Rwが1.0
以上、30.0以下であれば、前記「ElmoreDe
lay」の計算式、すなわち上記(2)式に基づいて配
線遅延時間を算出し(ステップ7)、Rd/Rwが1.
0未満であれば、上記改良計算式(1)〜(16)に基
づいて配線遅延時間を算出し(ステップ8)、Rd/R
wが30.0を超える場合には、配線遅延時間を0とす
る(ステップ8)。
【0056】つまり、Rd/Rwが1.0以上、30.
0以下であるときは、配線の単位長さあたりの遅延時間
は、「Elmore Delay」で得られる遅延時間
に対し大きな誤差は生じない。従って、この範囲では
「Elmore Delay」の計算式に基づいて遅延
時間を算出すればよい。
【0057】また、Rd/Rwが1.0未満であれば、
配線の単位長さあたりの遅延時間は例えば図5に示す特
性線P1となり、「Elmore Delay」を特性
線P1に合わせて改良した上記計算式(1)〜(16)
に基づいて遅延時間を算出する。
【0058】次いで、演算部はステップ7若しくはステ
ップ8で得られた計算結果を配線遅延時間として外部へ
出力する(ステップ9)。上記のような遅延時間算出方
法では、次に示す作用効果を得ることができる。
【0059】(1)Rd/Rwが1.0以上、30.0
以下であるときは、実際の遅延時間が「Elmore
Delay」の計算式に基づく計算結果と大きな誤差は
ないので、「Elmore Delay」の計算式に基
づいて、精度のよい遅延時間を短時間で算出することが
できる。
【0060】(2)Rd/Rwが1.0未満であれば、
駆動セル1の近傍において、実際の遅延時間と「Elm
ore Delay」の計算式に基づく計算結果との間
の誤差が大きくなる。この場合には、その誤差を解消す
るように「Elmore Delay」を改良した計算
式に基づいて計算を行う。すなわち、「ElmoreD
elay」の計算式では、駆動セルから被駆動セルまで
の経路以外のネット上の配線抵抗を無視しているのに対
し、改良計算式では、参考文献(2),(3)に示すよ
うに、図8に示すような等価回路のネット全体の配線抵
抗及び配線容量を含んだ遅延を算出している。従って、
精度のよい遅延時間を短時間で算出することができる。
【0061】(3)Rd/Rwが30.0を超える場
合、すなわち駆動セル1の負荷駆動能力が配線インピー
ダンスに比して小さい場合には、配線遅延時間は駆動セ
ルの動作遅延時間に対し小さくなるので、配線遅延時間
を0と見積もっても誤差はほとんど生じない。従って、
精度のよい遅延時間を直ちに得ることができる。
【0062】(4)Rd/Rwの比に基づいて、「El
more Delay」の計算式と、その改良計算式と
のいずれかを選択して遅延計算を算出することができる
ので、精度のよい遅延時間を短時間で算出することがで
きる。
【0063】上記実施の形態は、次に示すように変更す
ることもできる。 ・上記実施の形態では、Rd/Rwの比に基づいてステ
ップ7の計算式Iに「Elmore Delay」計算
式を設定し、ステップ8の計算式IIにその改良計算式
を設定し、ステップ6の計算式選択での条件設定に基づ
き複数の計算式を切り換えて使用しているが、各計算式
Iや計算式IIには「Elmore Delay」計算
式やその改良式に代えて、AWE方式あるいはSPIC
E方式等を使用して配線遅延時間を求める場合にも本発
明を適用できる。
【0064】例えば、図1におけるステップ7の計算式
Iの配線遅延計算をSPICE方式とし、ステップ8の
計算式IIの配線遅延計算を固定遅延値とする。このと
き、ステップ6における計算式選択の判定値を例えば3
0.0とし、これより小さい場合にはSPICE方式を
用いて配線遅延時間を算出するようにし、30.0以上
の場合には配線遅延時間を固定遅延値とする。この場合
は、全配線情報に対してSPICEを用いた場合と比
べ、SPICE方式を適用しない配線情報が発生するこ
とになり、これにより算出される配線遅延時間の精度と
しては悪化するものの、その悪化を最小限に抑えつつ計
算速度を向上させることが可能となる。
【0065】また、ステップ7の計算式Iの配線遅延計
算を「Elmore Delay」計算式とし、ステッ
プ8の計算式IIの配線遅延計算をAWE方式とする。
この時のステップ6における計算式選択の判定値を、例
えば1.0とし、これより小さい場合には「Elmor
e Delay」計算式を用いて配線遅延時間を算出す
るようにし、1.0以上の場合には、AWE方式を用い
て配線遅延時間を算出する。この場合には改良式を用い
て配線遅延時間を算出する場合と比べて計算速度の面で
は遅くなるものの、算出される配線遅延時間の精度は、
より高精度な配線遅延時間を算出することが期待され
る。 ・ステップ1における配線情報の取り込み動作にともな
って、ループ状配線あるいはメッシュ状配線等の特殊な
配線形状であるか否かを検出可能である。そして、特殊
な配線形状である場合には、当該配線形状の遅延時間を
算出し得る「Elmore Delay」以外の計算方
法で遅延時間を算出することができる。 ・上記実施の形態は、レイアウト後の配線及びレイアウ
ト前の予想配線に対し、配線遅延時間を算出することが
できる。
【0066】上記実施の形態から把握できる前記請求項
以外の技術思想を以下に示す。 (1)駆動セルの負荷駆動能力を等価的に置換したセル
抵抗値を算出する第一の演算手段と、前記駆動セルに接
続される被駆動配線及び被駆動セルを等価的に置換した
インピーダンスを算出する第二の演算手段と、Elmo
re Delayの計算式と、駆動セルの負荷駆動能力
を考慮した計算式とをあらかじめ格納した記憶手段と、
前記第一の演算手段で算出されたセル抵抗値と、前記第
二の演算手段で算出されたインピーダンスとの比に基づ
いて、前記記憶手段に格納されているElmore D
elayの計算式と、駆動セルの負荷駆動能力を考慮し
た計算式とのいずれかを選択して配線遅延時間を算出す
る第三の演算手段とを備えたことを特徴とする配線遅延
時間算出装置。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は駆動セ
ルの負荷駆動能力を考慮した配線遅延計算を使用して、
計算処理時間の増大を防止しながら、近似精度の向上を
図り得る配線遅延時間の算出方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遅延時間算出動作を示すフローチャート図で
ある。
【図2】 Elmore/SPICEとRd/Rwとの
関係を示す説明図である。
【図3】 駆動セルに接続される配線及び被駆動セルの
等価回路を示す回路図である。
【図4】 シングルπ型等価回路を示す回路図である。
【図5】 配線長と単位長さあたりの遅延時間との関係
を示す概念図である。
【図6】 分岐した配線の等価回路を示す回路図であ
る。
【図7】 配線長と単位長さあたりの遅延時間との関係
を示す概念図である。
【図8】 駆動セルに接続される配線及び被駆動セルの
等価回路を示す回路図である。
【図9】 Newton-Raphson法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 駆動セル 2 被駆動セル Rd セル抵抗値 Rw 配線インピーダンス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 高志 愛知県春日井市高蔵寺町二丁目1844番2 富士通ヴィエルエスアイ株式会社内 Fターム(参考) 5B046 AA08 BA03 JA01 JA03 JA07 5F064 AA04 BB26 EE08 EE12 EE20 EE42 EE43 EE47 HH06 HH09 HH10 HH12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動セルの負荷駆動能力を等価的に置換
    したセル抵抗値と、前記駆動セルに接続される被駆動配
    線及び被駆動セルを等価的に置換した配線インピーダン
    スとの比に基づいて、配線遅延計算式を駆動セルの負荷
    駆動能力を考慮した配線遅延計算式に切り換えて配線遅
    延時間を算出することを特徴とする配線遅延時間算出方
    法。
  2. 【請求項2】 駆動セルの負荷駆動能力を等価的にセル
    抵抗値に置換し、前記駆動セルに接続される被駆動配線
    及び被駆動セルの配線情報を取得し、前記配線情報をシ
    ングルπ型の等価回路に置換し、前記等価回路のインピ
    ーダンスを配線インピーダンスとして算出し、前記セル
    抵抗値と前記配線インピーダンスの比を算出し、該比に
    基づいて、配線遅延計算式を駆動セルの負荷駆動能力を
    考慮した配線遅延計算式に切り換えて配線遅延時間を算
    出することを特徴とする配線遅延時間算出方法。
  3. 【請求項3】 前記セル抵抗値と配線インピーダンスの
    比は、セル抵抗値をRd、配線インピーダンスをRwと
    したとき、Rd/Rwの演算で算出し、該Rd/Rwに
    基づいて、Elmore Delayの計算式と、駆動
    セルの負荷駆動能力を考慮した計算式とを切り換えて配
    線遅延時間を算出することを特徴とする請求項1乃至2
    のいずれかに記載配線遅延時間算出方法。
  4. 【請求項4】 前記駆動セルの負荷駆動能力を考慮した
    計算式は、Elmore Delayの計算式を改良し
    た計算式としたことを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の配線遅延時間算出方法。
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