JP2001159116A - 埋立地の施工管理方法 - Google Patents

埋立地の施工管理方法

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Yoshihiko Hosaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋立土砂の投入区域の水底面への上載荷重と
その水底面位置の沈下量との関係から、原地盤の土質定
数が算定でき、より精度の高い沈下の予測が可能となる
埋立地の施工管理方法を提供する。 【解決手段】 土粒子の比重を測定した土取場からバー
ジに積込んだ土砂の重量、体積及び含水比を測定すると
共に、土砂投入直前と投入直後のそれぞれの投入地点の
地盤高さの測量を各投入作業ごとに行ない、土砂投入直
後に得られた値と土砂投入直前に得られた値の差を投入
された土砂の体積とし、土取場で測定した土粒子の比重
ならびにバージに積込んだ時の土砂の重量、体積及び含
水比から水中の飽和単位体積重量を算定して、各投入作
業ごとに上載荷重を算定して、土砂の投入作業ごとにそ
の累計を過去の累計と共に表示し、その投入作業直前に
得られた値とその前の投入作業直後に得られた値との差
を沈下量として土砂の投入作業ごとにその累計を過去の
累計と共に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてサンドド
レーン工法により地盤改良された地盤上に土砂を投入し
て埋立を行う際の埋立地の施工管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サンドドレーン工法により地盤改
良した軟弱地盤等に土砂を投入して埋立施工を行なう場
合、投入された土砂の荷重が載荷されることにより、サ
ンドドレーン工法により改良された地盤の沈下が促進さ
れることになる。
【0003】そこで、埋立地の施工管理を行なうため
に、その地盤上に基板上に目盛付の棒状部材を配置した
沈下板をある間隔をおいて立設し、沈下板の目盛をレベ
ル等で読み取ることによって地盤がどれだけ沈下したか
を観測すると共に、その地盤上に埋立てられた地盤の高
さを測量していた。
【0004】しかしながら、上記従来の方法によれば、
土砂投入後の地盤の高さと沈下板を設けた場所の沈下量
を知ることができても、実際には地盤が投入土砂の荷重
で沈下しているので、どの程度の埋立土砂の層厚になっ
ているかは知ることができず、埋立により正常に沈下し
ているかどうかを判断するのは困難だった。
【0005】また、事前に多数の沈下板を土砂投入時に
改良地盤上に設置して沈下量を沈下板で測定することが
従来行なわれているが、沈下板を細かい間隔で多数設置
することは土砂の投入時に邪魔になるという問題がある
と共に、沈下板を設置した地点でしか沈下量を測定する
ことができないという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、埋立土砂の
投入区域の水底面への上載荷重とその水底面位置の沈下
量との関係から、原地盤の土質定数が算定でき、より精
度の高い沈下の予測が可能となる埋立地の施工管理方法
を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、土粒子の比重
を測定した土取場からバージに積込んだ土砂の重量、体
積及び含水比を測定すると共に、土砂投入直前と投入直
後のそれぞれの投入地点の地盤高さの測量を各投入作業
ごとに行ない、土砂投入直後に得られた値と土砂投入直
前に得られた値の差を投入された土砂の体積とし、土取
場で測定した土粒子の比重ならびにバージに積込んだ時
の土砂の重量、体積及び含水比から水中の飽和単位体積
重量を算定して、各投入作業ごとに上載荷重を算定し
て、土砂の投入作業ごとにその累計を過去の累計と共に
表示し、その投入作業直前に得られた値とその前の投入
作業直後に得られた値との差を沈下量として土砂の投入
作業ごとにその累計を過去の累計と共に表示する埋立地
の施工管理方法からなり、またさらにかゝる埋立地の施
工管理方法において、土砂の投入作業後所定時間経過後
に、沈下量を測定するために土砂が投入された地点の地
盤高さの測量作業を追加し、所定時間経過前の土砂の投
入作業直後の値と、沈下量を測定するために得られた値
との差および沈下量を測定するために得られた値と次回
の土砂投入作業の土砂投入直前に得られた差を沈下量と
して、その累計を過去の沈下量の累計と共に表示するこ
とを追加した埋立地の施工管理方法からなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の埋立
地の施工管理方法について説明する。
【0009】図1は本発明の施工管理方法を適用して土
取場から土砂9を採取し、積込むためのバージ10を示
しているが、このバージ10に土砂9を積込む際には、
土取場における採取した土砂9の土粒子の比重GS を各
土取場ごとに測定し、さらに土取場からバージ10に積
込む土砂9の重量W1 をメリックスケール等で、体積V
1 を土量検出システムで測定し、そして含水比W1 を実
測により測量する。
【0010】次に、バージ10から土砂9を投入する前
に、図4に示すごとく投入区域の水底面の地盤8までの
高さを測量船3に搭載した、例えばナローマルチビーム
2を用いた測深ソナーで深海測量を行っておき、図2の
ごとく土砂9の投入後にその投入区域の水底面の地盤高
さを上記と同様に測量する。
【0011】なお、この測量船3にはリアルタイムキネ
マテック・GPSのアンテナ11と図示されていないジ
ャイロコンパスが装備されているので、その測量位置の
三次元座標と方向もリアルタイムに測定され無線4で伝
送される。
【0012】すなわち、図5において土砂9の投入前の
水底面の地盤高さの測量値D1と、土砂9の投入後の図
6における水底面の地盤高さの測量値D2とにより、層
厚さT1 =D1−D2により投入後の土砂9の体積V2
を算定する。
【0013】この場合、バージ10上における湿潤単位
体積重量γt1はバージ10に積込み時の土砂9の重量W
1 と体積V1 から、
【0014】
【数1】 であり、バージ10上における乾燥単位体積重量γd1
土砂9のバージ積込時の含水比W1 から、
【0015】
【数2】 を算定され、水中における乾燥単位体積重量γd2は、体
積変化率V1 /V2 から算定し、
【0016】
【数3】 となり、さらに水中における飽和単位体積重量γsat
は、
【0017】
【数4】 の式で算定され、
【0018】
【数5】 をこれに代入することにより、
【0019】
【数6】 となり、投入後の土砂9による上載荷重の算定を行な
う。
【0020】次に、上記図6の土砂9の投入後、次の土
砂9を投入するまでに、所定時間、例えば2週間程度経
過する場合は、図7のごとく土砂9の沈下があるので、
その沈下のD3で示す測量を定期的に実施し、次の土砂
9の投入前に図8に示すごとく次の土砂9の投入区域の
D4で示す測量を行ない、土砂投入直後速やかに図9の
D5で示す測量を行ない、さらに図10のD6で示す沈
下測量を行なう。
【0021】なお、前記図5から図10までの作業手順
における各層厚T1 ,T2 は、算定式T1 =D1 −D2
からT2 =D4 −D5 、・・・・により土砂9の投入ご
とに順次算定し、またそれぞれの沈下量の合計S1 ,S
2 は、算定式S1 =D2 −D3 からS2 =D5 −D6
1'・・・、ここでS1'=D3 −D4 +S1 ・・・、に
より算定する。
【0022】また、上記図5から図10までの手順にお
いて、図5及び図8の土砂投入前の測量は、投入前に必
ず実施するものとし、また図5から図6及び図8から図
9までの土砂投入後の測量は、投入後速やかに実施し、
その間の沈下量は0とみなすものとし、さらに図7及び
図10の沈下測量は、土砂投入後、次の土砂を投入する
までに、所定時間、例えば2週間程度経過する場合は、
週に1回定期的に実施する。
【0023】以上から、本発明では図3に示すように土
砂9の投入作業を繰り返して行なったときの上載荷重の
変化と沈下の経時変化とを把握することができる。
【0024】次に、図11は上記で説明した本発明の埋
立地の施工管理の方法を適用したシステムで得られた測
量値を表示した地盤高経時変化の把握のための地盤高さ
の断面図をAで、層厚経時変化の把握のための層厚の累
計を土砂の投入ごとに示した断面図をBで、沈下量経時
変化の把握のための沈下量の累計を土砂の投入ごとに示
した断面図をCで、そして圧密放置期間中沈下量の断面
図をDで示したものであり、図中のXで示すのは地盤高
の設計断面であり、Yで示すのは層厚の設計層厚であ
る。
【0025】また、本発明では必要に応じて、事前に沈
下板5,6,7を図11に便宜的に示すように適宜な間
をおいて設置しておくことにより、図11のZで示すそ
れらの沈下板5,6,7による沈下量を確認チェックす
ることにより、沈下量の正誤性を確認し管理することが
でき、この場合の沈下板5,6,7は従来のごとく多数
設置する必要はない。
【0026】また、図12は上記システムにより得られ
た深浅測量による施工履歴取得の一例を示し、縦軸に地
盤高を、そして横軸に法線からの距離を示し、土砂の投
入時のそれぞれの投入日を記入したものである。
【0027】さらに図13は上記のごとく土砂を繰返し
投入した結果を記入し表示する一覧表であり、バージ上
における湿潤単位体積重量 γt1:=÷で算定
し、バージ上における乾燥単位体積重量γd1;=÷
(1+)で算定し、体積変化率;=÷で算定
し、海中における乾燥単位体積重量γd2;=×7で
算定し、そして海中における飽和単位体積重量γsat ;
【0028】
【数7】 で算定される。
【0029】したがって図11と図13を用いれば、上
載荷重と沈下量との関係を把握することができる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明した本発明の埋立地の施工管
理方法によれば、上載荷重と沈下量の履歴が表示される
ので、上載荷重と沈下量との関係から原地盤の土質定数
が算定でき、より精度の高い沈下の予測が可能となる。
【0031】また、上載荷重と沈下量との関係を把握で
きるので、異常な沈下があれば早期に発見が可能で、対
策を講じやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の施工管理方法を適用して土砂を積み込
み投入するバージの側面図である。
【図2】図1のバージから土砂を投入した状態の説明用
側面図である。
【図3】図1の土砂の投入作業を繰り返し行なう状態の
説明用側面図である。
【図4】本発明の施工管理方法に適用した測量システム
を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の施工管理方法による層厚及び沈下量の
概念を説明する土砂投入前の事前測量図である。
【図6】図5に続く土砂投入後の事後測量図である。
【図7】図6に続く沈下測量図である。
【図8】図7に続く次の土砂を投入前の事前測量図であ
る。
【図9】図8に続く土砂投入後の事後測量図である。
【図10】図9に続く沈下測量図である。
【図11】本発明の方法を適用したシステムで得られた
測量値を表示した断面図である。
【図12】図11のシステムにより得られた深浅測量に
よる施工履歴取得の一例を示した断面図である。
【図13】図12のごとく土砂を繰返し投下した結果を
記入し表示する一覧表である。
【符号の説明】
9 土砂 10 バージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深沢 健 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 (72)発明者 平林 弘 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 (72)発明者 保坂 嘉彦 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 (72)発明者 上奥 剛 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 (72)発明者 行木 秀忠 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土粒子の比重を測定した土取場からバー
    ジに積込んだ土砂の重量、体積及び含水比を測定すると
    共に、土砂投入直前と投入直後のそれぞれの投入地点の
    地盤高さの測量を各投入作業ごとに行ない、土砂投入直
    後に得られた値と土砂投入直前に得られた値の差を投入
    された土砂の体積とし、土取場で測定した土粒子の比重
    ならびにバージに積込んだ時の土砂の重量、体積及び含
    水比から水中の飽和単位体積重量を算定して、各投入作
    業ごとに上載荷重を算定して、土砂の投入作業ごとにそ
    の累計を過去の累計と共に表示し、その投入作業直前に
    得られた値とその前の投入作業直後に得られた値との差
    を沈下量として土砂の投入作業ごとにその累計を過去の
    累計と共に表示する埋立地の施工管理方法。
  2. 【請求項2】 土砂の投入作業後所定時間経過後に、沈
    下量を測定するために土砂が投入された地点の地盤高さ
    の測量作業を追加し、所定時間経過前の土砂の投入作業
    直後の値と、沈下量を測定するために得られた値との差
    および沈下量を測定するために得られた値と次回の土砂
    投入作業の土砂投入直前に得られた差を沈下量として、
    その累計を過去の沈下量の累計と共に表示することを追
    加した請求項1記載の埋立地の施工管理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019116807A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 学校法人立命館 演算装置、施工方法、およびコンピュータプログラム
CN115126009A (zh) * 2022-06-10 2022-09-30 河海大学 一种降低饱和砂土场地相对密实度的装置及施工方法
CN117344692A (zh) * 2023-10-11 2024-01-05 中国海洋大学 一种人工岛考虑地下淡水储存的淤泥包布局方法

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