JP2001139073A - スプレー缶内の充填物質抜き取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄すべきスプレー缶内の充填物質を、ノズ
ルを手等で押圧し続けることなく取り出せること。 【解決手段】 処理すべきスプレー缶１００のノズルを
外した缶本体１００の第一外周淵１０３に接合部１を押
し込み、圧力印加部４を回動し、ねじ３とねじ７の螺合
を利用して前進させると缶本体１００の噴出口１０１を
押圧する。これにより噴出口１０１からガスと内容物つ
まり充填物質が放出される。圧力印加部４の回し加減に
より持続して印加する圧力を調節できる。さらに、チュ
ーブを接続することにより充填物質を離れた場所に導く
事ができることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種スプレー缶
（カセットガスボンベを含む）内の充填物質の抜き取り
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】整髪料などのスプレー缶やカセットガス
ボンベを使用後廃棄する場合、各自治体の清掃局の指導
では家庭などで缶に穴を開けて廃棄するようになってい
る。

【０００３】このような事から現在、大きな寸法のヤッ
トコの様な工具で缶を挟み、その内側に形成された鋭利
な突起で缶に直接穴を開ける器具や、先の尖ったハンマ
ーで直接穴を開ける器具が市場で発売されている。

【０００４】但し、塗料等のスプレー缶には塗料が噴出
するせいかあまり使われていない。

【０００５】しかしながら平成１１年６月２日に東京都
清掃局と東京消防庁で協議した結果、前記器具を使って
穴を開ける際に爆発事故が絶えないために、「必ず中身
を使いきって穴を開けずに捨てる」ということになっ
た。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術の
特徴を列挙すると下記のようになる。

【０００７】１．缶に穴を開ける際、ガスコンロ等に引
火して爆発事故が発生している。

【０００８】２．缶に穴を開けないで廃棄し、回収した
清掃車の火災が発生している。

【０００９】３．ほとんどの整髪料等のスプレー缶は環
境問題から、かつてのフロンガスから可燃性の液化石油
ガス（主にＬＰガス）を使用している。

【００１０】４．ほとんどの塗料のスプレー缶は環境問
題から、かつてのフロンガスから可燃性ガス（主にＬＰ
ガス）を使用し更に可燃性の高い溶液（シンナー）も含
ませている。

【００１１】５．カセットガスボンベは残量が少なくな
ると火力が低下してしまうので使い切る事無く新しいボ
ンベに取り換えるのが一般的である。

【００１２】６．カセットガスボンベは一般家庭だけで
なく飲食店でも客席で多く使用されており、交換の時期
は前項と同様である。

【００１３】７．整髪料の利用者は若年層に多く多種多
品目を揃える傾向があり、使い切る事は少なく飽きてそ
のまま廃棄する事が多い。

【００１４】８．塗料の場合も使い切る事は少なくその
まま廃棄する事が多い。

【００１５】９．整髪料や塗料などの場合、廃棄を目的
としたガス抜きをすると油成分や塗料顔料が飛び散り環
境を悪化させる。

【００１６】１０．缶に穴を開けないでガス抜きをする
には、かなりの時間と手間を要する。

【００１７】１１．この様な事から消費者に「使い切
る」事を要求しても現実は不可能であり事故や火災発生
件数が減少するとは予測し難い。

【００１８】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるスプレー
缶内の充填物質抜き取り装置は、ノズルの押圧により缶
本体の噴出口に圧力を加え、前記缶本体内部の充填物質
を前記噴出口を経て前記ノズルから噴出するスプレー缶
を処理対象とするものであって、前記ノズルを取り外し
た缶本体の第一外周淵内側の凹状溝に押し込み固定され
る接合部を備えた脱着自在の接合手段と、前記接合部内
部に設けたねじに螺合し回動により前進または後退して
前記缶本体の噴出口に所定の圧力を持続して加える機能
を備えた圧力印加手段とを有するものである。

【００１９】また、前記接合手段は、接合部が缶本体上
部の第一外周淵内側の凹状溝に引っかかるように構成さ
れている。

【００２０】さらに、前記圧力印加手段は、前記接合部
の内側に付いているねじに螺合し回動により前進または
後退して前記缶本体の噴出口に所定の圧力を持続して加
え、かつスプレー缶内の充填物質抜き取りの量の調整や
缶本体の噴出口の長さの違いにも適応可能としている。

【００２１】また、前記圧力印加手段の排出口は、テー
パ状をなして缶本体の噴出口の外径の大小に適応可能と
したものである。

【００２２】さらに、前記圧力印加手段の排出口は、前
記充填物質を移送するチューブの一端を接続するチュー
ブ接続管がついているものである。

【００２３】また、前記圧力印加手段には、横に複数の
穴等を設けることにより前記缶本体を倒立した状態で前
記充填物質を抜き取ることができるものである。

【００２４】

【発明の実施の形態】はじめに、本発明の処理の対象で
あるスプレー缶について図２，図５〜図１１を用いて説
明する。

【００２５】図５は、各種スプレー缶のノズルの特徴を
示しており、（ａ），（ｂ）は、塗装スプレー缶、
（ｃ）は殺虫剤スプレー缶、（ｄ）は化粧品スプレー
缶、（ｅ）はカセットガスボンベである。これらの図に
おいて、１００は缶本体、１０１は前記缶本体１００に
設けられた噴出口、１０２はこの噴出口１０１に押圧嵌
合することにより取り付けられたノズルである。なお、
（ｂ）〜（ｅ）では、噴出口１０１はかくれて見えな
い。

【００２６】図５の（ｅ）のカセットガスボンベと、図
５（ａ）〜（ｄ）のスプレー缶の噴出口１０１の共通点
としては、スプレー缶には多種多様なノズル１０２が取
り付けられているがそれは簡単に取り外すことができる
点と、ノズル１０２を取り外すと、噴出口はカセットガ
スボンベの噴出口と全く同じ外見が現れる点である。噴
出口を図６に符号１０１で示す。そこで、本発明ではス
プレー缶にカセットガスボンベを含ませることとする。

【００２７】缶本体１００の上部は、図２に示すよう
に、噴出口１０１の外側に第一外周淵１０３があり、そ
の内径は、缶本体１００の形状に関係無くほぼ同寸法で
ある。さらに、上端から約３ｍｍ位下がつた部分でその
内径は約２ｍｍ位広がる。

【００２８】図７に示すように、噴出口１０１から一本
の管１０４が底部に向かって付いており、それは底部か
ら数ミリの所までの長さがある。但し、この管１０４の
無い物もある。

【００２９】ノズル１０２の穴が上を向いている物で
は、ノズル１０２を下にした状態でノズル１０２を押す
と内容物とガスを同時に抜き取る事が出来る。これを図
８に示す。ノズル１０２の穴が横を向いている物では、
ノズル１０２を上にした状態でノズルを押すと内容物と
ガスとを同時に抜き取る事が出来る。これを図９に示
す。

【００３０】また、ノズル１０２の穴が上を向いている
物では、ノズル１０２を上にした状態でノズル１０２を
押すとガスだけ抜き取る事ができる。これを図１０に示
す。ノズル１０２の穴が横を向いている物では、ノズル
１０２を下にした状態でノズル１０２を押すとガスだけ
を抜き取る事ができる。これを図１１に示す。

【００３１】そして、ガス及び内容物の噴出量は缶本体
１００内の図示しない弁の開放量に応じ、つまりノズル
１０２若しくは噴出口１０１を強く押し下げると大量に
噴出し、弱く押すと少量ずつ噴出する。

【００３２】上述したように、スプレー缶には多種多様
のものがあるが、ノズルを除去すれば円筒状の缶本体１
００に噴出口１０１を備えたものであり、噴出口１０１
に圧力を加えると内容物が噴出するという共通点を有す
る。本発明は以上の知見を利用してなされたもので、以
下に本発明の実施例を示す。

【００３３】

【実施例】図１は、本発明の一実施例を示すもので、そ
の構成は缶本体に固定するための接合手段Ａと、缶本体
の噴出口を押圧して噴出口に圧力を持続して加える圧力
印加手段Ｂとからなる。

【００３４】〈接合手段Ａ関係〉図１において、２００
は本発明によるスプレー缶内の充填物質抜き取り装置の
全体を示す。１は接合部で、円筒状をなし、内部にねじ
３が付いている、缶本体１００の第一外周淵下部の凹状
溝にひっかかる環状の突起２が付いている。これらで接
合手段Ａが構成されている。

【００３５】接合部１の材質は、金属、合成樹脂等弾性
を有するものであり、かつ有機系化学物質によって変形
しないものであればよい。

【００３６】〈圧力印加手段Ｂ関係〉４は圧力印加部
で、円筒状をなし（外部にねじ３に螺合したねじ７が付
いている。５は排出口で缶本体１００の噴出口１０１の
外径の大小に適応できるようにテーパ状をなしている
（図３参照）、６はチューブ接続管である、８は空気及
び充填物質拡散のための縦長の穴である。これらで圧力
印加手段Ｂが構成される。

【００３７】圧力印加部４の材質は、金属、合成樹脂等
弾性を有するものであり、かつ有機系化学物質によって
変形しないものであればよい。

【００３８】上記構成のスプレー缶内の充填物質抜き取
り装置２００の動作について、まず、チューブ９を使用
しない場合について説明する。

【００３９】図１において、圧力印加部４を適度にまわ
して接合部１の突起２と圧力印加部４の排出口５を離
す。

【００４０】接合部１が上になるように平らな所に置
く、倒立させたスプレー缶の第一外周淵１０３に合わせ
て缶本体１００を強く押し込む。

【００４１】そのまま倒立させて充填物質を抜き取る場
合は、圧力印加部４をまわして缶本体１００の噴出口１
０１が圧力印加部４の排出口５に当り充填物質が出て来
るまで回わす。

【００４２】倒立したままで置くと充填物質は圧力印加
部４の縦長状の穴８から自動的に排出される。

【００４３】上向きで充填物質を抜き取る場合は、缶本
体１００を元に戻し圧力印加部４をまわして缶本体１０
０の噴出口１０１が圧力印加部４の排出口５に当り充填
物質が出て来るまで回わす。

【００４４】その後は缶内の充填物質が無くなるまで自
動的に排出される。

【００４５】倒立、上向きの何れの場合においても、充
填物質の抜き取り量は圧力印加部４を前進または後退さ
せることで調節できる。

【００４６】圧力印加部４の縦長の穴８によって充填物
質内のガスは適度に空気中に拡散される。

【００４７】次に、チューブ９を使用する場合について
説明する。

【００４８】チューブ９を圧力印加部４のチユーブ接続
管６に接続する。

【００４９】図４は、チューブ９を使用する場合につい
ての説明図である。図４において、２００は本発明によ
るスプレー缶内の充填物質の抜き取り装置を示し、２０
１は回収袋、または回収機器を示す。

【００５０】チューブ９の先端を台所用水切り袋等の回
収袋２０１に挿入して塗装用スプレー缶や事務用品用ス
プレー缶や化粧用スプレー缶の内容物を飛散させないで
回収する。この回収袋２０１を水の中に入れて使用する
と香料や溶剤の匂いを減少させる効果もあり、水泡によ
ってガスの噴出量を知る目安にもなる。

【００５１】カセットガスボンベの場合は、水の中に入
れて水泡を見ながら噴出量を調節できるのでより安全に
ガス抜きができる。さらに他の回収機器に接続する事も
可能になる。

【００５２】ベランダ等でガスが低部に滞留するような
環境では、チューブ９の一端を外部に出す事で引火等の
危険から回避する事ができる。

【００５３】

【発明の効果】以上のように本発明は、ノズルの押圧に
より缶本体の噴出□に圧力を加え、前記缶本体内部の充
填物質を前記噴出口を経て前期ノズルから噴出するスプ
レー缶内の充填物質抜き取り装置であって、前記ノズル
を取り外した缶本体上部の第一外周淵に押し込み固定さ
れる接合部を備えた脱着自在の接合手段と、前記接合部
内側に設けた螺子に螺合し回動により前進または後退し
て前記缶本体の噴出口に所定の圧力を持続して加える機
能を備えた圧力印加手段と、を有するので、以下のよう
な効果が得られる。

【００５４】１．市販されている化粧用スプレー缶、塗
装用スプレー缶、事務用品用スプレー缶、殺虫剤スプレ
ー缶をはじめとしてカセットガスボンベまで幅広く使用
できる。

【００５５】２．家庭用だけに限らず業務用でも使用で
きる。

【００５６】３．充填されたガスだけでなく塗料等の内
容物も抜き取る事ができる。

【００５７】４．スプレー缶の寸法（高さ・径）に関わ
らず全てに対応出来る。

【００５８】５．穴あけ機で開けた場合のガスや内容物
が一気に飛び散る事から発生する爆発や火災の危険から
回避する事ができる。

【００５９】６．消費者が簡単にガス抜きできるので清
掃車内の火災を解決できる。

【００６０】７．塗料等の顔料や溶剤を下水に流さない
ので環境汚染を防止できる。

【００６１】８．缶本体（アルミ、鉄）とノズル及び偽
装材（合成樹脂）を分離廃棄できるので環境汚染を防止
できる。

【００６２】９．缶本体との接合部は簡単に脱着でき
る。

【００６３】１０・圧力印加手段の排出口は、テーパ状
をなしているので、缶本体の噴出口の外径の大小に適応
する事ができる。

【００６４】１１．圧力印加手段の排出口は、前記充填
物質を移送するチューブの一端を接続するチユーブ接続
管を有するので、チューブの他端を回収袋や回収装置に
接続することにより、スプレー缶内の充填物質の回収が
可能である。

【００６５】１２．ベランダ等でガスが低部に滞留する
ような環境では、チューブの一端を外部に出す事で引火
等の危険から回避する事ができる。

【００６６】１３．缶本体を倒立した状態で、前記前記
充填物質を抜き取る事ができるので、ガスのみの抜き取
り、充填物質を含んだ抜き取りの何れにも適応する事が
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】缶本体の第一外周淵部を示す縦断面図である。

【図３】図１における排出口のテーパ形状と缶本体の噴
出口の径の大小を示す図である。

【図４】図１におけるチユープの作用を説明する図であ
る。

【図５】本発明の処理対象のスプレー缶を説明する図で
ある。

【図６】各種のスプレー缶のノズルを取り外した状態を
示す図である。

【図７】スプレー缶の内部の管を説明する図である。

【図８】スプレー缶における缶本体の姿勢と排出される
内容物との関係を説明する図である。

【図９】スプレー缶における缶本体の姿勢と排出される
内容物との関係を説明する図である。

【図１０】スプレー缶における缶本体の姿勢と排出され
る内容物との関係を説明する図である。

【図１１】スプレー缶における缶本体の姿勢と排出され
る内容物との関係を説明する図である。

【符号の説明】

１ 接合部 ２ 突起 ３ ねじ ４ 圧力印加部 ５ 排出口 ６ チューブ接続管 ７ ねじ ８ 縦長の穴 ９ チューブ １００ 缶本体 １０１ 噴出口 １０２ ノズル １０３ 缶本体の第一外周淵 ２００ 充填物質の抜き取り装置 ２０１ 回収袋もしくは回収機器 Ａ 接合手段 Ｂ 圧力印加手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E014 PA01 PB01 PC02 PC13 PD01 PE21 PF02 3E072 CA03 DB03 GA30 4F033 RA02 RA20 RB03 RC01 RC21

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノズルの押圧により缶本体の噴出口に圧
   力を加え、前記缶本体内部の充填物質を前記噴出口を経
   て前記ノズルから噴出するスプレー缶内の充填物質抜き
   取り装置であって、 前記ノズルを取り外した缶本体上部の第一外周淵に押し
   込み固定される接合部を備えた脱着自在の接合手段と、 前記接合手段の接合部内側に設けたねじに螺合し回動に
   より前進または後退して前記缶本体の噴出口に所定の圧
   力を持続して加え、前記ノズルから噴出するスプレー缶
   内の充填物質を排出口を介して排出させる圧力印加手段
   と、を有することを特徴とするスプレー缶内の充填物質
   抜き取り装置。
2. 【請求項２】 前記接合手段は、前記接合部が缶本体上
   部の第一外周淵内側の凹状溝に引つかかることを特徴と
   する請求項１に記載のスプレー缶内の充填物質抜き取り
   装置。
3. 【請求項３】 前記圧力印加手段は、前記接合部内側に
   設けたねじに螺合し回動により前進または後退してスプ
   レー缶内の充填物質抜き取りの量を調整可能としたこと
   を特徴とする請求項１に記載のスプレー缶内の充填物質
   抜き取り装置。
4. 【請求項４】 前記圧力印加手段の排出口は、テーパ状
   をなして缶本体の噴出口の外径の大小に適応可能とした
   ことを特徴とする請求項１に記載のスプレー缶内の充填
   物質抜き取り装置。
5. 【請求項５】 前記圧力印加手段の排出口は、前記充填
   物質を移送するチューブの一端を接続するチューブ接続
   管を有することを特徴とする請求項１に記載のスプレー
   缶内の充填物質抜き取り装置。
6. 【請求項６】 前記圧力印加手段は、缶本体を倒立した
   状態で、前記充填物質を抜き取ることを可能にしたこと
   を特徴とする請求項１に記載のスプレー缶内の充填物質
   抜き取り装置。