JP2001137256A - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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JP2001137256A
JP2001137256A JP32574399A JP32574399A JP2001137256A JP 2001137256 A JP2001137256 A JP 2001137256A JP 32574399 A JP32574399 A JP 32574399A JP 32574399 A JP32574399 A JP 32574399A JP 2001137256 A JP2001137256 A JP 2001137256A
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ultrasonic wave
waves
wave
shielding
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JP32574399A
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Motoji Haratou
基司 原頭
Yoshiharu Ishibashi
義治 石橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波を透過しつつ電磁波をシールドするこ
とができる超音波治療装置を提供する。 【解決手段】 超音波アプリケータ30に備わるセラミ
ック振動子1の超音波放射面側に銅カバー2を配置す
る。銅カバー2の表面の法線と治療用超音波の進行方向
は平行になるように配置されている。銅カバー2の厚み
は治療用超音波が透過できる所定の厚みを備え、電磁波
に対しては十分なシールド効果を奏するに足る厚みを備
えている。また、金属カバー3と併用することで良好な
シールド効果を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波治療装置に関
し、特に詳しくは超音波照射中の電磁波が遮蔽される超
音波治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療の世界では患者への侵襲性を
最小限にとどめつつ、同時に最大限の治療効果を得るこ
とを目指すMIT(Minimally Invasi
veTreatment:最小侵襲治療)の考え方が重
視されており、今後の医療機器に対して求められる解決
すべき課題の趨勢を占めると考えられる。
【0003】このMITの代表として、たとえば特願平
3−306106号公報に示されるような超音波治療装
置の技術が知られている。これは、治療対象となる患者
の体外において超音波発生源にて発生させた超音波を体
内の治療対象部位である腫瘍部に集束させて加熱可能と
した構成を備えている。
【0004】この超音波の集束に伴い、その焦点部位に
おいては超音波エネルギの集中による温度上昇が生じ
る。この温度上昇は治療対象部位の温度を瞬時に摂氏8
0度以上にまで加熱し、腫瘍などの病変部分を組織変性
させて治療を行う装置である。このような構成に特徴を
持つ超音波治療装置では、治療用超音波の焦点を充分に
鋭く絞り込むことが可能であり、超音波による発熱エネ
ルギを治療対象部位に集束できるため、焦点の前後など
の周辺組織に対しては不必要な加熱などの影響を与える
こと無く、安全かつ局所的な治療を行うことが可能であ
る。
【0005】このような超音波治療装置によって、効率
よく治療対象部位に超音波を集束させ照射することがで
きるものの、その一方ではこの超音波治療装置の動作に
伴う電磁波の放射に対する対応策も施されている。近年
の医療現場においては様々な医療機器が用いられてお
り、それらの医療機器が装置外部に放射する電磁波の強
度や種類について規制が設けられている。
【0006】従来の超音波治療装置や、たとえば結石破
砕装置などではアプリケータから放射される電磁波に対
するシールドは決して十分には施されておらず、セラミ
ック振動子の開口面はアプリケータ膜(ゴム等のシート
を使用)にて覆われているものの、特には電磁波の遮蔽
手段は設けられていない。このアプリケータは内部に脱
気水などの超音波伝搬媒質が注入されており、超音波発
生手段から発生し照射される超音波はこの脱気水中を伝
搬して患者などの体表面に接触しているアプリケータ膜
に到達する。このアプリケータ膜を透過して超音波は患
者の体内の治療対象部位に焦点を結ぶ。この焦点部位で
は超音波のエネルギーの集束によって温度上昇による加
熱がなされ、たとえば病変部位の組織に蛋白質変性を生
ぜしめて治療するものである。
【0007】しかしながらこれらの超音波治療装置など
に対して、近年の、特に医療機器に求められるEMC規
格はIEC60601−1−2であり、その中でも電磁
放射妨害に関しては、CISPR 11(1997)が
特に規定されている。この規定においては、無線周波エ
ネルギーが材料処理用の電磁輻射及び放電加工機の形
で、意図的に発生及び・又は使用される機器が対象とさ
れている。この対象となる医療機器はMRシステム、ハ
イパーサーミア装置、超音波診断装置などが含まれ、超
音波治療装置も同じく含まれている。これらの規制値を
満足するために近年の医療機器においては、電磁波の放
射に対して入念かつ様々な対策が講じられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の超音波治療装置
に適用の超音波アプリケータに使われる超音波発生手段
としては「セラミック振動子」、「電磁誘導式のコイル
と金属板」、「磁気歪型振動子」が主に使われてきた。
いずれの場合も超音波発生手段に高電圧のインパルス/
高周波を印加し、しかもシールド対策もなされていなか
ったため、周囲に電磁波を放射していた。最近では医用
機器が出す電磁波が他の機器を誤動作させたり、逆に他
の機器からの電磁波で誤動作することが無いよう、IE
Cの規格が定められ、適合が義務づけられているもの
の、従来の超音波発生手段では適合できない可能性が高
かった。
【0009】単に、上記「超音波発生手段」を金属ケー
スに収めてしまったのでは、超音波伝搬媒質である脱気
水等(生体に固有音響インピーダンスが近くて減衰が少
なく、且つ安価であるため最もよく使われる)とケース
の固有音響インピーダンスが違いすぎてほとんど反射さ
れてしまい、生体へ超音波を導けないといった欠点があ
った。
【0010】超音波ホットナイフ装置のような治療装置
では、超音波の収束性が高く(MHzオーダーの高周波
で駆動できることが必要とされる)連続した強力超音波
が必要とされるため、一般的にセラミック振動子が使わ
れる。セラミック振動子の場合、共振周波数で振動した
時に超音波の発生効率が最も高くなるため、ほとんどの
場合に単一周波数で駆動される。
【0011】この点に着目して、セラミック振動子の超
音波を出力する側に厚みと形状をコントロールした導電
性のカバーを配置することで、超音波は通過できるが、
電磁波はシールドされるという機能を持ったシールド機
構を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1においては、超音波を照射して治療
を行う超音波治療装置において、前記超音波が透過する
のに最適な所定の厚みおよび所定の形状であり電磁波が
遮蔽されるに十分な遮蔽手段を有し、この遮蔽手段を前
記超音波が透過して照射されることを特徴とする超音波
治療装置をもって解決手段とする。
【0013】また、請求項2に記載の本発明において
は、前記遮蔽手段は、前記超音波を発生する超音波発生
手段の一部あるいは全体を覆って配置されていることを
特徴とする請求項1記載の超音波治療装置をもって解決
手段とする。
【0014】また、請求項3に記載の本発明において
は、前記遮蔽手段は、前記超音波の縦波の半波長に整数
倍な厚みと、前記超音波の進行方向に実質的に平行とな
る法線ベクトルを有する表面形状とを備えることを特徴
とする請求項1または2に記載の超音波治療装置をもっ
て解決手段とする。
【0015】また、請求項4に記載の本発明において
は、前記遮蔽手段は、前記超音波を集束させるための音
響レンズの開口面に配置されていることを特徴とする請
求項1から3のいずれか一つに記載の超音波治療装置を
もって解決手段とする。
【0016】また、請求項5に記載の本発明において
は、前記遮蔽手段は、前記所定の厚みおよび前記所定の
形状を保つに足る強度を有してなり、前記超音波発生手
段と組み合わされて配置されていることを特徴とする請
求項1から3のうちのいずれか一つに記載の超音波治療
装置をもって解決手段とする。
【0017】また、請求項6に記載の本発明において
は、前記遮蔽手段は、前記超音波発生手段に備わる超音
波の伝播を行う音響整合層の表面上に配置されているこ
とを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一つに
記載の超音波治療装置をもって解決手段とする。
【0018】また、請求項7に記載の本発明において
は、前記遮蔽手段は、絶縁物により形成された膜部材の
内部あるいは表面に配置された導電性部材からなること
を特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一つに記
載の超音波治療装置をもって解決手段とする。
【0019】また、請求項8記載の本発明においては、
前記膜部材は、前記超音波の縦波の半波長に整数倍な厚
みを有する導電体よりなることを特徴とする請求項1か
ら6のうちのいずれか一つに記載の超音波治療装置をも
って解決手段とする。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態による超音波アプリケータの構成を説明するための概
略図を示す。
【0021】図1の超音波アプリケータ30は、治療用
超音波を発生するためのセラミック振動子1と、治療用
超音波を伝播する超音波伝播媒体5と、患者腹部29に
密着して超音波の伝播を行うアプリケータ膜6と、患部
7の超音波断層像を得るための超音波プローブ4と、こ
の超音波プローブ4やセラミック振動子1への信号線や
超音波伝播媒体を出し入れするための図示しないチュー
ブを備えたケーブル8と、セラミック振動子1と超音波
プローブ8などを収納する金属カバー3と、セラミック
振動子3の治療用超音波照射面側に配置の銅カバー2と
から構成されている。
【0022】セラミック振動子1は被検者の患部7に対
して治療用超音波を照射して治療を行う。超音波の照射
が患部7に対して焦点Fを結ぶために、このセラミック
振動子1は球殻状の形状を備えており、この球殻形状の
半径中心付近に焦点Fを結ばせることができる。患部7
に焦点Fが結ばれることにより患部7の温度が上昇し、
蛋白質変性による超音波治療が行われる。また、焦点F
を患部7に合致させるために超音波プローブ4にて超音
波断層像を描出し、図示しない画像モニタなどで確認し
ながら治療が進行する。
【0023】セラミック振動子1の背後には金属カバー
3が配置されており、この金属カバー3にてセラミック
振動子1から放射される電磁波を遮蔽(以下、シールド
と記す。)して外部に漏らさないよいうになっている。
また、この金属カバー3に接合してセラミック振動子1
の超音波発生面側に配置される銅カバー2も、同様に電
磁波をシールドして外部に漏らさないようにしている。
この銅カバー2は電磁波をシールドするのに十分な厚み
を備えており、それと同時にセラミック振動子1から照
射される治療用超音波も透過できる所定の厚みにて構成
されている。
【0024】また、セラミック振動子1から照射される
治療用超音波の進行方向は銅カバー2の凹面の法線方向
に対して平行となるように、セラミック振動子1と銅カ
バー2とは平行に形成されている。
【0025】この本発明の第1の実施の形態による銅カ
バー2は、電磁波のシールド効果を維持しつつ治療用超
音波は良好に透過するために以下に記述する見当によ
り、所定の厚みが決定されている。
【0026】音響工学の基礎的な公知技術において、厚
さbの平面平行板(密度ρ、板に垂直な音速度C
が無限に広がった媒体(密度ρ、音速度C)の中に
あり、これに垂直な音波が入射する時の反射係数(反射
エネルギーの入射エネルギーに対する比)をRとしたと
き、透過係数D=1−Rは次のようになる。
【0027】
【数1】 これからb=nλ1/2(n=0、1、2、・・・・
・)のとき、すなわち板の厚さが半波長の整数倍のとき
R=0、D=1となり、完全な透過が起きることが知ら
れている。
【0028】また、治療用超音波が銅カバー2を透過す
る際に生じる超音波強度の減衰について検討する。一般
に、銅の超音波に対する対数減衰率は50MHzの測定
条件において6.9×10−4であることから、
【数2】 (α:減衰係数[neper/cm]、λ:波長[c
m]) 銅の音速V=4700[m/sec]=4700×1
[cm/sec]
【数3】 上記(A)と(B)からf=50MHzでの減衰係数α
【数4】 また、減衰係数に関してα/fがほぼ一定になること
が知られているので、1.5MHzでの減衰係数をα
[neper/cm]とすると
【数5】 さらに単位を[neper/cm]から[dB/se
c]に変換したときの減衰係数をα’とする。
【0029】
【数6】 超音波強度の初期値をI0、1.57mmの銅板で減衰
後の強度をIとすると、(D)とx=0.157cmの
値から
【数7】 となり、ほとんど減衰しないことがわかる。
【0030】次に、治療用超音波がセラミック振動子1
から放射され超音波伝播媒体5を伝播して銅カバー2を
透過して行く経路において、その経路中に存在する音響
インピーダンスの違いによる音響減衰について検討す
る。
【0031】金属板の厚みbが半波長の整数倍のときに
限って、透過率D=1−Rが固有音響インピーダンスZ
=(ρ)およびZ(=ρ)の値によら
ず前記(1)式の分母が4になり、完全透過D=1とな
る。換言すれば、一見、音響インピーダンスの不整合が
生じ超音波が通過しないように誤解されるが、厚みb=
nλ/2(半波長の整数倍)という条件の下では理論上
は完全透過が成立することとなる。よって、金属板シー
ルド厚みを適切に選べば理論上損失は発生しないとみな
すことができ、実施にあたっても無視し得る程度の損失
が発生したとしても、透過するものとみなすことができ
る。
【0032】また、電磁波シールドに関する基礎的な公
知技術において、ある金属板のシールド効果S(単位は
dB。)は
【数8】 と表わされ、このうち吸収損失Aは表皮効果による電磁
波の減衰で
【数9】 となることが知られている。
【0033】以上のことから、例えば超音波振動子が
1.5MHzで駆動されているとき、超音波が出力され
る面に銅カバーを配置した場合を検討する。一般に銅の
縦波の音速はC1=4700m/sであることから、銅
カバーの厚みはb=λ1/2=1.57mmの整数倍で
あれば、損失無く超音波を透過させることができる。実
用上の銅カバーの厚みは極力薄くしたいので、例えば第
1の実施の形態においては銅カバーの所定の厚みは1.
57mmとした。
【0034】また、この銅カバーの電磁波に対する遮蔽
効果を検討するならば、銅の抵抗率は一般に1.7×1
0−6Ω・cm(但し、20℃において。)であり、比
透磁率≒1を前記(4)式に代入すると表皮厚δを求め
ることができ、次式
【数10】 となる。
【0035】シールド板の厚みt=1.57mmから前
記(3)式により
【数11】 合計のシールド効果Sは前記(2)式より常にAより大
きくなることから、電磁波に対して十分なシールド効果
が得られることがわかる。
【0036】図1に示す超音波アプリケータ30の構成
では、患部7の超音波断層像を得るための超音波プロー
ブ4が備わるが、この超音波プローブ4が良好に画像描
出用の超音波の送受信が行えるように銅カバー2には穴
が開口している。また、超音波プローブ4の先端部分が
挿入される開口以外に、例えば超音波伝播媒体5が出入
りするための開口も必要になる。これらの開口により、
銅カバー2のシールド効果は低下するが、このシールド
効果の低下分を見積もる。
【0037】図2は、第1の実施の形態の銅カバー2を
模式的に示したものである。
【0038】スロット11がシールド板10に開口して
おり、このスロット11の開口のうち最大の開口寸法を
Lとして示す。このような構成のシールド板10におけ
るシールド効果S(単位はdBとする。)は、電磁波の
波長をλとし、半波長以下での最大寸法がLの場合、
【数12】 となることが知られている。
【0039】駆動周波数を例えば1.5MHzとした場
合は、電磁波の波長は
【数13】 となる。これに対して超音波プローブ4用の穴の最大寸
法は例えばL=0.02m程度なので、前記(6)式に
代入して
【数14】 となり、前記(5)(7)式より合計のシールド効果の
見込みは54dB程度の電磁波の減衰が得られることと
なる。
【0040】以上をまとめると、銅カバー2の構成が治
療用超音波の進行方向に垂直になる形状であって厚みが
1.57mmであれば、開口の穴径=0.02mの穴が
あっても1.5MHzの電磁波に対して54dBのシー
ルド効果を持たせつつ、治療用超音波はほぼ全部が通過
できることがわかる。
【0041】図3は、本発明の第2の実施の形態による
超音波アプリケータの構成を説明するための概略図を示
している。
【0042】この超音波アプリケータ31の構成は、シ
ールド効果を発揮しつつ全体の構成を収納している金属
カバー21と、電磁波をシールドしつつ治療用超音波を
透過する銅カバー20と、治療対象部位の超音波断層像
を得るための超音波プローブ4と、銅カバー20に開口
する脱気水通過用小穴9と、被検体の体表面に密着する
ためのアプリケータ膜6と、信号線ならびに脱気水を導
くための図示しないホースなどが収納されたケーブル8
とから構成されている。
【0043】金属カバー21と銅カバー20とで構成さ
れたシールド構造の内部には、図示しないセラミック振
動子が配置されており、治療用超音波を照射する。この
図2の超音波アプリケータ31は図1にて示した超音波
アプリケータ30と同様の内部構成を有しており、図示
しないセラミック振動子から放射される治療用超音波の
進行方向と銅カバー20の表面の法線が常に平行となる
ように配置されている。アプリケータ膜6の内部には超
音波伝播媒体として脱気水が充満しており、脱気水通過
用小穴9から脱気水の出入りが行われる。この脱気水の
出入りにより図示しないセラミック振動子を冷却した
り、あるいは不要な気泡などを除去している。
【0044】図4は、本発明の第3の実施の形態による
超音波アプリケータの構成を説明するための概略図を示
している。
【0045】図示された超音波アプリケータ32は、略
板状の平板セラミック振動子12と、この平板セラミッ
ク振動子12の治療用超音波照射を放射する表面に配置
された音響レンズ13と、この音響レンズ13に接して
配置された銅カバー22と、被検体の治療対象部位の超
音波断層像を得るための超音波プローブ4と、この銅カ
バー22と組み合わされてシールド効果を生み出してい
る金属カバー23とから構成されている。
【0046】平板セラミック振動子12から放射された
治療用超音波は、音響レンズ13の内部を伝播して進行
する。音響レンズ13は中心付近に行くにつれて薄くな
り、全体として凹面レンズの形状をなしている。音響レ
ンズ13から透過した治療用超音波が照射されるまでの
時間は、それぞれの場所に応じた音響レンズ13の厚み
により異なっている。この厚みの違いにより治療用超音
波の音響レンズ13を透過した後の等音圧面は、音響レ
ンズ13の凹面レンズ形状の曲率に合致して焦点Fを結
ぶ。
【0047】音響レンズ13の凹面レンズ形状に接して
配置された銅カバー22は、所定の厚みにより形成され
ており、治療用超音波を良好に透過しつつ、不要な電磁
波は透過しないようにシールドしている。この銅カバー
22の凹面に対する法線と治療用超音波の進行方向は常
に平行になっている。
【0048】図5は、本発明の第4の実施の形態による
超音波アプリケータの構成を説明するための概略図を示
している。
【0049】本図に示される超音波アプリケータ33
は、治療用超音波を放射するための平板セラミック振動
子12と、この平板セラミック振動子12から放射され
た治療用超音波を伝播する超音波伝播媒質14と、放射
された治療用超音波を焦点Fに集束させるための音響レ
ンズ15と、治療対象部位の超音波断層像を得るための
超音波プローブ4と、この超音波プローブ4の信号線や
平板セラミック振動子12の駆動用ケーブルならびに図
示しない脱気水移送ホースなどが収納されたケーブル8
と、シールドのための金属カバー25と、超音波伝播媒
質14と音響レンズ15との間に配置された銅カバー2
4と、脱気水5を充満して保持しているアプリケータ膜
6とから構成されている。
【0050】銅カバー24は電磁波を遮蔽するに十分な
厚みを有しており、かつ治療用超音波が損失無く透過で
きる所定の厚みにて構成されている。また金属カバー2
5はこの銅カバー24に電気的に接続され、電磁波をシ
ールドしている。治療用超音波を焦点Fに集束させるた
めの音響レンズ15は凹面レンズ形状を備えるが、この
音響レンズ15は銅カバー24の外側に配置される。こ
のため銅カバー24を凹面レンズの形状に合わせる必要
が無いので、凹面レンズの形状は必要に応じて自由に設
定することができる。銅カバー24の形状が音響レンズ
15の形状に左右されないので、汎用性を持たせること
ができる。この場合にも、治療用超音波の進行方向と銅
カバー24の表面に対する法線方向とは平行になってい
る。
【0051】図6は、本発明の第5の実施の形態による
超音波アプリケータの構成を説明するための概略図を示
している。
【0052】本図の超音波アプリケータ34は、シール
ドのための金属カバー27と、同様にシールドのための
銅カバー26と、焦点Fに治療用超音波を集束させるた
めの凹面形状を備えたセラミック振動子1と、このセラ
ミック振動子1の超音波放射面に設けられた音響整合層
16と、脱気水5が充満されて被検体の体表面に密着す
るアプリケータ膜6と、治療対象部位の超音波断層像を
得るための超音波プローブ4と、この超音波プローブ4
の信号線やセラミック振動子1の駆動用ケーブルならび
に図示しない脱気水移送ホースなどが収納されたケーブ
ル8と、シールドのための金属カバー25とから構成さ
れている。
【0053】このような構成によれば、セラミック振動
子1の表面に治療用超音波の良好な伝播および放射を行
うための音響整合層16が設けられている構成におい
て、この音響整合層16に接して銅カバー26を設ける
ことができる。銅カバー26は治療用超音波を透過しつ
つ電磁波をシールドしている。この銅カバー26の厚み
は超音波の透過を妨げない所定厚みに設定されており、
電磁波に対してはシールド効果を奏している。セラミッ
ク振動子1の凹面形状に接して同一形状を備えるので、
治療用超音波の進行方向に平行に銅カバー26の法線が
向いている。
【0054】以上説明した本発明の第1〜第5の実施の
形態においては、それぞれの実施の形態に記載の金属カ
バーと銅カバーは、超音波プローブや超音波伝播媒体の
通過する穴を除き隙間無く配置されているが、設計の意
図によりこの配置は適宜に変更することもできる。例え
ば一部分のシールドのみで良い場合には必要な箇所にの
み配置しても良い。また、銅カバーや金属カバーの厚み
を所定厚みよりも薄くして配置しても良く、この場合は
シールド効果の低減があるものの、少しのシールド効果
で十分な場合に対応できる。もちろん、この薄い銅カバ
ーや金属カバーを必要な箇所にのみ部分的に配置しても
良い。
【0055】図7は、本発明の第6の実施の形態による
超音波アプリケータの構成を説明するための概略図を示
している。
【0056】図示された超音波アプリケータ34は、電
磁波をシールドするための金属カバー28と、治療用超
音波を放射するセラミック振動子1と、治療対象部位の
超音波断層像を得るための超音波プローブ18と、治療
用超音波の伝播を行う脱気水17と、電気的な導電性を
備えた導電性アプリケータ膜17とから構成されてい
る。
【0057】この導電性アプリケータ膜17は、被検体
の体表面に密着するに足る柔軟性を有した膜状のゴム等
で構成されている。この膜状のゴム材料としては、一般
に電気接点などに用いられている導電性ゴムを適用する
ことで実現できる。この導電性アプリケータ膜は、その
使用状態において柔軟に体表面に密着して変形するの
で、治療用超音波の透過性の面においては多少の反射が
生じる。この反射分による治療用超音波の照射の損失分
を補填するために、治療用超音波の照射強度を上げるこ
とで対応可能である。
【0058】例えば、使用する導電性ゴムの音速がC1
≒1546m/sである場合は、治療用超音波の周波数
を1.5MHzとして透過率D=1にする厚みは、λ1
/2≒0.52mmの整数倍であれば十分である。ま
た、導電性ゴムの抵抗率=3.5×10−4Ω・cm、
比透磁率μr≒1より、表皮厚δ≒0.81mmとな
る。そこでこの導電性ゴムの厚みを0.52×4=2.
08mmとすれば、吸収損失A≒22dBとなり、S≒
22dBのシールド効果を期待できる。
【0059】また、導電性アプリケータ膜17を実現す
るために導電性ゴムを用いずに、金属網を内部に配置し
たゴムを膜状に加工したものを用いても良い。この場合
の金属網の目の細かさは細かいほどにシールド効果を上
げることができる。しかし、細かさに応じて治療用超音
波の透過率も低下してしまうので、適宜に設定する必要
がある。この金属網はゴム膜の内部に配置しても良く、
またこのゴム膜の表裏のどちらに配置しても良い。
【0060】この導電性アプリケータ膜17を実現する
ためには、他の方法として導電性金属を表面に蒸着した
ゴム膜や、あるいは導電性のシートを積層あるいはラミ
ネートしたゴム膜でも実現可能である。また、ゴム膜の
代りに超音波透過性に優れたポリエチレンやポリメチル
ペンテンをゴム膜の代りに用いても良い。
【0061】なお、以上説明した実施の形態は、本発明
の理解を容易にするために記載されたものであって、本
発明を限定するために記載されたものではない。したが
って、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明
の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む
趣旨である。
【0062】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、超音波を透
過させることができ、同時に電磁波に対してはシールド
をすることが可能な超音波治療装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による超音波アプリ
ケータの構成を説明するための概略図を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるシールド板の
一つの例を説明するための概略図を示す。
【図3】本発明の第2の実施の形態による超音波アプリ
ケータの構成を説明するための概略図を示す。
【図4】本発明の第3の実施の形態による超音波アプリ
ケータの構成を説明するための概略図を示す。
【図5】本発明の第4の実施の形態による超音波アプリ
ケータの構成を説明するための概略図を示す。
【図6】本発明の第5の実施の形態による超音波アプリ
ケータの構成を説明するための概略図を示す。
【図7】本発明の第6の実施の形態による超音波アプリ
ケータの構成を説明するための概略図を示す。
【符号の説明】
1…セラミック振動子、2…銅カバー、3…金属カバ
ー、4…超音波プローブ、5…超音波伝播媒体、6…ア
プリケータ膜、7…患部、8…ケーブル、9…脱気水通
過用小穴、10…シールド板、11…スロット、12…
平板セラミック振動子、13…音響レンズ、F…焦点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C060 EE19 JJ23 JJ27 4C301 AA02 CC01 EE20 FF23 FF26 GB27 5D019 AA00 EE01 FF06 GG03 GG05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を照射して治療を行う超音波治療
    装置において、 前記超音波が透過するのに最適な所定の厚みおよび所定
    の形状であり電磁波が遮蔽されるに十分な遮蔽手段を有
    し、この遮蔽手段を前記超音波が透過して照射されるこ
    とを特徴とする超音波治療装置。
  2. 【請求項2】 前記遮蔽手段は、 前記超音波を発生する超音波発生手段の一部あるいは全
    体を覆って配置されていることを特徴とする請求項1記
    載の超音波治療装置。
  3. 【請求項3】 前記遮蔽手段は、 前記超音波の縦波の半波長に整数倍な厚みと、 前記超音波の進行方向に実質的に平行となる法線ベクト
    ルを有する表面形状とを備えることを特徴とする請求項
    1または2に記載の超音波治療装置。
  4. 【請求項4】 前記遮蔽手段は、 前記超音波を集束させるための音響レンズの開口面に配
    置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    か一つに記載の超音波治療装置。
  5. 【請求項5】 前記遮蔽手段は、 前記所定の厚みおよび前記所定の形状を保つに足る強度
    を有してなり、 前記超音波発生手段と組み合わされて配置されているこ
    とを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一つに
    記載の超音波治療装置。
  6. 【請求項6】 前記遮蔽手段は、 前記超音波発生手段に備わる超音波の伝播を行う音響整
    合層の表面上に配置されていることを特徴とする請求項
    1から3のうちのいずれか一つに記載の超音波治療装
    置。
  7. 【請求項7】 前記遮蔽手段は、 絶縁物により形成された膜部材の内部あるいは表面に配
    置された導電性部材からなることを特徴とする請求項1
    から6のうちのいずれか一つに記載の超音波治療装置。
  8. 【請求項8】 前記膜部材は、 前記超音波の縦波の半波長に整数倍な厚みを有する導電
    体よりなることを特徴とする請求項1から6のうちのい
    ずれか一つに記載の超音波治療装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012105848A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Jikei Univ 医療用超音波振動子
JP2016515901A (ja) * 2013-03-28 2016-06-02 ユニバーシティ オブ ワシントン スルー イッツ センター フォー コマーシャリゼーション 集束超音波機器および使用方法

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