JP2001131216A - アニオン重合方法および該重合方法による重合体の製造方法 - Google Patents

アニオン重合方法および該重合方法による重合体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的使用に適した重合開始剤を用い、かつ
重合温度を比較的弱い冷却条件下とする場合でも、極性
単量体を、高い重合開始効率、高い重合速度および高い
リビング性で重合させ得るアニオン重合方法を提供す
る。 【解決手段】 重合系に、特定の有機アルミニウム化合
物と特定のルイス塩基を存在させる。ここで、特定の有
機アルミニウム化合物とは、一般式:Al−O−Ar
(Arは芳香族環)で示される化学構造を分子中に含む
三級有機アルミニウム化合物である。特定のルイス塩基
とは、エーテル化合物または三級ポリアミン化合物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アニオン重合性単
量体をアニオン重合開始剤を使用して重合することによ
るアニオン重合方法、および、該重合方法を用いた重合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル酸エステル、アクリル酸エス
テル等の極性単量体をアニオン重合する方法について
は、各種の検討がなされている。しかしながら、このよ
うな極性単量体にはカルボニル基のような求核攻撃を受
け易い部位があるため、アニオン重合に際しては、単量
体に対する副反応や、成長末端における分子内環化反応
(いわゆるバックバイティング)により、高いリビング
性を発揮させることは比較的難しい。有機リチウム化合
物を重合開始剤として使用して極性単量体のアニオン重
合を行う際、重合系に有機アルミニウム化合物を存在さ
せておくことが提案されている。この手法では、有機ア
ルミニウム化合物が成長末端に配位するため、成長末端
を安定化しその求核性を低下させることができ、その結
果、重合時のリビング性を高めることができると考えら
れている。極性単量体のアニオン重合を、重合開始剤と
して有機リチウム化合物を使用し、有機アルミニウム化
合物の存在下に行う方法としては、例えば、以下の
(1)〜(6)の方法が報告されている。
【0003】(1)メタクリル酸エステルの重合反応
を、重合開始剤としてt−ブチルリチウムを使用して、
トリアルキルアルミニウム、ジアルキル(ジフェニルア
ミノ)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物の存在
下に、芳香族炭化水素溶媒中で行うことからなる方法
(特公平7−57766号公報)。
【0004】(2)メタクリル酸エステルの重合を、重
合開始剤としてt−ブチルリチウム等の有機リチウム化
合物を使用して、1個以上の嵩高な基を有する特定の有
機アルミニウム化合物(例:トリイソブチルアルミニウ
ム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノキシ)アルミニウム等)の存在下に、炭化水素
溶媒中で行うことからなる方法(特開平5−5009号
公報)。
【0005】(3)メタクリル酸メチルの重合を、重合
開始剤として有機リチウム化合物を使用して、メチルビ
ス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウ
ム、エチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)
アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジ−t
−ブチルフェノキシ)アルミニウム等の有機アルミニウ
ム化合物の存在下に、芳香族炭化水素溶媒中で行うこと
からなる方法(特開平7−330819号公報)。
【0006】(4)メタクリル酸エステルまたはアクリ
ル酸エステルの重合を、重合開始剤としてt−ブチルリ
チウムを使用して、メチルビス(2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノキシ)アルミニウムまたはエチルビス(2,6
−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウムの存在下
に、トルエン中で行うことからなる方法(高分子学会予
稿集(Polymer Preprints, Japan)、第46巻、第7号、
第1081〜1082頁(1997年)および同第47巻、第2号、第
179頁(1998年))。
【0007】(5)メタクリル酸メチルの重合を、重合
開始剤としてt−ブチルリチウムを使用して、トリアル
キルアルミニウムの存在下に、トルエン中で行うことか
らなる方法(Makromol.Chem.,Supplement、第15巻、
第167〜185頁(1989年))。
【0008】(6)メタクリル酸メチルの重合を、重合
開始剤としてt−ブチルリチウムを使用して、ジイソブ
チル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキ
シ)アルミニウムの存在下に、トルエン中で行うことか
らなる方法(Macromolecules、第25巻、第5907〜5913頁
(1992年))。
【0009】さらに、極性単量体のアニオン重合を、有
機リチウム化合物を重合開始剤として使用して有機アル
ミニウム化合物の存在下に行うに際し、重合系にある種
の添加剤を存在させておくことによって、重合速度を増
大させたり、重合の均一性を高めて得られる重合体の分
子量分布を狭くすることが可能となることが報告されて
いる。この種の報告として、例えば、以下の(7)およ
び(8)がある。
【0010】(7)メタクリル酸エステルの重合を、重
合開始剤としてt−ブチルリチウムを使用して、トリア
ルキルアルミニウムの存在下にトルエン中で行う際、重
合系に、ピバル酸メチル、フタル酸ジイソオクチル等の
エステル化合物をトルエン(溶媒)に対して約10重量
%程度の割合で存在させておくことによって、重合速度
が向上し、得られる重合体の分子量分布が狭くなる。エ
ステル化合物の代りに12−クラウン−4のようなクラ
ウンエーテルを存在させた場合にも同様の改善効果が発
現するが、エステル化合物の代りにテトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタン、N−メチルピロリジン
などを存在させた場合には改善効果は認められない。
(Macromolecules、第31巻、第573〜577頁(1998年))
【0011】(8)メタクリル酸エステルまたはアクリ
ル酸エステルの重合を、重合開始剤としてエチルα−リ
チオイソブチレート、t−ブチルリチウム等の有機リチ
ウム化合物を使用して、トリアルキルアルミニウム等の
有機アルミニウム化合物の存在下、炭化水素溶媒中で行
う際、重合系に、トリエチレングリコールジメチルエー
テル(トリグライム)、ジメトキシエタン、クラウンエ
ーテル等のエーテル化合物またはテトラアルキルアンモ
ニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムハライド
等の有機4級塩を存在させておくことによって、重合速
度が向上し、得られる重合体の分子量分布が狭くなる
(国際出願国際公開第WO98/23651号公報)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】極性単量体を有機リチ
ウム化合物および有機アルミニウム化合物の存在下にア
ニオン重合させる方法については、上記(1)〜(8)
に示したように各種の提案がなされているが、具体的に
使用されている重合開始剤はt−ブチルリチウム、エチ
ルα−リチオイソブチレートなどの一部のものに限定さ
れている。その理由は、高い重合開始効率および高い重
合速度の達成を考慮したものであると考えられる。しか
しながら、t−ブチルリチウムは激しい自己発火性を有
し、その安全性や輸送、貯蔵等の取り扱い性に課題があ
る。また、エチルα−リチオイソブチレートは、それを
製造するための合成操作およびその後の精製操作が煩雑
である。これらの理由から、高い重合開始効率および高
い重合速度を達成可能なこれらの重合開始剤は、工業的
規模での使用に適しているとは言い難い。しかも、上記
(1)〜(8)で報告されている具体的実験例の中にお
いても、重合開始効率が実用上不十分なレベルのものが
含まれている。
【0013】また、メタクリル酸エステル、アクリル酸
エステル等の極性単量体をブロック共重合させる場合、
一方の単量体の重合によって形成されたリビングポリマ
ーが、他の単量体との重合を開始することができるよう
に、高いリビング性を有することが必要となる。しかし
ながら、有機リチウム化合物および有機アルミニウム化
合物の存在下におけるアニオン重合で高いリビング性を
発揮させるためには、重合時の温度を−60℃程度のよ
うな極低温とすることが必要となることが多い。このよ
うな極低温での重合操作は、冷却のために多大なユーテ
ィリティを必要とするため、工業的な採用には不利であ
る。しかも、極性単量体としてアクリル酸n−ブチル等
の一級アルコールとアクリル酸とのエステルを使用する
場合には、重合時のリビング性が特に低くなる。本発明
者らの検討によれば、例えば、一級アルコールとアクリ
ル酸とのエステルを、上記(8)で報告されているよう
なトリアルキルアルミニウムとクラウンエーテルまたは
有機4級塩とを存在させた反応系中、−78℃程度の極
低温の条件下で重合させた場合、生成したアクリル酸エ
ステル重合体はリビング性を喪失しており、次にそれを
メタクリル酸メチルなどの他の極性単量体と接触させて
も重合を開始させることができなかった。さらに、アク
リル酸エステルを上記のような極低温で重合させた場
合、得られるアクリル酸エステル重合体は立体規則性が
高く、結晶性を有するために、柔軟性を欠くことがあ
る。したがって、柔軟性に優れたアクリル酸エステル重
合体を得る目的においては、重合反応を上記のような極
低温条件下で行うことは好ましくない。これらの点か
ら、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等の極
性単量体のブロック共重合体の工業的に有利な製造法は
いまだ見出されていないのが実情である。
【0014】以上の観点から、極性単量体のアニオン重
合を工業的実施に有利なものとするためには、重合速度
が高いこと、重合開始効率が高いこと、使用可能な重合
開始剤の範囲が広いこと、重合時のリビング性が高いこ
と(すなわち、得られる重合体の分子量分布が狭いこ
と、ブロック共重合におけるブロック共重合体の生成割
合が高いこと)および重合時の冷却条件を緩和できるこ
とのすべてが重要である。
【0015】したがって、本発明の課題は、極性単量体
のアニオン重合において、重合開始剤として安全性、入
手容易性および取り扱い性において比較的優れた重合開
始剤を使用して高い重合開始効率および高い重合速度を
達成することができ、しかも、比較的高い重合温度(す
なわち比較的弱い冷却条件)を採用した場合において
も、高いリビング性を発揮させることが可能であること
から、狭い分子量分布の重合体を製造することができ、
さらにはブロック共重合体の製造にも有用な重合方法を
提供することにある。また、本発明の他の課題は、この
ような優れた長所を有する重合方法を利用した重合体の
工業的に有利な製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意検討の結果、アニオン重合性単量体をア
ニオン重合開始剤を使用して重合するに際し、重合系内
に、特定の有機アルミニウム化合物を特定のルイス塩基
と組み合わせて存在させた場合には、上記の重合開始剤
の工業的利用面での適性(安全性、入手容易性および取
り扱い性)に関する課題、ならびに上記の重合条件およ
び重合成績(温度条件、重合開始効率、重合速度および
リビング性)に関する課題が解決されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明は第一には、アニオン重
合性単量体をアニオン重合開始剤を使用して重合するに
際し、重合系内に、(A)一般式:Al−O−Ar(式
中、Arは芳香族環を表す)で示される化学構造を分子
中に含む三級有機アルミニウム化合物ならびに(B)エ
ーテル化合物および三級ポリアミン化合物からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のルイス塩基を存在させるこ
とを特徴とするアニオン重合方法である。
【0018】また、本発明は第二には、アニオン重合性
単量体を上記アニオン重合方法で重合することからなる
重合体の製造方法(例えば、2種以上のアニオン重合性
単量体を上記アニオン重合方法で重合することからなる
ブロック共重合体の製造方法)である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。
【0020】本発明に従うアニオン重合方法では、アニ
オン重合性単量体をアニオン重合開始剤を使用して重合
する。
【0021】本発明で使用するアニオン重合性単量体
は、アニオン重合性を有する限りにおいて、その化学構
造は特に限定されるものではないが、本発明の効果が特
に顕著に発揮され易い点で、酸素原子、窒素原子等のヘ
テロ原子を有する極性のアニオン重合性単量体が好まし
い。該極性のアニオン重合性単量体には、例えば、α,
β−不飽和カルボン酸エステル化合物、α,β−不飽和
カルボン酸アミド化合物、α,β−不飽和ケトン化合
物、2−ビニルピリジン等の極性基を有するビニル系単
量体;ε−カプロラクトン等のラクトン化合物等が包含
される。α,β−不飽和カルボン酸エステル化合物の好
ましい例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸アリル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t
−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベン
ジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸トリメトキシ
シリルプロピル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル
酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−
ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸アリ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸トリメ
トキシシリルプロピル、メタクリル酸メトキシエチル、
メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸N,N−ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エ
ステル;α−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシ
アクリル酸メチル等のα−アルコキシアクリル酸エステ
ル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン
酸エステル;3−メトキシアクリル酸エステル等の3−
アルコキシアクリル酸エステルなどが挙げられる。α,
β−不飽和カルボン酸アミド化合物の好ましい例として
は、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド化
合物;N−イソプロピルメタクリルアミド、N−t−ブ
チルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド等のメタクリ
ルアミド化合物などが挙げられる。α,β−不飽和ケト
ン化合物の好ましい例としては、メチルビニルケトン、
エチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エ
チルイソプロペニルケトンなどが挙げられる。上記の単
量体の中でも、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、アクリルアミド化合物、メタクリルアミド化合物
等が特に好ましい。
【0022】なお、アニオン重合性単量体は1種のみを
使用しても、2種以上を併用してもよい。また、上記例
示のごとき単官能性のアニオン重合性単量体と組み合わ
せて、アニオン重合性単量体の一部として、ビニル基等
の重合性部位を分子中に2個以上有する多官能単量体
(例:エチレングリコールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レートなど)を使用することもできる。本発明において
使用するアニオン重合性単量体は、必要に応じて、不活
性気流下等で予め十分に乾燥処理しておくことが重合反
応を円滑に進行させる点から好ましく、乾燥処理に当た
っては、水素化カルシウム、モレキュラーシーブス、活
性アルミナ等の脱水・乾燥剤が好ましく用いられる。
【0023】本発明で使用するアニオン重合開始剤は、
必ずしも限られるものではないが、陰イオン中心となる
炭素原子を分子中に1個以上含有し、該陰イオン中心の
対イオン中心として該陰イオン中心と同じ個数のリチウ
ム陽イオンを有する有機リチウム化合物が好ましい。有
機リチウム化合物は、その陰イオン中心の炭素原子に着
目すると、三級炭素原子を陰イオン中心とする化学構造
を有する有機リチウム化合物、二級炭素原子を陰イオン
中心とする化学構造を有する有機リチウム化合物および
一級炭素原子を陰イオン中心とする化学構造を有する有
機リチウム化合物の3種類に区別される。
【0024】三級炭素原子を陰イオン中心とする化学構
造を有する有機リチウム化合物の代表例としては、t−
ブチルリチウム、1,1−ジメチルプロピルリチウム等
のt−アルキルリチウム;1,1−ジフェニルヘキシル
リチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリ
チウム等の1,1−ジアリールアルキルリチウム;エチ
ルα−リチオイソブチレート、ブチルα−リチオイソブ
チレート、メチルα−リチオイソブチレート等のα,α
−ジアルキル−α−リチオ酢酸エステルなどを挙げるこ
とができる。二級炭素原子を陰イオン中心とする化学構
造を有する有機リチウム化合物としては、イソプロピル
リチウム、1−メチルプロピルリチウム(すなわち、s
ec−ブチルリチウム)、1−メチルブチルリチウム、
2−エチルプロピルリチウム、1−メチルペンチルリチ
ウム等のsec−アルキルリチウム;シクロヘキシルリ
チウム等のシクロアルキルリチウム;ジフェニルメチル
リチウム等のジアリールメチルリチウム;α−メチルベ
ンジルリチウム等の1−アルキル−1−アリールメチル
リチウムなどを挙げることができる。また、一級炭素原
子を陰イオン中心とする化学構造を有する有機リチウム
化合物としては、メチルリチウム、プロピルリチウム、
n−ブチルリチウム、ペンチルリチウム等のn−アルキ
ルリチウムなどを挙げることができる。
【0025】上記の有機リチウム化合物の中でも、工業
的使用面での利便性(発火の危険性の低さ、取り扱いの
容易さ、製造の容易さ等)および重合開始能力が高度に
両立される点から、二級炭素原子を陰イオン中心とする
化学構造を有する有機リチウム化合物が好ましく、二級
炭素原子を陰イオン中心とする化学構造を有する炭素数
3〜40の炭化水素のリチウム塩がより好ましく、1−
メチルプロピルリチウム(すなわち、sec−ブチルリ
チウム)が特に好ましい。なお、本発明では、アニオン
重合開始剤として1種を単独使用しても、2種以上を併
用してもよい。
【0026】本発明に従うアニオン重合におけるアニオ
ン重合開始剤の使用量は必ずしも限定されるものではな
いが、アニオン重合開始剤を、使用するアニオン重合性
単量体の合計100モルに対して0.01〜10モルの
範囲内となる割合で用いることが、目的とする重合体を
円滑に製造できる点から好ましい。
【0027】本発明に従う重合方法では、重合系内に、
特定の有機アルミニウム化合物と特定のルイス塩基とを
組み合わせて添加しておくことが重要である。
【0028】本発明で使用する有機アルミニウム化合物
は、一般式:Al−O−Ar(式中、Arは芳香族環を
表す)で示される化学構造を分子中に含む三級有機アル
ミニウム化合物(以下、該三級有機アルミニウム化合物
を「有機アルミニウム化合物(A)」と記することがあ
る)である。
【0029】本発明で使用する有機アルミニウム化合物
(A)については、使用するアニオン重合性単量体の種
類等に応じて適宜好適なものを選択すればよいが、重合
速度の高さ、重合開始効率の高さ、使用可能な重合開始
剤の範囲の広さ、重合時のリビング性の高さおよび重合
時の冷却条件の緩和の点において、一般式(I):
【0030】
【化1】AlR (I)
【0031】(式中、Rは置換基を有してもよい1価
の飽和炭化水素基、置換基を有してもよい1価の芳香族
炭化水素基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換
基を有してもよいアリールオキシ基またはN,N−二置
換アミノ基を示し、RおよびRはそれぞれ独立して
置換基を有してもよいアリールオキシ基を示すかまたは
とRが結合して置換基を有してもよいアリーレン
ジオキシ基を示す。)
【0032】で表される有機アルミニウム化合物(以
下、該有機アルミニウム化合物を「有機アルミニウム化
合物(A−1)」と記することがある)または一般式
(II):
【0033】
【化2】AlR (II)
【0034】(式中、Rは置換基を有してもよいアリ
ールオキシ基を示し、RおよびRはそれぞれ独立し
て置換基を有してもよい1価の飽和炭化水素基、置換基
を有してもよい1価の芳香族炭化水素基、置換基を有し
てもよいアルコキシ基またはN,N−二置換アミノ基を
示す。)
【0035】で表される有機アルミニウム化合物(以
下、該有機アルミニウム化合物を「有機アルミニウム化
合物(A−2)」と記することがある)を使用すること
が好ましく、有機アルミニウム化合物(A−1)がより
好ましい。
【0036】上記一般式(I)および(II)においてR
1、R、RおよびRがそれぞれ示し得る置換基を
有してもよいアリールオキシ基の例としては、フェノキ
シ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ
基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジ−t−
ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチルフェノキ
シ基、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ
基、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノキシ
基、2,6−ジフェニルフェノキシ基、1−ナフトキシ
基、2−ナフトキシ基、9−フェナントリルオキシ基、
1−ピレニルオキシ基等の置換基を有しないアリールオ
キシ基;および7−メトキシ−2−ナフトキシ基等の置
換基を有するアリールオキシ基を挙げることができる。
【0037】上記(I)においてRとRが結合して
表すことのある置換基を有してもよいアリーレンジオキ
シ基の例としては、2,2’−ビフェノール、2,2’
−メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、(R)−
(+)−1,1’−ビ−2−ナフトール、(S)−(−)−
1,1’−ビ−2−ナフトール等から2個のフェノール
性水酸基中の水素原子を除いた形の基を挙げることがで
きる。
【0038】なお、上記の置換基を有してもよいアリー
ルオキシ基および上記の置換基を有してもよいアリーレ
ンジオキシ基について、1個以上の置換基を有する場
合、該置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;塩
素、臭素等のハロゲン原子等を例示することができる。
【0039】上記一般式(I)および(II)においてR
、RおよびRがそれぞれ独立して表し得る置換基
を有してもよい1価の飽和炭化水素基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−
オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基などが例示され、
、RおよびRがそれぞれ独立して表し得る置換
基を有してもよい1価の芳香族炭化水素基としては、フ
ェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基
などが例示され、R、RおよびRがそれぞれ独立
して表し得る置換基を有してもよい置換基を有してもよ
いアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イ
ソプロポキシ基、t−ブトキシ基などが例示され、
、RおよびRがそれぞれ独立して表し得るN,
N−二置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキル
アミノ基;ビス(トリメチルシリル)アミノ基などが例
示される。これらの1価の飽和炭化水素基、1価の芳香
族炭化水素基、アルコキシ基およびN,N−二置換アミ
ノ基がそれぞれ有してもよい置換基としては、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等
のアルコキシ基;塩素、臭素等のハロゲン原子等を例示
することができる。なお、一般式(I)におけるR
およびRは上記定義の範囲内であれば、それぞれ
同じ化学構造を有していてもよく、また相異なる化学構
造を有していてもよい。同様に、一般式(II)における
およびRは上記定義の範囲内であれば、それぞれ
同じ化学構造を有していてもよく、また相異なる化学構
造を有していてもよい。
【0040】上記の有機アルミニウム化合物(A−1)
の代表例としては、エチルビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス
(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、
エチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、イソブチルビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)ア
ルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル
フェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキ
シ)〕アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、n
−オクチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)
アルミニウム、n−オクチル〔2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)〕アルミニ
ウム、メトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノキシ)アルミニウム、メトキシビス(2,6
−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシ
〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノキシ)〕アルミニウム、エトキシビス(2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウ
ム、エトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキ
シ)アルミニウム、エトキシ〔2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)〕アルミニ
ウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシ
ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウ
ム、イソプロポキシ〔2,2’−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、t
−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6
−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブト
キシ〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、トリス(2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウ
ム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニ
ウム等を挙げることができる。これらの有機アルミニウ
ム化合物(A−1)の中でも、イソブチルビス(2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウ
ム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキ
シ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)〕アルミ
ニウム等が、重合開始効率の高さ、リビング性の高さ、
入手および取り扱いの容易さ等の点で特に好ましい。
【0041】また、上記の有機アルミニウム化合物(A
−2)の代表例としては、ジエチル(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチ
ル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウ
ム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−
ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジn−オク
チル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキ
シ)アルミニウム、ジn−オクチル(2,6−ジ−t−
ブチルフェノキシ)アルミニウム等を挙げることができ
る。
【0042】上記有機アルミニウム化合物(A)の製法
は特に限定されず、例えば公知の手法に従い製造するこ
とができる。なお、本発明においては、有機アルミニウ
ム化合物(A)を1種のみ用いても、2種以上併用して
もよい。
【0043】本発明における有機アルミニウム化合物
(A)の使用量に関しては、重合操作の種類、溶液重合
を行う場合は重合系を構成する溶媒の種類、その他種々
の重合条件等に応じて適宜好適な量を選択することがで
きるが、一般には有機アルミニウム化合物(A)を、使
用するアニオン重合開始剤1モルに対して0.3〜30
0モルの範囲内となるような割合で用いることが好まし
く、1〜100モルの範囲内となるような割合で用いる
ことがより好ましい。
【0044】本発明で使用するルイス塩基は、エーテル
化合物および三級ポリアミン化合物からなる群から選ば
れる少なくとも1種のルイス塩基(以下、該ルイス塩基
を「ルイス塩基(B)」と記することがある)である。
【0045】上記のエーテル化合物は、重合反応に悪影
響を及ぼさないものである限りにおいて、分子中にエー
テル結合(−O−)を有し、かつ金属成分を含有しない
化合物の中から適宜選択して使用することができるが、
重合開始効率の高さ、重合時のリビング性の高さなどの
効果が大きい点において、2個以上のエーテル結合を分
子中に有する環状エーテル化合物または1個以上のエー
テル結合を分子中に有する非環状エーテル化合物が好ま
しい。2個以上のエーテル結合を分子中に有する環状エ
ーテル化合物の具体例としては、12−クラウン−4、
15−クラウン−5、18−クラウン−6等のクラウン
エーテルなどが挙げられる。また、1個以上のエーテル
結合を分子中に有する非環状エーテル化合物の具体例と
しては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール等の
非環状モノエーテル化合物;1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジイソプロポ
キシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,2−ジフ
ェノキシエタン、1,2−ジメトキシプロパン、1,2
−ジエトキシプロパン、1,2−ジイソプロポキシプロ
パン、1,2−ジブトキシプロパン、1,2−ジフェノ
キシプロパン、1,3−ジメトキシプロパン、1,3−
ジエトキシプロパン、1,3−ジイソプロポキシプロパ
ン、1,3−ジブトキシプロパン、1,3−ジフェノキ
シプロパン、1,4−ジメトキシブタン、1,4−ジエ
トキシブタン、1,4−ジイソプロポキシブタン、1,
4−ジブトキシブタン、1,4−ジフェノキシブタン等
の非環状ジエーテル化合物;ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ジブチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルジエチルエーテル、ジブチレングリコールジエチルエ
ーテル等の非環状トリエーテル化合物;トリエチレング
リコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコール
ジメチルエーテル、トリブチレングリコールジメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ト
リプロピレングリコールジエチルエーテル、トリブチレ
ングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコ
ールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジ
メチルエーテル、テトラブチレングリコールジメチルエ
ーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、
テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラ
ブチレングリコールジエチルエーテル等のポリアルキレ
ングリコールのジアルキルエーテルなどが挙げられる。
上記のエーテル化合物の具体例の中でも、有機アルミニ
ウム化合物(A)に対する悪影響が少なく、本発明の効
果が特に顕著に発揮される点、入手の容易さの点等にお
いて、非環状エーテル化合物が好ましく、ジエチルエー
テルまたは1,2−ジメトキシエタンが特に好ましい。
【0046】なお、テトラヒドロフラン、プロピレンオ
キシド等のエポキシ化合物などの1個のエーテル結合を
分子中に有する環状エーテル化合物を本発明に従う重合
系に存在させると、有機アルミニウム化合物(A)と強
すぎる相互作用を示したり、またはアニオン重合開始剤
または成長途中のリビングポリマーと直接反応してしま
うことがある。従って、該環状エーテル化合物のルイス
塩基(B)としての使用は、通常、避けた方が好まし
い。
【0047】三級ポリアミン化合物は、重合反応に悪影
響を及ぼさないものである限りにおいて、三級アミン構
造を分子中に2個以上有する化合物の中から適宜選択し
て使用することができる。なお、本発明において「三級
アミン構造」とは、一つの窒素原子に三つの炭素原子が
結合している形態の部分的化学構造を意味し、該窒素原
子は三つの炭素原子と結合している限りにおいて、芳香
環の一部を構成するものであってもよい。三級ポリアミ
ン化合物の好ましい具体例としては、N,N,N’,
N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,
N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,
1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテ
トラアミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]
アミンなどの鎖状ポリアミン化合物;1,3,5−トリ
メチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,
4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナ
ン、1,4,7,10,13,16−ヘキサメチル−
1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオク
タデカンなどの非芳香族性複素環式化合物;2,2’−
ビピリジル、2,2’:6’,2”−テルピリジンなど
の芳香族性複素環式化合物などが挙げられる。ルイス塩
基(B)の代わりにトリエチルアミン等の三級モノアミ
ン化合物を使用することは、重合開始効率や重合時のリ
ビング性の低下を招くので好ましくない。
【0048】本発明においては、分子中に1個以上のエ
ーテル結合と1個の三級アミン構造を有する化合物は上
記のエーテル化合物であるとみなすことができ、また、
分子中に1個以上のエーテル結合と2個以上の三級アミ
ン構造を有する化合物は上記エーテル化合物および上記
三級ポリアミン化合物のうちのいずれかであるとみなす
ことができるので、分子中に1個以上のエーテル結合と
1個以上の三級アミン構造を有する化合物をルイス塩基
(B)として使用することができる。なお、本発明にお
いては、ルイス塩基(B)として、1種以上のエーテル
化合物、1種以上の三級ポリアミン化合物、またはそれ
らの両方を使用することができる。
【0049】本発明に従う重合反応において、ルイス塩
基(B)の使用量は必ずしも限られるものではないが、
重合開始効率の高さ、重合時のリビング性の高さ等の効
果を十分に発現させる目的において、使用するルイス塩
基(B)の全モル数が使用するアニオン重合開始剤のモ
ル数に対して0.1倍以上となる割合であることが好ま
しく、0.3倍以上となる割合であることがより好まし
く、0.5倍以上となる割合であることがさらに好まし
い。ルイス塩基(B)の使用量の上限値については必ず
しも制限されるものではなく、ルイス塩基(B)を溶媒
として使用することも可能であるが、その使用量が多す
ぎると重合開始効率が低下する傾向があるので、重合開
始効率を著しく低下させることがないように、一般に
は、ルイス塩基(B)の合計量が重合系に対して95重
量%以下となるような範囲内にとどめることが好まし
い。
【0050】本発明に従う重合反応は、有機溶媒を用い
ないで行うことも可能であるが、重合温度の制御、重合
系内の条件の均一化等が可能であって重合を円滑に進行
させ得る点から、有機溶媒中における溶液重合法で行う
ことが好ましい。その際、薬品取り扱い時の安全性が比
較的高く、廃水への混入が生じにくく、溶媒の回収精製
が容易である等の点から、一般に、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水
素系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒;フタル酸ジメチル等のエ
ステル系溶媒などが好ましく用いられる。これらの有機
溶媒は単独で用いても、または2種以上を組み合わせて
使用してもよい。なお、重合に使用する有機溶媒は、予
め脱気および脱水処理して精製しておくことが好まし
い。
【0051】有機溶媒を使用する場合、その使用量は、
目的とする重合体の重合度、単量体の種類、使用するア
ニオン重合開始剤の種類、有機アルミニウム化合物
(A)の種類、ルイス塩基(B)の種類、有機溶媒の種
類等に応じて適宜調整し得るが、重合の円滑な進行、生
成した重合体の分離取得のし易さ、廃液処理負担の軽減
等の点から、一般的には有機溶媒を、使用するアニオン
重合性単量体100重量部に対して200〜3000重
量部の範囲内となる割合で用いることが好ましい。
【0052】重合系へのアニオン重合開始剤、有機アル
ミニウム化合物(A)、ルイス塩基(B)およびアニオ
ン重合性単量体の添加方法は特に制限されず、所望に応
じて適宜好適な方法を採用することができる。ただし、
ルイス塩基(B)についてみると、アニオン重合開始剤
との接触前に有機アルミニウム化合物(A)と接触する
ような手順を採用することが好ましい。また、有機アル
ミニウム化合物(A)は、アニオン重合性単量体より先
に重合系に添加してもよく、単量体と同時に重合系に添
加してもよい(後者の場合、有機アルミニウム化合物
(A)を単量体との混合物の形態で添加してもよい)。
本発明に従う重合反応において2種以上のアニオン重合
性単量体を使用する場合、共重合体を得ることが可能で
ある。この場合、通常のアニオン重合と同様に単量体の
添加方法(例えば、2種以上の単量体を同時に添加する
か、または時間間隔をおいて別々に添加するかなどの
点)、単量体の種類の組合わせ等に応じて、ランダム、
ブロック、テーパードブロック等の任意の共重合形態の
ものを製造することができる。本発明に従う重合方法で
は、高いリビング性を発揮させることができるため、高
いブロック化効率が要求されるブロック共重合体の製造
に特に好適である。
【0053】本発明に従う重合では、必要に応じて、公
知のアニオン重合技術に準じて重合系に公知の他の添加
剤を存在させてもよい。該添加剤の例としては、塩化リ
チウム等の無機塩類;リチウムメトキシエトキシエトキ
シド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド化
合物;テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチ
ルホスホニウムブロミド等の有機四級塩等が挙げられ
る。
【0054】本発明に従う重合において、反応系の温度
については特には限定されず、使用するアニオン重合性
単量体の種類等に応じて適宜好適な温度条件を選択して
採用すればよいが、多くの場合、−60℃〜+100℃
の範囲内の温度を採用することが好ましく、−30℃〜
+50℃の範囲内の温度を採用することがより好まし
い。また、アクリル酸エステルを重合させる場合、重合
温度が低すぎると、得られる重合体の立体規則性が高く
なり、結晶性を有するようになるため、優れた柔軟性を
有するアクリル酸エステル重合体の製造を目的とするの
であれば、重合温度は−50℃以上の温度であることが
好ましい。なお、本発明に従う重合法では、従来のアニ
オン重合法に比べて重合系の冷却条件を緩和でき、より
室温に近い温度で重合する場合であっても、高いリビン
グ性を達成することができる。
【0055】本発明に従う重合反応は、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好
ましい。さらに、反応系が均一になるように十分な攪拌
条件下に重合を行うことが好ましい。本発明に従う重合
反応では重合の所要時間を適宜選択することができる
が、本発明に従う重合方法によれば、重合を高い速度で
進行させることが可能である。採用する諸条件にも依存
するが、例えば、アニオン重合性単量体としてメタクリ
ル酸エステルを使用する場合は数分間以内で重合を完結
させることも可能であり、アニオン重合性単量体として
アクリル酸エステルを使用する場合は数十秒間以内で重
合を完結させることも可能である。したがって、本発明
に従う重合反応を、生産性が高く、かつ冷却効率が良好
な「管型連続重合」方法で行うことも可能である。
【0056】本発明においては、重合反応により目的と
する重合体鎖が形成された段階で、公知のアニオン重合
法に準じ、重合停止剤を反応混合物に添加することによ
って重合反応を停止させることができる。重合停止剤と
しては、例えばメタノール、酢酸、塩酸のメタノール溶
液等のプロトン性化合物を使用することができる。重合
停止剤の使用量は特に限定されるものではないが、一般
には、重合開始剤として使用したアニオン重合開始剤1
モルに対して1〜100モルの範囲内となる割合が好ま
しい。
【0057】なお、本発明では、所定の重合を全て終え
た後であってかつ重合停止剤を添加する前の段階で、末
端官能基付与剤(例えばアルデヒド、ラクトン、二酸化
炭素等)を反応系に添加してもよく、その場合には分子
鎖の末端に水酸基、カルボキシル基等の官能基を有する
重合体を得ることができる。重合停止後の反応混合物か
ら分離取得した重合体中に使用したアニオン重合開始剤
や有機アルミニウム化合物(A)に由来する金属成分が
残存していると、重合体やそれを用いた材料の物性の低
下、透明性不良等を生じる場合があるので、重合体の使
用目的に応じては、アニオン重合開始剤および有機アル
ミニウム化合物(A)に由来する金属化合物を重合終了
後に除去することが好ましい。該金属化合物の除去方法
としては、重合体を、酸性水溶液を用いた洗浄処理、イ
オン交換樹脂等の吸着剤を用いた吸着処理等の清浄化処
理に付することが有効である。ここで、酸性水溶液とし
ては、例えば、塩酸、硫酸水溶液、硝酸水溶液、酢酸水
溶液、プロピオン酸水溶液、クエン酸水溶液等を使用す
ることができる。
【0058】重合を停止させた後の反応混合物から重合
体を分離取得するための方法は特に制限されず、公知の
方法に準じた任意の方法を採用することができる。例え
ば、反応混合物を重合体の貧溶媒に注いで該重合体を沈
殿させる方法、反応混合物から溶媒を留去して重合体を
取得する方法等が採用可能である。
【0059】また、本発明によれば、任意の分子量の重
合体を製造することができる。製造可能な重合体の分子
量は広範囲にわたるが、一般には、数平均分子量が10
00〜1000000の範囲内であることが、得られる
重合体の取り扱い性、流動性、力学特性等の点から好ま
しい。また、本発明によれば、通常、分子量の均一性が
高い(すなわち、分子量分布の狭い)重合体が得られ、
分子量分布(Mw/Mn)の値において1.5以下の重
合体を製造することが可能である。ただし、アニオン重
合性単量体の重合系への添加速度、単量体の重合系内で
の拡散速度等を制御することにより、分子量分布の広い
重合体を意図的に得ることもできる。
【0060】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいてより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。以下の実施例等において、化学品は常法によ
り乾燥精製し、窒素にて脱気したものを使用した。ま
た、化学品の移送および供給は窒素雰囲気下で行った。
【0061】《実施例1》内容積1リットルの三口フラ
スコに半月翼型撹拌棒を設置し、系内の雰囲気を窒素で
置換した。トルエン300ml、1,2−ジメトキシエ
タン2.7g、およびジイソブチル(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを20.
0mmol含有するトルエン溶液40mlを加え、−3
0℃に冷却した。これに、sec−ブチルリチウムを
2.0mmol含有するシクロヘキサン溶液1.54m
lを加え、20分間撹拌した。溶液を激しく撹拌しなが
ら、−30℃で、これにメタクリル酸メチル20.0g
を約3分間かけて滴下した。溶液は当初、黄色に着色
し、滴下終了から1分後に退色した。滴下終了より3分
後にメタノールを5ml加えることにより、重合反応を
停止させた。得られた溶液を3リットルのメタノール中
に注ぎ、生成した重合体を沈殿させ、回収した。得られ
た重合体(ポリメタクリル酸メチル)の収率はほぼ10
0%であった。得られた重合体のポリスチレン換算分子
量をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)で測定した結果、そのMn(数平均分子量)は34
700であり、Mw/Mn(分子量分布)は1.10で
あった。また、重合開始効率は0.29であることが判
明した。重合条件および重合結果を下記の表1に示す。
【0062】《実施例2》有機アルミニウム化合物のト
ルエン溶液として、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを20.0
mmol含有するトルエン溶液40mlの代りに、イソ
ブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ)アルミニウムを14.0mmol含有するトル
エン溶液28mlを使用し;sec−ブチルリチウムの
シクロヘキサン溶液として、sec−ブチルリチウムを
2.0mmol含有するシクロヘキサン溶液1.54m
lの代りに、sec−ブチルリチウムを1.0mmol
含有するシクロヘキサン溶液0.77mlを使用し;重
合時の温度を−30℃から0℃に変更し;アニオン重合
性単量体(メタクリル酸メチル)の使用量を20.0g
から10.0gに変更し;かつ重合時間(単量体添加終
了から重合停止までの時間)を3分間から80分間に変
更した以外は、実施例1におけると同様にして重合操作
および重合停止操作を行った。得られた重合体(ポリメ
タクリル酸メチル)の収率はほぼ100%であった。得
られた重合体のMnは10600であり、Mw/Mnは
1.06であった。また、重合開始効率は0.94であ
った。重合条件および重合結果を下記の表1に示す。
【0063】《実施例3》1,2−ジメトキシエタンの
使用量を8.1gに変更し、かつその他の重合条件を下
記の表1に示すように変更した以外は、実施例2におけ
ると同様にして重合操作および重合停止操作を行った。
得られた重合体(ポリメタクリル酸メチル)の収率はほ
ぼ100%であった。得られた重合体のMnは9800
であり、Mw/Mnは1.06であった。また、重合開
始効率は1.02であった。重合条件および重合結果を
下記の表1に示す。
【0064】《実施例4》1,2−ジメトキシエタン
2.7gの代りにN,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン1.0mmolを使用し、かつその他の
重合条件を下記の表1に示すように変更した以外は、実
施例2におけると同様にして重合操作および重合停止操
作を行った。得られた重合体(ポリメタクリル酸メチ
ル)の収率はほぼ100%であった。得られた重合体の
Mnは12500であり、Mw/Mnは1.06であっ
た。また、重合開始効率は0.80であった。重合条件
および重合結果を下記の表1に示す。
【0065】《実施例5》有機アルミニウム化合物のト
ルエン溶液として、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを20.0
mmol含有するトルエン溶液40mlの代りに、イソ
ブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ)アルミニウムを11.0mmol含有するトル
エン溶液22mlを使用し;sec−ブチルリチウムの
シクロヘキサン溶液として、sec−ブチルリチウムを
2.0mmol含有するシクロヘキサン溶液1.54m
lの代りに、sec−ブチルリチウムを1.0mmol
含有するシクロヘキサン溶液0.77mlを使用し;ア
ニオン重合性単量体の種類および使用量をメタクリル酸
メチル20.0gからアクリル酸n−ブチル10.0g
に変更し;かつ重合時間(単量体添加終了から重合停止
までの時間)を3分間から1分間に変更した以外は、実
施例1におけると同様にして重合操作および重合停止操
作を行った。得られた重合体(ポリアクリル酸n−ブチ
ル)の収率はほぼ100%であった。得られた重合体の
Mnは11600であり、Mw/Mnは1.08であっ
た。また、重合開始効率は0.86であった。重合条件
および重合結果を下記の表1に示す。
【0066】《実施例6》イソブチルビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを
それと同モル数のエチルビス(2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノキシ)アルミニウムに変更した以外
は、実施例5におけると同様にして重合操作および重合
停止操作を行った。得られた重合体(ポリアクリル酸n
−ブチル)の収率はほぼ100%であった。得られた重
合体のMnは14200であり、Mw/Mnは1.21
であった。また、重合開始効率は0.70であった。重
合条件および重合結果を下記の表1に示す。
【0067】《実施例7》1,2−ジメトキシエタン
2.7gの代りにN,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン1.0mmolを使用した以外は、実施
例5におけると同様にして重合操作および重合停止操作
を行った。得られた重合体(ポリアクリル酸n−ブチ
ル)の収率はほぼ100%であった。得られた重合体の
Mnは14800であり、Mw/Mnは1.05であっ
た。また、重合開始効率は0.68であった。
【0068】《実施例8》1,2−ジメトキシエタン
2.7gの代りにジエチルエーテル5.4gを使用した
以外は、実施例5におけると同様にして重合操作および
重合停止操作を行った。得られた重合体(ポリアクリル
酸n−ブチル)の収率はほぼ100%であった。得られ
た重合体のMnは14000であり、Mw/Mnは1.
23であった。また、重合開始効率は0.71であっ
た。重合条件および重合結果を下記の表1に示す。
【0069】《参考例1》1,2−ジメトキシエタンの
使用を省略し、かつ重合時間を3分間から120分間に
延長した以外は、実施例1におけると同様にして重合操
作および重合停止操作を行った。しかしながら、重合体
は全く回収されなかった。重合条件および重合結果を下
記の表1に示す。
【0070】《参考例2》1,2−ジメトキシエタンの
使用を省略し、重合時間を80分間から120分間に延
長した以外は、実施例2におけると同様にして重合操作
および重合停止操作を行った。しかしながら、重合体は
全く回収されなかった。重合条件および重合結果を下記
の表1に示す。
【0071】《参考例3》1,2−ジメトキシエタンの
使用を省略し、重合時間を1分間から120分間に延長
した以外は、実施例5におけると同様にして重合操作お
よび重合停止操作を行った。得られた重合体(ポリアク
リル酸n−ブチル)の収率はほぼ52%であった。得ら
れた重合体のMnは17600であり、Mw/Mnは
1.66であった。また、重合開始効率は0.30であ
った。重合条件および重合結果を下記の表1に示す。
【0072】《参考例4》有機アルミニウム化合物のト
ルエン溶液として、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを20.0
mmol含有するトルエン溶液40mlの代りに、トリ
イソブチルアルミニウムを20.0mmol含有するト
ルエン溶液40mlを使用し、かつ重合時間を3分間か
ら120分間に延長した以外は、実施例1におけると同
様にして重合操作および重合停止操作を行った。しかし
ながら、重合体は全く回収されなかった。重合条件およ
び重合結果を下記の表1に示す。
【0073】《参考例5》1,2−ジメトキシエタン
2.7gの代りにテトラメチルアンモニウムクロリド
1.0mmolを使用し、かつ重合時間を1分間から1
20分間に延長した以外は、実施例5におけると同様に
して重合操作および重合停止操作を行った。なお、加え
たテトラメチルアンモニウムクロリドはほとんど溶解せ
ず、重合期間中、重合系内に不溶物が認められた。得ら
れた重合体(ポリアクリル酸n−ブチル)の収率はほぼ
32%であった。得られた重合体のMnは15200で
あり、Mw/Mnは1.50であった。また、重合開始
効率は0.21であった。重合条件および重合結果を下
記の表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】上記表1中における記号は以下の意味を有
する。 s-BLi:sec−ブチルリチウム DME:1,2−ジメトキシエタン TMEDA:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジ
アミン Et2O:ジエチルエーテル Me4NCl:テトラメチルアンモニウムクロリド iB2Al(BHT):ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノキシ)アルミニウム iBAl(BHT)2:イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノキシ)アルミニウム EtAl(BHT)2:エチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノキシ)アルミニウム iB3Al:トリイソブチルアルミニウム MMA:メタクリル酸メチル nBA:アクリル酸n−ブチル
【0076】上記の表1に示した結果から、本発明に従
う実施例1〜8における重合方法では、極性アニオン重
合性単量体の重合を、アニオン重合開始剤として工業的
使用に適したsec−ブチルリチウムを使用し、かつ−
30℃または0℃という緩和された冷却温度条件下で行
ったにも拘わらず、短い重合時間(1〜80分間)にお
いて、狭い分子量分布(Mw/Mn=1.05〜1.2
3)を有する所定の重合体を高収率(100%)で製造
できたことが分かる。しかも、それらの重合方法におけ
る重合開始効率は、比較的高く(0.29〜1.0
2)、有機アルミニウム化合物(A)として有機アルミ
ニウム化合物(A−1)を使用した場合には特に高い
(0.68〜1.02)ことが分かる。これに対して、
ルイス塩基の添加を省略した点で本発明とは相違する参
考例1〜3における重合方法では、延長した重合時間
(120分間)を採用したにも拘わらず、重合が実質的
に進まない(参考例1および2)か、または重合した場
合(参考例3)でも、得られた重合体の分子量分布は比
較的広く(Mw/Mn=1.66)、収率は低く(52
%)、また重合開始効率も相対的に低い(実施例5、7
および8では0.68〜0.86であるのに対して参考
例3では0.30)ことが分かる。有機アルミニウム化
合物として上記Al−O−Arで示される化学構造を有
しない有機アルミニウム化合物を使用した点で本発明と
は相違する参考例4における重合方法では、延長した重
合時間(120分間)を採用したにも拘わらず、重合が
実質的に進まなかったことが分かる。また、エーテル化
合物または三級ポリアミン化合物の代りに有機4級塩
(テトラメチルアンモニウムクロリド)を使用した点で
本発明とは相違する参考例5における重合方法では、延
長した重合時間(120分間)を採用したにも拘わら
ず、得られた重合体の分子量分布は比較的広く(Mw/
Mn=1.50)、収率は低く(32%)、また重合開
始効率も相対的に低い(実施例5、7および8では0.
68〜0.86であるのに対して参考例5では0.2
1)ことが分かる。
【0077】《実施例9》[アクリル酸n−ブチルの二
段階重合例] 本実施例においては、以下のようにして、−30℃でア
クリル酸n−ブチルの重合(一段目の重合)を行い、重
合完了後、同温度で1時間保存し、次いでアクリル酸n
−ブチルを添加することにより−30℃で二段目の重合
を行った。
【0078】(1)内容積1リットルの三口フラスコに
半月翼型撹拌棒を設置し、系内の雰囲気を窒素で置換し
た。トルエン300ml、1,2−ジメトキシエタン
2.7g(30mmol)、およびイソブチルビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)ア
ルミニウムを11.0mmol含有するトルエン溶液2
2mlを加え、−30℃に冷却した。これに、sec−
ブチルリチウムを1.0mmol含有するシクロヘキサ
ン溶液0.77mlを加え、20分間撹拌した。溶液を
激しく撹拌しながら、−30℃で、これにアクリル酸n
−ブチル10.0gを約3分間かけて滴下した。溶液は
当初、黄色に着色し、滴下終了から1分後に退色した。
【0079】(2)滴下終了より1分後の段階で溶液の
一部をサンプリングした。重合率を測定した結果、重合
率はほぼ100%であることが判明した。また、生成し
た重合体(ポリアクリル酸n−ブチル)のポリスチレン
換算分子量をGPCで測定した結果、そのMnは140
00であり、Mw/Mnは1.09であることが判明し
た。
【0080】(3)上記(1)で得られた溶液を、滴下
終了後も−30℃で1時間、攪拌下に保持した後、この
溶液にアクリル酸n−ブチルを30.0g加え、−30
℃で1時間重合させた。次いで、メタノールを5ml加
えることにより、重合反応を停止させた。
【0081】(4)上記(3)で得られた溶液を3リッ
トルのメタノール中に注ぎ、生成した重合体を沈殿さ
せ、回収した。得られた重合体(ポリアクリル酸n−ブ
チル)の収率はほぼ100%であった。得られた重合体
のポリスチレン換算分子量をGPCで測定した結果、そ
のMnは56700であり、Mw/Mnは1.04であ
ることが判明した。また、GPC測定において、上記
(1)における一段目の重合で得られた重合体の分子量
付近に、ピークは全く観測されなかった。このことか
ら、上記(1)の一段目の重合終了後から上記(3)の
二段目の重合開始に至るまでの保存期間中におけるリビ
ングポリマーの失活率はほぼ0%であり、リビング性が
高いレベルで保持されていたことが分かる。結果を下記
表2に記す。なお、二段目の重合で得られた重合体のG
PCチャートを図1に示す。
【0082】《実施例10〜17》[アクリル酸n−ブ
チルの二段階重合例] 本実施例においては、使用したルイス塩基の種類および
添加量ならびに一段目重合、保存(1時間)および二段
目重合の全期間の温度について表2の条件を採用した以
外は、実施例9におけると同様にして一段目の重合操
作、保存操作、二段目の重合操作および重合停止操作を
行った。結果を下記表2に記す。
【0083】
【表2】
【0084】上記表2中における記号は以下の意味を有
する。 DME:1,2−ジメトキシエタン Diglyme:ジエチレングリコールジメチルエーテル 12-Crown-4:12−クラウン−4 TMEDA:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジ
アミン PMDETA:N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエ
チレントリアミン HMTETA:1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルト
リエチレンテトラアミン
【0085】上記の表2に示した結果から、本発明に従
う実施例10〜17における重合方法では、一段目重
合、保存および二段目重合の全期間中における温度とし
て0℃ないし室温付近の温度という、実施例9に比べて
高い温度条件を採用したにも拘わらず、保存期間中にお
けるリビングポリマーの失活率は55%以下の範囲内に
止まり、保存期間後の二段目の重合操作でも重合反応が
完全に進行することが分かる。
【0086】《参考例6》[アクリル酸n−ブチルの二
段階重合例] 本参考例においては、以下のようにして、−30℃でア
クリル酸n−ブチルの重合(一段目の重合)を行い、重
合完了後、同温度で1時間保存し、次いでアクリル酸n
−ブチルを添加することにより−30℃で二段目の重合
を行った。
【0087】(1)sec−ブチルリチウムを1.0m
mol含有するシクロヘキサン溶液0.77mlの代り
に、t−ブチルリチウムを1.0mmol含有するシク
ロヘキサン溶液0.63mlを使用し、かつ1,2−ジ
メトキシエタンの添加を省略した以外は実施例9の
(1)におけると同様にして、一段目の重合操作を行っ
た。
【0088】(2)実施例9の(2)におけると同様に
して、上記(1)で得られた溶液のサンプルを採取し測
定した。その結果、生成した重合体(ポリアクリル酸n
−ブチル)の収率はほぼ100%であり、Mnは188
00であり、Mw/Mnは1.25であることが判明し
た。なお、GPC測定において、低分子量側にややテー
リングが認められた。
【0089】(3)実施例9の(3)におけると同様に
して、上記(1)で得られた溶液を−30℃で1時間保
持した後、二段目の重合操作および重合停止操作を行っ
た。
【0090】(4)実施例9の(4)におけると同様に
して、上記(3)で得られた溶液から重合体(ポリアク
リル酸n−ブチル)を回収し測定した。その結果、重合
体の収率は59%で上記(3)の二段目の重合での重合
率は45%であることが判明した。また、得られた重合
体のMnは27800であり、Mw/Mnは1.60で
あり、上記(1)の一段目の重合で得られたポリマーに
対応するピークが相当量認められ、そのピークの面積比
は重合体全体の約17%であった。このことより、上記
(1)の一段目の重合終了後から上記(3)の二段目の
重合開始に至るまでの保存期間中におけるリビングポリ
マーの失活率は約40%程度であったものと見積もるこ
とができる。なお、二段目の重合で得られた重合体のG
PCチャートを図2に示す。
【0091】《実施例18》[アクリル酸n−ブチルと
メタクリル酸メチルのブロック共重合例] 本実施例では、以下のようにして、アクリル酸n−ブチ
ルを重合後、メタクリル酸メチルを加えることでブロッ
ク共重合を行った。
【0092】(1)sec−ブチルリチウムの使用量を
1.0mmolから1.4mmolに変更した以外は実
施例9の(1)におけると同様にして、アクリル酸n−
ブチルの重合を行った。
【0093】(2)実施例9の(2)におけると同様に
して、上記(1)で得られたアクリル酸n−ブチル滴下
終了から1分後の溶液のサンプルを採取し測定した。そ
の結果、生成した重合体(ポリアクリル酸n−ブチル)
の収率はほぼ100%であり、Mnは9300であり、
Mw/Mnは1.06であることが判明した。上記
(1)の一段目の重合で得られた重合体のGPCチャー
トを図3に曲線(a)で示す。
【0094】(3)上記(1)で得られた溶液を、滴下
終了後も−30℃で1.5時間、攪拌下に保持した後、
この溶液にメタクリル酸メチルを30.0g加え、−3
0℃で6時間重合させた。次いで、メタノールを5ml
加えることにより、重合反応を停止させた。
【0095】(4)上記(3)で得られた溶液を3リッ
トルのメタノール中に注ぎ、生成した重合体を沈殿さ
せ、回収した。得られた重合体(ポリ(アクリル酸n−
ブチル−b−メタクリル酸メチル))の収率はほぼ75
%であり、上記(3)でのメタクリル酸メチルの重合率
は約66%であった。得られた重合体のポリスチレン換
算分子量をGPCで測定した結果、そのMnは1850
0であり、Mw/Mnは1.05であることが判明し
た。また、GPC測定において、上記(1)における一
段目の重合で得られた重合体の分子量付近に、ピークは
全く観測されなかった。このことから、上記(1)の一
段目の重合終了後から上記(3)の二段目の重合開始に
至るまでの保存期間中におけるリビングポリマーの失活
率はほぼ0%であり、ブロック効率の非常に高いブロッ
ク共重合体が得られたことが分かる。なお、二段目の重
合で得られた重合体のGPCチャートを図3に曲線
(b)で示す。
【0096】
【発明の効果】本発明のアニオン重合方法によれば、工
業的使用に適したアニオン重合開始剤を使用し、かつ比
較的緩和された冷却温度条件下でアニオン重合性単量体
の重合を行う場合であっても、高い重合開始効率、高い
重合速度および高いリビング性を達成することができ
る。また本発明の製造方法によれば、分子量分布の狭い
重合体およびブロック効率の高いブロック共重合体を工
業的に有利に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従う実施例9において最終的
に得られたポリアクリル酸n−ブチルのGPCチャート
である。横軸は流出時間を表す。
【図2】図2は、本発明以外の参考例6において最終的
に得られたポリアクリル酸n−ブチルのGPCチャート
である。横軸は流出時間を表す。
【図3】図3は、本発明に従う実施例18において一段
目の重合で得られたポリアクリル酸n−ブチル(a)
と、二段目の重合で最終的に得られたポリ(アクリル酸
n−ブチル−b−メタクリル酸メチル)(b)のGPC
チャートである。横方向は流出時間に対応する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳沼 幸江 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 Fターム(参考) 4J015 DA02 DA05 DA14 EA03 EA04 4J026 HA11 HA19 HA26 HA32 HA43 HB11 HB19 HB26 HB32 HB45 HD11 HD19 HE01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン重合性単量体をアニオン重合開
    始剤を使用して重合するに際し、重合系内に、(A)一
    般式:Al−O−Ar(式中、Arは芳香族環を表す)
    で示される化学構造を分子中に含む三級有機アルミニウ
    ム化合物ならびに(B)エーテル化合物および三級ポリ
    アミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の
    ルイス塩基を存在させることを特徴とするアニオン重合
    方法。
  2. 【請求項2】 アニオン重合開始剤が二級炭素原子を陰
    イオン中心とする化学構造を有する有機リチウム化合物
    である請求項1記載のアニオン重合方法。
  3. 【請求項3】 アニオン重合性単量体が極性のアニオン
    重合性単量体である請求項1または2記載のアニオン重
    合方法。
  4. 【請求項4】 極性のアニオン重合性単量体がα,β−
    不飽和カルボン酸エステル化合物、α,β−不飽和カル
    ボン酸アミド化合物またはα,β−不飽和ケトン化合物
    である請求項3記載のアニオン重合方法。
  5. 【請求項5】 ルイス塩基(B)がエーテル化合物であ
    る請求項1〜4のいずれか一項に記載のアニオン重合方
    法。
  6. 【請求項6】 エーテル化合物が、2個以上のエーテル
    結合を分子中に有する環状エーテル化合物または1個以
    上のエーテル結合を分子中に有する非環状エーテル化合
    物である請求項1〜5のいずれか一項に記載のアニオン
    重合方法。
  7. 【請求項7】 ルイス塩基(B)が三級ポリアミン化合
    物である請求項1〜4のいずれか一項に記載のアニオン
    重合方法。
  8. 【請求項8】 アニオン重合性単量体を請求項1〜7の
    いずれか一項に記載のアニオン重合方法で重合すること
    からなる重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 2種以上のアニオン重合性単量体を請求
    項1〜7のいずれか一項に記載のアニオン重合方法で重
    合することからなるブロック共重合体の製造方法。
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