JP2001131086A - エンドセリンを含む結合組織修復促進組成物および該組成物の調製におけるエンドセリンの使用 - Google Patents

エンドセリンを含む結合組織修復促進組成物および該組成物の調製におけるエンドセリンの使用

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デール・アール・ピーターソン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 損傷又は病気の骨、軟骨等の結合組織とイン
ビボで接触させることにより当該損傷又は病気の組織の
修復又は成長を誘発する組成物を提供する。 【解決手段】 この組成物は損傷又は病気の状態の結合
組織の修復を促進するために有効な量のほぼ純粋なエン
ドセリンから成る。この組成物はさらに、薬剤的に許容
可能な送達(delivery)担体から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は損傷または病気の
骨、軟骨等の結合組織とインビボで接触させることによ
り当該損傷または病気の組織の修復または成長を誘発す
る移植可能で生体許容性の組成物に関する。さらに、本
発明は修復を誘発する方法に関する。特に、本発明は損
傷または病気の結合組織の修復または成長を誘発するの
に有効な量のエンドセリン(endothelin)から成る組成
物、および該組成物の調製における単離したエンドセリ
ンの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】今日において、骨の欠損部は自己移植片
または外部の預けられたバンク骨(banked bone)により
修復されるのが一般的である。自己移植片は骨を一体化
する能力が優れており、医者は腸骨稜のような供給源か
らの骨を好んで使用する場合が多い。しかしながら、自
己移植片を使用する処置には幾つかの欠陥がある。ま
ず、自己移植片は別個の採取処理を必要とし、処理時間
が長くなって輸血が必要となる。第2に、患者は採取に
要する適当な量の材料が賄えない場合が多く、採取した
部位において罹病する場合がある。一方、バンク骨の移
植はこの採取処理を必要としないが、骨の治癒能力が自
己移植片ほど高くない。それゆえ、癒着欠如のような重
い症状においてバンク骨を使用することは望ましくな
い。
【0003】これらの欠陥のために、研究者は自己移植
片またはバンク骨の使用を必要せずに骨の成長を促進す
るための組成物および方法をこれまで探究してきた。こ
のような骨の成長促進因子として可能性のある供給源の
一例として、健康な骨および軟骨組織の細胞外マトリッ
クスがある。この細胞外骨マトリックスは主にミネラル
(ヒドロキシアパタイト)および有機マトリックスを含
んでおり、この有機マトリックスの主成分はI型コラー
ゲンである。さらに、この骨マトリックスの残りの成分
として、多数の比較的少量の非コラーゲン蛋白質および
成長因子が含まれる。例えば、1960年代の中頃か
ら、脱ミネラル骨マトリックス(DBM)および骨形態
形成蛋白質(BMP)の両方の骨誘導活性が研究されて
いる(Ijiri、1992年)。さらに、これらのDMBお
よびBMPに加えて、多くの化合物が生物活性を有して
おり、プロテーゼ装置、薬物、血液成分等のような医療
用途において広く使用されるようになった。
【0004】エンドセリン類は鎖内ジスルフィド結合を
もった21個のアミノ酸残基から成る血管収縮ペプチド
のうちの一つの類である。これらの蛋白質は当初、ブタ
の大動脈内皮細胞の条件付け培地から単離され精製され
た。その後、エンドセリンは多くの細胞により生成さ
れ、その生成は全身性ホルモンおよび局所性因子によっ
て調節されることが見出された(Rubanyi およびPoloko
ff、1994年)。エンドセリンは、当該技術分野にお
ける熟練者に知られている標準的な抽出技法を用いて多
種多様な温血脊椎動物組織源から単離することができ
る。
【0005】内皮細胞ポリペプチドであるエンドセリン
−1を用いて細胞集団のインキュベーションを行うこと
により骨芽細胞の増殖と機能が影響を受けることが報告
されている。従って、これらの蛋白質が、多数の他の単
離された化合物と同様に、骨および軟骨の修復において
一定の役割を果たし得るという憶測が生じた。しかしな
がら、インビトロでの結果は細胞種、細胞密度、細胞単
離手順および成長培地の種類等の種々の因子により変化
し得る。それゆえ、インビトロでの研究は有用ではある
が、インビボでの活性に対して必ずしも予測的な妥当性
を示すとは言えない。
【0006】例えば、最近の20年間において、プロス
タグランジンが骨の吸収を増大すると共に骨の形成を増
加するものとして報告されている。このようなプロスタ
グランジンの相反する作用を報告している参考文献を調
べて見ると、骨の吸収についての報告のほとんど全てが
インビトロで行われていて、骨の形成について報告して
いるほとんど全ての研究がインビボで行われていること
が分かる(MarkおよびMiller、1993年)。これらの
インビトロでの骨成長の研究は骨の組織/器官培養物ま
たは比較的純粋に単離された骨細胞集団を用いて行って
いた。従って上記のプロスタグランジンの主要な作用に
ついての明らかに相反する報告はこれらの作用を研究す
るために用いた細胞培養系における制限に基づいて説明
することができる。同様に、細胞培養アッセイに基づく
TGF活性についての初期的な報告も観察されたインビ
ボでの活性に対して相関していない。それゆえ、当該技
術分野における熟練者であればインビトロ活性が必ずし
もインビトロでの結果を示さないことが分かる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、インビボ
での結合組織の修復または成長促進に有用な組成物が求
められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エンド
セリンから成る組成物が修復を必要とするインビボ部位
での結合組織(骨、軟骨を含む)の成長を誘発するため
に使用される。この開示の組成物は、修復を必要とする
部位にインビボで接触させるために、当該組成物の移植
または注射のいずれかにより温血動物種に投与される。
【0009】本発明の別の態様は、脊椎動物種における
所定のインビボ部位での新しい骨または軟骨の成長を誘
発するための方法であり、当該方法は上記部位に内因性
の組織の成長を誘発するのに有効な量のほぼ純粋なエン
ドセリンおよび薬剤的に許容可能な担体から成る組成物
を接触させる工程から成る。好ましい実施形態におい
て、上記の組成物は液体の形態であり、上記部位はこの
組成物の注射により当該組成物に接触する。別の好まし
い実施形態において、上記担体はポリエステル、イオノ
マー、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルアセテート、ポリ
アクリレート、ポリオルトエステル、ポリ無水物(ポリ
酸無水物、ポリエステル酸無水物を含む)、コラーゲ
ン、フィブリン、スターチ、アルギネート(アルギン酸
塩を含む)、およびヒアルロン酸から成る群から選択さ
れるポリマーから成るポリマーマトリックスである。あ
るいはこの担体は金属、ガラス、またはミネラル塩でも
よい。なお好ましいミネラル塩としては、リン酸トリカ
ルシウム、ヒドロキシアパタイトおよび石膏が含まれ
る。
【0010】本発明のさらに別の態様は、組成物を温血
脊椎動物に全身的に投与することにより当該温血脊椎動
物内の骨または軟骨の病原性の状態を治療する方法であ
り、上記の組成物は内因性の組織の成長を誘発するのに
有効な量のほぼ純粋なエンドセリンおよび薬剤的に許容
可能な担体から成る。
【0011】本発明のさらに別の特徴が以下の本発明を
実施する最良の態様を例示するものを含む実施形態の詳
細な説明を考察することにより当該技術分野における熟
練者において明らかになる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明はほぼ純粋な形態のエンド
セリンから成る組成物、およびインビボでの骨および軟
骨の欠損部の修復を促進するための当該組成物の使用方
法、ならびに当該組成物の調製における単離したエンド
セリンの使用に関する。本明細書において使用する用語
の「エンドセリン(endothelin)」は、ヒトまたはその
他の温血脊椎動物から単離されるエンドセリン蛋白質の
関連ファミリー構成員の全て、エンドセリンの天然に生
じるアイソフォーム、エンドセリンをコードする核酸配
列により生成される組換え型の蛋白質およびエンドセリ
ン蛋白質の蛋白質フラグメント/ペプチドを含むもので
ある。また、本明細書において「エンドセリン遺伝子」
は、ヒトまたはその他の温血脊椎動物から単離される天
然の遺伝子配列を含む、エンドセリンをコードするあら
ゆる核酸配列、エンドセリンの活性フラグメントをコー
ドするあらゆる核酸配列、またはこれらのあらゆる組換
え型誘導体を含むものと定義される。また、本明細書に
おいて使用する用語の「ほぼ純粋(substantially pur
e)」は、ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動またはア
ミノ酸分析により決定される場合に、少なくとも90%
の純度、好ましくは95%の純度まで精製された状態を
意味する。また、「純度」は混入物等が存在しない程度
をいう。
【0013】本発明の組成物は温血脊椎動物における損
傷または欠損組織の修復を誘発するための方法において
使用できる。特に、エンドセリンは骨、軟骨、靭帯、筋
肉、皮膚、およびその他の軟組織を含む整形外科および
非整形外科の損傷部位の組織を修復するために使用でき
る。実施形態の一例において、本発明の組成物は骨折部
を効果的に修復し、例えば、頭蓋および顔面の欠損部ま
たは歯周欠損部、関節骨折部、軟骨欠損部、表層軟骨欠
損部、全厚欠損部、骨軟骨切開部、微小裂傷部、靭帯裂
傷部、筋肉損傷部、腱炎関節損傷部、感染または腫瘍に
至る二次的な骨の損失に続く骨格再構成、および骨粗鬆
症等のような種々の骨や軟骨の病気の治療を含む骨の欠
損部を充填または架橋するために使用できる。
【0014】結合組織から単離された多くの化合物がイ
ンビトロでのこれらの化合物に対する細胞の応答に基づ
き骨形成特性を有するものとして報告されている。しか
しながら、このようなインビトロで確立された活性はイ
ンビボでの骨および軟骨の修復促進活性を示す化合物を
選択するための十分な指針にならない場合が多い。従っ
て、本発明は骨および軟骨組織の修復を誘発する生物活
性薬剤を特定するためのインビボ・アッセイ技法を採用
する。有利なことに、本発明のインビボ・アッセイは、
骨形成特性をそれ自身が示すことが知られているコラー
ゲンのような送達担体の使用を回避する。
【0015】この特異なインビボ・アッセイは骨の修復
を促進する化合物を特定するために使用した。特に、実
施例1に記載するインビボ・アッセイはエンドセリンが
インビボでの骨の修復を促進することを実証している。
【0016】エンドセリンは上記各組織の修復を直接的
または間接的に促進できる。例えば、エンドセリンは骨
芽細胞活性を直接刺激すること(すなわち、マトリック
ス生成の促進または付加的な骨芽細胞の補充)、新脈管
形成の増加、あるいは、破骨細胞の吸収作用の阻害によ
り局在化した部位における新しい骨の形成を増加でき
る。さらに、本発明の組成物はエンドセリンの骨前駆細
胞または生物活性薬剤のいずれかへの選択的結合により
局在化した部位に対する骨前駆細胞または生物活性薬剤
の補充に関与でき、あるいは、エンドセリンは走化性に
よる細胞の補充に関与することができる。また、エンド
セリンが担体物質としてのコラーゲンのような蛋白質の
使用を含むセラミックやポリマーのような担体物質との
組み合わせにおける傷の修復処理において使用できるこ
とが予想される。さらに、エンドセリンは自己細胞(骨
または軟骨の前駆細胞等)または自己蛋白質(フィブリ
ン等)と組み合わせることが可能である。
【0017】実施形態の一例において、本発明の組成物
は送達担体(delivery vehicle)と、有効量のほぼ純粋
なエンドセリンから成る生物活性混合物とから成る。ま
た別の実施形態においては、本発明の組成物は送達担体
と、エンドセリン遺伝子を含む生物活性混合物とから成
る。インビボで骨および軟骨に生物活性薬剤を送達する
のに適する送達担体は当該技術分野における熟練者にお
いて周知である。実施形態の一例において、この送達担
体はポリマーマトリックスにより構成されており、この
ポリマーマトリックスは1種類以上の生体許容性のポリ
マーにより形成されている。なお、本明細書において使
用する用語の「生体許容性(biocompatible)」とは、上
記のポリマーが無毒性および非変異原性であって、最少
乃至適度の炎症反応性を示すことを意味する。好ましく
は、この生体許容性ポリマーは生体分解性であって、制
御された様式において無毒性の残留物に完全に分解す
る。このような実施形態において、上記のポリマーマト
リックスは生物活性混合物用の送達担体として作用し
て、生物活性薬剤を投与の局在化部位に集中すると共に
生物活性組成物の放出を制御する。このような局在化し
た骨および軟骨の部位へのエンドセリンの制御された送
達および放出は生物活性分子と生体分解性、生体許容性
ポリマーとの組み合わせの使用に基づくものであり、こ
のような使用方法により、生理学的に有効な時間内にお
ける効果的な生物活性分子の放出および治療部位からの
ポリマーの除去の両方が実現できる。
【0018】ポリエステル、ポリビニルアセテート、ポ
リアクリレート、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ
エチルメタクリレート(ポリHEMA)およびポリ無水
物等を含む種々のポリマーが、所定のインビボ部位への
生物活性分子の送達を目的とする移植材料(implant)の
形成に使用できる。このような用途におけるポリエステ
ルの利点の一つは当該材料が生体分解性および生体許容
性であることである。とりわけ、脂肪族ポリエステルは
損傷または手術後に移植可能な薬物送達装置、縫合線、
および一般の組織支持体のための生物材料の領域におい
てこれまで広く使用されている。このような従来から化
合物の局所的送達のために最も大きく関係するポリエス
テルはラクチド、グリコリド、およびカプロラクトンモ
ノマーから誘導されたもので、種々のターモノマー(三
元モノマー)の組み合わせにより到達可能なかなり広範
囲の分解プロファイルを有する。これらの脂肪族ポリエ
ステルにおけるエステル結合部分は加水分解的および/
または酵素的に不安定であって、水性環境内においてポ
リマー分解を生じる。
【0019】好ましい実施形態において、ポリマーマト
リックスを形成するために、ポリ酸無水物、ポリエステ
ル酸無水物、またはイオノマーのようなポリマーが使用
される。あるいは、ポリ乳酸およびポリオルトエステル
のような別のポリマーも使用できる。また、別の実施形
態において、上記のポリマーマトリックスはコラーゲン
繊維により構成されている。コラーゲンは生物活性を示
すことが報告されており、インビボでの骨および軟骨の
修復を促進する。従って、コラーゲン繊維は送達システ
ムの成分および本発明の骨および軟骨の修復組成物にお
ける活性薬剤の両方の機能を果たすことができる。さら
に上記ポリマーマトリックスを形成するのに適する別の
ポリマーはフィブリン、スターチ、アルギネート、ヒア
ルロン酸により構成されている。
【0020】上記の送達担体マトリックスを形成するの
に使用するポリマーの組成、および当該ポリマーの分子
量および物性は用途に応じて変えることができる。例え
ば、分解時間を増大することが望ましい場合に疎水性の
ポリ酸無水物が使用できる。さらに、付加的な強度また
はその他の所望な物性が必要とされる場合に、骨固化に
関連する研究から当該技術分野の熟練者に既知の材料を
用いて、各種化合物を上記ポリマー内に混合したり、当
該ポリマーと重合することができる。例えば、組成物に
優れた物理的取扱性を賦与するリン酸トリカルシウムま
たは他のセラミック型材料を添加することができる。
【0021】一般に、骨折の修復のために、上記ポリマ
ーは活性薬剤を約3日乃至42日(一般に、骨が体重を
支持できるようになるまでヒトにおいて十分な修復が行
えるのに6週間必要である)かけて放出する必要があ
る。さらに、このポリマーは約16週間乃至20週間よ
りも短い一定期間において完全に分解する必要がある。
これらの放出および分解の時間は使用するポリマーおよ
び放出される生物活性薬剤に部分的に依存する。さら
に、ポリマーの他に、種々の別の経時放出型担体が知ら
れている。例えば、非経口投与法の一例において、徐放
性または持続放出型のシステムから成るインプラントを
用いてほぼ一定な速度の薬物放出が維持される。例え
ば、米国特許第3,710,795号を参照されたい。
さらに別の手法として実施例1において説明するような
浸透ポンプ(osmotic pump)の使用がある。
【0022】本発明の実施形態の一例によれば、上記の
送達担体はポリエステル・イオノマー(カルボキシ末端
型ポリエステルの塩)により構成されている。このよう
なポリエステル・イオノマーは、インプラントの構造的
/機能的な必要条件により決まる比較的高い分子量の場
合においても良好な溶解性を示す。これらのポリエステ
ルは改善された生体許容性に対応して、天然代謝産物か
ら調製され、また、当該代謝産物に分解される。このよ
うなポリエステル・イオノマーは対応するカルボキシ末
端型ポリエステルから、生体許容性で薬剤的に許容可能
な塩形成用塩基物質による中和または部分中和により調
製される。実施形態の一例において、上記の送達担体は
生体分解性のカルボキシ末端型ポリエステルと、これに
対応するイオノマーとの組み合わせにより構成されてい
る。このようなポリエステル・イオノマーの物性は対応
するカルボキシ末端型ポリエステルの中和の程度により
調整することができ、中和用の塩基物質の選択によって
もある程度制御することができる。上記のポリエステル
・イオノマーは単独またはそれらのカルボキシ末端型ポ
リエステル前駆体との組み合わせで用いられて、組織修
復用の生体許容性担体の構成および/または生物活性化
合物の経時放出のために使用できる。
【0023】送達担体としてのポリエステル・イオノマ
ーの使用が米国特許第5,668,288号に記載され
ており、当該文献における開示は本明細書に参考文献と
して含まれる。一般に、これらのポリエステル・イオノ
マーはポリエステルの二価の残基である。さらに、この
ポリエステルは、例えば、乳酸、グリコール酸、ヒドロ
キシカプロン酸、ヒドロキシ吉草酸等の生体許容性のヒ
ドロキシ酸のホモポリマー、コポリマー、またはターポ
リマーにより構成できる。あるいは、このポリエステル
は多価アルコールおよび生体許容性のポリカルボン酸の
共重合により形成できる。最も典型的な例として、この
ようなコポリマーは例えば生体許容性に対応するプロピ
レングリコールのような多価アルコールと生体許容性の
ジカルボン酸との間の共重合反応により形成される。
【0024】本発明の組成物における生物活性成分は、
必要に応じて、薬剤的に許容可能な担体、可溶化剤、ま
たは充填材と組み合わされたエンドセリンから成る。骨
成長形成を誘発するために、エンドセリンは約1ng乃
至約500μg/ml欠損部領域の範囲の濃度で投与さ
れる必要がある。実施形態の一例において、エンドセリ
ンは約0.033μg乃至約330μg/ml欠損部領
域の範囲の濃度で投与される。加えて、リン酸トリカル
シウム、ヒドロキシアパタイト、石膏、またはその他の
適当な生理学的なミネラル供給源を上記組成物に組み合
わせて損傷状態または病気の骨の修復を補助することが
できる。実施形態の一例によれば、生理学的に許容性の
ミネラルは本発明の組成物の生物活性混合物の80%ま
でにより構成されている。あるいは、この生理学的に許
容性のミネラルは上記生物活性混合物の約5%乃至約5
0%により構成されており、さらに好ましくは当該生物
活性混合物の約5%乃至30%により構成されている。
加えて、本発明の組成物は既知の薬剤および生物活性薬
剤と組み合わせて骨の異常症状または病気の局所的治療
のための送達システムを形成できる。
【0025】さらに、本発明の組成物における生物活性
成分は成長因子、成長因子結合性蛋白質または真核細胞
と組み合わせることができる。適当な成長因子の例とし
ては繊維芽細胞成長因子、トランスフォーミング増殖因
子(例えば、TGF類)、骨形態形成因子、上皮細胞成
長因子または血小板由来成長因子が含まれる。また、成
長因子結合性蛋白質の例はIGFBP3および5のよう
なインシュリン様成長因子結合性蛋白質(IGFBP
類)である。さらに、適当な真核細胞の例は骨髄細胞、
骨芽細胞、および間葉幹細胞を含む。本発明の生物活性
組成物はさらに骨形成薬剤を含むことができ、当該薬剤
は骨の欠損部位内への移植時に骨の発生を刺激して加速
する。このような骨形成薬剤の例として、脱ミネラル骨
粉剤、小片化した網状骨、吸引した骨髄、骨または軟骨
の形成細胞、およびその他の骨供給源が含まれる。
【0026】本発明の生物活性組成物は温血脊椎動物に
おける所定の局所的部位における骨および軟骨組織の成
長を刺激するために有用である。本発明の方法は修復を
必要とする部位をほぼ純粋なエンドセリンから成る組成
物に接触させることから成る。実施形態の一例におい
て、この組成物は修復を必要とする部位に外科的に移植
され、当該組成物がエンドセリンおよびポリマーマトリ
ックスから成り、当該ポリマーマトリックスがエンドセ
リンの放出を制御して所望の部位にエンドセリンを集中
する。あるいは、上記組成物は注射可能な形態であり、
上記修復を必要とする部位を接触させる方法が当該部位
内またはその近傍に組成物を注射することから成る。こ
のような本発明の組成物の注射可能な形態は一般にエン
ドセリンと薬剤的に許容可能な担体との組合せから成
る。このような組成物の粘度は当該組成物の含水量を制
御するか、当該技術分野の熟練者において既知の薬剤的
に許容可能な充填材または増粘剤を添加することにより
調節できる。実施形態の一例において、上記の注射可能
な形態はコラーゲン繊維を含み、上記の組成物の粘度が
当該組成物のpH値を約6.0乃至約7.5に調節する
ことにより制御される。
【0027】さらに、本発明の組成物は有効量の抗生物
質、化学療法剤、付加的な成長因子、抗原、抗体、酵
素、またはホルモンと組み合わせることができる。例え
ば、エンドセリンおよび抗生物質から成る組成物は骨髄
炎の治療において有用であり、非経口投与の抗生物質の
必要および危険性を減少することができる。さらに、エ
ンドセリンおよび抗腫瘍剤から成る組成物は骨の腫瘍の
局所的治療に使用でき、エンドセリンおよび骨形成また
はその他の成長因子(例えば、骨形成原、骨形態形成蛋
白質、副甲状腺ホルモン、またはTGF類)から成る組
成物は過度の損傷および骨形成不全のような骨格的欠損
異常により生じる骨格的欠損部の修復を加速するために
使用できる。
【0028】既に説明したように、本発明の組成物は温
血脊椎等物内への注射用に流体の形態で調製できる。実
施形態の一例において、この注射可能な形態は温血脊椎
動物を治療するために全身的に投与されて、骨および/
または軟骨を含む関節炎またはその他の病因性の状態に
対して治療効果を示す。このような注射可能な薬剤配合
物は皮下、腹膜内、筋肉内および静脈内を含む非経口の
経路を介して投与できる。このような非経口の投与形態
の例として、等張塩類溶液、5%グルコース溶液、また
はその他の周知の薬剤的に許容可能な液体担体中におけ
る活性薬剤の水溶液が含まれる。この実施形態の一例に
おいて、上記のエンドセリンは5%のジメチルスルホキ
シドおよび10%のCremphor EL(シグマ・ケミカル
社)を含有する塩類溶液中に溶解されている。さらに別
の可溶化剤が当該技術分野に精通した者において周知で
あり、エンドセリン化合物の送達のための薬物賦形剤と
して利用できる。さらに、別の送達担体が本発明に従う
使用方法に適用可能であり、本発明の流体の形態の物質
を温血脊椎動物に対して全身的に投与するために使用で
きる。例えば、この送達担体は経口投与形態、表皮パッ
チまたはその他の当該技術分野の熟練者において既知の
送達担体とすることができる。
【0029】実施例1:エンドセリンによるインビボで
の新骨形成の促進 A.インビボでのエンドセリンの骨形成能力の試験:ラ
ット頭蓋冠欠損モデル エンドセリンの骨形成能力を決定するために、十分に確
立されたモデルを使用して骨組織の内因性の成長のイン
ビボでの誘発量を測定した。一般に、このモデルは成育
した(生後6ヶ月以上の)スプラーグ・ダウリー・ラッ
ト(Sprague Dawley rats)の頭頂骨に円形(直径約6ミ
リ乃至8ミリ)の欠損部が形成されている。この欠損部
は骨内傷が動物の寿命中に骨形成により治癒することが
ない程の重大な大きさに形成されている。
【0030】この外科手術は滅菌処理した技法、キャッ
プ、マスク、ガウン、およびグローブを用いて行われ
る。動物体を100mg/mlのキシラジン(Xylazin
e)0.15mlおよび10mg/mlのアセプロマジ
ン(acepromarzine)0.3mlを加えたケトセット(K
etoset)10mlのカクテルにより鎮静した。この投与
量は0.1ml/100g体重とした。さらに、付加的
な鎮静処理が必要な場合にケトセットのみをさらに0.
05mlずつ増加した。ラットが鎮静した後に、これら
の頭部を耳の後ろから鼻の先端部まで剃毛し、さらに耳
よりも腹側まで横方向に剃毛した。3回の擦り洗いをベ
タジン(betadine)およびアルコールを替えながら行っ
た。この擦り洗いに先立って軟膏を目に塗った。動物体
の表面を擦り洗いした後に、動物体の頭部を4×4ガー
ゼの小さい堆積層上に載せて外科手術部位の高さにした
状態で当該動物体をV型トレイ上に配置した。さらに、
動物体の鼻、耳、および背中を跨いでテープ片を渡して
トレイにテープ留めすることによりこれらを不動状態に
維持した。
【0031】不動状態の動物体を載置したトレイを手術
台上において滅菌した布で覆った。その後、頭蓋の中央
に皮膚切開部を形成し、骨膜を引き剥がして正中部位を
露出させた。40ポンド(約18kg)以下の圧力下で
6mmまたは8mmのトレフィンをマイクロ・ドリル中
において使用した。ドリル処理中におけるこの部位の灌
注が熱的壊死を避けるために必要である。また、骨の切
断中は、硬膜および矢状洞を損傷しないように注意を払
う必要がある。さらに、可能であれば、硬膜には触らな
いことが望ましい。出血が生じた場合は、ゲルフォーム
(gelfoam)により数分間この領域を包容して、出血の
停止後に除去する。次に、欠損端部を滑らかにした。
【0032】さらに、エンドセリンから成る組成物と脳
との間に6ミリ乃至8ミリの円形のゲルフィルムを配置
した。欠損部内に組成物を配置した後に、骨膜傍層を5
−0プロリン連続縫合パタンにより当該欠損部領域上を
閉じた状態で縫合した。さらに、皮膚をステープルによ
り閉じた。その後、低体温症を防ぐために動物体を保温
器内で回復させて、動物体が歩行を始めた段階でこれら
を各ケージの中に戻した。
【0033】B.生物活性組成物のインビボ試験方法 ラット頭頂骨欠損モデルの新規な変更部分において、本
発明の組成物はALZET浸透ポンプにより成育ラットの局
在化したインビボの欠損部位(上記のラット頭頂骨欠損
モデルにおける頭頂骨欠損部位)に直接的に投与され
る。このALZET 浸透ポンプ(ALZA Scientific Products
社(カリフォルニア州、パロ・アルト))は各スプラー
グ・ダウリー・ラットの背中の肩甲骨よりも僅かに後方
の部分の中に皮下的に移植される。さらに、これらのポ
ンプはカテーテルに接続していて、このカテーテルが各
ポンプの内容物(エンドセリン)を頭頂骨欠損部内に送
達して全欠損部の容積に対して約5μg/mlの局所的
な投与を行う。
【0034】上記の浸透ポンプは移植の前に組み立て
る。その後、カテーテル・チューブに送達溶液を収容す
る注射器を取り付けて送達溶液で浸透ポンプを満たすこ
とにより、このポンプ組立体にエンドセリンを充填す
る。さらに、充填した浸透ポンプをその流量調節器に取
り付ける。その後、このポンプ組立体を少なくとも4時
間乃至6時間37℃で滅菌処理した塩類溶液(saline)
(0.9%)中に保管する。一晩保管して充填することに
より最適の結果が得られる。この処理工程により、確実
に浸透ポンプが移植前に継続的にポンプ処理する状態に
なり、かつ、カニューレ内の凝固の発生や試験用薬剤の
送達中の組織による閉塞の発生を最少にできる。その
後、この組立体を宿主動物体に移植する。
【0035】ラットを麻酔処理して、上記のポンプ装置
を肩甲骨の中央部の中の皮下ポケット(嚢部)の中に移
植する。この移植部位を準備するために、当該移植部位
上の皮膚を剃毛して洗浄し、動物体の背中の肩甲骨中央
部に切開部を形成した。この切開部に止血材料を挿入
し、この止血材料を開口することにより、皮下組織を広
げてポンプに適応するポケットを形成した。なお、この
ポケットはポンプの移動がある程度自由に行えるのに十
分な大きさ(例えば、ポンプよりも1cmほど長い)を
有することが必要である。次に、充填したポンプをこの
ポケットの中に挿入してカテーテルに接続する。さら
に、カテーテルの先端部を頭頂骨の欠損部の中に入れて
当該欠損部にエンドセリン組成物が直接に送達できるよ
うにする。その後、ポンプの挿入部位を傷クリップまた
は縫合線により閉じる。
【0036】あらゆる栄養障害ストレスまたは正常行動
からの乱れを最少にするために、製造者の案内書に従っ
て最大薬物送達速度および時間を決めた。ポンプ処理の
寿命の終了後に、上記のALZET 浸透ポンプを取り外し
た。
【0037】結果 各実験はALZET 浸透ポンプモデル2002を用いて行
い、当該ポンプは欠損部位に14日の期間にわたり内容
物(200μlの容量)を送達した。この実験はポンプ
の移植後全部で28日間継続した。ラットを28日目に
殺して、欠損部の(頭部から尾にかけて延在する)中心
線を通る断面を組織学的に観察して骨の成長度を調べ
た。2個の対照動物体群を使用し、これらの対照動物体
群において、欠損部領域には塩類溶液のみが送達される
か、全く何も送達されなかった(すなわち、ポンプは
「空」であった)。0乃至5の評価点(この評価点は以
下に説明する各評価点に従って観察された新しい骨の成
長の量に基づく)を用いて、各断面をその骨の成長度に
ついて無作為に評価した。 0=既存の骨の成長または吸収が全く見られない。 1=0%より大きく約10%までの骨により架橋された
空隙部が見られる。 2=約10%乃至約33%の骨により架橋された空隙部
が見られる。 3=約33%乃至約66%の骨により架橋された空隙部
が見られる。 4=約66%以上の骨により架橋された空隙部が見られ
る。 5=空隙部が完全に架橋している。
【0038】表1はエンドセリンに対するラットのイン
ビボでの骨成長応答についての分析結果を示している。 表1 ラット頭頂骨欠損モデルにおける処理および組織学的評価結果 処理 濃度(μg/ml 投与量(μg/ml 動物体 平均 標準 塩類溶液) 欠損部) の数 評価点 偏差 エンドセリン 1.75 5.0 6 3.0 1.27 塩類溶液対照 0 0 28 2.5 1.23
【0039】結果を総括すると、浸透ポンプ法によるラ
ット頭蓋冠欠損部内への組換え型のヒトのエンドセリン
蛋白質の導入により新骨形成が促進できることが分かっ
た。さらに、(軟骨が通常は形成しないモデルにおい
て)軟骨の島が欠損部の一部に観察され、エンドセリン
が軟骨並びに骨の修復に使用できると考えられる。
【0040】実施例2:外部頸静脈を介する静脈内注入 本発明のエンドセリン組成物はまた、静脈を介する投与
により組成物の全身的な投与を行うことができる。この
ような全身的投与は、骨粗鬆症等の整形外科的状態ある
いは骨または軟骨に関する他の病原的な状態に対して治
療効果を示すことができる。実施例1において説明した
ように、ALZET ポンプはカテーテルを介して静脈または
動脈の循環系内に直接的に流体組成物を送達することが
できる。また、このALZET ポンプは流量を減少すること
なく動脈圧に対して有効にポンプ処理できることが知ら
れている。以下に述べる処理手順は外部頸動脈内におけ
るカテーテルの配置を詳細に説明するものである。多く
の場合において、この部位はその大きさおよび接近の容
易さのために好ましいが、別の部位でも有効に使用でき
る。
【0041】浸透ポンプの流量調節器をカテーテル(内
径≦0.030インチ)の一端部に接続する。このカテ
ーテルは皮下のポンプ移植部位(肩甲骨中央領域)とカ
テーテルを外部頸静脈内に入れる部位との間の距離より
も25%長いことが必要である。次に、流量調節器およ
びカテーテルを、当該カテーテルの自由端部にエンドセ
リン組成物を充填した注射器を取り付けることにより充
填する。その後、浸透ポンプにエンドセリン組成物を満
たして、流量調節器上に固定する。この状態で、カテー
テルを充填するために使用した注射器は取り外すことが
でき、流量調節器をその白いフランジ部がポンプの表面
と同一面になるまで挿入する。この時、ポンプおよびカ
テーテルは完全に充填されていて気泡が全く無い状態で
あることが必要である。その後、この充填したポンプお
よびカテーテルを少なくとも4時間乃至6時間37℃で
滅菌処理した塩類溶液(0.9%)中に保管する。この
処理工程により、確実に浸透ポンプが移植前に継続的に
ポンプ処理する状態になり、かつ、凝固の発生や試験用
薬剤の送達中のカテーテルの閉塞の発生を最少にでき
る。
【0042】その後、上記の完全な組立体を以下のよう
にして動物体内に移植した。動物体の首の腹側の部分を
剃毛して洗浄してから、この首をその正中線の一方の側
まで切開して、その組織を頭部から尾部の軸に沿って広
げた。鋭利でない切開により、外部頸静脈をこの皮膚の
真下に配置して、持ち上げて1.5cmの距離だけ洗浄
した。次に、絹の結紮(3.0)をこの洗浄した静脈の
頭部側の端部の周りに巻いて結び、静脈の全ての太い分
岐部を切断しないように結び締めた。さらに、2個の一
重結び目をこの静脈の心臓側の端部に形成した。鋭利な
湾曲したアイリス鋏の腹部を用いて、この静脈の中央部
分を把持して持ち上げて切断して、この静脈の壁部から
楕円形の切片を取り除いた。(この技法は鋏の先端部に
より切り目を形成するのが好ましい。)その後、カテー
テルの自由端部をこの静脈壁の穴の中に挿入して、心臓
の高さ(成育したラットにおいて約2cm)まで緩やか
に進入させる。近位端側(心臓側端部)の結紮をカテー
テルの周囲に当該カテーテルを縮まらせないように注意
を払いながら形よく結びつけた。さらに、遠位端側(頭
部側端部)の結紮をカテーテルの周囲に結びつけた。そ
の後、これら3本の結紮の端部をそれらの結び目の近く
において切断した。
【0043】その後、止血材料を用いて首部の上に穴を
設けて肩甲骨の中央部分における動物体の背中にポケッ
トを形成した。さらに、ポンプをこのポケットの中に配
置して、カテーテルが頭部および首部の移動を可能にす
るのに十分な緩さで当該首部の上から外部頸静脈に到達
できるようにした。その後、この首部における切開部を
2乃至3個の傷クリップまたは縫合線により閉じた。
【0044】以上、本発明を好ましい実施形態に基づい
て詳細に説明したが、種々の変更および変形が特許請求
の範囲に記載され定められる本発明の範囲および趣旨に
逸脱しない限りにおいて可能である。
【0045】参考文献リスト Ijiri, S.「不妊手術の骨形態形成性蛋白質への影響(I
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otein)」、Fourth World Biomaterials Congress、4
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y、第1巻、(1993年) 米国特許第3,710,795号 米国特許第5,668,288号
【0046】なお、本発明の実施態様は以下の通りであ
る。 (1)前記結合組織が骨である請求項1に記載の組成
物。 (2)前記送達担体が生体許容性ポリマーにより形成さ
れたポリマーマトリックスから成る請求項1に記載の組
成物。 (3)前記ポリマーマトリックスがポリエステル、イオ
ノマー、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルアセテート、ポ
リアクリレート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、コ
ラーゲン、フィブリン、スターチ、アルギネート、およ
びヒアルロン酸から成る群から選択される請求項1に記
載の組成物。 (4)さらに、リン酸トリカルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、および石膏により実質的に構成される群から選
択されるミネラル塩から成る請求項1に記載の組成物。 (5)前記ポリマーマトリックスが生体分解性ポリマー
から成る請求項1に記載の組成物。
【0047】(6)前記生体分解性ポリマーがコラーゲ
ンおよびポリエステル・イオノマーから成る群から選択
される実施態様(5)に記載の組成物。 (7)さらに、付加的な成長因子、成長因子結合性蛋白
質、または真核細胞から成る請求項1に記載の組成物。 (8)前記エンドセリンが生体許容性のマトリックスと
組み合わされて移植可能な組成物を形成する請求項2に
記載の単離したエンドセリンの使用方法。 (9)前記結合組織が骨である請求項2に記載の単離し
たエンドセリンの使用方法。 (10)脊椎動物種の所定のインビボ部位での局在化し
た結合組織の成長を誘発するための方法において、前記
部位を、結合組織の成長を誘発するために有効な量のほ
ぼ純粋なエンドセリンと、薬剤的に許容可能な担体とか
ら成る組成物に接触させる工程から成る方法。
【0048】(11)前記組成物が液体の形態であり、
前記部位が当該組成物の注射によりこの組成物に接触す
る実施態様(10)に記載の方法。 (12)前記組成物がさらに生体許容性のポリマーマト
リックスから成る実施態様(10)に記載の方法。 (13)前記ポリマーマトリックスがポリエステル、イ
オノマー、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルアセテート、
ポリアクリレート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、
コラーゲン、フィブリン、スターチ、アルギネート、お
よびヒアルロン酸から成る群から選択される実施態様
(12)に記載の方法。 (14)前記薬剤的に許容可能な担体がミネラル塩、ま
たは金属またはガラス化合物から成る実施態様(10)
に記載の方法。 (15)前記ミネラル塩がリン酸トリカルシウム、ヒド
ロキシアパタイト、および石膏により実質的に構成され
る群から選択される実施態様(14)に記載の方法。
【0049】(16)前記ポリマーマトリックスが生体
分解性ポリマーから成る実施態様(12)に記載の方
法。 (17)前記生体分解性ポリマーがコラーゲンおよびポ
リエステル・イオノマーから成る群から選択される実施
態様(16)に記載の方法。 (18)前記組成物が前記部位において外科的に移植さ
れる実施態様(12)に記載の方法。 (19)前記組成物が経時放出型送達担体内において送
達される実施態様(10)に記載の方法。 (20)温血脊椎動物における結合組織内の病原性の状
態を治療するための方法において、前記温血脊椎動物に
対して組成物を全身的に投与する工程から成り、当該組
成物が内因性の組織の成長を誘発するために有効な量の
ほぼ純粋なエンドセリンと薬剤的に許容可能な担体とか
ら成る方法。
【0050】(21)前記組成物が非経口の注射により
投与される実施態様(20)に記載の方法。 (22)前記結合組織が骨である実施態様(20)に記
載の方法。 (23)前記病原性の状態が骨粗鬆症である実施態様
(20)に記載の方法。
【0051】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
インビボでの結合組織の修復または成長を促進する組成
物が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 599134034 700 Orthopaedic Driv e, Warsaw, IN 46581, U.S.A. (72)発明者 ナンシー・ノーセク−ゴーブル アメリカ合衆国、46038 インディアナ州、 フィッシャーズ、カンバーランド・リッ ジ・コート 10416 Fターム(参考) 4C084 AA02 MA66 MA67 ZA961 ZA962

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送達担体と、 有効量のほぼ純粋なエンドセリンから成る生物活性混合
    物とから成る、 結合組織の成長を促進するための組成物。
  2. 【請求項2】 結合組織の内因性の成長を必要とするイ
    ンビボ部位での当該成長を誘発するために有用な組成物
    の調製における単離したエンドセリンの使用方法。
JP2000280590A 1999-09-17 2000-09-14 エンドセリンを含む結合組織修復促進組成物および該組成物の調製におけるエンドセリンの使用 Abandoned JP2001131086A (ja)

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