JP2001129639A - 複製型の作製方法、これを用いた複製物の作製方法、及びこの方法で作製された物品 - Google Patents

複製型の作製方法、これを用いた複製物の作製方法、及びこの方法で作製された物品

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JP2001129639A JP31445199A JP31445199A JP2001129639A JP 2001129639 A JP2001129639 A JP 2001129639A JP 31445199 A JP31445199 A JP 31445199A JP 31445199 A JP31445199 A JP 31445199A JP 2001129639 A JP2001129639 A JP 2001129639A
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智 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被複製物の表面の微細で一見不規則な凹凸を
巨視的な湾曲状態が異なる表面上に再現し得るようにし
た複製型の作製方法、これを用いた複製物の作製方法を
提供すること 【解決手段】 第一の基礎曲面に沿って微細凹凸31を
備えた表面21を有する被複製物10の表面21にシリ
コン印象材40を密接させて該印象材40の被密接面4
1に被複製物10の微細凹凸と相補的形状の微細凹凸3
2を形成し、印象材40を被複製物10の表面21から
剥離し、印象材の被密接面41にワックス50を薄膜状
に塗布してワックス50の被塗布面51に印象材40の
微細凹凸32と相補的形状の微細凹凸33を形成し、ワ
ックス薄膜50を印象材40の被密接面41から剥離
し、第一の基礎曲面とは異なる形状の第二の基礎曲面に
沿うようにワックス薄膜50を撓めて複製型を形成す
る。更に、この複製型を用いてロストワックス法により
複製物を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状の複製に係わ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】被複製
物の表面と相補的形状の表面を有する鋳型を形成し、該
型を用いて被複製物と同一形状の物品を鋳造すること
は、古くから行われている。
【0003】また、ワックス状複製材を用いて被複製物
と実際上同一の形状の複製型(原型)を形成しこのワッ
クス状複製材の複製型のまわりに石膏等を流して固めた
後、加熱してワックス状複製材を流失させることにより
石膏等の型を作ることは、ロストワックス法として知ら
れている。
【0004】しかしながら、ワックス状複製材を用いた
従来の複製技術は、被複製物と同一の三次元形状の全体
を再現することを目的としたものに限られる。
【0005】一方、物品の表面の装飾などにおいて、自
然物の形状を模したレリーフ等を彫刻などで物品やワッ
クス製原型の表面に形成したり、自然物自体を物品表面
に貼着けたり巻きつけたりすることも知られている。
【0006】しかしながら、レリーフは自然物等を模し
たもので自然物等の表面の風合などに欠ける。一方、自
然物自体を用いたものでは、単品製作に等しいものにな
ったり、耐久性が低く寿命の短いものになりやすい。
【0007】本発明者は、ワックス状複製材を可撓性薄
膜の形態で用いる場合には、三次元形状が異なって湾曲
状態が異なる物品表面に自然物などの微細で一見不規則
な複雑な表面凹凸を正確に再現し得ることに思い至り、
本発明をなした。
【0008】本発明は、前記諸点に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところは、自然物など被複製物
の表面の微細で一見不規則な凹凸を巨視的な湾曲状態が
異なる表面上に確実に再現し得るようにした複製型の作
製方法、複製型を用いた複製物の作製方法、この方法で
作製され装飾表面を有する物品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の複製型の作製方
法は、前記した目的を達成すべく、第一の基礎曲面に沿
って微細凹凸を備えてなる表面を有する被複製物の当該
表面に第一の表面複製材を密接させて該第一の表面複製
材の被密接面に被複製物の微細凹凸と相補的形状の微細
凹凸を形成し、第一の表面複製材の被密接面が前記相補
的形状の微細凹凸を保った状態で第一の表面複製材を被
複製物の表面から剥離し、前記相補的形状の微細凹凸を
備えた第一の表面複製材の前記被密接面にワックス状の
第二の表面複製材を薄膜状に塗布して該第二の表面複製
材の被塗布面に第一の表面複製材の微細凹凸と相補的形
状の微細凹凸を形成し、第二の表面複製材の被塗布面が
第一の表面複製材の微細凹凸と相補的形状の微細凹凸を
保った状態で第二の表面複製材の薄膜を第一の表面複製
材の前記被密接面から剥離し、前記第一の基礎曲面とは
異なる形状の第二の基礎曲面に沿うように第二の表面複
製材の薄膜を撓めて複製型を形成することからなる。
【0010】本発明による複製型の作製方法では、第一
の表面複製材によって被複製物の表面の微細凹凸と相補
的形状の微細凹凸を被密接表面に写し取り、第二の表面
複製材によって第一の表面複製材の被密接表面の微細凹
凸と相補的形状の微細凹凸を被塗布面に写し取っている
から、被複製物の表面の微細凹凸と実質上同一の形状の
微細凹凸が第二の表面複製材の被塗布面に再現される。
ここで、微細凹凸に関して「相補的形状」とは、微細凹
凸がちょうど正反対になりポジ・ネガの関係にあるよう
な形状になっていることをいう。特に、本発明による複
製型の作製方法では、第二の表面複製材の薄膜を被複製
物の表面の第一の基礎曲面とは異なる形状の第二の基礎
曲面に沿うように撓めて複製型を形成するから、被複製
物とは基礎曲面の形状すなわち表面の巨視的な湾曲形状
が異なる複製型を作製し得る。
【0011】この明細書において、「基礎曲面」とは、
現実の表面から微細な凹凸を平均化してならした状態又
は微細凹凸を無視した状態の滑らかな仮想的な曲面をい
い、基礎曲面に微細凹凸を加えた(重合せた)形状が現
実の表面に対応する形状になる。従って、被複製物の表
面は第一の基礎曲面に沿って微細凹凸を備えることにな
る。なお、ここで「曲面」は、広義に用いており、特別
な場合には、実際上平面であってもよい。また、「微細
凹凸」に関して、「微細」とは、基礎曲面の拡がり方向
に沿った距離が比較的短いことをいい、「凹凸」とは、
基礎曲面の各部において該曲面に垂直な方向の凹凸をい
う。したがって、本発明においては、第二の表面複製材
の薄膜を撓めた際、基礎曲面の形状は、被複製物の第一
の基礎曲面からこれとは異なる第二の基礎局面に変わる
ことになる反面、微細凹凸の形状は、第二の表面複製材
を撓めることによってはほとんど変化せず、実際上同一
に保たれることになる。換言すれば、微細凹凸に関して
「短い距離」というのは、表面複製材を複製型が有すべ
き基礎曲面(第二の基礎曲面)に沿って撓めた場合で
も、実際上変形されていると感じられない程度に近接し
た距離をいう。但し、変形性さていると感じられるか否
かは、被複製材の微小凹凸の特性や複製物の特性や用途
などによって変動し得る種類のものである。すなわち、
短さの程度は、一面では、複製されるべき領域の大きさ
に対して相対的であり得、例えば一方向の長さで見て、
全体の領域の当該方向の長さの1/10以下、典型的に
は、1/100程度又はそれ以下の範囲をいう。但し、
複製物の用途によっては異なり得る。また、例えば、人
が明視の距離程度の距離で肉眼で見るものの場合には、
短い距離ないし長さとは、典型的には、数mm程度又は
それ以下の距離ないし長さをいう。人の肉眼以外の手段
で評価されるべき物品の表面の場合には、その長さを短
いとみなすレベルは異なり得る。短距離秩序を評価する
距離も同程度の距離である。
【0012】被複製物に関して、「表面」とは、典型的
には、該被複製物の外側に位置する面を指すけれども、
空洞や穴や室を形成する壁面のように、ものの内側に形
成された表面であってもよい。
【0013】被複製物は、樹木等の植物の幹や葉などや
石や貝などのような自然物や天然物であっても、人工の
造形物であってもよく、どのような複雑なものでもよ
い。なお、被複製物の表面は、被複製物の表面の全体で
あってもよいけれども、典型的には、その表面の一部で
ある。
【0014】この明細書において、複製材が複製対象表
面の微細凹凸に「倣う」とは、微細凹凸の形状に相補的
な形状に微細凹凸を写すべく該微細凹凸に沿った表面形
状になることをいう。
【0015】また、第一の表面複製材に関して、該複製
材を被複製物の表面に「密接する」とは、微細凹凸形状
を被複製面に写し取るべく複製材のうち被複製物の表面
に面する部分を該表面の所定範囲内の全域に亘って実際
上隙間なく倣わせることをいう。
【0016】第一の表面複製材は、典型的には、シリコ
ン印象材として知られているようなシリコーン系の樹脂
からなる。但し、粘土状やロウ状などの他の表面複製材
でもワックスやパラフィンワックスとして知られるワッ
クス状の表面複製材などでも、パラフィンなど他のもの
でもよい。
【0017】被複製物の表面が樹木の表面などのように
液体状のものでは内部に浸込む虞があるような場合に
は、複製材としては、粘土状又はゼリー状など比較的固
形性の高いものを用いればよい。ここで、「粘土状」と
は、大きな外力がかかった場合には塑性変形をして被複
製物の微小凹凸に倣い得るようなものであって、且つ相
補的形状の微細凹凸が実質上変形されてしまうことなく
剥離され得るように、小さな外力ではゴム状の弾性を有
するものをいう。一方、被複製物の表面が緻密な組織を
有し且つきわめて微細な凹凸を備えた種類の石の表面な
どのように液体が内部に浸込む虞がないような場合に
は、粘土状のものでも、その代わりに、当初は液体又は
液状に近い流動性で表面の微細な凹凸に倣い易く且つ表
面に密接するように塗布された後その形状を維持し得る
程度に弾力性のあるゲル状ないしゼリー状又はゴム状な
いしガム状に硬化するようなものを用いてもよい。ここ
で、「ゴム状」ないし「ガム状」とは、「ゼリー状」な
いし「ゲル状」と実際上同様な状態を指し、敢えて区別
すれば、前者は後者よりも同程度の変形に要する応力が
より大きく、弾性限界がより大きい状態を指す。
【0018】第二の表面複製材は、典型的には、該第二
の表面複製材により形成される複製型がロストワックス
法で流失可能なように、加熱により溶融又は軟化して流
動性が高まる種類のワックス状の表面複製材からなり、
典型的には、ワックス又はパラフィンワックスなどの名
称で知られているものをいう。但し、第二の表面複製材
は、剥離後に第一の基礎曲面とは異なる第二の基礎曲面
に沿うように撓め得る限り、他の材料からなっていても
よい。なお、材料自体の可撓性の程度(割れたり折れた
りすることなく撓み得る曲がり角度及びその温度依存
性)や凝固点や軟化点などに応じて薄膜の厚さを調整し
て薄膜の可撓性を調整すればよい。
【0019】第一の表面複製材で複製する領域は、第二
の表面複製材を用いて形成される複製型の表面領域を含
む限り、任意に選択され得る。換言すれば、第二の表面
複製材の薄膜の可撓性は、該薄膜を複製型を作製するに
必要な領域だけ切り出したとき、該薄膜に第二の基礎曲
面に沿うように撓み得る可撓性があればよい。もちろ
ん、第二の表面複製材薄膜を作製する際、複製型の作成
に必要な最小限の領域だけを複製するようにしてもよ
い。
【0020】なお、第二の表面複製材を第二の基礎曲面
に沿わせるように第二の表面複製材を薄膜で形成する変
わりに、第一の表面複製材を第二の基礎曲面に沿わせる
ように該第一の表面複製材を薄膜で形成しておいてもよ
い。この場合、第二の表面複製材は、可撓性薄膜にしな
くてもよい。
【0021】いずれの場合にも、本発明の複製型の作製
方法は、被複製物表面の凹凸に関する短距離秩序を保っ
たまま、被複製物表面とは凹凸に関する長距離秩序が異
なる表面を形成することからなる。ここで、短距離秩序
を保つとは、前述のような短い距離の範囲で、凹凸状
態、すなわち凹凸変動の状態を実際上同じ状態に維持す
る(一見不規則な凹凸は同様に不規則な凹凸状態に保つ
こと及び規則性のある部分は同様に規則性のある状態に
保つこと)ことをいい、換言すれば、被複製物の微細凹
凸と複製型の微細凹凸とが平均的な表面(前述の基礎曲
面)に沿って採った短い距離の範囲で、実際上重なるこ
と乃至ズレが少ない(位置の相関が1に近い)ことをい
う。
【0022】なお、被複製物の表面の微細凹凸の凹部と
凸部とが反転ないし逆転した状態の微細凹凸を備えたも
のを、上述の複製型と同様なもの、擬似複製型として作
製してもよい。その場合、本発明による擬似複製型の作
製方法は、第一の基礎曲面に沿って微細凹凸を備えた表
面を有する被複製物の当該表面に、ワックス状の表面複
製材を薄膜状に塗布して該表面複製材の被塗布面に被複
製物の微細凹凸と相補的形状の微細凹凸を形成し、該表
面複製材の被塗布面が前記相補的形状の微細凹凸を保っ
た状態で表面複製材の薄膜を被複製物の表面から剥離
し、前記第一の基礎曲面とは異なる形状の第二の基礎曲
面に沿うように表面複製材の薄膜を撓めて擬似複製型を
形成することからなる。ここで、「擬似」とは、凹凸が
反転していることをいい、視覚に訴える形状のうち一部
のものなどのように、場合によっては、実際上同一の印
象を与え得るものになる。
【0023】以上のようにして形成された複製型を用い
て、典型的には、ロストワックス法により複製物を作成
しうる。このようにして得られる複製物では、表面の広
い範囲にわたる凹凸ないし湾曲、すなわち第二の基礎曲
面の形状ないし長距離秩序は、被複製物の同様な広い範
囲の凹凸ないし湾曲、すなわち第一の基礎曲面の形状な
いし長距離秩序とは異なる(第一及び第二の基礎曲面に
ついて複製される表面の大きさ程度の範囲で見た表面の
位置に関する相関が1よりもはるかに小さくなる)けれ
ども、微細凹凸の形状、すなわち短距離秩序は、擬似複
製型を用いる場合を除いて、被複製物の微細凹凸の形状
と実質上同一になる(擬似複製型を用いた場合凹凸が反
転する)。
【0024】従って、本発明による物品の表面複製方法
は、基本的には、被複製物表面の凹凸に関する短距離秩
序を保ったまま、被複製物表面とは凹凸に関する長距離
秩序が異なる複製表面を形成することからなる。本発明
の場合には、表面の湾曲状態の異なるところに、実質上
同一の微細凹凸を再現し得るから、適用物品の表面の巨
視的な湾曲状態ないし形状によらず、所望の被複製物の
表面の微細凹凸をそのまま正確に再現し得る。
【0025】物品は、典型的には、鋳造で形成される装
飾物ないし装飾部分であり、たとえば、指輪やネックレ
スのヘッドや物品の柄などである。但し、鋳造で形成さ
れ得るものであれば他のどのようなものでもよい。物品
の全体を一回の複製(一つの複製物)で形成するように
しても、その代わりに、複数の部分に分けて複製して、
後で一つに組合せてもよい。場合によっては、複数の型
の一部は、雄雌が逆の型でもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明による好ましい一実
施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づい
て説明する。
【0027】
【実施例】図1から5に示した本発明による好ましい一
実施例の物品の表面複製方法の概略を、まず、図1及び
2に基づいて説明する。
【0028】図1の(a)は、表面の凹凸からなる模様
などが複製されるべき被複製物としての石10である。
被複製物は、石の代わりに、他の自然物ないし天然物で
も、人工造形物でもよく、表面の凹凸は複雑でも比較的
単純でもよく、規則性が高くても低くてもよい。石10
は表面20に微細凹凸30を有する。図1の(b)に示
したように、石10の表面20のうち表面形状を再現し
ようとする微細凹凸31を備えた表面領域21に、シリ
コン印象材のようなシリコーン樹脂系の表面複製材40
を、例えば5mm程度の所望の厚さで付着させ、石10
の表面領域21に面する側が該領域21の微細凹凸31
の表面に密接した被密接面41になるように外側面42
から表面複製材40を押し付ける。図示の例では、表面
複製材40は比較的流動性の低い粘土状であるけれど
も、表面複製材40として当初は液体状で塗布後硬化な
いし固化するようなものを用いる場合には、表面複製材
40と石10の表面領域21との間に空気などが残らな
いように液状の表面複製材40を該表面領域に拡げれば
よい。
【0029】次に、表面複製材40を石10の表面領域
21から剥がす。剥離された表面複製材40は、被密接
面41が上に位置するように図1の(c)及び(d)に
おいて裏返した状態で示したように、被密接面41に石
10の表面領域21の微細凹凸31と相補的形状の微細
凹凸32を備える。
【0030】次に、図1の(e)及び(f)に示したよ
うに、表面複製材40の被密接面41のうち表面形状を
再現しようとする微細凹凸32を備えた表面領域43
に、ワックス状の表面複製材50を塗布し例えば1〜2
mm程度の薄層になるように拡げる。この表面複製材5
0は、図示の例では、当初は溶融又は軟化して比較的流
動性の高い状態で塗布後短時間で弾力性のあるゼリー状
又はゴム状に硬化ないし固化する。なお、その種の表面
複製材50としては、流動性を、加熱により溶融又は軟
化させることにより付与するタイプのものでも、硬化反
応前は流動性のあるタイプのものでもよい。この場合に
も、薄層状表面複製材50の被塗布面51と表面複製材
40の被密接面41との間に泡などが残らないように、
流動性の表面複製材50を硬化ないし固化済の表面複製
材(シリコン印象材)40の被密接面41上に拡げる。
表面複製材膜(ワックス薄膜)50がゼリー状又はゴム
状に硬化ないし固化すると、被塗布面51に微細凹凸3
2と相補的形状(微細凹凸31と実際上同一形状)の微
細凹凸33が形成される。なお、密接を確実にするため
に必要ならば、表面複製材薄膜50を外側面52から押
付けて圧接すればよい。このとき形成すべき表面複製材
薄膜50の厚さは、表面複製材薄膜50が備えるべき可
撓性の程度を考慮して、必要に応じて十分に薄くする。
表面複製材50としてワックスないしパラフィンワック
スを用いる場合、その凝固点や破折することなく曲げ可
能な角度や加圧による短縮率などを考慮して、材料を選
択すればよい。表面複製材50としては、粘土のような
可塑性のものでもよい。
【0031】次に、ワックス状の表面複製材薄膜50を
表面複製材(シリコン印象材型)40から剥離し、剥が
れた表面複製材薄膜50から指輪90(図2の(i))
に用いるべき細長い長方形の領域53を、図2の(a)
に示すように、カッタないしナイフなどで切り出す。こ
の切り出すべき領域53の形状は、最終的に複製すべき
物品90の形状又は該物品90のうち複製すべき部分の
形状に依存する。このようにして切り出された表面複製
材50の薄片53は、図2の(b)及び(c)に示した
ように、被塗布面51に対応する面54に微細凹凸33
を有する。反対側の面ないし外側面52に対応する面5
5は、例えば滑らかである。このように切り出された表
面複製材50の薄片53は、例えば、図2の(c)に示
したような平面状などに容易に撓み得る。
【0032】次に、表面複製材薄片(ワックス薄片)5
3を丸く撓めて指輪90と同様なリング状の複製型(原
型)ないしワックスパターン60を形成する。このと
き、微細凹凸33を有する被塗布面部54に対応する面
61が外側に位置し、反対側の面部55に対応する面6
2が内側になって円筒状ないし環状面を形成する。面6
1は面62と同様にほぼ円筒状ないし環状である。すな
わち、複製型60においては、面61の平均的な輪郭な
いし基礎曲面61aは円筒状ないし環状であって、図1
の(a)の石10の表面領域21のうち対応する表面領
域23(図1の(a)及び(b)において想像線で示し
た領域)の平均的な輪郭ないし基礎曲面の形状、すなわ
ち後で詳説するように若干外に凸に湾曲した形状とは、
大きく異なる。
【0033】一方、面51のうち切り出された一部をな
す面61に形成されている微細凹凸34は、微細凹凸3
3の一部の領域であり、微細凹凸32に対して相補的形
状で、石10の表面領域21の対応する部分23の微細
凹凸31と実際上同一形状である。従って、複製型60
の表面61の微細凹凸31は、石10の表面領域21の
微細凹凸31と実際上同一の風合ないし見た目の感じを
与え得る。
【0034】指輪複製型(原型)60のためには、複製
材薄片53の厚さが不足するような場合には、例えば、
図2の(d)のような指輪の形状に複製材薄片53を撓
めた後その内表面62に同一材料又は同種材料でより軟
化点の低いワックス状物を付加えないし盛り足すように
すればよい。勿論、例えば、複製材薄片53が切り出し
後図2の(b)に示したような状態にあるときに、より
軟化点の低いワックス状物を加熱・軟化させた状態裏側
の面62に付加し、固化前に全体を撓めて指輪複製型6
0を形成してもよい。逆に、厚すぎるときは、一部を削
り取ればよい。なお、次のロストワックス工程を考慮し
て、所望ならば、リングの上下などの位置によって厚さ
が異なるようにしておいてもよい。また、図2の(d)
の段階まで形成した型60の繋ぎ目を目立ちにくくする
ことを目的として、繋ぎ目のところに別個に作成した同
様な型60の所望表面部分を押し付けて、繋ぎ目のとこ
ろの表面にも同様な微細凹凸を形成してもよい。同様
に、型60の環状側壁にも微細凹凸を付けるべく、同様
な別の型60の所望表面部分を押し付けるようにしても
よい。繋ぎ目や環状側壁へ微細凹凸の付与のためには、
別の型を軟化又は溶融温度のより高いワックスで形成し
ておいて加温状態で押付けるようにしても、別の型を硬
化時の硬度のより高いワックスで形成しておいて、塑性
変形を付与し得る程度の強めの力で押付けてもよい。
【0035】次に、ロストワックス法に従って、図2の
(e)から(i)に示す手順で、指輪90を形成する。
すなわち、まず、図2の(e)に示したように、ワック
ス流出路ないし湯道及び溶湯ないし鋳造材料導入路とし
て働く細い棒状部64を同様なワックスで形成し複製型
60に融着させて複合型65を形成する。所望ならば、
棒状部64の下部に下方に拡がった円錐状部を形成し
て、該錐状部の底部をゴム台などの上に固定するように
してもよい。次に、図2の(f)に示したように、石膏
型形成枠内の所定位置に複合型65を配設して、複合型
65の複製型部60が石膏70内に埋没するまで型枠内
に流動性の石膏70を流し、その後、乾燥させるなどに
より石膏70を固める。石膏70の周囲の型枠は例えば
鉄パイプなど所望のものを用いればよい。さらに、図2
の(g)に示したように、石膏70の全体を電気炉内な
どで加熱して、ワックス製の複合型65を溶かしてワッ
クスを流出路64から流出させて、石膏型71を完成さ
せる。石膏型71内には、複製型60及び棒状部(溶湯
導入路)64を含む複合型65と同一形状の空洞72が
形成される。次に、図2の(h)に示したように、石膏
型71の溶湯導入路64から鋳造されるべき貴金属など
の溶湯を空洞72内に流し込んで、貴金属製等の複製物
91を鋳造する。所望ならば、通路64を複数箇所に設
けて吸引しつつ溶湯を導入し得るようにしても、他の手
段で溶湯を空洞72の全域に隙間や泡を残すことなく充
填し得るようにしてもよい。更に、石膏型71を崩しな
いし壊して複製物91を取り出し、さらに、導入路64
のところにできた突起92等を取り除いて、貴金属製の
最終複製物たる複製指輪90を作製する。この複製指輪
90には、その後、所望の研磨処理などが行われる。
【0036】このようにして得られた指輪90は、外表
面93に石10の表面20の微細凹凸31と実際上同一
形状の微細凹凸36を備えることになる。
【0037】次に、以上のような複製物90の作製方法
を、表面の基礎曲面の形状の変化と、微細凹凸の形状維
持とを中心に、図3から図5に基づいて、より詳しく説
明する。
【0038】図3の(a)は、被複製物10の表面20
のうち表面部分ないし領域21のごく一部を拡大断面で
示す。但し、図3〜5では、見易さのために、基礎曲面
を過度に湾曲した状態で示すと共に微細凹凸を誇張して
大きく示してある。ここで、実線21が被複製物10の
表面領域の断面であり、想像線21aで示した曲線が当
該表面領域21の基礎曲面の断面である。従って、想像
線で示した基礎曲面21aに対する実線21の凹凸変動
(ズレ)が微細凹凸31に対応する。図3の(a)の被
複製物10では、微細凹凸31は、符号31a,31
b,31c,31dで示した領域に比較的大きい凸部を
有し、符号31e,31f,31gで示した領域などに
比較的大きい凹部を有し、これらの凸部や凹部にさらに
微細な凹凸構造を有すると共にこれらの凸部や凹部の間
にもさらに微細な凹凸構造を有する。
【0039】図3の(b)は、被複製物10の表面領域
21に粘土質のシリコーン樹脂系の表面複製材40を被
せた状態である。この状態では、表面複製材40の被密
接面41は、基礎曲面21aにほぼ沿ってはいるけれど
も、微細凹凸31には密接されておらず、被密接面41
と表面21との間には随所に隙間44が残っている。
【0040】図3の(c)は、被複製物10の表面領域
21に表面複製材40を押し付けて被密接面41を密接
させた状態である。この密接状態においては、表面領域
21の微細凹凸31と相補的形状の微細突起32が表面
複製材40の被密接面41に形成されている。すなわ
ち、表面複製材40には、被複製物10の表面領域21
の微細凹凸31の凸部31a,31b,31c,31d
に対応し該凸部と相補的形状の凹部32a,32b,3
2c,32d、凹部31e,31f,31gに対応し該
凹部と相補的形状の凸部32e,32f,32g、微細
凹凸31の凸部や凹部内の更に微細な凹凸構造に対応し
該凹凸構造と相補的形状の凹凸構造、及び微細凹凸31
の凸部や凹部の間の更に微細な凹凸構造に対応し該凹凸
構造と相補的形状の凹凸構造を有する微細凹凸32が形
成されている。この状態においては、密接面41の基礎
曲面は、想像線41aで示したように、勿論、表面領域
21の基礎曲面21a(図3の(a))と実際上一致し
ている。
【0041】図3の(d)には、表面複製材40を剥離
させている途中で、表面複製材40の一部が剥がれてい
る状態が示されている。この状態では、表面複製材40
の被密接面41の基礎曲面は、想像線41aで示したよ
うな形状になり、剥離されている部分においては、表面
領域21の基礎曲面21aとは異なる形状を有する。し
かしながら、微細凹凸32の凸部32gや凹部32c,
32dは、微細凹凸31の凹部31gや凸部31c,3
1dと実際上相補的形状を保っている。
【0042】図4の(a)は、被複製物10の表面20
から剥がした後で且つ表面複製用ワックス50を塗布す
る前における表面複製材(シリコン印象材)40の状
態、すなわち図1の(c)ないし(d)に対応する状態
の拡大断面図で、密接面41の基礎曲面41aは、被複
製物10の表面領域21の基礎曲面21aに一致し(但
し180度回転した状態)、被密接面41の微細凹凸3
2は、被複製物の表面領域21の微細凹凸31に対して
相補的形状を有する。
【0043】図4の(b)は、表面複製材(シリコン印
象材)40の被密接面41に表面複製用ワックスを塗布
して該ワックスの固化薄膜50を形成した状態の拡大断
面図で、ワックス薄膜50の被塗布面51は表面複製材
40の被密接面41に対して、全域で、実際上密接して
いる。従って、ワックス薄膜50の被塗布面51の基礎
曲面51aは、表面複製材40の被密接面41の基礎曲
面41aと同一形状で該基礎曲面41aに一致し、ワッ
クス薄膜50の被塗布面51の微細凹凸33は、表面複
製材40の被密接面41の微細凹凸32に対して相補的
形状である。
【0044】図4の(c)は、ワックス薄膜50を表面
複製材(シリコン印象材)40から剥離させている状態
を示した拡大断面図で、剥離に伴うワックス薄膜50の
撓み変形により、ワックス薄膜50の被塗布面51の基
礎曲面51aは、表面複製材40の被密接面41の基礎
曲面41aとは形状が異なっている。但し、ワックス薄
膜50の被塗布面51の微細凹凸33は、表面複製材4
0の被密接面41の微細凹凸32に対して相補的形状に
保たれる。
【0045】図4の(d)は、図2の(c)のように、
ワックス薄膜50から切取った薄片53を平面状にした
場合における拡大断面図(但し180度回転した状態)
であり、被密接面51に対応する面54の基礎曲面51
aは、ほぼ平面状で、基礎曲面41aや基礎曲面21a
とは形状が異なる。一方、微細凹凸33は、微細凹凸3
2に対して相補的形状で、微細凹凸31と実際上同一形
状に保たれる。すなわち、ワックス薄片53の微細凹凸
33は、被複製物10の表面領域21の微細凹凸31の
凸部31a,31b,31c,31dと実際上同一形状
の凸部33a,33b,33c,33d、及び凹部31
e,31f,31gと実際上同一形状の凹部33e,3
3f,33g、並びに微細凹凸31の凸部や凹部内の更
に微細な凹凸構造と実際上同一形状の凹凸構造、及び微
細凹凸31の凸部や凹部の間の更に微細な凹凸構造と実
際上同一形状の凹凸構造を有する。
【0046】図5の(a)には、ワックス薄片53を図
2の(d)のような複製型60を形成するように、リン
グ状に湾曲させた状態の一部の拡大断面が示されてい
る。この複製型60の状態においても、図4の(d)の
平面状の状態の場合と同様に、複製型60の表面61の
基礎曲面61aは、円筒状(この断面では円形)であっ
て基礎曲面41aや基礎曲面21aとは形状が異なる。
一方、複製型60の表面61の微細凹凸34は、微細凹
凸32に対して相補的形状で、微細凹凸33,31と実
際上同一形状に保たれる。すなわち、複製型60の微細
凹凸34は、被複製物10の表面領域21の微細凹凸3
1の凸部31a,31b,31c,31dと実際上同一
形状の凸部34a,34b,34c,34d、及び凹部
31e,31f,31gと実際上同一形状の凹部34
e,34f,34g、並びに微細凹凸31の凸部や凹部
内の更に微細な凹凸構造と実際上同一形状の凹凸構造、
及び微細凹凸31の凸部や凹部の間の更に微細な凹凸構
造と実際上同一形状の凹凸構造を有する。
【0047】ワックス型60を元に形成した図2の
(g)の石膏型71は、従って、図5の(b)に示すよ
うに、空洞72の外周側の壁面73の基礎曲面73bが
ワックス型60の面61の基礎曲面61aと同一形状
で、該表面73の微細凹凸35が微細凹凸34と相補的
形状になる。すなわち、石膏型71の面73の微細凹凸
35は、ワックス型60の面61の微細凹凸34の凸部
34a,34b,34c,34dと実際上同一形状の凸
部35a,35b,35c,35d、及び凹部34e,
34f,34gと実際上同一形状の凹部35e,35
f,35g、並びに微細凹凸34の凸部や凹部内の更に
微細な凹凸構造と実際上同一形状の凹凸構造、及び微細
凹凸34の凸部や凹部の間の更に微細な凹凸構造と実際
上同一形状の凹凸構造を有する。
【0048】従って、図2の(g),(h)及び(i)
で示した石膏型71の空洞72の形状に鋳造した貴金属
指輪90の表面93は、図5の(c)に示したように、
石膏型71の面73の基礎曲面73a及びワックス型6
0の面61の基礎曲面61aと同一形状の基礎曲面93
aを有すると共に、石膏型71の面73の微細凹凸35
と相補的形状の微細凹凸36を有する。従って、指輪9
0の表面93の基礎曲面73aは、被複製物10の表面
部分21の基礎曲面21aとは全く異なるにもかかわら
ず、該表面93の微細凹凸36は、実際上表面領域21
の微細凹凸31と一致し、微細凹凸31の凸部31a,
31b,31c,31dと実際上同一形状の凸部36
a,36b,36c,36d、及び凹部31e,31
f,31gと実際上同一形状の凹部36e,36f,3
6g、並びに微細凹凸31の凸部や凹部内の更に微細な
凹凸構造と実際上同一形状の凹凸構造、及び微細凹凸3
1の凸部や凹部の間の更に微細な凹凸構造と実際上同一
形状の凹凸構造を有する。
【0049】なお、第一の複製型40をワックス状複製
材の薄膜で形成し、該薄膜を、図5の(d)において符
号80で示すような擬似複製型として、複製型60の代
わりに用いてもよい。この場合、擬似複製型80の表面
81は、複製型60の基礎曲面61aと同一形状の基礎
曲面81aを備えると共に、複製型60の微細凹凸34
とは相補的形状の微細凹凸38を備えることになる。こ
の擬似複製型80を元に、ロストワックス法で擬似複製
表面を備えた擬似複製物を作成し得ることは明らかであ
ろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の複製方法を説
明するための図の一部で、(a)は被複製物としての石
の斜視説明図、(b)は石の表面にシリコン印象材から
なる第一の表面複製材を押し付けた状態の斜視説明図、
(c)は複製した微細凹凸を含む被密接面を上にした状
態の第一の表面複製材の斜視説明図、(d)は(c)の
ID−ID線断面説明図、(e)は第一の表面複製材
(シリコン印象材)型の微細凹凸複製面上に第二の表面
複製材としてワックスを塗布して拡げた状態の上面説明
図、(f)は(e)のIF−IF線断面説明図である。
【図2】本発明による好ましい一実施例の複製方法を説
明するための図の残りの一部で、(a)は第二の表面複
製材(ワックス)薄膜の薄片状の切出しの平面説明図、
(b)は切出したワックス薄片の斜視説明図、(c)は
(b)の湾曲していたワックス薄片を平面状に撓めた状
態の斜視説明図、(d)はワックス薄片をリング状に撓
めて形成した複製型(原型)の斜視説明図、(e)は複
製型に湯道形成用棒状部を付加した複合型の斜視説明
図、(f)は複合型を石膏に埋設した状態を示す斜視説
明図、(g)は(f)の石膏埋設物を加熱してワックス
を流出させてなる石膏型の斜視説明図、(h)は石膏型
を用いて指輪を複製するところを示した斜視説明図、
(i)は最終複製物である指輪の斜視説明図。
【図3】図1及び2の実施例における表面の湾曲状態
(基礎曲面の状態)及び凹凸状態(微細凹凸の状態)の
変化を説明するための図の一部で、(a)は被複製物で
ある石の表面状態を示す拡大断面説明図、(b)は石の
上にシリコン印象材(第一の表面複製材)を押し拡げて
いる途中の状態の(a)と同様な拡大断面説明図、
(c)はシリコン印象材を石の表面に密接させた状態の
(a)と同様な拡大断面説明図、(d)はシリコン印象
材を剥がしている途中の(a)と同様な拡大断面説明図
である。
【図4】図1及び2の実施例における表面の湾曲状態
(基礎曲面の状態)及び凹凸状態(微細凹凸の状態)の
変化を説明するための図の別の一部で、(a)は図1の
(c)や(d)のように複製済みのシリコン印象材を裏
返した状態の図3の(a)と同様な拡大断面説明図、
(b)はシリコン印象材の被密接面上にワックス(第二
の表面複製材)を塗布して薄膜状に拡げた状態の(a)
と同様な拡大断面説明図、(c)はワックス薄膜を剥が
した状態の(a)と同様な拡大断面説明図、(d)は湾
曲していたワックス薄片を平面状に撓めた状態の同様な
拡大断面説明図である。
【図5】図1及び2の実施例における表面の湾曲状態
(基礎曲面の状態)及び凹凸状態(微細凹凸の状態)の
変化を説明するための図の残りの一部で、(a)はリン
グ上にしたワックス薄片(ワックス製の複製型ないし原
型)の図3の(a)と同様な拡大断面説明図、(b)は
石膏型の空洞の(a)と同様な拡大断面説明図、(c)
は最終複製物である指輪の(a)と同様な拡大断面説明
図、(d)は変形例の擬似複製型の(a)と同様な拡大
断面説明図である。
【符号の説明】
10 被複製物(石) 20 石の表面 21 石の表面のうち複製される表面部分 21a 石の基礎曲面 23 石の表面のうち微細凹凸形状が最終複製物に用い
られる表面部分 30 石の表面の微細凹凸 31 石の表面の微細凹凸のうち複製される微細凹凸部
分 31a,31b,31c,31d 石の微細凹凸の凸部 31e,31f,31g 石の微細凹凸の凹部 32 第一の表面複製材に複製された微細凹凸 33 第二の表面複製材に複製された微細凹凸 34 複製型に複製された微細凹凸 34a,34b,34c,34d 複製型の微細凹凸の
凸部 34e,34f,34g 複製型の微細凹凸の凹部 35 石膏型に複製された微細凹凸 36 指輪に複製された微細凹凸 36a,36b,36c,36d 複製型の微細凹凸の
凸部 36e,36f,36g 複製型の微細凹凸の凹部 38 擬似複製型に複製された微細凹凸 40 第一の表面複製材(シリコン印象材) 41 表面(被密接面) 41a 第一の表面複製材の被密接面の基礎曲面 42 反対側の表面 50 第二の表面複製材(ワックス) 51 表面(被塗布面) 51a 第二の表面複製材の被塗布面の基礎曲面 52 反対側の表面 53 切出し領域(薄片) 54 薄片の被塗布面 55 薄片の反対側の表面 60 複製型(原型) 61 外側表面 61a 外側表面の基礎曲面 62 内側表面 64 棒状部 65 複合型 70 石膏 71 石膏型 72 空洞 73 石膏型の空洞の外周側壁面 73a 外周側壁面の基礎曲面 80 擬似複製型 81 擬似複製型の表面 81a 擬似複製型の表面の基礎曲面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の基礎曲面に沿って微細凹凸を備え
    てなる表面を有する被複製物の当該表面に第一の表面複
    製材を密接させて該第一の表面複製材の被密接面に被複
    製物の微細凹凸と相補的形状の微細凹凸を形成し、 第一の表面複製材の前記被密接面が前記相補的形状の微
    細凹凸を保った状態で第一の表面複製材を被複製物の表
    面から剥離し、 前記相補的形状の微細凹凸を備えた第一の表面複製材の
    前記被密接面にワックス状の第二の表面複製材を薄膜状
    に塗布して該第二の表面複製材の被塗布面に第一の表面
    複製材の微細凹凸と相補的形状の微細凹凸を形成し、 第二の表面複製材の被塗布面が第一の表面複製材の微細
    凹凸と相補的形状の微細凹凸を保った状態で第二の表面
    複製材の薄膜を第一の表面複製材の前記被密接面から剥
    離し、 前記第一の基礎曲面とは異なる形状の第二の基礎曲面に
    沿うように第二の表面複製材の薄膜を撓めて複製型を形
    成することからなる複製型の作製方法。
  2. 【請求項2】 第一の表面複製材がシリコーン系の樹脂
    からなる請求項1に記載の複製型の作製方法。
  3. 【請求項3】 第一の表面複製材が、密接当初は流動性
    を有し、密接後弾力性のあるゲル状又はゴム状に硬化す
    る請求項1又は2に記載の複製型の作製方法。
  4. 【請求項4】 第一の表面複製材が、大きな外力に対し
    て粘土状の可塑性を有し、且つ小さな外力に対してゴム
    状の弾性を有する請求項1又は2に記載の複製型の作製
    方法。
  5. 【請求項5】 第二の表面複製材が、塗布当初は流動性
    を有し、塗布後弾力性のあるゲル状又はゴム状に硬化す
    る請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の複製
    型の作製方法。
  6. 【請求項6】 被複製物表面の凹凸に関する短距離秩序
    を保ったまま、被複製物表面とは凹凸に関する長距離秩
    序が異なる表面を形成することからなる複製型の作製方
    法。
  7. 【請求項7】 第一の基礎曲面に沿って微細凹凸を備え
    た表面を有する被複製物の当該表面に、ワックス状の表
    面複製材を薄膜状に塗布して該表面複製材の被塗布面に
    被複製物の微細凹凸と相補的形状の微細凹凸を形成し、 該表面複製材の被塗布面が前記相補的形状の微細凹凸を
    保った状態で表面複製材の薄膜を被複製物の表面から剥
    離し、 前記第一の基礎曲面とは異なる形状の第二の基礎曲面に
    沿うように表面複製材の薄膜を撓めて擬似複製型を形成
    することからなる擬似複製型の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれか一つの項
    に記載の複製型を用いてロストワックス法により複製物
    を作製する複製物の作製方法。
  9. 【請求項9】 被複製物表面の凹凸に関する短距離秩序
    を保ったまま、被複製物表面とは凹凸に関する長距離秩
    序が異なる複製表面を形成することからなる物品の表面
    複製方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の方法で作製さ
    れ被複製物の表面の微細凹凸と実際上同一又は相補的形
    状の微細凹凸を備えた装飾表面を有する物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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