JP2001125725A - タッチパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスとフィルムをわずかな間隙で構成する
タッチパネルは、ニュートンリングが発生したり、透過
率が低下するなど視覚上での問題とフィルム側の透明導
電膜の寿命が短い等の問題点指摘されている。 【解決手段】透明導電膜２上に重なり部分をもつ導電体
の駆動電極３と補助電極４を電位勾配が直線状になるよ
うに予め定めた電位変化数で配置し、該透明導電膜２上
の入力エリア５をハードコート層で保護した電極シート
と、電極接着部７に駆動電極３を導電接着剤で接着した
絶縁シート６上を絶縁膜１０で保護した引き出し線シー
トから構成した静電方式用のタッチパネル。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータのディスプレイ装置もしくは液晶表示装置に取り
付け、指先又はペンで簡単に入力するタッチパネルに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のタッチパネルは図１０に示すよう
に、図１０（ａ）の下側透明板１２上の下側透明導電膜
１３にＸ側駆動電極１５を設けた下側電極シートと、図
１０（ｂ）の上側透明板１７上の上側透明導電膜１９に
Ｙ側駆動電極１８を設けた上側電極シートの間に図１０
（ｃ）の絶縁シートを挟む構成からできていた。通常は
下側電極シートをガラス、上側電極シートをフィルムで
構成している。

【０００３】しかし、ガラスとフィルムをわずかな間隙
で構成するタッチパネルは、ニュートンリングが発生し
たり、透過率が低下するなど視覚上での問題とフィルム
側の透明導電膜の寿命が短い等の問題点が指摘されてい
る。そこで、Ｘ座標の駆動とＹ座標の駆動をガラス面だ
けで行う静電方式が、近年提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
の透明導電膜上にＸ側駆動電極とＹ側駆動電極を構成す
るため、Ｘ座標を検出する場合にＹ側駆動電極の影響が
あり、Ｙ座標を検出する場合にＸ側駆動電極が影響し、
実用化が困難であった。

【０００５】本発明の目的は、ガラスの導電膜上にＸ側
駆動電極とＹ側駆動電極を構成し、Ｘ座標を検出する場
合にＹ側駆動電極の影響を軽減し、Ｙ座標を検出する場
合にＸ側駆動電極の影響を軽減することができる静電方
式用のタッチパネルを提供することにある。

【０００６】

【問題を解決するための手段】この目的達成のため、透
明導電膜２上に重なり部分をもつ導電体の駆動電極３と
補助電極４を電位勾配が直線状になるように予め定めた
電位変化数で配置し、該透明導電膜２上の入力エリア５
をハードコート層で保護した電極シートと、電極接着部
７に駆動電極３を導電接着剤で接着した絶縁シート６上
を絶縁膜１０で保護した引き出し線シートから構成し
た。

【０００７】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
づき図面を参照して説明する。図１は本発明の一実施例
である。図１（ａ）は電極シートで、１は透明板でガラ
スか透明樹脂板を用いる。２は透明導電膜で金属酸化物
膜、金属酸化物を主体とした複合膜あるいは金属膜を真
空蒸着、スパッタリング等で形成したものである。３
ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄの駆動電極と４ａ、４ｂ、４ｃ、
４ｄ、４ｅ、４ｆ、４ｇ、４ｈ、４ｉ、４ｊ、４ｋ、４
ｌの補助電極は導電体で、金、銀、銅などの金属ペース
トあるいはカーボン等の導電性ペーストが用いられ、例
えば図１（ａ）のような電位勾配が直線状になるような
パターンを形成する。５は入力エリアで透明導電膜２上
をシロキサン系樹脂もしくはアクリレート系の光硬化型
樹脂のハードコート層で保護する。

【０００８】図１（ｂ）は引き出し線シートで、６は絶
縁シートで薄い樹脂板（フィルム）が用いられ引き回し
回路８と透明導電膜２の駆動電極３、補助電極４を絶縁
する。７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄは電極接着部で図１
（ａ）の駆動電極３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄと導電接着剤
で接着する。１０は絶縁膜で７の電極接着部、８の引き
回し回路を保護する。９は開口部でタッチパネルの入力
領域となる。１１は引き出し線部で制御回路に接続する
端子となる。

【０００９】図１（ｃ）はタッチパネルの断面図で、１
は透明板で、２は透明導電膜、６は絶縁シート、１０は
絶縁膜、１１は引き出し線部である。

【００１０】図２、図３はタッチパネルサイズが大型に
なった場合の実施例１、実施例２である。タッチパネル
サイズが大型になると中央の電位が下がり電圧利用率の
低下が懸念され、電位勾配の直線性も低下する。そこ
で、サイズが大型になった場合は、駆動電極３ｅ、３
ｆ、３ｇ、３ｈを中央に追加することにより電圧利用率
の低下を食い止める事ができる。また、補助電極の数を
増やすことにより電位勾配の直線性を保つことができ
る。

【００１１】図４は、本発明の原理図で、透明導電膜２
に導電ペーストで駆動電極３と補助電極４を印刷したも
のである。駆動電極３ｂと補助電極４ａ、４ｂ、４ｃの
間隔が狭ければ電極間に流れる電流は電極の重なり部分
Ｌ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に集中することを利用して電位
勾配の直線性を補正するものである。例えば、駆動電極
３ｂに電圧Ｖ１を加え補助電極４ａにＶ２の電圧がかか
っているとした場合に補助電極４ｃの電圧Ｖ３は、下記
のように表される。

【００１２】Ｖ３＝（Ｖ２（Ｌ１＋Ｌ２）＋Ｖ１（Ｌ３
＋Ｌ４））／（Ｌ１＋Ｌ２＋Ｌ３＋Ｌ４）

【００１３】図５は、本発明の補助電極４の数を増やす
ことにより電極内側の電位勾配をさらに細かく補正する
一実施例である。図中の４ａ１、４ｂ１、４ｃ１の効果
で電極内側の電位勾配が滑らかになっている。

【００１４】図６は、一実施例（Ｘ側駆動）の説明図で
透明導電膜２上に形成する電位変化点数を６とした場合
である。駆動電極３と補助電極４の長さは電位変化点数
をＮとしたときに１／２Ｎ、１／Ｎ・・・・１／Ｎ、１
／２Ｎを基準として導くことができ、電極の重なり部分
の長さは補助電極４の中央部の電位（上向き矢印）が、
透明導電膜２の中央部の電位（下向き矢印）と一致する
ことで決定する。補助電極内側電位勾配は図６のように
なる。

【００１５】図７は、透明導電膜内部電位勾配を示した
図で、図８は、一実施例（Ｙ側駆動）の説明図で図６と
同様の補助電極内側電位勾配が示されている。図９は、
Ｙ側駆動時の透明導電膜内部電位勾配が示されている。

【００１６】以上、本発明を実施例により説明したが、
本発明は透明導電膜以外の導電膜（カーボン等）でも可
能であり、また、電極シートをフィルムに変更すること
も本発明から排除するものではない。さらに、駆動電極
と補助電極の形態も本発明の主旨の範囲内で種々の変形
が可能であり、これらを本発明から排除するものではな
い。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果を奏する。

【００１８】本発明の静電用タッチパネルは、ガラスの
透明導電膜２上にＸ側駆動電極と補助電極、Ｙ側駆動電
極と補助電極を配置した電極シートのみで、指等の入力
座標を検出できるため、ガラスとフィルムを使用したタ
ッチパネルのようなニュートンリングが発生せず、さら
に透過率が高いタッチパネルを提供することができる。

【００１９】また、ガラスの透明導電膜２のみを使用す
るため座標精度が高く寿命の長い安定したタッチパネル
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である。

【図２】タッチパネルサイズが大型になった場合の実施
例１である。

【図３】タッチパネルサイズが大型になった場合の実施
例２である。

【図４】本発明の原理図である。

【図５】電極内側の電位勾配をさらに細かく補正する一
実施例である。

【図６】一実施例（Ｘ側駆動）の説明である。

【図７】透明導電膜内部電位勾配を示した図である。

【図８】一実施例（Ｙ側駆動）の説明図である。

【図９】Ｙ側駆動時の透明導電膜内部電位勾配図であ
る。

【図１０】従来のタッチパネル図である。

【符号の説明】

１、透明板 ２、透明導電膜 ３、駆動電極 ４、補助電極 ５、入力エリア ６、絶縁シート ７、電極接着部 ８、引き回し回路 ９、開口部 １０、絶縁膜 １１、引き出し線部 １２、下側透明板 １３、下側透明導電膜 １４、スペーサ １５、Ｘ側駆動電極 １６、絶縁部 １７、上側透明板 １８、Ｙ側駆動電極 １９、上側透明導電膜 ２０、絶縁板 ２１、接着穴 ２２、入力用開口部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明導電膜２上に重なり部分をもつ導電
   体の駆動電極３と補助電極４を電位勾配が直線状になる
   ように予め定めた電位変化数で配置し、該透明導電膜２
   上の入力エリア５をハードコート層で保護した電極シー
   トと、電極接着部７に駆動電極３を導電接着剤で接着し
   た絶縁シート６上を絶縁膜１０で保護した引き出し線シ
   ートから構成したことを特徴とする静電方式用のタッチ
   パネル。