JP2001116899A - 放射線発生装置 - Google Patents

放射線発生装置

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JP2001116899A
JP2001116899A JP29334299A JP29334299A JP2001116899A JP 2001116899 A JP2001116899 A JP 2001116899A JP 29334299 A JP29334299 A JP 29334299A JP 29334299 A JP29334299 A JP 29334299A JP 2001116899 A JP2001116899 A JP 2001116899A
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Sadahiro Kawasaki
定博 川崎
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平電子ビームを270度偏向して垂直に患
者等に照射するための偏向磁石は3磁極の大型磁石であ
ったが、これを1磁極の小型磁石で実現する。 【解決手段】 偏向磁石の磁極14は一つの磁極で構成
し、且つ、電子ビーム偏向に係わるビーム輸送系の荷電
粒子の挙動を、トランスファーマトリクスを用いた行列
計算の式(1)で表示し、 X(1)=RX(0)
−−−−(1) 但し、X(1):ビーム輸送系に入射する前の荷電粒
子、 X(0):ビーム輸送系通過後の荷電粒子、 R(輸送系全体のトランスファーマトリクス)の行列要
素が、|R(11)|=|R(33)|=1,R(1
2)=R(34)=R(16)=0,R(26)≠0の
条件を満たすと共に、偏向磁石の磁場を変化させて照射
線量の線量バランスを調整するバランス調整手段を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はビームを直角に偏
向する放射性発生装置に関するもので、例えば悪性腫瘍
の治療に用いられる医療用放射線発生装置において、電
子線形加速器によって加速された水平方向の電子ビーム
を垂直方向に偏向させ照射するものである。
【0002】
【従来の技術】従来装置を図9によって説明する。図9
は従来の放射線発生装置の構成図である。図において、
1は操作器、2は電源箱、3は電子銃、4はクライスト
ロン、5は加速管、6は集束電磁石、7は偏向磁石であ
る。また7はターゲット、8はイコライザー、9はモニ
ターチャンバー、10はコリメータ、11は電子ビーム
の軌道、12は治療中心(以下アイソセンターと称す
る)を示している。
【0003】次に放射線発生の機構について説明する。 (1)電子銃3から発生した電子ビームは、クライスト
ロン4によって増幅されたマイクロ波が蓄えられた加速
管5にてエネルギーを与えられ、数MeV〜数十MeV
の高エネルギー電子ビームとなる。 (2)加速された電子ビームは偏向磁石によって270
°偏向された後に大気中に取り出される。(電子ビーム
軌跡11参照) 電子ビームを偏向するのは、放射線発生装置を設置する
照射室の寸法上の問題から長さ1m程度の加速管5は横
向きに設置する必要があるのに対して、治療ベッドに横
たわった患者には垂直方向から放射線を照射する必要が
あるためである。
【0004】(3)放射線治療にX線を用いる場合は、
電子ビームを金属性のターゲット7に衝突させ、制動X
線を発生させ、患者の治療部位に照射する。 (4)発生したX線の線量は、透過型の並行平板電離箱
であるモニターチャンバー9によってリアルタイムに測
定される。コリメータ10はタングステンなどの重金属
でできており、X線が照射される空間的範囲を限定する
ために設けられている。
【0005】X線の照射範囲は、電子ビームが金属性タ
ーゲット7に衝突する点をX線源として、コリメータ1
0の開口部のアイソセンター12の平面(アイソセンタ
ーを含む水平面)への投影範囲となる。しかし、実際に
は電子ビームがある大きさのビーム径を持って金属ター
ゲットに衝突するので理想的な点線源は存在しない。
【0006】X線源が広がっているとコリメータ10に
よって決定される照射範囲の外側にもX線が照射される
ようになり、X線の線量は照射範囲外縁部から外側に行
くに従ってなだらかに減少するようになる。この部分は
一般に半影と呼ばれるが、患部に高線量を与えつつ、そ
の周囲の正常組織に与える線量を極力低くするために
は、半影をできる限り小さくすることが望ましい。した
がって、電子ビームがターゲット上で焦点をつくるよう
に偏向磁石はビーム収束能力を持たせるように工夫され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来装
置では金属ターゲット上で電子ビームが収束するように
偏向磁石の磁場の形状が設計されている。また、電子線
形加速器によって加速された電子ビームは単一エネルギ
ーではないため、医療用放射線発生装置では異なったエ
ネルギーをもつ電子ビームであっても同一の位置に同一
の角度を持って金属ターゲットに衝突するように偏向磁
石の磁場の形状が設計されている。
【0008】偏向磁石に上記のような特性を持たせるた
めには複雑な磁場形状が必要となり、通常3つの磁極を
持つ偏向磁石が用いられている。これは3つの磁極によ
って合計270°偏向を行うものであり、各偏向の間に
磁場が存在しない領域(自由空間)が挿入される。した
がって、一定の曲率半径にて単純に270°偏向を行う
場合と比較して、電子が通過する軌道が大きくなり、し
たがって大きな電磁石が必要となる。
【0009】この発明は、放射線発生装置、特に医療用
放射線発生装置において単純、軽量、コンパクトな27
0°偏向システムを実現することを目的とする。また、
コンパクトな270゜偏向システムにおいて照射線量の
バランスを改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】(1)この発明に係わる
放射線発生装置は、電子線形加速器によって加速された
電子ビームを偏向磁石で偏向し、その偏向ビームを金属
ターゲットに衝突させて発生したX線を対象物に照射す
る放射線発生装置において、上記偏向磁石は磁極数が一
つで270゜偏向する磁石とし、且つ、電子ビーム偏向
に係わるビーム輸送系の荷電粒子の挙動を、トランスフ
ァーマトリクスを用いた行列計算の式(1)で表示し、 X(1)=RX(0) −−−−(1) 但し、X(1):ビーム輸送系に入射する前の荷電粒子 X(0):ビーム輸送系通過後の荷電粒子
【数3】 x:偏向面内における中心軌道からの変位 θ:偏向面内における中心軌道に対する傾き y:偏向面に垂直な面内における中心軌道からの変位 φ:偏向面に垂直な面内における中心軌道に対する傾き l:ビーム進行方向の変位 δ:中心軌道に対する運動量の差 また、Rは輸送系全体のトランスファーマトリクスであ
り、(R(ij)はトランスファーマトリクスのi行j
列要素)
【数4】 その行列要素が |R(11)|=|R(33)|=1 R(12)=R(34)=R(16)=0 R(26)≠0 の条件を満たすようにすると共に、上記偏向磁石の磁場
を変化させて上記対象物に照射する照射線量の線量バラ
ンスを調整するバランス調整手段を設けたものである。
【0010】(2)また、上記(1)において、照射線
量の線量バランスを検出するよう配設された複数の放射
線検出器と、検出した線量バランスに基づき電子エネル
ギーを算出する手段と、算出した電子エネルギーを出力
または表示する手段とを設けたものである。
【0011】(3)また、上記(1)において、照射線
量の線量バランスを検出するよう配設された複数の放射
線検出器と、検出した線量バランスの変化に応じて放射
線の発生を停止する手段を設けたものである。
【0012】(4)また、上記(1)において、バラン
ス調整手段は、照射線量の線量バランスを検出するよう
配設された複数の放射線検出器と、検出した線量バラン
スの変化に応じて電子ビームを加速する高周波電力を調
整し、上記線量バランスを一定にする調整手段とを含む
手段としたものである。
【0013】(5)また、上記(4)において、調整手
段は、検出した線量バランスの変化に応じて、クライス
トロンのカソードの印加電圧を調整、または、上記クラ
イストロンに入力する高周波の発振出力を調整する手段
としたものである。
【0014】(6)また、上記(1)において、バラン
ス調整手段は、照射線量の線量バランスを検出するよう
配設された複数の放射線検出器と、検出した線量バラン
スの変化に応じて電子ビームを加速する高周波の周波数
を調整し、上記線量バランスを一定にする調整手段とを
含む手段としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.一般に、偏向磁石
や自由空間等からなるビーム輸送系における荷電粒子の
挙動は、トランスファーマトリクスを用いた行列計算に
よって公知の式(1)のように記述することができる。 X(1)=RX(0) −−−−(1) ここで、X(1):ビーム輸送系に入射する前の荷電粒
子 X(0):ビーム輸送系通過後の荷電粒子 を表し、式(2)、式(3)の要素からなる。
【0016】
【数5】
【0017】x:偏向面内における中心軌道からの変位 θ:偏向面内における中心軌道に対する傾き y:偏向面に垂直な面内における中心軌道からの変位 φ:偏向面に垂直な面内における中心軌道に対する傾き l:ビーム進行方向の変位 δ:中心軌道に対する運動量の差
【0018】また、Rは輸送系全体のトランスファーマ
トリクスであり、輸送系の各構成要素を表すトランスフ
ァーマトリクスの積である。医療用放射線発生装置が備
える270°偏向磁石のように、自由空間と偏向磁場の
みからなる輸送系の場合、輸送系全体のトランスファー
マトリクスは以下の式(3)のような形式となる。
【0019】
【数6】
【0020】ここでi行j列の行列要素R(ij)は自
由空間の長さL、偏向磁場による偏向角度α、偏向の曲
率半径ρ、偏向磁場の入口面および出口面の傾き角度β
等のパラメータによって決定される。したがって、ビー
ム輸送系の集束性能等の問題は行列問題に置きかえるこ
とができ、放射線発生装置が備える270°偏向系で
は、例えば系全体のトランスファーマトリクスに以下の
ような条件が必要とされている。
【0021】(1)270°偏向系の入口と出口(金属
ターゲット位置)でビーム径が同じである条件 |R(11)|=|R(33)|=1 R(12)=R(34)=0 (2)エネルギーの違いが、270°偏向系出口(金属
ターゲット位置)でのビーム系および角度に影響を与え
ない条件 R(16)=R(26)=0
【0022】上記(1)および(2)の条件を満たすた
めに、従来は図10に示すように磁極14を3つに分割
し、磁極間に自由空間(L2 ,L3 )を挿入した形態の
270°偏向磁石が用いられていた。
【0023】しかし、上記の条件の中でR(26)=0
の条件(エネルギーの違いが金属ターゲットへの入射角
度に影響しない)を満たさない場合(R(26)≠0の
場合)を考えると、金属ターゲットへの入射角度がビー
ムエネルギーまたは270°偏向磁場の強度によって変
化することになるが、これらを安定化する手段を備えて
いればR(26)≠0の条件であっても問題はなくな
る。
【0024】また、線形加速器によって加速された電子
ビームは単一エネルギーではないため、金属ターゲット
から発生する制動X線強度の空間分布に非対称性が生じ
る可能性があるが、R(16)=0の条件が満たされて
いれば、R(26)≠0であっても磁場の強度を調整す
ることにより、電子ビームの金属ターゲットへの入射位
置を変えることなく入射角度を変化させることができる
ので、制動X線強度の空間分布を適切にすることは可能
である。
【0025】したがって、上記の条件からR(26)=
0の条件を省略することは可能であり、この発明で提示
する図1に示すような磁極数1つの270゜偏向磁石で
実現できる。図1に示すような1つの磁極から成る27
0°偏向磁石において、例えばL==L1 =L2 =9c
m、β=26.6°、ρ=45mm(電子ビームエネル
ギーが20MeVの時、必要磁場は約1.5T)とする
ことにより上記(1)および(2)の残りの条件(R
(16)=0)を満たすことができる。
【0026】図1において、13は自由空間(長さ
L)、14は磁極、15は磁極面(電子ビームの軌道に
対する回転角度β)、16は電子ビームの中心軌道(磁
場中での回転半径ρ)、17はエネルギーが異なるビー
ムの軌道、18は入射位置が異なるビームの軌道、19
は入射角度が異なるビームの軌道を示している。
【0027】この発明の磁極数1の偏向磁石は、磁極を
分割することなく270°偏向を行うため、磁極間の自
由空間がなく、必要最小限の軌道をもって電子を偏向す
ることができる。したがって、従来の磁極数3の偏向磁
石と比較して、発生させる磁場の強さが同じであれば、
最小の大きさで電子ビームを270°偏向させることが
でき、装置を小型、軽量化することが可能である。
【0028】特に医療用放射線発生装置では小型・軽量
化が要求されるが、従来の3磁極の偏向磁石では大型に
なりこの要求を実現することができない。ちなみに、偏
向面の面積をほぼ1/4に小型化することができる。ま
た、270°偏向磁石が小型、軽量になるので磁石を搭
載する筐体も小型化でき、更に、筐体のたわみ等による
機械的な誤差が小さくなるので、精度の良い放射線治療
を行うことができる。
【0029】実施の形態2.実施の形態1の270°偏
向磁石のようにR(26)≠0の場合、偏向磁場を変化
させると電子ビームの金属ターゲットへの入射位置を変
えることなく、入射角度を変化させることができる。従
来装置では放射線の照射野内での線量分布のバランス
(平坦度)を調整するために、電子ビームの金属ターゲ
ットへの入射角度を調整する手段を必要としたが、実施
の形態2は実施の形態1の270°偏向磁石に照射野調
整機能を兼用させたシステムである。
【0030】実施の形態2では、図2に示すように照射
野内に置かれた二つの透過型放射線検出器によって照射
野内における線量バランスを測定する。線量のバランス
が一定となるように270度偏向磁石の励磁電流を調整
するようにすれば、線量バランスを一定に保つことがで
きる。
【0031】図2において、20はR(26)≠0の2
70°偏向システム、21は偏向磁石の電源、22は独
立した二つの放射線検出器から成る平坦度検出器、23
は放射線検出器の出力を比較して誤差信号(比の誤差、
または差の誤差)を生成し、平坦度が一定となるように
270°偏向磁石の励磁電流にフィードバックする平坦
度調整回路、1は270°偏向磁石の励磁電流の初期値
を設定する操作器である。
【0032】次に動作を説明する。平坦度検出器22で
照射線量を検出し、平坦度調整回路は検出した各照射線
量の出力どうしを比較し、その誤差信号に応じて偏向磁
石電源21の偏向磁石の励磁電流を調整し、平坦度検出
器22で検出される照射線量のバランス(平坦度)が一
定になるようにする。
【0033】この発明の実施の形態2によれば、電子ビ
ームの入射角度を変化させて平坦度を調整するために特
別な磁石などを必要としないので、単純で安価に平坦度
安定化システムを構築することができる。
【0034】実施の形態3.最近の放射線治療において
は出力線量や照射野内線量分布に高精度が要求されてい
るが、放射線のエネルギーも患者体内の深さ方向の線量
分布を決定する重要なパラメータである。実施の形態1
の270°偏向磁石のようにR(26)≠0の場合、電
子ビームエネルギーが変化すると金属ターゲットへの入
射角度の変化となり、照射野内における線量バランスの
変化となって現れる。
【0035】実施の形態3はこれを利用して、放射線の
エネルギー検出を行うものである。図3に示すように、
照射野内に設置した二つの等価型放射線検出器によって
線量バランスを測定する。二つの放射線検出器の出力比
と電子ビームエネルギーの関係をあらかじめ把握してい
れば、放射線治療を行っている間にも放射線のエネルギ
ーを常にモニターすることができる。
【0036】図3において、20はR(26)≠0の2
70°偏向システム、22は独立した二つの放射線検出
器から成る平坦度検出器、24は放射線検出器出力を比
較して誤差信号を生成する比較回路、25は予め測定し
ておいた誤差信号とエネルギーの関係を用いてエネルギ
ーを算出するエネルギー算出回路、26は算出したエネ
ルギーを表示する表示器である。
【0037】次に動作を説明する。平坦度検出器22で
照射線量を検出し、比較回路24で検出した各照射線量
の出力どうしを比較して誤差信号を生成し、エネルギー
算出回路は予め測定しておいた誤差信号とエネルギーの
関係を用いて、生成した誤差信号からエネルギーを算出
し、エネルギー表示器26は算出したエネルギーを表示
する。
【0038】図4において、照射線量のバランスから電
子ビームエネルギーを導出する手段について説明する。
図4(a)のように、ビーム軌道はエネルギーの高低で
異なるので、基準エネルギーの時は、平坦度検出器22
中の放射線検出器22aと22bで検出される照射線量
(AとB)は両者バランスしている。しかし、低エネル
ギーおよび高エネルギーでは放射線検出器22aと22
bで検出の照射線量は、両者アンバランスとなる。
【0039】つまり、基準エネルギーでは A=B 高エネルギーでは A<B 低エネルギーでは A>B となる。このアンバランスの度合いと電子ビームのエネ
ルギー(単位はMeV=メガエレクトロンボルト)との
関係を図4(b)に示すように予め把握しておくと、そ
のバランスの度合いに応じて電子ビームエネルギーを算
出することができる。例えば、線量バランスがB/A=
Iであれば、エネルギーはE0 となる。なお、この例は
線量バランスは比で比較したが、差で比較してもよい。
【0040】また、算出したエネルギー値を記録・保存
したり、遠隔地で表示・記録・保存するためにエネルギ
ー値を出力するようにしてもよい。
【0041】従来装置において治療中にエネルギーを測
定する場合、例えば偏向途中のR(16)≠0(これは
エネルギーの違いによって電子が通過する場所が異なる
ことを意味している)の位置にビーム軌道の変化の様子
を検出する手段を設けることが考えられるが、この位置
は偏向磁石の狭い磁極の間となり、また高真空中である
ので安価に精度良くエネルギー検出を行うことが困難で
ある。したがって、本実施の形態3のようにすると、容
易にエネルギーが測定できる。
【0042】実施の形態4.実施の形態3において、放
射線のエネルギーがある許容値を超えた場合はインター
ロックを動作させ、放射線の発生を停止する機能を備え
ても良い。図5において、20はR(26)≠0の27
0°偏向システム、22は独立した二つの放射線検出器
から成る平坦度検出器、24は放射線検出器出力を比較
して誤差信号(比の信号、または差の信号)を生成する
比較回路、27は誤差信号があらかじめ設定しておいた
許容値内にあるか否かを判定し、許容値を超える場合は
操作器1にインターロック信号を出力するインターロッ
ク回路、1は放射線の発生および停止を司る操作器であ
る。
【0043】次に動作を説明する。平坦度検出器22で
照射線量を検出し、比較回路24で検出した各照射線量
の出力どうしを比較して誤差信号を生成し、エネルギー
インターロック回路27は誤差信号が許容値を超える
と、操作器1にインターロック信号を送出して放射線の
発生を停止させる。
【0044】この発明の実施の形態4によれば、計画外
のエネルギーの放射線を照射することが防止でき、信頼
性のある放射線治療を行うことができる。
【0045】実施の形態5.実施の形態5は実施の形態
3のエネルギー検出システムを利用して放射線エネルギ
ーの安定化を図るものである。
【0046】電子ビームエネルギーは、マイクロ波の電
力および周波数、電子ビーム電流、加速管の熱膨張など
による共振周波数の変化等さまざまな因子によって影響
をうける。従来装置では、放射線治療中にエネルギーを
精度良く検出できる安価なシステムがなかったため、例
えば加速管に供給されるマイクロ波電力を安定化するシ
ステムを備えたり、加速管の共振周波数が変化してもマ
イクロ波の周波数がそれに追従するようなシステム等を
備えていた。しかしながら、これらはそれぞれの因子を
安定化したものであり、放射線エネルギーの安定性を保
証する手段とは言いがたい。
【0047】この発明の実施の形態5では、実施の形態
1のR(26)≠0の270°偏向磁石によって電子ビ
ームを偏向して金属ターゲットから制動X線を発生さ
せ、照射野内に設置した二つの等価型放射線検出器によ
って線量バランスを測定する。ここで測定される線量バ
ランスの変化はエネルギーの変動を表しているので、線
量バランスが一定となるようにすればエネルギーが安定
であることが保証される。
【0048】エネルギーを安定化するには、測定される
線量バランスの変化に応じて、クライストロンのカソー
ドに印可する高電圧をコントロールすることにより加速
管に供給されるマイクロ波電力を調整し、エネルギーを
安定にする。
【0049】図6において、20はR(26)≠0の2
70°偏向システム、22は独立した二つの放射線検出
器から成る平坦度検出器、24は放射線検出器出力を比
較して誤差信号を生成する比較回路、1はクライストロ
ン印加電圧の初期値を設定する操作器、28はクライス
トロンカソード印加電圧の初期設定値に誤差信号を加え
合わせ、電源箱に補正した設定値を出力するフィードバ
ック回路、2はクライストロンカソード印加電圧を生成
する電源箱である。
【0050】次に動作を説明する。平坦度検出器22で
照射線量を検出し、比較回路24で検出した各照射線量
の出力どうしを比較し、その誤差信号(比の信号、また
は差の信号)を生成する。クライストロン印加電圧フィ
ードバック回路28は生成された誤差信号と初期設定値
との加算値に応じた補正設定値を電源箱2に送出して、
クライストロン4のカソードに印可する高電圧をコント
ロールすることにより加速管5に供給されるマイクロ波
電力を調整し、エネルギーを安定化する。
【0051】この発明の実施の形態5によれば、エネル
ギー安定性に対して信頼性の高い放射線発生装置を実現
することができる。
【0052】実施の形態6.加速管に供給されるマイク
ロ波電力は、クライストロンカソード印加電圧以外にも
マイクロ波の発生源である発振器の出力をコントロール
することによって調整することもできる。
【0053】通常、発振器出力はクライストロン出力が
最大となるように選ばれ、発振器出力がこの最適値から
外れるとクライストロン出力は減少する。しかし、動作
点として発振器出力を最適値から少しずらした点を選べ
ば、任意にクライストロン出力を調整することが可能で
ある。実施の形態6は実施の形態5においてクライスト
ロンカソード印加電圧をコントロールした部分を、上記
の動作条件にある発振器出力に置き換えたものである。
【0054】図7において、20はR(26)≠0の2
70°偏向システム、22は独立した二つの放射線検出
器から成る平坦度検出器、24は放射線検出器出力を比
較して誤差信号を生成する比較回路、1は発振器出力の
初期値を設定する操作器、29は発振器出力の初期設定
値に誤差信号を加え合わせ、発振器に補正した設定値を
出力する発振器出力フィードバック回路、30はマイク
ロ波源である発振器である。
【0055】次に動作を説明する。平坦度検出器22で
照射線量を検出し、比較回路24で検出した各照射線量
の出力どうしを比較し、その誤差信号(比の信号、また
は差の信号)を生成する。発振器出力フィードバック回
路29は生成された誤差信号と初期設定値との加算値に
応じた補正設定値を発振器30に送出して、発振器30
の出力をコントロールすることにより、クライストロン
4の出力を調整し、エネルギーを安定化する。
【0056】この発明の実施の形態6によれば、実施の
形態5と同様にエネルギー安定性に対して信頼性の高い
放射線発生装置を実現することができる。
【0057】実施の形態7.実施の形態5および実施の
形態6がマイクロ波電力をコントロールしているのに対
して、実施の形態7はマイクロ波周波数のコントロール
によって電子ビームエネルギーの安定化を図るものであ
る。
【0058】加速管に蓄えられて電子ビームの加速に寄
与するマイクロ波電力はマイクロ波の周波数によって変
化し、加速空胴の共振周波数と一致する時に最大とな
る。周波数が最適値から外れた場合は、加速管からの反
射波が増加し、加速管に蓄えられるマイクロ波は減少す
る。よって、マイクロ波周波数の初期値として最適値か
らずらした点を選んでおけば、加速管に蓄えられるマイ
クロ波電力を任意に調整することができる。
【0059】図8において、20はR(26)≠0の2
70°偏向システム、22は独立した二つの放射線検出
器から成る平坦度検出器、24は放射線検出器出力を比
較して誤差信号を生成する比較回路、1は発振器周波数
の初期値を設定する操作器、31は発振器周波数の初期
設定値に誤差信号を加え合わせ、発振器に補正した設定
値を出力するフィードバック回路、30はマイクロ波源
である発振器である。
【0060】次に動作を説明する。平坦度検出器22で
照射線量を検出し、比較回路24で検出した各照射線量
の出力どうしを比較し、その誤差信号を生成する。周波
数フィードバック回路31は生成された誤差信号と初期
設定値との加算値に応じた補正設定値を発振器30に送
出して、発振器30の周波数をコントロールすることに
より、クライストロン4のマイクロ波周波数を調整し、
エネルギーを安定化する。
【0061】この発明によれば実施の形態5および6と
同様に、エネルギー安定性に対して信頼性の高い放射線
発生装置を実現することができる。
【0062】実施の形態8.上記実施の形態では平坦度
放射線検出器に2個の放射線検出器を用いたが、3個以
上の放射線検出器を用いてもよい。また、上記実施の形
態では医療用放射線発生装置で説明したが、この発明を
医療用以外の放射線発生装置に適用してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、磁極数
1の270°偏向磁石としたので、従来の3磁極のもの
より偏向磁石が小型・軽量になり、装置全体も小型・軽
量にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の放射線発生装置に
用いる偏向システムのビーム軌道を表す図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による放射線発生装
置の要部の構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による放射線発生装
置の要部の構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による線量バランス
から電子エネルギーを算出する説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による放射線発生装
置の要部の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5による放射線発生装
置の要部の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態6による放射線発生装
置の要部の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態7による放射線発生装
置の要部の構成図である。
【図9】 従来の放射線発生装置の構成図である。
【図10】 従来の放射線発生装置による偏向システム
のビーム軌道を表す図である。
【符号の説明】
1 操作器 2 電源箱 3 電子銃 4 クライストロン 5 加速管 6 270°偏向磁
部 7 ターゲット 8 イコライザー 9 モニターチャンバー 10 コリメータ 11 電子ビーム軌道 12 治療中心(ア
イソセンター) 13 自由空間 14 磁極 15 磁極面 16 中心軌道 17 エネルギーが異なるビームの軌道 18 入射位置が異なるビームの軌道 19 入射角度が異なるビームの軌道 20 270°偏向磁石 21 偏向磁石電源 22 平坦度検出器 23 平坦度調整回
路 24 比較回路 25 エネルギー算
出回路 26 エネルギー表示器 27 インターロッ
ク回路 28 クライストロン(KLY)印加電圧フィードバッ
ク回路 29 発振器出力フィードバック回路 30 発振器 31 周波数フィー
ドバック回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線形加速器によって加速された電子
    ビームを偏向磁石で偏向し、その偏向ビームを金属ター
    ゲットに衝突させて発生したX線を対象物に照射する放
    射線発生装置において、上記偏向磁石は磁極数が一つで
    270゜偏向する磁石とし、且つ、電子ビーム偏向に係
    わるビーム輸送系の荷電粒子の挙動を、トランスファー
    マトリクスを用いた行列計算の式(1)で表示し、 X(1)=RX(0) −−−−(1) 但し、X(1):ビーム輸送系に入射する前の荷電粒子 X(0):ビーム輸送系通過後の荷電粒子 【数1】 x:偏向面内における中心軌道からの変位 θ:偏向面内における中心軌道に対する傾き y:偏向面に垂直な面内における中心軌道からの変位 φ:偏向面に垂直な面内における中心軌道に対する傾き l:ビーム進行方向の変位 δ:中心軌道に対する運動量の差 また、Rは輸送系全体のトランスファーマトリクスであ
    り、(R(ij)はトランスファーマトリクスのi行j
    列要素) 【数2】 その行列要素が |R(11)|=|R(33)|=1 R(12)=R(34)=R(16)=0 R(26)≠0 の条件を満たすようにすると共に、上記偏向磁石の磁場
    を変化させて上記対象物に照射する照射線量の線量バラ
    ンスを調整するバランス調整手段を設けたことを特徴と
    する放射線発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線発生装置におい
    て、照射線量の線量バランスを検出するよう配設された
    複数の放射線検出器と、検出した線量バランスに基づき
    電子エネルギーを算出する手段と、算出した電子エネル
    ギーを出力または表示する手段とを設けたことを特徴と
    する放射線発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の放射線発生装置におい
    て、照射線量の線量バランスを検出するよう配設された
    複数の放射線検出器と、検出した線量バランスの変化に
    応じて放射線の発生を停止する手段を設けたことを特徴
    とする放射線発生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の放射線発生装置におい
    て、バランス調整手段は、照射線量の線量バランスを検
    出するよう配設された複数の放射線検出器と、検出した
    線量バランスの変化に応じて電子ビームを加速する高周
    波電力を調整し、上記線量バランスを一定にする調整手
    段とを含む手段としたことを特徴とする放射線発生装置
  5. 【請求項5】 請求項4記載の放射線発生装置におい
    て、調整手段は、検出した線量バランスの変化に応じ
    て、クライストロンのカソードの印加電圧を調整、また
    は、上記クライストロンに入力する高周波の発振出力を
    調整する手段としたことを特徴とする放射線発生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の放射線発生装置におい
    て、バランス調整手段は、照射線量の線量バランスを検
    出するよう配設された複数の放射線検出器と、検出した
    線量バランスの変化に応じて電子ビームを加速する高周
    波の周波数を調整し、上記線量バランスを一定にする調
    整手段とを含む手段としたことを特徴とする放射線発生
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106535457A (zh) * 2016-10-28 2017-03-22 中广核中科海维科技发展有限公司 一种防返轰电子直线加速器
CN113692101A (zh) * 2020-05-19 2021-11-23 四川智研科技有限公司 一种紧凑型电子加速器

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