JP2001104411A - 局部処置用無菌送風装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の一般的な治療室において、医療およ
びそれに類する局部処置を行う場合、環境から汚染を最
小限にして、安全な医療処置やそれに類する局部処置、
製剤の開封、採血等を行う。 【解決手段】 小型、中型局部処置用無菌送風装置は
上部に小型高性能ヘパフイルターユニットを有し、下部
をカーテンで囲い、内部の作業を確認するための透明
板、またはルーペを有する、局部処置用無菌送風装置で
ある。風向制御付き局部処置用無菌送風装置を用いる場
合は、必要時適当な場所に、これを支持台またはアーム
により高さ、角度、風向きを合わせ設置し、調整板でさ
らに無菌空気の風向き、広がりを調整して吹き出し無菌
空気の作る無菌スペース内に被処置者の処置部を入れ、
局部処置を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は医療処置、またはそ
れに類するを行う現場において、その処置操作を安全
上、より無菌的に実施するための設備及び方法に属す
る。

【０００２】

【従来の技術】現在医薬品および医療行為において高度
の安全性が求められている中で、医薬品、特に注射製剤
などにおいてはその製造に際しＧＭＰに即したバリデー
ションの完了した製造の厳格な無菌性の保証が求めら
れ、これらの製造会社ではこうした厳重な管理のもとに
製品は製造され、供給されている。また医療器具におい
ても同様であり、特に注射針や、注射筒など直接人体に
接触するものは厳重な管理のもとに製造され、無菌処理
が施され、包装されて供給されている。

【０００３】しかるにこれら無菌的に製造された製剤、
医療器具を用いる医療現場では、現在も手術室や無菌室
など特定の治療室を除く通常の治療室はその多くがいま
だ通常の環境下にあり、ここでの医療措置においては一
般的には無菌環境下での取扱いにはならず、通常の一般
環境下で製剤、医療器具などの開封、開栓等の準備作業
を行い、また医療措置を実施することが普通であり、特
に医療処置に含まれる採血や、医療処置に類する美容整
形などの処置においてもどうようである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】したがってこうした状
況下では医療措置の実施前に既にこれら製剤、医療器具
に汚染が発生している状態にあり、注射や採血実施時
や、その他の医療類似行為自体も汚染源のある環境下で
の実施となるため、塵埃付着や菌による汚染、侵入など
の危険性をはらんでいる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】これら医療またはそれに
類する現場におけるこうした状況を避けるため、通常環
境下の治療室内に必要時に必要に応じ、簡易に医療措置
等を行う位置に小さな無菌環境スペースを作り、この中
で製剤の開封などの準備作業から注射などの医療措置等
を行うことで、こうした日常的な医療及びそれに類する
処置の際においても無菌環境下での医療措置を行なうこ
とができるようにして、上記のような汚染の人体への影
響をなくし、一般の診療所、病院などの日常的な医療処
置や、その他の類する処置においてもより安全に行う事
ができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本装置は図１・図２・図３は中型
局部処置用無菌送風装置、図５図・図6・図７は小型局
部処置用無菌送風装置、図９・図１０・図１１・図１２
は風向制御付き局部処置用無菌送風装置である。

【０００７】中型局部処置用無菌送風装置・小型局部処
置用無菌送風装置は、本体上部に高性能ヘパフィルタユ
ニットを取り付けたステンレスフレーム製の支持体から
なっており、背面で支持し前面及び両側面を含めて３〜
４面を一部重ねあわせるようにして隙間なく取り付けら
れた短冊形の透明なカーテンＡで覆い、本体上部に取り
付けられたヘパフィルタユニットＥによりプレフィルタ
をとおり送風機でメインフィルタを通った無菌空気が本
体内に吹き降ろされる。支持体自体の高さはカーテンの
長さの範囲内である程度調節できるようになっている、
その高さを調節する方法例を図４に示す。上部に透明板
またはルーペＤを設置し、そこから覗くこともできる
し、必要によってはこの部分を開放して、直接内部を見
ることも出来、この場合でもヘパフィルタユニットの風
量と処置部位との距離により、無菌環境が大きく崩れる
ことはない、処置の内容によっては、内部に照明装置を
取り付けることができる。またカーテンの止めかたの例
として、カーテン下部にマジックテープＧを取り付け、
上部Ｆに張り付けることが出来る。

【０００８】風向制御付き局部処置用無菌送風装置は、
高さの調節ができる移動用キャスター付きの支持スタン
ドに小型のヘパフィルターユニットＥが取り付けられた
ものである。ヘパフィルターユニットはそれ自体がある
程度吹出し方向の向きを下向きに変更できるような角度
調整器Ｉを持ち、またその前面には上下または左右に風
向を制御する制御板Ｊが取り付けられていて、吹出した
無菌空気の方向、吹出しの広がりを調節できるようにな
っている。本装置を必要時適当な場所に設置し高さ、角
度、風向の調整を行って吹出し無菌エアの作る無菌スペ
ース内に被処置者の処置部位が入るようにする。なお、
処置室、処置場所が一定している場合、装置の設置は床
に置く支持スタンドのかわりに壁や天井に取り付けた可
変式のアームに取り付けることもできる。

【０００９】中型局部処置用無菌送風装置は、局部処置
時の対象部位に応じ、本装置を処置用ベッドに被治療者
の横臥に合わせて設置して使用する、使用目的は、腹、
背、腰、肢部などの措置の場合である。

【００１０】小型局部処置用無菌送風装置は処置の位置
に応じて本体の高さを調節でき、適宣移動できるよう
な、取り外し可能なキャスター付き台を取り付けたもの
である。使用目的は、上腕部の静注措置時などの場合が
ある。

【００１１】風向制御付き局部処置用無菌送風装置は医
療処置以外にも、 たとえばピアス装着時の処置などの
場合、本装置を被処置者の耳の近くに置き、ヘパフィル
ターユニット本体の高さ及び吹出し角度、広がりを調節
して、被処置部が無菌のスベース内にあるようにして処
置を行う。本装置の使用により他に、検査採血や開封使
用する製剤、医療器具たとえば注射用具など、簡易な方
法で環境から汚染を最小限にして安全な処置ができる。

【発明の効果】このような方法により本装置は、従来無
菌的に製造され供給されている製剤、医療器具をいった
ん通常環境下にさらし、汚染された状態で使用すること
になって、本来その必要性から製造されていた無菌の状
態を損ねて使用する矛盾した使用方法となっていたもの
を、これを用いた医療及びそれに類する局部処置を行う
ことで通常の一般的な治療室においてもこうした汚染を
受けることなく無菌の状態のまま取り扱い、医療措置の
実施に供し、本来の使用方法として要求される安全な医
療措置を行うことが出来るようにするものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】中型局部処置用無菌送風装置の正面図である。

【図２】中型局部処置用無菌送風装置の側面である。

【図３】中型局部処置用無菌送風装置の後面である。

【図４】中型局部処置用無菌送風装置の高さ調節方法の
例である。

【図５】小型局部処置用無菌送風装置の正面図である。

【図６】小型局部処置用無菌送風装置の側面である。

【図７】小型局部処置用無菌送風装置の後面である。

【図８】小型局部処置用無菌送風装置のカーテンの止め
方の例である。

【図９】風向制御付き局部処置用無菌送風装置の前面図
である

【図１０】風向制御付き局部処置用無菌送風装置の側面
図である。

【図１１】風向制御付き局部処置用無菌送風装置の後面
図である。

【図１２】風向制御付き局部処置用無菌送風装置のアー
ム式の天井設置図である。

【符号の説明】

Ａ 短冊形透明カーテン Ｂ 高さ調整部 Ｃ ピン固定器 Ｄ 透明板または・ルーペ Ｅ 高性能ヘパフイルターユニット Ｆ、Ｇ マジックテープまたはフック Ｈ 高さ調整器 Ｉ 角度調整器 Ｊ 風向き調整板 Ｋ ステンレス製フレーム Ｌ 証明器具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 小型・中型局部処置用無菌送風装置は、
   上部に小型高性能ヘパフィルターユニットを有し、下部
   はカーテンで囲い、透明板またはルーペを有する無菌ボ
   ックス。
2. 【請求項２】 風向制御付き局部処置用無菌送風装置
   は、吹出し方向制御用フラップをつけた小型ヘパフィル
   タユニットを装着し、高さ及び適当な風向を得るためヘ
   パフィルタユニットの取付け角度を調節できる支持台ま
   たは、支持アームのついた局部処置用無菌送風装置。