JP2001082167A - 発電装置 - Google Patents

発電装置

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JP2001082167A
JP2001082167A JP25849999A JP25849999A JP2001082167A JP 2001082167 A JP2001082167 A JP 2001082167A JP 25849999 A JP25849999 A JP 25849999A JP 25849999 A JP25849999 A JP 25849999A JP 2001082167 A JP2001082167 A JP 2001082167A
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combustion
power generation
gas turbine
combustion chamber
thermophotovoltaic
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JP25849999A
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Kiyohito Murata
清仁 村田
Hideki Nakayama
英樹 中山
Susumu Okawa
進 大川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱光発電素子と燃焼機関との複合型であり、
発電効率の高い発電装置を提供する。 【解決手段】 発電機12を駆動し、発電動作を行わせ
るガスタービン10の前段にこれとは別体に燃焼室16
が設けられ、この燃焼室16からガスタービン10駆動
用の燃焼ガスが供給される。燃焼室16には熱光発電素
子22が設けられ、燃焼室16の燃焼中に発生する光に
より光発電も行わせる。熱光発電素子22で発電動作を
行わせる場合には、短波長の光が有利であるので燃焼室
16の温度を極力高温に維持し、熱交換器20によりガ
スタービン10に供給される燃焼ガスの温度を燃料及び
空気と熱交換することによって低下させ、ガスタービン
10に最適な温度の燃焼ガスも供給することが可能とな
る。これにより、発電効率を向上させるとともにガスタ
ービン10の運転も可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱光発電素子と燃
焼機関とを組み合わせた複合型の発電装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来ジェットエンジンを搭載したジェッ
ト機等の装置における電力発生装置は、機械的な回転エ
ネルギを電気エネルギに変換する交流同期発電機が用い
られていた。しかしこのような発電機は、大型でかつ大
重量であるため、小型かつ軽量である熱光発電素子(T
PV)を使用することが提案されている。たとえば、特
開昭52−152188号公報にも、ジェットエンジン
やガスタービン等の燃焼機関に上記熱光発電素子を付加
し、燃焼により発生する輝光や輻射といった放射エネル
ギを電力に変換し、熱効率を向上させる技術が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱光発
電素子を用いた発電装置では、十分なエネルギ変換効率
が得られないという問題があった。この理由は主に2つ
あり、1つは、従来技術のように燃焼機関を主とし、熱
光発電素子を補助的に使用する場合には、回転部分を有
し耐熱強度に限界がある燃焼機関の仕様に合わせて燃焼
条件を設定するため、燃焼温度を低く抑える必要があ
り、十分な放射エネルギが得られずに、熱光発電素子に
よる発電効率が低下することによるものであり、2つめ
は、燃焼機関で発生する光の波長が必ずしも熱光発電素
子にとって適切なものとはいえないことによるものであ
る。この2つめの理由に対しては、放射波長をフィルタ
により熱光発電素子にとって最適な波長に変換すること
も考えられる。しかし、そのフィルタとしては非線形光
学素子を用いる必要があり、燃焼熱により配向が失わ
れ、非線形性がなくなって熱光発電素子にとって適切な
波長が得られなくなるという問題がある。
【0004】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、熱光発電素子と燃焼機関との
複合型であり、発電効率の高い発電装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、熱光発電素子と燃焼機関との複合型の発
電装置であって、発電機を駆動するガスタービン機関の
前段に、ガスタービン機関とは別体とされ、熱光発電素
子が備えられた燃焼室が独立して設けられ、この燃焼室
で燃料を高温燃焼させつつ熱光発電素子で発電を行わ
せ、ガスタービンへ燃焼ガスを供給する際には燃焼ガス
温度が所定の温度まで低下されていることを特徴とす
る。
【0006】また、上記発電装置において、熱光発電素
子は燃焼室の上流から下流に向けて複数設けられ、上流
側がより短波長の光に適したものであることを特徴とす
る。
【0007】また、上記発電装置において、燃焼室が並
列に複数設けられ、それぞれに備えられた熱光発電素子
の出力特性を異ならせるとともに、要求出力に応じて燃
焼室が選択使用されることを特徴とする。
【0008】また、上記発電装置おいて、前段の燃焼室
と後段のガスタービン機関との間に熱交換器が介在さ
れ、燃焼室に供給される燃料または空気がこの熱交換器
で加熱されることを特徴とする。
【0009】また、熱光発電素子と燃焼機関との複合型
の発電装置であって、発電機を駆動するガスタービン機
関と一体の燃焼室に、その燃焼室の上流から下流方向に
複数の熱光発電素子が配設され、複数の熱光発電素子は
上流側がより短波長の光に適したものであることを特徴
とする。
【0010】また、熱光発電素子と燃焼機関との複合型
の発電装置であって、発電機を駆動するガスタービン機
関と一体の燃焼室内に設けられた燃焼筒壁部が輻射材に
置換され、燃焼筒壁部から発生した光により発電を行う
光発電セルが燃焼筒壁部の周囲に設けられ、燃焼筒壁部
と光発電セルとにより熱光発電素子が構成されているこ
とを特徴とする。
【0011】また、熱光発電素子と燃焼機関との複合型
の発電装置であって、燃焼機関に配設された熱光発電素
子の前面に波長変換用非線形光学フィルタが設けられ、
このフィルタは高圧電源に接続された電極を備え、非線
形光学フィルタにポーリング電界が形成されることを特
徴とする。
【0012】また、上記発電装置において、高圧電源は
前記燃焼機関の点火装置の電源であることを特徴とす
る。
【0013】また、上記発電装置において、燃焼機関は
レシプロ機関であり、燃焼機関の点火と同時に非線形光
学フィルタの電極に電圧が印加されることを特徴とす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0015】実施形態1.図1には、本発明に係る熱光
発電素子と燃焼機関との複合型の発電装置の実施形態1
の構成が示される。図1において、発電装置はガスター
ビン10により発電機12を駆動して発電を行う。発電
機12により発電された電力はバッテリ14に蓄えられ
る。このガスタービン10へは、ガスタービン10と別
体とされ、独立して設けられた燃焼室16から燃焼ガス
が供給される。燃焼室16には、ガスタービン10の排
気ガスにより、熱交換器18で加熱された燃料及び空気
が供給され燃料の高温燃焼が行われる。図1に示された
例では、前段の燃焼室16と後段のガスタービン10と
の間に熱交換器20が設けられ、熱交換器18から燃焼
室16に供給される燃料及び空気を熱交換器20で、燃
焼室16からの燃焼ガスによりさらに加熱する。
【0016】本実施形態では、燃焼室16に熱光発電素
子(TPV)22が設けられている。燃焼室16で燃料
が高温燃焼する際に発生する光により、熱光発電素子2
2により発電が行われ、この電力が上述したバッテリ1
4に蓄えられる。このように、ガスタービン10の前段
に設けられた燃焼室16において熱光発電素子22によ
り発電を行わせ、さらに燃焼室16からガスタービン1
0に燃焼ガスを供給してこれを駆動することにより発電
機12で発電を行わせるので、ガスタービン10のみの
発電装置と比べて発電効率を上昇させることができる。
なお、発電機12により発電される電力は交流であり、
熱光発電素子22により発電される電力は直流であるの
で、発電機12からの交流電力はいったん直流とし、バ
ッテリ14には直流電力として蓄える。このバッテリ1
4に蓄えられた電力によりモータ24を駆動して所定の
出力を得る。
【0017】熱光発電素子22は、燃焼室16で発生す
る光の波長が短く光放射エネルギが高いほど高効率の発
電を行うことができる。このためには、燃焼室16にお
ける燃焼温度をなるべく高くする必要がある。他方、ガ
スタービン10には回転部分があるので、燃焼室16か
ら供給される燃焼ガス温度が所定値たとえば1600°
Kより高くなると回転部分の材料が温度に耐えられず破
損する等の問題がある。このため、ガスタービン10に
供給される燃焼ガス温度は上記所定温度よりも低くする
必要がある。本実施形態では、上述したとおり燃焼室1
6とガスタービン10との間に熱交換器20を設けたの
で、この熱交換器20において燃焼室16に供給される
燃料及び空気と燃焼室16からガスタービン10に供給
される燃焼ガスとの間で熱交換が行われ、燃焼ガスの温
度を上記所定値以下まで低下させることができる。この
ような構成とすることにより、燃焼室16における燃料
の燃焼温度を上昇でき、熱光発電素子22による発電効
率を向上させることができるとともに、ガスタービン1
0に供給する燃焼ガス温度を所定温度まで低下でき、ガ
スタービン10による発電機12の駆動を支障なく行わ
せることができる。また、燃焼室16からの燃焼ガス
と、燃焼室16へ供給される燃料及び空気との間で熱交
換器20により熱交換が行われるので、エネルギ効率も
向上させることができる。
【0018】なお、熱光発電素子22を構成する発電用
セルは、低温なほど発電効率がよくなるので、動作中冷
却したほうがよい。本実施形態では、ガスタービン10
の排気から熱交換器18により排熱を回収し、この排熱
により冷凍機26を駆動して空気を冷却し、この冷気で
熱光発電素子22の発電用セルの冷却を行わせている。
上記冷凍機26としては、たとえば吸収式あるいは吸着
式の冷凍機を使用することができる。
【0019】図2には、上記ガスタービン10により駆
動される発電機12による発電と熱光発電素子22によ
る発電とを組み合わせた場合の発電効率が示される。前
述したとおりガスタービン10は材料強度上の制約で1
600°K以上の温度では使えない。したがって、ガス
タービン10を使用した場合の最高効率は、図2のGT
で示される点となる。他方熱光発電素子22を使用した
場合には、回転部分が存在しないぶんだけ温度限界が回
転機器よりも高くなる。したがって、ガスタービン10
での最高使用温度よりも高い温度で発電を行わせること
ができる。この結果、熱光発電素子22における発電効
率は図2のTPVで示される点となる。以上より、熱光
発電素子22を高温域で利用し、ガスタービン10をそ
の適温域で利用すれば、これらの組み合わせにより発電
効率をそれぞれ単独で使用した場合よりも高くすること
ができる。たとえば、熱光発電素子を2300°Kで使
用した場合の発電効率は40%であり、ガスタービン1
0を1600°Kで使用した場合の発電効率は30%で
ある。したがってこれらを組み合わせた場合の総合発電
効率は40+60×0.3=58%となる。
【0020】図3には、本実施形態に係る発電装置の変
形例が示され、図1と同一部材には同一符号を付してそ
の説明を省略する。本変形例において特徴的な点は、燃
焼室16の上流から下流に向けて作動温度の異なる複数
の熱光発電素子が設けられた点にあり、図3では、最も
上流の高温域に作動温度が2300°Kの熱光発電素子
22aが、中央の中温域に同じく2000°Kの熱光発
電素子22bが、最も下流の低温域に同じく1700°
Kの熱光発電素子22cがそれぞれ設けられている。な
お、上記のように熱光発電素子22a、22b、22c
の作動温度が異なるのは、これらを構成する光発電用セ
ルの最適な光の波長が異なり、これらの波長の光を発生
するための温度が異なるためである。図3の例では、燃
焼室16の上流側に設けられた熱光発電素子ほどより短
波長の光に適した光発電用セルで構成されていることに
なる。
【0021】図4には、図3に示された構成の発電装置
の発電効率が示される。図4において、Aで2300°
Kにおける熱光発電素子22aの発電効率が示され、B
で2000°Kにおける熱光発電素子22bの発電効率
が示され、Cで1700°Kにおける熱光発電素子22
cの発電効率がそれぞれ示されている。また、Dでガス
タービン10により駆動される発電機12の発電効率が
示されている。本変形例では、図4に示されるように、
燃焼室16の高温域、中温域、低温域に、それぞれの部
分の温度で最高の発電効率となるような光発電用セルで
構成された熱光発電素子22a、22b、22cを設け
たので、ガスタービン10に最適な温度の燃焼ガスを供
給しつつ発電装置全体としての発電効率をより高めるこ
とができる。
【0022】なお、本変形例では、燃焼室16の中を燃
焼ガスが移動する間に熱光発電素子22a、22b、2
2cにより発電のためのエネルギが使われて、燃焼ガス
の温度が低下していく。このため、燃焼室16とガスタ
ービン10との間に熱交換器を設けなくとも、ガスター
ビン10に供給される燃焼ガスの温度は所定の温度まで
低下している。また、上記発電装置においても、ガスタ
ービン10の排気から熱交換器18により熱エネルギを
受け取り、冷凍機26によりセル冷却用の冷気を製造し
てそれぞれの熱光発電素子22a、22b、22cの光
発電用セルの冷却に使用している。
【0023】図5には、図3に示された燃焼室16及び
これに設けられた3つの熱光発電素子22a、22b、
22cの具体例が示される。図5において、燃焼室16
の最上流側に配置された第1の熱光発電素子22aは、
光発電用のセル28aとこのセル28aにとって最も発
電効率のよい光のみを透過させる光フィルタ30aとバ
ーナ32による燃焼ガスからの熱を受けて光を発するエ
ミッタ(輻射材)34aとにより構成されている。同様
に燃焼室16の中間位置に配置された第2の熱光発電素
子22bは、光発電用のセル28bと光フィルタ30b
とエミッタ34bとで構成され、燃焼室16の最下流側
に配置された第3の熱光発電素子22cは、セル28c
と光フィルタ30cとエミッタ34cとで構成されてい
る。なお、上記光フィルタ30a、30b、30cは、
エミッタ34a、34b、34cから放射される光を透
過させる光透過部材56の上に設けられている。
【0024】これらの熱光発電素子22a、22b、2
2cは、燃焼室16の上流側に配置されたものほどより
短波長の光に適したものである。これは、上流側の方が
バーナ32から放出される燃焼ガスの温度が高く、エミ
ッタ34a、34b、34cから放出される光が燃焼室
16の上流側ほど短波長となるためである。このように
してバーナ32から放出された燃焼ガスはそれぞれ熱光
発電素子22a、22b、22cにおける発電のために
そのエネルギの一部が使用され、その温度が低下してい
き、下流側からガスタービン10に供給される際には、
ガスタービン10にとって適切な温度、たとえば160
0°Kまで温度が低下する。
【0025】図5に示された燃焼室16においては、セ
ル28a、28b、28cを冷却するためのセル冷却用
空気が各セル28a、28b、28cと光フィルタ30
a、30b、30cとの間の隙間を流れ、セル28a、
28b、28cを冷却する。このようにセル28a、2
8b、28cを冷却した後のセル冷却後空気は、引き続
いてエミッタ34a、34b、34cと接し、ここで加
熱された後、昇温後空気としてバーナ32に燃焼用空気
として供給される。したがって、図3に示される熱交換
器18の機能はエミッタ34a、34b、34cとの熱
交換により代替される。また、バーナ32は、図3に示
された熱交換器18により加熱された燃料が供給され
る。
【0026】図6〜図9には、図5に示された第1、第
2、第3の熱光発電素子22a、22b、22cを構成
する光発電用のセル28a、28b、28cの接続方法
の例が示される。図6において、上流側にあるセルほど
短波長の光に対応したものであり、大きなバンドギャッ
プのものが用いられているので、発生する起電力も大き
くなる。そこで、図6に示された例では、高温域、中温
域、低温域の3つのセル28a、28b、28cを直列
接続し、これら直列接続したものを複数並列に接続して
所定の電圧及び電流を得ようとしたものである。この場
合、各セル28a、28b、28cに流れる電流を同一
にする必要があるので、それぞれのセルの面積を調整し
ている。
【0027】また、図7においては、これら3つのセル
28a、28b、28cを直列に接続したものを1つの
ユニットとしてあらかじめ製造しておけば、一定の電圧
を発生する電池として利用できることを示している。こ
れら各ユニットは、必要に応じて直列接続すればさらに
高い起電力を得ることもできる。
【0028】さらに、高い起電力が必要な場合には、図
8(a)に示されるように、セル28a、28b、28
cをそれぞれ複数個接続し、さらにこれらを直列に接続
することも好適である。また、その場合に、図8(b)
に示されるように、セル28a、28b、28cの直列
接続の数を用途に応じて調整することも可能である。以
上に述べた図7及び図8の場合にも、各セルに流れる電
流を一定とするため、それぞれのセル28a、28b、
28cの面積は適宜調整する。
【0029】また、図9に示されるように、直列接続さ
れたそれぞれのセル28a、28b、28cの起電力が
同一となるように接続するセルの数を適宜調整すること
も好適である。図9に示されるような接続方法によれ
ば、各セルの面積を特に調整しなくても電流の不整合の
問題は生じない。
【0030】実施形態2.図10には、本発明に係る熱
光発電素子と燃焼機関との複合型の発電装置の実施形態
2の構成が示される。図10においても、図1と同一部
材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0031】図10において、発電装置には3基の燃焼
室16が設けられている。これらの燃焼室は並列に設け
られており、それぞれからガスタービン10に燃焼ガス
が供給される。各燃焼室16にはそれぞれ熱光発電素子
22が備えられており、燃焼室16における燃焼エネル
ギの一部である輻射光により発電を行う。
【0032】それぞれの燃焼室16には、たとえばメン
テナンス時等ガスタービン10の停止中でも燃焼室16
及び熱光発電素子22を運転するためのバイパスライン
36が設けられている。これにより、ガスタービン10
のメンテナンス中における発電電力の低下を最小限に抑
えることができる。
【0033】また、燃焼室16あるいは熱光発電素子2
2のメンテナンス時等燃焼室16が停止中においてもガ
スタービン10を運転できるように、予備燃焼室38も
設けられている。
【0034】これらの燃焼室16及び予備燃焼室38に
は、図1の場合と同様に、熱交換器18によりガスター
ビン10からの排気と熱交換され加熱された燃料及び空
気が供給される。
【0035】上述のように、燃焼室16が3基設けら
れ、それぞれに熱光発電素子22が備えられているの
で、これらの運転の組み合わせにより発電電力量を調整
することができる。これによって、負荷側の要求電力に
応じて発電電力を制御することができる。図11
(a)、(b)、(c)には、発電電力の制御の説明図
が示される。図11(a)には、ガスタービン10に流
される燃焼ガスのガス流量と発電機12により発電され
る電力との関係が示される。また、図11(b)には、
3基の燃焼室16にそれぞれ設けられた熱光発電素子2
2の定格出力が等しい場合の発電出力の様子が示され
る。図11(b)は、各熱光発電素子22が定格出力で
運転している場合の図であるが、負荷側の電力需要量に
応じて、運転する熱光発電素子22の数を制御すること
により、3段階で発電電力量を制御できる。したがっ
て、図11(a)と図11(b)との組み合わせによ
り、負荷側の電力需要に応じることができる。
【0036】さらに、図11(c)には、定格出力が異
なる熱光発電素子22を3基の燃焼室16にそれぞれ設
けた場合の例が示される。このように、3つの熱光発電
素子22の出力特性を異ならせることにより、さらにき
め細かな発電電力の制御が可能となる。
【0037】実施形態3.図12には、本発明に係る熱
光発電素子と燃焼機関との複合型の発電装置の実施形態
3に使用される燃焼室の例が示される。図12におい
て、燃焼室16には、内部に内筒52が設けられ、この
内筒52に燃料噴射弁40から燃料が噴射され、同時に
一次空気孔42から一次空気が供給される。このように
噴射された燃料は、点火プラグ44により点火され、さ
らに内筒52に設けられた二次空気孔46、三次空気孔
48から所定量の空気が供給されつつ高温燃焼される。
この燃焼室16は、図示しないガスタービン10と一体
とされており、高温燃焼された燃焼ガスは燃焼室16か
らガスタービン10に供給される。なお、二次空気孔4
6及び三次空気孔48から燃焼室16に供給される空気
は、空気供給口50より供給されるが、たとえば図10
で示された熱交換器18により、ガスタービンの排気と
熱交換することにより加熱され、図示しないコンプレッ
サにて加圧された状態で供給される。
【0038】本実施形態においては、燃焼室16の内筒
52は輻射材で構成されており、エミッタを形成してい
る。また、内筒52は、外殻部材54の内部に収容され
ており、この外殻部材54の所定位置には孔があけられ
ていて、この位置にSiO2ガラスで構成された光透過
部材56が配置されている。内筒52の内部で燃料が高
温燃焼し、エミッタとしての内筒52から光が輻射さ
れ、光透過部材56を介してその光が外部に取り出され
る。外殻部材54の外側の光透過部材56に対応する位
置には、内筒52の周囲を囲うように光発電用のセル2
8が設けられ、光透過部材56を透過してきた輻射光に
より光発電が行われる。なお、上述したエミッタとして
の内筒52が本発明に係る燃焼筒壁部に相当し、内筒5
2と光透過部材56とセル28とにより本発明に係る熱
光発電素子が形成される。この熱光発電素子は、燃焼室
16の上流から下流方向に複数配設されており、上流側
がより短波長の光に適したものとなっている。また、上
述した内筒52を形成している材料としては、たとえば
SiCやドープ型のYAG等を使用することができる。
【0039】以上のような構成により、従来外殻部材5
4から外部に逃げていた熱エネルギをセル28により電
気エネルギに変換できるので、熱損失を低減することが
できる。また、本実施形態においては、燃焼室16中で
発生する燃焼エネルギの一部がセル28により電気エネ
ルギに変換されるため、燃焼室16内の燃焼温度をガス
タービン10の運転温度よりも高く設定しても、ガスタ
ービン10に供給される燃焼ガスの温度をガスタービン
10の運転に最適な温度まで低下させることができる。
したがって、燃焼室16の運転温度を高めに設定でき、
セル28による発電効率を高く維持することができる。
【0040】なお、セル28の外側にセルアッセンブリ
58を設けることにより、セル28の外部損傷を防止す
ることもできる。
【0041】上述したとおり、光透過部材56は、外殻
部材54の所定位置に孔をあけて取り付けてあるが、外
殻部材54の残りの部分である骨格部材60の部分から
は輻射光は透過してこない。したがって、セル28は、
この骨格部材60の影とならないように配置する必要が
ある。図13には、セル28の配置の様子が示される。
図13は、図12を燃料噴射弁40の方向から見た図で
ある。また、図14(a)には、図13からセル28及
びセルアッセンブリ58を取り除いた部分が示され、こ
のB−B断面図が図14(b)に示される。
【0042】また、図15(a)には、図13に示され
たセル28及びセルアッセンブリ58が示され、このB
−B断面図が図15(b)に示される。
【0043】以上の各図より、光透過部材56の配置及
び骨格部材60の影とならないようにセル28を配置し
た様子が示される。
【0044】図16には、本実施形態に係る燃焼室16
の変形例が示され、図12と同一部材には同一符号を付
してその説明を省略する。図16において、燃焼用の空
気は空気フィルタ62を介して外殻部材54とセルアッ
センブリ58とで形成される空間のうち、セル28の隙
間を流れるように供給される。これにより、セル28の
冷却が行われ、セル28における発電効率を向上させる
ことができる。セル28の冷却に使用された空気は、そ
の後図示しないガスタービン10の排気と熱交換器18
により熱交換されて加熱され、コンプレッサで加圧され
た後空気供給孔50から燃焼用の二次空気及び三次空気
として供給される。この空気は、図12で説明したとお
り、内筒52に設けられた二次空気孔46及び三次空気
孔48から燃焼空気として内筒52の内部に供給され
る。なお、セル28の冷却効果をさらに高めるために、
セルアッセンブリ58に放熱用のフィン66を取り付け
るのも好適である。
【0045】図17には、本実施形態に係る燃焼室16
の他の変形例が示され、図12と同一部材には同一符号
を付してその説明を省略する。図17において、光透過
部材56の外面には光フィルタ68が設けられている。
この光フィルタ68は、セル28において光電変換効率
の高い波長のみを透過させ、他の波長の光を燃焼室16
内に反射する機能を有している。これにより、セル28
における発電効率を向上させるとともに、一部の光を反
射することにより、光電変換に使用されずに外部に熱損
失として逃げるエネルギを低減させることができる。こ
れによって、燃焼室16の熱効率を向上させることがで
きる。さらに、光フィルタ68を設けることにより、発
電にさほど寄与できない波長の光がカットされるので、
セル28の温度を低下させることができ、これによって
も発電効率を向上させることができる。
【0046】なお、光フィルタ68の配置される位置と
しては、光透過部材56の外面に限らずその内面もしく
は光透過部材の両面あるいは光透過部材56の近傍に設
けることができる。
【0047】図18には、本実施形態に係る燃焼室16
のさらに他の変形例が示され、本例でも図12と同一部
材には同一符号を付してその説明を省略する。図18に
おいて、セルアッセンブリ58の外側には冷却器70が
設けられている。この冷却器70には、たとえば図1に
示された吸着式あるいは吸収式の廃熱を利用した冷凍機
により生成された冷気が流され、これによりセル28を
冷却する構成となっている。図18に示された冷却器7
0は、セルアッセンブリ58の外側に巻かれたパイプで
構成されている。このようにセル28を冷却することに
より、セル28における発電効率を向上させることがで
きる。
【0048】また、Ge、GaSb等で構成されたセル
よりもエネルギギャップが小さい、すなわちより長波長
側で発電できるセルの材料であるInSb等は、高温に
なると発電能力がなくなり、熱光発電素子のセル28と
して使用することは困難であるが、本変形例のように冷
却器70で冷却すれば使用が可能となる。これにより、
一部のセルを上記InSbで構成することにより、より
長波長側での発電も効率よく行うことができるので、さ
らに光電変換効率を向上させることができる。
【0049】図19及び図20には、本実施形態に係る
燃焼室16のさらに他の変形例が示され、本例でも図1
2と同一部材には同一符号を付してその説明を省略す
る。燃焼室16内の温度は、燃焼初期においてはさほど
高温になっておらず、エミッタとしての内筒52からの
発光量は極めて少量である。このため、燃焼初期段階に
おいては、内筒52からの輻射光ではなく、燃焼室16
内において燃焼している炎の光により直接発電するほう
が効率がよい。そこで、本変形例では図19に示される
ように、燃焼初期段階では、内筒52を図の下方向にず
らし、内筒52の上部に所定の間隙をあけてここから出
てくる炎の光によりセル28で発電する構成となってい
る。この場合、内筒52は、形状記憶合金ばね72によ
り支持された構造となっている。この形状記憶合金ばね
72は、温度の低い、すなわち燃焼初期段階では内筒5
2を図の下方向に下げた位置で支持している。これに対
して、図20に示されるように、燃焼温度が上昇した段
階では、内筒52を図の上方向に押し上げ、内筒52の
上部の隙間を閉じるように変形する。
【0050】図19において、燃焼の初期段階では、上
述のとおり内筒52の上部に間隙があるので、前述した
各燃焼室16の例のように、内筒52に設けられた二次
空気孔46及び三次空気孔48から二次空気及び三次空
気を供給することが困難となっている。そこで、燃料噴
射弁40の近傍下部に臨時空気供給口74を設け、ここ
から初期段階での燃焼用空気を供給する。なお、点火プ
ラグ44も上下に移動する内筒52の胴部ではなく移動
しない上部に取り付けられている。
【0051】図19に示された状態で初期段階の燃焼が
行われ、燃焼室16内の温度が上昇していくと、上述の
とおり形状記憶合金ばね72の変形により内筒52が上
部に移動され、図20に示されるように間隙が閉じられ
る。この段階では、内筒52の温度も十分高くなってい
るので、セル28はエミッタである内筒52からの輻射
光を光透過部材56を介して受け取り発電動作を行う。
【0052】以上のような構成により、燃焼初期段階に
おける発電効率をより向上させることができる。
【0053】実施形態4.図21(a)、(b)には、
本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との複合型の発電
装置の実施形態4の構成が示される。図21(a)にお
いて、光発電用のセル28は、燃焼機関としてのレシプ
ロ機関のシリンダの胴部に設けられている。このセル2
8が設けられたシリンダの胴部は、SiO2ガラスで構
成されており、セル28の保護とともに光透過部材56
としても機能している。これらのセル28及び光透過部
材56は、アルミケース76により一体化されており、
アルミケース76の外側には冷却水通路78が設けられ
ている。これにより、冷却水通路78を流れる冷却水に
よりアルミケース76を介してセル28が冷却される構
成となっている。
【0054】図21(a)に示された内燃機関において
は、シリンダヘッドに吸排気弁80が設けられており、
これにより吸排気を行わせながらコネクティングロッド
82が接続されたピストン84が燃料の爆発エネルギよ
り上下運動を行う。この際、燃料の爆発時にエネルギの
一部が光となるので、この光を光透過部材56を介して
光発電用のセル28が受け取り光発電を行う。従来この
ような光は、その後熱エネルギとなって外部に逃げ、熱
ロスとなっていたが、本実施形態のようにこれを電気エ
ネルギに変換することにより有効利用することができ
る。
【0055】各セル28は、図21(b)に示されるよ
うに接続線86により円周方向に配置されたセル毎に直
列に接続されている。また、セル28で発電された電力
は、引き出し線88により外部に取り出される構成とな
っている。
【0056】上述のセル28は、ダイオード特性を有す
るので、光が当たっていない場合には電流が流れない。
したがって、あるセル28に光が当たり光発電が行われ
ていても、これと直列に接続されたセル28に光が当た
っていない場合には回路全体としては電流が流れなくな
る。例えば、シリンダ中のピストン84の位置を図22
に示されるように各セル28の縦方向の位置毎にA、
B、C、D点とする。ただしD点はピストンの最下位点
を示す。このような構成において、上段、中段、下段の
セル28をすべて直列に接続した場合には、光セル28
に生じる電圧Vと流れる電流iの時間変化は図23
(a)、(b)に示されるようになる。すなわち、ピス
トン84の位置が図22のCまで降りるまでは、一部に
光の当たっていないセル28(最下段のセル28)が存
在するため、電圧を発生していても電流が流れないこと
となる。これに対してピストン84がC点まで到達する
と、すべてのセルに光が当たり始めるので電流が立ち上
がり、D点とC点の間にいる時のみ最高の電流が流れ
る。したがって、セル28の数を増やしても、セル28
による発電電力を大きくすることができない。
【0057】そこで、セル28はシリンダの円周方向に
のみ直列に接続し、各段のセル28から電力を取り出す
回路にスイッチを設け、光の当たっているセル28の回
路のみONとする構成とすれば、光の当たっているセル
28から常に発電電力を取り出すことが可能である。図
24(a)には、このための回路構成が示される。図2
4(a)において、A、B、Cは図22におけるピスト
ン84の位置がそれぞれA、B、Cにあるときに爆発に
よる光が当たるセル28を示す。また、K1、K2、K
3は、それぞれ切り替えスイッチを示し、図示しない制
御回路により制御される。この切り替えスイッチがa側
にあるときにはそのセル28から発電電力が取り出さ
れ、b側にあるときには下段のセル28と直列接続の状
態となる。また、それぞれのセル28から取り出された
発電電力はいったんバッテリ24に蓄えられる。
【0058】図24(a)に示された回路により取り出
される発電電流及び電圧の様子が図24(b)、(c)
に示される。図24(c)では、各スイッチの位置とそ
の場合に発生する電圧との関係が示される。たとえば、
ピストン84の位置がAであり、最上段のセル28にの
み光が当たっている場合には、スイッチK1をa側に倒
し、最上段のセル28における発電電圧のみにより発電
電流を取り出す。次にピストン84が位置Bまで降りて
きたときには、スイッチK1をb側に、スイッチK2を
a側に倒せば、最上段と中段のセル28とが直列接続と
なり、これに対応した電圧により発電電流を取り出すこ
とができる。さらに、ピストン84の位置がCより下が
った場合には、すべてのスイッチをb側に倒し、上段、
中段、下段のセル28を直列接続として発電電流を取り
出す。以上のようにして発電電流を取り出した場合の様
子が図24(b)に示される。この図からわかるよう
に、常に光の当たっているセル28のみバッテリ14と
接続できるようにスイッチK1、K2、K3を制御する
ので、光の当たっていないセル28のダイオード特性に
より、発電電流が取り出せなくなる時間をなくすことが
でき、図23(a)と比較して大幅に電流量を増加させ
ることができている。
【0059】なお、セル28による発電は、シリンダ内
における燃料の爆発時のみ行われるので、爆発工程の後
の排気及び吸気行程では光発電は行われない。したがっ
て、上述した発電工程は、シリンダ内における爆発工程
においてのみ実行されるものである。このため、爆発工
程以外の時間では、たとえばバッテリ14に接続された
スイッチK4をOFFとしておく。
【0060】図25には、上記スイッチ制御の工程のフ
ローが示される。図25において、図示しない制御回路
によりエンジン回転数を計測し(S1)、ピストン速度
を算出する(S2)。
【0061】また、シリンダ内の爆発工程を検知するた
めに点火信号を確認する(S3)。
【0062】以上のピストン速度及び点火信号の有無に
より制御回路がシリンダ内の爆発工程時において図24
(c)に示されるようなスイッチ制御を行う(S4)。
【0063】図26には、本実施形態に係る発電装置の
変形例が示され、図21(a)と同一部材には同一符号
を付してその説明を省略する。図26において、光発電
用のセル28はピストン84の上部に設けられており、
このセル28の上部にはSiO2等の材料で構成された
光透過部材56が設けられている。また、セル28で発
電された電力は引き出し線88により取り出され、コネ
クティングロッド82を通じてスリップリング等から取
り出される。
【0064】このような構成とすることにより、ピスト
ン84がどの位置にあっても、常に爆発による光をセル
28で受けることができ、図24で示されたような複雑
な制御回路を不要とすることができる。
【0065】図27には、本実施形態に係る発電装置の
他の変形例が示され、本例でも図21(a)と同一部材
には同一符号を付してその説明を省略する。本変形例で
は、セル28がシリンダヘッドに設けられている。この
ような構成とすれば、セル28が常に静止状態であるの
で、引き出し線88からの発電電力の取り出しを容易に
行うことができる。
【0066】図28には、本実施形態に係る発電装置の
さらに他の変形例が示され、本例でも図21(a)と同
一部材には同一符号を付してその説明を省略する。本変
形例でも、セル28はシリンダヘッドに設けられている
が、ピストン84の上面に、たとえば銀めっき等による
反射部90が設けられている。これにより、爆発により
生じた光のうちピストン84側に向かった光も、反射部
90で反射され、すべてセル28の方向に向かわせるこ
とができる。これにより、セル28における発電効率を
向上させることができる。なお、かかる反射部90は、
ピストン84上面のみならずシリンダの内面にも施すの
が好適である。
【0067】実施形態5.以上に述べた各実施形態にお
いては、光の発生源とセル28との間に設けられた光透
過部材56としては、SiO2ガラス等が用いられてい
た。この光透過部材56として、たとえば二次非線形性
を有する材料を用い、発光源の光をより短波長化すれば
セル28により光電変換できなかった長波長側の光も発
電に利用可能となる。そこで、図5、図12、図16、
図17、図18、図19、図20において、熱光発電素
子を構成するセル28の前面に設けられた光透過部材5
6として波長変換用非線形光学フィルタを使用すること
が好適である。ただし、非線形光学フィルタは、高温に
さらされるとその二次非線形性が消失するので、高圧電
源に接続された電極を備え、この電極により常にこの非
線形光学フィルタにポーリング電界を印加する必要があ
る。このように、非線形光学フィルタにポーリング電界
を印加するための高圧電源としては、たとえば燃焼機関
の点火プラグ44に点火用の電力を供給する電源等が考
えられる。
【0068】図29(a)、(b)には、本実施形態に
係る発電装置の変形例が示される。本変形例において、
実施形態4に示されたレシプロ機関のシリンダを構成す
る光透過部材56がその半径方向に2分割されており、
内側にはSiO2ガラスが配置され、外側には二次非線
形性を有するSiO2−GeO2ガラスが配置されてい
る。この様子が図29(a)のB−B断面図である図2
9(b)に示されている。また、これらのSiO2ガラ
ス及びSiO2−GeO2ガラスの間には、SiO2−G
eO2ガラスにポーリング電界を印加するための電極9
2が設けられている。この電極92には、点火プラグ4
4に電圧を印加するためのイグニッション回路から高圧
電源がレシプロ機関の点火と同時に印加される。これに
より、点火のたび毎に高圧電界がSiO2−GeO2ガラ
スに印加され、点火動作のたび毎にポーリングが実施さ
れる。したがって、SiO2−GeO2ガラスが燃焼機関
の高温状態にさらされても、二次非線形性を常に維持す
ることができる。したがって、爆発工程で発生した光の
波長を常に短波長化することができ、高効率の光発電を
行うことができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガスタービン機関の前段に設けられた燃焼室の燃焼温度
を高温に維持して熱光発電素子での発電効率を高めると
ともに、ガスタービンへ燃焼ガスを供給する際には、燃
焼ガスの温度が降温されているのでガスタービン機関の
運転と調和させることが可能となる。
【0070】また、上記燃焼室の上流側から下流側に向
けて熱光発電素子を複数設け、かつ上流側をより短波長
の光に適したものとするので、発電効率を向上させるこ
とができる。
【0071】また、並列に複数設けられた燃焼室に備え
られる熱光発電素子の特性を異ならせ、これを選択使用
すれば、負荷側の要求出力に応じた最適な発電を行うこ
とができる。
【0072】また、燃焼室とガスタービン機関との間に
熱交換器を設ければ、ガスタービン機関へ供給する燃焼
ガスの温度を最適に調整でき、燃焼室の温度を高温に維
持して運転できるので、熱光発電素子による発電効率が
向上できる。
【0073】また、ガスタービン機関と一体の燃焼室に
複数の熱光発電素子を設け、上流側の素子をより短波長
に適したものとすれば、高い発電効率と、ガスタービン
機関へ供給する前の燃焼ガスの十分な降温とを両立する
ことができる。
【0074】また、燃焼室内に輻射材で構成された燃焼
筒壁部を設けることにより、熱光発電素子に適した波長
の光を得ることができ、発電効率を向上できるととも
に、燃焼ガス温度をガスタービン機関に適する温度まで
十分に降温することができる。
【0075】また、熱光発電素子の前面に非線形光学フ
ィルタを設け、より長波長側の光まで発電に利用すると
ともに、この非線形光学フィルタをポーリングにより再
生し、長期間効果を維持することができる。
【0076】また、ポーリング電界として燃焼機関の点
火装置の電源を用いることにより、自動的に上記ポーリ
ングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との複
合発電装置の実施形態1の構成図である。
【図2】 図1に示された発電装置における発電効率の
説明図である。
【図3】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との複
合発電装置の実施形態1の変形例を示す図である。
【図4】 図3に示された発電装置の発電効率の説明図
である。
【図5】 図3に示された燃焼室の構成例を示す図であ
る。
【図6】 図3に示された複数のセルの接続例を示す図
である。
【図7】 図3に示された複数のセルの接続例を示す図
である。
【図8】 図3に示された複数のセルの接続例を示す図
である。
【図9】 図3に示された複数のセルの接続例を示す図
である。
【図10】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態2の構成を示す図である。
【図11】 図10に示された発電装置の運転例の説明
図である。
【図12】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態3の構成を示す図である。
【図13】 図12に示された発電装置の平面図であ
る。
【図14】 図12に示された骨格部材の平面図及び断
面図である。
【図15】 図12に示されたセルアッセンブリの平面
図及びB−B断面図である。
【図16】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態3の変形例を示す図である。
【図17】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態3の他の変形例を示す図であ
る。
【図18】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態3のさらに他の変形例を示す図
である。
【図19】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態3のさらに他の変形例を示す図
である。
【図20】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態3のさらに他の変形例を示す図
である。
【図21】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態4の構成を示す図及びB−B断
面図である。
【図22】 図21に示されたピストンの位置の説明図
である。
【図23】 本実施形態に係る工夫を施さない場合のセ
ルにおける発電電流及び発電電圧を示す図である。
【図24】 本実施形態に係る制御回路及びこの制御回
路使用した場合の発電電流及び発電電圧を示す図であ
る。
【図25】 図24に示された制御回路における運転工
程を示すフロー図である。
【図26】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態4の変形例を示す図である。
【図27】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態4の他の変形例を示す図であ
る。
【図28】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態4のさらに他の変形例を示す図
である。
【図29】 本発明に係る熱光発電素子と燃焼機関との
複合発電装置の実施形態5の変形例を示す図である。
【符号の説明】
10 ガスタービン、12 発電機、14 バッテリ、
16 燃焼室、18,20 熱交換器、22 熱光発電
素子、24 モータ、26 冷凍機、28,28a,2
8b,28c セル、30a,30b,30c 光フィ
ルタ、32 バーナ、34a,34b,34c エミッ
タ、36 バイパスライン、38 予備燃焼室、40
燃料噴射弁、42 一次空気孔、44 点火プラグ、4
6 二次空気孔、48 三次空気孔、50 空気供給
口、52 内筒、54 外殻部材、56 光透過部材、
58 セルアッセンブリ、60 骨格部材、62 空気
フィルタ、64 コンプレッサ、66 フィン、68
光フィルタ、70 冷却器、72 形状記憶合金ばね、
74 臨時空気供給口、76 アルミケース、78冷却
水通路、80 吸排気弁、82 コネクティングロッ
ド、84 ピストン、86 接続線、88 引き出し
線、90 反射部、92 電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 進 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA01 AA08 JA20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱光発電素子と燃焼機関との複合型の発
    電装置であって、発電機を駆動するガスタービン機関の
    前段に、ガスタービン機関とは別体とされ、熱光発電素
    子が備えられた燃焼室が独立して設けられ、この燃焼室
    で燃料を高温燃焼させつつ前記熱光発電素子で発電を行
    わせ、ガスタービンへ燃焼ガスを供給する際には燃焼ガ
    ス温度が所定の温度まで低下されていることを特徴とす
    る発電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発電装置において、前記
    熱光発電素子は前記燃焼室の上流から下流に向けて複数
    設けられ、上流側がより短波長の光に適したものである
    ことを特徴とする発電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発電装置において、前記
    燃焼室が並列に複数設けられ、それぞれに備えられた前
    記熱光発電素子の出力特性を異ならせるとともに、要求
    出力に応じて燃焼室が選択使用されることを特徴とする
    発電装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発電装置において、前段
    の前記燃焼室と後段の前記ガスタービン機関との間に熱
    交換器が介在され、前記燃焼室に供給される燃料または
    空気がこの熱交換器で加熱されることを特徴とする発電
    装置。
  5. 【請求項5】 熱光発電素子と燃焼機関との複合型の発
    電装置であって、発電機を駆動するガスタービン機関と
    一体の燃焼室に、その燃焼室の上流から下流方向に複数
    の熱光発電素子が配設され、前記複数の熱光発電素子は
    上流側がより短波長の光に適したものであることを特徴
    とする発電装置。
  6. 【請求項6】 熱光発電素子と燃焼機関との複合型の発
    電装置であって、発電機を駆動するガスタービン機関と
    一体の燃焼室内に設けられた燃焼筒壁部が輻射材に置換
    され、前記燃焼筒壁部から発生した光により発電を行う
    光発電セルが前記燃焼筒壁部の周囲に設けられ、前記燃
    焼筒壁部と前記光発電セルとにより熱光発電素子が構成
    されていることを特徴とする発電装置。
  7. 【請求項7】 熱光発電素子と燃焼機関との複合型の発
    電装置であって、燃焼機関に配設された熱光発電素子の
    前面に波長変換用非線形光学フィルタが設けられ、この
    フィルタは高圧電源に接続された電極を備え、前記フィ
    ルタにポーリング電界が形成されることを特徴とする発
    電装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発電装置において、前記
    高圧電源は前記燃焼機関の点火装置の電源であることを
    特徴とする発電装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の発電装置において、前記
    燃焼機関はレシプロ機関であり、前記燃焼機関の点火と
    同時に前記フィルタの電極に電圧が印加されることを特
    徴とする発電装置。
JP25849999A 1999-09-13 1999-09-13 発電装置 Withdrawn JP2001082167A (ja)

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