JP2001039763A - 複合セラミックス、これを用いた複合ポリマー組成物及びそのポリマー製品 - Google Patents

複合セラミックス、これを用いた複合ポリマー組成物及びそのポリマー製品

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JP2001039763A
JP2001039763A JP11210498A JP21049899A JP2001039763A JP 2001039763 A JP2001039763 A JP 2001039763A JP 11210498 A JP11210498 A JP 11210498A JP 21049899 A JP21049899 A JP 21049899A JP 2001039763 A JP2001039763 A JP 2001039763A
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Nobuhide Maeda
信秀 前田
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MOCHISE DENKI KK
NIPPON GIKEN KOGYO KK
SUMIYOSHI KINZOKU KK
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MOCHISE DENKI KK
NIPPON GIKEN KOGYO KK
SUMIYOSHI KINZOKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性、脱臭性に優れ、かつ使用後に廃棄し
焼却する際にダイオキシン類の発生を抑制することがで
きる複合セラミックスを提供する。 【解決手段】 酸化チタンおよび焼成ドロマイトを含有
することを特徴とする複合セラミックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な複合セラミ
ックス、これを用いた複合ポリマー組成物及びそのポリ
マー製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック等の樹脂組成物を用いた樹
脂製品の加工には、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、帯電
防止剤等の配合剤や添加剤が必要不可欠である。抗菌・
防カビ剤もまた、一部のプラスチック等の樹脂組成物に
とっては必須の添加剤の1種であり用途によっては、プ
ラスチック等の樹脂組成物の種類に限らず必須成分とな
っている。例えば、プラスチック等の樹脂組成物の微生
物による被害は今日では常識であり、軟質塩化ビニル樹
脂やウレタン樹脂など被害を受けやすいプラスチック以
外にも何らかの抗菌処理を必要とする場合が多い。
【0003】現在提供されているプラスチック等の樹脂
組成物に使用される抗菌・防カビ剤は、大きく分けて有
機系と無機系に区別できる。
【0004】有機系抗菌・防カビ剤には、従来から殺菌
剤として知られた薬剤のなかで、プラスチックの加工時
の加熱に耐えることができ、プラスチック製品に練り込
んだ状態で持続性を有する安定なものが用いられてお
り、代表的な有機系抗菌・防カビ剤には、2−(4−チ
アゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジク
ロロメチルチオ)−フタルイミド、2,3,5,6−チ
トクロロ−4−(メチルスルフォニル)−ピリジン、1
0,10′−オキシビスフェノキシアルシン、トリメト
キシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロラ
イド、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛等が
ある。
【0005】しかしながら、こうした有機系抗菌・防カ
ビ剤は、揮発・溶出によりプラスチックの加工製品よ
り、環境に拡散し即効効果を示すため、その有効期限が
比較的短く、人体等への影響が比較的強いといえる。ま
た、有機系抗菌・防カビ剤の中には催奇性の疑いのある
ものや、廃棄物が毒性を有するものもあるなど、その安
全性の確保に難点があった。さらに、抗菌・防カビ剤自
体の潜在的毒性やガス化した場合の毒性、熱分解物の毒
性など加工、使用、廃棄の全ての段階において安全であ
ることが望まれる様な用途では特にその安全性の確保に
難点があるといえる。また、有機系抗菌・防カビ剤に
は、プラスチックの加工温度(軟質塩化ビニル樹脂のよ
うに200℃以下のものもあるが、そのほとんどが20
0℃以上であり、300℃近くのものさえある。)にお
いて、単品での耐熱性はあるが、プラスチックに添加し
た場合には、それ以下の温度で分解して樹脂を黄変させ
たり、成型に悪影響を及ぼす場合もある。さらには、こ
うした有機系抗菌・防カビ剤は、比較的高価である。
【0006】一方の無機系抗菌・防カビ剤は、銀、銅、
亜鉛などの抗菌性金属を、燐酸ジルコニウム、ゼオライ
ト、ヒドロキシアパタイト、シリカ・アルミナ、シリカ
ゲル等の無機イオン交換体ないし多孔質体の担体に担持
した金属置換型の抗菌・防カビ剤がほとんどで、なかで
も効果が高く安全性の高い銀系無機抗菌剤が一般に多く
使用されている。こうした無機系抗菌・防カビ剤では、
有機系抗菌・防カビ剤のような上記諸問題は生じないも
のの、有効成分である金属イオンが触媒的にプラスチッ
クの母材樹脂を劣化させたり、銀系無機抗菌剤では、特
に光(紫外線)により金属銀に変化し変色しやすいなど
耐光性に難点があるものもある。また、こうした無機系
抗菌・防カビ剤も、無機イオン交換体や多孔質体に担持
させる必要があり、所定の製造工数を要するため、比較
的高価でもある。また、こうした従来の無機系抗菌・防
カビ剤は、有機系抗菌・防カビ剤のような揮発・溶出は
ほとんど起こさないため、加工製品等のプラスチック成
型品表面に分散したものが細菌、カビ類と接触すること
によって初めて効果を生じるため、母材樹脂(あるいは
プラスチック表面に抗菌性塗膜を形成する場合には、該
塗膜原料である塗料の樹脂成分)に所定の比率で従来既
知の無機系抗菌・防カビ剤を添加混入してプラスチック
(あるいはプラスチック表面に抗菌性塗膜)を加工して
も充分な抗菌性を有するものを製造することはできず、
さらには、母材樹脂等に所定の比率で新規かつ極めて高
い抗菌性を有する複合セラミックスを含む無機系抗菌・
防カビ剤を添加混入してプラスチック等を加工したとし
ても、従来レベルを超える抗菌性を有するものを製造す
ることはできなかった。
【0007】また、こうしたプラスチック等の樹脂組成
物のほか、紙・パルプ、繊維、木材などの材料(繊維質
材料)やその添加剤、さらにはこれらを適当に組み合わ
せるなどして製造加工される各種複合材料、例えば、天
然ないし合成繊維およびこれを用いてなる衣類等の繊維
加工品;生鮮食品や惣菜や弁当等を入れるパックやトレ
ーなどの容器類や鮮度フィルム類;お菓子等の食品や飲
料品用の包装材料や、天井や壁などの建築用の内装材や
装飾材として使われるプラスチック、不織布、紙・パル
プ、さらにはこれらに蒸着されるアルミニウムなどで構
成される単層または多層構造のフィルム、シートないし
各種成形加工品;合板や木質ボード等の木材加工材;各
種塗料などでも、抗菌・防カビ性を有するものが多く求
められるようになってきている。
【0008】一方、現在、全国各地に設置されている焼
却炉から発生されているダイオキシン類および焼却炉の
灰分にも相当量のダイオキシン類が含有しているのが現
状である。
【0009】ここで、一般に環境汚染物質として注目さ
れているダイオキシンとは、ポリ塩化ジベンゾパラジオ
キシン(PCDDs)のことで、置換している塩素分子の数と
場所によって75種類の同族体(異性体を含む)がある。
また通常このPCDDs と一緒に生成し、同じ様な化学構造
と性質を持つポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)も135
種類の同族体を持つ化合物群である。最近はダイオキシ
ン関連物質として、いろいろな塩素化合物が論議の対象
となっているが、その評価は必ずしも確定したものでは
なく、環境中で検出されるダイオキシン関連物質も、一
般に複雑な同族体の混合物であることから、本明細書で
は、環境汚染物質としてPCDDsとPCDFsの両者
(同族体を含む)をあわせてダイオキシン類とした。こ
れらの化合物は環境中で極めて安定で、生物に対する毒
性の強いものが多く、人類にとって全く有用性に欠ける
物質群であり、商業的な生産は行われていない。ダイオ
キシン類の生成は、各種の化学物質、たとえば塩化フェ
ノール等の防腐剤などの製造の際に、微量ではあるが不
純物として副生し、製品中に混入して市場に出回った
り、生産工場から環境へ直接排出物として放出されたり
する例がある。また、産業廃棄物の埋め立て処理などの
場合、不純物としてのダイオキシンが浸水などで漏出し
て地下水等を汚染する場合があるが、発生源として特に
重要なのは、発生量の大半を占める都市ごみの焼却のよ
うな熱化学反応による生成である。すなわち、近代化学
工業の発展とともに有機塩素化合物の使用が世界的に増
加し、これらの物質が老朽化等により処分され都市ゴミ
などの一般廃棄物として廃棄もしくは産業廃棄物として
分別廃棄され、その焼却の際にダイオキシン類を生成す
ることが問題とされるようになった。特に、我が国は国
土が狭く、埋め立て処理をする場所が少ないこともあっ
て、大半の一般廃棄物が焼却処理されており(例えば、
1994年の調べでは、我が国の都市ごみ焼却炉の数は
約2,000に近く、焼却される廃棄物の量も年間3,7
00万トンと他の国と比べてかなり多く、年々増加傾向
にある。)、ダイオキシン類の発生量の78〜88%が
都市固形廃棄物の焼却によるものであるとの報告があ
る。また、廃油、廃プラスチック、汚泥などの焼却処理
も広く行われているが、これらも含めて、焼却処理はダ
イオキシン類発生源として最も重要なものである。この
他にも、医療関係の廃棄物はふつう医療施設に設けられ
た小規模な焼却施設で焼却されるが、運転管理が十分に
行われているとはいえず、ダイオキシン類の生成量は都
市固形廃棄物と同じレベルであると考えられている。
【0010】次に、都市ごみの焼却のような熱化学反応
によるダイオキシン類の生成のメカニズムについてはい
ろいろな研究報告があるが、現在のところ、下記に示す
化学構造式(化1)を用いて表した「ごみ焼却などによ
る有機物からのダイオキシンの生成機構模式図」にまと
めたように、有機物の分解によって生じた塩化フェノー
ルや塩化ベンゼンのような小分子の化合物が高温で縮合
して生成する、および焼却によって生じた灰の表面の触
媒作用下で、炭素骨格と塩素から合成される(de novo合
成)との考え方が一般的である。また、ダイオキシン類
の生成メカニズムに不可欠な塩素に着目した場合、下記
に示す「塩素および塩素使用製品の主な用途」(化2)
にあるように塩素および塩素使用製品は、あらゆる用途
に使われており、これらが廃棄物として廃棄され、焼却
される際にダイオキシン類の合成に関与しているもので
ある。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】上述したような廃棄物の焼却の際に発生す
るダイオキシン類の排出抑制のためには、焼却対象とな
る廃棄物を減量することがまず第一であるが、廃棄物焼
却施設のダイオキシン排出抑制には、燃焼管理を含めた
完全燃焼により炉(ボイラ)からの生成を極力抑制し、
さらに各種技術の組み合わせによる排ガス処理系で対応
を図ることが重要との観点から開発が進められている。
【0014】このうち、完全燃焼を達成するには、高い
燃焼ガス温度、充分なガスの滞留時間と炉内での充分な
ガス攪拌・二次空気との混合が必要であり、このための
炉体技術とファジィ制御を組み合わせた自動燃焼制御が
実用化されている。しかしながら、高い燃焼ガス温度を
保持する必要があるため、ランニングコストや維持管理
費等が高くなり、また焼却炉の内壁の劣化がはやくなる
ため、より高温耐熱性に優れた耐火材を用いる必要があ
り、さらに炉体技術とファジィ制御を組み合わせた自動
燃焼制御は、これらを要しない既存焼却炉ないし小規模
な焼却施設では容易に対応できず、改修費用が高くなる
問題があり、約2000に近くある都市ごみ焼却炉その
他の焼却施設にこうした設備を設けることは実際上困難
である。
【0015】また、排ガス処理系では、処理温度の低温
化、ダスト除去性能の向上、吸着作用の利用が図られて
おり、バグフィルタの低温化、粉末活性炭の噴霧、活性
炭系吸着塔による除去、触媒(チタン・バナジウム系、
貴金属系)によるダイオキシン類の分解除去、さらに化
学抑制材(トリエタノールアミン、過酸化水素水等)に
よる低減化技術が開発されている。しかしながら、バグ
フィルタの低温化、粉末活性炭の噴霧、活性炭系吸着塔
による除去方法は、ダイオキシン類の生成を抑制できる
ものではなく、活性炭は選択的にダイオキシン類を吸着
できるものではなく、ダイオキシン類以外の排気ガス中
の他の成分も吸着するため、その吸着寿命が短く、頻繁
に取り替える必要があり、また、回収したダイオキシン
類を吸着した活性炭を処分するには、別途分解し無害化
する処理施設が必要となる為、最終処理段階に至るまで
の工数が多くなり、またコスト高にもなる。さらにこれ
ら活性炭自身が燃焼または爆発するなどの災害を引き起
こすこともあった。また、触媒(チタン・バナジウム
系、貴金属系)によるダイオキシン類の分解除去方法
も、ダイオキシン類の生成を抑制できるものではなく、
例えば、活性炭素繊維に数オングストロームの金(貴金
属)や酸化鉄の粒子を均一に分散(担持)した排ガスフ
ィルターとする場合にダイオキシン類を分解することが
できるとの報告があるが、金等の貴金属触媒を使用する
ため必然的に高コスト化とならざるを得ず、既存焼却炉
ないし小規模な焼却施設では容易に対応できず、改修費
用が高くなる問題があり、約2000近くある都市ごみ
焼却炉その他の焼却施設にこうした設備を設けることは
実際上困難であるほか、耐久性の見極めが今後の課題と
なっているなど実用化に向けてクリアすべき課題もあ
り、実用化にはなお多くの時間を要するものである。さ
らに化学抑制材(トリエタノールアミン、過酸化水素水
等)による低減化技術では、ダイオキシン類の生成の低
減化が達成されるにとどまり、十分にその発生を抑制で
きるものではなく、また、トリエタノールアミン、過酸
化水素水等の化学抑制材も比較的高価であり、またこれ
らの取り扱いや保管には相当の注意を要するため、こう
した化学物質に対する十分な知識を有するものが当たら
ねばならず、約2000近くある都市ごみ焼却炉その他
の小規模な焼却施設を含む焼却施設にこうした設備や専
門家を配備して対応することは実際上困難であるほか、
国内で年間に焼却される廃棄物量3700万トンの処理
に必要な化学抑制材を供給することも実際上困難なもの
である。
【0016】また、塩化水素の抑制剤としては、従来、
方解石(CaCO3 )が使われているが、焼却炉の場
合、一次燃焼室では反応効率が悪いため、二次燃焼室よ
り後の工程で使用されるのが通例であり、ダイオキシン
の発生を抑制する解決策になり得ていなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、抗菌活性、防カビ性および脱臭性に優れ、かつ焼却
する際にダイオキシン類および毒性の強いダイオキシン
類の合成に不可欠の塩素系ガスの発生を抑制することが
できる複合セラミックスおよびこれを用いてなる複合ポ
リマー組成物及びポリマー製品を提供するものである。
【0018】また、本発明の目的は、さらに安価に安定
して大量に入手できるものであって、さらに簡便な手法
により得られる複合セラミックスおよびこれを用いてな
る複合ポリマー組成物及びポリマー製品を提供するもの
である。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、鋭意検討した結果、焼成ドロマイトでは、
ダイオキシン類および毒性の強いダイオキシン類の合成
に不可欠の塩素系ガスの発生の発生を抑制し、また発生
したダイオキシン類や塩素系ガスを分解するのにも極め
て有用であり、さらに、高い抗菌活性、防かび性、脱臭
性、放射率を半永久的に発現することができ、その安全
性も確認されている(食品添加物である)ため、該焼成
ドロマイトを担持体等を用いなくとも母材原料に添加す
る事で複合材料化することができることを知得した。さ
らに、酸化チタンがこうした焼成ドロマイトの持つ抗菌
活性を高める活性剤として極めて有用であり、さらに、
近年、該酸化チタンが光触媒として地球温暖化の元凶で
ある二酸化炭素の還元など、環境問題に関連した利用が
進められているほか、トイレの悪臭物質分解、院内感染
防止のための殺菌にも有効である。ただし、本発明で
は、酸化チタンのこうした特性を利用するのではない。
すなわち、酸化チタンだけでは無機抗菌剤と同様に樹脂
に混練させた非接触状態では光触媒効果が十分でない
が、本発明では、樹脂等の母材成分中に混練させた非接
触状態でも十分にその効果を発現できる焼成ドロマイト
の力を最大限に機能させるための活性剤としての機能に
着目したものである。また、焼成ドロマイト及び酸化チ
タンは、いずれも耐熱性、耐光性を有しているので、プ
ラスチックや紙・パルプなどに添加した場合に製造段階
で分解して樹脂や紙を黄変、劣化させたり、成形加工に
悪影響を及ぼすこともなく、これらを含有する複合ポリ
マー組成物およびこれを用いたポリマー製品の製造加工
が容易となり、その性能や品質の劣化等を防止すること
ができることをも知得し、これらにより多くの製品への
利用を図ることができ、得られた製品でも、十分な抗菌
活性、防かび性、脱臭性、放射性等を発現でき、さらに
ポリマー製品を(さらには他の一般廃棄物と共に)焼却
した際にダイオキシン類や塩素系ガスの発生を抑制する
ことができ、排ガスおよびその焼却灰中のダイオキシン
類を極めて低濃度に抑えるのに、より有効で、かつ有用
であることを見出し、本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0020】すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜
(14)に記載の新規な複合セラミックス、並びにこれ
を用いてなる複合ポリマー組成物およびポリマー製品に
より達成されるものである。
【0021】(1) 酸化チタンおよび焼成ドロマイト
を含有することを特徴とする複合セラミックス。
【0022】(2) 前記焼成ドロマイトが、ドロマイ
トを900〜1200℃の範囲で焼成してなるものであ
ることを特徴とする上記(1)に記載の複合セラミック
ス。
【0023】(3) 前記焼成ドロマイトの粒度が、3
μm以下であることを特徴とする上記(1)または
(2)に記載の複合セラミックス。
【0024】(4) 前記焼成ドロマイトの含有量が、
複合セラミックスの総重量を基準として50〜85重量
%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれ
か1つに記載の複合セラミックス。
【0025】(5) 前記酸化チタンの粒度が、3μm
以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいず
れか1つに記載の複合セラミックス。
【0026】(6) 前記酸化チタンの含有量が、複合
セラミックスの総重量を基準として15〜50重量%で
あることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1
つに記載の複合セラミックス。
【0027】(7) 上記(1)〜(6)のいずれか1
つに記載の複合セラミックスを含有してなることを特徴
とする複合ポリマー組成物。
【0028】(8) 前記複合セラミックスの添加量
が、複合ポリマー組成物の総重量を基準として5〜15
重量%の範囲であることを特徴とする上記(7)に記載
の複合ポリマー組成物。
【0029】(9) 母材成分と、良溶媒と、請求項1
〜6のいずれか1項に記載の複合セラミックスとを含有
してなる複合ポリマー組成物であって、前記複合セラミ
ックスが母材成分に対して2.5〜20重量%、良溶媒
が母材成分に対して0.05〜1.5重量%であること
を特徴とする複合ポリマー組成物。
【0030】(10) 前記母材成分が、エラストマ
ー、ハロゲン含有ポリマーおよび高分子重合体から選ば
れる1種以上である上記(9)に記載の複合ポリマー組
成物。
【0031】(11) 前記良溶媒が、前記母材成分の
溶解度パラメーター(SP1 )とほぼ等しい溶解度パラ
メーター(SP2 )を持つ溶剤であることを特徴とする
上記(9)または(10)に記載の複合ポリマー組成
物。
【0032】(12) 前記SP1 と前記SP2 の関係
が、|SP1 −SP2 |≦1を満足するものであること
を特徴とする上記(11)に記載の複合ポリマー組成
物。
【0033】(13) 上記(7)〜(12)のいずれ
か1つに記載の複合ポリマー組成物を用いて形成されて
なることを特徴とするポリマー製品。
【0034】(14) 前記複合ポリマー組成物中に含
有される複合セラミックスの抗菌率(X)と、当該複合
ポリマー組成物を用いて形成したポリマー製品の抗菌率
(Y)との相関関係が、Y≧0.90Xを満足すること
を特徴とする上記(13)に記載のポリマー製品。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の複合セラミックスは、酸
化チタンおよび焼成ドロマイトを含有することを特徴と
するものである。これらのセラミックスを複合化するこ
とにより、抗菌活性をより一層(相乗効果的に)高める
ことかでき、さらに防かび性、脱臭性、放射性等の諸特
性に優れ、かつ焼却する際にダイオキシン類および毒性
の強いダイオキシン類の合成に不可欠の塩素系ガスの発
生抑制能をも発現することができる。さらにこれらを用
いた複合ポリマー組成物(特に、複合樹脂組成物)によ
るポリマー製品(特に、樹脂製品)への悪影響(黄変、
劣化)を起こさせることもなく高い性能及び品質を長期
間保持させることもできる。すなわち、抗菌・防カビ性
や脱臭性などが強く要求される多くのポリマー製品、特
に、樹脂製品(成形加工品)に、製品の基材表面に複合
ポリマー組成物(特に、複合樹脂組成物)を塗布などに
よりコーティングして薄膜を形成してもよいし、母材樹
脂やエラストマー等のマトリックス成分中に添加混練し
たもの(例えば、母材樹脂に高濃度に複合セラミックス
等の配合成分を練り混んだマスターバッチ(ペレット)
を予め調製しておき、成形時に数倍から数十倍に該複合
セラミックス等を含まない母材樹脂(ペレット)を混合
してこれを稀釈するようにして複合樹脂組成物を作製し
たものを使用して製品全体に複合セラミックスを均一に
分散させたもの)でもよいなど、用途や形状等に応じて
幅広く利用できるものである。したがって、極めて汎用
性に優れるため、現在ある成形加工品のほとんど全てに
適用できる。さらに、焼成ドロマイトにあっては、現在
問題になっている廃棄物を焼却する場合に発生するダイ
オキシン類のほか、ダイオキシン類の合成に必要な塩化
水素等の塩素系ガスを分解・吸着することができるた
め、本発明の複合セラミックスおよびこれを一定量以上
含有する樹脂製品に由来するダイオキシン類などの発生
を抑制することができ、さらに発生してしまったダイオ
キシン類等も十分に分解することができるものである。
【0036】ここで、本発明に用いることのできる焼成
ドロマイトとしては、特に制限されるものではなく、未
焼成のドロマイトを700℃未満で焼成した焼成ドロマ
イト、700〜800℃で焼成した焼成ドロマイト、9
00℃以上で焼成した焼成ドロマイトのいずれであって
もよい。好ましくはドロマイトを900〜1200℃、
より好ましくは1000〜1100℃で焼成したものが
よい。また、これらの焼成時間としては、焼成温度との
関係により異なるため一義的に規定することはできな
い。例えば、好ましい焼成温度である900〜1200
℃の場合には、5〜6時間程度であれば十分である。こ
れらの焼成ドロマイトでは、ドロマイトや他の焼成ドロ
マイトに比して、抗菌活性、防かび性、脱臭性、放射性
等が高く、またダイオキシン類や塩素系ガスの発生抑制
効果が相対的に高いためである。ここで、ドロマイトと
は、別名、白雲石または苦灰石と呼ばれる、カルシウム
とマグネシウムの複合炭酸塩CaMg(CO3 2 また
はこれを主成分とする岩石をいう。また、このドロマイ
トを加熱すると700〜800℃でMgCO3 分が分解
してCO2 を放出し、炭酸カルシウム(CaCO3 )と
酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする焼成物とな
り、さらに900〜950℃でCaCO3 が分解してC
2 を放出し、酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネ
シウム(MgO)を主成分とする焼成物となる特性を有
している。ただし、本発明では、上記に示す好適な焼成
温度および焼成時間により得られる焼成ドロマイトで
は、上記にいう酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネ
シウム(MgO)を主成分とする焼成物だけではなく、
一部に未分解の炭酸カルシウム(CaCO3 )や炭酸マ
グネシウム(MgCO3 )が含有されていることが分析
により確認されている。すなわち、上記に示す様々な形
態のドロマイトが混在する形になっていると思われる。
【0037】本発明に用いられる焼成ドロマイトの粒度
は、複合セラミックスの形態や使用用途に応じて最適な
粒度のものを適宜選択して使用すればよい。すなわち、
最終製品である樹脂製品がフィルム形態のように薄膜で
透明性が求められる様な場合には、できるだけ粒度の小
さいものが望ましい反面、微粉化に要する製造コストが
かかり、また取り扱い時に粉塵が発生しやすいなるた
め、こうした要求がない用途の場合には、必要以上に粒
度の小さいものを用いなくとも十分にその作用効果を発
現することができるため、製造コストをも含めた観点か
ら最適な粒度を決定することが望ましいといえる。した
がって、焼成ドロマイトの粒度としては、通常、15μ
m以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μ
m以下である。なお、上述したようにフィルム形態など
に使用する場合には、通常4μm以下、好ましくは3μ
m以下、より好ましくは2μm以下、特に好ましくは1
μm以下である。また、粒度の下限は特に限定されな
く、例えば、5nm程度に微粉化したものでも十分にそ
の作用効果を発現できる。一方、焼成ドロマイトの粒度
が15μmを超える場合には、以外にも適当な粒度範囲
に揃えるための粒度調整コストがかさむほか、こうした
セラミックスを製品に利用する場合には、製品表面に位
置するこうしたセラミックスの粗粒子により製品にざら
つき感が生じるため、なめらかな質感が要求される製品
等にはその利用が制限されることになる。また、フィル
ム形態などに使用する場合、焼成ドロマイトの粒度が4
μmを超える場合には、得られた複合セラミックスを透
明なプラスチック等に添加して利用を図る場合には、透
明度が低下したり、薄膜化する上で障害となる場合があ
るなど好ましくない。
【0038】上記焼成ドロマイトの含有量は、複合セラ
ミックスの総重量を基準として30〜99重量%、好ま
しくは50〜95重量%、より好ましくは50〜85重
量%、特に好ましくは75〜85重量%、最も好ましく
は80〜85重量%である。50重量%未満の場合で
も、複合セラミックスに抗菌活性、防かび性、脱臭性、
さらにはダイオキシン類等の発生抑制能を発現させるこ
とはできる。ただし、これらを樹脂製品に利用するよう
な場合、酸化チタンも持つ光触媒機能は十分に発現でき
ず、焼成ドロマイトを一定の割合で含まないと、特にダ
イオキシン類等の発生抑制の作用効果が相対的に低くな
り所望の効果を達成することができないおそれがあるた
め好ましくない。一方、85重量%を超えても、複合セ
ラミックスの性能上特に問題はない(すなわち、単独で
使用しても性能上の問題はない)が、酸化チタンと組み
合わせたほうが単独使用よりも、抗菌活性などの活性機
能をより高めることができるため好ましいといえる。
【0039】また、本発明に用いることのできる酸化チ
タンとしては、特に制限されるものではなく、2、3、
4価チタンの酸化物および過酸化物が挙げられる。この
うち、鉱物として産出されるエルメナイト、ルチル等が
製造コスト的に有利である。好ましくは活性剤としての
能力の高いアナターゼ、ルチルである。
【0040】上記酸化チタンの粒度も、上記焼成ドロマ
イトと同様に、複合セラミックスの形態や使用用途に応
じて最適な粒度のものを適宜選択して使用すればよい。
すなわち、最終製品である樹脂製品がフィルム形態のよ
うに薄膜で透明性が求められる様な場合には、できるだ
け粒度の小さいものが望ましい反面、微粉化に要する製
造コストがかかり、また取り扱い時に粉塵が発生しやす
いなるため、こうした要求がない用途の場合には、必要
以上に粒度の小さいものを用いなくとも十分にその作用
効果を発現することができるため、製造コストをも含め
た観点から最適な粒度を決定することが望ましいといえ
る。したがって、酸化チタンの粒度としても、通常、1
5μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは
5μm以下である。なお、上述したようにフィルム形態
などに使用する場合には、通常4μm以下、好ましくは
3μm以下、より好ましくは2μm以下、特に好ましく
は1μm以下である。また、粒度の下限は特に限定され
なく、例えば、5nm程度に微粉化したものでも十分に
その作用効果を発現できる。一方、酸化チタンの粒度が
15μmを超える場合には、以外にも適当な粒度範囲に
揃えるための粒度調整コストがかさむほか、こうしたセ
ラミックスを製品に利用する場合には、製品表面に位置
するこうしたセラミックスの粗粒子により製品にざらつ
き感が生じるため、なめらかな質感が要求される製品等
にはその利用が制限されることになる。また、フィルム
形態などに使用する場合、酸化チタンの粒度が4μmを
超える場合には、複合セラミックスを透明なプラスチッ
ク等に添加して利用を図る場合には、透明度が低下した
り、薄膜化する上で障害となる場合があるなど好ましく
ない。
【0041】上記酸化チタンの含有量は、複合セラミッ
クスの総重量を基準として15〜50重量%、好ましく
は15〜25重量%、より好ましくは15〜20重量%
の範囲である。酸化チタンの含有量が15重量%未満の
場合でも、複合セラミックスの性能上、特に問題はない
(すなわち、相対的に焼成ドロマイトの比率が高まるた
め性能上の問題はない)が、酸化チタンの持つ活性機能
を十分に発揮させることができず、複合化による相乗効
果が発揮できない場合がある。一方、酸化チタンの含有
量が50重量%を超える場合には、複合セラミックスに
抗菌活性、防かび性、脱臭性、ダイオキシン類や塩素系
ガスの発生抑制能を発現させることはできるものの、こ
れらを樹脂製品に利用するような場合、酸化チタンも持
つ光触媒機能は十分に発現できず、焼成ドロマイトを一
定の割合で含まないと、特にダイオキシン類等の発生抑
制の作用効果が相対的に低くなり所望の効果を達成する
ことができないおそれがあるため好ましくない。
【0042】また、本発明の複合セラミックスの特性
は、以下の表1及び2に示すとおりであり、極めて高い
抗菌活性、脱臭性、放射率、並びに優れたダイオキシン
類、塩素系ガスの発生抑制能を有することが判る。ここ
では、焼成ドロマイトは、ドロマイト鉱石を900〜1
200℃の範囲で6時間焼成し、乾式粉砕し、さらにふ
るい分けを行って粒度5μm以下に調整されてなるもの
を用いた。酸化チタンは、エルメナイト鉱物を乾式粉砕
し、さらにふるい分けを行って粒度3μm以下に調整さ
れてなるものを用いた。また、複合セラミックスは、上
記に規定する両成分を所定の比率で混合し撹拌して均質
化したものである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】上記表2中の放射率は、赤外法(分光器;
日本分光工業株式会社製)により仮想黒体と試料(粉体
成形により加工したもの)の放射率を比較することによ
り求めた。より詳しくは、試料の表面温度を所定の温度
(100℃)にし、仮想黒体との比較放射率を計測し求
めた。
【0046】上記表2中のpHは、試料1gを水1リッ
ルに懸濁させてなる懸濁液のpH(25℃)を市販のp
H計測器により測定した。
【0047】上記表2中の表面積(m2 /g)は、BE
T法により測定した。
【0048】上記表2中のHClの分解率は、容器内に
HCl水溶液を入れ、容器上部に複合セラミックス試料
を充填したフィルターを設け、容器を加熱した際に該フ
ィルターを通して出てくるガスをサンプリングし、ガス
クロマトグラフ分析計を用いて測定した。同様にフィル
ターを設けることなく同様にブランクガスのサンプリン
グを行い、ガスクロマトグラフ分析計を用いて測定し
た。ブランクガス中のHCl由来のガス発生量Aを基準
として、複合セラミックス試料経由のHCl由来のガス
発生量Bとし、HCl発生抑制率(分解率)(%)=
(1−B/A)×100として算出し、HCl発生抑制
作用ないし分解作用を調べた。
【0049】上記表2中の脱臭率は(%)は、テドラー
バッグ内の複合セラミックス試料1g及び臭いガス60
0mlを投入し3時間経過後のガス濃度の変化を測定
し、下記式により脱臭率を求めた: 脱臭率(%)=(ブランクガス濃度−試料ガス濃度)/ブ
ランクガス濃度×100 なお、ガス種には、アンモニア(アルカリ)、硫化水素
(酸性)を使用した。尚、ガス濃度は、アンモニアは吸
光光度法ないし電位差計を用い、硫化水素はガスクロマ
トグラフ分析計ないし炎光光度検出器を用いて行った。
【0050】上記表2中の抗菌作用は、粉末形態の複合
セラミックスが対象であるため、大腸菌およびブドウ状
球菌のいずれも下記に示すシェーク法により測定し、抗
菌作用ないし抗菌率(%)を調べた。
【0051】シェーク法;粉末形態の加工製品等に適用
し得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中にサン
プル(粉末の複合セラミックス)と、供試菌とを共存さ
せ、一定の時間振とう後に生残菌数を測定するものであ
る。すなわち、水溶液中に分散させた複合セラミックス
サンプルと供試菌とを振とうにより強制的に接触作用さ
せて効果を確認する方法である。
【0052】また、本発明の複合セラミックスには、上
記焼成ドロマイトと酸化チタン以外にも、必要に応じ
て、他の成分を含んでいても良いことは言うまでもいな
く、例えば、MgO、SiO2 、ZnO、角門石、蛇紋
石等の鉱物や金属類などが含有されていても良い。これ
らの成分は、接触状態において放射率、忌避率、防かび
性、脱臭性、抗菌性等を有することが知られているた
め、これらを含む複合セラミックスを抗菌剤として基材
に含浸ないしは塗布して接触可能な状態で利用する様な
場合に有効に機能させることができる。
【0053】なお、本発明の複合セラミックスの形態と
しては、上記に規定する大きさの粉末状の他にも、使用
目的に応じて、製造時に適当な結合剤(例えば、シリカ
および/またはアルミナを主成分とする粘土鉱物等)や
揮散成分(例えば、ナフタリン、アントラセン、アント
ラキノン等の芳香族化合物など)等を添加して、所望の
形態(例えば、数mm〜数十mm程度の大きさの粒状物
や多孔質体であってもよい)にすることもできる。
【0054】上記したように本発明の複合セラミックス
では、優れた放射率、抗菌・防かび性、脱臭性を有し、
かつ焼却する際にダイオキシン類や塩素系ガスの発生を
抑制することができる。そのため、さらなる成形・加工
を行うことなく、抗菌剤、脱臭剤、ダイオキシン類の発
生抑制剤等として、そのまま使用することができるほ
か、後述するように母材成分(主に樹脂・エラストマー
材料や紙・パルプ等の繊維質材料)への添加剤として使
用することもできる。
【0055】なお、本発明の複合セラミックスの構成成
分ごとの含有量を上記に示したが、これらを含めた構成
成分全体の総和は、如何なる組み合わせであれ100重
量%である。
【0056】次に、本発明の複合セラミックスの製造方
法としては、特に制限されるものではなく、単に酸化チ
タンと焼成ドロマイトとを含む原料を乾式混合した形態
のものから、使用目的に応じて、適当な結合剤(例え
ば、シリカおよび/またはアルミナを主成分とする粘土
鉱物等)や揮散成分(例えば、ナフタリン、アントラセ
ン、アントラキノン等の芳香族化合物など)等を添加し
て、所望の形態、例えば、数mm〜数十mm程度の大き
さの粒状物形態や所望の大きさの多孔質体形態などに成
形・加工することもできる。特に乾式混合した形態の製
造方法では、安価に安定して大量に入手できる原料を用
いて、簡便な手法により製造することにより、機能性に
優れた複合セラミックスを製造することができる。
【0057】ここで、原料の焼成ドロマイトは、複合セ
ラミックス中に含まれる焼成ドロマイト成分と同じもの
を使用すればよく、具体的には、ドロマイトを900〜
1200℃、より好ましくは1000〜1100℃の範
囲で5〜6時間焼成し、乾式粉砕し、さらにふるい分け
を行って粒度4μm以下、好ましくは3μm以下、より
好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下に調
整されてなるものであることが望ましい。また、原料の
酸化チタンも、複合セラミックス中に含まれる酸化チタ
ン成分と同じものを使用すればよく、具体的には、エル
メナイト等の鉱物系の酸化チタンを粒度4μm以下、好
ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、特に
好ましくは1μm以下に調整されてなるものであること
が望ましい。
【0058】次に、本発明の複合ポリマー組成物(特
に、複合樹脂組成物)は、上述してなる複合セラミック
スを含有してなることを特徴とするものである。これに
より、抗菌活性、防かび性、脱臭性に優れ、かつ焼却す
る際にダイオキシン類等の発生を抑制することができる
ものである。
【0059】本発明の複合ポリマー組成物において、複
合セラミックスの含有量は、複合ポリマー組成物を使用
して成形加工するポリマー製品の形態等に応じて変わる
ことから一義的に規定することはできず、むしろ複合ポ
リマー組成物を使用して成形加工するポリマー製品の形
態等に適した含有量を事前に小規模な成形加工によるポ
リマー製品サンプル等を試作するなどして最適な範囲を
決定するのが望ましい。以下に一般的なポリマー製品で
あるフィルムやボードに成形加工する場合の例を示せ
ば、複合セラミックスの含有量は、複合ポリマー組成物
の総重量を基準として5〜15重量%、好ましくは5〜
10重量%、より好ましくは5〜7重量%の範囲であ
る。複合セラミックスの含有量が5重量%未満の場合に
は、複合セラミックスの持つ優れた諸機能を十分に発現
することが困難となる場合があるため好ましくない。ま
た、複合セラミックスの含有量が15重量%を超える場
合には、複合セラミックスの持つ優れた諸機能を十分に
発現することができるが、これを用いてなるポリマー製
品の形態によっては、透明性が低下したり、薄膜化や機
械特性が低下することが生ずるため十分に留意する必要
がある。
【0060】また、本発明の複合ポリマー組成物の母材
成分としては、特に制限されるものではなく、あらゆる
種類の樹脂、ゴム等の高分子化合物などを用いることが
できる。こうした母材成分としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−p−キシ
リレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フ
ッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニ
ルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカ
ーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド(ナイ
ロン類)、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラ
スチック、耐熱性高分子(芳香族ポリアミド、ポリフェ
ニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシド、ポ
リスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、はしご型ポリマ
ーなど)等の熱可塑性樹脂(熱可塑性プラスチック)、
フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデ
ヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、トリアリルシアヌレー
ト樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ートのホルムアルデヒド樹脂、アクロレイン系樹脂、ト
リアジン系樹脂等の熱硬化性樹脂(熱硬化性プラスチッ
ク)、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチ
ック、タンパク質系プラスチック、デンプンからのプラ
スチック等の天然プラスチック、パルプ、天然ゴム、合
成ゴム等が挙げられ、例としては、ポリテトラクロロエ
チレン、ポリジメチルシロキサン(シリコン)、ブチル
ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、水素添加ポリブ
タジエン、ポリブタジエン/スチレン(85/15、7
5/25、60/40)、ポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン、ポリブチルアクリレート、ポリエチレルヘキシ
ルメタクリレート、ポリエトキシメチルメタクリレー
ト、ポリプロピルアクリレート、ポリスチレン、ポリサ
ルファイド(チオコールゴム)、ポリスチレンジビニル
ベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ネオプレン、ポ
リブタジエン/アクリロニトリル(75/25)、ポリ
エチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリウ
レタン、エチルセルロース、ポリビニルクロルアセテー
ト、ポリエチレングリコールテレフタレート(テトロ
ン)、セルロースジアセテート、セルロースジニトレー
ト、ポリメチレノキサイド(デルリン)、ポリビニルデ
ンクロライド(サラン)、ポリメタアクリロニトリル、
ポリアクリロニトリル等が例示できる。特に、フィルム
およびシート材料に適するものとしては、例えば、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS);アク
リロニトリル−アクリル酸メチル共重合体(ゴム変成
品);セロハン(再生セルロース);エチルセルロー
ス、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロース類;エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETF
E)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、ポリクロロエチレン−トリフ
ルオロエチレン共重合体(PCTFE)、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PV
F)等のフッ素系プラスチック;アイオノマー;ナイロ
ン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナイロン
−12等のポリアミド;ポリブチレン;ポリカーボネー
ト;ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート);低
密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン
(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高
分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレ
ン;酢酸ビニル、アクリル酸メチルなどのエチレン共重
合体;ポリイミド;ポリメタクリル酸メチル(PMM
A);ポリプロピレン(押出成形品、二軸延伸品な
ど);ポリスチレン(配向グレード、発泡体など);ポ
リスチレン、ポリエーテルスルホンなどのスルホン系ポ
リマー;ポリウレタネラストマー;ポリビニルアルコー
ル;ポリ塩化ビニル(非可塑化グレード、可塑化グレー
ドなど);塩化ビニル−アセテート共重合体(非可塑化
グレード、可塑化グレードなど)等が例示できる。特に
フィルム材料では、好ましくは非吸水性樹脂であること
が望ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ナイロン(ポリアミド)系樹脂、エチレ
ンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂等
のエラストマー、ハロゲン含有樹脂および高分子重合体
等が例示できる。特に、本発明では、強く抗菌活性、防
かび性、脱臭性が強く求められるゴミ袋、俎、鮮度フィ
ルム等のポリマー製品のポリマー成分(母材成分)であ
るポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹
脂等が例示できる。
【0061】また、本発明の複合ポリマー組成物とし
て、好ましくは、上記母材成分と、上記複合セラミック
スと、良溶媒とを含有してなる複合ポリマー組成物であ
って、前記複合セラミックスが母材成分に対して2.5
〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、より好まし
くは5〜10重量%、特に好ましくは5〜7重量%の範
囲であり、良溶媒が母材成分に対して0.05〜1.5
重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%、より好まし
くは1.0〜1.2重量%の範囲であることを特徴とす
るものである。複合セラミックスの含有量が母材成分に
対して2.5重量%未満の場合には、所望の抗菌活性、
防かび性、脱臭性等、さらにはダイオキシン類の発生抑
制などの作用効果を十分に発現することが困難となる場
合があり得るなど好ましくなく、複合セラミックスの含
有量が母材成分に対して20重量%を超える場合には、
得られる複合ポリマー組成物を用いて成形したポリマー
製品の形態によっては十分な機械的強度が得られ難くな
るため好ましくない。また、良溶媒の含有量が母材成分
に対して0.05重量%未満の場合には、混練性が十分
でなく母材成分中に複合セラミックスを均質に分散させ
難く、複合セラミックス自身の持つ抗菌活性、防かび
性、脱臭性等を大幅に低下させることなく所望の抗菌活
性、防かび性、脱臭性等を発現することが困難となる場
合があり得るため好ましくなく、また、1.5重量%を
超える場合には、添加に見合う更なる効果が期待できず
好ましくない。
【0062】また、本発明の複合ポリマー組成物に用い
ることのできる良溶媒は、母材成分の溶解度パラメータ
ー(SP1 )とほぼ等しい溶解度パラメーター(S
2 )を持つ溶剤、より具体的には、前記SP1 と前記
SP2 の関係が、|SP1 −SP 2 |≦1を満足するも
のであることが望ましい。この場合、母材成分のSP1
値と溶剤のSP2 値ができるだけ近い、好ましくは同一
のものを選定することが望ましい。すなわち、SP1
とSP2 が異なるほど母材成分に添加混入される複合セ
ラミックスの抗菌活性、防かび性、脱臭性等の活性を失
うためである。なお、母材成分の溶解度パラメーター
(SP1 )および溶剤の溶解度パラメーター(SP2
に関しては、現在までに極めて多くのものにつき実測値
(及び理論値)が求められている。これらのほんの1例
を下記表3(ポリマー(主に樹脂)に関するSP値)お
よび表4(溶剤に関するSP値)に示す。ただし、本発
明に適用できる溶剤は、これらの表に示すものに限られ
るものではなく、従来既知の各種の溶剤の中から、使用
する母材成分に応じて適宜選択することができる。な
お、下記表3の樹脂(エラストマーを含む)の溶解度パ
ラメーターには実測値および理論値の両方を記載してい
るが、本発明の複合ポリマー組成物の溶解度パラメータ
ー(SP1 )に関しては、原則として実測値を使うもの
とし、実測値が求められていないもの(下記表3に例示
したもので言えば、シリコン(ポリジメチルシロキサ
ン)のみが該当する)に関してのみ理論値を適用するも
のとする。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】また、本発明の複合ポリマー組成物には、
上記母材成分、複合セラミックス、良溶媒の他にも、必
要に応じて、適当な添加剤(副資材)を含有していても
よく、従来既知の各種添加剤、例えば、発泡剤、滑剤、
着色剤、顔料、熱安定剤、紫外線安定剤(紫外線吸収
剤)、酸化防止剤(抗酸化剤)、可塑剤、硬化剤、触
媒、充填剤、補強材、増量剤、帯電防止剤、難燃剤、抗
菌・防カビ剤等がそれぞれの性能(機能)が十分に発現
し得る範囲内で適宜含有されていてもよい。
【0066】次に、本発明のポリマー製品(特に、樹脂
製品)は、上記複合ポリマー組成物を用いて形成されて
なることを特徴とするものである。よって、上記複合ポ
リマー組成物のみを用いて製造することができるほか、
紙パルプや不織布等の繊維質材料、アルミニウム等の金
属材料、ガラスなどの無機材料や木材等などと組み合わ
せて形成したものも含まれるものである。すなわち、本
発明のポリマー製品としては上記複合ポリマー組成物を
成形加工して得られるプラスチックやゴムなどのポリマ
ー製品(一次加工品)やこれらと上記材料とを組み合わ
せたポリマー製品(二次加工品)があり、これらのポリ
マー製品にいずれにおいて、本発明の作用効果を十分に
発揮することができるものである。特に、汎用性のある
樹脂等のポリマーを母材成分とする複合ポリマー組成物
を用いることで、あらゆる形態に成形加工できる利点を
有し、幅広い分野に適用できるプラスチックの成形加工
品を形成することができる。例えば、吸水性不織布上に
1種若しくは2種以上の複合ポリマー組成物を塗布など
によりラミネート加工することで多層構造のフィルムや
シートを形成したり、あるいはに複合ポリマー組成物を
用いて形成したフィルム上にアルミ蒸着などによりアル
ミ箔を形成したりすることなどにより、それぞれの素材
の特性(吸水性、耐水・耐油性、熱・光反射性、ガスバ
リヤー性など)をさらに生かすことができるので、多く
の分野で用いることができる。
【0067】本発明のポリマー製品の形態としては、な
んら制限されるものではなく、塗装品、棒、管、フォー
ム、板(シート)、成形品、フィルム等あらゆる形態を
取り得るものであり、異種原料が多層(ラミネート)に
形成されているものであってもよく、この場合には、少
なくともいずれか1層に複合ポリマー組成物(特に複合
樹脂組成物)が用いられていればよい。好ましくは、抗
菌性、防かび性、脱臭性が求められる層、例えば、抗菌
性が強く求められる腐敗しやすい生鮮食品を入れる包装
材料(鮮度フィルムや樹脂製容器など)や臭いや細菌等
がつきやすく繁殖しやすい俎等の生鮮食品を取り扱う製
品に適用する場合には、生鮮食品が直接触れる表層部に
複合ポリマー組成物が用いられ、複合セラミックスが含
有されていることが抗菌性能や脱臭性能を高める上で特
に有用であり、また、焼却時に本発明のポリマー製品に
由来するダイオキシン類が発生する危険性の強い層、例
えば、ダイオキシン類の生成に不可欠な塩素含有芳香族
樹脂を母材原料として成形加工されている層にも焼成ド
ロマイトが含有されていることが、焼却時にダイオキシ
ン類や塩素系ガスの発生を抑制し得る上で特に有用であ
る。さらに、いかなる使用態様においても、抗菌性を発
現できるし、また、ダイオキシン類の発生メカニズムは
十分に解明されておらず、他の一般廃棄物と一緒に焼却
された場合に、塩素含有芳香族樹脂を持たなくともダイ
オキシン類の発生に関与し得ることもあり得るため、如
何なる環境下で焼却処理されようとダイオキシン類の発
生を抑制できるべく、全ての層に複合ポリマー組成物を
用い、全ての層で複合セラミックスが含有されているよ
うにすることがより好ましいといえる。
【0068】本発明のポリマー製品は、複合セラミック
スの持つ諸性能を発現することができることから、優れ
た抗菌性(好ましくは前記複合ポリマー組成物中に含有
される複合セラミックスの抗菌率(X)と、当該複合ポ
リマー組成物を用いて形成したポリマー製品の抗菌率
(Y)との相関関係が、Y≧0.60X、好ましくはY
≧0.90Xを満足するものである。)、防かび性、脱
臭性、放射率等を有し、かつ焼却する際にダイオキシン
類の発生を抑制することができる。そのため、これら抗
菌性、防かび性、脱臭性、ダイオキシン類の発生抑制性
などが要求される各種ポリマー製品、例えば、天然ない
し合成繊維およびこれを用いてなる衣類等の繊維加工
品;生鮮食品や惣菜や弁当等を入れるパックやトレーな
どの容器類、臭いや細菌等がつきやすく繁殖しやすい俎
等の生鮮食品を取り扱う製品、お菓子等の食品や飲料品
用の包装材料、天井や壁などの建築用の内装材や装飾材
等として使われるプラスチック、不織布、紙・パルプ、
さらにはこれらに蒸着されるアルミニウムなどで構成さ
れる単層または多層構造のフィルム、シートないし成形
加工品;合板や木質ボード等の木材加工材;各種塗料、
各種皮革加工品などに幅広く使用することができる。
【0069】次に、本発明の複合ポリマー組成物の配合
操作及びポリマー製品の成形加工法としては、特に制限
されるものではなく、上記複合ポリマー組成物を用いて
形成されてなるポリマー製品(一次加工品)では、従来
既知のプラスチックやエラストマーの製造技術を適用す
る事ができるものである。すなわち、複合ポリマー組成
物の配合操作およびポリマー製品の成形加工法は、目的
とするポリマー製品の形態に応じて適宜選択されるべき
ものであり、(1)母材成分、複合セラミックス及び他
の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応
じて適当な溶剤を用いて液状混合し、更に必要に応じて
含浸、乾燥、粉砕、造粒操作を単独で行って、あるいは
2以上の操作を順次行って、ペースト、溶液、プリプレ
グ、樹脂含浸塗布紙、プリミックス、粉末、ペレットな
ど形態の複合ポリマー組成物を形成しても良いし、
(2)母材成分、複合セラミックス及び他の添加剤(副
資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶
剤を用いて固(粉)状混合し混練し、さらに必要に応じ
て粉砕または造粒して、混練物、粉末、ペレットなど形
態の複合ポリマー組成物を形成しても良い。また、その
後のポリマー製品の成形・加工方法も、目的とするポリ
マー製品の形態に応じて適宜選択されるべきものであ
り、各種複合ポリマー組成物に適した成形加工法、例え
ば、スラッシュ成形(ペースト)、ディップ成形(ペー
スト)、注型(溶液)、発泡加工・発泡成形(溶液、ペ
レット)、積層成形(プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、シ
ート;複合ポリマー組成物である混練物を、さらにカレ
ンダ加工または押出成形して得られる複合ポリマー組成
物の形態の1つ)、粉末成形(粉末)、圧縮成形(プリ
ミックス、粉末、ペレット)、トランスファ成形(粉
末、ペレット)、射出成形(ペレット)、カレンダ加工
(混練物)、押出成形(さらにブロー成形することもあ
る)(混練物)、真空成形(シート)を利用すれば良
い。さらに、こうした成形品は、適当な処理によって加
工できる。例えば、印刷適性の改良、放射線によるポリ
マーの架橋、真空蒸着を用いた成形品表面への金属薄膜
コーティング等を挙げることができるなど、従来公知の
様々な成形加工法を適用することができる。また、これ
らポリマー加工品(特に、樹脂加工品)である容器、フ
ィルム、シート等の成形加工品以外にも、繊維加工品、
木材加工品、皮革などとの組み合わせ(二次加工品)に
関しても、従来既知の製造方法を適宜利用して製造する
ことができる。
【0070】尚、本発明のポリマー製品の使用形態とし
ては、特に制限されるものではなく、その用途に応じた
あらゆる形態に適用することができるものであり、1例
を示せば、食品包装等に適したフィルム材、食品容器、
まな板、台所用品、風呂場用品等の日用品、冷蔵庫、洗
濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコンなどの電
化製品の抗菌性、防かび性、脱臭性が求められる部分に
使われる部品等に適した成形加工材(板材、棒材、用途
に適した形状を持つ成型材などの成形加工材)、壁紙、
床材などの家庭内装材、シーリング材等の建材、各種タ
ンク、パイプ等の水処理材料などのように本発明の抗菌
性ポリマー組成物を用いてなるポリマー製品と他の材料
との複合材に適した成形加工材(主にフィルム材、薄板
材、棒材など)、靴下、カーペット、寝具などの繊維製
品に適した繊維材など、あらゆる形態にすることができ
る。
【0071】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0072】製造例 (1)複合セラミックスの調製 上記表1に示す含有量になるように調製した酸化チタン
と焼成ドロマイトとからなるセラミックスの原料を乾式
混合することにより、複合セラミックスA、B、Cを作
製した。これらの複合セラミックスA、B、Cの特性
は、上記表2に示す通りであった。
【0073】(2)複合樹脂組成物の調製 母材成分であるポリエチレン(以下、単にPEとも記
す)に高濃度に上記複合セラミックスA、B、Cおよび
他の添加剤(ここでは、比較対象となる各種樹脂製品に
用いられる樹脂組成物と同じ配合成分)をそれぞれ練り
混んだマスターバッチ(ペレット)を予め調製してお
き、成形時に数倍から数十倍に上記複合セラミックス
A、B、C等の配合成分を含まない母材成分であるポリ
エチレン(ペレット)を混合(混練)してこれを稀釈す
るようにして、複合セラミックスA、B、C等の配合成
分が均質に分散されてなるPE系の複合樹脂組成物
A、XB、X C(いずれのサンプルも複合セラミックス
の含有量が、複合樹脂組成物の総重量を基準として5〜
10重量%の範囲になるように調製した)を製造した。
同様に、母材成分であるポリプロピレン(以下、単にP
Pとも記す)に高濃度に上記複合セラミックスA、B、
Cの配合成分をそれぞれ練り混んだマスターバッチ(ペ
レット)を予め調製しておき、成形時に数倍から数十倍
に上記複合セラミックスA、B、Cを含まない母材成分
であるポリプロピレン(ペレット)を混合(混練)して
これを稀釈するようにして複合セラミックスA、B、C
が均質に分散されてなるPP系の複合樹脂組成物YA
B、YC(いずれのサンプルも複合セラミックスの含有
量が、複合樹脂組成物の総重量を基準として5〜10重
量%の範囲になるように調製した)を製造した。
【0074】(3)樹脂製品の製造 PE系の複合樹脂組成物XA、XB、XCを用いて、フィ
ルム状の樹脂製品に適した成型法(ここでは、インフレ
ーションフィルム用の押出成形法)によりPE製の樹脂
製品として、ゴミ袋X-1A、X-1B、X-1Cおよび鮮度フ
ィルムX-2A、X-2B、X-2Cをそれぞれ作製した。同様
に、PP系の複合樹脂組成物YA、YB、Y Cを用いて、
シート状の樹脂製品に適した成型法(ここでは、シート
用の押出成形法ないし射出成形法)によりPP製の樹脂
製品として俎Y-1A、Y-1B、Y-1Cをそれぞれ作製し
た。
【0075】さらに得られたPE系及びPP系の複合樹
脂組成物をそれぞれの試験に適した形態(試験片)に成
形・加工して、抗菌性、脱臭性等の特性をそれぞれ測定
した。得られた結果を下記表5に示す。なお、表5の各
測定結果のうち、PE系の複合樹脂組成物XA、XB、X
Cを用いた試験片のそれぞれにつき試験を行ったが、い
ずれもほぼ同程度の値であったため、その平均値をPE
製の複合樹脂Xとして表した。同様にPP系の複合樹脂
組成物であるYA、YB、YCを用いた試験片のそれぞれ
につき行ったが、いずれもほぼ同程度の値であったた
め、その平均値をPP製の複合樹脂Yとして表した。
【0076】
【表5】
【0077】上記表5に示す放射率、pH,表面積、H
Cl分解率および脱臭率および抗菌率は、いずれも上記
表2で説明した測定方法と同様にして求めた。
【0078】実施例1 上記製造例により得られたPE製の樹脂製品のゴミ袋X
-1A、X-1B、X-1Cの焼却時のダイオキシン類の発生状
態につき測定を行った。得られた結果を表6に示す。表
6の各測定結果は、ゴミ袋X-1A、X-1B、X-1Cのそれ
ぞれの樹脂製品につき行ったが、いずれもほぼ同程度の
値であったため、その平均値を表した。
【0079】比較例1 また、比較用樹脂製品として炭酸カルシウムを30重量
%含有するPE製の汎用(市販)のゴミ袋を用いて、上
記樹脂製品と同様にして焼却時のダイオキシン類の発生
状態につき測定を行った。得られた結果を下記表7に示
す。
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】実施例2 上記製造例により得られたPP製の樹脂製品の俎Y-
1A、Y-1B、Y-1Cのグラム陽性菌およびグラム陰性菌に
対する抗菌作用につきそれぞれシーク法により測定を行
った。得られた結果を下記表8に示す。なお、表8の各
測定結果は、俎Y-1A、Y-1B、Y-1Cのそれぞれにつき
行ったが、いずれの菌も検出されなかったため、平均値
化することなく、その結果を表した。
【0083】比較例2 同様に、汎用(市販)のPP製の比較用樹脂製品の俎に
ついても、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対する抗
菌作用につきそれぞれシェーク法(加工製品に適用し得
る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中にサンプル
と、供試菌とを共存させ、一定の時間振とう後に生残菌
数を測定するものである。すなわち、水溶液中に分散さ
せたサンプルと供試菌とを振とうにより強制的に接触作
用させて効果を確認する方法である)により測定を行っ
た。得られた結果を下記表9に示す。また、表9の各測
定結果はPP製の比較用樹脂製品の俎につき都合3回行
ったが、それぞれの菌に対していずれもほぼ同程度の結
果であったため、その平均値(単位は、1cm2 当たり
のそれぞれの菌の数、すなわち、個/cm2 である。)
を表した。
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】実施例3 また、上記製造例により得られたPP製の樹脂製品の俎
Y-1A、Y-1B、Y-1Cの焼却時のダイオキシン類の発生
状態につき測定を行った。得られた結果を表10に示
す。表10の各測定結果は、俎Y-1A、Y-1B、Y-1C
それぞれの樹脂製品につき行ったが、いずれも同程度の
値であったため、その平均値を表した。
【0087】比較例3 また、汎用(市販)のPP製の比較用樹脂製品の俎を用
いて、上記樹脂製品と同様にして焼却時のダイオキシン
類の発生状態につき測定を行った。得られた結果を下記
表11に示す。
【0088】
【表10】
【0089】
【表11】
【0090】実施例4 上記製造例により得られたPE製の樹脂製品の鮮度フィ
ルムX-2A、X-2B、X-2Cを用いて、魚肉の鮮度保持試
験を行った。得られた結果を表12に示す。表12の測
定結果は、鮮度フィルムX-2A、X-2B、X-2Cのそれぞ
れの樹脂製品につき行ったが、いずれも同程度の値であ
ったため、その平均値を表した。なお、魚肉の鮮度は、
生鮮魚(ここでは鰈を用いた)を即殺したもの(即殺
魚;魚肉類の供試体)を直ちにPE製の樹脂製品の鮮度
フィルムX-2A、X-2B、X-2Cでそれぞれ完全に包装
し、10℃以下の温度(中心部の温度が7℃を超えない
温度)で保存し、適時、供試体を微生物検査法で分析し
た。魚肉の鮮度は、原則的には、菌数が105 /g以上
になると腐敗と判定されるため、ここでも同様にして鮮
度保持の判定基準として、菌数が105 /g以上になる
までの日数を調べた。
【0091】比較例4 汎用(市販)のPE製の比較用樹脂製品の鮮度フィルム
を用いて、上記樹脂製品と同様にして魚肉の鮮度保持試
験を行った。得られた結果を下記表13に示す。なお、
魚肉の鮮度も上記樹脂製品と同様にして調べた。
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】上記表12より、本発明の鮮度フィルムに
よる今回の魚肉の鮮度保持期間は、7日目で腐敗と判定
されたことから最大で6日目までといえる。一方、汎用
(市販)のPE製の比較用樹脂製品の鮮度フィルムによ
る今回の魚肉の鮮度保持期間は、3日目で腐敗と判定さ
れたことから最大でも2日目までであった。
【0095】実施例5 上記製造例により得られたPE製の樹脂製品の鮮度フィ
ルムX-2A、X-2B、X-2Cの焼却時のダイオキシン類の
発生状態につき測定を行った。得られた結果を表14に
示す。表14の各測定結果は、鮮度フィルムX-2A、X-
2B、X-2Cのそれぞれの樹脂製品につき行ったが、いず
れも同程度の値であったため、その平均値を表した。
【0096】比較例5 また、汎用(市販)のPE製の比較用樹脂製品の鮮度フ
ィルムを用いて、上記樹脂製品と同様にして焼却時のダ
イオキシン類の発生状態につき測定を行った。得られた
結果を下記表15に示す。
【0097】
【表14】
【0098】
【表15】
【0099】上記表6、7、10、11、14、15中
のダイオキシン類の濃度は、下記に示す焼却試験により
適時サンプリングした排ガスおよび焼却灰より求めた。
【0100】すなわち、ダイオキシン類の濃度(毒性等
価濃度)は、いずれも一般的な汎用の小・中型ゴミ焼却
炉(用瀬電機株式会社製)を用いて行った。詳しくは、
都市固形廃棄物100重量部(このうちポリ塩化ビニル
などの有機塩素化合物5重量部を含有)と、本発明の各
種樹脂製品ないし各種比較用樹脂製品10重量部とを各
ロット毎に予め混合してから該焼却炉に投入し、炉内温
度650℃で焼却処理を行い、燃焼開始時から適当な間
隔毎に排気ガスを収集して、排ガス中のダイオキシン類
(PCDDs、PCDFs及びこれらの合計)の濃度
(毒性等価濃度)を測定したものである。また、上記被
焼却物を完全に焼却した後に、炉内の焼却灰について
も、ダイオキシン類(PCDDs、PCDFs及びこれ
らの合計)の濃度(毒性等価濃度)を測定したものであ
る。これら排ガスおよび灰(焼却灰)中のダイオキシン
類の濃度(毒性等価濃度)は、財団法人鳥取県保険事業
団にそれぞれのサンプルガス及び灰分を採取したものを
持ち込み、排気ガスおよび灰中のダイオキシン類の濃度
(毒性等価濃度)に関しては、財団法人広島県環境保険
協会にて分析した結果である。
【0101】
【発明の効果】本発明の複合セラミックスは、活性剤で
ある酸化チタンにより焼成ドロマイトの抗菌活性をより
一層高めることができるため、極めて強い抗菌力(殺菌
力)を発揮できるほか、優れた脱臭性、HCl分解率、
ダイオキシン類の発生抑制等の特性を発揮できる。その
ため、各種製品の高付加価値をもたらす添加剤として利
用することができる。さらに従来の高価な担体に銀等の
高価な抗菌性金属材料を置換させる操作を行うことな
く、極めて安価に供給される天然鉱物原料を簡単な処理
操作(加熱処理や粉砕処理)で安価に得ることができ
る。
【0102】本発明の複合ポリマー組成物は、上記複合
セラミックスを含有するため、複合セラミックスの持つ
効果を発現できる。そのため、これを用いて所望の製品
を成形、加工することができるほか、既存の製品(樹
脂、ゴム、紙、木材、金属などあらるる製品)の表面に
コーテッング等により塗膜を形成したり、貼合せるなど
して複合化することもできるし、製品を構成する部品の
みを成形・加工により製造することもでききるなど、そ
の汎用性に富むものである。
【0103】本発明のポリマー製品では、上記表5に示
すように、優れた脱臭性、抗菌性、HCl分解率等の特
性を有することから、多方面に利用することができる。
例えば、ゴミ袋、鮮度保持材、厨房器材等に使用するこ
とで、本発明のポリマー製品(特に、樹脂製品)の特性
を有効に発揮できる。すなわち、ゴミ袋では、市販のゴ
ミ袋に比して、ゴミ袋内の生ゴミ等の腐敗や細菌の繁殖
を抑え、ゴミ袋から発生する悪臭を抑えることができ、
さらにこれを廃棄し焼却する際に、該ポリマー製品(さ
らには焼却処理する他の一般廃棄物)に由来するダイオ
キシン類及び塩素系ガスの発生を抑制することができ、
さらに発生してしまったダイオキシン類や塩素系ガスも
十分に分解することができ(従来品に含有されてなる炭
酸カルシウムでは、こうした効果は認められなかっ
た)、炭酸カルシウムと同様に燃焼温度を下げることが
可能であり通常の焼却炉の長寿命化が図れるなど、極め
て環境にやさしい製品である。また、俎等の厨房器材で
は、本発明の複合セラミックスの働き、とりわけ、活性
剤である酸化チタンにより焼成ドロマイトの抗菌活性を
より一層高めることができるため、極めて強い抗菌力
(殺菌力)を発揮できるため、食中毒等の原因となる微
生物(細菌等)の増殖を抑えることができる。特に樹脂
等に練り混んでも十分に機能するため、俎の表面が傷つ
いたり、すり減っても全く影響を受けない構造であるの
で、長く利用できる。また、表面が汚れて被膜が形成さ
れていても、本発明の抗菌力は強く、非接触状態でもそ
の作用効果が及ぶことから、こうした場合にも十分その
機能を発揮できる。また、使用後、これを廃棄し焼却す
る際に、該ポリマー製品(さらには焼却処理する他の一
般廃棄物)に由来するダイオキシン類及び塩素系ガスの
発生を抑制することができる。また、鮮度フィルムなど
の鮮度保持材でも、生鮮食品での微生物(細菌等)の増
殖を抑えることができ、その鮮度を長期間保つことがで
きる。これも、極めて強い抗菌力(殺菌力)を発揮でき
ることによる。また、冷蔵庫や生鮮食品売場などの生鮮
食品からの匂いも種々のものが混ざると悪臭となるが、
本発明では、脱臭性能にも優れるため、個々の生鮮食品
を鮮度フィルムで保存することで、庫内や売場での悪臭
の発生も防ぐことができる。また、使用後、これを廃棄
し焼却する際に、該ポリマー製品(さらには焼却処理す
る他の一般廃棄物)に由来するダイオキシン類及び塩素
系ガスの発生を抑制することができる。
【0104】本発明の複合ポリマー組成物及びポリマー
製品は、加工時の加熱及び加圧、使用の際に置かれる環
境(光、水等)に耐え、しかもポリマー製品の基本性能
を損なう事なく、複合セラミックスの酸化チタンと焼成
ドロマイトとの相乗作用による極めて高い抗菌活性を損
なうことなく有効に発揮することができ、従来法に比し
て何らの複雑な加工処理を新たに施すことなく、単に母
材樹脂等の母材成分に対する良溶媒を所定の比率で添加
するだけの操作を付加するだけでよく、比較的安価に製
造することができる。また、従来と同様にあらゆる形態
に成形・加工でき、かつ安全性(成形加工時、使用時、
廃棄後の全ての段階における安全性)の極めて高いもの
にでき、また食中毒の原因ともなる毒素をだすブドウ状
球菌、O−157細菌等に対する抗菌効果が極めて高く
維持できるため、特に生鮮食品の包装材・容器、俎、台
所用品、冷蔵庫の内壁材などのほか、2次感染しやすい
トイレや風呂場用品等の日用品等に幅広く使用すること
ができるなど、本発明のポリマー製品は、多方面で利用
できる。
【0105】この様なポリマー製品としては、実施例に
用いたような、生鮮食品用包装材(鮮度保持フィル
ム)、生鮮食品用容器(トレー)、俎などの厨房器材の
ほか、さらに風呂場用品等の日用・家庭用品、冷蔵庫、
洗濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコン等の電
化製品、壁紙、床材などの家庭内装材、シーリング剤等
の建材、靴下、カーペット、寝具等の繊維製品、建設機
械、農業資材、工業用品など抗菌性、脱臭性、さらには
ダイオキシン類の発生抑制能が要求されているものであ
れば如何なるものであれ使用できる画期的な発明であ
る。また論理付けはできないものの、極めて長期にわた
って(非接触状態でも)その抗菌力、脱臭力を保持し得
るため、長期間、細菌・カビ類により劣化・変色させら
れ商品価値を失うことを防ぐことができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390001683 日本技研工業株式会社 東京都中央区八重洲1丁目9番13号 (72)発明者 前田 信秀 東京都練馬区下石神井3−14−11 Fターム(参考) 4G030 AA16 GA09 GA11 GA17 HA10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンおよび焼成ドロマイトを含有
    することを特徴とする複合セラミックス。
  2. 【請求項2】 前記焼成ドロマイトが、ドロマイトを9
    00〜1200℃の範囲で焼成してなるものであること
    を特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス。
  3. 【請求項3】 前記焼成ドロマイトの粒度が、3μm以
    下であることを特徴とする請求項1または2に記載の複
    合セラミックス。
  4. 【請求項4】 前記焼成ドロマイトの含有量が、複合セ
    ラミックスの総重量を基準として50〜85重量%であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の複合セラミックス。
  5. 【請求項5】 前記酸化チタンの粒度が、3μm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の複合セラミックス。
  6. 【請求項6】 前記酸化チタンの含有量が、複合セラミ
    ックスの総重量を基準として15〜50重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複
    合セラミックス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複
    合セラミックスを含有してなることを特徴とする複合ポ
    リマー組成物。
  8. 【請求項8】 前記複合セラミックスの含有量が、複合
    ポリマー組成物の総重量を基準として5〜15重量%の
    範囲であることを特徴とする請求項7に記載の複合ポリ
    マー組成物。
  9. 【請求項9】 母材成分と、良溶媒と、請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の複合セラミックスとを含有してな
    る複合ポリマー組成物であって、 前記複合セラミックスが母材成分に対して2.5〜20
    重量%、良溶媒が母材成分に対して0.05〜1.5重
    量%であることを特徴とする複合ポリマー組成物。
  10. 【請求項10】 前記母材成分が、エラストマー、ハロ
    ゲン含有ポリマーおよび高分子重合体から選ばれる1種
    以上である請求項9に記載の複合ポリマー組成物。
  11. 【請求項11】 前記良溶媒が、前記母材成分の溶解度
    パラメーター(SP 1 )とほぼ等しい溶解度パラメータ
    ー(SP2 )を持つ溶剤であることを特徴とする請求項
    9または10に記載の複合ポリマー組成物。
  12. 【請求項12】 前記SP1 と前記SP2 の関係が、|
    SP1 −SP2 |≦1を満足するものであることを特徴
    とする請求項11に記載の複合ポリマー組成物。
  13. 【請求項13】 請求項7〜12のいずれか1項に記載
    の複合ポリマー組成物を用いて形成されてなることを特
    徴とするポリマー製品。
  14. 【請求項14】 前記複合ポリマー組成物中に含有され
    る複合セラミックスの抗菌率(X)と、当該複合ポリマ
    ー組成物を用いて形成したポリマー製品の抗菌率(Y)
    との相関関係が、Y≧0.90Xを満足することを特徴
    とする請求項13に記載のポリマー製品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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