JP2001033839A - 光パルス列送信器およびそれを用いた光信号送受信システム - Google Patents

光パルス列送信器およびそれを用いた光信号送受信システム

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JP2001033839A
JP2001033839A JP20786299A JP20786299A JP2001033839A JP 2001033839 A JP2001033839 A JP 2001033839A JP 20786299 A JP20786299 A JP 20786299A JP 20786299 A JP20786299 A JP 20786299A JP 2001033839 A JP2001033839 A JP 2001033839A
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pulse train
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signal light
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JP20786299A
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Yasuo Imanishi
泰雄 今西
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Hitachi Ltd
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  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な光パルス列送信器の提供にある。 【解決手段】基板上に形成された複数の光分配点、分配
光変調器、光信号合波点、および、これらを結ぶ光導波
路からなる光回路と、該光回路へ信号光パルス列を入出
射する手段と、前記光回路の光分岐点を駆動させるため
の外部光または電場の印加手段と、前記光回路の分配光
変調器を駆動させるための外部光または電場の印加手段
を備え、光信号のもととなるレーザ等の光源、情報電気
信号を受信し分配光変調器に情報を重畳するための制御
回路、飛来した光信号を受信するための光同期装置と、
受信した光信号を電気信号に再生する信号変換装置を備
えた光パルス列送信器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繰り返し速度が1
0ギガビット/秒以上の光パルス列送信器に係り、特
に、テラビット級の光パルスを用いる光パルス列送信器
およびそれを用いた光信号送受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア社会の急速な発展
に伴い、より多くの情報を遣り取りするための大容量高
速光通信への要求は高まる一途である。現在は、複数の
家庭やオフィス等の情報発振源から電話回線を通じて送
られた電気信号は、長距離通信用の中継局に集められ、
そこで電気信号から光信号に変換される。多数の光信号
が光ファイバを介して、数百km離れた別の中継局に送
られ、そこで再び電気信号に変換され、目的の情報受信
源に送られる。
【0003】このような光通信を利用する情報発振源数
の増加だけでなく、送られる情報が単純な音声に加え
て、コンピュータのデータファイルや画像のように、さ
らに大容量化し、それらをより高速で遣り取りすること
が求められている。さらに、より高速化のため、全ての
情報発振源からの電気信号を光信号化されつつある。こ
の対応策として、より短い光パルスを用いることによ
り、単位時間当りの信号量を増加させている。
【0004】こうした光信号伝送に用いられる光ファイ
バは、主にシリカガラスファイバであり、このファイバ
の光伝送損失が最小となる波長1.31μmまたは1.5
5μmの光が、信号光として用いられている。例えば、
上記波長での光伝送損失は0.5dB/km程度である
が、僅かに波長が異なるとすぐに伝送損失は1dB/k
mを超えてしまう。
【0005】従って、光通信に用いられる光源は、この
光ファイバの特性に合わせた単色性の良いレーザが用い
られている。このようなレーザ光に対して、情報となる
電気信号に応じて光変調器を用い、その強度を変化させ
て、光パルス列を発生させることで光信号は形成されて
いる。
【0006】このような光パルスを用いた光通信におい
ても、数百kmに及ぶ光パルスを伝送すると光信号は減
衰するため、途中に光パルスを増幅する中継器を用いて
いる。現在用いられている中継器では、中継器に到達し
た光信号を光検出器により1度電気信号に変換し、電気
的に増幅,再生,リタイミング等の復調処理を行い、こ
の電気信号をレーザ光に変調し光信号として次の受信基
地まで送信する。
【0007】このように中継器で電気的処理を行うた
め、より高速な光信号は到達した光信号を光のままで復
調する技術が必要とされている。こうした高速光変調
は、電気的信号処理の限界と云われ数10Gbit/s
ec以上の大容量高速通信においては必須と云われ、よ
り高速な光による光の変調が必要となる。
【0008】光による光の変調には、物質の3次の非線
形光学効果の一つである四光波混合、光双安定現象等が
用いられ、これらは非線形屈折率変化に起因している。
【0009】通常、光を物質に照射すると、その光電場
の大きさに比例して物質中に分極が誘起される。非線形
光学効果とは、物質に光を入射すると誘起される物質の
分極のうち、入射光電場に非線形に比例する効果全般を
指し、光電場の2乗、3乗…に比例する効果をそれぞれ
2次、3次…の非線形光学効果と云う(P.N.Butc
her,D.Cotter著、「The Elemen
ts of Nonlinear Optics」(C
ambridge現代光学研究9)、Cambridg
e大学出版、1990年)。
【0010】3次の非線形光学効果による分極Pは、物
質が中心対称性の場合は以下の式で書き表される。
【0011】
【数1】
【0012】ここでtは時刻、ωは光の角周波数を示
し、ε0は真空中の誘電率、Eω(t)は入射光電場を示
す。またχ(1)は物質の線形感受率を示し、物質の線形
屈折率n0と次式で関係づけられる。
【0013】
【数2】
【0014】ここでReはχ(1)の実数部をとることを示
す。またχ(3)は物質の3次非線形感受率を示し、物質
の3次非線形屈折率n2と次式で関係づけられる。
【0015】
【数3】
【0016】これらから物質の屈折率n(ω)は線形屈折
率n0と非線形屈折率n2から次式のように表わされる。
【0017】
【数4】
【0018】ここでIは、物質の光学定数を変化させる
制御光の強度を示す。このことは、物質の屈折率は光の
強度弱い時は入射する光の強度に関係なく一定の値n0
であるように見えるが、レーザ光のような強い光に対し
ては光の強度が増加するにつれ変化することを示してい
る。
【0019】上記のように、このような光による物質定
数の変調により、物質の屈折率、吸収率、偏光、位相等
の物性が変化し、これにより、その物質を通過または反
射する光の方向や強度を変えることができる。このよう
な光変調は入射した光の光電場により引き起こされるた
めに、光の速さで物質の分極が起こり、急速に物性を変
化させることができる。
【0020】ところが、一度物質に誘起された分極は、
入射光が通過後も一定時間残留し、その時間は物質の分
極機構によって異なる。
【0021】例えば、GaAsやInSb等の半導体で
は光励起により電子と正孔に分離した励起子を生じ、こ
れが再結合して元の状態に戻るには数ナノ秒(10~
9秒)以上の時間を要する。これは半導体を構成する原
子が共有結合により規則正しく結合しているため、分離
した電子と正孔が複数の原子を渡り歩き、両者の距離が
離れるためである。
【0022】これに対して、ポリジアセチレンや金属フ
タロシアニンのような有機分子や石英ガラスでは、光励
起により分子が励起状態になっても、隣の分子との間に
共有結合等に由来するバンド構造がないため電子と正孔
の分離は生ぜず、励起状態が失活して元の状態に戻るに
は数ピコ秒(10~12秒)程度の時間で済む。
【0023】その一方、分極された電子と正孔の電荷量
が同じであれば、このような物質の分極の大きさはその
分離された距離に比例することから、分極の大きさと失
活の速さとはトレードオフの関係にある。
【0024】このように3次の非線形光学効果による数
ピコ秒以下の高速応答性を用いて、物質の屈折率、吸収
率、偏光、位相等の物性を変化させ、これにより、その
物質を通過または反射する光の方向や強度を変える光ス
イッチを実現するための材料としては、これら有機分子
や石英ガラスが適している。
【0025】ところが、これら高速応答性を有する材料
の3次非線形光学感受率は10~14〜10~12esu程度
であり、それを用いて光スイッチを実現するためには、
非常に多くの制御光強度を要する。
【0026】例えば、文献(T.Morioka an
d M.Saruwatari、IEEE J.Sele
ct.Areas Commun.第6巻、1186頁、
1988年)によると、制御光によって物質の偏光状態
を変化させる光Kerr効果型の光変調器においては、
制御光の存在によって物質中に制御光に平行な方向と垂
直な方向に、2つの異なる非線形屈折率n2xxとn2xyが
それぞれ誘起される。時刻tにおける両方向の屈折率の
差Δn(t)は、上記の非線形屈折率と制御光の強度I
p(t)を用いて、次式のように表わされる。
【0027】
【数5】
【0028】このような屈折率差を有する物質からなる
光導波路中を、波長λの光が長さLだけ進んだ時の光の
位相差Δφ(t)は次式で与えられる。
【0029】
【数6】
【0030】この光スイッチでは、制御光によって偏光
面を回転させるため、光スイッチとして駆動させる最低
必要制御光量はΔφ(t)=πとなる時である。Δn(t)は
物質定数であるから、用いる素材と光の波長が定まる
と、光スイッチの光導波路の長さLと必要な駆動光量I
p(t)とは反比例の関係になる。
【0031】例えば、非線形屈折率が10~16cm2/W
程度のシングルモード石英ファイバを用いた場合、ファ
イバ長20mで制御光量30W、150mで3.4Wが
必要であったと報告されている。しかし、石英ファイバ
の非線形応答速度は数10フェムト秒以下と高速であ
り、1.9GHzの光信号列からの信号抽出は容易に実
現されている。
【0032】より少ない制御光量でスイッチング特性を
得るためには、応答速度を損なうことなく、非線形光学
感受率の大きな物質を用いることが必要である。特に、
テラビット級の大容量光信号処理には、応答速度が1ピ
コ秒以下である必要がある。
【0033】このような特性を満足する3次非線形光学
材料として、π電子共役系からなる分子骨格を含む有機
化合物がある。例えば、p−ニトロアニリン、3−メチ
ル−4−ニトロアニリン、尿素、カルコン、スチルベ
ン、トラン、ベンジリデン、ポルフィリン、フタロシア
ニン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリチオフ
ェン等の数多くの分子が高い非線形特性を示すことが知
られている(H.S.Nalwa,S.Miyata著、
「Nonlinear optics of orga
nic molecules and polymer
s」、CRC Press,1997年)。
【0034】これらのテラビット級の大容量光信号処理
の要素技術としては、文献(猿渡正俊著、「テラビット
光通信の現状と展望」、応用物理、第67巻,第1号,
44頁,1998年)に記載されているような超短光パ
ルス発生技術、全光MUX/DEMUX技術、光クロッ
ク抽出技術等の開発が不可欠である。
【0035】このような光通信においては、安定で高繰
り返しが可能な光パルス列の発生器が重要である。特
に、数百ギガビット/秒以上の高繰り返し光パルス列を
発生させるためには、そのレーザ発振の原理に立ち返っ
て、その発生方法を振り返ることが重要である。
【0036】単純な高繰り返し光パルス列発生可能な半
導体レーザの開発状況については文献(荒平慎、「集積
化モード同期半導体レーザの現状」応用物理、第67
巻,第9号,第1013頁,(1998年))に示され
ているように、集積化モード同期法によって繰り返し周
波数が百ギガHz〜1テラHzの範囲で、パルス時間幅
0.26ピコ秒〜3ピコ秒の光パルス列発生が可能にな
りつつある。これらはいずれも近赤外域の光通信波長帯
に対応しており、1.31μmまたは1.55μm対応の
波長多重通信域での高繰り返し光源が提供されつつあ
る。
【0037】しかしながら、このような高繰り返し光パ
ルス列に直接情報を重畳する方法が無く、実際には電子
回路で対応可能な数十ギガHzの光パルス列に電気光学
効果光スイッチを用いて情報を重畳し、光パルス圧縮と
光学遅延路によって、情報を重畳させた光パルス列とし
ている。さらに、このような高繰り返し光パルスより低
繰り返しの光パルスで間引きした後に解析している。い
ずれにせよ、電子回路で追随できない高繰り返し光パル
スの一括した情報重畳、情報抽出方法が望まれている。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】前記のような大容量高
速光通信において、特に、電気的信号発生が困難となる
100ギガビット/秒以上の領域においては、高速で安
定な基準となる光パルス列の一括情報抽出手段が重要と
なる。また、時間幅の短い光パルスを用いると同時に波
長の異なる光を同時に用いることで、一層の大容量化を
図ることができる。但し、光の伝送路は1.31μmま
たは1.50μm対応のシングルモード光ファイバが用
いられるため、この波長域に近い範囲で細かな波長の違
い、例えば、0.01μm刻みで波長の異なる半導体レ
ーザか、複数の発振波長を有する半導体レーザを分光し
た光を用いていた。
【0039】しかしながら、より短かく、かつ繰り返し
周波数が10GHzを超えるレーザでは、光の波長幅と
時間幅との間にはトレードオフの関係があり、一定限度
以上には大容量化することができなかった。また、かか
る波長は離散的にしか変化させることができず、波長数
の増加と共に、その個別の波長の制御が困難となってい
た。
【0040】こうしたテラビット級の大容量高速光通信
においては、1秒当り1012個もの光パルス列を生成、
伝送、抽出する必要がある。ところが、そのような大量
の光パルス列に乗せるべき末端の情報は各種電子機器に
よって取り扱われるため、電子機器の高速動作限界であ
る高々20Gbps程度が最高の速度であり、これをそ
のまま光信号化しても、パルス幅数ns程度の光パルス
列しか形成されず、伝送速度をそれ以上にすることはで
きなかった。
【0041】そこで、これをその100倍以上のテラビ
ット領域にするためには、何らかの光多重化技術を必要
とし、このために従来は数ps程度のパルス幅の短いが
繰り返し周波数がギガビット程度のレーザパルスを発生
し、これを電気光学効果素子により、外部から来る電気
信号によって変調をかけることで、その光パルスの透過
/非透過を制御したものを一つの光パルス列源とし、こ
れを例えば100チャンネル分用意し、時間遅延させて
光パルスを多重化し、単位時間当りの光パルス数を大容
量化していた。
【0042】しかしながら、この方法では特定の1チャ
ンネルに着目した時の光信号伝送速度は電気信号の速度
と同一であり、単にチャンネル数を増加させたものに過
ぎなかった。一つのチャンネルでより多くの情報を送る
ためには、このような電気信号列を1度複数のチャンネ
ルに分割し、各チャンネル毎に電気信号を光信号に変換
し、その信号を多重化する必要がある。この方法では各
チャンネル内の電気光学素子を電気的に同期させる必要
があり、チャンネル数の増大と共に、極めて高度な安定
化電子回路を必要としていた。
【0043】このようなギガビット程度しか発生できな
い電気信号列を、より安価かつ安定にテラビット級の光
信号列に変換する手段がないことが、実用的なテラビッ
ト光通信の実現を困難にしていた。
【0044】このようにテラビット領域での光通信には
基準光パルスの発生、信号生成、多重化、伝送、復調、
誤り補正、抽出、信号読み出し等の様々な機能性全光素
子を必要とする。それらの素子は、常に一定の光パルス
列を時間基準として動作させる必要があり、かつ、この
ような大量の光信号の送り手と受け手は、光ファイバネ
ットワークを経由して複雑に遣り取りされるため、基準
光パルス列の光クロックに対応して光情報を抽出する、
光パルス列送信器の開発が必要とされていた。
【0045】本発明の目的は、上記に鑑み、新規な光パ
ルス列送信器およびそれを用いた光信号送受信システム
を提供することにある。
【0046】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0047】〔1〕 外部または内部で発生させた信号
光パルス列を光導波路に入出射が可能で、外部から制御
された電場または光により光導波路中の信号光パルス列
が変調可能な非線形光学物質を含む光パルス列送信器に
おいて、前記光導波路が少なくとも1ヵ所で2つ以上の
光導波路に分岐されており、かつ、分岐された光導波路
の各々に信号光パルス列を通過させる信号光導波路と、
該光パルス列から特定の光パルスを分配するための複数
の光分岐点と、該光分岐点の各々より分配された信号光
パルスを通過させる別の分配光導波路を有し、前記光分
岐点は光導波路中での信号光パルスの伝搬速度と信号光
パルスの時間幅との積の距離の2倍以下の長さの分岐点
幅を有し、各光分岐点は光導波路中での信号光パルスの
伝搬速度と信号光パルス列時間間隔との積の距離以下の
長さと、該分岐点幅より長い距離の間隔で信号光導波路
中に配置されており、外部から制御された電場または光
によって1つの信号光導波路に属する全ての光分岐点の
光学特性を同時に変調させて、光パルス列をそれぞれの
最も近くの分配光導波路に分配させることが可能で、か
つ、該分配光導波路の各々に外部から電場または光によ
って分配された信号光パルスの透過性を制御可能な分配
光変調器を有し、各々の信号光導波路中の光分岐点群か
ら分配された各分配光導波路に属する分配光変調器群が
光分岐点群を駆動させている変調周期と同じ周期で変調
し、かつ、該分配光変調器を通過した信号光パルスを再
び1つの光導波路に合波する合波点を有し、1つの信号
光出口から該信号光パルスが出射されるよう構成したこ
とを特徴とする光パルス列送信器。
【0048】〔2〕 前記信号光導波路が少なくとも1
ヵ所で2つ以上の別の信号光導波路に分岐された信号光
導波路の各々に、光パルス列分岐点が信号光パルス列時
間間隔以上の遅延時間を設けて外部から制御されている
請求項1に記載の光パルス列送信器。
【0049】〔3〕 少なくとも1ヵ所で2つ以上の別
の信号光導波路に分岐された分岐点を起点とし、該起点
から各信号光導波路の中の光パルス列分岐点に達するま
での信号光通過距離が異なり、かつ、各信号光導波路中
の光分岐点から分配されて分配光変調器を通過後、一つ
の光導波路に合波されて到達する信号光出口点から前記
起点までの信号光通過距離が等しい前記の光パルス列送
信器。
【0050】〔4〕 前記分配光変調器が合波点でもあ
る前記の光パルス列送信器。
【0051】〔5〕 信号光の分岐点から分配された信
号光の内、一部を常時合波させるよう構成された前記の
光パルス列送信器。
【0052】〔6〕 分配光変調器を駆動させるための
光駆動信号として、第2の外部から別の光導波路に入射
された第2の光パルス列を用い、該第2光パルス列が少
なくとも1ヵ所で2つ以上の別の第2光パルス列用信号
光導波路に分岐されており、分岐された第2光パルス列
用信号光導波路の各々に第2信号光パルス列を通過させ
る第2光パルス列用信号光導波路と、該第2信号光パル
ス列から特定の光パルスを分配するための複数の第2光
パルス列用光分岐点と、該光分岐点の各々より分配され
た第2信号光パルスを通過させる別の第2光パルス列用
分配光導波路を有し、前記第2光パルス列用光分岐点は
光導波路中での第2信号光パルスの伝搬速度と第2信号
光パルスの時間幅との積の距離の2倍以下の長さの分岐
点幅を有し、各第2光パルス列用光分岐点は光導波路中
での第2信号光パルスの伝搬速度と第2信号光パルス列
時間間隔との積の距離以下の長さと、分岐点幅より長い
距離の間隔で第2光パルス列用信号光導波路中に配置さ
れており、外部から制御された電場または光によって1
つの第2光パルス列用信号光導波路に属する全ての光分
岐点の光学特性を同時に変調させて、光パルス列をそれ
ぞれの最も近くの第2光パルス列用分配光導波路に分配
させた第2光パルス列分配光を用いる前記の光パルス列
送信器。
【0053】〔7〕 遠方より伝送された最初の光パル
スの一部を分岐し、その到達を検知した時点を分配の基
準時刻として駆動を開始する前記の光パルス列送信器を
用いた光信号送受信システム。
【0054】〔8〕 伝送された光パルスの一部を分岐
し、その検知した情報を解析処理することによって、駆
動の時間や終了時刻を判定する機能を有する前記の光パ
ルス列送信器を用いた光信号送受信システム。
【0055】
〔9〕 繰り返し周波数が1ギガビット/
秒以上の電気信号を重畳させて、時間分割多重または波
長分割多重された光信号パルス列を送受信する前記の光
パルス列送信器を用いた光信号送受信システム。
【0056】
【発明の実施の形態】本発明の光パルス列送信器中に用
いられる非線形光学物質としては、有機化合物としては
2−メチル−4−ニトロアニリン(H2N−C63(−
CH3)−NO2)や4−メチル−4'−トラン(H3C−
64−C≡C−C64−CN)、ポリジアセチレン、
ポリアセチレン、金属フタロシアニン等の有機化合物
や、ポリシラン、ポリアジン、ポリホスファゲン等の無
機高分子、セレン化亜鉛、ガリウム砒素、セレン化カド
ミウム等の化合物半導体や金、銀、銅等の金属、リン酸
二水素カリウムやニオブ酸リチウム等の無機非線形化合
物を挙げることができる。
【0057】特に、効果的に光変調を起こすためには、
これら構成する物質層単体もしくは多層化させた状態で
の3次非線形光学定数が、変調させる光の波長で10~
12esu以上であることが好ましい。
【0058】また、電気光学効果による変調を行うため
には、2次の非線形光学材料を用いることが望ましく、
変調させる電場は高速駆動可能な回路または別の超短光
パルスをトリガとする光電子変換部分を併用することが
望ましい。
【0059】また、上記の形状において、異種材料ある
いは本発明が用いるものとは構造の異なる他の材料と共
存,混在させて用いることができる。また、これらの光
パルス列分配器を形成するために、ガラス、シリコン、
ひ素化ガリウム等の基板を用いることができる。
【0060】本発明の光パルス列送信器の作製手法とし
ては、各種高分子延伸薄膜形成技術、例えば、熔融射出
成形法、スピンコート法、スパッタ法、ラングミュアブ
ロジェット法等や、真空蒸着法、分子線蒸着法、交互ス
パッタ法、イオンクラスタビーム法等を用いることがで
きる。また、これらの媒体にその光変調効果発現のため
の電場または磁場によるポーリング処理を施すことがで
きる。
【0061】さらに光パルス列分配器を形成するために
は、必要とされる光パルスの特性に応じて、各種精密加
工技術を用いることができる。例えば、精密ダイアモン
ド切断加工、レーザ加工、エッチング加工、フォトリソ
グラフィ、反応性イオンエッチング、集束イオンビーム
エッチング、ダイシング加工等が挙げられる。また、予
め加工された光パルス列分配器を複数個多層化、もしく
は、一定の間隔で配置したり、また、その間を光導波路
で結合したり、その状態で封止する等の処理を行うこと
ができる。
【0062】本発明の光パルス列送信器は、製品の形成
後に、外観、特性の向上や長寿命化のための処理を行っ
てもよい。こうした後処理としては熱アニーリング、放
射線照射、電子線照射、光照射、電波照射、磁力線照
射、超音波照射等が挙げられる。さらに上記素子を各種
複合化、例えば、接着、融着、電着、蒸着、圧着、染
着、熔融成形、混練、プレス成形、塗工等、その用途ま
たは目的に応じて複合化させることができる。
【0063】本発明は、特に、物質の電気的状態を制御
するための電極の設置や、光強度密度を上昇させるため
の光共振器構造、または、光導波路構造をとるのに必要
な鏡や異なる屈折率媒体の付加は、光変調特性を向上さ
せるのに有効である。
【0064】また、本発明の光パルス列送信器を組み込
んだ各種素子、例えば、光波長変換素子、光変調器、光
スイッチ、光メモリ、光混合器、光位相分別器、光位相
共役鏡、画像表示素子、画像印刷素子等の光機能素子等
に応用することができる。特に、外部より導かれた通信
波長域の光パルス列をトリガとして用いることにより、
非同期型の光パルス列分配を行わせることができる。
【0065】これらの具体的応用例としては、通信用の
光導波路、光ケーブル、光集積回路、2次元論理素子等
が挙げられる。
【0066】本発明によれば、テラビット/秒以上の高
い繰り返し光パルス列発生レートを有する光パルス列送
信器を形成することができ、かつ、外部より導かれた通
信波長域の光パルス列をトリガとして用いることによ
り、非同期型の光パルス列送信器を形成することができ
る。
【0067】また、小型固体レーザと光ファイバの組み
合わせにより、取扱いが容易な光パルス列送信器を与え
ることができる。このような光パルス列送信器により、
高速かつ高繰り返しの大容量光通信の一括情報発生抽出
が実現できる。
【0068】さらに、本発明の光パルス列送信器を用い
ることで、遠方より伝達された光パルス列信号を電気信
号に変換することなく、新たに発生させた光パルス列信
号として再送信することができ、信号伝達中に起きた信
号減衰、パルス時間広がり等を復調する光パルス列中継
器を形成することができる。
【0069】
【実施例】次に、本発明に係る光パルス列送信器の実施
例により具体的に説明する。
【0070】〔実施例 1〕まず最初に、本発明の光パ
ルス列送信器の基本的構成について説明する。図1には
本発明の光パルス列送信器の素子の上面図の構成例を示
したものである。
【0071】素子を形成する基板14上に、外部からの
信号光パルス列を入射する信号光入口1と、信号光導波
路2があり、そこを通過した信号光パルス列はY分岐路
3で2つの信号光導波路に分けられる。
【0072】分けられた後の信号光導波路は対称的に形
成されており、それぞれに4つの光分岐点が2組
((4,4',4'',4''')と(5,5',5'',
5'''))が形成されている。さらに、各信号光導波路
の末端はダンパ6,7によって終端されており、余分な
光の反射を防止している。
【0073】また、各光分岐点からはそれぞれ別の分配
光導波路((8,8',8'',8''')と(9,9',
9'',9'''))が形成されており、その途中にはそれ
ぞれ分配された光パルスを変調するための分配光変調器
(10,10',10'',10''')と(11,11',
11'',11'''))が設けられており、該分配光変調
器を通過した光パルスは変調光合波点(12,12',
12'',12''')を経由して1つの光導波路に導か
れ、変調合波信号出口13に達し、そこから素子の外部
に出射される。
【0074】本発明では、少なくとも光分岐点((4,
4',4'',4''')と(5,5',5'',5'''))に外
部から信号光パルス列を入出射することが可能で、外部
から制御された電場または光によって変調可能な非線形
光学物質を用いることで、各光分岐点の屈折率や透過率
を変化させて、信号光の進路を変更する光パルス列分配
機能を有しており、以下の幾何学的条件を満たすことに
より、一連の光パルスを一括分配することができる。こ
の効果を図2,3,4および5を用いて説明する。
【0075】ここで用いられる信号光パルスの光分岐点
は、光導波路中での信号光パルスの伝搬速度と信号光パ
ルスの時間幅との積の距離の2倍以下の長さの分岐点幅
を持つことが望ましい。上記分岐点幅とは、信号光導波
路と接続する分配光導波路の接続部分の長さを意味し、
図2では分岐点幅15に相当する長さである。
【0076】また、光導波路中での信号光パルスの伝搬
速度と信号光パルスの時間幅との積の距離は、ある瞬間
に信号光パルスが存在する光導波路の距離に相当し、通
常の光デジタル通信では、連続する光パルスを分離して
検知するために、その2倍程度の時間間隔で光パルスを
重畳することが多い。このため、その距離の2倍以下の
長さの分岐点幅に設定することで、連続する光パルスを
混線することなく、分配することができる。
【0077】各光分岐点は、光導波路中での信号光パル
スの伝搬速度と信号光パルス列時間間隔との積の距離以
下の長さと、分岐点幅より長い距離の間隔で信号光導波
路中に配置することが望ましく、ここでいう分岐点の配
置された間隔とは、図2の分岐点間隔16に相当する長
さである。
【0078】このような分岐点間隔16に上限を設ける
ことで、確実に連続する光パルスを分離して分配光導波
路((8,8',8'',8''')と(9,9',9'',
9'''))に分配することができる。また、変調しない
場合は、そのまま信号光パルス列はダンパ(6,7)に
到達し、吸収され消滅する。
【0079】次に、この光パルス列分配器を用いて、2
つの連続する光パルスを分配する変調のタイミングの設
定方法について説明する。
【0080】図2には、1つの基本構造について4つの
光分岐点を中心にした信号光導波路と、分配光導波路の
位置(P0,P1,P2,P3,P4,P5,Q1,Q2
3,Q4,R1,R2,R3,R4)、もう一つの基本構造
について4つの光分岐点を中心にした信号光導波路と分
配光導波路の位置(P'0,P'1,P'2,P'3,P'4
P'5,Q'1,Q'2,Q'3,Q'4,R'1,R'2,R'3
R'4)、および、合波された導波路中の位置(S1
2,S3,S4,S5)を示した。
【0081】信号光パルス列は、信号光入口1から入射
され、Y分岐路3で1対1に分岐されて、それぞれの基
本構造の信号光として進行する。これら2つの基本構造
は対称的に配置されているために、分岐された信号光は
共に同じ距離を同じ時間で進行する。
【0082】例えば、一方が位置P0に達した時は、他
の一方は位置P'0に達するように対称的な位置を進行す
る。ここでは光分岐点間隔は全て同一とし、光学距離区
間(P0〜P1,P1〜P2,P2〜P4,P4〜P4,P4
5,P1〜Q1,Q1〜R1,R1〜S1,P2〜Q2,Q2
2,R2〜S2,P4〜Q3,Q3〜R3,R3〜S3,P4
4,Q4〜R4,R4〜S4)、および、光学距離区間
(P'0〜P'1,P'1〜P'2,P'2〜P'3,P'3〜P'4
P'4〜P'5,P'1〜Q'1,Q'1〜R'1,R'1〜S'1
P'2〜Q'2,Q'2〜R'2,R'2〜S'2,P'3〜Q'3
Q'3〜R'3,R'3〜S'3,P'4〜Q'4,Q'4〜R'4
R'4〜S'4)、並びに、光学距離区間(S1〜S2,S2
〜S3,S3〜S4,S4〜S5)同じとし、伝搬される信
号光パルス列は単色光で、パルス時間幅tp/2、パル
ス列時間間隔tp/2であるとする。
【0083】この時、信号光パルスはいずれの光学距離
区間の1つ分を進むのに、丁度tp/2要する。
【0084】まず、信号光パルス列(図3,4のa1
2,a3,a4,b1,b2,b3,b4,c1,c2,c3
4,…)は、信号光入口1から信号光導波路2に導入
され、Y分岐点3で2つに分けられて、それぞれの光導
波路中を進行する。
【0085】最初の信号光パルスa1が位置P0を時刻0
に通過し、以下信号光パルスa2,a3…が時間tpずつ
遅れて位置P0を通過する。同様に分岐されたもう一つ
の信号光も、最初の信号光パルスa1が位置P'0を時刻
0に通過し、以下信号光パルスa2,a3…が時間tp
つ遅れて位置P'0を通過する。
【0086】位置P0を通過した信号光パルスは時間tp
後には第1の光分岐点の位置P1に到達するが、ここで
駆動パルス(CTL1,CTL2,CTL3,…)でスイ
ッチングされている場合は、分配光導波路Qへ分岐さ
れ、スイッチングされていない時はそのまま信号光導波
路を進み第2の光分岐点に向かう。第2の光分岐点(位
置P2)でも同様にスイッチングの有無で進路が別れ、
スイッチングされていない場合に限り、以下順次第3,
第4の光分岐点(位置P3,P4)に達し、第4の光分岐
点でスイッチングしなかった場合に限り、位置P5を信
号光は通過し、ダンパ6へ至る。
【0087】これらの各光分岐点のスイッチングは、同
じ駆動パルス(CTL1,CTL2,CTL3,…)で一
括して行う。そのため、ここでは最初の信号光パルス
(a1)が位置P4に達した時から開始することとし、そ
の時刻は信号光パルス(a1)が位置P0を通過した時刻
を0とすると、時刻4tpとなる。また、各光分岐点で
スイッチングされた光パルスは、各分配光同導波路によ
り適宜導かれ、時刻5tpに各位置(Q1,Q2,Q3,Q
4)を通過する。
【0088】以下、もう一方の信号光導波路の位置P0'
等への到達時間も同様に行われる。
【0089】ここで、スイッチングに信号光パルス時間
幅よりも長く、この周期4tpより短い遅延時間がある
場合を考える(周期4tpより長い場合は遅延時間より
長くなるように光分岐点の数を増やすとよい)。
【0090】この時、図3,4に示したように、スイッ
チングは駆動光パルスには追随していないため、a1
2,a3,a4がCTL1によって分配された後、各光分
岐点の光学特性は初期状態に回復できず、引き続いてや
って来るb1,b2,b3,b4に対しては、特に、位置P
1からの光の余分な分岐が生じる。このため、仮に周期
4tpで次の駆動光パルスを照射すると、時刻8tpにお
いて各分岐点に達しているb1,b2,b3,b4はその信
号光強度が均一でない。
【0091】そこで完全に元の規定された強度の信号光
パルス列が、全ての分岐点に揃うまで次の分配を待つと
すると、時刻12tpに次の駆動光パルスCTL3を照射
すればよい。但し、ここで分配されるのはc1,c2,c
3,c4であり、b1,b2,b3,b4は分配することがで
きない。勿論、分配されないb1,b2,b3,b4の信号
光パルス列は、無視するかまたは一つの通信方式として
最初からこの時間帯には信号を重畳しない方法もある。
いずれにせよこの遅延時間の2倍のタイミングでしか次
の駆動光パルスを照射できない。
【0092】そこで、このb1,b2,b3,b4のような
分配漏れした信号光パルスも読み出す方法について、以
下説明する。
【0093】もう一つの基本構造についても同様の信号
光パルス列が通過しているが、両方を同じタイミングで
駆動光パルスを照射するのではなく、遅延時間と同じ時
間ずれた同じ周期の駆動光パルスを照射する。ここでは
時刻4tpからではなく、遅延時間4tpずれた時刻8t
pより、周期8tpで駆動光パルスCTL2、CTL4…を
照射する。すると、最初のa1,a2,a3,a4は分配さ
れずに位置P'5へ素通りし、b1,b2,b3,b4から分
配される。次のc1,c2,c3,c4は同様に正しく分配
されないので次の分配はd1,d2,d3,d4へと移る。
【0094】このようにして、一方の光分岐点列だけで
は分配できなかった連続した信号光パルス列も、分配す
ることが可能となり、全ての信号光パルス列を分配する
ことができる。この場合、特に、位置Q1、Q'1に余分
な信号の漏れ光が来る可能性があるが、このポートにつ
いては適当なフィルタや、光電変換素子の閾値を調整す
るか、または、このアドレスの信号は使用しない等の通
信方式の採用によって、利用することができる。
【0095】このようにして信号光パルス列は4つずつ
別の分配光導波路に分配されるため、周期の光パルス列
が周期4tpの光パルス列に低繰り返し化されて分配さ
れる。この低減される周期は光分岐点の数が多い程低繰
り返しとなり、例えば、1Tbpsの時間多重信号光パル
ス列に対しては10分岐点ならば100Gbps、100
分岐点ならば10Gbps、1000分岐点ならば1Gbps
まで低減される。
【0096】このように光分岐点の非線形光学材料に長
い遅延時間がある場合は、光パルス分配器基本構造の組
み合わせによって、漏れなく分配することができる。分
配の方法には、ここに示したもの以外の光パルス分配器
基本構造の組み合わせも可能である。どのような光回路
に組み合わせるかは目的とする信号光パルス列の通信方
式によって異なる。
【0097】また、特に大きな非線形光学感受率を有す
るが遅延時間の長い半導体、例えば、Si、GaAs、
InP、ZnSe、CdSe、CdS等のバルクや超格
子等を用いる場合は、上記に示したような方式は特に有
効である。
【0098】次に、分配された後の各光信号パルス列の
経路について図5により説明する。
【0099】ここでは簡単にするため、位置Q1、Q'1
に余分な信号の漏れ光は無視できるものとする。時刻5
pに各位置(Q1,Q2,Q3,Q4)を通過した最初の
4つの信号光パルス(a1,a2,a3,a4)は、同時に
時刻6tpに各分配光変調器の位置(R1,R2,R3,R
4)に到達する。
【0100】ここで分配光変調器(10,11等)には
電気光学素子や全光変調器等を用いることができるが、
そこでは光パルス列を分配させた駆動パルスと同じ周期
(ここでは8tp)で変調可能な光変調器であればよ
い。この分配光変調器を変調させる変調信号は電気でも
光でもよく、4つの分配光変調器をそれぞれ独立して変
調することができるようにする。
【0101】例えば、電気光学素子では、各分配光変調
器に個別の電気配線回路を施して独自に変調できるよう
にし、全光変調器では、各分配光変調器に個別の光導波
路または空間的光経路を設けることにより独立した変調
が可能である。
【0102】この各分配光変調器の変調状態により、信
号光パルスが位置(R1,R2,R3,R4)を通過して位
置(S1,S2,S3,S4)に到達可能か否かのシャッタ
の役割を果たすため、例えば、デジタル信号“0",
“1"に対応して位置(R1,R2,R3,R4)での
“閉",“開"状態が形成されるように設定すると、4つ
の連なったデジタル信号“0110"や“1010"に対
応して位置(R1,R2,R3,R4)がそれぞれ“閉開開
閉",“開閉開閉"となり、そこを到達した信号光パルス
列(a1,a2,a3,a4)の内、通過したものはそれぞ
れ(0,a2,a3,0)、(a1,0,a3,0)とな
る。
【0103】このように各分配光変調器に重畳される変
調信号は周期8tpであるが、より細かい周期tpの信号
光パルス列に変換することができる。
【0104】さらに、もう1つの光導波路からの信号光
パルス列との合波関係を説明するために、ここでは全て
の分配光変調器は“開"状態であるとする。
【0105】この場合、最初の4つの信号光パルス(a
1,a2,a3,a4)は、同時に時刻6tpに各分配光変
調器の位置(R1,R2,R3,R4)を通過し、7tp
変調光合波点の位置(S1,S2,S3,S4)に到達す
る。合波された光は同じ導波路を進むため、区間(S1
〜S2,S2〜S3,S3〜S4,S4〜S5)を進むのに時
間tpずつかかり、位置S5では信号光パルス(a1
2,a3,a4)が最初と同じ周期で再生されて出口
(13)から放出される。
【0106】ここで、もう1つの光導波路からは次の4
つの信号光パルス(b1,b2,b3,b4)は、同時に時
刻10tpに各分配光変調器の位置(R'1,R'2
R'3,R'4)を通過し、11tpに変調光合波点の位置
(S1,S2,S3,S4)に到達する。このため位置S5
では、信号光パルス(a1,a2,a3,a4)に引き続い
て信号光パルス(b1,b2,b3,b4)が初期同様に通
過する。
【0107】また、2つの信号光導波路からは周期8t
pで次の信号光パルス(c1,c2,c3,c4)、(d1
2,d3,d4)等が送信されてくるため、全ての入力
信号光パルス列は出口で再生されている。そして、途中
の各分配光変調器に重畳される周期8tpの変調信号
が、より細かい周期tpの信号光パルス列に乗せて送信
することができる光パルス列送信器として、機能させる
ことが可能である。
【0108】次に、各光分岐点の基本構造について図6
を用いて説明する。
【0109】光分岐する手法には光の非線形光学効果に
よる種々のスイッチング方法が利用できるが、ここでは
信号光導波路の光分岐点の部分の屈折率を、外部からの
駆動光パルスによって変化させて分配するスイッチを用
いた場合の例を説明する。
【0110】図6(a)および(b)は、光分岐点の具
体的構造を示し、(c)は、各分岐点同士の間隔を示し
ている。
【0111】図6(a)(b)では、信号光導波路1
7,17'に対して分配光導波路18,18'が接続して
いる。その接続部分に外部からの駆動光パルスによって
屈折率変化可能な光変調部(19、19')が形成され
ている。その屈折率が駆動光パルスによって減少する場
合の光変調部が、(a)の光変調部19であり、駆動光
パルスによって増加する場合の光変調部が、(b)の光
変調部19である。
【0112】このような光変調部は、光導波路の途中
に、こうした変調特性を示すパターニングされた非線形
光学物質を形成するか、または、導波路全体を同じ非線
形光学物質からなる導波路としておき、パターニングさ
れた部分にのみ、光が照射可能な上面層を形成すること
によって可能となる。
【0113】ここで光導波路の幅をWとし、分配光導波
路と信号光導波路の接続角をθとすると、dcosθ=W
となる。ここで、光変調部の屈折率が変化し光変調部に
よる信号光導波路の斜めの横断面前後で、屈折率がnと
n'とに分離したとすると、この横断面での信号光の全
反射角は、n'<nとして、n'/n=sinθとなる。
【0114】一方、光変調部の屈折率は、その線形屈折
率をn0、非線形光学屈折率をn2、照射する駆動光の光
量をPとすると、照射後の屈折率n*=n0+n2Pであ
るから、図6(a)の場合はn=n0、n'=n*であ
り、(b)の場合はn=n*、n'=n0である。
【0115】例えば、n0=1.50とし、W=10μm
とすると、n2Pの絶対値が0.1,0.01,0.001
の場合については、各々、θは83.4°,87.9°,
89.3°であり、dは87μm,274μm,818
μmとなる。
【0116】信号光パルスのパルス時間幅tp/2が0.
1ps,0.5ps,1ps,5ps,10psのと
き、信号光パルスの伝搬速度と信号光パルスの時間幅と
の積Ldは、真空中での光の速さをc0=3×108m/
sとすると、Ld=〔c0/n0〕×〔tp/2〕は20
μm,100μm,200μm,1mm,5mmであ
る。
【0117】信号光パルス列は、この2倍の間隔の周期
を持つので、この距離の2倍以下の長さの分岐点幅をd
とすれば、1つの分岐点からは1つの信号光パルスを分
配することができる。
【0118】また、図6(c)で、Dは信号光導波路上
の光分岐点の距離を示している。ここでは信号光パルス
列時間間隔はtpであるから、信号光パルスの伝搬速度
と信号光パルス列時間間隔との積の距離LDはパルス時
間幅tp/2が0.1ps,0.5ps,1ps,5p
s,10psのとき、LD=〔c0/n0〕×〔tp〕は4
0μm,200μm,400μm,2mm,10mmと
なり、Ld<D≦LDであれば、最低でも常に1つの信号
光パルスを各光分岐点間に挟むことができる。
【0119】このように、用いる光パルスの時間幅や繰
り返し周期、光分岐点の非線形光学特性や駆動光強度等
を、これらの条件を満たすように設定することで、本発
明の光パルス列送信器を形成することができる。
【0120】次に、光パルス分配器に信号光パルス列を
入射させ、駆動光光源から駆動光を照射し、分配された
信号光を電気信号に変換して取り出す場合の装置の一例
を図7で説明する。
【0121】光パルス列分配器22の上部には、駆動光
源20,20'と円筒面レンズ21,21'が設けられて
おり、特には図示していないが、これらは適当な治具に
よって最適配置に固定されている。
【0122】駆動光源20,20'から出射された駆動
光パルスは、円筒面レンズ21,21'を通過すると、
信号光導波路に平行な方向に引き伸ばされた光ビームと
なり、適当な位置合わせを事前に行っておくことで、光
分岐点列全体を覆う信号光導波路部にのみ集光すること
ができる。このようにして、1つの駆動光パルスの照射
で一括して光分岐点のスイッチングを行うことができ
る。
【0123】また、このようにして分配された信号光パ
ルスは、それぞれの分配光導波路を経由して分配光変調
器に導かれ、各分配光変調器毎に、特には図示していな
いが外部から制御された信号に応じて開閉状態を制御さ
れる。また、円筒レンズを用いず、例えば1対n分岐路
を用いて、駆動光を分岐し光分岐点に照射することも可
能であり、駆動構成についてはこれらに限定されない。
【0124】また、どれだけの数の光分岐点列を1つの
光パルス列送信器に作成するのかは、用いる光信号列の
通信条件によって異なる。また、信号光パルス列自身の
中に一定の開始や終了を示す、特定の送信パターンを形
成することによって、分配し光電変換された後の信号情
報のリタイミングや修正を行うことも可能である。さら
に、Ld<D≦LDという条件を満たす中で、より緻密に
光分岐点を設けることも可能である。
【0125】以上のように設定することにより、本発明
の光パルス列送信器の基本構造を形成することができ
る。
【0126】〔実施例 2〕次に、信号光導波路が少な
くとも1ヵ所で2つ以上の別の信号光導波路に分岐され
た後、非対称に配置された信号光導波路、光分岐点、お
よび、分配光変調器からなる光パルス列送信器について
図8により説明する。
【0127】図8は、図1(a)と同様に、素子を形成
する基板37上に、外部からの信号光パルス列を入射す
る信号光入口23と、信号光導波路24があり、そこを
通過した信号光パルス列はY分岐路25で2つの信号光
導波路に分けられる。
【0128】分けられた後の信号光導波路は、図に示す
ように非対称に形成されており、それぞれに4つの光分
岐点が2組((26,26',26'',26''')と(2
7,27',27'',27'''))が形成されている。さ
らに、各信号光導波路の末端はダンパ28,29によっ
て終端されており、余分な光の反射を防止している。
【0129】また、各光分岐点からはそれぞれ別の分配
光導波路((30,30',30'',30''')と(3
1,31',31'',31'''))が形成されており、そ
の途中には、それぞれ分配された光パルスを変調するた
めの分配光変調器(32,32',32'',32''')と
(33,33',33'',33'''))が設けてあり、該
分配光変調器を通過した光パルスは、変調光合波点(3
4,34',34'',34''',35,35',35'',
35''')を経由して1つの光導波路に導かれ、変調合
波信号出口36に達して、そこから素子外部に出射され
る。
【0130】但し、ここではY分岐路25で、別の信号
光導波路に分岐された点を起点として、該起点から各信
号光導波路の中の光パルス列分岐点26,27に達する
までの信号光通過距離が同一ではない。
【0131】また、各信号光導波路中の光分岐点から分
配されて分配光変調器を通過後、一つの光導波路に合波
され到達する信号光出口点までの信号光通過距離、例え
ば、経路25→26→30→32→34→36と、経路
25→27→31→33→33→36とが等しくなるよ
うに設計されている。
【0132】また、光分岐点幅や光分岐点間隔、用いる
信号光パルス列のパルス時間幅や周期は、実施例1と同
じものが用いられる。
【0133】但し、本実施例2の構成では、起点から各
信号光導波路の中の光パルス列分岐点26,27に達す
るまでの信号光通過距離の差が、そこを通過する光パル
スの通過時間差を与え、実施例1の2つの光導波路上の
光分岐点群を駆動させる駆動信号の時間差に等しくなる
ように設計する。そうすると、2つの光導波路上の光分
岐点群や、そこから分配された信号光パルスを変調する
分配光変調器群は、全て同じ周期で駆動させることが可
能となる。
【0134】こうして、より簡便な駆動方法で駆動可能
な、本発明の光パルス列送信器を形成することができ
る。
【0135】〔実施例 3〕次に、本発明の光パルス列
送信器を組み合わせて、別の形態の光パルス列送信器を
形成する方法について、図9〜11により説明する。
【0136】図9では、分配光変調器が、同時に合波点
でもある配置の光パルス列送信器の一例を示した。その
基本構成は、実施例2と同様で、素子を形成する基板5
0上に、外部からの信号光パルス列を入射する信号光入
口38と、信号光導波路39があり、そこを通過した信
号光パルス列は、Y分岐路40で2つの信号光導波路に
分けられる。
【0137】分けられた後の信号光導波路は非対称に形
成されており、それぞれに4つの光分岐点が2組((4
1,41',41'',41''')と(42,42',4
2'',42'''))形成されている。さらに、各信号光
導波路の末端は、ダンパ43,44によって終端されて
おり、余分な光の反射が防止される。
【0138】また、各光分岐点からは、それぞれ別の分
配光導波路((45,45',45'',45''')と(4
6,46',46'',46'''))が形成されている。但
し、ここでは、その途中ではなく、実施例2の合波点の
位置にそれぞれ分配された光パルスを変調するための分
配光変調器(47,47',47'',47''')と(4
8,48',48'',48'''))を設けた。
【0139】ここでは特に限定しないが、共通光導波路
方向に進む光パルスは、分配光変調器の変調を受けない
ものとする。分配光変調器を通過した光パルスは1つの
光導波路に導かれ、変調合波信号出口49に達して、そ
こから素子外部に出射される。制御方法は実施例2と同
様である。
【0140】また、図10は、実施例1に示した光パル
ス列送信器の基板60中に、信号光パルス列を発生する
信号光発生レーザ51と、光分岐点を駆動させるための
制御光を発生させる制御光発生レーザ52,52'と、
制御光を光分岐点に伝える制御光導波路53,54、お
よび、分配光変調器に入力される変調信号入力ポート5
5,56、その変調信号を分配光変調器にまで伝える変
調信号伝達配線57,58を示した。
【0141】分配光変調器は、上記実施例に示した光合
波点に配置した型の光回路を示しているが、分配光導波
路の途中に配置してもよい。ここでは4連光分岐点から
なる光パルス列送信器を示しているが、例えば、信号光
発生レーザ51に100GHzのモードロック半導体レ
ーザを用い、10連光分岐点からなる光パルス列送信器
とすると、制御光発生レーザ52,52'には10GH
zの半導体レーザを半周期ずらして駆動させるだけでよ
い。
【0142】また、変調信号入力ポート55,56から
の変調信号も、1ポート当たり10GHzの信号でよ
く、これを100GHzで送信される信号光パルス列に
重畳して変調光出口59から送出すことができる。1ポ
ート当たりの信号のビットレートを10Gbpsとする
と、この光パルス列送信器からは100Gbpsの光信号
を送出すことが可能であり、n個の波長の信号光発生レ
ーザを用いてn個の光パルス列送信器を用いると、全体
で100×nGbps分の光信号を送出すことが可能であ
る。
【0143】また、図11では、上記の光源一体型の光
パルス列送信器の別の形態の光回路を示す。
【0144】基板70中に信号光パルス列を発生する信
号光発生レーザ61と、光分岐点を駆動させるための制
御光を発生させる制御光発生レーザ62と。制御光を光
分岐点に伝える制御光導波路63,64、および、分配
光変調器に入力される変調信号入力ポート65,66、
その変調信号を分配光変調器にまで伝える変調信号伝達
配線67,68、変調光出口59を示した。ここでは実
施例2に示した非対称光導波路を用いることで配置面積
を大きくし、1つの制御光発生レーザを分岐して、常時
同期状態を保ち易くすることができる。
【0145】〔実施例 4〕次に、前記「課題を解決す
るための手段」の〔6〕に記載の光パルス列送信器の一
例について説明する。
【0146】図13の構成は実施例3に示したように、
信号光発生レーザ72や制御光発生レーザ73,74,
75,76が基板78中に配置されている。
【0147】実施例3と異なる点は、分配光変調器を駆
動させるための変調信号を、同じ基板上に形成された別
の第2光パルス列用信号光導波路に分岐された、第2光
パルス列用信号光導波路の各々に形成された光分岐点群
から分配された光パルスを用いた点にある。このための
第2光パルス列は図13では外部伝搬光入口71より取
り込まれ、そのパルスの有無の情報を再生した光パルス
列が、変調光出口77より出射される。
【0148】この光パルス列送信器では、第2光パルス
列用信号の有無の情報は再生されるが、再生された光パ
ルス自身は信号光発生レーザによって新たに生成された
ものであるから、第2光パルス列用信号が到来するまで
に受けた減衰や、パルス波形の乱れ等とは無関係に信号
を再送信できる光中継器としての役割も果たすことがで
きる。
【0149】〔実施例 5〕次に、本発明の光パルス列
送信器を用いた光信号送受信システムの基本構成の一例
について、図14を用いて説明する。
【0150】図14(a)には、光信号送受信システム
の全体構成を示した。光信号送受信システムでは、電気
信号を重畳した光信号パルス列を発生送信する光送信器
と、送信された光信号パルス列を運ぶ光信号伝送路と、
運ばれてきた光信号パルス列を受信し、再び電気信号に
戻して送信する光受信器(または光中継器)で構成され
る。このうち光信号伝送路には、通常に敷設されている
光ファイバと、光アンプからなる光通信網をそのまま利
用することができる。
【0151】図14(b)には、光送信器の構成の一例
を示した。光信号を一定の時間内にできるだけ沢山の情
報量を光信号として伝送させるためには、複数の色の光
を、それぞれ極めて短いパルス時間幅を持つ光パルス列
として送信する光時分割/波長分割の複合方式が望まし
い。
【0152】このような方式での光信号発生は以下の手
順で実現される。即ち、複数の色の光源となる半導体レ
ーザをn個用意する。この発振波長は、伝送路となる光
ファイバの吸収がなるべく低い波長帯か、分散の低い波
長帯が望ましく、波長1.31μm、1.55μm近傍
に、数nm〜0.1nm間隔で波長の異なる半導体レー
ザを用いることができる。
【0153】これから出射された複数の光を、光パルス
混合器で1つの光路にまとめ、電気光学変調器でビット
レートが10〜40Gbps程度の光パルスに変換する。
【0154】次に、分散シフトファイバ等によって、パ
ルス時間幅を圧縮するパルス圧縮器を透過させると、パ
ルス時間幅が1〜10ps程度の短いパルス時間幅を持
つ光パルス列に変換される。この光パルス列を波長分離
器で、一度、各波長毎の光パルス列に分解し、各波長毎
に本発明の光送信器(TR1,…TRn)を通過させ、合
波して、再び1つの光路にまとめ、光送信器外部に送信
する。
【0155】ここで、n個の波長の光パルスに対して、
それぞれm個ある本発明の光送信器列(各変調器はEO
ij、i=1…n、j=1…m)のそれぞれに対して、外
部より電気信号を重畳すると、m×n個分の情報を光パ
ルス列として送信することができる。
【0156】図14(a)には光送信器の構成の一例を
示した。送られてきた信号光パルス列には,光の波長と
時間の双方に情報が重畳されている。そこで、まず波長
分離器でn個の各波長の光パルス列に分離し、次に、各
波長毎に信号光パルス列を分配し、各光パルス毎に光検
出器で電気信号に変換して外部に取り出す。
【0157】ここで、光パルス列分配器の分配周期は、
送信器で電気信号を重畳したときの電気的周期と同等と
するのがよい。
【0158】また、図14(b)のように、受信した光
信号を実施例4に示した光中継器機能を有する本発明の
光パルス列送信器を用いると、光信号のまま次の光信号
伝送路に再送信することができる。
【0159】以上、本発明の光パルス列送信器を用いた
光信号送受信システムにおいて、光送受信の方式は、こ
こに示したものに限定されない。
【0160】
【発明の効果】本発明によれば、テラビット/秒以上の
高い繰り返し光パルス列発生レートを有する光パルス列
送信器を形成することができ、かつ光伝送路の途中に用
いることで光信号のまま新たな光パルス列として再送信
することができ、高速大容量光通信における種々の光信
号処理を安定して行うことができる。
【0161】本発明によれば、外部より導かれた通信波
長域の光パルス列をトリガとして用いることにより、非
同期型の光パルス列送信器を行わせることができる。
【0162】また、小型固体レーザと光ファイバの組み
合わせにより取扱いが容易な光パルス列送信器を与える
ことができる。このような光パルス列送信器により、高
速かつ高繰り返しの大容量光通信の一括情報発生抽出が
実現できる。
【0163】さらに、本発明の光パルス列送信器を用い
ることで、遠方より伝達された光パルス列信号を電気信
号に変換することなく、新たに発生させた光パルス列信
号として再送信することができ、信号伝達中に起きた信
号減衰、パルス時間広がり等を復調する光パルス列中継
器を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光パルス列送信器の基本光導波路素子
構造を示したもので、その構成要素の配置図である。
【図2】本発明の信号光パルス列分配特性を説明するた
め光パルスの通過位置を特定した図である。
【図3】本発明の光パルス列送信器の基本素子構造の信
号光パルス列分配特性を説明するための光パルス経時変
化を示し、光分岐点周辺位置での信号光パルス列の相互
関係を示したグラフである。
【図4】図3の続きを示すグラフである。
【図5】本発明の光パルス列送信器の基本素子構造の信
号光パルス列分配特性を説明するための光パルス経時変
化を示し、分配光変調器周辺位置での信号光パルス列の
相互関係を示したグラフである。
【図6】本発明の光パルス列送信器の中に用いられる光
分岐点の素子構造の一例であり、(a)は駆動時に屈折
率低下する全反射型光スイッチ、(b)は駆動時に屈折
率上昇する全反射型光スイッチ、(c)は光分岐点間の
距離を示す図である。
【図7】本発明の光パルス列送信器の光分岐点群を一括
駆動させる光学系の一例を示す図である。
【図8】本発明の光パルス列送信器で非対称光導波路を
持つ素子構造の説明図である。
【図9】本発明の光パルス列送信器で非対称光導波路を
持ち、かつ、合波点に分配光変調器を持つ素子構造の説
明図である。
【図10】本発明の光パルス列送信器で信号光発生レー
ザ、制御光発生レーザが同一基板上に配置された素子構
造の一例の説明図である。
【図11】本発明の光パルス列送信器で信号光発生レー
ザ、制御光発生レーザが同一基板上に配置された素子構
造の別の一例の説明図である。
【図12】本発明の光パルス列送信器で信号光発生レー
ザ、制御光発生レーザが同一基板上に配置され、かつ第
2の光パルス列の入射が可能な素子構造の一例の説明図
である。
【図13】本発明の光パルス列送信器を用いた光送受信
システムの一例である。
【図14】本発明の光パルス列送信器を用いた光送受信
システムの一例である。
【符号の説明】
1,23,38…信号光入口、2,17,17',2
4,39…信号光導波路、3,25,40…Y分岐路、
4,4',4'',4''',5,5',5'',5''',26,
26',26'',26''',27,27',27'',2
7''',41,41',41'',41''',42,42',
42'',42'''…光分岐点、6,7,28,29,4
3,44…ダンパ、8,8',8'',8''',9,9',
9'',9''',18,18',30,30',30'',3
0''',31,31',31'',31''',45,45',
45'',45''',46,46',46'',46'''…分
配光導波路、10,10',10'',10''',11,1
1',11'',11''',32,32',32'',3
2''',33,33',33'',33''',47,47',
47'',47' '',48,48',48'',48'''…分配
光変調器、12,12',12'',12''',34,3
4',34'',34''',35,35',35'',35'''
…変調光合波点、13,36,49…変調合波信号出
口、14,37,50,60,70,78…基板、15
…分岐点幅、16…分岐点間隔、19,19'…光変調
部、20,20'…駆動光源、21,21'…円筒面レン
ズ、22…光パルス列発生器、51,61,72…信号
光発生レーザ、52,52',62,73,74,7
5,76…制御光発生レーザ、53,54…制御光導波
路、55,56,65,66…変調信号入力ポート、5
7,58,67,68…変調信号伝達配線、59,6
9,77…変調光出口、63,64…制御光導波路、7
1…外部伝搬光入口。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/14 10/04 10/06 10/02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部または内部で発生させた信号光パル
    ス列を光導波路に入出射が可能で、外部から制御された
    電場または光により光導波路中の信号光パルス列が変調
    可能な非線形光学物質を含む光パルス列送信器におい
    て、 前記光導波路が少なくとも1ヵ所で2つ以上の光導波路
    に分岐されており、かつ、分岐された光導波路の各々に
    信号光パルス列を通過させる信号光導波路と、該光パル
    ス列から特定の光パルスを分配するための複数の光分岐
    点と、該光分岐点の各々より分配された信号光パルスを
    通過させる別の分配光導波路を有し、 前記光分岐点は光導波路中での信号光パルスの伝搬速度
    と信号光パルスの時間幅との積の距離の2倍以下の長さ
    の分岐点幅を有し、各光分岐点は光導波路中での信号光
    パルスの伝搬速度と信号光パルス列時間間隔との積の距
    離以下の長さと、該分岐点幅より長い距離の間隔で信号
    光導波路中に配置されており、 外部から制御された電場または光によって1つの信号光
    導波路に属する全ての光分岐点の光学特性を同時に変調
    させて、光パルス列をそれぞれの最も近くの分配光導波
    路に分配させることが可能で、かつ、該分配光導波路の
    各々に外部から電場または光によって分配された信号光
    パルスの透過性を制御可能な分配光変調器を有し、 各々の信号光導波路中の光分岐点群から分配された各分
    配光導波路に属する分配光変調器群が光分岐点群を駆動
    させている変調周期と同じ周期で変調し、かつ、該分配
    光変調器を通過した信号光パルスを再び1つの光導波路
    に合波する合波点を有し、1つの信号光出口から該信号
    光パルスが出射されるよう構成したことを特徴とする光
    パルス列送信器。
  2. 【請求項2】 前記信号光導波路が少なくとも1ヵ所で
    2つ以上の別の信号光導波路に分岐された信号光導波路
    の各々に、光パルス列分岐点が信号光パルス列時間間隔
    以上の遅延時間を設けて外部から制御されている請求項
    1に記載の光パルス列送信器。
  3. 【請求項3】 少なくとも1ヵ所で2つ以上の別の信号
    光導波路に分岐された分岐点を起点とし、該起点から各
    信号光導波路の中の光パルス列分岐点に達するまでの信
    号光通過距離が異なり、かつ、各信号光導波路中の光分
    岐点から分配されて分配光変調器を通過後、一つの光導
    波路に合波されて到達する信号光出口点から前記起点ま
    での信号光通過距離が等しい請求項1に記載の光パルス
    列送信器。
  4. 【請求項4】 前記分配光変調器が合波点でもある請求
    項1,2または3に記載の光パルス列送信器。
  5. 【請求項5】 信号光の分岐点から分配された信号光の
    内、一部を常時合波させるよう構成された請求項1〜4
    のいずれかに記載の光パルス列送信器。
  6. 【請求項6】 分配光変調器を駆動させるための光駆動
    信号として、第2の外部から別の光導波路に入射された
    第2の光パルス列を用い、該第2光パルス列が少なくと
    も1ヵ所で2つ以上の別の第2光パルス列用信号光導波
    路に分岐されており、分岐された第2光パルス列用信号
    光導波路の各々に第2信号光パルス列を通過させる第2
    光パルス列用信号光導波路と、該第2信号光パルス列か
    ら特定の光パルスを分配するための複数の第2光パルス
    列用光分岐点と、該光分岐点の各々より分配された第2
    信号光パルスを通過させる別の第2光パルス列用分配光
    導波路を有し、 前記第2光パルス列用光分岐点は光導波路中での第2信
    号光パルスの伝搬速度と第2信号光パルスの時間幅との
    積の距離の2倍以下の長さの分岐点幅を有し、各第2光
    パルス列用光分岐点は光導波路中での第2信号光パルス
    の伝搬速度と第2信号光パルス列時間間隔との積の距離
    以下の長さと、分岐点幅より長い距離の間隔で第2光パ
    ルス列用信号光導波路中に配置されており、 外部から制御された電場または光によって1つの第2光
    パルス列用信号光導波路に属する全ての光分岐点の光学
    特性を同時に変調させて、光パルス列をそれぞれの最も
    近くの第2光パルス列用分配光導波路に分配させた第2
    光パルス列分配光を用いる請求項1〜5のいずれかに記
    載の光パルス列送信器。
  7. 【請求項7】 遠方より伝送された最初の光パルスの一
    部を分岐し、その到達を検知した時点を分配の基準時刻
    として駆動を開始する請求項1〜6のいずれかに記載の
    光パルス列送信器を用いた光信号送受信システム。
  8. 【請求項8】 伝送された光パルスの一部を分岐し、そ
    の検知した情報を解析処理することによって、駆動の時
    間や終了時刻を判定する機能を有する請求項1〜7のい
    ずれかに記載の光パルス列送信器を用いた光信号送受信
    システム。
  9. 【請求項9】 繰り返し周波数が1ギガビット/秒以上
    の電気信号を重畳させて、時間分割多重または波長分割
    多重された光信号パルス列を送受信する請求項1〜8の
    いずれかに記載の光パルス列送信器を用いた光信号送受
    信システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114204998A (zh) * 2021-12-13 2022-03-18 北京金橙子科技股份有限公司 通过功率光路通信复用实现控制信号同步的方法及系统

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CN114204998A (zh) * 2021-12-13 2022-03-18 北京金橙子科技股份有限公司 通过功率光路通信复用实现控制信号同步的方法及系统

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