JP2001033478A - 加速度センサとその測定方法 - Google Patents
加速度センサとその測定方法Info
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Abstract
的に空気の粘性抵抗を受けない構成からなる静電容量型
の加速度センサ。 【解決手段】 空気の粘性抵抗を受けることがないよう
に、振動子を見掛け上、不動化させる手段として、実質
的にコンデンサを形成している固定基板と可撓基板との
間に弾性体を介在させ、弾性体による所要の反力を設定
した構成を採用し、弾性体の反力を打ち消すようにベー
ス電圧を印加して振動子(可撓基板)を吸引し、基板が振
動しないように制御しておき、該基板に外力が作用して
吸引側、反発側のいずれかに変位しようとする際、これ
に対向する力を作用させるために、前記ベース電圧を昇
降させて基板が変位しないようにすると、駆動に要した
電圧とベース電圧との差が作用した外力に相当すると判
断でき、基板を振動させることなく入力が検知できる。
Description
度センサの改良に係り、静電容量素子を複数対設ける固
定基板と可撓基板との間に弾性体を介在させ、静電容量
素子に弾性体による反力に拮抗して可撓基板が静止する
吸引力を発生させるベース電圧を印加して、いわゆる振
動子を振動させない構成とすることにより、空気の粘性
抵抗を受けない高精度な加速度センサとその測定方法に
関する。
板と可撓基板との各対向面に電極を着設して対向配置さ
れる静電容量素子を複数対設け、該基板面に平行なXY平
面を設定しこれと直交するZ軸のX,Y,Z軸3次元方向の加
速度の変化を、複数対の静電容量素子間の静電容量変化
に基づき各X,Y,Z軸方向成分の検出を行う構成が提案(特
開平4-148833、特開平4-337431、特開平5-188079)され
ている。
複数の静電容量素子の静電容量に比例した電気信号で演
算したX,Y,Z軸の出力は、厳密には加速度に対し直線性
を有しない問題がある。また、この場合、X,Y軸出力の
感度がZ軸出力に依存することになる問題がある。ま
た、温度変化等により電極ギャップの初期値d0が変化し
た場合、Z軸の0点シフトに加えX,Y,Z軸の感度シフトが
発生する問題がある。
いて、平面方向の外力に対する出力感度は、電極間距離
に応じ変化するという問題がある。そこで、加速度に対
するX,Y,Z軸間の干渉のない出力が得られる3軸加速度セ
ンサを実現できるように、他軸干渉出力の補正方法(特
開平9-21825)が種々提案されており、また、電極間距離
に関係なく電極平面の外力の検出感度をほぼ一定にする
ことが可能な信号処理方法(特開平9-43068)等が種々提
案されている。
クロマシン等により構成される振動型の加速度検出装置
や角速度検出装置は、振動子の可撓基板と固定基板との
間が数〜数10μmと極めて狭い空間が設定されている。
従って、空気の粘性抵抗によるQmの低下が著しく、この
ため減圧下でQmを低下させないよう動作させる構成とし
て、パッケージ内を所定の真空雰囲気とした気密パッケ
ージ構造が採用されている(特開平11-61654など)。
てもギャップのばらつきは皆無にすることは困難であ
り、静電容量型加速度センサにおける、出力や感度の補
正手段にもそれぞれ限度があり、また、信号処理回路に
おいて多重補正あるいは過度の補正を行うことは、セン
サ自体の安定性を損なうことになるため、できるだけ裸
特性のすぐれた静電容量型加速度センサが求められる。
ッケージ構造の変更が必要であり、さらには真空引き工
程、真空に封止する工程など煩雑な工程を付加しなけれ
ばならず、製造性の観点からは、できれば空気の粘性抵
抗を受けない構成からなる静電容量型加速度センサが求
められる。
上記の問題を解消することを目的とし、すぐれた裸特性
が得られ、振動子構造が基本的に空気の粘性抵抗を受け
ない構成からなる静電容量型の加速度センサの提供を目
的としている。
気の粘性抵抗を受けない構成について検討し、振動子が
実質的に振動しなければ、空気の粘性抵抗を受けること
もないとの逆転発想から、加速度を受けて振動子が振動
しないで静電容量の変化を検出する手段について検討し
た。
いように、振動子を見掛け上、不動化させる手段と、振
動子が受ける入力をどのように検出するかを併せて種々
検討した結果、実質的にコンデンサを形成している固定
基板と可撓基板との間に弾性体を介在させ、弾性体によ
る所要の反力を設定した構成を知見した。
打ち消すようにベース電圧を印加して振動子(可撓基板)
を吸引し、基板が振動しないように制御しておき、該基
板に外力が作用して吸引側、反発側のいずれかに変位し
ようとする際、これに対向する力を作用させるために、
前記ベース電圧を昇降させて基板が変位しないようにす
ると、駆動に要した電圧とベース電圧との差が作用した
外力に相当すると判断でき、基板を振動させることなく
入力が検知できることを知見した。
において、複数の静電容量素子を形成する固定基板と可
撓基板との間に弾性体を介在させ、弾性体による所要の
反力を設定し、この反力に対向して可撓基板を所定位置
に保持するようベース電圧を各静電容量素子に印加し、
各素子を実質的に振動させないようにした構成を特徴と
する。
数の静電容量素子のギャップにばらつきが存在しても、
それぞれ異なるベース電圧を印加しておくことにより、
全ての静電容量素子を均等化できるため、加工精度に依
存しない加速度センサが得られる。また、静電容量素子
の温度特性の変化にもベース電圧の制御で対応できるこ
とから、温度特性からフリーな加速度センサが得られ
る。
る固定電極層を形成する固定基板と可動電極層を形成す
る可撓基板の2層構造のみで、基板を振動させることな
く入力が検知できるため、極めて簡単な構造の静電容量
型加速度センサを提供できる。
センサの構成であれば、公知のいずれの構成にも適用が
可能である。出願人が提案した構成、例えば、中央の円
電極の外周部に円弧状の4電極を設けた5電極型(特開平1
0-177034、特開平9-119944、特開平8-261850など)、円
周を3等分した円弧状電極からなる3電極型(特開平11-38
038)、あるいは片持ち構造のくし形などの種々の構成か
らなる加速度センサに適用できる。
において、複数の静電容量素子を形成する固定基板と可
撓基板との間に弾性体を介在させることが構造上の特徴
である。
基板と可動電極層を形成する可撓基板との間に介在させ
る弾性体としては、センサを構成する基板間の微細隙間
に介在させるため、マイクロスプリングとして機能する
ものであればいずれのものも採用でき、マイクロ板ば
ね、圧縮体、中空円筒状ゴム、4フッ素化エチレン樹脂
シートなどが採用可能である。
方法を説明すると、まず、複数の静電容量素子を形成す
る固定基板と可撓基板との間に上記の弾性体を介在させ
ることによって、所要の反力、すなわち可撓基板が膨ら
むように一定の力を設定することが必要である。
基板を所定位置に保持させるため、所定のベース電圧を
各静電容量素子に印加、制御する手段が必要である。例
えば、相対する電極間に電圧印加可能なアンプを用い
て、電圧印加してクーロン力による吸引力を発生させ、
この際の印加電圧値、すなわちベース電圧を適正に調整
して当該電極間のギャップを設定値に保持するよう、フ
ィードバックやフィードフォワードなどの制御が可能な
アンプ構成を採用することができる。
えられて基板が変位しようとする、この時、各静電容量
素子における可動電極層に加えられた外力をキャンセル
して各素子を実質的に振動させないように、先に設定し
たベース電圧を増減、制御させる手段が必要であり、当
該増減分を作用した外力に相当すると判断することに特
徴がある。
従来は、固定基板と可撓基板との各対向面にそれぞれ所
要パターンで電極を着設して所要数の静電容量素子を形
成するが、その可撓基板の変形による各静電容量素子の
電極間距離の変化、すなわち静電容量の変化を捕らえ
て、これをCV変換し、予め設定した演算式に従いX,Y,Z
軸の各加速度を演算するものである。これに対してこの
発明では、設定した電極パターンで定められる、演算式
の静電容量Cの変化部分を上記のベース電圧Vの増減で置
換することで、従来の演算スケジュール、演算器、制御
装置などをそのまま利用することも可能である。
静電容量素子の静電容量に比例した電気信号で演算した
X,Y,Z軸の出力は、厳密には加速度に対し直線性を有し
ない問題、特に基板平面に設定する、X,Y軸出力の感度
がZ軸出力に依存することになる問題、温度変化等によ
り電極ギャップの初期値d0が変化した場合、Z軸の0点シ
フトに加えX,Y,Z軸の感度シフトが発生する問題があ
る。
題に対する補正方法を採用することも可能である。しか
し、この発明では、静電容量素子の温度特性の変化にも
ベース電圧の制御で対応できることから、温度特性から
フリーとなるなどの特徴を有しており、新たに演算スケ
ジュールなどを設定して補正量を低減することが望まし
い。
設ける構成、すなわち、中央の円電極の外周部に円弧状
の4電極を設けて静電容量素子C1〜C5を形成する構成か
らなる従来の静電容量型加速度センサを用いた。
された各々2つの静電容量素子C 1〜C4と、前2軸の中央に
静電容量素子C5を配置したものである。静電容量の変化
より加速度の各成分の検出は、例えば、X軸方向の加速
度に対する出力として、静電容量素子C1とC3の静電容量
差(C1−C3)、Y軸方向の加速度に対する出力として、静
電容量素子C2とC4の静電容量差(C2−C4)、Z軸方向の加
速度に対する出力として、静電容量素子C5の静電容量(C
5)あるいはC1+C2+C3+C4として検出する。
基板と可撓基板の間の前記電極外周部の所要位置に、4
フッ素化エチレン樹脂シート材を挟み、一定の張力が可
撓基板に加えられるようにした。また、各静電容量素子
間の各電極に電圧を印加するアンプを用いて、前記の弾
性シート材による張力に拮抗して可撓基板が固定基板と
平行になるように、各静電容量素子の電極間にそれぞれ
ベース電圧を印加した。
素子のベース電圧Vからの変化vに置き換えて演算した。
静電容量素子C1〜C5の初期ギャップ値を2μmに設定した
従来構成のセンサで測定した加速度の各成分の検出精度
と同等精度を得るのに、この発明のセンサでは静電容量
素子C1〜C5の初期ギャップ値が1〜5μmの範囲でばらつ
きがあってもベース電圧の設定調整で対応でき、何らの
問題も生じなかった。
た場合に、従来センサは温度ドリフトが発生して誤差を
生じたが、この発明のセンサはアンプに電極間のギャッ
プを設定値に保持するよう、フィードバック制御を施し
たことにより、誤差を生じなかった。
個の固定電極を持つセンサヘッドを用いて各電極からの
信号をデジタル演算する構成について説明する。
電極と、その固定電極とほぼ平行に配置された可動電極
からなる静電容量型加速度センサで、固定電極は、面重
心が電極平面内の同一直線上にない3個で構成され、120
°間隔で配置された同じ大きさの扇型電極からなり、シ
リコン基板をバルク・マイクロマシーニング技術で加工
して4本ビームで可動電極を支持する可撓基板層を有す
る。
各電極からの信号を特開平11-38038号公報に記載の演算
式でデジタル演算するもので、可動電極の位置、すなわ
ち、傾きを含めた初期位置からの相対位置が任意の加速
度ベクトル(X、Y、Z軸加速度)に対し一義的に決まるこ
とから、その可動電極の位置を検出することにより逆に
加速度を得る。
周部の所要位置に、4フッ素化エチレン樹脂シート材を
挟み、一定の張力が可撓基板に加えられるようにした。
また、各静電容量素子間の各電極に電圧を印加するアン
プを用いて、前記の弾性シート材による張力に拮抗して
可撓基板が固定基板と平行になるように、各静電容量素
子の電極間にそれぞれベース電圧を印加した。加速度の
各成分の検出は、上記演算式のCを各素子のベース電圧V
からの変化vに置き換えて演算した。
せ、該公報に記載の仕様のものは真空パッケージにセン
サを収納した状態で作動させた。加速度の検出試験にお
いて、両者に全く差がなく、この発明のセンサは真空パ
ッケージに収納したものと同等以上の性能を有すること
が分かった。
対設ける固定基板と可撓基板との間に弾性体を介在さ
せ、静電容量素子に弾性体による反力に拮抗して可撓基
板が静止する吸引力を発生させるベース電圧を印加し
て、振動子を振動させないため、空気の粘性抵抗を受け
ない高精度な加速度センサとすることができる。
ばらつきが存在しても異なるベース電圧を印加して均等
化できることから、加工精度に依存しないセンサであ
り、また温度特性の変化にもベース電圧の制御で対応で
きることから、温度特性からフリーな加速度センサであ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 静電容量型加速度センサの構成におい
て、固定基板と可撓基板との間に弾性体を介在させた加
速度センサ。 - 【請求項2】 静電容量型加速度センサの構成におい
て、固定基板と可撓基板との間に弾性体を有し、形成す
る複数の静電容量素子に弾性体による反力に拮抗して可
撓基板が静止する吸引力を発生させるベース電圧を印加
する手段を有する加速度センサ。 - 【請求項3】 静電容量型加速度センサの構成におい
て、固定基板と可撓基板との間に弾性体を有し、基板間
に形成する複数の静電容量素子に弾性体による反力に拮
抗して可撓基板が静止する吸引力を発生させるベース電
圧を印加する手段と、可撓基板に作用した外力による基
板の変位を発生させないように各静電容量素子のベース
電圧を制御する手段を有する加速度センサ。 - 【請求項4】 固定基板と可撓基板との間に弾性体を有
し、基板間に形成する複数の静電容量素子に弾性体によ
る反力に拮抗して可撓基板が静止する吸引力を発生させ
るベース電圧を印加する手段と、可撓基板に作用した外
力による基板の変位を発生させないように各静電容量素
子のベース電圧を制御する手段を有する静電容量型の加
速度センサにおいて、各静電容量素子のベース電圧から
の駆動電圧の変化を、各静電容量素子に作用した外力と
して、基板面に平行なXY平面とこれと直交するZ軸のX,
Y,Z軸3次元方向の加速度の変化を測定する加速度センサ
の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11205953A JP2001033478A (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 加速度センサとその測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11205953A JP2001033478A (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 加速度センサとその測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001033478A true JP2001033478A (ja) | 2001-02-09 |
Family
ID=16515445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11205953A Pending JP2001033478A (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 加速度センサとその測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001033478A (ja) |
-
1999
- 1999-07-21 JP JP11205953A patent/JP2001033478A/ja active Pending
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