JP2001002450A - ガラス基材の低放射率防汚性コーティング - Google Patents

ガラス基材の低放射率防汚性コーティング

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JP2001002450A JP2000137148A JP2000137148A JP2001002450A JP 2001002450 A JP2001002450 A JP 2001002450A JP 2000137148 A JP2000137148 A JP 2000137148A JP 2000137148 A JP2000137148 A JP 2000137148A JP 2001002450 A JP2001002450 A JP 2001002450A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水をシート状にするコーティングを有するガ
ラス物品及び基材の両面にコーティングを適用する方法
を提供する。 【解決手段】 本発明の1つの態様では、水をシート状
にするシリカを有するコーティング20を、ガラスの外
部用表面にスパッタリングする。ここで、水をシート状
にするこのコーティングの外部用表面には実質的に気孔
が存在せずに不規則な表面を有する。このコーティング
は、コーティング上に適用した水をシート状にし、ガラ
ス物品の清浄化を容易にし且つガラスを比較的長い期間
にわたって清浄に保つことを助ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚れの蓄積及び水
によるしみを防ぐガラス基材等のためのコーティングを
提供する。本発明のコーティングされたガラス基材は、
絶縁性ガラスユニットで使用することもでき、ここでは
本発明のコーティングはガラス板の外部用表面に支持さ
せて、このガラス板の反対側の面には反射コーティング
を適用する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】窓及び
他のガラスの表面を清浄に維持することは比較的費用が
かかり、また時間がかかる。いくつかの個々の窓を清浄
にすることはそれほど大変なことではないが、多数の窓
をきれいに維持することはかなりの負担である。例え
ば、近代的なガラス張りのオフィスビルでは、窓の外部
用表面を常にきれいに維持するためにはかなりの費用と
時間がかかる。
【0003】窓及び他のガラスの表面は様々な様式で
「汚くなる」又は「汚れる」。窓に汚れが集まる2つの
主な様式は、ガラス表面での水の作用を含む。第1に、
水自身が、汚れ、ミネラル類等をガラスの表面に集め又
は堆積させる。明らかに、ガラス上に付着した汚れた水
は、乾燥すると同伴された又は溶解した汚れをガラス上
に残す。窓の表面に比較的きれいな水が付着した場合で
あっても、窓に付着したそれぞれの水滴が、乾燥すると
きにほこり及び他の浮遊粒子を捕らえる傾向がある。水
に溶解したこれらの粒子及び他の化学種は時間と共に濃
縮され、特徴的な斑点又は乾燥環をガラス表面に残す。
【0004】窓又は他のガラスの表面に汚れた又はあま
り好ましくない外観を水がもたらす傾向の第2の様式
は、ガラス表面自身に対する攻撃と関連している。比較
的清浄な水の滴がガラス表面に存在する場合でさえ、こ
れはガラスからアルカリ化合物を浸出させ始める。典型
的なソーダ−ライムガラスの場合、ソーダ及びライムが
ガラスから浸出し、滴のpHが上昇する。pHが上昇す
ると、ガラスの表面に対する攻撃はより激しくなる。結
果として、乾燥していく水滴の下側のガラスは、水滴が
完全に乾燥するまでにわずかに比較的粗くなる。加え
て、ガラスから浸出したアルカリ化合物は、乾燥環とし
てガラス表面に再び堆積する。この乾燥したアルカリ物
質はガラスの外観を悪くするだけでなく、ガラス表面が
再び濡れたときに溶液になり、次の水滴のpHを素早く
上昇させてガラス表面に癒着させる傾向もある。
【0005】ガラス板を購入及び貯蔵する場合、隣接す
るガラス板間の水の存在は長年の問題である。ガラスが
直接に水と接触しないような保護処理をすることができ
るが、湿った環境においガラスを貯蔵する場合、水は周
囲からガラス表面に凝縮する。
【0006】比較的大量のガラスが集まる場合には、こ
のことはより大きな問題である。大量のガラスの熱量は
かなり大きく、暖めるのにかなり時間がかかる。結果と
して、周囲の温度が上昇したときに(例えば朝に)、こ
れらの大量のガラスは周囲空気よりも低温となり、空気
中の湿分がガラス表面に凝縮する。空気循環が制限され
ているので、ガラス板の間に凝縮した湿分の乾燥にはか
なりの時間がかかる。このことは、凝縮した湿分がガラ
スからアルカリ成分を浸出させる機会を与え、ガラス表
面に好ましくない影響を与える。この攻撃の速度は、ガ
ラスの表面に酸を適用することによっていくらか低下さ
せることができる。ガラス板が付着しないようにし且つ
ガラス板が互いに摩擦して傷つかないようにするために
使用する分離剤中に、緩酸、例えばアジピン酸を含ませ
ることによって通常は行う。
【0007】比較的長い期間にわたってガラス板の外観
をきれいに維持するために、多くの試みが行われてき
た。本発明の1つの目的は、ガラス又は他のセラミック
類のための「自己清浄化」表面である。この分野での調
査によれば、ある種の金属酸化物類が、赤外光を吸収し
て、光触媒的に生化学的な物質、例えばオイル、植物的
材料、脂質、及びグリース等を分解する能力を持つこと
が見出された。最も強力な光触媒金属酸化物は二酸化チ
タンであると考えられるが、この光触媒効果を持つと考
えられる他の金属酸化物としては、鉄、銀、銅、タング
ステン、アルミニウム、亜鉛、ストロンチウム、パラジ
ウム、金、白金、ニッケル、及びコバルトの酸化物を挙
げることができる。
【0008】そのような光触媒コーティングは生化学的
な起源の材料を除去するのにはいくらかの利点を有する
が、他の材料への直接的な影響は明確でなく、また紫外
光に露出させることによって変化すると考えられる。従
って、そのようなコーティングをされたガラス表面の水
に関する上述の問題は、そのような光触媒コーティング
とは直接に関わりがない。
【0009】水を小さい滴にすることによってガラス表
面の水の影響を最小化しようとする多くの試みが行われ
てきた。例えば、米国特許第5,424,130号明細
書(ナカニシら、この教示はここで参照することによっ
て本発明の記載に含める)は、フルオロアルキル基を含
むシリカに基づくコーティングによってガラス表面をコ
ーティングすることを示唆している。この参考文献は、
ガラス表面にシリコーンアルコキシドペイントを適用
し、このペイントを乾燥し、そして乾燥したこのペイン
トを空気中において燃焼させることを教示している。ナ
カニシらは、非金属原子の置換部分の重要性、すなわち
SiO2 層の酸素をフルオロアルキル基で置換すること
の重要性を強調している。ここでは、1.5%までの酸
素原子を置換するべきであるとしている。ナカニシら
は、0.1%未満の酸素原子がフルオロアルキル基で置
換されている場合、ガラス表面での水の接触角が80°
未満であるので、ガラスは適当に撥水しないとしてい
る。
【0010】そのような「撥水性」コーティングは、ガ
ラス表面の水を細かくする傾向がある。このコーティン
グを自動車の風防等に適用すると、速い速度の一定の空
気流れがそのような表面上に吹くと、この水をビーズ上
にする効果は、水滴を表面から吹き飛ばすことを可能に
することによって、ガラス表面から水を除去するのに役
立つ。しかしながら、比較的静的な用途においては、こ
れらの滴はガラス表面上に残って、ゆっくりと蒸発する
傾向がある。結果として、この「撥水性」コーティング
は、上述の水に関する汚れの問題を解決しない。反対
に、比較的容易に水をビーズ状にすることによって、実
際に問題を悪化させることもある。
【0011】様々な様式で他のシリカコーティングがガ
ラス表面に適用されている。例えば、米国特許第5,3
94,269号明細書(タカマツら)は、ガラスの表面
の「微細な粗さ」のシリカ層で反射を減少させることを
提案している。この粗い表面は、表面をヒドロシリコフ
ルオリック酸(hydrosilicofluoric acid )の過飽和シ
リカ溶液で表面を処理して、ガラス板上にシリカの多孔
質層を適用することによって達成される。多成分ゾルゲ
ル溶液を使用することによって、約50〜200nmの
大きさであるとされている小さい「島状領域」によって
装飾された小さいピットを有する表面を達成することを
特許請求している。この粗い表面は空気/ガラス界面に
おいて反射を減少させることができるが、上述の水に関
する汚れの問題を減少させるとは考えにくい。いずれに
しても、このコーティングの多孔性の性質はガラス表面
に水を比較的保持すると考えられる。このために、ガラ
ス表面に水が長い期間にわたって滞留することに関する
問題が増加する欠点があると考えられる。
【0012】最も低放射率のガラス物品は、露出される
外部用表面にではなく、構造の保護された内部用表面に
赤外線反射コーティングを有するガラス物品である。例
えば、耐裂性プラスチック層によって内側ガラス板に積
層された外側ガラス板を有する自動車の一般的な風防ガ
ラスでは、赤外線反射層はプラスチック層に直接に隣接
するガラス表面の1つに一般に適用されている。これ
は、風防ガラスを通る赤外放射の透過エネルギーを減少
させるのに役立ち、また乗り物の客室内の快適な温度を
維持するのに役立つ。
【0013】しかしながら、そのような内部用の赤外線
反射コーティングは、外側ガラス板の放射性を制限しな
い。例えば夜の間に、風防の外部用のガラス板は、対流
と赤外線放射の両方によって周囲雰囲気中に熱エネルギ
ーを失う。結果として、風防の外部用ガラス板はかなり
迅速に冷却される。周囲温度が上昇し始めると、温度が
周囲雰囲気の「露点」以下であれば、周囲空気の湿分が
露として液体で又は霜として固体で、この冷たい外側板
に凝結する。ガラスの外側表面に低放射率赤外線反射層
を提供すると、ガラスの外側板から周囲雰囲気への熱の
損失が減少する。熱はまだ対流によって失われている
が、赤外線放射としての熱の損失を制限させると、ガラ
スを十分に暖かく維持して、ガラスが「露点」よりも低
温になることが避けられ、それによって表面への霜又は
露の凝結を制限し又は場合によっては避ける。
【0014】最も一般的なスパッタリングさせる赤外線
反射フィルムは、外側ガラス表面によって支持させるの
には耐久性が不十分である。そのようなフィルムは、絶
縁性ガラス(IG)アセンブリ又は自動車の風防に組み
込む前の輸送及び貯蔵の間の、短時間の元素への露出に
は耐えることができる。しかしながら、不確定期間の元
素への露出に耐えられるほど十分に耐久性があるもので
はなく、他のガラス板によって周囲雰囲気から保護され
るIGアセンブリ又は風防に通常は組み立てる。
【0015】熱分解コーティングは、比較的高温の化学
気相堆積(CVD)プロセスを使用して、通常は、フロ
ートガラス製造ラインのスズ浴のガラスリボン又はアニ
ール窯において冷却しているガラスリボンの表面に接触
させてガラス表面に堆積させる。そのような熱分解で適
用したコーティングは、比較的硬質で、様々な表面形態
を示し、且つ同じ組成及び同じ厚さのスパッタリングに
よるコーティングよりも元素に対する露出に良く耐える
傾向がある。従って、窓又は他のガラス物品の外部用表
面の低放射性コーティングの適用では、熱分解コーティ
ングはスパッタリングによるコーティングよりも良い候
補である。
【0016】残念ながら熱分解コーティングは、そのよ
うな目的のための幅広い一般的な使用を制限するという
欠点がある。例えば、熱分解によって堆積させた酸化ス
ズの低放射率コーティングを有する製品は、アメリカ合
衆国オハイオ州トレドのLibbey Owensから
Energy Advantageという商標名で商業
的に利用することができる。このコーティングは、自動
車の風防の用途を考慮している。耐裂性のプラスチック
シートにこのガラスを結合させてそのような風防積層体
を作ることは明らかに有利であり、これは風防の内部用
表面(すなわち、自動車の客室に向いている面)又は外
部用表面(すなわち、周囲環境を向いている面)として
使用することが必要である。外部用表面に適用すると、
熱分解によって適用したこのコーティングは、そのよう
な表面が受ける長年にわたる激しい物理的な摩擦及び元
素への化学的な露出に耐える程度に十分な耐久性は示さ
ない。加えてこのコーティングは、標準の処理していな
いガラスと比較すると汚れやすく、また汚れたときに清
浄化するのがかなり難しい。結果として、これは自動車
の風防の外部用表面のための最適な選択ではないと考え
られ、またこれはこの用途の市場ではいくらかの成功を
収めているのみである。
【0017】
【課題を解決するための手段】1つの面では本発明は、
水をシート状にする低放射率コーティングを有するガラ
ス物品、及びそのようなコーティングを適用する方法を
提供する。1つの態様において本発明は、水をシート状
にする低放射率コーティングを具備した外部用表面を有
するコーティングされたガラス物品を提供する。このコ
ーティングは、ガラス物品の外部用表面によって支持さ
れた熱分解で適用した第1の誘電体層を含む。シリカの
外部用層は、この第1の層の外部用表面に直接にスパッ
タリングし、この水をシート状にする低放射率コーティ
ングはガラス物品のこのコーティングされた外部用表面
と水との接触角を約15°未満に低下させて、ガラス板
(pane)のこのコーティングされた外部用表面に適用さ
れた水をシート状にする。
【0018】本発明の第2の態様は、外部用表面と第1
の結合表面とを有する外側ガラス板、内部用表面と第2
の結合表面とを有する内側ガラス板、及びこの第1の結
合表面と第2の結合表面との間に配置された耐裂性ポリ
マー層、を含む自動車用風防を提供する。水をシート状
にする低放射率コーティングは、外側ガラス板の外部用
表面に支持させ、ここでこの外部用コーティングは、熱
分解によって外部用表面に直接に適用した第1の誘電体
層及びこの第1の層の外部用表面に直接にスパッタリン
グしたシリカの外部用層を含む。この水をシート状にす
る低放射率コーティングは、ガラス物品のコーティング
された外部用表面と水との接触角を約15°よりも小さ
くし、ガラス板のコーティングされた外部用表面に適用
された水をシート状にする。
【0019】本発明の1つの方法は、ガラス板の表面を
汚れ及び汚染に対して耐性にする。本発明の方法の1つ
の態様では、清浄な内部用表面と清浄な外部用表面を有
するガラス板(シート)を提供する。このガラスシート
の外部用表面は、水との接触角が約20℃以上の、熱分
解によって適用した誘電体層を有する。このガラス板の
内部用表面は、少なくとの1つの第1の誘電体層、少な
くとも1つの金属層、及び少なくとも1つの第2の誘電
体層の順序で、スパッタリングによる反射性コーティン
グによって覆われている。このガラスの外部用表面は、
熱分解によって適用した誘電体層の外部用表面上に、シ
リカのスパッタリングによって水をシート状にするコー
ティングを直接にコーティングされている。これによっ
て、水との接触角が約15°未満であるガラス板の外部
用表面に適用された水をシート状にする低放射率コーテ
ィングをもたらし、コーティングされたガラス板の外部
表面に適用される水をシート状にする。
【0020】本発明の方法の1つの特に好ましい態様で
は、熱分解によって適用した誘電体層を有する同様なガ
ラス板を提供する。それぞれがガラス板の支持体を有す
る一連のスパッタリング容器を含むスパッタリングライ
ンを提供する。これらのスパッタリング容器の少なくと
も1つは、支持体の上方に配置された上側ターゲットを
有する下向きスパッタリング容器を有し、第2のスパッ
タリング容器は、支持体の下方に配置された下側ターゲ
ットを有する上向きスパッタリング容器を有する。下向
きスパッタリング容器においては、内部用表面が上側タ
ーゲットに向かうようにしてガラス板を支持体上に配置
し、この上側ターゲットをスパッタリングして、ガラス
の内部用表面に予め堆積させたフィルム積層体層又はガ
ラスの内部用表面の1つに、誘電体層を堆積させる。ま
た、上向きスパッタリング容器においては、熱分解によ
って適用した誘電体層が下側ターゲットに向かうように
して配置して、この下側ターゲットをスパッタリングし
て、ガラスの外部用表面に水をシート状にするコーティ
ングを堆積させる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の1つ有用な態様
の、一対のコーティングを有するガラス板の概略を示し
ている。ガラス板10は、外部用面12と内部用面14
を有する。(ここで、この「外部用」面と「内部用」面
は任意に決定できるものである。しかしながら多くの場
合には、外部用面は、汚れ及び水等と接触する周囲雰囲
気に露出される。内部用面がそのような周囲雰囲気に向
いていてもよい。しかしながら図2及び図3に示される
態様においては、「内部用」面は保護されており、第2
のガラス板がこの内部用面と周囲雰囲気との間に存在す
る。)
【0022】本発明に関連して使用することが好ましい
ガラス基材10は、コーティングされたガラス物品を調
製する分野で既知の任意の従来のガラス基材を含む。自
動車の窓及びプレート状ガラスの製造において典型的に
使用されるガラス基材は一般に、ソーダ−ライム−シリ
カガラスである。他の適当なガラス類は一般に、アルカ
リ−ライム−シリカガラス、ボロシリケートガラス、ア
ルミノシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラ
ス、ホスフェートガラス、溶融シリカ等、及びそれらの
組み合わせとして考慮することができる。好ましいガラ
ス板10は、ソーダ−ライム−シリカガラスでできてい
る。
【0023】ガラス10の内部用面14は、反射コーテ
ィング30を有する。当業者が容易に認識するように、
この反射コーティングは、所望の性質に依存して任意の
所望の形でよい。様々なそのようなフィルムが当該技術
分野で既知であり、反射コーティング30の厳密な性質
は本発明の範囲外のものである。
【0024】例えばガラス物品を鏡として使用する場
合、コーティング30は単純に反射性金属の比較的厚い
層を含むことができる。所望であれば、誘電体材料の保
護層を、ガラスと接触する金属の表面と反対の表面上に
適用することができる。当該技術分野で既知のように、
これは化学的な攻撃及び物理的な攻撃から金属層を保護
するのに役立つ。反射性金属層の両方の面に誘電体層を
有する当該技術分野で既知の任意の様々な鏡のコーティ
ングを使用することもできる。ここで、当該技術分野で
既知の多くの2色性鏡はそのような構造を使用してい
る。
【0025】図1の態様においては、反射コーティング
30は典型的に、低放射率太陽光制御フィルムで一般に
使用されるタイプの赤外線反射コーティングである。典
型的にそのようなフィルムは、一対の誘電体層に夾まれ
た金属層を含む。この構造を反復して、このフィルム積
層体の赤外線反射性能を更に促進することができる。有
益な赤外線反射フィルム積層体の1つの例は米国特許第
5,302,449号明細書(Ebyら)によって開示
されており、この技術はここで参照することによって本
発明の記載に含める。
【0026】図1で示されているフィルム積層体30
は、1又は複数の誘電体層を含むことができる基礎コー
ティング32を有する。この基礎コーティング32は例
えば、約150〜275Åの厚さで適用された酸化亜鉛
を含むことができる。第1の金属層34は、この基礎コ
ーティング32の上に直接に適用することができる。こ
の金属は例えば、約100〜約150Åの厚さで適用さ
れた銀でよい。第2の誘電体層38を、この第1の金属
層34上に適用することができる。この誘電体層38の
厚さは少なくとも部分的に、第2の金属層40がフィル
ム積層体に含まれるかどうかに依存している。2つの金
属層を有するフィルム積層体では、図示されているよう
に、この第2の誘電体層38は典型的に比較的厚い金属
酸化物の層を含んでおり、これは例えば700〜750
Åの酸化亜鉛である。所望であれば、比較的薄い犠牲層
36を金属層34と誘電体層38との間に適用すること
ができる。これは、誘電体層38のスパッタリングによ
る堆積の間に、金属層34を保護するのに役立つ。例え
ば、この犠牲層36は25Å以下の厚さで適用された金
属チタンの層を含むことができる。この金属チタンは、
金属酸化物誘電体38の適用の間に犠牲となって酸化し
て、下側の銀層34が損傷を受けないようにする。
【0027】説明されているフィルム積層体では、第2
の金属層40を第2の誘電体層38の上に適用してい
る。この第2の金属層40は通常は、第1の金属層34
と同じ金属でできていてよい。例えば、この第2の金属
層40は約125〜175Åの銀を含んでいてよい。再
び、チタン等の犠牲層42をこの金属層40上に適用し
て、その後の上側誘電体層44及び46の堆積の間に、
この金属層40を保護することができる。この第3の誘
電体層44は犠牲層42上に適用する。この誘電体層4
4は金属酸化物、例えば約250〜300Åの厚さで適
用された酸化亜鉛でもよい。所望であれば、もう1つの
誘電体材料の保護オーバーコーティング46をこの誘電
体コーティング44上に適用することができる。1つの
好ましい態様においては、このオーバーコーティング4
6は、50〜60ÅのSi3 4 の層を含むことができ
る。
【0028】水をシート状にする低放射率コーティング
20は、ガラスの外部用表面12によって支持する。一
般に、水をシート状にするこのコーティングは、外部用
表面によって支持される熱分解によって適用した誘電体
層25、及びこの第1の層の外部用表面に直接にスパッ
タリングしたシリカの外部用層21を含む。このシリカ
層21は水をシート状にする低放射率コーティング20
の最も外側の層であり、またシリカ層21の外部用面2
2はコーティングされたガラス物品の最も外側の表面で
ある。
【0029】誘電体層25は、熱分解によってガラス板
の外部用表面12に直接適用することが好ましい。この
熱分解による層は、平らなコーティングされていないガ
ラスと比較したときに、商業的に許容できる程度に放射
性を減少させている十分に耐久性のコーティングをもた
らす任意の所望の誘電体材料でできていてよい。様々な
そのような誘電体コーティングが当該技術分野で既知で
あるが、全ての熱分解コーティング技術及び組成の教示
は本発明の範囲ではない。熱分解による層25は単一の
誘電体材料の単層でよいことを理解すべきである。或い
は、熱分解による層25は、同様な機能を達成する複数
の個々の層を有するフィルム積層体の形でよい。
【0030】本発明に従って使用するための1つの適当
な熱分解によって適用する誘電体層は熱分解酸化スズで
あり、これは例えば、上述のLibbey−Owens
−FordのEnergy Advantage製品で
使用するものである。熱分解によって適用した低放射率
酸化スズコーティングは当該技術分野では既知であり、
そのようなコーティングを適用する様々な技術が一般の
文献において説明されている。商業的なEnergy
Advantage製品で使用される正確なコーティン
グは分からないが、熱分解によって酸化スズを適用する
ための任意の様々な既知の技術で適当な熱分解誘電体層
25がもたらされていると考えられる。
【0031】多くのドーピング剤が当該技術分野で既知
であり、これは熱分解による酸化スズの伝導性を促進し
て放射性を改良する。ここで、ドーピング剤としてはフ
ッ素が最も一般的である。フッ素でドーピングした熱分
解酸化スズコーティングの1つの様式は米国特許第5,
698,262号明細書(Soubeyrandら)に
よって説明されており、この技術はここで本発明の記載
に含める。そのようなコーティングをより詳細に理解す
るためにはこの特許明細書を参照することができるが、
この特許の説明を以下で簡単に示す。一般に酸化スズは
CVDによって適用する。ここでは選択された反応体を
組み合わせて、均一の気化した反応体流れを作り、この
流れを高温ガラス基材の表面に輸送する。この気化した
反応体流れは反応して、フッ素でドープされた酸化スズ
のコーティングを、高温ガラス基材の表面に堆積させ
る。高温ガラス表面において存在しなければならない酸
化雰囲気で有機コーティング化合物が熱分解して酸化ス
ズコーティングを作る。
【0032】CVD熱分解堆積は典型的にフロートガラ
スプロセスによるガラスの製造の間に行い、またフロー
ト金属浴、窯、又は浴と窯の間の移動領域において、ガ
ラスがまだ熱いうちに行う。このガラス基材は典型的
に、約399℃〜約816℃(約750°F〜約150
0°F)の温度で提供する。この温度は、フロートガラ
スプロセスによってガラスを製造する場合に、様々な工
程におけるガラスで典型的な温度である。
【0033】酸化スズを堆積させるためにSoubey
randらが使用するCVD反応体流れは有機スズコー
ティング化合物を含み、これは、気化させて移動してい
るガラスリボンの表面又はその近くに移動させる。適当
な有機スズ化合物としては、ジメチルスズジクロリド、
ジエチルスズジクロリド、ジブチルスズジアセテート、
テトラメチルスズ、メチルスズトリクロリド、トリエチ
ルスズクロリド、トリメチルスズクロリド、エチルスズ
トリクロリド、プロピルスズトリクロリド、イソプロピ
ルスズトリクロリド、2−ブチルスズトリクロリド、t
−ブチルスズトリクロリド、フェニルスズトリクロリ
ド、カルボエトキシエチルスズトリクロリド等、及びそ
れらの組み合わせを挙げている。Soubeyrand
らは、ジメチルスズジクロリドの性能を示している。有
機スズ化合物、及び随意のキャリアーガス、酸化剤、安
定化剤、炭化水素、不活性ガス等を気化させて、気体有
機スズ反応体流れを作ることが示されている。
【0034】Soubeyrandらは、気化させる有
機スズ化合物は、米国特許第3,852,098号、同
2,780,553号、同4,351,861号、同
4,571,350号、同3,970,037号、同
4,212,663号、及び同4,261,722号明
細書のいずれかの方法によって調製できることを示して
おり、これらの文献はここで参照することによって本発
明の記載に含める。Soubeyrandらは、例え
ば、ここで参照することによって本発明の記載に含める
米国特許第5,090,985号明細書によって説明さ
れているように、配合ガスの存在下で、薄膜蒸発器にお
いて有機スズ化合物を蒸発させることによって、気化し
た有機スズ化合物を含む反応体流れを調製することが好
ましいとしている。ヘリウム、窒素若しくはアルゴン、
又はそれらの混合物のような不活性キャリアーガスを一
般に含むこの気体流れは随意に、水又は酸素のような酸
化剤を含有していてもよい。好ましいキャリアーガス
は、酸化剤として酸素を含むヘリウム及び窒素並びにそ
れらの混合物であるとされている。気化した有機スズ化
合物を含有する得られる反応体流れは、一般に約121
℃〜232℃(約250°F〜約450°F)の温度に
加熱し、高温ガラス基材表面の反応領域に輸送する。
【0035】気体フッ化水素又はフッ化水素酸(ここで
は「HF」を使用して、フッ化水素ガス又はフッ化水素
酸を表す)は、気化した有機スズ化合物と組み合わせ
る。Soubeyrandらは、一般にHF及びキャリ
アーガス、好ましくは水蒸気から構成される別のHF含
有反応体流れを作っている。このHF含有反応体流れへ
の水の添加は、コーティングされたガラスの放射性を低
下させ、フッ素でドープされた酸化スズ堆積物の成長速
度を増加させるとされている。このHF含有反応体流れ
は、更に従来の補助剤、例えばヘリウム、窒素、又はア
ルゴン、及びそれらの混合物、並びに例えば酸素のよう
な酸化剤を含有していてもよい。
【0036】このHF含有反応体流れは、コーティング
を堆積させる高温のガラス基材の表面に輸送する前に、
好ましくはガラス基材の比較的近くで、有機スズ反応体
流れと組み合わせる。HFを含有する反応体流れは、有
機スズの気化に関して示した上述の方法のうちの1つを
使用して化合物を気化させることによって、又はガスと
してHFを提供することによって調製することができ
る。HFを含有する気化した反応体流れは、高温ガラス
基材の表面に輸送する前に、気化した有機スズ化合物を
含有する反応体流れと混合することによって、これら2
つの流れを組み合わせることができる。或いは、液体又
は溶液のHF含有反応体流れは、気化した有機スズ化合
物を含む高温反応体流れに注入して、このフッ素を含有
する溶液又は液体化合物を気化させることができる。組
み合わせた後で、有機スズ、HF、水、及び酸素の気化
した反応体を高温のガラス表面に輸送し、これらを反応
させて、フッ素でドープした酸化スズのコーティングを
表面に堆積させる。
【0037】Soubeyrandらは、高温のガラス
基材の表面に輸送する気体反応体混合物の例を教示して
おり、これは(全ての%はmol%である)約10%〜約6
0%の酸素、約2%〜約50%の水、及び約0.2%〜
約2%のHFを含有しており、最も好ましくは約30%
〜約50%の酸素、約15%〜約35%の水、及び約
0.5%〜約1.5%のHFを含有している。この均一
な気体反応体混合物は有機スズ化合物も含有しており、
その望ましい濃度は、基材のライン速度及び酸化スズコ
ーティングの所望の厚さの関数である。従って、Sou
beyrandらは、所望の基材ライン速度において、
所望の厚さのコーティングを適用するのに十分な量で、
気体反応体混合物中に有機スズを提供している。典型的
な商業的操作では、気体反応体混合物は約0.01%〜
約8%の有機スズを含有している。
【0038】Soubeyrandらは、フッ素でドー
プした酸化スズコーティングとガラス板10の外部用表
面12との間に、ナトリウム拡散バリアーとして機能す
る材料の層を適用することが望ましいことも教示してい
る。フッ素でドープした酸化スズのコーティングをガラ
スに直接ではなく、ガラス上のナトリウム拡散バリアー
層に適用すると、コーティングされたガラス物品が、比
較的小さい放射性、比較的小さいシート抵抗、及び比較
的少ない曇りを示すことを見出した。このナトリウム拡
散バリアー層は好ましくはシリカで作る。このシリカの
層は好ましくは従来のCVD技術を使用して作る。
【0039】Soubeyrandらの好ましい態様
(これは、図1の熱分解積層体25として本発明に含ま
れている)によれば、初めに酸化スズの薄膜28を高温
のガラス基材の外部用表面12に堆積させ、そしてその
上にシリカの薄層27を堆積させ、それによって酸化ス
ズ/シリカの下側層構造を、ガラス10と次に堆積させ
るフッ素でドープした酸化スズの層26との中間に作
る。Soubeyrandらは、シリカフィルムはナト
リウムの拡散バリアーとして機能するだけでなく、第1
の(ドープしていない)酸化スズフィルムと組み合わさ
って、得られるコーティングされたガラス物品のイリデ
スセンスを抑制する働きをする。そのような「イリデス
センス防止」層の使用は、米国特許第4,377,61
3号明細書で説明されており、これはここで参照して本
発明の記載に含める。
【0040】水をシート状にする低放射率コーティング
20のシリカ層21は、熱分解コーティング25の外部
用表面に直接に堆積させることが望ましい。以下に示す
ように、このシリカ層21の外部用面22は不規則な表
面である。(これは、シリカオーバーコーティング21
の外部用表面の、一連の不規則に間隔を開けた不規則な
大きさの突起として概略を示している)。従って、この
シリカ層21の厚さは本質的に正確なものではない。し
かしながら、シリカのオーバーコーティングは、中央値
が約15Å〜約350Åであることが望ましく、好まし
くは約15Å〜約150Åである。最少の費用でのこの
オーバーコーティングの最大の利益は、約20Å〜約1
20Åの厚さで得ることができると考えられる。このシ
リカ層を熱分解コーティング25の外部用表面に適用す
ることができる1つの好ましい様式は、以下でより詳細
に説明する。
【0041】図2は、本発明の更なる態様の複数ガラス
板絶縁ガラスユニットの概略図である。絶縁ガラスユニ
ットは、当該技術分野で既知であり、ここでは更なる詳
細を説明する必要はない。しかしながら簡潔に言うと、
そのような絶縁ガラスユニットは一般に2つのガラス板
10、100を有し、これらはスペーサー110によっ
て空間を隔てて保持されている。この態様においては、
ガラス10の外部用表面によって支持される水をシート
状にする低放射率コーティング20は、第2のガラス板
100の反対側を向くようにし、ガラス10の内部用表
面によって支持される反射コーティング30は、第2の
ガラス板100の方を向くようにする。スペーサー11
0は、片側を第2のガラス板100の内部用表面102
に結合させ、他方を第1のガラス板10に結合させる。
当該技術分野で既知のように、スペーサーはガラス10
の内部用表面14に直接に結合させることができ、又は
反射コーティング30をガラス10の周囲にまで拡げて
スペーサーをこのコーティング30に直接に結合させる
ことができる。
【0042】典型的に、スペーサーは金属等で作られて
おり、乾燥剤112がその中には保持されている。この
乾燥剤は、ガラス板間の空間115のガスと連絡して、
ガラス板の間に拡散することがある湿分を除去すること
ができる。外部シール114をスペーサー110の外周
の周りに取り付けて、信頼可能なガス及び湿分のバリア
ーを作ることができる。
【0043】図2に示される構造の変形では、図1の上
述のコーティング20と実質的に同一の、水をシート状
にする低放射率コーティングを、第2のガラス板100
の外部用表面104に適用することができる。このコー
ティングは、第1のガラス板10の外部用表面で説明さ
れたコーティング20に加えて又はこのコーティング2
0の代わりに使用することができる。従って、1つの態
様(図示せず)においては、第1のガラス板の外部用表
面12は水をシート状にする第1の低放射率コーティン
グを有し、第1のガラス板の内部用表面14は多層赤外
線反射コーティング30を有し、第2のガラス板の内側
用表面102は2次コーティングを有さず、且つ第2の
ガラス板の外部用表面104は、第1のガラス板の外部
用表面のコーティング20と実質的に同一の、水をシー
ト状にする第2の低放射率コーティングを有する。
【0044】図3は、本発明のコーティングされたガラ
ス物品のもう1つの用途を説明している。この態様にい
ては、ガラス板10を、中間体の耐裂性プラスチックフ
ィルム130によって第2のガラス板100に結合して
層状構造体を作る。そのような積層窓構造体は、自動車
の窓の分野で知られている。典型的に、このプラスチッ
クの層130はポリビニルブチラル等の比較的厚い層か
らできており、これは加熱して溶融させることによって
他の2つガラス板に結合させる。所望であれば、コーテ
ィング30をなくしてもよい。しかしながらより好まし
くは、この反射フィルム30は、加熱処理可能な赤外線
反射フィルムを含んでいる。様々なそのようなフィルム
が当該技術分野で既知であり、且つこのフィルムの正確
な性質については本発明の範囲外である。しかしなが
ら、任意の適当な加熱処理可能コーティング30を使用
することができる。
【0045】上述のように、水をシート状にするシリカ
層21はスパッタリングによって適用することが望まし
い。これは、反射層30が存在する場合のこの層30と
同様である。これら別々のコーティングは、従来のスパ
ッタリング環境を使用し、スパッタリングラインを別々
に通して2つのコーティングを適用することによって適
用することができる。例えば、反射コーティングを適用
する前に、水をシート状にするシリカオーバーコーティ
ング21を熱分解層25の外側表面に適用することは、
酸化スパッタリング雰囲気においてガラスのこの表面を
ケイ素ターゲットの下に配置することによって行うこと
ができる。その後で、従来の様式で一連のスパッタリン
グ容器を使用して、多層反射コーティングを適用するこ
とができる。ここでそれぞれのスパッタリング容器は、
所望の積層体の1又は複数の特定の層をスパッタリング
させるようにしている。
【0046】図4は、本発明の1つの態様の2方向スパ
ッタリング容器の概略を示している。マグネトロンスパ
ッタリング容器は当該技術分野で既知であり、且つ様々
な供給者から商業的に入手することができる。そのよう
なマグネトロンスパッタリング容器についての議論は本
発明の範囲外であるが、そのような装置の比較的有用な
構造は米国特許第5,645,699号明細書(Sie
ck)で説明されており、この技術はここで参照するこ
とによって本発明の記載に含める。
【0047】一般に、マグネトロンスパッタリングは、
基材に堆積させる誘電体又は金属で作られたターゲット
を使用する。このターゲットは負に帯電しており、且つ
相対的に正に帯電したアノードをこのターゲットに隣接
させて配置する。ターゲットに隣接する容器に比較的少
量の所望のガスを導入することによって、このガスのプ
ラズマを作ることができる。このプラズマ中の原子はタ
ーゲットに衝突して、ターゲット物質をターゲットから
叩き出して、これをコーティングする基材にスパッタリ
ングさせる。当該技術分野では、ターゲットの背後で磁
石を使用することが、プラズマを形作ることを助け、且
つプラズマがターゲットの表面に近接した領域に存在す
るようにすることも知られている。
【0048】図4においては、コーティングするガラス
板10は複数の支持ローラー210上に配置する。この
複数の支持ローラーはスパッタリング容器200の長手
方向にわたって間隔を開けて配置されている。以下でよ
り詳細に説明する理由のためにこれらのローラー210
の正確な間隔は様々でよいが、容器200の少なくとも
1部の長さではわずかに更に間隔を開けて、下側ターゲ
ット260からの実効コーティング領域を増加させるこ
とが望ましい。
【0049】図示された態様では、ガラス板10はこれ
らのローラー上を水平に、例えば左から右に移動するよ
うにする。ガラスの内部用表面14は上側を向くように
し、またガラスの外部用表面12の熱分解誘電体層25
はローラー210上で下側を向くようにする。(おそら
くこれが最も典型的な配置であるが、上側ターゲット2
00と下側ターゲット260の相対的な位置も反対であ
るならば、スパッタリング容器200におけるガラスの
相対的な向きは交代させることができる。従って、「上
側」及び「下側」ターゲットのようにこれらのターゲッ
トを呼ぶことは、単に便利さのためだけであり、スパッ
タリング容器におけるこれらの要素の相対的な配置は、
所望に応じて容易に反対にすることができる。)
【0050】図4に示されているスパッタリング容器2
00は、2つの別々の上側スパッタリングターゲット2
20a及び220bを具備している。これらのターゲッ
トは平らなターゲットでよいが、これらはいわゆるロー
タリー又はシリンダー状ターゲットとして示されてい
る。これらのターゲットは、これらのターゲットに一般
的に並行で水平方向に延びる複数のアノード230と共
に、一般に互いに並行に並べられている。米国特許第
5,645,699号明細書において示唆されているよ
うに、中間アノード230をこれら2つのターゲットの
間に配置することができる。
【0051】ガス分配装置を使用して、ターゲット22
0a及び220bに隣接した容器にスパッタリングガス
を供給する。様々なガス分配装置が当該技術分野で既知
であるが、このガス分配装置は単純に、一般にターゲッ
トに向いて間隔を開けて配置された複数の開口部又はノ
ズルを伴う一対のパイプ235を有する。
【0052】マグネトロンスパッタリング容器において
ガラス基材の上に配置された複数のターゲットを使用す
ることは、当該技術分野では非常に一般的なことであ
る。しかしながら、図4のスパッタリング容器200の
独自の点は、「下側」ターゲット260の存在である。
このターゲットは、熱分解層25の外側表面に直接に、
水をシート状にする本発明のシリカオーバーコーティン
グ21をスパッタリングするのに使用する。上側ターゲ
ット220a及び220bの様に、下側ターゲット26
0は少なくとも1つ、好ましくは2つのアノード270
を十分に近くに具備して、安定なプラズマの発生を確立
する。上側ターゲット220a及び220bに近接して
示されたガス分配パイプ235が下側ターゲット260
から遠いことは好ましくなく、またガラス10が断続的
に存在することは、スパッタリング容器200を実質的
に2つの別々な機能の領域に分ける。従って、下側ター
ゲット260に隣接するガスの下に配置された別のガス
分配パイプ275を具備して、このターゲットに近いプ
ラズマへの一貫したガスの供給を確実にすることは好ま
しい。このことが所望であれば、下側パイプ275及び
上側パイプ235は、同じガス分配装置の一部であって
よい。すなわち、両方のパイプが単一のガス供給源に接
続されていてよい。
【0053】下側パイプ275が供給するガスの性質
は、少なくとも一部がスパッタリングターゲット260
の性質に依存している。従来のマグネトロンスパッタリ
ングでは、ターゲットはカソードとして機能しなければ
ならない。SiO2 の誘電性の性質のために、シリカタ
ーゲットを使用して信頼可能にスパッタリングすること
は非常に難しい。従って、ターゲットはシリカよりも金
属ケイ素を含有することが好ましい。ガラスの外部用表
面12に実際に堆積させる物質は、下側ガス分配パイプ
275を通して供給されるガス中に酸素を導入すること
によって、シリカに転化させることができる。
【0054】ガラス10の連続的な板はスパッタリング
容器を実質的に分けるが、これはガスが容器の1つの箇
所から他の箇所に入ることを妨げない。下側ターゲット
260は酸化雰囲気でスパッタリングさせる金属ケイ素
を含有していることが好ましいので、下側パイプ275
を通して導入することができる過剰な酸素の存在によっ
て、上側ターゲット220a及び220bのスパッタリ
ングが好ましくない影響を受けないようにすることが重
要である。これは、この2方向スパッタリング容器20
0を使用して、ガラス板の1つの面に水をシート状にす
るシリカオーバーコーティング21を堆積させ、且つ他
の表面に酸素感受性の金属を堆積させることを実質上妨
げることがある。
【0055】より有利には、図4の2方向スパッタリン
グ容器を使用して、単一の容器内において、ガラスの内
部用表面14に誘電体層を堆積させ、且つ熱分解誘電体
層25上に水をシート状にするシリカ層21を堆積させ
ることができる。このスパッタリングする誘電体層は、
窒化物等へのいくらかの金属酸化物の導入が適用するコ
ーティングの性質に好ましくない影響を与えないなら
ば、窒化物等であってもよい。しかしながら理想的に
は、内部用表面14に適用する誘電体が酸化物(又は少
なくとも部分的に酸化物)であって、2つの一連のパイ
プ235及び275を通して導入される任意の混合され
るガスが、誘電体層又はシリカ層21に好ましくない影
響を与えないようにする。例えば、ターゲット220a
及び220bの片方又は両方が金属チタン又はTiOx
(1<x<2)はでできていてよく、且つ両方の一連の
ガス分配パイプ235及び275を通して導入されるガ
スはほぼ釣り合ったアルゴン及び酸素の混合物を含有し
ていてよい。
【0056】従来のマグネトロンスパッタリング容器で
は、ガラスを支持するために使用するローラー210の
間隔を非常に狭く維持して、ガラスがローラー間に落下
する全ての有意の危険性をなくして、ラインにおいて比
較的少量のガラス基材を処理する。しかしながら、ガラ
スの外部用表面12に水をシート状にするコーティング
を適用する際のローラーによる邪魔を最少化するために
は、この間隔は増加させることができる。最大安全間隔
は、予想されるガラスの大きさの所定の範囲に基づい
て、それぞれの場合に決定する必要がある。しかしなが
ら、下側ターゲット260からガラスの外部用表面12
の熱分解コーティングへの経路に配置されたローラー間
の間隔が大きければ大きいほど、熱分解誘電体25に堆
積するスパッタリングされたシリカの割合は増加する。
当然に、スパッタリング設備の他の領域のローラーは、
それらの通常の間隔に維持することができる。2方向ス
パッタリング容器200のローラーのうちの少しは容易
に取り除けるようにして、容器を、図示された形状か
ら、ガラスの片方の面のみをコーティングし且つ互いに
比較的狭い間隔で配置されたローラーを有する比較的一
般的に操作される容器に変化させることができる様にす
ることも望ましいことがある。
【0057】ローラー間の間隔を変化させる代わりに、
ローラーの直径を比較的小さい大きさにすることができ
る。従来のローラーは中空の金属管である。所望であれ
ば、この直径が比較的小さいローラーは、例えば硬質の
発泡体を充填することによって強化することができる。
支持体に沿うガラスの同じ輸送速度を維持するために、
これらの比較的直径が小さいローラーは、例えば所望の
ギア比を有する一対のギアによってより速く回転させな
ければならない。
【0058】ローラー210は任意の所望の構造のもの
でよい。ケブラー(商標)ロープをらせん状に巻き付け
たシリンダー状アルミニウムローラーを使用することに
よって良い結果が得られることが見出されている。ここ
で、ケブラー(商標)はガラスが直接に接触する表面を
提供する。
【0059】いくらかの特定の用途では、図4の2方向
スパッタリング容器200は、ガラスの内部用表面と外
部用表面の両方に所望のコーティングの全てを十分に適
用することができる。しかしながら、比較的一般的に
は、スパッタリング容器200は、一連のスパッタリン
グ容器を含むスパッタリングラインの一部である。この
ラインのそれぞれのスパッタリング容器は、上側ターゲ
ットと下側ターゲットの両方を具備することができる
が、最も一般的な用途では、ガラスの上側表面に適用す
る積層体がより複雑であり(すなわち、様々な組成の一
連の別個の層を含む)、且つ本発明のシリカオーバーコ
ーティング21よりも厚い。結果として、スパッタリン
グ容器の大部分は、上側ターゲットのみを具備して、支
持体の下に配置された下側ターゲットを具備しない従来
の下向きスパッタリング容器を含むことができる。
【0060】スパッタリングラインが下向きスパッタリ
ング容器と2方向スパッタリング容器200の組み合わ
せを含む場合、スパッタリングラインにおける2方向ス
パッタリング容器の位置は変化させることができる。水
をシート状にする本発明のシリカオーバーコーティング
25を酸化雰囲気におけるケイ素含有ターゲット(例え
ば、主にケイ素又はアルミニウムでドープしたケイ素で
できたターゲット)のスパッタリングによって適用する
場合、この容器のガラスの上側表面に酸化可能な金属の
層(例えば、低放射性積層体において一般に使用されて
いるタイプの赤外線反射銀層)を堆積させないようにす
べきである。従って、金属層を堆積させるために使用す
るこれらの容器だけでも、下側ターゲットなしで下向き
スパッタリング容器として操作することができる。しか
しながら、同じ容器において、ガラスの上側表面に金属
酸化物(例えば、SiO2 、ZnO、又はSnO2 )を
堆積させることは可能である。
【0061】従来の認識によれば当業者は、水をシート
状にする本発明のシリカオーバーコーティングを第1の
スパッタリング容器で適用すること、又は必要であれ
ば、容器内においてガラスを支持するローラーと接触す
ることによってガラス表面が汚染される又は損傷を受け
る前に、第1の複数のスパッタリング容器で、水をシー
ト状にするコーティングを確実に適用することを選択す
る。非常に予想外に、反対の事実が判明した。つまり、
本発明のシリカオーバーコーティング21は最後のスパ
ッタリング容器において適用することが最適である。ス
パッタリングラインを通るガラスの速度を不適当に低下
させることなく、水をシート状にする十分に厚いオーバ
ーコーティングを堆積させるために、1以上の2方向ス
パッタリング容器200が必要である場合、水をシート
状にするオーバーコーティングは最後のいくつかのスパ
ッタリング容器において適用することが最適である。
【0062】水をシート状にする本発明のシリカオーバ
ーコーティング21をスパッタリングラインの最初に適
用すると、ガラスの外部用表面の大部分は水をシート状
にする所望の性質を示す。しかしならがら、ガラスの周
縁部は、一貫したこれらの改良された性質を示さないこ
とがある。これは、シリカ21の堆積の後でガラスの上
側表面に適用するコーティングのわずかなオーバースプ
レーによるものであると考えられ、ここでは、上側表面
に適用された物質の非常に少量が下側表面に移動してき
て、水をシート状にする低放射性コーティングのガラス
の縁に隣接して存在するものの上に重なると考えられ
る。このオーバースプレーによるコーティングは、ガラ
スの光学的な性質に容易に検知可能な影響を与えないほ
ど薄いが、この実質的に不可視的なコーティングは、ガ
ラスの縁に沿っている水をシート状にするコーティング
の利点を危険にさらす。熱分解によってコーティングし
た外部用表面に、スパッタリングラインの末端部でシリ
カを適用することによって、シリカオーバーコーティン
グ上に堆積したオーバースプレーの量を最少化すること
ができ、且つ水をシート状にするこのコーティングの有
益な効果を維持することができる。
【0063】図4において示されるような2方向スパッ
タリング容器200は、ガラス板の両側に適用するコー
ティングの製造効率を最大化し、且つコストを最少化す
ると考えられる。あまり好ましくないが、本発明の水を
シート状にするコーティングを1回の通過で適用し、反
射コーティングを2回目の通過でガラスの他の面に適用
することができる。ここでは、これらの通過の間にガラ
スを裏返しにすることによって、容器の支持体の同じ側
に、全てのターゲットを配置することを可能にする。し
かしながらこれは、先に概略を示した方法に比べて効率
が良くなく、低コストの商業的なガラスの製造には適当
でないと考えられる。
【0064】ガラス基材は容器を通って移動するので、
上側ターゲット200a及び200bを下側ターゲット
260から効果的に保護しないとき又はこの反対のとき
がある。結果として、上側ターゲットからの物質が下側
ターゲットに堆積し、また下側ターゲットからの物質が
上側ターゲットの片方又は両方に堆積することがある。
図4のスパッタリング容器200は、上側ターゲット2
20a及び220bの組成が下側ターゲット260の組
成と実質的に同じ場合に理想的である。しかしながら、
上側ターゲットと下側ターゲットの組成が異なる場合、
異なるターゲットの相互汚染はスパッタリングにおいて
又は一貫した製品の品質の維持において問題をもたらす
ことがある。
【0065】少なくとも理論的には、それぞれのスパッ
タリングターゲットへの電力供給を独立に制御して、ガ
ラス板が上側及び下側のターゲットを互いに保護しする
位置にある場合にのみそれぞれのターゲットをスパッタ
リングすることを確実にすることによって、この問題を
解決することができる。しかしながら、現在商業的に入
手することができる電力供給制御装置は、この様な様式
にはなっていない。更に、一定の大きさではなく様々な
大きさのガラス基材をコーティングするためにこのスパ
ッタリングラインを使用する場合、そのような設定のた
めの制御理論は非常に困難なことである。
【0066】図5は、スパッタリングターゲットの有意
の相互汚染をなくして、一回の通過で基材の内部用表面
14及び熱分解によってコーティングされた外部用表面
12の両方をコーティングするのに使用することができ
る1つの可能なスパッタリング容器300を示してい
る。図4に示される構成要素と類似の機能を持つ構成要
素は、100を加算した類似の参照番号で示してある。
例えば、図5の上側ガス分配パイプ335は、図4の上
側ガス分配パイプ235と機能的に類似である。
【0067】図5のスパッタリング容器300は、一対
のバリアー340によって、3つのコーティング領域3
00a、300b、及び300cに効果的に分けられて
いる。1つのコーティング領域のいくらかのガス画分
は、もう1つのコーティング領域に流入しており、従っ
てこれは3つ全ての領域において同様な雰囲気を使用す
ることが最良である。しかしながら、バリアー340
は、1つのコーティング領域においてスパッタリングさ
れた材料が、もう1つのコーティング領域のターゲット
に到達する量を効果的に制限する働きをする。
【0068】図5に示される態様においては、3つのコ
ーティング領域300a〜300cのそれぞれは4つま
でのターゲットを備えるようにされており、ここでは、
2つのターゲットを基材上に配置し、2つのターゲット
を基材の下に配置するようになっている。従って、ガラ
ス経路の上側に配置された6個のターゲットマウント3
21〜326、及びガラス経路の下側に配置された6個
のターゲットマウント361〜366が存在する。これ
は、この単一の複数領域スパッタリング容器300を使
用して、異なる性質の製品を作る最大自在性を可能にす
る。図5は、それぞれ、下側ターゲットマウント361
〜366のうちの1つに垂直に配置されたそれぞれの上
側ターゲットマウント321〜326の概略を示してい
る。しかしながら、ターゲットをこの様式で垂直に配置
する必要はないこと、及び水平にずらした配置で比較的
有利に配置できることを理解すべきである。
【0069】図5に示す配置では、第1のコーティング
領域300aは2つの上側ターゲット(320a及び3
20b)を具備しているが、下側ターゲットマウント3
61又は362には下側ターゲットが存在しない。第1
の領域の上側ガス分配パイプ335にスパッタリングガ
スを供給すべきであり、また第1のコーティング領域の
上側ターゲット330に電力を供給すべきであるが、下
側ガス分配パイプ375にガスを輸送する必要はなく、
また下側アノード370に電力を供給する必要はない。
第2のコーティング領域300bは2つの下側ターゲッ
ト360c及び360dを具備しているが、上側ターゲ
ットマウント323又は324にはスパッタリングター
ゲットが存在しない。同様に、第3のコーティング領域
300cは2つの下側ターゲット360e及び360f
を具備しているが、上側ターゲットマウント325又は
326にはスパッタリングターゲットが存在しない。随
意に(上述のように)、第1のコーティング領域300
aは、基材の内部用表面14によって支持される反射積
層体の最も外側の層を適用するために使用し、後半の2
つのコーティング領域300b及び300cは、熱分解
によってコーティングした基材の外部用表面12に水を
シート状にするシリカオーバーコーティング21をスパ
ッタリングするために使用する。
【0070】図5の複数領域スパッタリング容器300
におけるターゲットの配置は単に説明のためのものであ
り、ターゲットの配置を変更して、様々な製品の製造効
率を最大化できることを理解すべきである。例えば、同
じガラス速度で水をシート状にする比較的厚いコーティ
ングが所望である場合、それぞれの下側ターゲットマウ
ント361〜366のそれぞれにケイ素含有ターゲット
を取り付けて、上側ターゲットマウント321〜326
のいずれもがターゲットを具備しないようにすることが
できる。比較的薄いコーティングで十分な場合(又は適
当に減速させてガラスをコーティング容器に通す場
合)、最後の2つのターゲットマウント325及び32
6のみがターゲットを具備し、初めの4つの上側ターゲ
ットマウント321〜324のそれぞれがスパッタリン
グターゲットを具備するようにすることができる。当然
に、同じ領域の上側ターゲットマウントと下側ターゲッ
トマウントにターゲットを取り付けることによって、図
4の2方向スパッタリング容器200と同様に、コーテ
ィング領域300a〜300cのいずれか1つ又は複数
を操作することができる。
【0071】図4及び5の装置並びにそのようなコーテ
ィング設備を使用するコーティングの堆積方法は、本発
明の用途では、ガラスの1つの面の反射性の積層体を適
用し、ガラスの他の面に水をシート状にするシリカオー
バーコーティングを適用することに関して説明する。し
かしながら、適用するコーティングの性質に関わらずに
この装置及び方法を使用して、ガラス板の両方の面にコ
ーティングを適用できることを理解すべきである。例え
ば、この装置を使用して、ガラス板の両面に反射防止コ
ーティングを適用すること、透明若しくは半透明の有機
基材の両面に赤外線反射コーティングを適用すること、
又は同じ基材のそれぞれの面に水をシート状にするコー
ティングを適用することができる。
【0072】図4及び5において説明した設備の利点
は、ガラスを一定の向きに維持しながらコーティング装
置に一回通すことによって、基材の両方の面にスパッタ
リングによるコーティング(組成に関わらず)を具備さ
せられることである。すなわち、ひっくり返し、方向を
転換等の操作を行う必要がないということである。これ
は、単純な一連の標準輸送ローラーを使用して、製造ラ
インに沿ってガラスを移動させることを可能にする。本
発明を使用しない場合、ガラスを手動で扱って、ひっく
り返して更にコーティング装置に戻して通さなければな
らず、又は製造プロセスの間のこの点で基材を保持して
ひっくり返さなければならない複雑なガラス取り扱い設
備を使用しなければならない。これは、コーティングの
品質を低下させずに、両面をコーティングされたガラス
を特に経済的に製造することを可能にする。
【0073】かつては、ガラスの底面側をコーティング
しようとする場合、ローラーとの接触がコーティングを
傷つけ及び/又はコーティングの適用の前にガラスの底
面が損傷を受けると考えられてきた。しかしながら意外
にも、本発明は、1回の通過でガラスの両面をコーティ
ングすることが非常によい結果をもたらすことを示して
いる。
【0074】水をシート状にする本発明のオーバーコー
ティングを適用する正確な操作条件(例えば、ターゲッ
ト組成、プラズマ組成等)を必要に応じて変化させて、
所望の厚さのコーティングの堆積を最適化することがで
きる。本発明の教示によれば、過度の実験なしで、当業
者は適当な操作条件を選択して本発明のコーティング2
0を適用することができる。
【0075】本発明によるSiO2 のオーバーコーティ
ングは、不活性雰囲気において二酸化ケイ素ターゲット
を使用するスパッタリングによって堆積させることがで
きるが、シリカは伝導性が低く、またそのような誘電体
材料はDCスパッタリング装置においてスパッタリング
することが難しいことがある。代わりに酸化雰囲気にお
いて純粋なケイ素のターゲットを使用することができる
が、ケイ素は半導体なので、そのようなターゲットは一
定の制御された様式でスパッタリングを行うことが難し
い。スパッタリングを改良しアークを減少させるため
に、約5%のアルミニウムを伴うケイ素を有するターゲ
ットを、酸化雰囲気においてスパッタリングすることが
好ましい。
【0076】アルミニウムでドープしたケイ素ターゲッ
トを使用する場合であっても、スパッタリング容器の雰
囲気を変化させて、最適なスパッタリング速度を達成す
ることができる。スパッタリング雰囲気は酸化雰囲気で
あるべきだが、純粋な酸素雰囲気である必要はない。反
対に、酸素と不活性ガスの混合物がスパッタリング速度
を促進する。酸素と約40%までのアルゴン(好ましく
はアルゴンは0〜20%)とを含有し、約3×10-3
barに維持されたスパッタリングガスが満足なもので
あると考えられる。スパッタリングターゲットに加えら
れる電力を最適化させて、最高のスパッタリング速度を
維持しながらアークの発生を減少させるべきである。約
80kWまでの電力が許容できる結果をもたらすだろ
う。
【0077】うまく作用することが見出された1つの製
造配置は、約5%のアルミニウムでドープされたケイ素
のロータリースパッタリングターゲットを3つ使用し、
それぞれのターゲットに約42kWの電力を加える。ス
パッタリング容器の雰囲気は、0.33〜0.60Pa
(約2.5〜4.5mTorr)の圧力で100%のO
2 を含む。ガラス基材は、572〜1270cm/分
(約225〜500インチ/分)の速度で、これら3つ
のスパッタリングターゲットを通過させる。
【0078】ガラス表面にスパッタリングした薄いSi
2 フィルムの形態のいくらかの初期解析を行った。熱
分解によって適用した誘電体層上に適用したシリカオー
バーコーティングに関する詳細な顕微鏡による研究は行
わなかったが、水をシート状にする本発明の低放射率コ
ーティング20とそれらのフィルムの水をシート状にす
る性質にいくらかの相似性が存在する。従って、平らな
シリカコーティングの形態の結論は、本発明のコーティ
ング20の形態にいくらかの指標を与えると考えられ
る。
【0079】平らなガラスの表面に適用された薄いシリ
カフィルムの初期解析は、そのようなシリカフィルムの
外部用表面が、ガラスの表面から間隔を開けて立ち上が
った一連の突起を有することを示す。これらのコーティ
ングは比較的気孔が少ないことも明らかである。これ
は、タカマツらの米国特許第5,394,269号明細
書で教示されるゾルーゲル法によってもたらされるコー
ティングの全く対称的である。この文献は、コーティン
グを貫く50〜200nmの気孔を有するコーティング
がもたらされるとしている。
【0080】現在は理解されていない理由のために、清
浄なガラスの表面に直接に適用されたシリカフィルムの
解析は、そのような薄いシリカフィルムをスパッタリン
グによって堆積させることは一連の非常に鋭い明確な突
端を有する表面をもたらすことを示唆している。そのよ
うなコーティングされた表面の有意義な統計的な解析は
行わなかったので、これらの独自の表面不規則性は全シ
リカ表面を代表するものかどうかは分からない。このデ
ータは、水をシート状にする本発明の低放射率コーティ
ング20の外部用表面22が、比較的非多孔性で、且つ
間隔を開けて表面からかなり立ち上がっている多くの別
個の突端を有し、かなり不均一で不規則なので、処理さ
れていないフロートガラスの表面とは異なることを示唆
している。
【0081】水をシート状にする本発明のコーティング
でコーティングされたガラス板の性質は、本発明のコー
ティングを持たない同様なガラス板の性質とはかなり異
なる。水をシート状にする低放射率コーティング20を
有するガラスの表面は、本発明のシリカオーバーコーテ
ィング21のない同様な熱分解低放射率コーティングを
有する相当するガラス板と比較したときに、比較的容易
に水をシート状にする傾向があり、可視的な筋又は欠陥
なしにかなり容易に清浄にすることができる。
【0082】例として、Energy Advanta
geガラスの試料板を商業的に入手した。上述のよう
に、この製品は熱分解によって適用した誘電体コーティ
ングを有し、このコーティングは図1で説明し先に説明
したような3層コーティング25であると考えられる。
熱分解によってコーティングした表面は、そのようなコ
ーティングを全く持たない平らなフロートガラス板の上
側表面(すなわち、フロートプロセスにおいてスズ浴の
反対を向いている面)と比較したときに少なくとも比較
的粗い。Windexという商標名で商業的に入手する
ことができる従来のクリーニング溶液を、Energy
Advantage板の熱分解によってコーティング
された表面に噴霧して、表面が乾燥したと思われるまで
ペーパータオルで表面を拭くと、可視的な汚れはもはや
存在せず、ここでは、そのような清浄化を完全に行うた
めに必要な拭き取り力及び時間を定量的に記録した。水
をシート状にする本発明のシリカオーバーコーティング
21を、もう1つのEnergy Advantage
製品試料の熱分解によってコーティングした外側表面に
適用して、同じWindex拭き取り試験を、このコー
ティングされた表面に行った。平らなEnergy A
dvantage熱分解コーティングは粗い表面を持
ち、且つ拭き取りにおいて「粘着性」又は摩擦が大きい
感触であったとすることができる。水をシート状にする
本発明の低放射率コーティング20を有する第2の試料
は、実質的に清浄化が比較的容易あり、拭き取りは比較
的小さい力で比較的迅速に完了した。
【0083】本発明による表面特性の変化は、質的なレ
ベルで容易に識別することができるが、有意の様式でこ
れらの差を定量化することは比較的難しいことがある。
加えて、表面の状態のこのかなりの改良に関して正確に
起こっていることは、完全には理解されていない。シリ
カオーバーコーティング21を有する本発明のコーティ
ングと比較した場合の、処理の前の熱分解によって堆積
させた表面の1つの定量化可能な変化は、接触角のかな
りの減少である。平らなEnergy Advanta
ge熱分解コーティング上の水の接触角を測定するとか
なり様々であり、最低で約25°から大きくて58°で
ある。本発明のシリカオーバーコーティングを有するE
nergy Advantage熱分解コーティング上
の水の接触角は実質的により小さく、ほとんどの測定で
は15°よりもかなり小さい。実際に、そのようなコー
ティングの接触角を測定すると通常は7〜8°である。
【0084】本発明の好ましい態様では、ガラス10の
外部用表面12によって支持される熱分解によって適用
した誘電体層25の外側表面は粗く、これは熱分解コー
ティングプロセスによって得られたものであると考えら
れる。誘電体層25の水との接触角は少なくとも約20
°であり、望ましくは少なくとも約25°、好ましくは
30°又はそれ以上である。シリカオーバーコーティン
グ21を誘電体層25の外側表面に適用した後で、得ら
れる水をシート状にする低放射率コーティング20の外
側表面22の水との接触角は望ましくは約25°以下、
好ましくは約20°以下であり、15°又はそれ以下で
あることが最適である。接触角のこの有意の低下はガラ
ス板のコーティングされた表面上の水をシート状にする
傾向があり、ガラス表面の清浄化を容易にし、またガラ
ス表面を比較的清浄に保つが、スパッタリングしたシリ
カのオーバーコーティング21は、熱分解によって適用
した下側の誘電体層25の放射率を減少させる性質を実
質的に低下させないと考えられる。
【0085】本発明の好ましい態様を説明してきたが、
様々な変更、付加及び修正は、本発明の特許請求の範囲
及び本質から離れずに行えることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のコーティングを有するガラス
板の断面概略図である。
【図2】図2は、水をシート状にする本発明のコーティ
ングを組み込んだ複数のガラス板の絶縁ガラスユニット
の断面概略図である。
【図3】図3は、水をシート状にする本発明のコーティ
ングを有する自動車用風防で一般的に使用されるタイプ
の積層窓構造体の断面概略図である。
【図4】図4は、本発明で使用する2方向スパッタリン
グ容器の概略図である。
【図5】図5は、本発明のもう1つの態様で使用する複
数領域2方向スパッタリング容器の概略図である。
【符号の説明】
10…第1のガラス板 20…水をシート状にする低放射率コーティング 30…反射コーティング 100…第2のガラス板 130…耐裂性プラスチックフィルム 200…2方向スパッタリング容器 210…ローラー 220…上側ターゲット 260、360…下側ターゲット 270…アノード 300…コーティング領域 330…上側アノード 340…バリアー 370…下側アノード
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月22日(2000.6.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 16/46 C23C 16/46 (72)発明者 ボブ ボンド アメリカ合衆国,ウィスコンシン 53588, スプリング グリーン,ワシントン 645 (72)発明者 ロジャー スタネック アメリカ合衆国,ウィスコンシン 53588, スプリング グリーン,ノース シンシナ ティ 633 (72)発明者 ギャリー パフ アメリカ合衆国,ウィスコンシン 53588, スプリング グリーン,イースト マディ ソン ストリート 1024 (72)発明者 クラウス ハーティグ アメリカ合衆国,ウィスコンシン 53506, アブコア,バリー ロード 5871

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水をシート状にする低放射率コーティン
    グを具備した外部用表面を有するコーティングされたガ
    ラス物品であって、このコーティングが、前記外部用表
    面に支持される熱分解によって適用された第1の誘電体
    層、及びこの第1の層の外側表面に直接にスパッタリン
    グしたシリカの外部用層、を含み、水をシート状にする
    この低放射率コーティングが、ガラス物品のコーティン
    グされた外部用表面の水との接触角を約25°未満に減
    少させて、この板のコーティングされた外部用表面に適
    用された水をシート状にする、コーティングされたガラ
    ス物品。
  2. 【請求項2】 約750℃以上の温度において、有機ス
    ズ化合物、水、及び酸素を含む反応体混合物を反応させ
    て、前記不規則なシート状にしない外側表面を作ること
    によって、前記ガラスの表面に堆積させた酸化スズの層
    を、前記第1の層が含む請求項1に記載のコーティング
    されたガラス物品。
  3. 【請求項3】 前記第1の層が、フッ素でドープした金
    属酸化物を含む請求項1に記載のコーティングされたガ
    ラス物品。
  4. 【請求項4】 有機スズ化合物、HF、水、及び酸素を
    含む反応体混合物を反応させて前記不規則なシート状に
    しない外側表面を作ることによって堆積させたフッ素で
    ドープされた酸化スズを、前記第1の層が含む請求項3
    に記載のコーティングされたガラス物品。
  5. 【請求項5】 反射性コーティングを具備した内部用表
    面を更に有する請求項1に記載のコーティングされたガ
    ラス物品。
  6. 【請求項6】 前記反射性コーティングが赤外線反射コ
    ーティングであり、この赤外線反射コーティングが、前
    記内部用表面から外側に向かって順番に、少なくとも1
    つの誘電体層、反射性金属層、及び第2の誘電体層を含
    み、且つこの赤外線反射コーティングの可視光スペクト
    ルに対する透過率が約70%以上である請求項5に記載
    のコーティングされたガラス物品。
  7. 【請求項7】 (a)外部用表面及び第1の結合表面を
    有する外側ガラス板、 (b)内部用表面及び第2の結合表面を有する内側ガラ
    ス板、 (c)前記第1の結合表面と前記第2の結合表面との間
    に配置された耐裂性ポリマー層、 (d)前記外側ガラス板の外部用表面に支持され、水を
    シート状にする低放射率コーティングであって、前記外
    部用表面に支持される熱分解によって適用された第1の
    誘電体層、及びこの第1の層の外側表面に直接にスパッ
    タリングしたシリカの外部用層、を含み、コーティング
    されたガラス物品の外部用表面の水との接触角を約25
    ℃未満に減少させて、このガラス板のコーティングされ
    た外部用表面に適用された水をシート状にするコーティ
    ング、を有する自動車の風防ガラス。
  8. 【請求項8】 前記第1の誘電体層が、金属酸化物を含
    む請求項7に記載の風防ガラス。
  9. 【請求項9】 前記第1の誘電体層が、フッ素でドープ
    した金属酸化物を含む請求項7に記載の風防ガラス。
  10. 【請求項10】 前記第1と第2の結合表面の一方によ
    って支持された赤外線反射コーティングを更に含む風防
    ガラスであって、前記赤外線反射コーティングが、この
    赤外線反射コーティングを支持する前記表面から外側に
    向かって順番に、少なくとも1つの誘電体層、反射性金
    属層、及び第2の誘電体層を含み、且つこの赤外線反射
    コーティングの可視光スペクトルに対する透過率が約7
    0%以上である請求項7に記載の風防ガラス。
  11. 【請求項11】 (a)清浄な内部用表面及び清浄な外
    部用表面を有するガラス板を提供し、ここで、熱分解に
    よって適用した誘電体層を有する前記外部用表面と水と
    の接触角が約30°以上であり、 (b)少なくとも1つの第1の誘電体層、少なくとも1
    つの金属層、及び少なくとも1つの第2の誘電体層の順
    序でスパッタリングすることによって、反射性コーティ
    ングで、ガラス板の前記内部用表面をコーティングし、 (c)熱分解によって適用した前記誘電体層の外側表面
    にシリカを直接にスパッタリングすることによって、水
    をシート状にするコーティングで、ガラス板の前記外部
    用表面をコーティングし、それによって、水との接触角
    が約25°未満の水をシート状にする低放射率コーティ
    ングをもたらして、ガラス板のこのコーティングされた
    外部用表面に適用される水がシート状になるようにす
    る、ことを含むガラス板の表面を防汚性及び防汚染性に
    する方法。
  12. 【請求項12】 前記ガラス板の内部用表面の外側方向
    に配置された対応する一連のスパッタリングターゲット
    を保持する一連のスパッタリング容器に、前記ガラス板
    を通し、第1のスパッタリング容器において前記第1の
    誘電体層を適用し、第2のスパッタリング容器において
    前記金属層を適用し、且つ第3のスパッタリング容器に
    おいて前記第2の誘電体層を適用する請求項11に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 前記第1と第3のスパッタリング容器
    の一方が、前記ガラス板の外部用表面の外側方向に配置
    されたケイ素含有ターゲットを有し、水をシート状にす
    る前記コーティングを、前記誘電体層のうちの1つを適
    用するのと同じスパッタリング容器において、前記ケイ
    素含有ターゲットをスパッタリングすることによって適
    用する請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 (a)清浄な内部用表面及び清浄な外
    部用表面を有するガラス板を提供し、ここでこの外部用
    表面は、熱分解によって適用した水との接触角が約30
    °以上である誘電体層を有し、 (b)それぞれがガラス板の支持体を有する一連のスパ
    ッタリング容器を含むスパッタリングラインを提供し、
    ここでこれらのスパッタリング容器のうちの少なくとも
    1つは、前記支持体の上方に配置された上側ターゲット
    を有する下向きスパッタリング容器を含み、第2のスパ
    ッタリング容器は支持体の下方に配置された下側ターゲ
    ットを有する上向きスパッタリング容器を含み、 (c)前記内部用表面が前記上側ターゲットに向かうよ
    うにして、前記下向きスパッタリング容器の前記支持体
    上に前記ガラス板を配置し、前記上側ターゲットをスパ
    ッタリングして、前記ガラスの内部用表面に予め堆積さ
    せたフィルム積層体又は前記ガラスの内部用表面の1つ
    に誘電体層を堆積させ、 (d)前記熱分解によって適用した誘電体層が前記下側
    ターゲットに向かうようにして、前記上向きスパッタリ
    ング容器の前記支持体上に前記ガラス板を配置し、前記
    下側ターゲットをスパッタリングして、前記ガラスの外
    部用表面に水をシート状にするコーティングを堆積させ
    る、ことを含むガラス板の表面を防汚性及び防汚染性に
    する方法。
  15. 【請求項15】 前記上向きスパッタリング容器が前記
    支持体の上方に配置された上側ターゲットを更に具備
    し、この上側ターゲットをスパッタリングして、前記ガ
    ラス板を前記上向きスパッタリング容器に維持したまま
    で、前記ガラスの内部用表面に予め堆積させたフィルム
    積層体又は前記ガラスの内部用表面の1つに誘電体層を
    堆積させる請求項14に記載の方法。
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