JP2000517317A - アルツハイマー病治療用スルホニルフルオリド - Google Patents

アルツハイマー病治療用スルホニルフルオリド

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JP2000517317A JP10511856A JP51185698A JP2000517317A JP 2000517317 A JP2000517317 A JP 2000517317A JP 10511856 A JP10511856 A JP 10511856A JP 51185698 A JP51185698 A JP 51185698A JP 2000517317 A JP2000517317 A JP 2000517317A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、スルホニルフルオリド及び製薬的に許容可能な担体を含んでいる製薬組成物を提供する。アルツハイマー病の治療を必要としている患者に治療的に有効な投与量のメタンスルホニルフルオリドを投与する段階を含んでいるこのような患者のアルツハイマー病を治療する方法も提供する。認識能力を高める治療を必要としている患者に治療的に有効な投与量のメタンスルホニルフルオリドを投与する段階を含んでいるこのような患者の認識能力を高める方法も更に提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アルツハイマー病治療用スルホニルフルオリド 発明の背景発明の分野 本発明は一般的にアルツハイマー病の神経病学及び薬物療法分野に関する。更 に詳細には、本発明はアルツハイマー病を治療するためのスルホニルフルオリド の新規用途に関する。関連技術の説明 アルツハイマー型老年性痴呆(SDAT)においては基底前脳及び皮質のコリ ン作動性機能の大きな損失を示す神経病理学的徴候が多数の研究者によって確認 されており、そしてこれがこの疾病に比較的共通した特徴である[1、2、3]。コ リン作動性機能の低下は、少なくとも部分的には、この疾病における認識減退の 原因であると思われる[4、5]。かなり注目を浴びている1つの治療法はコリンエ ステラーゼ(ChE)インヒビターを使用して脳内のアセチルコリン濃度を高め 、そしてそれによってコリン作動性機能を高めて認識能力を改善することである [4、6、7、8]。 しかしながら、問題は記憶機能に関与すると広く理解されている酵素、アセチ ルコリンエステラーゼ(アセチルコリンエステラーゼ、EC3.1.1.7)の比較的 毒性のない有効なインヒビターを開発することであった[5、9]。末梢組織でのコ リンエステラーゼの顕著な阻害は悪心、嘔吐、下痢、唾液分泌過多及び過度のコ リン作動性活性の他の徴候に関係するので、コリンエステラーゼインヒビターは 一般的に比較的毒性のある化合物である。加えて、アセチルコリンエステラーゼ (AChE、EC3.1.1.7)と同時にブチリルコリンエステラーゼ(BChE、 EC3.1.1.8)が阻害されると末梢平滑筋でコリンエステラーゼインヒビターの 毒性が高まるという証拠がある[10]。それ故、SDATのような慢性病の治療に 使用される理想的なコリンエステラーゼインヒビターはCNSに選択的(末梢組 織 と比較して)であり、長期作用性であり、そして高度のアセチルコリンエステラ ーゼ選択性(ブチリルコリンエステラーゼと比較して)を有しているであろう。 メタンスルホニルフルオリド(MSF)はCNSに対して優れた選択性を示す アセチルコリンエステラーゼの不可逆的な長期作用性インヒビターである。この 選択性は、一部には、不可逆的な作用メカニズムによるものと思われる。不可逆 的阻害からの回復は各組織におけるアセチルコリンエステラーゼの新規合成速度 の単純な関数である。幸いなことに、脳のアセチルコリンエステラーゼは末梢組 織よりはるかに遅い速度で再合成される[11、12]。それ故、メタンスルホニルフ ルオリドは齧歯類やサルの脳アセチルコリンエステラーゼ阻害が80〜90%まで蓄 積するように使用することができ、長期間に亘る比較的少ない投与量の医薬品を 使用することにより末梢酵素阻害は最低限となり且つ毒性がない[11、12]。 メタンスルホニルフルオリドはまた、ブチリルコリンエステラーゼと比較して アセチルコリンエステラーゼのインヒビターとして高い選択性も有しており、そ してこの特性に関して、この高度の選択性を示さないタクリン、メトリホネート 及びフィゾスチグミンよりはるかに良好である[13]。これはまた、メタンスルホ ニルフルオリドが末梢毒性を回避する1つのメカニズムでもある。それ故、要約 すると、メタンスルホニルフルオリドは毒性の無い脳で80〜90%までの阻害を生 じさせ得る長期作用性のアセチルコリンエステラーゼ選択性インヒビターである 。 上記で考察した研究にも拘わらず、この技術分野には、潜在的な治療用医薬品 がヒトで臨床的に有効であるかどうかを決定する際に重大な問題がある。例えば 、シュバルツ(Schwarz)等はアルツハイマー病の治療にコリンエステラーゼイ ンヒビターを使用することを検討し、そして特にメタンスルホニルフルオリドを 含む不可逆的インヒビターは余りにも危険且つ毒性であるので医者には可逆的医 薬品の方が気楽であると結論した。アデム(Adem)(1993年)は「次世代コリン エステラーゼインヒビター」を総説したが、スルホニルフルオリドの考察を省略 する一方で非コリンエステラーゼ阻害効果に焦点を当てた。 先行技術ではアルツハイマー病患者を治療する有効で改善された方法が欠如し ており不十分である。本発明は当該技術分野におけるこのような長年の需要及び 願望を満たすものである。 発明の要約 不可逆的アセチルコリンエステラーゼインヒビターを用いる新規治療法は脳が 末梢組織より一層緩慢に阻害から回復する(酵素を再合成する)ことに基づいて いる。脳組織のこの特別の特性を使用して、長期間に亘って投与した少量の投与 量のメタンスルホニルフルオリドは末梢組織にコリン作動性毒作用を与えること なく脳で非常に高レベルの阻害を蓄積することができる。末梢組織は比較的迅速 にこの酵素を再合成するので、末梢組織は保護される[11、12]。それ故この方法 を使用すると、メタンスルホニルフルオリドは、末梢組織での毒作用なしに脳で 50%を超える阻害、即ち最低限の治療ウインドウを生じさせることができると期 待された[7、14、15]。最低限50%の阻害はまた、毒性なしにメタンスルホニル フルオリドで誘導される強力な動物の記憶力増強に相当する[16、17、18]。 本発明の1つの実施態様では、スルホニルフルオリドと製薬的に許容可能な担 体を含んでいる製薬組成物を含む組成物が提供される。 本発明のもう1つの実施態様では、アルツハイマー病の治療を必要としている 患者に治療的に有効な投与量のスルホニルフルオリドを投与する段階を含んでい る上記患者のアルツハイマー病の治療方法が提供される。 本発明の尚もう1つの実施態様では、認識能力を高める治療を必要としている 患者に治療的に有効な投与量のスルホニルフルオリドを投与する段階を含んでい る上記患者の認識能力を高める方法が提供される。 本発明の他のそして更なる局面、特徴及び利点は開示の目的で示した本発明の 現在の好ましい実施態様に関する以下の説明から明らかであろう。 図面の簡単な説明 本発明の上記の特徴、利点及び目的、並びに明らかになるその他のものが達成 されている対象を詳細に理解し得るように、添付した図面に示されている本発明 の或る実施態様を参照して、上記で簡単に要約した本発明を更に詳細に説明する 。これらの図面は本明細書の一部を形成する。しかし乍ら、添付した図面は本発 明の好ましい実施態様を説明するものであり、そしてそれ故これらの範囲への限 定を考慮したものでないことに注意すべきである。 図1は赤血球アセチルコリンエステラーゼに対するメタンスルホニルフルオリ ド(mg/kg)の効果を示す。 図2は定常状態での酵素の合成と損失を示す。 図3は擬似一次動態モデルを図示したものである。 図4は図3の擬似一次動力学を示すために使用した等式を示す。 図5は血漿ブチリルコリンエステラーゼに対するメタンスルホニルフルオリド の効果を示す。 図6は赤血球アセチルコリンエステラーゼの回復を示す。 図7は累積的な赤血球アセチルコリンエステラーゼ阻害を示す。 図8は16週プロトコール中のADAS-COGにおける成果を示す。プラセボ での成果は破線で示し、一方メタンスルホニルフルオリドでの成果は実線で示す 。 図9は、プラセボ対照か又はメタンスルホニルフルオリドの後8週間後のAD AS-COG試験におけるエラーの減少を示す。 図10は、プラセボ対照か又はメタンスルホニルフルオリドの後8週間後のミニ メンタルステート試験(Mini Mental State Exam)における得点の変化を示す。 発明の詳細な説明 本発明は、スルホニルフルオリドと製薬的に許容可能な担体を含んでいる製薬 組成物に向けられている。スルホニルフルオリドの代表的な例にはメタンスルホ ニルフルオリド、フェニルメタンスルホニルフルオリド、3-アミノ-4-メチル ベンゼンスルホニルフルオリド、4-メトキシメタニリルフルオリド及びエタン スルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルフルオリド、パラトルエンスルホニ ルフルオリド、3-アミノ-4-エトキシベンゼンスルホニルフルオリド、3-アミ ノ-4-クロロベンゼンスルホニルフルオリド並びにイソプロピルスルホニルフル オリドが含まれる。 好ましくは、上記スルホニルフルオリド、例えばメタンスルホニルフルオリド は約20mg/mlから約100mg/mlまでの量で上記組成物中に含有される。このメタ ンスルホニルフルオリド濃度によってカプセル中に含有され得る容量が決まり、 そしてこの濃度はメタンスルホニルフルオリドの油中溶解度の限度内である。 同様に、製薬的に許容可能な担体は好ましくは、ピーナツ油、ゴマ油、ヒマワ リ種子油、小麦胚芽油又は合成油からなるUSP/NF承認植物油からなる群か ら選択される。油を使用する理由は水溶液中で分解すると思われるMSFの化学 的安定性のためである。ラット及びサルにおける実験で、メタンスルホニルフル オリドは類似の無菌油媒体中で筋肉内に注射した場合、薬理学的に活性であるこ とが示されている。投与経路は経口以外であることができる。 他の治療用化合物は任意に、メタンスルホニルフルオリドと同時にか又はそう でない場合、メタンスルホニルフルオリドの治療効果を高めるように、調整した 医薬品投与方式で投与することができる。このような化合物は作用が短いので、 1日当たり2又は3回投与しなければならない。このような化合物はあまり頻繁 に投与しないことが薬力学的により良好であると思われる。代表的な化合物には 次のものが含まれる: (1)RS86(2-エチル-8-メチル-2,8-ジアゾスピロ-4,5-デカン-1,3 -ジオン-ヒドロブロミド):長期作用性で且つ特異的なムスカリンアゴニスト。こ の化合物(及び他のムスカリンアゴニスト)は、ムスカリン様アセチルコリンレ セプターを直接刺激することによってアルツハイマー病におけるコリン作動性活 性を高めることが期待され、そして治療剤として提案されている(Davidson,M. 、Hollander,E.、Zemishlany,Z.、Cohen,L.J.、Mohs,R.C.及びDavis,K.L. 。アルツハイマー病患者におけるコリン作動性アゴニスト。Current Research i n Alzheimer Therapy、E.Giacobini及びR.Becker(編集)、ニューヨーク州、 Taylor and Francis、1988年、333〜336頁中)。RS86をメタンスルホニルフル オリドと一緒に使用する場合、MSFで提案されたものと同じ油中に約5mg/ml から約25mg/mlまでの量で上記組成物中に入れられるであろう。実際の投与量は 、経口的に1日当たり3回約0.5mgから1.5mgまで(患者1人の投与量)であろう (Davidson等、1988年)。 (2)4AP(4-アミノピリジン):カリウムチャンネルブロッカー。この化合 物(及び他のカリウムチャンネルブロッカー)はアセチルコリン放出を高めそし てアセチルコリンの合成を増加させることが期待され、そしてアルツハイマー病 の治療剤として提案されている(Wiseman,E.J.及びJarvik,L.F.、カリウムチャ ンネルブロッカー:これらはアルツハイマー病で有効に作用し得るだろ うか? Alzheimer's Disease and Associated Disorders5:25〜30、1991年;Was er,P.G.、Berger,S.、Haas,H.L.及びHofman,A.、中枢コリン作動剤としての 4-アミノプリジン(4-AP)-誘導体。Current Research in Alzheimer Therapy 、E.Giacobini及びR.Becker(編集)、ニューヨーク州、Taylor and Francis 、1988年、337〜342頁中)。4APを使用する場合、これは上記組成物中に、M SFで提案されたものと同じ油中に約25mg/mlから約100mg/mlまでの量で入れ られよう。実際の投与量は、経口的に1日当たり2回約2.5mgから約10mgまで( 患者1人の投与量)であろう(Wiseman及びJarvik、1991年)。 (3)レシチン(活性成分として少なくとも12%のホスファチジルコリンを含 有する複雑な混合物)。ホスファチジルコリンは経口的に容易に吸収され、そし てコリンに分解されてアセチルコリン合成用プリカーサーを提供し、そしてアル ツハイマー病でコリン作動性機能を刺激すると、膜のコリン減少が妨げられる(W urtman等、コリンエステラーゼインヒビターは脳の遊離コリン要求を高める。Cu rrent Research in Alzheimer Therapy、E.Giacobini及びR.Becker(編集)、 ニューヨーク州、Taylor and Francis、1988年、95〜100頁中)。レシチンはまた 、アルツハイマー病における認識欠損の治療でコリンエステラーゼインヒビター (この場合にはタクリン)の効果を高めるために組み合わせて実際に使用されて いる(Gauthier等、アルツハイマー病におけるテトラヒドロアミノアクリジンと レシチン。Current Research in Alzheimer Therapy、E.Giacobini及びR.Beck er(編集)、ニューヨーク州、Taylor and Francis、1988年、237〜245頁中)。 約12%のホスファチジルコリンを含有するレシチンは各々約1〜2グラムのカプ セル中に入れられ、そして1日当たり約5〜10グラムの1日総投与量で投与され よう。 本発明はまた、アルツハイマー病の治療を必要としている患者のアルツハイマ ー病を治療する方法にも向けられており、この方法は治療的に有効な投与量のメ タンスルホニルフルオリドを上記患者に投与する段階を含んでいる。好ましくは 、メタンスルホニルフルオリドの投与量は約0.15mg/kgから約0.5mg/kgまでで ある。メタンスルホニルフルオリドは一般に、上記したような製薬的に許容可能 な賦形 剤中で投与されよう。この方法のもう1つの実施態様では、医者はメタンスルホ ニルフルオリドの治療効果を治療的に有効な投与量の化合物と、例えば上記で示 した投与量のRS86、4AP及びレシチンと組み合わせることが望ましいことを 見い出すであろう。 或る医薬品が或る患者のアルツハイマー病治療で治療的に有効であるかどうか を決定するためには、この技術分野の熟練者に知られている種々の試験がある。 このような試験の代表的な例にはアルツハイマー病評価検査法(ADAS)、ミニ ・メンタル ステート試験(MMSE)、臨床面接に基づく印象変化(CIBIC )及び全体的悪化検査法が含まれる。 本発明は更に、認識能力を高める治療を必要としている患者の認識能力を高め る方法にも向けられており、この方法はこのような患者に治療的に有効な投与量 のメタンスルホニルフルオリドを投与する段階を含んでいる。好ましくはメタン スルホニルフルオリドの投与量は約0.15mg/kg(受容者体重)から約0.5mg/kg までである。メタンスルホニルフルオリドは一般に、上記したような製薬的に許 容可能な賦形剤中で投与されよう。一般に、認識機能を高めるこの方法はパーキ ンソン病、グアムのパーキンソン痴呆コンプレックス、ボクサー痴呆及び中枢神 経系のアセチルコリン不足を特徴とする他の疾病又は疾患のような神経学的疾病 を有する患者に有用であろう。メタンスルホニルフルオリドは、疾病ではなくて 加齢に伴う正常な記憶損失である「年齢に関連した正常な記憶減退」の有効な治 療法であろう。以下に記載したように、或る医薬品がヒトの認識能力を高めるか どうかを決定するためには、当該技術分野の熟練者に知られている種々の試験が ある。このような試験の代表的な例にはADAS、MMSE、CIBIC及び全 体的悪化が含まれる。 下記実験Iは:1)メタンスルホニルフルオリドが経口投与後に生物学的に活 性であること;2)メタンスルホニルフルオリドが、SDATの治療で治療的価 値を有する投与量でヒトに毒性でないこと;及び3)必要な治療投与量を概算す る投与量/応答データを証明するために1人の者に対して実施したパイロット実 験であった。実験IIは、より大きい被験者群で、実験Iで観察された投与量/応 答データ及び毒性の無いことを確認するために10人の正常なボランティア群に対 して実施した。実験IIIは痴呆を患っている15人の患者における治療剤としての メタンスルホニルフルオリドの最初の試験であった。実験IIIの目的は有効性に 関する予備的評価を得ることであった。これらの実験はスルホニルフルオリドが アルツハイマー病の治療で顕著な有用性を有する新規な治療剤であることを証明 している。本発明は、治療剤としてのメタンスルホニルフルオリドの明確な有効 性を証明することに加えて、毒性を回避するためにこれらの治療剤をどのように 使用するのかも示している。 以下の実施例は、本発明の種々の実施態様を説明する目的で示したものであっ て、如何なる態様でも本発明を限定するものではない。 実施例1 実験I メタンスルホニルフルオリドを投与した最初の正常なボランティアは体重90kg の50歳の男性であった。インフォームドコンセントを入手しそして基線臨床血液 値は正常であった。 これらの実験で使用したメタンスルホニルフルオリドは、同一性、純度及び効 果がFDA要件に明確に適合するようにエムティーエム ケミカル カンパニィ( MTM Chemical Co.)(サウスカロライナ州ブライズウッド、現在はLancaster Synthesisの一部)によって特注で合成され、そしてこれらの特性は別個の試験 で証明された。メタンスルホニルフルオリドは、2号ゼラチンカプセル(Eli Li lly and Co.、インディアナ州インディアナポリス)中に投与量が含有され得る ようにピーナツ油(U.S.P./N.F.、Spectrum Chemical Mfg.Corp.、カリフ ォルニア州ガーデナ)中に希釈して経口用製剤とした。一般にスルホニルフルオ リドより反応性のジイソプロピルフルオロホスフェートのような有機ホスフェー トはピーナツ油中で1年以上安定である[19]。 赤血球アセチルコリンエステラーゼ(AChE)及び血漿ブチリルコリンエス テラーゼ(BChE)は、それぞれアセチル-β-メチルチオコリン及びブチリル チオコリン基質を使用し、pH7.4を除いて、エルマン(Ellman)等、Biochem. Pharmacol.7、88〜95、1961年の分光光度計測法に従ってアッセイした。以下に 記載した方法によって、指刺し傷から取り出した1滴の血液からコリンエステラ ー ゼ値を迅速に測定することができた。 実施例2 コリンエステラーゼアッセ メタンスルホニルフルオリドの効果は赤血球アセチルコリンエステラーゼ又は 血漿ブチリルコリンエステラーゼの阻害を測定することによって決定した。血液 は指刺し傷によって、マイクロ・カル(Micro-Cal)(Chase Instruments)ニュ ーヨーク州グルンスフォールズ)へパリン添加へマトクリット毛細管中に取り出 した。コリンエステラーゼ活性はpH7.4を除いてエルマン等の方法で測定した 。基質は脱イオン水中で作り(アセチル-β-メチルチオコリン及びブチリルチオ コリン;Sigma Chemical Co.、ミズーリー州セントルイス)、そしてアッセイは25 ℃で3重複物として実施した。3.0mlのアッセイ媒体は0.1Mリン酸(Na)緩衝 液(pH7.4)2.8ml、エルマン試薬(0M5,5'-ジチオ-ビス-2-ニトロ安息香 酸、Sigma Chemical Co.、ミズーリー州セントルイス)0.1ml及び無視できる量 の酵素を含有していた。0.1mlの基質を添加して反応を開始させた。吸光度の差 異(最初ゼロ)を412nmで追跡した。反応は20分間以上直線的であった。 実施例3 血漿ブチリルコリンエステラーゼ 充填した3本のへマトクリット管に栓をして1000×gで5分間遠心し、そして 血漿は、赤血球と血漿間の界面でへマトクリット管に印を付けそして切断して別 々にアッセイした。3本の各毛細管の血漿含有部分の重量を測定し、内容物を待 機キュベット中に吹き入れ、そして空の毛細管の重量を再度測定して差し引いて 3本の各キュベットに添加された血漿量を決定した。次いで、ブチリルチオコリ ン基質を使用して血漿ブチリルコリンエステラーゼをアッセイした。これらの条 件下でミハエリス定数(Km)はブチリルチオコリンに対して190.9μM(SE M11.7μM)であった。ブチリルコリンエステラーゼのVmaxは4.853(SEM=0 .135)×10-6モル/分/血漿gであった。 実施例4 赤血球アセチルコリンエステラーゼ 毛細管中に残っている詰め込まれた赤血球は残存血漿を含有しており、細胞は 凝集しておりそして酵素アッセイには不満足であったので、赤血球アセチルコリ ンエステラーゼアッセイは別の方法で実施した。それ故、赤血球アセチルコリン エステラーゼ活性は、先ず1つの毛細管に含まれている全血(赤血球と血漿)を 合計20mlの0.1M(Na)PO4緩衝液、pH7.4中に希釈して測定した。添加し た血液の量は、内容物を緩衝液中に添加する前に毛細管全体の重量を測定しそし てその後空の毛細管重量を差し引いて測定した。血液を緩衝液中で完全に混合し 、そしてその後、磁石撹拌し乍ら、血液/緩衝液混合物2.8ml及びエルマン試薬0 .1mlを6本の同一の管の各々に添加した。 アセチル-β-メチルチオコリンに対する赤血球アセチルコリンエステラーゼと 血漿ブチリルコリンエステラーゼを組み合わせた総酵素活性は、上記の毛細管の うちの3本に基質溶液0.1mlを添加して5分間測定した。5分終了時に、他の3 本の毛細管に基質を添加した。撹拌棒を素早く取り出し、そして6本の毛細管は 全て1000×gで5分間遠心して赤血球を除去した。上清液を3対の対合キュベッ トに入れて吸光度の差異を記録し、そしてキュベットを素早く25℃のホルダーに 再度入れて更に5分間撹拌した。 上清液の最初の分光光度測定法読取り時の、3対の上清液試料間の唯一の差異 は各対の一方が他方より5分間長く基質を有していたということであった。それ 故、各対のキュベットの吸光度間の差異は全血の酵素活性(赤血球アセチルコリ ンエステラーゼと血漿ブチリルコリンエステラーゼの両方)の5分間の測定であ った。 全血の効果を測定するために、キュベットの吸光度を最初に記録してから正確 に5分後に、吸光度を再度記録した。各キュベットで最初に記録された吸光度と その5分後に記録された2番目の吸光度間の差異から全血に含まれる血漿ブチリ ルコリンエステラーゼの活性を測定した。アセチル-β-メチルチオコリンは血漿 ブチリルコリンエステラーゼの良好な基質ではないが、その活性を補正すること が赤血球アセチルコリンエステラーゼ活性を最良に評価するために重要であった 。それ故、赤血球アセチルコリンエステラーゼの活性(これは赤血球を遠心除去 したとき除去されていた)は全血の活性から血漿ブチリルコリンエステラーゼの 活性を差し引いて算出した。赤血球アセチルコリンエステラーゼ活性は最終的に は 各患者のヘマトクリットから概算した赤血球のグラム及びアッセイの始めに各試 料に添加した全血の重量に対して表された(全血重量に対するパーセント)。平 均して、このアッセイは約13〜15mgの全血、即ち1個の微小毛細管の容量で実施 することができよう。 このアッセイは20分間以上直線的であった。赤血球アセチルコリンエステラー ゼアッセイ方法には1試料当たり僅か約15分しか必要でなくそして信頼できる結 果が得られた。この方法によって緩衝液中で赤血球を洗浄しそしてアッセイ用に これらの赤血球を再懸濁したものと同等な結果が得られることが実験で示された 。この毛細管方法ははるかにより速いという利点を有しておりそして静脈穿刺を 必要としない非常に少量の試料から信頼できる結果が得られた。 これらの条件下での赤血球アセチルコリンエステラーゼ活性のミハエリス定数 (Km)はアセチル-β-メチルチオコリンに対して102.5μM(SEM29.6μM )でありそしてVmaxは9.2552(SEM=0.6386)×10-6モル/g/分であった。 ブチリルチオコリンを用いた血漿ブチリルコリンエステラーゼのミハエリス定 数(Km)は190.9μM(SEM11.7μM)であった。ブチリルコリンエステラ ーゼのVmaxは4.853(SEM=0.135)×10-6モル/血漿g/分であった。アセチ ル-β-メチルチオコリンを用いた赤血球アセチルコリンエステラーゼのKmは102. 5μMであった。アセチルコリンエステラーゼのVmaxは9.2552(SEM=0.6386 )×10-6モル/赤血球グラム/分であった。 基線赤血球アセチルコリンエステラーゼ及び血漿ブチリルコリンエステラーゼ 値は数日間に亘って試験を繰り返して確立された。その後被験者は、連続2週間 に亘って月曜日、水曜日及び金曜日に1回の投与量スケジュールで0.016、0.032 、0.064、0.1、0.15及び0.22mg/kgのメタンスルホニルフルオリドをこの順序で 摂取した。血液コリンエステラーゼ値は各投与量から4時間後にアッセイしそし てその次の投与量の前に再度アッセイした。血液試料は臨床評価のために毎週1 回採取した。 赤血球アセチルコリンエステラーゼ及び血漿ブチリルコリンエステラーゼの結 果はそれぞれ図1及び2に示す。赤血球アセチルコリンエステラーゼの回復は最 後の投与量後80日間続き、そしてこれらの結果は図3及び図4に示す。被験者は コリン作動性の影響(例えば、下痢、嘔吐、悪心等)を経験せず、そして臨床血 液分析ではどのようなタイプの変化も存在しなかった。 図1は、メタンスルホニルフルオリドが経口投与で活性であり、そしてこの医 薬品の効果は赤血球アセチルコリンエステラーゼ阻害で効果的にモニタリングで きることを示している。得られたデータは非常に限定されている(各投与量で1 回の観察)が、図1のデータ分析でメタンスルホニルフルオリドによって規則正 しい投与量一応答曲線が得られたことが示されている。これらのデータから概算 される最小治療投与量は0.11mg/kgである。 最小治療投与量、即ち、各投与量を投与する時点で活性が残存している酵素の 18%の阻害をもたらす投与量の計算方法は以下に記載したようにして計算した。 治療投与量と効果の評価の計算では、不可逆的インヒビターとしてのメタンスル ホニルフルオリドの治療投与量の概算は2つの仮定に基づいていた。1つの仮定 は、メタンスルホニルフルオリドの各投与量が、この投与量を投与する時点で活 性が残存している酵素を一定のパーセントで阻害するということである。これは 、メタンスルホニルフルオリドの各投与量の効果が、活性酵素値がその前の投与 量から低下するにつれて小さくなることを意味している。2つ目の仮定は、赤血 球アセチルコリンエステラーゼを使用して脳で生じる阻害パーセントを概算でき るということである。 阻害に関する動態理論及び得られた規則的な投与量−応答データは、メタンス ルホニルフルオリドの効果が、各投与量を投与する時点で活性酵素の阻害パーセ ントに基づいて予測できるという主張を支持している。動物データは、各投与量 でもたらされる阻害の増加は脳及び赤血球アセチルコリンエステラーゼで概ね同 等な効果を有しているという2つ目の仮定を支持している。 概算治療投与量(即ち、50%を超える阻害漸近値が得られる投与量)は擬似一 次動態モデルを使用して計算することができる。擬似一次モデルは、医薬品無し 条件下で「正常な」酵素値を維持している定常状態の分析から椎定することかで きる。詳細には、組織で新しい酵素が合成される速度は正常な酵素損失速度と同 等であるにちかいない。自然的酵素損失速度は存在する活性酵素の量に基づいて おり、そして擬似一次モデルは定義によって、存在する酵素活性の50%がハーフ タイムで喪失すると仮定している。酵素損失とは対照的に、酵素合成速度は一定 の容量を有する過程であり、そして新規合成速度は一定である。酵素損失速度が 酵素合成と等しくなるように、酵素合成速度によって組織に蓄積するのに十分な 酵素が生じるとき、この系は定常状態に達するであろう。インビボ酵素の値は一 定の合成速度と酵素損失速度間の平衡の関数である。勿論、定常状態平衡では、 合成速度は損失に等しいであろう(合成のハーフタイムは損失のハーフタイムに 等しい)。この系は図2に示されている。 表I定常状態動力学 (インヒビター無し)、この例では、正常=1000単位(u)と仮定する:自然損失 新規合成 存在する量 阻害 開始時 1000u 0% 1t1/2 存在酵素の−50% (−500u) +500u 1000u 0% 2t1/2 存在酵素の−50% (−500u) +500u 1000u 0% 3t1/2 存在酵素の−50% (−500u) +500u 1000u 0% 4t1/2 存在酵素の−50% (−500u) +500u 1000u 0% 定常状態の自然酵素損失と自然新規合成は正常な酵素値を維持する。 表Iは正常な(医薬品無し)条件下での数値の例を示す。100%阻害を生じさ せる医薬品投与量後の酵素による置換の擬似一次動力学は表IIの数値の例で示す 。 表II定常状態動力学(医薬品が100%阻害を生じさせる) この例では、正常=1000単位(u)と仮定する自然損失 * 新規合成** 阻害 開始時 1000u 0% 医薬品投与は100%阻害を生じさせる 0u 100% 1t1/2 存在酵素の−50% (−0u) +500u 500u 50% 2t1/2 存在酵素の−50% (−250u) +500u 750u 25% 3t1/2 存在酵素の−50% (−375u) +500u 875u 12.5% 4t1/2 存在酵素の−50% (−437u) +500u 937u 6.25% * 存在する酵素の50%の自然損失 **新規合成は一定容量であり、医薬品又は存在する酵素量で影響されない。 表IIから、医薬品で更に治療しないと酵素回復は100%活性の漸近値に近づく ことが分かる。各ハーフタイム(t1/2)後に残存している阻害パーセントは酵 素損失と釣り合った一定の合成速度を参照しないで計算することができる。各ハ ーフタイム終了時に残存している阻害パーセントはその前のハーフタイム終了時 に残存している酵素阻害量に0.5を掛けて概算することができる。勿論、0.5(2 分の1)倍だけ阻害量を減少させるのに必要な時間量というのがハーフタイムの 定義である。それ故、一定の値を掛けるとき、長期間の変化を計算する最も簡単 な方法は阻害パーセントをLOG10[阻害パーセント]に変え、そしてこの値に LOG10[0.5]を加えることである。対数の規則によって、これは0.5を掛ける ことと同じことであり、そしてその答えは更なるハーフタイム後のLOG10[阻 害パーセント]である。それ故、対数に変換することによって、y軸の変化は各 ハーフタイムで0.5の対数になるので、時間に対するLOG10[阻害パーセント ]のプロットは直線状になる。このモデルは、log10[%INH]を時間に対し てプロットすると直線で示されるので、不可逆的なインヒビターの投与後に実際 に観察される酵素阻害からの擬似一次回復を説明している。この擬似一次モデル によって組織中のアセチルコリンエステラーゼのメタンスルホニルフルオリド誘 導性阻害からの回復が正確に予測されるであろう。 このモデルを使用して、残存する阻害パーセントのLog10を時間に対してプロ ットして得られる擬似一次モデルにおける直線を使用することによって、メタン スルホニルフルオリドのインビボ効果を予測することができる(図3)。どの直 線でも同様に、この線の傾斜はyの変化をxの変化で割ったものである(図4) 。これは[Log10 0.5/t1/2]になり、式中、t1/2は酵素の50%を再合成する ハーフタイム、即ち各組織の関数である。このモデルを使用すると、メタンスル ホニルフルオリドの各投与量は切片(阻害値、この値から再合成によって連続的 回復が生じる)を変化させ、そして切片からの直線の傾斜は活性の回復(阻害低 下)を時間の関数として表している。開始点に関係なく、擬似一次動力学がこの モデルに従って進行することに注目することも重要である。擬似一次動力学のこ のような適用では、メタンスルホニルフルオリドで誘導した阻害からの脳の回復 は、回復開始時の阻害値(即ち、各医薬品投与量後に残存している阻害値)に関 係なく、このモデルに従うであろう。残存する酵素の阻害パーセント及び問題の 組織の回復ハーフタイムが与えられると、このモデルを使用して、正規投与量の メタンスルホニルフルオリドによって得られる阻害漸近値を計算することができ る。 擬似一次モデルを用いると、2つの変数:酵素活性回復のハーフタイム及び各 医薬品投与で生じる残存活性の阻害パーセントさえ分かれば、酵素値を概算する ことができる。このモデルを使用して計算すると、残存する活性酵素の18%阻害 をもたらす1週当たり3回のメタンスルホニルフルオリドの投与量によって50% を超える阻害、即ち治療ウィンドウの漸近値が得られることが示されている。こ れらの計算は、脳アセチルコリンエステラーゼの阻害(12日の概算ハーフタイム )と赤血球アセチルコリンエステラーゼの阻害(43日の概算ハーフタイム)間の 関係を示している。 メタンスルホニルフルオリドで得られるヒト脳阻害値を予測するためにこのモ デルを使用する際に最も不確かであるのはヒト脳アセチルコリンエステラーゼの ハーフタイムである。これはラットとサルでの実験から10日から14日の間である と概算することができるが、ヒトで皮質生検を繰り返さないで決定することはで きない。それ故、12日という概算は、これが不確かな概算であるということを認 識して使用する。ヒト脳アセチルコリンエステラーゼの誤りの多い概算の結果を 評価するために、10、12、14、16及び18日の概算ハーフタイムを使用して計算を 行った。加えて、1週当たり3回投与される各投与量による12%、14%、16%及 び18%の阻害を含む種々の投与量のメタンスルホニルフルオリドの効果をこれら の計算に含めた。 いずれの直線関数においても、直線の傾斜はY(LOG10[阻害パーセント] )の変化をX(ハーフタイム)の変化で割ったものである。この適用では、定義 によって、阻害は各ハーフタイムで半分(0.5)だけ減少している。それ故、こ の線の傾斜は0.5の対数(−0.301)をハーフタイムで割ったものである。 表III投与量と酵素再合成ハーフタイムの関数としての脳アセチルコリンエステラーゼ の漸近阻害概算値 ハーフタイム(日) 各投与量で生じる阻害 漸近阻害パーセント** 10 12% 42〜48% 14% 46〜53% 16% 49〜57% 18% 52〜60% 12 14% 50〜57% 16% 54〜60% 18% 57〜64% 14 12% 51〜56% 14% 54〜61% 16% 57〜64% 18% 62〜68% 16 14% 58〜63% 16% 62〜67% 18% 64〜71% 18 12% 57〜62% 14% 61〜66% 16% 63〜70% 18% 67〜73% *1週当たり3回投与される経口投与に基づいて、阻害パーセントは各投与量 時点で活性の酵素量に基づいている。漸近阻害値は上記で示した擬似一次モデル から計算した。**示された範囲は概算した高及び低酵素活性値であり、そしてこ れらの値には表の各見出しで示したハーフタイムに従う新規合成による回復が 含まれている。治療投与量は一般に、最低限50%の阻害であると概算される。 表IIIは、脳アセチルコリンエステラーゼのハーフタイムが10日のように短い 場合、少なくとも50%の漸近阻害値を得るためには16%又は18%の阻害を生じさ せるメタンスルホニルフルオリドの投与量で十分であることを示している。しか しながら、脳アセチルコリンエステラーゼのハーフタイムが12日である場合、14 %、16%又は18%の阻害を生じさせる1週当たり3回のメタンスルホニルフルオ リドの投与量で50%より高い漸近阻害値が得られるであろう。ヒト脳アセチルコ リンエステラーゼのハーフタイムが18日のように長い場合、12%のように低い阻 害しか生じさせない1週当たり3回投与される投与量で50%より高い漸近阻害値 が得られそして18%の阻害を生じさせる投与量では約70%の漸近値が得られるで あろう。 表IIIに示した計算結果を使用して、12日の概算ハーフタイムを所与のものと して、各時点で残存する活性酵素の少なくとも18%の阻害を生じさせるメタンス ルホニルフルオリドの投与量を1週当たり3回の投与に基づいて使用することが 合理的であるように思われる。これによって10日から18日までの任意の脳ハーフ タイムでも50%より高い阻害の治療ウィンドウが得られよう。ヒト脳ハーフタイ ムが不確かであることによる結果は、困難ではあるが、克服不可能ではない。 実施例5 投与スケジュール 1週当たり3回の投与スケジュールはこの治療法の重要な部分である。メタン スルホニルフルオリドは脂質に高度に可溶性であり、そして一度脳の膜に溶解さ れると、インビトロで膜の水性環境から取り出した後であってもアセチルコリン エステラーゼに対して持続して反応する。メタンスルホニルフルオリドの脂質溶 解性は多分、これが末梢組織より脳ではるかに高い阻害をもたらす理由である。 それ故、メタンスルホニルフルオリドのような不可逆的インヒビターを用いる治 療法は脳脂質中に選択的に取り込まれる少量の投与量を時折投与することである 。末梢血中のメタンスルホニルフルオリド濃度は数時間以内に低下し、そしてメ タンスルホニルフルオリドは末梢組織中で持続して阻害するか又は肝臓で解毒さ れる代謝負荷物となる程十分な濃度では血液中には存在しない。それ故、メタン ス ルホニルフルオリドの効果は、再合成のハーフライフが長くそして初期の阻害値 がより高いため、脳に蓄積する。これらの利点はメタンスルホニルフルオリドの 頻繁又は連続投与で本質的に失われるであろう。1週当たり3回投与する投与量 によって、投与量間が長すぎるため再合成が生じすぎることと低頻度の投与の薬 物動態学的利点が失われることとの間にバランスが見い出される。 図5は、これらの投与量では血漿ブチリルコリンエステラーゼを事実上阻害し なかったので、メタンスルホニルフルオリドの効果が赤血球アセチルコリンエス テラーゼに対して強く選択的であることを示している。これらの結果は、最近ヒ ト脳酵素試験においても示されたアセチルコリンエステラーゼインヒビターの選 択性に類似する選択性を確認している。 図6は、血中の赤血球アセチルコリンエステラーゼ活性の回復が擬似一次動力 学(即ち、LOG10[阻害%]のプロットは時間に関して直線状であり、最小2 乗線形回帰の計算でr=-0.9254である)に従うことを示している。図6は赤血 球回復のハーフライフが、赤血球のハーフライフに関する他の報告と一致してい る日数であり、そして脳における治療効果と関係付けるために必要な赤血球アセ チルコリンエステラーゼの漸近値を概算するために上記の実験で使用した日数の 43日であったことを示している。 メタンスルホニルフルオリドの治療効果を評価するために赤血球アセチルコリ ンエステラーゼを使用することの有効性に関連した赤血球動力学について以下の 情報を更に提供する。赤血球アセチルコリンエステラーゼを使用したメタンスル ホニルフルオリドの効果の評価は大部分赤血球動力学に依存している。メタンス ルホニルフルオリド又は赤血球アセチルコリンエステラーゼの他の不可逆的イン ヒビターが赤血球生成又は赤血球生存に影響を与える場合、重大な結果が生じよ う。先ず第一に、赤血球生成に影響を与える医薬品は正常な赤血球機能の妨害に 関連した重大な生理学的結果を有することがあろう。しかしながら、更に、阻害 値の概算はひどく影響を受けるであろう。このタイプの誤謬は、阻害値に関して 重大な判断の誤りを惹起しそしてこれによって治療が過剰になる場合、毒性結果 をもたらすことになろう。 アセチルコリンエステラーゼの慢性阻害による赤血球生成の安定性はヒトで試 験されている。初期及び成熟赤血球系におけるアセチルコリンエステラーゼの機 能は知られていないが、アセチルコリンエステラーゼが分化で役割を有している ことが示唆されている。しかしながら、18人のSDAT患者において82%までの 赤血球アセチルコリンエステラーゼを7カ月間まで慢性的に阻害しても、赤血球 、白血球又は血小板の特徴又は数に変化はなかった。これは、アセチルコリンエ ステラーゼの慢性的阻害が赤血球生成に対して悪影響を有していないことを示唆 している。本発明の治療法では、メタンスルホニルフルオリドで8週間まで治療 し赤血球アセチルコリンエステラーゼが85〜90%阻害されている患者のヘマトク リットに変化はなかった。 2番目の問題は、赤血球アセチルコリンエステラーゼの阻害が血液中に存在す る成熟赤血球の生存に影響を与えるか否かである。成熟赤血球中のアセチルコリ ンエステラーゼの役割は知られていない。しかしながら、これは赤血球表面に位 置しており、そして赤血球アセチルコリンエステラーゼを置換する速度限定過程 は新しい赤血球産生である。寿命が誤ってより短く概算される赤血球標識方法が あるが、正常な条件下では赤血球は83〜120日の全寿命期間を有している。赤血 球はヒトで1日当たり0.8〜1.2パーセントの一定速度で置換されると提案されて いるが、アセチルコリンエステラーゼの慢性阻害が存在する定常状態条件下では 、新しい赤血球の産生による新しい赤血球アセチルコリンエステラーゼの出現は 擬似一次動力学に従うであろう。このことは、メタンスルホニルフルオリド治療 中止後80日間の赤血球アセチルコリンエステラーゼの回復を示している図6に示 された時間に対するLOG10[%INH]の厳密に直線状のプロットによって示 されている。これらのデータから計算した43日の赤血球のハーフライフ(86日の 全寿命に相当する)は83〜120日の赤血球の全寿命という他の概算と良好に一致 する。更に、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP)を投与したヒトを DFP中止後十分な時間試験した場合、赤血球アセチルコリンエステラーゼはD FPを投与した全てのヒトで正常に戻り、そしてこれらのヒトはこの医薬品の追 加的投与に対する耐性又は感受性の徴候を示さなかった。血中コリンエステラー ゼ(赤血球アセチルコリンエステラーゼと血漿ブチリルコリンエステラーゼの両 方)の個々の差異は年齢、性別、体重、月経周期、食事、運動又は中程度の絶食 に関係 付けることはできない。最後に、赤血球アセチルコリンエステラーゼを阻害して も赤血球の生存に影響を与えないという明確な証拠がある。 要約すると、赤血球アセチルコリンエステラーゼのモニタリングはメタンスル ホニルフルオリド治療法の累積効果をモニタリングする方法であるように思われ る。しかしながら、赤血球アセチルコリンエステラーゼ阻害の蓄積とCNSアセ チルコリンエステラーゼ阻害の蓄積間に直接的な関係はないことに注目すること が重要である。CNS阻害は赤血球阻害から各組織中の酵素のハーフライフの概 算された差異と治療歴(投与量の大きさと時間間隔)の知識に基づいて計算して 概算しなければならない。 実施例6 実験II 実験IIは10人の正常被験者群におけるメタンスルホニルフルオリドの第I相試 験であった。これらの被験者は、セントロ メディコ ゲリアトリコ(Centro Med ico Geriatrico)で週に1度診察された13人の正常な健常者の教育群から選ばれ た。1人は参加を辞退しそして12人はプロトコールを開始した。2人はこの医薬 品に関係のない原因(出張)で群から外れた。10人がこのプロトコールを完了し た。この群は、平均年齢45.8歳(SD6.7歳、範囲38〜60歳)、平均体重75.45Kg (SD9.8Kg、範囲63.5〜98Kg)の7人の女性と3人の男性からなっていた 。これらの被験者は全て他の医薬品の投与を受けておらず、正常な臨床血液プロ フィール及びEKGを有しており、そしてインフォームドコンセントが得られた 。 基線の赤血球アセチルコリンエステラーゼ値は、医薬品投与前の全被験者に対 して上記の方法を使用して3重複アッセイで確立された。アッセイは全て、1.0 mMのアセチル-β-メチルチオコリン基質を用いて、概ね10回のKmを実施した 。この基質濃度で約91%のVmaxが得られ、そして基質の阻害はなかった。概算さ れたVmaxの変化はメタンスルホニルフルオリドのような不可逆的インヒビターの 効果の最善の尺度である。 メタンスルホニルフルオリドは1週当たり3回の投与量のスケジュールで0.03 、0.06、0.12、0.18、0.18及び0.18mg/kgの投与量をこの順序で投与した。メタ ン スルホニルフルオリドの作用が長期間持続するため、患者の治療でも1週当たり 3回の投与量を使用した。これらの投与量は、予想される治療投与量未満で開始 しそしてその後150%に増加させるように選択した。 赤血球アセチルコリンエステラーゼの蓄積された阻害は、上記方法に従う各投 与量前に指刺し傷によって採取した血液試料で評価した。血漿ブチリルコリンエ ステラーゼは上記実験で阻害を示さなかったので、これらのアッセイはプロトコ ールから削除した。面接は週に3回、即ち次回投与及び赤血球アセチルコリンエ ステラーゼアッセイ時に実施し、副作用は全て記録した。 この群で観察された蓄積された赤血球アセチルコリンエステラーゼ阻害の平均 値は図7に示す。最小2乗線形回帰(r=+0.8956)によるこれらの結果の投与 量−応答分析で次の投与量/応答関数が得られる: %INH=(39.9944)(LOG10[投与量mg/kg])+51.718 この関数を使用すると、各投与時点で活性が残存しているアセチルコリンエステ ラーゼを18%阻害するのに必要な投与量は0.143mg/kgである。 直線的な投与量/応答関数を示している図7によって、規則正しく且つ一定の 投与量/応答関係が存在することが確認される。メタンスルホニルフルオリドは 経口投与後に一貫して吸収されるので、結果は一貫しておりそして予測可能であ る。使用した投与量は全て良好に寛容された。 上記した方法及び図7のデータに基づいて、治療投与量(1週当たり3回の医 薬品投与で残存酵素の18%を阻害する投与量)を正確に概算すると0.14mg/kgで あり、そしてこれは実験Iの僅か1例から概算したものより僅かに高いだけであ る。かくして、実験I及びIIの結果に基づくと、メタンスルホニルフルオリドは 痴呆の治療法で治療効果を生じさせると期待される投与量範囲で安全である。使 用すべき最小治療投与量は0.14mg/kgであると決定され、投与量を0.18mg/kgま で任意に増加させても許容できない毒性の危険性はない。 実施例7 実験III 次の実験によってSDATを患っている患者におけるメタンスルホニルフルオ リドの安全性と有効性が証明された。加入規準には、記憶に加えて2つの領域で 認識が低下しているが、痴呆症候群を病態生理学的に説明し得る臨床履歴又は支 持する検査(EEG、VDRL、HIV、内分泌学、肝臓若しくは腎臓不全又は B12欠乏)で証明できる特定の病因学的要因のない患者を含めた。更なる選択は 、(1)ライスバーグ(Reisberg)の全体的痴呆検査法(GDS)で3〜5のス コア;(2)フォルシュタイン(Folstein)のミニ メンタル ステート試験(M MSE)で12〜26のスコア;(3)老年うつ病検査法(GDS)で11未満のスコ ア;(4)5未満のハチンスキィ(Hachinski)スコア;及び180/100より高くな い動脈血圧、のスペイン語訳に基づいていた。 除外規準には、(1)痴呆症候群に先行するDSM IVで特定される精神医 学的疾患歴;(2)関連のある神経学的又は臨床的疾患(例えば、開始時の錐体外 路疾患);(3)以前の大脳血管疾患歴;(4)180/100より高い高血圧;(5)ア ルコール又は耽溺医薬品の以前の乱用;(6)GDS:1〜2及び6〜7;(7) MMSE>26及び<12;(8)老年うつ病検査法スコア>11;(9)ハチンスキィ >5;(10)肝臓病理学;(11)SDAT治療用の別の実験医薬品のプロトコー ルの患者、が含まれていた。インフォームドコンセントが得られたので、全ての 臨床履歴を入手しそして評価した。 包括解析試験に21人の患者を登録した。これらの患者のうち15人がプロトコー ルを終了した。医薬品に関連した有害事象のためにプロトコールを離れた患者は いなかった。プロトコールを離れた6人の患者のうち3人は交通問題のためにプ ロトコールを完了することができず、1人の患者は米国に移住するためにチワワ 州を離れ、1人の患者は、プラセボ及びメタンスルホニルフルオリド治療中に、 登録前に大腸炎を患っていてプロトコールからの離脱を選択し、そして1人の患 者からは承諾が得られなかった。 プロトコールを完了した15人の患者は次の実際の特徴:(1)平均年齢69.73歳 (SD=7.4、範囲60〜82歳);(2)平均ミニ・メンタル ステート 16.67点(SD =4.5、範囲9〜24);(3)平均全体的悪化スコア4.4(SD=0.83、範囲3〜6) ;(4)平均アルツハイマー病評価検査法(認識)スコア30.38のエラー(SD= 14.3、範囲9〜62)を有する5人の男性及び10人の女性であった。 実施例8 臨床評価 メタンスルホニルフルオリドの有効性評価に使用した主要な結果の評価基準は アルツハイマー病評価検査法−認識検査法(ADAS-COG)、ミニ・メンタル ステート試験(MMSE)、全体的悪化検査法及び臨床面接に基づく所見変化(C IBIC)の変化であった。患者はプロトコール加入時、最初の8週間の治療( メタンスルホニルフルオリド又はプラセボ)後及び16週のプロトコール終了時( プラセボ又はメタンスルホニルフルオリドから更に8週間後)に評価した。患者 、家族及び臨床評価を行う治験医はプロトコール全体の治療に関して知らされて いなかった。患者は全て定期的な臨床血液試験に付し、プロトコール全体に亘っ てそしてプロトコール終了時に毒性を測定した。 実施例9 メタンスルホニルフルオリドの投与及び治療スケジュール 上記の結果は、1週当たり3回のスケジュールで投与したとき、0.14mg/kgが 治療効果(脳におけるアセチルコリンエステラーゼの最低限50%の漸近阻害)を 生じさせるのに必要な最小投与量であることを示していた。患者は0.03、0.07mg /kgの試験投与量順で開始し、そしてその後プロトコールの8週間の治療のうち 最初の4週間は0.14mg/kgを1週当たり3回投与した。このプロトコールの最初 の7人の患者には8週間の治療のうちの後半の4週間中も0.14mg/kgを投与した 。最初の7人の患者の0.14mg/kgで有害事象がなかったので、最後の8人の患者 にはメタンスルホニルフルオリド治療の後半の4週間中に0.18mg/kgを投与した 。投与量を除いて、医薬品及び製剤の製造方法は上記したものと同一であった。 メタンスルホニルフルオリドの効果は、上記したエルマン等の分光光度測定法に 従って実施した赤血球アセチルコリンエステラーゼのアッセイによってモニタリ ングした。血漿ブチリルコリンエステラーゼに与えるメタンスルホニルフルオリ ドの効果に関するアッセイは実施しなかった。 実施例10 実験計画 この実験計画はプラセボ対照との二重盲検交差実験に被験者を無作為に割り当 てることであった。数人の患者にメタンスルホニルフルオリドを最初の8週間投 与し(A群)そして他の患者にはプラセボ(油の入ったゼラチンカブセル)を最 初の8週間投与した(B群)。交差試験では後半の8週間、メタンスルホニルフル オリドを投与した患者にプラセボを投与し、そしてもう一方の群ではその逆を行 った。次の2つの基本的な統計評価を行った:1)メタンスルホニルフルオリド 期間(8週間)中の改善又は悪化と比較したプラセボ期間(8週間)中の改善又 は悪化;及び2)基線(プロトコールへの参加)に対する成果の分析。各被験者 のメタンスルホニルフルオリドによる成果とプラセボを比較する最初の有意性検 定のために、対応のある観察値に対するスチューデントのt検定を使用した(被 験者内で対応のあるスコア)。試料が非常に少ないため、このt検定で得られた 結果はウィルコキソンの対応のある符号付順位検定で確認した。メタンスルホニ ルフルオリド/プラセボを投与した患者(A群、N=9)をプラセボ/メタンス ルホニルフルオリドを投与した患者(B群、N=6)と比較するために、ウィル コキソン順位和検定をこの群間比較に使用した[27]。A群とB群間の大きさの違 いは、メタンスルホニルフルオリドで開始した患者よりプラセボで開始したプロ トコールの患者の方が無作為的により多く脱落したことによって生じた。有意性 は全て片側検定(即ち、改善だけの予測)で評価した。 実施例11 メタンスルホニルフルオリドの投与及び治療法 1週当たり3回経口投与した後のメタンスルホニルフルオリドのアセチルコリ ンエステラーゼインヒビターとしての活性は、0.14mg/kgのメタンスルホニルフ ルオリドで治療した後に赤血球アセチルコリンエステラーゼの85.35%(SEM =2.5%)の平均阻害値が得られそして維持されたことによって明確に示された 。0.18mg/kgを投与した患者では、89.53%(SEM=1.07%)の阻害が得られ そして維持された。 脳及び赤血球のアセチルコリンエステラーゼ阻害間には直接的な相互関係はない が、脳アセチルコリンエステラーゼと比較した赤血球アセチルコリンエステラー ゼのハーフライフの概算差異に基づく計算を使用して脳アセチルコリンエステラ ーゼの阻害を概算することができる。これらの計算によれば、このメタンスルホ ニルフルオリド治療法は脳で50%を十分超える漸近阻害を生じさせるのに十分で あったので、痴呆治療におけるメタンスルホニルフルオリドの臨床有効性が説明 される。 医薬品治療に関連した有害事象はなく、そしてどの患者も悪心、嘔吐、下痢又 は他のコリン作動性副作用に苦しまなかった。臨床血液プロフィール、特にトラ ンスアミナーゼに変化は無く、そして使用した投与量ではメタンスルホニルフル オリドの毒性徴候は全く無かった。 実施例12 認識能力: 図8はADAS-COGで測定した実験IIの患者の全体的な認識能力を示して いる。プロトコールの最初の8週間にメタンスルホニルフルオリドを投与し、続 いてプラセボを投与した患者群を、最初の8週間にプラセボを投与し、続いて最 後の8週間にメタンスルホニルフルオリドを投与した患者群と別々にプロットし た。 図8に示されるように、メタンスルホニルフルオリド治療中に認識能力の実質 的な改善があり(ADAS-COGでのエラーの減少)、そして8週間のプラセ ボ相中で能力の僅かな低下があった(エラーの増加)。最初の8週間にメタンスル ホニルフルオリド治療を受けた群がその後のプラセボ治療中に能力の僅かな低下 しか示さなかったことに注目することは特に興味がある。メタンスルホニルフル オリドの直接的な効果はその後の8週間のプラセボ(メタンスルホニルフルオリ ド無しの治療)後には終了していると思われたので、これらの患者は開始時のス コアに低下する(ゼロ又はそれ以下に変化)であろうと思われた。それ故、メタ ンスルホニルフルオリド誘導性改善が強力であることからみて、最初にメタンス ルホニルフルオリドを投与した患者ではプラセボ中の大きな能力低下が予想され た。メタンスルホニルフルオリド治療は予想されなかった程強力な繰越し効果を 有していた。プロトコールの後半にプラセボを投与した患者は更に8週間のプラ セボ治療中に実質的に全ての改善(約6点)を維持した。 図8に示したメタンスルホニルフルオリド治療中の変化を更に注意深く分析す るために、メタンスルホニルフルオリドをプロトコールの最初に投与したのかそ れとも2番目に投与したのかに関係なく、メタンスルホニルフルオリド投与中の 認識能力の変化を一緒に組み合わせた。 同様に、プラセボをプロトコールの最初に投与したのかそれとも2番目に投与 したのかに関係なく、プラセボ投与中の認識能力の変化を一緒に組み合わせた。 これらのデータは、各8週間の開始時の患者の認識能力と各8週間の終了時の能 力に基づく差異スコアで計算した(図9及び10)。各患者はプラセボで1つの差 異スコアをそしてメタンスルホニルフルオリド治療で1つの差異スコアを有して いた。図9はADAS-COGで測定された改善(エラーの減少)を示し、そし て図10はMMSEで測定された改善(得点の増加)を示している。 ADAS-COGで測定したときの、メタンスルホニルフルオリドで8週間中 の能力の変化とプラセボで8週間中の能力の変化を統計的に比較することによっ て、メタンスルホニルフルオリドはプラセボと比較して有意な改善を生じさせる (**p<0.01、対応のあるt検定とウィルコキソンの対応のある符号付順位検定 の両方での片側検定)ことが示された。同様に、ミニ・メンタル ステート試験 スコアの改善で測定するとき、メタンスルホニルフルオリドではプラセボと比較 して有意な改善が得られた(**p<0.01、対応のあるt検定とウィルコキソンの 対応のある符号付順位検定での片側検定)。 図8に示される非常に強力な繰越し効果のために、CIBIC及び全体的悪化 スコアに与えるプラセボとメタンスルホニルフルオリドの効果は、この数の患者 では、これらの主観的な評価基準が比較的変動するので区別することはできなか った。それ故、完了した16週プロトコールの終了時にこれらの評価基準に基づく 等級をプロトコールの開始時の基線等級と比較した。 プロトコール開始時に、患者には全て4.0のCIBIC等級付けを割り当てる; 状態の改善は3、2又は1と等級付けし、一方悪化は5、6又は7と等級付けす る。プロトコール終了時の患者のCIBIC平均値は2.98(SD=1.13)であり 、有意な改善(p<0.01、片側t検定)を示していた。プロトコール開始時には 全体的悪化スコアの平均値は4.4(SEM=0.21)であり、一方プロトコール終 了時にはスコア平均値は3.1であったので、この検査法で改善平均値は1.3(SE M=0.33)であった(p<0.01。片側t検定)。 一般に、このプロトコールでは最大の改善は最も重篤な痴呆患者で観察された 。全体的に、ADAS-COGの改善はこのプロトコールへの参加時のADAS- C OGのエラーと+0.6(p<0.05、N=15)の相互関係を有しており、基線評価 で患者のエラーが多ければ多いほど、改善はより大きくなることを示していた。 痴呆の治療に十分なメタンスルホニルフルオリドの投与量は末梢コリン作動性 又は他の毒性の作用を伴っていなかった。これは、CNSに対するメタンスルホ ニルフルオリドの強い選択性とアセチルコリンエステラーゼインヒビターとして の選択性のためである。更に、メタンスルホニルフルオリドで治療した後に観察 された改善は8週間のプラセボ治療後に依然として明確に存在している比較的長 い持続のためであった。 メタンスルホニルフルオリドで得られた結果はメタンスルホニルフルオリドが タクリン(Cognex・、Parke-Davis)より毒性が低いことを示している。高投与 量のタクリンによる最近の比較試験では、医薬品の毒性に関連した有害事象のた めに約60%の患者がプロトコールを完了できなかった。タクリン治療に関連した 有害事象はコリン作動性副作用(悪心、嘔吐、下痢等)及び肝臓毒性である。 メタンスルホニルフルオリドで治療した2人の患者はタクリン治療を試みたと きに生じた有害事象を有していた。1人は肝臓毒性を経験しており(そしてメタ ンスルホニルフルオリド治療法の前に正常なトランスアミナーゼ値に回復してい た)そしてもう1人は嘔吐を経験し、この嘔吐のためにタクリンの投与量は僅か 60mg/kg(無効投与量)に制限されていた。感受性が知られているこれらの患者 はどちらもメタンスルホニルフルオリドでは有害事象を経験しなかった。 メタンスルホニルフルオリドはSDATの認識機能強化においてもタクリンよ り顕著に高い有効性を有しているように思われる。高投与量タクリンによる最近 の比較試験で、タクリンに寛容し得た患者の40%はADAS-COGで僅か2点 の改善平均値しか有していなかった。メタンスルホニルフルオリドによる本臨床 試験では、改善平均値は6点であった。プロトコール開始時に患者がADAS- COGで平均30のエラーを有しているとすると、6点の減少はこの評価基準にお ける20%の改善である。 本発明の更なる発見は、メタンスルホニルフルオリドで誘導される認識強化が 予想されなかった程長く持続することであった。ヒト脳アセチルコリンエステラ ーゼの正確なハーフライフ(阻害された酵素の50%を再合成するのに要する時間 ) は知られておらずそしてヒト生検を繰り返さないで決定することはできないが、 齧歯類やサルの脳から得られる10〜14日の概算値を一般化することができる。ヒ ト脳アセチルコリンエステラーゼのハーフタイムにこの概算値を使用すると、こ れらの患者で10〜14日後に残存している阻害は、メタンスルホニルフルオリド治 療終了時に残存している阻害値に関係なく、50%未満であろう。それ故、患者は メタンスルホニルフルオリド治療後10〜14日で治療ウィンドウから出ていた(例 えば、阻害が50%末満である)にちがいない。しかしながら、図10に示されたデ ータから、プロトコールで最初にメタンスルホニルフルオリドを投与された患者 ではメタンスルホニルフルオリドで誘導された強化が8週間のプラセボ中に維持 されたことか明らがである。結論として、メタンスルホニルフルオリドはアルツ ハイマー型老年性痴呆の新規で、安全で且つ有効な治療法である。 この明細書で言及した特許又は刊行物は全て、本発明が関与する技術分野の熟 練者のレベルを示すものである。これらの特許及び刊行物は、あたかも個々の各 刊行物を参照して組み入れると明示的に且つ個々に示したかのように、その程度 で参照して本明細書に組み入れる。 当業者には、本発明が記載された本発明に固有の目的及び利点を得るために良 好に改変されることが明らかであろう。本明細書の実施例は本明細書に記載した 方法、手順、治療法、分子及び特定の化合物と一緒になって好ましい実施態様を 示す代表例であり、そしてこれらは例であって、本発明の範囲に対する限定とし て意図したものではない。下記の請求の範囲で特定される本発明の精神の範囲内 に含まれる本発明の変更や他の用途が当業者には明らかであろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.スルホニルフルオリド及び製薬的に許容可能な担体を含んでいる製薬組成物 。 2.上記スルホニルフルオリドがメタンスルホニルフルオリド、フェニルメタン スルホニルフルオリド、3-アミノ-4-メチルベンゼンスルホニルフルオリド 、4-メトキシメタニリルフルオリド及びエタンスルホニルフルオリド、ベン ゼンスルホニルフルオリド、パラトルエンスルホニルフルオリド、3-アミノ- 4-エトキシベンゼンスルホニルフルオリド、3-アミノ-4-クロロベンゼンス ルホニルフルオリド並びにイソプロピルスルホニルフルオリドからなる群から 選択される請求の範囲第1項記載の製薬組成物。 3.上記スルホニルフルオリドが約20mg/mlから約100mg/mlまでの量で上記組 成物中に含まれている請求の範囲第1項記載の製薬組成物。 4.上記の製薬的に許容可能な担体がピーナツ油、ゴマ油、ヒマワリ種子油、小 麦胚芽油及び合成油からなるUSP/NF承認植物油からなる群から選択され る請求の範囲第1項記載の製薬組成物。 5.RS86、4AP及びレシチンからなる群から選択される作用剤を更に含んで いる請求の範囲第1項記載の製薬組成物。 6.アルツハイマー病の治療を必要としている患者に治療的に有効な投与量のス ルホニルフルオリドを投与する段階を含んでいるこのような患者のアルツハイ マー病を治療する方法。 7.上記スルホニルフルオリドがメタンスルホニルフルオリド、フェニルメタン スルホニルフルオリド、3-アミノ-4-メチルベンゼンスルホニルフルオリド 、4-メトキシメタニリルフルオリド及びエタンスルホニルフルオリド、ベン ゼンスルホニルフルオリド、パラトルエンスルホニルフルオリド、3-アミノ- 4-エトキシベンゼンスルホニルフルオリド、3-アミノ-4-クロロベンゼンス ルホニルフルオリド並びにイソプロピルスルホニルフルオリドからなる群から 選択される請求の範囲第6項記載の方法。 8.上記スルホニルフルオリドの投与量か約0.15mg/kgから約0.5mg/kgまでで ある請求の範囲第6項記載の方法。 9.上記スルホニルフルオリドが製薬的に許容可能な賦形剤中で投与される請求 の範囲第6項記載の方法。 10.上記スルホニルフルオリドと同時に、RS86、4AP及びレシチンからなる 群から選択される作用剤の治療的に有効な投与量を投与することを更に含んで いる請求の範囲第6項記載の方法。 11.認識能力を高める治療を必要としている患者に治療的に有効な投与量のメタ ンスルホニルフルオリドを投与する段階を含んでいるこのような患者の認識能 力を高める方法。 12.上記スルホニルフルオリドがメタンスルホニルフルオリド、フェニルメタン スルホニルフルオリド、3-アミノ-4-メチルベンゼンスルホニルフルオリド 、4-メトキシメタニリルフルオリド及びエタンスルホニルフルオリド、ベン ゼンスルホニルフルオリド、パラトルエンスルホニルフルオリド、3-アミノ- 4-エトキシベンゼンスルホニルフルオリド、3-アミノ-4-クロロベンゼンス ルホニルフルオリド並びにイソプロピルスルホニルフルオリドからなる群から 選択される請求の範囲第11項記載の方法。 13.上記スルホニルフルオリドの投与量が約0.15mg/kgから約0.5mg/kgまでで ある請求の範囲第11項記載の方法。 14.上記メタンスルホニルフルオリドが製薬的に許容可能な賦形剤中で投与され る請求の範囲第11項記載の方法。 15.上記スルホニルフルオリドと同時に、RS86、4AP及びレシチンからなる 群から選択される作用剤の治療的に有効な投与量を投与することを更に含んで いる請求の範囲第11項記載の方法。 16.上記患者がパーキンソン病、グアムのパーキンソン痴呆コンプレックス、ボ クサー痴呆、年齢に関連した正常な記憶減退及び中枢神経系のアセチルコリン 不足を特徴とする疾患を有している請求の範囲第11項記載の方法。
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