JP2000512495A - 迅速に増殖している細胞中のdna複製に干渉する癌治療用の化合物及びこのような化合物のスクリーニング方法 - Google Patents

迅速に増殖している細胞中のdna複製に干渉する癌治療用の化合物及びこのような化合物のスクリーニング方法

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Abstract

(57)【要約】 DNA複製を抑制することにより腫瘍細胞を死滅させる能力のために癌治療に使用するための、S期及び/またはM期を促進するサイクリン依存性キナーゼを活性化する細胞の能力を損なわないで動物細胞中で前複製複合体を形成または維持するcdc6タンパク質の機能に干渉する化合物。このような化合物のスクリーニング方法。染色体重複がS期促進Cdkとして知られている特別なサイクリン依存性キナーゼの後期G1における活性化により誘発されるというかなりの証拠が今ある。本発明の目的はDNA複製に関係するメカニズムを更に研究することであり、得られた結果の利用は、通常の化学療法とは反対に、DNAそれ自体を損傷しないが、DNA複製に干渉する。

Description

【発明の詳細な説明】 迅速に増殖している細胞中のDNA複製に干渉する癌治療用の化合物及びこのよ うな化合物のスクリーニング方法技術分野 本発明は一般に癌治療の分野に関する。 染色体重複は、S期促進Cdkとして知られている、特別なサイクリン依存性キ ナーゼの後期G1における活性化により誘発されるというかなりの証拠が見出され た。 本発明の目的はDNA複製に関係するメカニズムを更に研究し、得られた結果 を利用して、通常の化学療法とは反対に、DNAそれ自体を損傷しないが、DN A複製に干渉する癌治療の新規な概念を提供することにある。背景技術 出芽酵母サッカロミセス・セレビジエでは、S期へのエントリーは単一キナー ゼサブユニット、Cdk1/Cdc28との6種の不安定なB型サイクリン、C1b1-6の一種 の会合により生成されたCdkに依存する(Schwobら,1994)。サイクリンB/Cdk1キ ナーゼはまた有糸分裂スピンドルの集合及び酵母中の後期の開始に必要とされる (Suranaら,1991;Fitchら,1992;Schwob及びNasmyth,1993)。 6種のサイクリンB/Cdk1キナーゼの全ては細胞が後期を完結する際に不活化さ れる(Amonら,1994;Irnigerら,1995)。その後のG1期間中のそれらの再活性化は サイクリン遺伝子の周期的転写(Koch及びNasmyth,1994)、サイクリンBタンパ ク質分解の停止(Amonら,1994)、及び最も重要なp40SIC1の破壊(そうしないと 、3成分p40SIC1/サイクリンB/Cdk1複合体の形成によりサイクリンB/Cdk1キ ナーゼを抑制する)(Mendenhall,1993;Schwobら,1994)を伴う。p40SIC1タンパ ク質分解に必要とされる、CDC4及びCDC34のような遺伝子中の全ての6種のB型 サイクリンの不活化または突然変異は、細胞をG1に静止させ、一方、SIC1遺伝子 の不活化はS期を適度に進行する(Schwobら,1994)。後生動物中の均等なS期促 進CdkはS期特異性キナーゼサブユニットCdk2とE型サイクリンと して知られているサイクリンの同様の組の間の複合体であることが明らかである 。 Clb5/及びClb6/Cdk1キナーゼは通常酵母中でS期を誘発するものと考えられて いる(Epstein及びCross,1992;Schwob及びNasmyth,1993)。これらはCLB5及びCL B6 mRNAを後期G1に蓄積させる転写調節のために出現する最初のB型サイクリン である。CLB3及びCLB4はS期及びG2期に転写され、一方、CLB1及びCLB2はG2期及 びM期に転写される(Koch及びNasmyth,1994)。CLB5及びCLB6の両方の欠失は致 死性ではないが、S期を約30分だけ遅延させ(Schwob及びNasmyth,1993)、即ち 、後のClbが蓄積するのに充分な時間を有するまで遅延させる。 6種のS期促進サイクリンB/Cdk1キナーゼの一種またはその他が後期G1におけ るp40SIC1破壊の時間から後期中のサイクリンBタンパク質分解の活性化まで活 性であり、しかも起点が酵母細胞サイクルのこの広いウィンドー中に一度だけで も点火する(fire)ことが見出された。S期促進CdkはG1に染色体重複を誘発する が、G2細胞中では誘発しないことが可能である。何とならば、S期促進Cdkに適 した基質はG1細胞中にのみ存在し得るからであろう。DNA複製起点に結合する タンパク質はCdkに重要な基質であるかもしれず、それらの利用可能性は細胞サ イクル中に変化し得る。複製開始点認識複合体(ORC)と称される大きいマルチサ ブユニット複合体が酵母起点に結合し、酵母起源の活性に必要とされる(Bell及 びStillman,1992;Micklemら,1993;Liangら,1995;Foxら,1995)。ORCは細胞サ イクルのあらゆる段階で起点に結合されるが(Diffley及びCocker,1992)、隣接 クロマチンのDNaseI感受性がサイクル中に変化する(Diffleyら,1994)。ORCに隣 接する配列はG1中にDNaseIから保護されるが、G2またはM期中に保護されない。 起点の複製前の“保護された”状態がClb/Cdk1キナーゼの不活化後に有糸分裂の 終了時に生じ、S期の開始または中間まで持続する(Diffleyら,1994)。 起点の複製前の状態の形成及び維持はCDC6遺伝子によりコードされた不安定な タンパク質の合成に依存し(Cockerら,1996)、これはDNA複製の開始に必須で ある(Hartwell,1976;Bueno及びRussell,1992;Piattiら,1995)。cdc6突然変異 体中のミニクロモソームの複製の欠陥は余分の起点を加えることにより軽減され 、Cdc6p(CdC6タンパク質)が起点で作用することを示唆する(Hogan及びKoshlan d,1992)。Cdc6転写はサイクル中に2回のバースト:有糸分裂の終了時 (複製後状態から複製前状態への起点のスイッチと一致する)、そして後期G1に 起こる(Zwerschkeら,1994;piattiら,1995)。de novo Cdc6タンパク質を合成し ないで有糸分裂から出る細胞はそれらの起点で複製前の状態を樹立することがで きない(Cockerら,1996)とともに、予定どおりにS期促進Cdkを活性化するにも かかわらず、DNA複製を開始することができない。このような細胞は有糸分裂 スピンドル上の未複製染色体の配列とともに進行し、最後に“還元的(reduction al)”後期を受ける(Piattiら,1995)。 これらのデータは、Cdc6p合成がORCに隣接するタンパク質複合体(複製前の複 合体またはpre-RC)の集合に必要とされることを示唆する。有糸分裂の終了時ま たは後期G1(その時、Cdc6合成の第二バーストがある)におけるこのようなpre- RCの形成はDNA複製の開始に必要とされる二つの工程の最初であり得る。第二 工程はサイクリンB/Cdk1キナーゼの活性化である。この概念によれば、G2細胞で はなく、G1細胞中のpre-RCの存在は、S期促進CdkがG1細胞のみをS期に入るよ うに誘発する理由を説明し得る。こうして、起点点火(firing)の際のpre-RCの解 体及びそれらがS期、G2期及びM期中にリフォームすることができないことは細 胞サイクル中の再複製を阻止するのに重要な役割を有し得る。発明の開示 酵母細胞がどのようにしてpre-RCの形成を後期後の短い期間に制限するのかに ついて取り組むために、細胞サイクル中に、Cdc6タンパク質がpre-RCを形成し、 DNA複製を促進することができる時について研究を行なった。Cdc6phaは後期 の終了(その時、B型サイクリンが破壊される)と、その後のS期の開始とおお よそ一致する時点(その時、Clb5-6/Cdk1キナーゼが再活性化される)の間の、 細胞サイクルの狭いウィンドー中に合成された時にのみDNA複製を誘導するこ とができることが示し得る。それ故、後期G1には“ノーリターンの時点”があり 、その後にCdc6タンパク質がDNA複製を促進する能力を失う。何とならば、お そらくそれが最早pre-RCを形成することができないからである。その発明の実験 で得られたデータは、pre-RCの集合がDNA複製を誘発するサイクリンB/Cdk1キ ナーゼの同じ組により抑制されるという提案(Dahmannら,1995)と一致する。 本発明の実験において、下記の結果が得られた。 1) Cdc6p合成はノコダゾール静止細胞中ではなく、α因子中でpre-RCの形成を 促進することができる。 細胞が有糸分裂から出る際またはその後の後期G1中のCdc6pのde novo合成は出 芽酵母中のDNA複製に必要であるが、細胞サイクルのその他の局面中の進行に は必要ではないことが示された。G1中にCdc6を合成することができない細胞は有 糸分裂スピンドルの形成とともに進行し、それらの未複製染色体を母細胞及び娘 細胞にタンデムで分離する(Piattiら,1995)。有糸分裂性Clb/Cdk1キナーゼの不 活化(CLB1、3、及び4を欠いており、CLB2のts対立遺伝子を有する株の温度を 上昇することによる)(これらは有糸分裂スピンドルの集合に必要とされる)は 、Cdc6の剥奪された細胞の異常な核分裂を阻止したが、驚くことに、それらの迅 速な死滅を阻止しなかった。即ち、それらはCdc6及びClb2機能が回復された時に コロニーを形成する能力を失った(Piattiら,1995中の図6を参照のこと)。こ の実験が繰り返され、細胞のDNA含量が不全回復期間中にFACS分析により測定 された。細胞はCdc6合成が許容温度(これはClb2機能を回復する)へのシフトの 0.5時間前に回復された時でさえもそれらの染色体を複製することができないこ とがわかった(データは示されていない)。 これらのデータから、Cdc6合成が細胞サイクルの或る段階中にのみDNA複製 を促進することができたことを説明し得る。Clb1-4の剥奪された細胞は細胞サイ クルの段階(その間に、Cdc6が複製前複合体(pre-RC)の形成を促進することがで きない)で静止し得る。これを更に研究するために、フェロモンにより“G1”様 状態で静止された細胞中のde novo Cdc6合成に応答するpre-RCの形成を、ノコダ ゾールによる“G2”または“M”期様状態で静止された細胞中のpre-RCの形成と 比較した。細胞を静止する前のCdc6合成の欠如のために、これらの二つの段階は 通常のG1状態またはG2/M状態に相当しない。G1細胞は通常複製起点でpre-RCを有 し、ノコダゾール静止細胞は通常複製された染色体を有する。その実験を行うた めに、機能性Cdc6タンパク質のみをユビキチンに融台し、GAL1-10プロモーター から発 現された株(GAL-ubiCDC6)を使用した。また、その株は37℃におけるインキュベ ーションにより細胞の静止を後期に生じるcdc15突然変異を含んでいた。α因子 の存在下で、ガラクトースの不在下の25℃へのシフトダウン後に、細胞はCdc6タ ンパク質を生じないで同調的に次のG1期に入った。これは2μm起点でpre-RCを 欠いている未出芽細胞の培養物を生じた(図1)。次いで培養物を分け、半分を 90分間にわたって、依然としてガラクトースを欠いているがノコダゾールを含む 培地中でインキュベートし、これにより、出芽及び高レベルのClb/Cdk1キナーゼ を含むがpre-RCを欠いている未複製染色体を含む細胞を静止させた。ガラクトー スの添加によるCdc6合成の再活性化はα因子静止培養物中でpre-RCの形成を誘導 したが(ORCにより結合された配列に隣接するDNaseIDNA配列からの保護により 測定されたように)、ノコダゾール静止培養物中では誘導しなかった。それ故、 ノコダゾール静止細胞中にpre-RCを検出することができなかったこと(Di-ffeley ら,1994)は、DNA複製それ自体のためではない。これらのデータは、Cdc6合 成の先の欠如がそれらの染色体の複製を阻止した時でさえも、de novo Cdc6合 成が細胞(その状態がG2期細胞またはM期細胞の状態に似ている)中でpre-RCの 形成を誘導することができないことを示唆する。 2) 遅延Cdc6合成はDNA複製を促進することができない 次の実験は、DNAを促進するCdc6の能力の細胞サイクル依存性を更に正確に 測定するように設計した。Cdc6タンパク質を欠いているG1細胞の同調された集団 が生じられ、細胞サイクル中のこれらの細胞のその後の進行中に自由にCdc6合成 を活性化した。ts cdc15突然変異を使用して、細胞を後期に同調した。図2Aは無 傷CDC6遺伝子を含む細胞中のcdc15静止からの解放後の期間中のFACS分析により 測定された細胞DNA含量を示す。細胞ば2C DNA含量で開始し(出芽細胞の夫々 の末端にある1C染色体クラスター/核のため)、全部ではないとしても殆どの細 胞がDNAを複製し、その後にそれらが細胞分裂を完結する。1C DNA含量を有す る細胞の一時的蓄積が見られないが(細胞が複製の前に分裂したのではないかと 予想されたように)、その代わりに4C DNA含量を有する細胞(即ち、二つの2C核 を含む細胞)の一時的蓄積が見られた。FACSプロフィールを使用してこの期間中 の核のDNA含量を推定するために、単一または二重の染色体クラスター/核を 有する夫々の時点の細胞のフラクション、即ち、単核(U)細胞及び二核(B)細胞を 測定した。全ての4C細胞が二核であり、かつ全ての1C細胞が還元性後期(後を参 照のこと)を未だ受けなかった単核細胞であると仮定して、解放後に第一サイク ル中に複製した核の%(%2C)は式: %2C=100.(2.C4+U-C1)/(U+2.B) (式中、C1、C2、及びC4は1C、2C、または4C DNA含量を有する夫々の時点の細胞 のフラクションである) を使用して計算し得る(物質及び方法を参照のこと)。この式の適用は、殆どの 核がcdc15静止中に1C DNA含量を有し、解放後60分以内にそれらのDNAを重複 することを示す。 この実験を、cdc15 GAL-ubiCDC6株で繰り返した。細胞を制限温度にシフトす ることにより、最初の細胞が後期で同調され、次いでガラクトースを培地から除 去することにより、Cdc6合成が抑制され、30分後に、温度を低下することにより 細胞がそれらの有糸分裂静止から解放された(依然としてガラクトースの不在下 にある)。これらの状況下で、細胞がde novo Cdc6合成の不在下でそれらの後期 静止から出て、その結果として、それらはS期に入ることができなかった。核は 解放後の少なくとも120分間にわたって1C DNA含量を保持したが(図2B)、続い て(210〜240分間)それらは還元後期を受けて1C未満のDNA含量を有する核を生 じた。細胞が25℃に戻った時の培地へのガラクトースの再度の添加は、核の85% をCDC6+細胞と同様の速度諭で複製させ、これはcdc15解放の時点のGALプロモー ターからのCdc6のde novo合成がS期を誘導するのに充分であることを実証する (図2C)。これらのデータは、pre-RCの形成(これはcdc15解放中のCdc6合成の不 在下で起こらない(Cockerら,1996))がS期へのエントリーに必須であることを 示す。 次いで、GAL-ubiCDC6誘導の時間を変えて、図2中の実験を繰り返した。即ち 、細胞が37℃で静止され、Cdc6合成が抑制され、cdc15静止からの解放後0、10 、20、30分等で再度誘導された。図3Aは夫々の時点についてその後120分中にそ れらのDNAを複製した核の%を示す。全ての細胞が解放後の20分までガラクト ー スの添加後にDNAを複製する能力を保持し、細胞の幾つかが30分までにその能 力を失い、ほんの二三の細胞が40分までそれを保持した。Cdc6(この時点ではユ ビキチンに融合されでいない)の合成が代わりにメチオニン抑制性MET3プロモー ターにより調節される株を使用して、この実験を繰り返した。再度、細胞は後期 cdc15静止からの解放の40分後にCdc6合成の誘導後にDNAを複製する能力を失 った(データは示されていない)。これらのデータは、cdc15解放後の30〜40分 の間に“ノーリターンの時点”が存在し、その後にCDC6転写の誘導がDNA複製 を誘導するのに有効ではないことを示唆する。この時点は細胞が通常S期に入り 、充分に機能性であるCDC6遺伝子を有した時間付近であることは重要ある。 細胞が“ノーリターンの時点”後にDNA複製を誘導することができないこと は単に充分なCdc6タンパク質を合成することができないことのためではないのか という疑問に取り組んだ。後期G1中に野生型細胞中でつくられたCDC6タンパク質 は、細胞が細胞サイクルを進行するにつれて迅速に分解されることが既に示され ていた(Piattiら,1995)。こうして、CDC6タンパク質は細胞サイクルのこの段階 におけるCdc6タンパク質分解の速度の増加のために“ノーリターンの時点”を経 過した細胞中で蓄積することができないかもしれなかった。それ故、唯一の機能 性CDC6遺伝子がGAL1-10プロモーターの制御下のHA標識バージョン(GAL-HA3CDC6) である株を使用して、先の実験を繰り返した。HA標識遺伝子は充分に機能性であ る。何とならば、これらの細胞は通常ガラクトース培地中で増殖するからである 。エピトープ標識が本発明者らにcdc15解放後の種々の時点における誘導の30分 後にウェスタンブロッティングによりCdc6タンパク質の蓄積を追跡させた。また 、これらの細胞は、たとえそれらが時間経過中にCdc6タンパク質を蓄積する能力 を保持したとしでも(図3C)、解放の40分後にガラクトース誘導に応答してDN Aを複製する能力を失った(図3B)。実際に、高レベルのHA3Cdc6が解放の20分 後(その時点でガラクトースが殆どの細胞を複製するように誘導する)よりもcd c 15解放の60分後(その時間まで細胞が複製することができない)に蓄積した。 こうして、“ノーリターンの時点”後のCdc6の増大されたタンパク質分解は、そ れを経過した細胞がde novo Cdc6合成に応答してDNAを複製することができな いことの原因ではない。 3) Cdc6がその機能を遂行する時の測定 Cdc6がpre-RCの形成後のDNA複製に必要とされるか否かに取り組むために、 野生型細胞及び温度感受性cdc6-1細胞を許容温度でα因子中に静止させ、37℃で 2時間インキュベートし(その状況下で、pre-RCが消失する(Cockerら,1996))、 次いで37℃でフェロモンブロックから解放した。野生型細胞はそれらのDNAを 同調的に複製し、一方、cdc6突然変異体はたとえあったとしても極めて不十分に 複製した(データは示されていない)。両方の培養物が同様の速度論で出芽した 。それ故、たとえ細胞が既にpre-RCを形成したとしても、CDC6はフェロモン誘導 G1静止中にその複製機能を履行することができない。それ故、CDC6はCdk1が不活 性である早期G1中にpre-RCの形成及び維持に必要であるだけでなく、Cdk1が後期 G1で活性化される時にその後のDNA複製に必要である。 4) “ノーリターンの時点”はS期促進CDKの活性化に依存する “ノーリターンの時点”は後期G1におけるCln1,2/及びClb5,6/Cdk1キナーゼの 活性化とおよそ合致する。Dahmannら(1995)はClb/Cdk1キナーゼが二重の役割を 有すると仮定した。それらは既にpre-RCを形成した起点を誘発してDNA複製を 開始させるとともに、それらは同時にpre-RCのde novo形成を阻止する。S期促 進Clb/CdkがCdc6を複製の誘導から阻止するのに関与した場合、CLB5及びCLB6の 不活化は“ノーリターンの時点”を遅延すべきである。何とならば、それらが細 胞サイクル中に発現される最初のB型サイクリン遺伝子であるからである(Schwo b及びNasmyth,1993)。S期エントリーはclb5 clb6二重突然変異体中で約30分だ け、即ち、Clb1-4/Cdk1キナーゼのその後の蓄積まで遅延される(Schwobら,1994 )。また、この遅延がcdc15静止からの解放中に見られる。CLB5 CLB6 cdc15細胞 はそれらの解放の約45分後に複製を開始し、一方、c1b5 clb 6 cdc15突然変異体 は、clb2/Cdk1キナーゼの出芽及び活性化が予定どおり起こるとしても、90分ま で開始しない(図4A及びB)。また、CLB5及びCLB6の欠失は、cdc15静止からの解放 後の時間の長さを延長し、その間にCdc6の誘導がDNA複製を促進することがで きた(図3Aと4Cを比較のこと)。CLB5 CLB6細胞の50%が30分で“ノーリ ターンの時点”を経過し、一方、clb5 clb6二重突然変異体では60分までその均 等の時点に達しなかった。cdc15 MET-CDC6細胞及びcdc15 c1b5 clb6 MET-CDC6細 胞の“ノーリターンの時点”を比較して、非常に似ている結果が得られた。こう して、Clb5及びClb6活性の損失は“ノーリターンの時点”中の経過をS期エント リーの遅延と同様である程度まで遅延する。この知見は、Cln/Cdk1キナーゼ[こ れらはまたClbキナーゼのアクチベーターとしてS期エントリーに必要とされる( Amonら,1994;Dirickら,1995)]が“ノーリターンの時点”中の経過を促進する のに充分ではないことを意味する。何とならば、それらの活性化の速度論はCLB5 及び6の欠失により影響されないからである。Clbs1-4はclb5 clb6二重突然変異 体中でClbs 5及び6のS期促進機能を呈する。それらはまたClbs5及び6から“ノ ーリターンの時点”中の経過を促進するという機能を呈することが推定された。 この推定は、ノコダゾールブロックされた細胞中の全ての6種のClb/Cdklキナー ゼの抑制がpre-RCを誘導するのに充分であるという知見(Dahmannら,1995)と合 致する。 5) Cdc6pはClb/Cdk1キナーゼとin vivoで相互作用する ヒストンH1キナーゼ活性はそのC末端でHA3エピトープで標識され、それ自体 のプロモーターから発現されたCdc6タンパク質のバージョンと同時免疫沈殿する (図5A)。許容条件または制限条件下でインキュベートされた種々のcdc突然変 異体の細胞に由来するエキス中のCdc6関連キナーゼが分析され、活性キナーゼが 非許容温度でインキュベートされたcdc28-13及びCDC4-1突然変異体細胞から調製 されたエキスを除く全てのエキス中に見られた(図5B)。ウェスタン分析は、Cd c6pがこれらのエキス中に同様のレベルで存在することを示した(図5B)。幾つ かのデータは、Cdc6と関連する活性がClb/Cdk1キナーゼに相当することを示唆す る。第一に、これらのキナーゼはおそらくp40SIC1タンパク質の蓄積(Schwobら, 1994)及びSIC1回復Cdc6関連キナーゼ活性の欠失(図5B)のためにcdc4-1細胞中 で不活性である。第二に、GALプロモーターから発現された氾標識Cdc6(GAL-HA3C DC6)と関連するキナーゼ活性がcdc28-4サイクル培養物中に殆どまたは全く見ら れなかった(図5C)。第三に、そのキナーゼは精製p40SIC1の添加により抑制 された(図5D)。第四に、Cdc28タンパク質はGAL-HA3CDC6細胞からのエキス中で Cdc6pと同時免疫沈殿した(図5E)。これらのデータは、S期、G2期またはM期 につくられたCdc6pがClb/Cdk1キナーゼと会合することを示唆する。この会合はC dc6を細胞サイクルのこれらの段階中にpre-RCを起点で形成することから阻止す るのに役立つかもしれない。それ故、“ノーリターンの時点”は、Cdc6タンパク 質(存在し、または生産された場合)がClb/Cdk1キナーゼと会合する細胞サイク ル中の時点に相当し得る。Cdc6pがin vivoでこれらのキナーゼの標的であるか否 かは未だ知られでいない。しかしながら、それはin vitroでClb/Cdc28キナーゼ によりリン酸化し得るが、Cln/Cdc28キナーゼによりリン酸化し得ない(データ は示されていない)。 6) ORCはARSと会合する in vivoの特定のDNA配列とのORC、Cdc6、及びMcm7の会合を測定するために 、ホルムアルデヒドで処理した細胞からのエキスを調製し、クロマチンを500bp の平均サイズに剪断し、PCRを使用して免疫沈殿したmyc標識タンパク質に結合し た特定の配列の存在量を測定した。PCRプライマーの四つの組をARS1の周囲の三 つの領域及びARS1を含む一つの領域を増幅するのに使用した。同様の操作をARS3 05について使用した。これらの二つの起点の両方は全てではないとしても殆どの S期中で一度に点火する(Campbell及びNewlon,1991)。夫々の遺伝子座からの全 ての四つのフラグメントが、myc特異性抗体を使用して免疫沈殿されなかった剪 断されたクロマチンから同様に増幅された。対照的に、ARS1及びARS305を含むフ ラグメントがOrc2-mycを発現する細胞からつくられた免疫沈殿から優先的に増幅 された。ARSを含むフラグメントのこの優先的増幅はCse1-mycを発現する細胞ま たはmyc標識タンパク質を発現しない細胞から調製された免疫沈殿では起こらな かった(図7A〜及びB)。また、ARSフラグメントの優先的増幅はホルムアルデヒド による処理及び免疫沈殿操作中の抗myc抗体の含有に依存した(図7A)。ARS305 ではなく、ARS1の優先的増幅(同じDNA製剤から)はin vitroのORC結合及びi n vivoの点火を大きく減少するARS1のACS中の点突然変異により無効にされた(Ma rahrens及びStillman,1994;Rao及びStillman,1995)(図7C)。また、 それはARS1機能を低下するB要素突然変異の組み合わせにより無効にされた。こ れらのデータは、Orc2pに架橋されたDNAの免疫沈殿がin vivoのORCの起点の 占有の信頼できる測定方法であることを実証する。また、それらは、ORCがクロ マチン中の多くの部位と会合しないことを示す。in vivoのその結合はARS配列に 制限し得る。 7) Cdc6p及びMcm7pは細胞サイクル依存様式で起点と会合する 同じ操作が、Cdc6p及びMcm7pが起点と特異的に会合するか否かを試験するのに 使用された。ARSを含むが、隣接するものを含まないフラグメントがCdc6-mycを 発現する細胞からの抗myc免疫沈殿中で優先的に増幅された。更に、ARS305配列 ではなく、ARS1配列の優先的増幅はARS及びARS1におけるB要素突然変異により 無効にされた(図7B及びC)。これは、Cdc6pがORCのようにin vivoでARS配列と特 異的に会合することを示唆する。ARSとのCdc6pの会合が、細胞サイクル中の進行 中、水ひにより単離された未発芽G1細胞として測定された(図8A)。会合は、お そらく有糸分裂の終了時のCdc6合成のバーストの結果として、小さい未発芽細胞 の開始培養物中で既に高かった。それはG1の多くについて高く留まり、S期の開 始時に減少し、G2及び中期中に低く留まったが、細胞質分裂直前の終期中に再度 出現した。このパターンは起点におけるCdc6依存フットプリントのパターン(Dif fleyら,1994)に似ている。後者は水ひされた細胞中で測定されず、その結果、 直接の比較が可能ではない。 Mcm7-mycを発現する細胞を使用する実験の同様の組(図7B、7C、及び8B)は、 Mcm7pがG1中にARS1及びARS305と会合するが、それらの隣接配列と会合しないこ とを示す。Mcm7pはS期中に起点を出て(これはCdc6pより若干遅い)、終期まで 再度出現しない。この会合のパターンは核内のMcm7pの蓄積により平行にされる 。それは終期中に核内に蓄積し、G1中にそこに留まるが、G2期及びM期中に細胞 質中で蓄積する(Dalton及びWhitbread,1995;図8B)。 8) 起点とのMcm7pの会合はCdc6pに依存する 起点とのMcm7pの会合の細胞サイクルプロフィールはCdc6pのそれと似ている。 細胞サイクル中に起点に結合されるORCと違って、Cdc6p及びMcm7pの両方は主と してG1中にのみ結合される。Cdc6pはG2期及びM期中に迅速に分解されるが、Swi 5及びAce2による転写活性化のために、細胞が有糸分裂を完結する際にde novo合 成される(Piattiら,1995)。有糸分裂の終了時のCdc6pの急な再蓄積がおそらく 終期中のARSにおけるその到達を説明する。それは細胞サククルのこの段階にお けるARS配列とのMcm7pの会合を促進することの原因であり得るのではないだろう か?それがあり得る手掛かりはツメガエル(Xenopus)エキス中のクロマチンへのM cm3pのローディングがCdc6pの免疫枯渇により無効にされるという最近の観察(Co lemanら,1996)から生じる。しかしながら、この研究は、Cdc6pの免疫枯渇がク ロマチンへのMcm3pのローディングに必要とされる付加的な因子を枯渇する可能 性を排除しなかった。 酵母中の染色体及びそれらの起点へのMcm7pのローディングがCdc6pに依存する か否かを証明するために、内因性CDC6遺伝子が欠失され(Dcdc6)、GALプロモータ ーの制御下でユビキチン-CDC6融合(GAL-ubi-CDC6)により置換(別の遺伝子座で はあるが)されたMcm7-myc発現株が構築された。この株からの細胞はガラクトー スの存在下でのみCdc6pを合成し、DNAを複製する(Piattiら,1996)。ガラク トースからラフィノースに既に75分間シフトされた培養物から、遠心水ひにより 、Cdc6pを欠いている未発芽G1細胞の集団が単離され、次いでこれが二つに分け られ、半分がガラクトースの存在下でインキュベートされ、他の半分がガラクト ースの不在下でインキュベートされた(図9)。同じ方法で処理された野生型細 胞と違って、Mcm7pが未発芽G1細胞の開始培養物(0分)中のARS1またはARS305 で殆どまたは全く検出し得なかった。ガラクトースの不在下で増殖された細胞が 細胞サイクル中に進行するにつれて、この状況が続いた。予想されたように、こ れらの細胞はそれらのDNAを複製することができなかった。しかしながら、ガ ラクトースの存在下で増殖された培養物中では、Mcm7pが20分以内にARS1及びARS 305に出現した。細胞がS期に入るまで、それがこれらの起点で存続し、次いでC dc6pの継続した合成にもかかわらず消失した(G2期及びM期中)。これらの二つ の集団中で染色体に結合されたMcm7pの量がまた比較された。Mcm7pはガラクトー ス誘導後の30分以内に染色体で検出され、それは後期G1またはS期の 開始まで存続した。対照的に、それはガラクトースの不在下で増殖された細胞か ら単離された染色体ではいずれの時点にも検出し得なかった。それ故、Cdc6pのd e novo合成が酵母染色体及びそれらの起点へのMcm7pのローディングに必須であ ると結論し得る。 また、in situ免疫蛍光による2種の培養物中のMcm7-mycの細胞位置の測定 は、Cdc6pが染色体起点へのMcm7pのローディングに直接必要とされるのか、或い はそれが核に入るために単に必要とされるのかを評価することを可能にした。Mc m7pはCdc6pを欠いたG1細胞の開始集団中の殆どの細胞の核内で濃縮されたが、野 生型細胞と比べて若干低い程度と考えられた(図9)。それ故、Cdc6pは核内のM cm7pの蓄積に必要とされず、これは終期中のCdc6p合成と一致する。更に、20分 間のガラクトースによる誘導は、それがMcm7pを起点にローディングさせたにも かかわらず、核と細胞質の間でMcm7pの分布に殆ど差がなかった。核内のMcm7pの 蓄積は起点へのそのローディングに充分ではない。Cdc6pは核内に既に存在するM cm7pの起点へのローディングを促進するのに必要とされる。 以上の結果から、実質的に下記の結論が導かれる。 1) pre-RCの形成及びDNA複製を促進するCdc6の能力は細胞サイクルのG1期に 制限される de novo Cdc6タンパク質合成はDNAの複製起点のクロマチン構造の変化に必 要とされ、これは通常細胞が有糸分裂から出て、G1に入る際に起こる(Cockerら ,1996)。起点周囲のDNaseI感受性のパターンは、複製開始点認識複合体(ORC)が 細胞サイクル中に起点に結合するが、別の因子、おそらくCdc6それ自体がその後 のサイクルにおいて有糸分裂からの退出とDNA複製の再開の間の間隔でそれを 結合することを示唆する(Diffleyら,1994)。Cdc6タンパク質はin vitroで0RCと 相互作用することが示されていた(Liangら,1995)。Cdc6はDNA複製の開始に 必要とされるが、それは細胞サイクル進行のその他の局面、例えば、有糸分裂ス ピンドルの形成または更には細胞の反対の極への未複製染色体のこれらのスピン ドルに関する移動に必要とされない(Piattiら,1995)。これらの知見は、有 糸分裂の終了時またはその後のG1中にCdc6合成により媒介される複製起点の状態 の変化が後期G1におけるClb/Cdk1キナーゼの活性化により誘発されるDNA複製 のその後の開始に必須であることを示唆する。それ故、酵母におけるDNA複製 の開始は2工程プロセス:Cdc6合成により誘導される前複製複合体(pre-RC)の起 点における形成、続いてClb特異性Cdkインヒビターp40SIC1の分解(Schwobら,19 94)によるClb/Cdk1キナーゼの活性化と考えられる。本発明の実験は、これらの 二つのプロセスが正確な順序で起こる必要があるか否かに取り組む。Cdc6タンパ ク質がG1中につくられない時でさえも、Clb/Cdk1キナーゼが予定どおりに活性化 される。Cdc6合成が既にClb/Cdk1キナーゼを活性化した細胞について回復される 時に何が起こるのか?これはDNA複製を促進するのに有効であるのか?DNA 複製を促進する際の異なる細胞サイクル段階におけるCdc6合成の有効性が研究さ れ、“ノーリターンの時点”が発見され、その後にde novo Cdc6合成はDNA複 製を誘導することができない。この“ノーリターンの時点”はClb5及びClb6の不 活化により遅延され、これらは通常細胞サイクル中に現れる最初のClbである。 しかしながら、“ノーリターンの時点”中の経過はCdc7タンパク質キナーゼの活 性に依存せず(データは示されていない)、これはまたDNA複製の開始及び複 製前状態から複製後状態への起点のスイッチに必要である。データは、“ノーリ ターンの時点”が細胞サイクルの或る時点(その後に、Cdc6タンパク質が最早D NA複製起点でpre-RCの形成を誘導することができない)に相当し、かつ細胞サ イクル状態におけるこのスイッチの原因の重要なイベントがClb/Cdk1キナーゼの 活性化であることを示唆する。“ノーリターンの時点”はClb/Cdk1活性化と一致 するだけでなく、それらの活性化が遅延される時に遅延される。 Dahmannら(1995)は、p40SIC1Cdkインヒビターの過剰生産によりノコダゾール 中で静止された細胞中のClb/Cdk1キナーゼの不活化が起点でpre-RCの形成を誘導 するのに充分であることを示した。結果として、彼らは、Clb/Cdk1キナーゼがS 期の開始に二つの反対の役割:pre-RCのde novo形成を抑制すること及びpre-RC を既に形成した起点からのみ開始を誘発することを有することを提案した。Cdc2 またはB型サイクリンCdc13について欠損のS.ポンベ細胞の再複製、またはCdc13 /Cdc2キナーゼインヒビターRum1の過剰生産がこの仮説と一致する(Broekら, 1991;Haylesら,1994;Moreno及びNurse,1994)。このモデルによれば、pre-RCの 形成の前(即ち、Cdc6タンパク質のde novo合成の前)のClb/Cdk1キナーゼの活 性化はその系を巧みに処理し、DNA複製の開始を阻止する。上記の結果は、Cl b/Cdk1活性化に対するCdc6合成のタイミングが実際に重要であることを示す。“ ノーリターンの時点”は、Clb/Cdk1キナーゼが充分に活性になって起点でpre-RC の形成を抑制する細胞サイクルの時点に相当し得る。 本発明の実験はClb/Cdk1活性化に対しCdc6合成を遅延することの結果に集中し た。しかしながら、Clb/Cdk1キナーゼがpre-RCの形成を抑制するという仮説は、 Cdc6合成が遅延される時だけでなく、Clb/Cdk1キナーゼが早期に活性化される時 の災難を予測する。その他の実験において、SIC1遺伝子(これはG1中のそれらの 活性化を遅延するClb/Cdk1キナーゼのインヒビターをコードする)を欠失するこ との複製に関する効果が分析された。sic1突然変異体は野生型細胞よりも若干早 くDNA複製を開始するが、S期中では更に遅く進行する。更に、染色体及びミ ニ染色体はsic1突然変異体中で高度に不安定であり、この欠損はCLB5及びCLB6の 欠失または染色体への余分の起点の付加により抑制される。こうして、Clb/Cdk1 キナーゼの早期の活性化はCdc6合成の遅延に同様の効果を有する。また、それは 起点が点火する効率を低下する。 2) G2中にpre-RCの形成を阻止する因子 細胞が“ノーリターンの時点”を経過した後にのみGAL-CDC6を発現する細胞中 のDNA複製の欠如は、それらが充分なCdc6タンパク質を蓄積することができな いためではない。GAL-CDC6の誘導は多くのCdc6pをこの時点を経過しなかった細 胞中よりもこの時点を長く経過した細胞中に蓄積させる(図3C)。Cdc6pは不安 定なタンパク質であり、それは通常S期及びG2期中に細胞から消失するが、これ は主としてCDC6転写の調節のためである。Cdc6が連続的に合成され、タンパク質 レベルが(GALプロモーターからの発現のために)サイクル中に一定に留まる条 件下で、多くのCdc6タンパク質がS期、G2期、及びM期(Piattiら,1996)よりも 後期及び早期G1細胞の核内に蓄積したことが注目し得る。Cdc6の迅速なタンパク 質分解は一部このパターンを原因とするものと考えられる。何とならば、Cdc6 タンパク質がCdc6分解の欠損であるcdc4突然変異体(Piattiら,1996)の培養物を サイクルする際に細胞サイクルの殆どの段階で核内で高レベルまで蓄積したから である。 Cdc6の細胞分布の細胞サイクル調節はCdc46/Mcmタンパク質(これらはまた起 点の点火に必要とされ、またG2中に細胞質中に蓄積する)のそれと似ている。し かしながら、Cdc6が“ノーリターンの時点”を経過した細胞中で機能することが できないことは核内のその不十分な蓄積のためであるかどうかは疑わしい。Cdc6 タンパク質は実際にはCDC4+細胞中の核から排除されず、細胞が後期を受けるま で再複製を阻止するブロックをバイパスしないで25℃で増殖するcdc4突然変異体 細胞のG2核内で非常に高いレベルまで蓄積する(Piattiら,1996)。実験の結果は 、Cdc6がG1中でのみ合成され、野生型細胞中で迅速に分解される理由について疑 問を生じる。これは菌類細胞サイクルの保存された特徴であると考えられる。何 とならば、S.ポンベ中のCdc18pレベルが同様の様式で調節されるからである(Ni shitani及びNurse,1995;Muzi-Falconiら,1996)。再複製のブロックはG2中の 核からのCdc6の不在に依存しないことが示された。それにもかかわらず、それは 、このような細胞が再複製を阻止する忠実度に寄与し得る。 Cdc6が“ノーリターンの時点”を経過した細胞中でDNA複製を促進すること ができないことは、抑制因子とのその会合または修飾によるその抑制のためであ り得る。Cdc6がClb/Cdk1キナーゼと会合するという知見がこれに関して重要であ り得る。これらのキナーゼによるCdc6のリン酸化はそれがpre-RCを形成すること から阻止し得る。また、Cdc6と会合したClb/Cdk1キナーゼは、リン酸化により、 pre-RC形成に必要とざれるその他のCdc6相互作用タンパク質(例えば、ORCの員 )を抑制し得る。 “ノーリターンの時点”を経過した細胞がpre-RCを形成することができず、ま たde novo Cdc6に応答して複製を促進することができないことはまたpre-RCを形 成し、またはそれらからDNA複製を開始するのに必要とされるその他のタンパ ク質のこれらの細胞中の不活性に由来し得る。例えば、Cdc46/Mcmクラスのタン パク質(これらは起点点火に必須である)がG2中に細胞質中に見られる。また、 本発明の実験で得られたデータは、核内のMcmタンパク質の濃度の低下またはク ロマチンを結合するそれらの能力の低下が“ノーリターンの時点”に寄与し得る ことを確認する。 3) 真核生物複製サイクルを誘導する因子 染色体重複を誘導するメカニズムに主要な要件は、それが複製起点を姉妹染色 分体分離の継続ラウンド間に1回だけでも点火させるべきであることである。ま た、バクテリアは複製をマス倍加毎に1回に制限する必要があるが、それらがこ れを行うメカニズムは単一のDNA複製起点のみのそれらの所有のために異なる 。バクテリア点火メカニズムの不完全は不運ではない。何とならば、単一起点か らの予定どおりではない開始が完全ゲノムの複製をもたらすからである。即ち、 それは遺伝子の過大または過少の提示をもたらさない。この簡単な装置の下側は 、複製がマス倍加よりも長くを要し得ることであり、この問題は先のラウンドか らの姉妹染色分体が分離される前に複製を再開することのみにより解決し得る。 それ故、ゲノムが多染色体(これらの夫々が多重起点から複製される)で保有さ れる真核生物により使用されるメカニズムは、バクテリアにより使用されるメカ ニズムより極めて有効である必要がある。真核生物細胞が有効な“一度だけ”の 点火装置を得るが、二三のハードな面を得る方法について多くの考察があった。 S.セレビジエにおける複製に関する現在の知識は、実際に使用される装置の粗 大な概略を最初に組み立てるのに充分である(図6及びDahmanら,1995を参照の こと)。開始は特定の部位からであり、二つの型の因子:起点またはそれらの周 囲の配列に結合するORCタンパク質及びCdc6タンパク質並びにCdc46/Mcmタンパク 質のような因子並びにClb/Cdk1キナーゼ及びCdc7キナーゼのようなS期促進因子 (後期G1中のそれらの活性化は実際にDNA複製の開始を誘発する)に依存する 。起点及びそれらの周囲のクロマチンは、Diffleyら,1994;Cockerら,1996によ り仮定されたように、二つの状態:後複製状態(それらがORC単独により結合さ れる)、及び前複製状態(それらがORCそしてまたCdc6タンパク質及びMcmタンパ ク質により結合される)で存在する。後者は前複製複合体または前開始複合体と 称される。前複製状態の起点のみがClb/Cdk1キナーゼによりDNA複製を開始す るように誘発し得る。この“一度だけ”の複製装置の主要な局面は第一に 起点の二つの状態の間の転移を支配するメカニズムであり、第二にClb/Cdk1キナ ーゼの活性の急な変動を生じるメカニズムである。pre-RCは開始それ自体または それら中の複製により破壊され、新しいpre-RCの形成が開始を誘発するClb/Cdk1 キナーゼのまさに同じ組により抑制されることが提案される。このスキームによ れば、複製サイクルがClb/Cdk1サイクルにより誘導される。それは低いClb/Cdk1 活性の期間(G1)で開始し、それがpre-RCの形成を可能にする。Clb/Cdk1キナーゼ の活性化は低いClb/Cdk1活性の先の期間中に形成したpre-RCから複製を誘発し、 同時に新しいpre-RCの形成をブロックする(S期)。高いClb/Cdk1キナーゼ活性 のその後の期間(G2/M期)はpre-RCの形成に対するブロックを維持する。そのサ イクルはClb/Cdk1キナーゼの最終の不活化及び姉妹染色分体(Irnigerら,1995) の分離を促進する同複合体(APC)により少なくとも一部媒介される低いキナーゼ 状態へのリエントリーにより完結される。開始に関するClb/Cdk1キナーゼの拮抗 効果は、このサイクル中に細胞がpre-RCを形成できるとともにそれらからDNA 複製の開始を複製することができる段階がないことを確実にする。サイクリン破 壊及び姉妹染色分体分離の促進の両方におけるAPCの関与が再複製を染色体分離 と連関させるのに重要であり得る。 装置の運動量、即ち、DNA複製の継続ラウンドはClb/Cdk1キナーゼの活性の 変動のみにより維持し得る。それは、運動(即ち、複製のラウンド)がClb/Cdk1 キナーゼの交互の不活化及び再活性化により誘導される往復動装置である。この 意味で、それは往復動蒸気エンジンに非常に似ており、その蒸気はキナーゼ活性 に相当し、そのピストンは起点に相当する。蒸気、即ち、キナーゼは、それ(即 ち、起点)が既に下方の状態(即ち、pre-RCを含む)に戻った場合にピストンを 上向きに誘導する(即ち、複製を誘導する)ことのみにより作用し得る。アップ 状態(複製を開始した起点)からの経過はピストンを含むチャンバー(即ち、細 胞)からの蒸気の排出(即ち、キナーゼの不活化)に依存する。往復動蒸気エン ジンの本質は、ピストンがチャンバーからの蒸気の先の排出によりダウン状態に 戻った場合にのみ、チャンバーへの蒸気の加入が仕事を行うことである。同様に 、Clb/Cdk1キナーゼは、それらの先の不活化がpre-RCの形成を可能にした場合に のみ複製を誘導する。丁度、ピストンが膨張及び収縮のサイクル中に一度移動す る ことができる際に、起点がまたキナーゼ活性化及び不活化のサイクル中に一度だ け点火することができる。細胞サイクルエンジン(Murray及びHunt,1993)が存 在する場合、これが確かにそれの主要部分であり得る。 タイミングが“往復動”蒸気エンジンの操作に重要である。Clb/Cdk1キナーゼ が再活性化される前に、Cdc6が合成される必要があるという知見の意味は、タイ ミングがまたS.セレビジエ中の“往復動”複製サイクルに重要であることを示唆 する。 本発明の目的は癌治療用化合物を提供することにある。 本発明の実験は、酵母細胞で例示される真核生物細胞中のDNA複製の開始が 2工程プロセス:第一に前複製複合体の将来の複製起点における形成及び第二に S期促進サイクリン依存性キナーゼ(Diffeleyら,1994;Schwobら,1994;Coc-ker ら,1996)の活性化であることを示した。不安定なタンパク質Cdc6の合成が酵母 起点におけるpre-RCの形成及びDNA複製のその後の開始に必須である。 本発明は、細胞サイクル中にCdc6の合成が前複製複合体を形成し、それにより DNA複製の新しいラウンドを誘導するのに有効である時の研究の結果に基いて いる。本発明の実験は、Cdc6が細胞サイクルの期間(S期及びM期促進サイクリ ン依存性キナーゼが不活性である)(即ち、G1期)中に合成される必要があること を示した。これらのギナーゼが活性になった後のCdc6の合成はDNA複製の新し いラウンドを誘導するのに有効ではないことが示された。Cdc6の剥奪された細胞 はS期及びM期促進ギナーゼの活性化とともに進行し、有糸分裂に入り、更には DNA複製を受けないで後期を受けようと試み、これは致死イベントである(Ke- llyら,1993;Piattiら,1995)。これらの結果から導かれる重要な結諭は、S期 またはM期促進サイクリン依存性キナーゼが活性になる細胞サイクル期間中にCd c6機能との一時的干渉が増殖細胞を死滅するのに有効であるが、静止細胞に効果 を有しないことである。 本発明は腫瘍細胞の増殖に干渉する方法を提供する。この方法は腫瘍細胞、即 ち、迅速に増殖する細胞に毒性であるが、その薬剤で治療される患者の非分裂腫 瘍細胞または徐々に分裂する非腫瘍細胞に無害である薬剤を同定することを可能 にする新規な概念に基いている。 本発明はこの新規な観察の利用に基いている腫瘍細胞の死滅方法を提供する。 最初のCD6突然変異が単離されて以来(Hartwell,1976)、CDC6が適当なDNA 複製に必須であり、CDC6遺伝子の機能の損失が細胞サイクル静止をもたらすこと が知られていたが、本発明の実験は短期間にわたるCdc6機能との干渉がまたDN A複製及び有糸分裂を誘導するサイクリン依存性キナーゼ(Cdk)を活性化するプ ロセスにある細胞にとって致死イベントであることを初めて示す。また、本発明 の実験はこの現象のメカニズムを示唆する。こうして、pre-RCを形成または維持 するCdc6の能力に干渉する薬剤(またはpre-RCを破壊する薬剤)の適用は、薬剤 の存在下で、更には薬剤が除去された時でさえもS期及びM期促進Cdkを活性化 するように進行する細胞に致死性である。前複製複合体を形成または維持するCD C6の能力に干渉する薬剤の、例えば、12〜24時間の、反復した一時的適用はその 薬剤の存在下でS期及びM期促進サイクリン依存性キナーゼを活性化する迅速に 増殖する腫瘍細胞に致死性であるが、これらのキナーゼが不活性であるG1状態で 極めて長く費やす静止宿主細胞または更には遅く分裂する宿主細胞に殆どまたは 全く効果を有しないであろう。本発明の実験の結果は出芽酵母サッカロミセス・ セレビジエ中でこの原理の証明を与える。細胞からそれらの励起有糸分裂と次の サイクル中のS期促進Cdkの再活性化の間の単に40分間にわたってCdc6機能を剥 奪することは致死性イベントであることが実証された。 DNA複製の開始に直接関係した成分の殆ど、例えば、S期促進サイクリン依 存性キナーゼ、複製開始点認識複合体(ORC)、Cdc6、及びMcmタンパク質(これら はDNA結合タンパク質である)が菌類細胞と動物細胞の間で高度に保存される ことが判明したので、本発明の実験の結果による出芽酵母における原理のこの証 明はヒト細胞について高度に妥当である。本発明は、酵母で発見されたCdc6機能 及び前複製複合体の集合、またはそれらの抑制の夫々に関する原理がまたヒト細 胞についても有効であるという仮説の有効性に基いている。酵母とツメガエルの ような離れた関係の生物中の相同遺伝子の同定は今までのところ常に相同哺乳類 遺伝子の同定をもたらした。それ故、Cdc6のツメガエル同族体に関する最近の論 文(Dunphy,W.,Meeting“The Cell Cycle”,Cold Spring Harbour,1996年5月 )は、高等真核生物細胞、そしてまたヒト細胞中のDNA複製がまたS期及び M期促進Cdkが不活性であるG1期中のCdc6の存在及び活性に依存するという証明 である。それ故、前複製複合体を集合する細胞の能力の一時的抑制は、それが増 殖する酵母細胞に致死性であるのと同じ程度に迅速に分裂するヒト細胞に致死性 である。 複製起点は哺乳類細胞では未だに充分に特性決定されておらず、或る局面にお いて、酵母起点について異なることが判明し得る。それにもかかわらず、真核細 胞中の複製メカニズムの報告された保存に基いて、それらは同種タンパク質機能 に関与する同様の原理に従って作用することが仮定されるべきである。 本発明は、癌の治療のための、S期及び/またはM期を促進するサイクリン依 存性キナーゼを活性化する細胞の能力を損なわないで動物細胞中で前複製複合体 を形成または維持するcdc6pの機能に干渉する化合物の使用を提供する。 以下に、前複製複合体を形成または維持するcdc6pの機能に干渉する化合物を また“cdc6pインヒビター”と称する。 上記概念の利用において、本発明は動物細胞中でCdc6媒介前複製複合体形成及 び維持に干渉し得る癌治療用化合物を同定するためのスクリーニング方法を更に 提供する。 本発明の一実施態様において、このスクリーニング方法は前複製複合体の形成 の検出に基いている。例はクロマチンへのCdc6タンパク質の形成がCdc6に対して 誘導された抗体により検出されるアッセイである。 酵母cdc6タンパク質がクローン化され(Zhouら,1989)、その公表された酵母配 列に基いて、相同ヒトタンパク質が当業界で知られている方法、例えば、ヒトc DNAライブラリーを酵母配列に由来するDNAプローブによりスクリーニング することにより、またはPCR技術により得られる。ヒトCDC6 cDNAを得る別法は“ 発現クローニング”と称される当業界で知られている方法による相同ヒトcDN Aの発現による酵母中のcdc6(ts)対立遺伝子の機能相補性である。次いでヒトCD C6 cDNAが好適な宿主中で既知の方法に従って発現し得る(Maniatisら,1982)。 こうして得られたヒトcdc6タンパク質またはそのアミノ酸配列から誘導されたペ プチドがその後に既知の方法に従って使用されて抗体、好ましくはモノクローナ ル抗体を得、これらは通常のハイブリドーマ技術により産生される(例 えば、Harlow及びLane,1988を参照のこと)。 Cdc6p及びMcm7pはS.セレビジエではG1中に複製起点と特異的に会合するが、G2 中に会合しないことが本発明の実験で示された。起点とのMcm7の会合はCdc6に依 存する。 Cdc6の結合はクロマチンへのMcmタンパク質の結合の前提条件であることが判 明されていたので、Cdc6活性はまたクロマチンへのMcmタンパク質の結合を測定 することにより間接的に測定し得る。このようなアッセイは、塗抹され、固定さ れたクロマチンに結合されたmcmタンパク質の量のin situ免疫蛍光による測定に 基き得る。 前複製複合体の形成を検出することによりcdc6pインヒビターを同定するため のアッセイは、ヒト生細胞を使用して行い得る。この目的のために、迅速に分裂 する細胞、例えば、腫瘍細胞系からの細胞が増殖され、クロマチンへの一種以上 のタンパク質の結合に充分な期間にわたって試験物質とともにインキュベートさ れる。次いで細胞が溶解され、例えば、カバースリップに固定され、クロマチン へのcdc6p及び/またはmcmタンパク質の結合が上記のように測定される。同調さ れた細胞(これらはcdc6p合成の前の細胞サイクルの段階にある)の使用が有利 である。 関係する薬剤は細胞サイクルの狭いウィンドー中にのみ存在する活性に特異性 であることが必要であるので、まさにこのウィンドーを与えるin vitro系がまた cdc6pインヒビターを同定するのに有益である。このようなスクリーニングアッ セイはミクロタイタ・プレートアッセイとして行われてもよく、そのアッセイで は、ツメガエル卵エギス(Blow,J.J.及びLaskey,R.A.,1988)(これはDNAを複 製することができ、ぞれ故、cdc6p、及びクロマチン、例えば、ツメガエル精子 クロマチンをまた含む)は、cdc6pが前複製複合体を形成するのに充分な期間に わたって、試験物質の存在下でインキュベートされる。そのインキュベーション 期間後に、クロマチンへのCdc6タンパク質の集合が、免疫蛍光標識を有する抗cd c6抗体を使用して、簡単な免疫学的方法、例えば、in situ免疫蛍光により測定 し得る。複製することができるX.L.エキスに関する文献を参照のこと。 アッセイ系中のツメガエル成分の使用は動物細胞中で潜在的な薬剤の効力を得 るのに極めて有益である。in vitroツメガエル系を使用するスクリーニングアッ セイにおいてクロマヂンへのcdc6pの結合のインヒビターとして同定された化合 物がツメガエル組織培養細胞について迅速に試験されて迅速にサイクルする体細 胞に関するそれらの効果を確認し得る。 しかしながら、ヒト細胞からのエキス中のpre-RCの形成についてin vitroアッ セイを使用して化合物を試験することが好ましいであろう。これを行うために、 G1細胞から単離された精子クロマチンまたは核が高レベルのcdc6p及びサイクリ ン依存性キナーゼインヒビター、例えば、P21またはP27を発現するヒト細胞から 調製されたエキスに添加されるであろう。 ヒトタンパク質が酵母cdc6突然変異の致死性を救済することがわかった場合、 酵母細胞が酵母細胞中のヒトcdc6タンパク質の機能を分析するのに使用し得る。 本発明に従って使用し得る、cdc6pインヒビターを同定するための酵母をベー スとするスクリーニングアッセイの例は、Liangら,1995により行われた実験の 種類に基いており、彼らはcdc6が酵母中のorc突然変異のマルチサプレッサーで あり、即ち、orc突然変異を有する細胞がそれらの増殖のためにcdc6pの過剰発現 を必要とすることを示した。こうして、orc突然変異を有するサッカロミセス・ セレビジエ細胞、例えば、Liangら,1995により記載されたorc-5突然変異体また はorc-2突然変異体、及びCDC6配列(好ましくはヒト配列)を含み、その結果、c dc6pを過剰発現する誘導プラスミド、例えば、ガラクトース誘導プラスミドがス クリーニングアッセイに使用し得る。酵母細胞が増殖され、試験物質とともにイ ンキュベートされる。細胞を死滅させる物質がcdc6機能のインヒビターの候補で ある。 cdc6同族体の機能を分析する(そしてそれによりその機能に干渉する薬剤をス クリーニングする)別の手段は分裂酵母シゾサッカロミセス・ポンベ中で有糸分 裂の不在下でDNA複製の多ラウンドを誘導するCDC6/cdc18同族体の能力に基い ている(Muzi-Falconiら,1996,Nishitani及びNurse,1995)。試験物質によるcd c6機能の抑制はDNA含量の増加を無効にし、これが通常の手段、例えば、DAPI (4,6−ジアミド−2−フェニルインドール−二塩酸塩)による染色により測 定し得る。 cdc6機能をブロックするとともに、サイクリン依存性キナーゼの活性を損なわ ない薬剤についての上記スクリーニング方法の結果を狭くするために、対照を行 うことが必要である。好適な対照は、これらのキナーゼが依然として活性であり 、cdc6機能に干渉する薬剤の存在下で活性化し得ることを示す。このような対照 アッセイは、例えば、H1ヒストンリン酸化、及び/または免疫蛍光標識を有する 抗サイクリン抗体によるこれらのキナーゼの関連サイクリン(サイクリンE及び A)の蓄積によるキナーゼ活性(CDK2)の検出に基いてもよい。対照は一次スクリ ーンと平行に行われてもよい。このような対照は二次スクリーニング工程で行わ れることが好ましい。キナーゼ活性を保持しながらクロマチンへの結合を抑制し 、かつ/または細胞を関連サイクリン(ClnE、ClnE)を蓄積することから阻止しな い化学化合物がキナーゼ機能及び活性化を損なわないで残しつつcdc6活性をブロ ックするという要件を満足する。 pre-RCの検出に基く本発明のスクリーニング方法はcdc6p機能に干渉する薬剤 を同定するだけでなく、S期促進Cdkを早期に活性になるようにする薬剤を同定 することが予想される。このような薬剤はCdk抑制性タンパク質に干渉し、迅速 に分裂する腫瘍細胞に同等に毒性であり得ると予想される。何とならば、Cdkの 早期活性化はまたpre-RCに干渉するからであろう。 薬剤スクリーニングと平行して、酵母を用いて行われた本発明の実験の種類を 動物細胞中で行うことが有益である。これは遺伝子のバージョン(その転写が、 例えば、テトラサイクリン系を使用して自由に誘導でき、即ち、始動されたり、 停止されたりできる)によりマウス胚幹細胞の内因性CdC6遺伝子を置換すること により行い得る。この型の実験の実施可能性の前提条件は、マウスCdc6遺伝子の 単一コピーであるこどが判明することである。これはサザンハイブリダイゼーシ ョンの如き通常の方法により確認し得る。 本発明に従って同定された薬剤はcdc6機能に対するインヒビターであり、こう して薬剤がその効果を与えている時に迅速な細胞サイクルを行っているその他の 細胞に毒性であり得ることが留意されるべきである。このような細胞、即ち、幹 細胞、特に赤血球始原細胞及び血小板始原細胞のような骨髄からの幹細胞に対す る望ましくない副作用を阻止するために、このような細胞に特異性のシグナリン グ経路に干渉する付加的な薬剤が適用されてもよく、その結果、S期促進キナー ゼの活性化が腫瘍細胞に影響しないで阻止され、非腫瘍細胞が細胞サイクルのG1 期に静止されるとともに、cdc6pインヒビターがその効果を奏する。両方の薬剤 による患者の治療は低キナーゼ状態で幹細胞をブロックし、抗Cdc6薬剤が最早活 性ではない時にそれらにpre-RCを集合させるが、それは腫瘍細胞中でpre-RCを抑 制する抗cdc6薬剤の致死性を悪化しないであろう。可能な例はシクロスポリンの ような免疫抑制薬剤を使用することであり、それらは、それらの作用の様式のた めに、それらが低キナーゼ状態の腫瘍細胞をブロックする際よりもこのような状 態の骨髄細胞をブロックするのにおそらく有効である。正常細胞を保護するこの 概念は本発明の酵母実験で立証され、その実験はα−因子による低サイクリン依 存性キナーゼ状態の酵母細胞のブロッキングが細胞を“ノーリターンの時点”を 経過することから阻止し、それによりCdc6の合成のブロッキングと関連する致死 性を軽減することを示した。図面の簡単な説明 図1:pre-RCはG2/M中に形成し得ない。 図2:後期有糸分裂でCdc6の剥奪された細胞は次の細胞サイクルで複製すること ができないが、“還元的”後期を受ける。 図3:細胞はS期エントリーの時期で“ノーリターンの時点”を通過し、その後 Cdc6合成がDNA複製を促進することができない。 図4:CLB5及びCLB6の欠失がS期エントリーの遅延及び“ノーリターンの時点” の同様の遅延を生じる。 図5:B型サイクリン依存性Cdc28キナーゼがS期、G2期及びM期中にin vivoで Cdc6pと会合する。 図6:酵母におけるpre-RC/Cdk1サイクル 図7:ARSとのOrc2タンパク質、Cdc6タンパク質及びMcm7タンパク質のin vivoの 会合がホルムアルデヒド架橋及びその後の免疫沈殿により検出される。 図8:ARSとのCdc6p及びMcm7pの会合の細胞サイクル調節 図9:ARS及びクロマチンとのMcm7pの会合がCdc6pの存在に依存する。発明を実施するための最良の形態 特に示されない場合、下記の物質及び方法が実施例に使用された。 i)株、培地及び試薬 全ての酵母株はW303(HMLa、HMRa、ho、ade2-1、trp1-1、leu2-3,112、his3-1 1,15、ura3、ssd1)の誘導体であり、またはW303に少なくとも3回戻し交雑され た。実施例2B及びCに記載された実験(これらの場合、0.1%のガラクトースがYE PR培地に添加された)を除いて、細胞が2%のグルコース(YEPD)、2%のラフィ ノース(YEPR)または2%のラフィノース+2%のガラクトース(YEPRG)を示され たように補給されたYEP培地(1%の酵母エキス、2%のバクトペプトン、50mg/ lのアデニン)中で増殖された。メチオニンを欠いている合成培地(-Met培地)は アミノ酸、アデニン、ウラシル及び2%のグルコースを補給された酵母窒素塩基 (0.8%)である。 ii)プラスミド構築物及び遺伝子操作 通常の技術(Mortimer及びHawthorne,1969)が遺伝子交雑及びDNA操作(Ma-n iatisら,1982)に使用された。GAL-ubiCDC6構築物(C2835)を生成するために、CD C6のATGがPCRにより導入されたBamHI部位により置換された。その後、CDC6の2kb BamHI/(NdeI)HindIIIフラグメントがYIplac211(Gustav Ammererからの親切な 贈答品)中でGAL-ubiR-MCM1融合のMCM1フラグメントを置換するのに使用された 。得られたプラスミドがW303のURA3遺伝子座で単一コピーの組込みのためにApa Iで切断された。次いでこの株がK4055(cdc6::hisG、trp1::TRP1 MET-CDC6、Pi attiら,1995)に交雑されて、胞子形成後に、株K4675(cdc6::hisG、ura3::URA 3 GAL-ubiCDC6)を生成した。K4675がcdc15-2株(K1994)またはcdc7-1株(K2033) に交雑されて、胞子形成後に、株K5032(MATa、cdc15-2、cdc6::hisG、ura3::UR A3 GAL-ubiCDC6)、K5033(MATa、cdc15-2、cdc6::hisG、ura3::URA3 GAL-ubiCD C6)及びK5029(MATa、cdc7-1、cdc6::hisG、ura3::URA3 GAL-ubiCDC6)を生成 した。 ここに使用したCDC6のC末端HA3標識バージョンは、それがHis標識(プラスミ ドC2838)を含まない以外は、前記のもの(Piattiら,1995)と同様である。 C2838がW303のCDC6遺伝子座で単一コピーで組込まれて、その遺伝子のトランケ ートされた未標識バージョンにより隣接されたCDC6の完全長標識バージョン(株K 4528)を生成した。K4528が種々のcdc突然変異体に交雑されて、相当する二倍体 の胞子形成後に、実施例5に使用された株を生成した。 トリプルHA NotIカセット(Tyersら,1992)をCDC6のATG後に挿入することによ りGAL-HA3CDC6(C2837)がつくられ、この場合、NotI部位がPCRにより導入された 。次いで標識遺伝子(CDC6のNdeI部位で終了する)がCLB5リーダー配列の70bpを含 むGAL1-10プロモーターの下流でYiplac211中でクローン化された。続いて、その プラスミドがCDC6遺伝子座(一つのコピーで、株K5095、または五つのコピーで、 株K4527)における組込みのためにBclIで切断され、またはURA3(株5761)におけ る組込みのためにStuIで切断された。K5761がK4143(cdc15-2、cdc6::hisG、trp1 ::TRP1 MET-CDC6)に交雑されて胞子形成後に株K5763(cdc15-2、cdc6::hisG、ur a3::URA3 GAL-HA3CDC6)を生成した。 iii)細胞同調技術 cdc15-2ブロック/解放実験を行うために、細胞が指数的成長相まで増殖され 、濾過され、予め温められた培地に接種された。細胞サイクル静止が37℃で3時 間のインキュベーションにより得られ、次いで細胞が再度濾過され、25℃で解放 された。CDC6合成がGAL1-10プロモーター(GAL-ubiCDC6またはGAL-HA3CDC6)によ り調節される場合、細胞が濾過により回収され、予め温められたYEPR培地中で37 ℃で30分間にわたっでインキュベートされ(GALプロモーター・オフ)、その後 にYEPR中で25℃で解放された。誘導のために、2%のガラクトース(または実施 例3B及びCに記載された実験では0.1%)が異なる時点で細胞のアリコートに添加 された。 CDC6発現がMET3プロモーター(MET-CDC6)により誘導された場合、CDC6合成の許 容条件及び非許容条件が夫々-Met培地及びYEPD+2%メチオニンの使用により得ら れたことを除いて、細胞が上記のように処理された。 cdc15ブロックからの解放後に示された細胞分離欠陥ために、細胞の一部は細 胞分裂の前に複製し始め、FACSプロフィールで4Cピークを生じ、一方、その他の 部分はS期に入る前に分裂する。4C DNA含量を有する細胞は二核である必要があ り、一方、1C DNA含量を有する細胞は単核である必要がある。2C DNA含量を有す る細胞は二核または単核であってもよい。それ故、DNA複製を受けることがで きる細胞のフラクションを更に正確に定量するために、解放後の夫々の時点(2 時間まで)で、細胞のフラクションが1C DNA含量、2C DNA含量または4C DNA含量 でFACSによりスコアーを付けられ、そして同じ細胞サンプルについて単核細胞vs 二核細胞のフラクション(プロピジウムヨージド染色細胞について免疫蛍光によ り測定されたような)によりスコアーを付けられた。これは本発明者らが下記の 数式を使用することにより2C核(即ち、複製した核)の%を求めることを可能に した。%2C=100.(2.C4+U-C1)/(U+2.B) (式中、C1、C2、及びC4は1C、2C、ま たは4C DNA含量を有する夫々の時点の細胞のフラクションであり、かつU及びB は夫々単核細胞及び二核細胞のフラクションである) この数式の結果はcdc15解放直後のS期中に複製した核のフラクションを信頼で きる程に反映することが仮定し得るが、細胞サイクルのその後の段階中のその適 用は或る種の制限を有する。実際に、S期を完結した後、細胞のフラクションが 先の細胞分離を完結する前に有糸分裂を受けて、2より多い核を有する細胞を生 じる。これらの細胞は簡素化のために二核としてスコアーを付けられたので、こ れらの細胞が出現し始める時、2C核の%は過大推定されるようになる。何となら ば、4C DNA含量を有する細胞の一部が二つの2C核ではなく四つの1C核を有するか らである。別の制限がDNA複製の不在下で後期を受けるCdc6剥奪細胞の特徴か ら生じる。この場合、1C細胞は単核である必要があるという仮説は最早真実であ ることを保てない。Cdc6を欠いている細胞では、計算が<1C DNA含量を有する細 胞の出現により更に複雑にされる。それ故、上記式がこれらの細胞に適用される 場合、その結果は負の数であり得る。結諭すると、上記式はcdc15解放後の最初 のS期中にDNA複製を受けた核のフラクションを推定するのにのみ信頼できる 程に適用し得ると言い得る。 図6A及びBに記載されたノコダゾール静止/解放実験について、YEPRG中で指数 的に成長している細胞が25℃で2.5時間にわたって5mg/mlのノコダゾール(及び 最終濃度1%のDMSO)とともにインキュベートされた。次いで細胞が濾過され、 3倍容のYEPR+1%のDMSOで洗浄され、25℃でYEPR+2mg/mlのα因子(図6A)また は37℃でYEPR(図6B)中で3時間にわたってインキュベートされた。その後、細 胞が二つに分けられ、半分が2%のガラクトースの存在下で15分間にわたってイ ンキュベートされた。続いて、細胞が25℃で2時間にわたってα因子またはcdc7 ブロックからYEPRG培地またはYEPR培地に濾過により解放された。 iv)in vivoフットプリンティング YEPRG中で指数的に成長しているK5033細胞(MATa、CDC15-2、cdc6::hisG、ura3 ::URA3 GAL-ubiCDC6)が37℃で3時間のインキュベーションにより静止され、次 いで90分間にわたってYEPD+α因子(10mg/ml)に解放された。次いで培養物のアリ コートがYEPRG+α因子に移され、一方、その他がα因子からYEPD+ノコダゾール( 20mg/ml)に解放された。90分後に、細胞サンプルがin vivoフットプリンティン グのために取り出され、ノコダゾールを含む培養物の一部が90分間にわたってYE PRG+ノコダゾールに移された。夫々の条件から、2m起点に関するフットプリンテ ィング実験が50mlの培養物(2x107細胞/ml)についてDiffleyら,1994に従って行 われた。 v)ノーザンブロット分析及びウェスタンブロット分析 Cross及びTinkelenberg(1991)並びにPriceら(1991)により記載された方法が 夫々RNA単離及びノーザンブロット分析に使用された。 ウェスタンブロット分析について、タンパク質抽出物がSuranaら(1993)(図2C 及ひ4B)に記載されたようにして、またはTCA沈殿(Foianiら,1994)(実施例5B) により調製された。全抽出物50-150mgがイモビロンP膜(ミリポア)に移された 。HA標識Cdc6が12CA5 MAb(1:100)で検出され、一方、myc標識Cdc6がMAb 9E10 (1:200)により検出された。シグナルが前記のようにして増幅された(Piattiら ,1995)。抗SWi6 Abが1:100,000で使用され、抗Cdc28 Abが1:1000希釈で使用さ れた。二次抗体がアメーシャムから購入され、タンパク質が製造業者に従って増 進されたケミルミネセンス系により検出された。 vi)免疫沈殿アッセイ及びキナーゼアッセイ タンパク質抽出物がSchwobら,1994のようにして調製された。Clb2キナーゼア ッセイについて、全タンパク質100mgが抗Cdc28 Ab(1:30、Amonら,1992)を使 用して免疫沈殿された。Cdc6会合キナーゼを分析するために、HA3Cdc6またはCdc 6HA3が図の脚注に示された量のタンパク質抽出物から12CA5 Ab(1:10)で免疫沈 殿された。ヒストンH1キナーゼ活性が前記のように測定された(Schwobら,1994) 。 vii)ARS配列と関連タンパク質の間のin vivo会合の検出 これらの操作はHecht,A.ら,1996;Strahl-Bolsingerら,1997により記載され た方法に基いており、若干改良した。酵母細胞50ミリリットル(1.0-2.0’107細 胞/ml)が室温で15分間にわたって1%のホルムアルデヒドで架橋された。125mM のグリシンの添加及び5分間のインキュベーション後に、細胞が回収され、トリ ス緩衝食塩水で3回洗浄された。細胞破壊が溶解緩衝液(上記参考文献を参照の こと)400-800ml中でガラスビーズで行われた。そしてモデルAS1プローブを備え たミクロ超音波細胞ディスラプター(コンテス)を使用して、細胞エキスが夫々 15秒で4回音波処理された(クロマチンが500bpの平均サイズに剪断される)。 免疫沈殿がラットモノクローナル抗マウス免疫グロブリン(ダイナビーズM-450 、ダイナール)で被覆され、製造業者のプロトコルに従って前もって9E11(抗my c抗体)または12CA5(抗HA抗体)とともに3−8時間インキュベートされた磁気ビ ーズ(2.0’107ビーズ)で行われた。関連myc標識タンパク質の90%より多くが先 に架橋しないでこの操作により免疫沈殿され、50-60%が架橋後に免疫沈殿され ることが確認された。沈殿が洗浄され、上記文献に記載されたようにしてDNA 精製のために処理された。PCRが夫々抗町c抗体または抗HA抗体により免疫沈殿さ れた物質1/30-1/10または1/10(この量は上記PCRサイクル下でプラトー相に達し ないでPCR産物を増幅するように最適化される)、または先の架橋を含む全細胞 エキスに由来するDNAサンプル1/6000を用いて50mlの容積で行われた。Taqポ リメラーゼ(GIBCO/BRL)及び相当する緩衝液系が使用された。PCRプライマーが約 50%GC含量を有する20merとして設計されて、ARS1を含む領域について 夫々350、310、270及び228bpのサイズの染色体IVの左テロメアから454.5、458.5 、462.5(ARS1を含む)及び466.5kbに位置するゲノム配列を増幅し、またARS305 を含む領域について夫々240、270、310及び346bpのサイズの染色体IIIの左テロ メアから30.5、34.5、37.5及び39.5(ARS305を含む)kbに位置するゲノム配列を 増幅するように設計された。プライマーの四つの対が夫々のPCR反応に一緒に使 用された。夫々のプライマーの最終濃度(これは全ゲノムがあらゆる濃度で鋳型 として使用された時に夫々のフラグメントを均等に増幅するように設定された) は、ARS1を含む領域中で350bpまたは270bpを増幅するプライマー(夫々、450nM または180nMが使用された)以外は300nMであった。PCRサイクルにおいて、94℃ で3分間の初期変性、続いて94℃で1分間の変性、53℃で1分間のアニール、72 ℃で2分間の重合、及び72℃で7分間の最終伸長による30サイクルが行われた。 プライマー−ダイマー形成を避けるために、“熱開始”操作が製造業者のプロト コルに従って抗Taq抗体(Taq開始抗体、クロンテク)により行われた。PCR産物 の30%が2.3%のアガロースゲル中で分離され、0.2mg/mlのエチジウムブロミド で視覚化された。ゲル・プリント2000i(バイオフォトニクス)を使用して、ゲ ルが写真撮影された。 viii)その他の技術 フローサイトメトリーDNA定量がEpstein及びCross(1992)に従ってベクトン −ディキンソンFacscanで測定された。in situ免疫蛍光及び顕微鏡写真撮影がNa smythら(1990)に従って行われた。myc12Cdc6の免疫染色を検出するために、9E10 MAbが1:5希釈で使用され、CY3結合抗マウスAb(1:200、シグマ)を使用して、 シグナルが間接免疫蛍光により検出された。 実施例1 pre-RCがG2/Mに形成し得ない。 cdc15 GAL-ubiCDC6(K5033)細胞をCdc6タンパク質を剥奪した後にα因子また はノコダゾール中で静止した(物質及び方法を参照のこと)。静止中に、Cdc6タ ンパク質の合成をガラクトース培地へのシフトにより再度誘導した。図1中の三 角形は次第に増加する濃度のDNAse Iを示す。ORC誘導超感受性部位の位置をア ステリスクとして示す。 実施例2 後期有糸分裂中Cdc6の剥奪された細胞は次の細胞サイクル中に複製することがで きないが、“還元的”後期を受ける。 YEPRG培地中で増殖しているcdc15(K1993)及びcdc15 GAL-ubiCDC6細胞(K503 2)を37℃で3時間のインキュベーションにより静止した。その後、細胞を濾過 し、37℃でYEPR中で再度懸濁させ、30’後(時間=0)に、25℃でYEPR(図2A及 びB)またはYEPRG培地(図2C)中に解放した。図2D)に、図2A)、B)及びC)に記 載された同じ実験について、下記の数式で計算した2C核(即ち、DNA複製を受 けた核)のフラクションを示す。%2C=100.(2.C4+U-C1)/(U+2.B)(式中、C1、C2 、及びC4は1C、2C、または4C DNA含量を有する夫々の時点の細胞のフラクショ ンであり、かつU及びBは夫々単核細胞及び二核細胞のフラクションである)( 物質及び方法を参照のこと)。 実施例3 細胞はS期エントリーの時期に“ノーリターンの時点”を経過し、その後にCdc6 合成がDNA複製を促進することができない。 A)cdc15(K1993)細胞及びcdc15 GAL-ubiCDC6(K5032)細胞を実施例2のように して処理した。YEPR中のcdc15静止からの解放(t=0)後に、10’間隔で取り出され たcdc15 GAL-ubiCDC6培養物のアリコート(図3A中、右に示される)に2%のガ ラクトースを補給してCdc6合成を再度誘導した。夫々の独立の培養物について、 細胞サンプルを2時間にわたって30分毎にFACSにより分析した。夫々の時点の2C 核のフラクションを、実施例2に記載された式を使用して計算した(図2D)。図 3Aの右に示された時間は、培養物の夫々のアリコートがガラクトース培地に移さ れた時間を表す。 B)0.1%のガラクトースを使用してCdc6合成を再度誘導した以外は、A)で使用し たのと同じ実験操作をGAL-HA3CDC6株(K5763)に適用した(図3B)。B)と同じ実 験条件下で、異なる時点のHA3Cdc6の発現を誘導の30’後にウェスタン分析によ り評価した。Swi6pを内部ローディング対照として使用した(図3C)。 実施例4 CLB5及びCLB6の欠失はS期エントリーの遅延及び“ノーリターンの時点”の同様 の遅延を生じる。 YEPD中で増殖しているcdc15(K1993)及びcdc15 clb5 clb6(K5027)細胞を37 ℃で3.5時間にわたって静止し、次いで25℃で解放した。異なる時点で、細胞サ ンプルをFACS分析及び出芽インデックス(図4A)のため、またClb2依存性ヒスト ンH1キナーゼ活性(図4B)を分析するために取り出した。C)cdc15 clb5 clb6GAL -ubiCDC6細胞(K5231)を実施例3でK5032について記載されたようにして処理した 。YEPRへのcdc15静止からの解放(t=0)後に、10分間の間隔で取り出されたK5321 培養物のアリコートに2%のガラクトースを補給し、YEPRG中で180分間にわたっ てインキュベートした。夫々の個々の培養物から、細胞サンプルをFACS分析のた めに30分毎に回収し、実施例2に記載された式を使用して、2C核のフラクション を評価した。結果を図4Cに示す。 実施例5 B型サイクリン依存性Cdc28キナーゼがS期、G2期及びM期中にin vivoでCdc6p と会合する。 A)未標識CDC6(K699)またはCDC6のHA3標識バージョン(CDC6HA3、K4528)を含む 野生型細胞からの細胞エキスを12CA5 Abの存在下(+Ab)または不在下(-Ab)でイン キュベートした。免疫沈殿後に、ヒストンH1キナーゼを分析した(図5A)。 B)全てCDC6HA3遺伝子を含む、K4528(野生型)、K5275(cdc28-13)、K5082(cdc34-2 )、K5272(cdc7-1)、K5074(cdc34-2、sic1)、K5279(cdc15-2)細胞をYEPD中で25℃ で増殖させ、37℃で3.5時間にわたって静止させた。また、K4528細胞を80mMのヒ ドロキシ尿素(HU)を含むYEPD中で25℃で3.5時間にわたってインキュベートした 。細胞ザンプルを12CA5 Abによるウェスタンブロット(図5Bの下のパネル)、キ ナーゼアッセイ及びFACS分析(示されていない)のために回収した。 C(ローディング対照)は12CA5 Abと交差反応するタンパク質である。キナーゼ アッセイについて、Cdc6pをタンパク質抽出物0.5mgから12CA5 Abで免疫沈殿させ 、ヒストンH1キナーゼ活性を測定した(図5B)。 C)Cdc6会合キナーゼはCDC28に依存性である。両方がGAL-HA3CDC6の5コピーを 含む野生型(WT、K4527)及びcdc28-4(K5472)細胞をYEPR中で増殖させ、YEPRG中 で25℃で4時間にわたって誘導した。また、K5472細胞をYEPR中で37℃で3時間 にわたって静止させ、またはYEPRG中で1時間にわたって25℃でインキュベート し、次いで37℃で3時間にわたって静止させた。夫々の条件について、タンパク 質抽出物0.2mgを12CA5 Abで免疫沈殿させ、会合キナーゼ活性を測定した(図5CR :ラフィノース、G:ガラクトース)。 D)Cdc6会合キナーゼをp40SIC1により抑制する。YEPR中25℃で増殖され、または YEPRG中4時間誘導されたK4527からのタンパク質抽出物1mgを12CA5 Abで免疫沈 殿させ、最後の洗浄工程の前に四つのアリコートに分けた。キナーゼ活性を示さ れた量の精製p40SIC1の不在下または存在下で測定した。R:ラフィノース、G :ガラクトース。p40SIC1の添加はおそらく非特異性キナーゼによるp40SIC1のリ ン酸化のために二つの付加的なシグナルの出現を生じる。E)Cdc28pはCdc6pと同 時免疫沈殿する。Cdc6pをYEPR中25℃で増殖され、YEPRG中4時間誘導されたK452 7細胞のタンパク質抽出物(5mg)から12CA5 Abで免疫沈殿させた。プロテインA− セファロースビーズをSDS緩衝液中で沸騰させ、Cdc28 Ab(1:500)を使用してウェ スタンブロットにより分析した(図5D、R:ラフィノース、G:ガラクトース) 。 実施例6 ARSとのOrcタンパク質、Cdc6タンパク質及びMcm7タンパク質のin vivo会合 これらの会合をホルムアルデヒド架橋及びその後の免疫沈殿により検出した。 (A)ARS1及びARS305とのOrc2pのin vivo会合。PCRを同時沈殿したクロマチンフ ラグメント(図7A、レーン1−4)、鋳型のための先の架橋(レーン5、8)ま たはその連続の4倍希釈(レーン6、7、9、10)による全細胞エキス(WCE)か らのDNAサンブル及びARS1の周囲の三つの領域及びARS1を含む領域を増幅す るためのプライマーの四つの組を用いて行った(上部)。同様の操作をARS305に ついて使用した(下部)。これらのDNAサンプルを細胞から調製し、これらを Orc2のmyc標識を用いて(K6447、レーン2−4、8−10)または用いずに(K699、 レーン1、5−7)YEPR中で25℃で非同調的に培養した。免疫沈殿操作を先の架 橋を用いて(レーン1−3)または用いずに(レーン4)、抗myc抗体を用いて (レーン1、3、4)または用いずに(レーン2)行った。 (B)ARS1(図7B上部)及びARS305(下部)とのCdc6p及びMcm7pのin vivo会合。PCR を同時免疫沈殿したクロマチンフラグメント(レーン1−8)、先の架橋による WCEからのDNAサンプル(レーン9−12)を用いて行った。これらのサンプル をmyc標識を用いずに(K699、レーン1、9)またはMcm(K6210、レーン2−4、1 0)、Cdc6(K6302、レーン5−7、11)またはCse1(K6182、レーン8、12)に ついてそれらを用いて非同調的に増殖している細胞から調製した。免疫沈殿操作 を先の架橋を用いて(レーン1−3、5、6、8)または用いずに(レーン4、 7)、抗myc抗体を用いて(レーン1、3、4、6−8)または用いずに(レー ン2、5)行った。 (C)ARS1突然変異はARS1(図7C上部)とのOrc2p、Cdc6p及びMcm7pのin vivo会 合を無効にするが、ARS305(下部)とのその会合を無効にしない。PCRを同時免 疫沈殿したクロマチンフラグメント(レーン1−12)、先の架橋によるWCEから のDNAサンプル(レーン13−15)を用いて行った。これらのサンプルをmyc標 識を用いずに(レーン1−3)またはOrc2(レーン4−6)、Mcm7(レーン7− 9、13−15)またはCdc6(レーン10−12)に融合されたそれらを用いて非同調細 胞から調製した。これらの細胞は野生型ARS1(レーン1 K6653、レーン4 K6649 、レーン7+13 K6670、レーン10 K6675)、要素A中の突然変異(レーン2 K66 38、レーン5 K6641、レーン8+14K 6639、レーン11 K6673)またはARS1中に要 素B1-3中の突然変異(レーン3 K6667、レーン6 K6662、レーン9+15 K6666、 レーン12 K6672)を宿している。無myc-標識、Orc2-myc、Cdc6-mycを発現する株 のWCEからのDNAを用いるPCRはMcm7-mycの場合の結果と同様の結果を生じた( データは示されていない)。ARS1突然変異体及びその野生型の中で、FACSにより 測定したDNA含量に有意差がなかった。 実施例7 ARSとのCdc6p及びMcm7pの会合の細胞サイクル調節 (A)細胞サイクル同調細胞中のARS1とのCdc6pのin vivo会合。Cdc6-mycホモ接 合二倍体の小さいG1細胞(K6691)を遠心水ひにより単離し、次いでYEPR中で25℃ で解放した。PCRの鋳型DNAを免疫沈殿(0-200分)またはWCE後の夫々の時点で 同じ容積のサンプルに由来するホルムアルデヒド架橋細胞から調製した(結果を 図8Aに示す。最も左のレーンは0分のサンプルを示す)。その他の時点でWCEか らのDNAは0分と殆ど同じ結果を示す(データは示されていない)。出芽細胞 及び長いスピンドルを有する細胞の%、並びにFACSにより測定したDNA含量を また示す。 (B)細胞サイクル同調細胞中のARS1(図8B上部)及びARS305(下部)とのMcm7p のin vivo会合。Mcm7-mycホモ接合二倍体の小さいG1細胞(K6465)を遠心水ひによ り単離し、次いでYEPR中で25℃で解放した。PCRの鋳型DNAを(A)と同じ方法で 調製した。出芽細胞、長いスピンドルを有する細胞及びMcm7pの核蓄積を示す細 胞の%並びにFACSにより測定したDNA含量をまた示す。 実施例8 ARS及びクロマチンどのMcm7pの会合はCdc6pの存在に依存する。 GAL-ubi-CDC6・Dcdc6・MCM7-mycホモ接合二倍体の早期G1細胞(K6484)を、75分 間にわたって培地からのガラクトースの除去によりCdc6pを枯渇した後に遠心水 ひにより単離した。続いてそれらをYEPR(Gal-)またはYEPRGal(Gal+)培地中で2 5℃で解放した。 ARS1(図9上部)及びARS305(下部)とのMcm7pのin vivo会合。PCRの鋳型D NAを示された時点で図8Aと同じ方法で調製した。出芽細胞及びMcm7pの核蓄積 を示す細胞の%並びにFACSにより測定したDNA含量をまた示す。 また、in situ免疫蛍光による2種の培養物中のMcm7-mycの細胞位置の測定は またMcm7pが野生型細胞に比べて若干低い程度ではあるが、Cdc6pを欠いたG1細胞 の開始集団中の殆どの細胞の核中で濃縮されることを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/00 C12Q 1/48 Z 1/48 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 C12N 5/00 B (72)発明者 ディフリー ジョン イギリス ハートシャー エイエル3 5 ジェイエイチ セント アルバンス フォ ーリー レーン 90

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 迅速に分裂する細胞、特に腫瘍細胞を、DNA複製を抑制することにより死 滅させる方法に使用するための、S期及び/またはM期を促進するサイクリン 依存性キナーゼを活性化する細胞の能力を損なうことなく、動物細胞中で前複 製複合体を形成または維持するcdc6タンパク質の機能に干渉する化合物。 2. 癌治療に使用するための、請求の範囲第1項に記載の化合物。 3. 動物細胞中でDNA複製に干渉する能力を有する請求の範囲第1項に記載の 化合物のスクリーニング方法であって、試験化合物をDNA複製に必要とされ る成分を含む基質に適用し、前複製複合体を形成または維持するcdc6タンパク 質の能力に関する基質の効果を直接または間接に測定することを特徴とする、 前記スクリーニング方法。 4. DNAを複製することができる卵エキスとクロマチンの混合物を含む基質を 、cdc6pが前複製複合体を形成するのに充分な期間にわたって、試験化合物と ともにインキュベートし、クロマチンへのCdc6タンパク質の集合を直接に測定 する、請求の範囲第3項に記載の方法。 5. ヒト精子タロマチンまたはヒトG1細胞から単離された核、高レベルのcdc6p を発現するヒト細胞から調製されたエキス、及びサイクリン依存性キナーゼイ ンヒビターの混合物を含む基質を、cdc6pが前複製複合体を形成するのに充分 な期間にわたって試験化合物とともにインキュベートし、クロマチンへのCdc6 タンパク質の集合を直接に測定する、請求の範囲第3項に記載の方法。 6. クロマチンへのCdc6タンパク質の集合を抗cdc6抗体により測定する、請求の 範囲第4項または第5項に記載の方法。 7. 抗cdc6抗体が蛍光標識を有する、請求の範囲第6項に記載の方法。 8. 基質が、迅速に分裂する動物細胞、特に腫瘍細胞系に由来するヒト細胞を含 み、cdc6pが前複製複合体を形成するのに充分な期間にわたって試験化合物の 存在下で細胞をインキユベートし、細胞を溶解し、クロマチンへのCdc6タンパ ク質の集合を直接に測定する、請求の範囲第3項に記載の方法。 9. 基質が、orc突然変異及びヒトCDC6配列を含む誘導プラスミドを有する酵母 細胞を含み、その結果それらがcdc6pを過剰発現し、細胞を増殖させ、試験物 質とともにインキュベートし、cdc6p機能を抑制する化合物の効果を細胞の生 存度を測定することにより間接的に測定する、請求の範囲第3項に記載の方法 。 10.S期及び/またはM期を促進するサイクリン依存性キナーゼの活性化を損な わない化合物の能力を、キナーゼ活性及び/またはサイクリン蓄積を測定する ことにより測定する、請求の範囲第3項〜第9項のいずれか一項に記載の方法 。 11.請求の範囲第1項に記載の化合物を活性成分として含むことを特徴とする、 医薬組成物。
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