JP2000350737A - リン酸カルシウム系セメント用混練器具及びリン酸カルシウム系セメント混練物の調製方法 - Google Patents

リン酸カルシウム系セメント用混練器具及びリン酸カルシウム系セメント混練物の調製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸カルシウム系セメントを容易に混練す
ることができ、異物、雑菌等の混入が抑えられる混練器
具、及びこの混練器具を用いてセメントと純水等の混練
液とを十分に混練することができる混練物の調製方法を
提供する。 【解決手段】 基体部11と、その一端に形成されるノ
ズル部12とを有する管状体1と、基体部内を摺動可能
に設けられるピストン2と、基体部内に収容される比重
4.5以上、特に5以上、更には6以上の混練子と、を
備えるリン酸カルシウム系セメント用混練器具を得る。
混練子は特定の直径を有する球形であることが好まし
く、個数は2〜6個が最適である。この混練器具の基体
部内にリン酸カルシウム系セメントと、純水等を主成分
とする混練液とを投入し、器具を謡動させ、混練子によ
ってセメントと混練液とを混練した後、ピストンを移動
させてノズル部より混練物を押し出し、骨欠損部等の適
用部位へ充填乃至塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用のリン酸カ
ルシウム系セメントを純水等の混練液によって混練し、
骨欠損部等の適用部位に充填乃至塗布する際に使用され
るリン酸カルシウム系セメント用混練器具及びこの混練
器具を用いたリン酸カルシウム系セメント混練物の調製
方法に関する。特に、本発明は、リン酸カルシウム系セ
メントを混練し、得られる混練物を骨折又は骨粗鬆症等
により生じた生体骨の欠損部位等に充填したり、金属、
セラミックス等からなる人工骨を生体骨に固定するため
の接着剤として塗布したりして用いられるリン酸カルシ
ウム系セメント用混練器具及びリン酸カルシウム系セメ
ント混練物の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸カルシウム化合物を主成分とする
リン酸カルシウム系セメントは、生体骨、歯等の組織を
構成する無機成分と同じ組成であるため、生体親和性が
高く、整形或いは形成等の医療分野で非常に有用であ
る。このようなリン酸カルシウム系セメントは、通常、
以下のようにして使用される。先ず、乳鉢等でリン酸カ
ルシウム化合物からなるセメントと、純水等の混練液と
を混合する。その後、これを混練し、得られる混練物を
注射器又はヘラ等を用いて骨及び歯の欠損部等に充填
し、或いは塗布し、次いで、これを硬化させ、硬化物と
する。
【0003】しかし、乳鉢等によりリン酸カルシウム系
セメントと純水等の混練液とを均一に混練することは容
易ではない。また、得られる混練物を注射器に填入する
のは、特に、混練物の粘度によっては煩雑な操作を要す
る。更に、乳鉢等による混練、或いは混練物の注射器へ
の填入等の操作の際に、混練物に異物及び雑菌等が混入
する恐れもあり、いずれにしても混練、填入等の操作は
細心の注意を払って行う必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題を解決するものであり、リン酸カルシウム系セメ
ントを容易に混練することができ、混練物に異物或いは
雑菌等が混入しないリン酸カルシウム系セメント用混練
器具を提供することを目的とする。また、本発明は、こ
の混練器具を用いてリン酸カルシウム系セメントと純水
等の混練液とを十分に、且つ容易に混練することができ
るリン酸カルシウム系セメント混練物の調製方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明のリン酸カルシ
ウム系セメント用混練器具は、基体部と、該基体部の一
端に形成されるノズル部とを有する管状体と、該基体部
内を摺動可能に設けられるピストンと、該基体部内にお
いて該ノズル部と該ピストンの先端面によって形成され
る空間に収容される比重4.5以上の混練子と、を備え
ることを特徴とする。
【0006】また、第3発明のリン酸カルシウム系セメ
ント混練物の調製方法は、請求項1又は2記載のリン酸
カルシウム系セメント用混練器具の上記基体部内におい
て上記ノズル部と上記ピストンの先端面によって形成さ
れる空間に、リン酸カルシウム系セメントと混練液とを
投入し、その後、上記リン酸カルシウム系セメント用混
繰器具を揺動させて上記リン酸カルシウム系セメントと
上記混練液とを混練することを特徴とする。この混練に
より得られる混練物は、ピストンをノズル部の方向へと
移動させることによって押し出され、骨欠損部等に充填
乃至塗布される。
【0007】上記「管状体」の外面形状は特定されず、
どのような形状であってもよいが、上記「基体部」の内
面は、ピストンを摺動させることができ、且つセメント
及び混練液が漏出しない形状でなければならない。この
内面形状は第2発明のように「円筒形」であることが好
ましい。また、管状体は主に基体部により構成されてい
るが、この基体部の一端には上記「ノズル部」が形成さ
れている。基体部の他端は開放されており、ここからセ
メント及び混練液が投入され、ピストンが装着及び脱着
される。セメント及び混練液の投入は、基体部内にセメ
ントと混練子とを投入し、ピストンを装着した後、注射
器に入れられた混練液をノズル部から注入することによ
って行うこともできる。ノズル部の内面形状は特に限定
されず、混練物の押し出しに必要な形状及び内寸法を有
しておればよいが、その外部は市販のカテーテル及び注
射針等を取り付けることができる形状とすることが好ま
しい。このようにノズル部にカテーテル及び注射針等を
取り付ければ、混練物を骨欠損部等の適用部位に容易に
且つ的確に充填乃至塗布することができる。
【0008】基体部内へのセメント及び混練液の投入量
は、充填乃至塗布等の作業に要する一回分の量、或いは
これを少し超える量、例えば、一回の必要量が約30ミ
リリットルであれば、30〜40ミリリットル、特に3
0〜35ミリリットル程度とすることが好ましい。これ
は一回分の必要量未満の投入量であると混練作業を複数
回行わなければならず、しかも、異物、雑菌等が混入す
る恐れも高くなるためである。一方、投入量が一回分の
必要量を超える場合は、余剰の混練物は使用されずに廃
棄されることになるためである。
【0009】上記「ピストン」は、基体部内を摺動可能
に設けられ、基体部内に投入されるセメント及び混練液
が外部へ漏出することがないものであればよい。また、
このピストンは、混練操作後、基体部内の混練物を効率
よく外部へ押し出すことがでるものであればよい。ピス
トンのノズル部側の端部には、特に、混練液等が漏出し
ないようにシリコーンゴム、ウレタンゴム等からなるシ
ール部材が取り付けられていることが好ましい。更に、
ピストンの他端部側は、混練物を押し出すために基体部
内にピストンを押し込む際の操作がし易いような形状に
形成されていることが好ましい。
【0010】また、ノズル部の先端は、このままでは、
投入されたセメント及び特に純水等の混練液、並びに生
成する混練物が、混練操作の途中において漏出してしま
うため、混練物の押し出しまでは何らかの手段で閉止し
ておく必要がある。その手段としては、取り付け、取り
外しが可能な蓋、ノズル部に挿入して閉止するピン、ノ
ズル部と一体に成形され、混練物の押し出し時には折り
取って開口する一体成形物等が挙げられる。これらの閉
止手段はいずれであってもよいが、特に、この一体成形
物であれば、折り取らない限り内容物の漏出が確実に防
止され、混練器具が使用済みか未使用かを外見から容易
に知ることもできる。
【0011】基体部、ノズル部、ピストン、蓋及び一体
成形物等の材質は、セメント及び混練液を変質させるこ
となく、且つそれらの成分によって劣化することがない
限り特に限定されず、合成樹脂、硬質ゴム、金属等を使
用することができる。これらのうちでは、中空成形、一
体成形等の成形性に優れ、所要形状の管状体及びピスト
ン等を精度よく成形することができ、耐薬品性等が良好
な合成樹脂が特に好ましい。そのような合成樹脂として
は、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエ
ステル等を使用することができる。
【0012】基体部内においてノズル部とピストンの先
端面によって形成される空間に収容される上記「混練
子」の形状は特に限定されない。この混練子は、基体部
の内面を傷付けることがなく、基体部内で容易に揺動し
て混練が効率よくなされ、混練後、混練物が混練子の表
面等に付着し、残留しないような形状であることが好ま
しい。その材質としては金属、セラミックス等が挙げら
れるが、「比重が4.5以上」であって重量があり、混
練の効率がよい金属及びセラミックスが使用される。ま
た、混練子の摩耗或いは混練子の成分の溶出等による混
練物への不純物の混入の恐れが少なく、混入したとして
も生体に及ぼす悪影響が少ないセラミックスがより好ま
しい。
【0013】更に、効率よく混練するためには混練子の
比重をより大きくすることが好ましく、比重5以上、特
に比重6以上(通常、25以下、特に、生体不活性な材
質で比重の大きい白金の比重である21.4以下であ
る。)の混練子とすることが好ましい。この比重の大き
い混練子としては、金属製及び比重の大きいセラミック
ス、或いは内部を金属により構成し、その表面をセラミ
ックスによって被覆したもの等が挙げられる。また、セ
ラミックス及び金属ばかりでなく、合成樹脂等、他の材
質を種々に組み合わせた混練子であって、その比重が
4.5以上であるものを挙げることができる。但し、最
表面はセラミックス等の生体内での悪影響の少ない材質
によって形成することが好ましい。
【0014】混練子は第2発明のように球形であること
が好ましい。この混練球は、基体部内に少なくとも1個
収容されておればよいが、効率よく均一に混練すること
ができ、且つ混練物を効率よく押し出すことができ、基
体部内に残留する混練物をできるだけ少なくするために
は、第2発明のように、その個数を2〜6とすることが
好ましい。また、混練球は、基体部内に収容することが
でき、且つノズル部から排出されない程度の大きさであ
ればよいが、第2発明のように、それぞれの混練球の直
径を、式(1)から算出される数値以下とすることが好
ましい。 混練子の直径=[sin(π/n)/{1+sin(π
/n)}]×d (1) n;混練子の数、d;基体部の内径
【0015】式(1)によって算出される混練球の直径
は、管状体の基体部の径方向の任意の断面において、そ
れぞれの個数の混練球が互いに接して、且つ基体部の内
面に接して並び得る直径を意味する。これを図によって
表せば図2のようになる。混練物を管状体外へ押し出す
ためにピストンをノズル部の側に移動させた場合に、流
動する混練物の押圧力によって、混練球は、ノズル部近
傍において、図2のように互いに接して、また、ほぼ同
一平面上に並ぶことになり、これによって管状体内に残
留する混練物を最小限に抑えることができる。特に、図
2(c)〜(f)の混練球が3〜6個である場合は、中
央部に混練球が配置されない部分があるため、ノズル部
が混練球によって塞がれることがなく、混練物の押し出
しをより容易に、且つ確実に行うことができる。尚、図
2(a)の混練球が1個の場合、及び図2(g)の混練
球が7個の場合は、第2発明の範囲外であり、ノズル部
が混練球によって塞がれてしまい押し出しが容易ではな
いこともあって、管状体内に残留する混練物が増加する
傾向にある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1に示すリン酸カルシウ
ム系セメント用混練器具及びそれを用いて混練物を調製
する方法を実施例によって詳しく説明する。 [1]リン酸カルシウム系セメント用混練器具の構成 図1に示すリン酸カルシウム系セメント用混練器具(以
下、単に「混練器具」という。)の管状体1と蓋3はポ
リプロピレン製である。ピストン2もポリプロピレン製
であり、その先端部にはシリコーンゴム製のシール部材
21が装着されている。この管状体1及びピストン2は
市販のもの(テルモ株式会社製)を使用した。管状体1
の基体部11の内径は23.3mmであり、その内容量
は30ミリリットルである。また、基体部11の一端部
の中央にはノズル部12が設けられており、ノズル部1
2の内径は4mmである。更に、管状体1内には混練球
4が収容されている。その材質、個数はそれぞれの実施
例及び比較例によって異なる。
【0017】[2]リン酸カルシウム系セメント混練物
の調製方法 セメント混練物の調製は以下の手順に従って行った。先
ず、ノズル部からのセメント及び混練液の漏出を防ぐた
めに蓋を取り付け、基体部内に所定の直径の混練球を所
要個数投入した。その後、基体部内に所定量のセメント
と混練液とを投入し、ピストンを基体部の開放端から所
定深さまで挿入した。次いで、混練器具を手動で30秒
間揺動させ、セメントと混練液とを混練し、混練物を調
製した。この混練物は、蓋を取り外し、ピストンを管状
体のノズル部の方向へ押し込むことにより、ノズル部か
ら押し出すことができる。
【0018】[3]混練物の評価 (1)従来の混練方法との比較 混練物の調製 表1に示すセメント(リン酸水素カルシウム及びリン酸
四カルシウムの等モル混合物)と混練液(純水)とを、
(1)に記載の混練器具を用いて(2)に記載の方法に
よって混練し、実施例1の混練物を得た。粉液比(重量
比)は0.27とし、混練球としてはステンレス鋼製
(比重;7.9)のものを3個使用した。また、同じセ
メントと混練液とを乳鉢によって粉液比0.27で混練
し、比較例1の混練物を得た。
【0019】均一性の評価 上記の混練物の調製において混練液として赤色色素を
含有する純水を用い、得られる混練物の色むらを目視で
観察することによりセメントの混練状態を評価した。そ
の結果、本発明の混練器具を使用した場合は、混練操作
が非常に容易であって、しかも、従来のように乳鉢によ
って混練した場合と同様に均一に混練されていることが
確認された。
【0020】JIS T 6602に準ずる方法によ
る濡れ圧縮強度の測定 混練物を深さ11mm、直径6mmの金型に充填した
後、37℃、相対湿度100%の条件下、1時間硬化さ
せた。その後、硬化物を金型から取り出し、37℃の疑
似体液(Na+;142.0mM、K+;5.0mM、C
2+;2.5mM、Mg2+;1.5mM、HCO3 -
4.2mM、Cl-;148.0mM、HPO4 2-;1.
0mM、SO4 2-;0.5mM、トリス緩衡液;33.
3mM及び塩酸36mMを含有する水溶液)中に24時
間浸漬した。次いで、濡れたまま圧縮強度試験機(イン
ストロン社製)によって濡れ圧縮強度を測定した。結果
を表1に併記する。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果より、本発明の混練器具によっ
て調製した混練物は、容易な混練操作で、従来のように
乳鉢を使用して調製した混練物と同等の均一性で混練す
ることが可能であり、また、従来の方法と同等の濡れ圧
縮強度を有する混練物が得られることが分かる。
【0023】(2)混練球の比重及び個数の評価 [1]に記載の混練器具において混練球として表2のも
のを用いて混練物を調製した。セメントとしては、リン
酸水素カルシウム及びリン酸四カルシウムの等モル混合
物を15g、混練液としては純水を粉液比0.27で使
用した。これらの混練物の混練状態を、混練液として赤
色色素を配合した純水を用い、得られる混練物の色むら
を目視で観察することによって評価した。また、混練物
を混練器具から押し出した後に管状体内に残留する混練
物の割合を下記のようにして算出した。これらの結果を
表2に併記する。尚、混練状態の評価基準は、○;完全
に均一、△;多少の色むらがあり、十分に均一に混練さ
れていない×;色むらが激しく、均一に混練されていな
い、の3段階である。 残留する混練物の割合(%)=(管状体内に残留する混
練物の重量/投入されたセメントと混練液との合計重
量)×100
【0024】
【表2】
【0025】実施例2〜6及び13〜16並びに比較例
2、3では、いずれも直径が10mmの混練球を3個使
用している。実施例2〜6及び13〜16では混練性は
いずれも良好であり、残留量もほとんど変わらず、比重
が5.1以上であれば十分に混練がなされ、残留する割
合も30%以下と優れていることが分かる。一方、比重
が3.9のアルミナ球を用いた比較例2では、混練性が
やや劣り、比重が0.9と軽量なポリプロピレン球を用
いた比較例3では、混練性が非常に劣り、且つ混練物の
大部分が管状体の内部に残留してしまい実用的ではない
ことが分かる。
【0026】また、実施例4及び実施例7〜12では、
いずれも比重7.9のステンレス鋼からなる混練球を使
用し、その直径及び個数を変えて最適値を求めた。その
結果、混練球の直径が、管状体の基体部の内径に基づき
前記の式(1)より算出された直径を越える実施例7及
び9では、管状体内に残留する混練物の割合が高く、式
(1)より算出された値以下の直径を有する混練球を使
用した実施例4及び8では残留する混練物が少ないこと
が分かる。これは第2発明の効果を裏付けるものであ
る。
【0027】更に、実施例4、8、10〜12では、混
練球の直径と数とを組み合わせ、混練球の最適な個数を
検討した。その結果、直径の大きい混練球を1個使用し
た実施例10では、混練物を押し出す際に混練球がノズ
ル部を塞いでしまうため、速やかな押し出しがやや困難
であった。また、直径7mmの混練球を7個使用した実
施例12でも、混練物を押し出す際に混練球が上手く配
置されないためノズル部が混練球によって塞がれてしま
い、速やかな押し出しが容易ではなかった。これらの結
果から、混練球の個数は第2発明のように2〜6個が最
適であるといえる。
【0028】
【発明の効果】第1発明のリン酸カルシウム系セメント
用混練器具、及び第3発明のリン酸カルシウム系セメン
ト混練物の調製方法によれば、リン酸カルシウム系セメ
ントを迅速に混練することができ、適用部位に容易に充
填乃至塗布することができる。また、混練時に異物、雑
菌等の混入を抑えることもできる。更に、第2発明に記
載の混練球を使用することにより、混練物の押し出しが
容易になるとともに管状体内に残留し、使用されないこ
ととなる混練物を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は混練物を押し出す前の混練器具の断面
図である。(b)は混練物を押し出した後の混練器具の
断面図である。
【図2】(a)は1個の混練球、(b)は2個の混練
球、(c)は3個の混練球、(d)は4個の混練球、
(e)は5個の混練球、(f)は6個の混練球及び
(g)は7個の混練球を使用し、混練物を押し出した場
合の混練球の配置を模式的に表す説明図である。
【符号の説明】
1;環状体、11;基体部、12;ノズル部、2;ピス
トン、21;シール部材、3;蓋、4;混練球。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 昌晃 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 奥山 雅彦 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4C052 HH01 HH05 HH08 HH10 4G056 AA08 CC01 CC04 CC31 CC35 CD01 CD02 CD11 CD36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体部と、該基体部の一端に形成される
    ノズル部とを有する管状体と、該基体部内を摺動可能に
    設けられるピストンと、該基体部内において該ノズル部
    と該ピストンの先端面により形成される空間に収容され
    る比重4.5以上の混練子と、を備えることを特徴とす
    るリン酸カルシウム系セメント用混練器具。
  2. 【請求項2】 上記基体部の内面形状が円筒形であり、
    上記混練子が球形であって個数が2〜6であり、該混練
    子は上記ノズル部から排出されることがなく、且つその
    直径は下記の式(1)より算出される数値以下である請
    求項1記載のリン酸カルシウム系セメント用混練器具。 混練子の直径=[sin(π/n)/{1+sin(π
    /n)}]×d n;混練子の個数、d;基体部の内径
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のリン酸カルシウム
    系セメント用混練器具の上記基体部内において上記ノズ
    ル部と上記ピストンの先端面によって形成される空間
    に、リン酸カルシウム系セメントと混練液とを投入し、
    その後、上記リン酸カルシウム系セメント用混繰器具を
    揺動させて上記リン酸カルシウム系セメントと上記混練
    液とを混練することを特徴とするリン酸カルシウム系セ
    メント混練物の調製方法。
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