JP2000338982A - 音響処理システム - Google Patents

音響処理システム

Info

Publication number
JP2000338982A
JP2000338982A JP11147251A JP14725199A JP2000338982A JP 2000338982 A JP2000338982 A JP 2000338982A JP 11147251 A JP11147251 A JP 11147251A JP 14725199 A JP14725199 A JP 14725199A JP 2000338982 A JP2000338982 A JP 2000338982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
output
devices
processing system
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11147251A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Noto
広之 野戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP11147251A priority Critical patent/JP2000338982A/ja
Publication of JP2000338982A publication Critical patent/JP2000338982A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の音響処理を同時に実施する場合でも、
音響入力装置や音響出力装置の共用を可能にする。 【解決手段】 複数の音響出力装置131 〜141 と、音を
デジタルの形態で入力する複数の音響入力装置111 〜12
1 とを、空間101 に配置する。各音響出力装置に出力さ
せる出力波形をデジタルの形態で算出する出力波形算出
装置150 を具える。複数の音響入力装置が入力する音に
基づき音源位置を推定し、この推定位置に基づき各音響
出力装置の指向性を制御する音響入力装置制御装置160
を具える。各音響入力装置、各音響出力装置、出力波形
算出装置および音響入力装置制御装置間を接続してい
て、デジタル伝送をするネットワーク180 を具える。各
音響入力装置が音を入力するタイミングを同期させる信
号および各音響出力装置が音を出力するタイミングを同
期させる信号を発生する同期信号発生装置190 を具え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は音響処理システム
に関するものである。
【0002】
【従来技術】例えばパーティ会場やオフィスなどの広い
空間で多数の人が歓談中や作業中の際に、該空間の互い
に離れた位置の人同士が対話する必要がある場合、両者
の間の各種の騒音が妨げとなって直接の対話は難しい。
無理に対話する場合には互いに大声で対話を行うことに
なる。このような場合、電話やインターホンなどによっ
て通話するのが普通であるが、その場合も、受話器やボ
タン操作などの操作を必要としない、ハンズフリーの通
話が好適である。より好ましくは、通話者がハンズフリ
ー電話器などの特殊な装置を持つことなく上記の通話が
できる音響処理システムを、パーティ会場やオフィス自
体が、自身の設備として持つのが好適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような音響処理
システムとして、例えば、以下に説明するような音響処
理システムが考えられる。図19は、このような音響処
理システム10の構成を示したブロック図である。
【0004】この音響処理システム10は、パーテイー
会場や会議室などの空間11に配置された複数の音響入
力装置13a〜13pと、複数の音響出力装置15a〜
15hと、複数の音源位置推定装置17a、17bと、
複数の空間指向性マイクロホン処理装置19a、19b
と、複数の空間指向性スピーカ処理装置21a、21b
とを具える。
【0005】音響入力装置13a〜13pおよび音響出
力装置15a〜15hそれぞれは、音響処理対象の空間
11内の各所に配置されている。音響入力装置13a〜
13pそれぞれは、例えばマイクロホンで構成される、
音響出力装置15a〜15hそれぞれは、例えばスピー
カで構成される。
【0006】また、音源位置推定装置、空間指向性マイ
クロホン処理装置および空間指向性スピーカ処理装置そ
れぞれの数は、この音響処理システム10で何種類の音
響処理を行いたいかに応じて、決められる。典型的に
は、この音響処理システム10を利用したい人数と同数
用意される。図19の例では、説明を簡単にするため
に、音源位置推定装置、空間指向性マイクロホン処理装
置および空間指向性スピーカ処理装置それぞれを、2つ
ずつ具えた例を示してある。また、空間11内に、第1
の話者23aおよび第2の話者23bがいる例を示して
ある。
【0007】この図19の場合の音源位置推定装置17
aは、複数の音響入力装置13i、13j、13k、1
3lからそれぞれ入力される音に基づいて、第1の話者
23aの位置を推定し、また、音源位置推定装置17b
は、複数の音響入力装置13m、13n、13o、13
pからそれぞれ入力される音に基づいて、第2の話者2
3bの位置を推定する。
【0008】この様な話者の位置の推定自体は、用いる
音響入力装置から入力される入力波形の相互相関関数の
ピークに基づき話者の位置を推定する方法など、公知の
任意の方法で行える。
【0009】また、図19の場合の空間指向性マイクロ
ホン処理装置19aは、複数の音響入力装置13a、1
3b、13c、13dの指向性を、音源位置推定装置1
7aが推定した音源位置(第1の話者23aの推定位
置)からの音を選択的に入力するのに好適な空間指向性
となるように、制御する。また、空間指向性マイクロホ
ン処理装置19bは、複数の音響入力装置13e、13
f、13g、13hの指向性を、音源位置推定装置17
bが推定した音源位置(第2の話者23bの推定位置)
の音を選択的に入力するのに好適な空間指向性となるよ
うに、制御する。
【0010】この様なマイクロホン指向性の制御自体
は、例えば、使用する音響入力装置毎に、音源位置と、
使用する音響入力装置それぞれとの距離に応じて、音響
伝達時間を計算して補償する等の、公知の任意の方法で
行える。
【0011】また、図19の場合の空間指向性スピーカ
ー処理装置21aは、複数の音響出力装置15a、15
b、15c、15dの指向性を、音源位置推定装置17
aが推定した音源位置(第1の話者23aの推定位置)
に音を選択的に出力するのに好適な空間指向性となるよ
うに、制御する。また、空間指向性スピーカー処理装置
21bは、複数の音響出力装置15e、15f、15
g、15hの指向性を、音源位置推定装置17bが推定
した音源位置(第2の話者23bの推定位置)に音を選
択的に出力するのに好適な空間指向性となるように、制
御する。
【0012】この様なスピーカ指向性制御自体は、例え
ば、使用する音響出力装置毎に、推定した音源位置と、
使用する音響出力装置それぞれとの距離に応じて、音響
伝達時間を補償した出力波形を算出する等の、公知の任
意の方法で行える。
【0013】この音響処理システム10を使用する場
合、使用希望者はその旨を、例えば、音響システム管理
者に予め届け出る。音響処理システムでは、任意好適な
方法で、使用希望者それぞれに、第1の話者23a系統
のシステムか第2の話者23b系統のシステムを割り当
てる。このような準備をした後は、広い空間11内であ
っても、第1の話者23aと第2の話者23bとは、電
話機などを持つことなく然も他の人の声等の影響が少な
い状態で、話をすることができる。
【0014】しかしながら、従来の音響処理システムの
場合、複数の音響処理(図19の例であれば、第1の話
者に関する音源位置推定および指向性制御処理と、第2
の話者に関する音源位置推定および指向性制御処理とい
う、2つの音響処理)を同時に実施することを確保する
ために、各音響処理毎に音響処理システムを用意する構
成となっている。すなわち、図19の例であれば、
(1)音源位置推定装置17a、空間指向性マイクロホ
ン処理装置19aおよび空間指向性スピーカ処理装置2
1a(これらを代表して、中央処理装置ともいう)と、
これらに関連する音響入力装置13a〜13d、13i
〜13lと、音響出力装置15a〜15dとからなる第
1の音響処理システム、並びに、(2)音源位置推定装
置17b、空間指向性マイクロホン処理装置19bおよ
び空間指向性スピーカ処理装置21b(これらを代表し
て、中央処理装置ともいう)と、これらに関連する音響
入力装置13e〜13h、13m〜13pと、音響出力
装置15e〜15hとからなる第2の音響処理システム
とを用意する構成となっている。従って、例えば、以下
のような問題点が生じる。
【0015】同時に実行したい音響処理の数と同数
分、中央処理装置と音響入出力装置とのセットが必要に
なるため、音響処理システムのコストを高めたり、音響
入出力装置等設置するためのスペースを多く必要とす
る。
【0016】用意されたそれぞれのシステム(図19
の例でいえば上述した第1および第2の音響処理システ
ム。以下、同様。)ごとで、音響入力装置や音響出力装
置の位置を、正確に求めなければならないので、手間の
かかる作業が必要になる。
【0017】用意された複数のシステムそれぞれは、
他の音響処理システムで音響入力装置や音響出力装置が
追加された場合、これに起因する自身の伝達特性の変化
を避けることが出来ない。
【0018】音響処理システムに音響入力装置や音響
出力装置を追加する際に、中央処理装置の出力能力を増
強するためにA/D変換器やD/A変換器やローパスフ
ィルタやマイクアンプやパワーアンプなどのハードウェ
アを追加したり、中央処理装置から音響入力装置や音響
出力装置への信号線の配線の追加が必要であり、作業コ
ストが高い。
【0019】音響処理システムに音響入力装置や音響
出力装置を追加する際に、中央処理装置の中に記憶され
た、各入出力装置の、位置情報や入力周波数特性や出力
周波数特性などの、各音響入出力装置の固有の情報を更
新する必要があり、情報更新の手間がかかる。
【0020】音響入力装置から中央処理装置までの経
路や、中央処理装置から音響出力装置までの経路に、音
響信号をアナログ信号で伝送する場合、信号線同士のク
ロストークや外部雑音の影響を受けるため、音響信号に
雑音が含まれ易い。また、このクロストークや雑音に対
する対策のため、信号線や雑音源の間の結合に配慮した
配線工事の手間がかかる。
【0021】システムの使用条件が変化し音響入力装
置や音響出力装置の位置が最適ではなくなった場合に
は、これら音響入力装置や音響出力装置の移動や位置・
音響伝達特性の再測定などが必要であり、このような使
用条件の変化への対応がむづかしい。
【0022】従って、上述した問題点を解決できる音響
処理システムの実現が望まれる。
【0023】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の第1
の態様の音響処理システムによれば、空間に配置された
複数の音響出力装置と、複数の音響出力装置に出力させ
る出力波形をデジタルの形態で算出する出力波形算出装
置と、少なくとも複数の音響出力装置それぞれと出力波
形算出装置とを接続していて、少なくともデジタルの形
態の出力波形を伝送するネットワークと、複数の音響出
力装置それぞれに設けられ、ネットワークを通してデジ
タル信号を送受信する送受信装置と、出力波形算出装置
に設けられ、前記ネットワークを通してデジタル信号を
送受信する送受信装置と、複数の音響出力装置がデジタ
ルの形態の出力波形に基づく音をそれぞれ出力するタイ
ミングを同期させる同期信号を、複数の音響出力装置に
出力する同期信号発生装置とを具えたことを特徴とす
る。
【0024】この第1の態様の音響処理システムによれ
ば、この発明に係る音響処理システムであって、出力専
用の音響処理システムが実現される。
【0025】然も、この第1の態様の音響処理システム
によれば、複数の音響出力処理を同時に行なう場合で
も、これら処理の出力波形を出力するための音響出力装
置を共用できる音響処理システムが実現される。この理
由について、以下説明する。
【0026】複数の音響出力処理を同時に行うために
は、複数の出力波形算出装置が必要である。従って、こ
の第1の態様の音響処理システムであっても、出力波形
算出装置(中央処理装置)は、音響出力処理数と同数、
例えば、話者の数と同数、用意する必要がある。なお、
これら複数の出力波形算出装置とは、図19の例に照ら
せば、空間指向性スピーカ処理装置21a、21bに相
当する。
【0027】しかし、この第1の態様の音響処理システ
ムは、所定のネットワークおよび所定の同期信号発生装
置を具えている。また、複数の音響出力装置それぞれ
に、自身に2以上の出力波形が伝送されてきた場合のこ
れら出力波形を加算する加算装置を含ませることが可能
である。
【0028】すると、上記の様に複数の出力波形算出装
置を具える構成をとり、かつ、複数の音響出力処理を同
時に実施する場合でも、これら複数の出力波形算出装置
で算出した各出力波形は、この第1の態様の音響処理シ
ステムに具わる複数の音響出力装置のうちの任意の音響
出力装置に、上記ネットワークを通じて伝送できる。然
も、同一の音響出力装置に2以上の出力波形算出装置そ
れぞれの出力波形が伝送された場合もこれらを加算で
き、かつ、同期させて出力できる。
【0029】この様な動作が可能であるので、この第1
の態様の音響処理システムでは、複数の出力波形算出装
置(すなわち、複数の中央処理装置)で、音響出力装置
を共用することが可能になる。
【0030】複数の出力波形算出装置で音響出力装置を
共用できるため、複数の音響出力処理毎に音響出力装置
を用意せずに済むので、発明が解決しようとする上記問
題点のうちの、、、、の各問題点を解決または
軽減することができる。
【0031】さらに、この第1の態様の音響処理システ
ムは、出力波形をデジタル信号の形態で生成し、かつ、
このようなデジタル信号を伝送するネットワークを具え
る。
【0032】デジタル伝送であるので、信号線同士のク
ロストークや、外部雑音などの影響を受けにくい。ま
た、配線工事時の配慮もアナログ伝送の場合に比べて少
なくて済む。従って、上記問題点のうちのの問題点を
解決または軽減することができる。
【0033】また、ネットワーク伝送であるので、音響
入力装置や音響出力装置の追加への対応も容易である。
また、システムの使用条件が変化した場合もネットワー
ク上の設定変更などで対応できる。従って、上記問題点
のうちの、の各問題点を解決または軽減することが
できる。
【0034】また、この発明の第2の態様の音響処理シ
ステムによれば、空間に配置された複数の音響入力装置
であって、音をデジタルの形態の入力波形で入力する複
数の音響入力装置と、複数の音響入力装置の一部または
全部から入力される入力波形に基づく音源位置の推定処
理および該推定された音源位置に基づく各音響入力装置
の指向性制御処理を少なくとも実行する音響入力装置制
御装置と、少なくとも複数の音響入力装置それぞれと音
響入力装置制御装置とを接続していて、少なくともデジ
タル形態の入力波形を伝送するネットワークと、複数の
音響入力装置それぞれに設けられ、ネットワークを通し
てデジタル信号を送受信する送受信装置と、音響入力装
置制御装置に設けられ、ネットワークを通してデジタル
信号を送受信する送受信装置と、複数の音響入力装置そ
れぞれが音を入力するタイミングを同期させる同期信号
を、複数の音響入力装置に出力する同期信号発生装置と
を具えたことを特徴とする。
【0035】この第2の態様の音響処理システムによれ
ば、この発明に係る音響処理システムであって、入力専
用の音響処理システムが実現される。
【0036】然も、この第2の態様の音響処理システム
によれば、複数の音響入力処理を同時に行う場合でも、
これら処理に必要な入力波形を得るための音響入力装置
を共用できる音響処理システムが実現される。この理由
について以下説明する。
【0037】複数の音響入力処理を同時に行うために
は、複数の音響入力装置制御装置が必要である。従っ
て、この第2の態様の音響処理システムであっても、音
響入力装置制御装置(中央処理装置)は、音響入力処理
数と同数、例えば、話者の数と同数、用意する必要があ
る。なお、これら複数の音響入力装置制御装置とは、図
19の例に照らせば、音源位置推定装置17a、17b
および空間指向性マイクロホン処理装置19a、19b
に相当する。
【0038】しかし、この第2の態様の音響処理システ
ムは、所定のネットワークおよび所定の同期信号発生装
置を具えている。
【0039】すると、上記の様に複数の音響入力装置制
御装置を具える構成をとり、かつ、複数の音響入力処理
を同時に実施する場合でも、複数の音響入力装置で得ら
れる入力波形は、複数の音響入力装置制御装置のうちの
任意の音響入力装置制御装置に、上記ネットワークを通
じて伝送できる。然も、複数の音響入力装置で音を入力
するタイミングを、上記の同期信号発生装置により、同
期させることができる。
【0040】この様な動作が可能であるので、この第2
の態様の音響処理システムでは、複数の音響入力装置制
御装置(すなわち、複数の中央処理装置)で、音響入力
装置を共用することが可能になる。
【0041】複数の音響入力装置制御装置で音響入力装
置を共用できるため、複数の音響入力処理毎に音響入力
装置を用意せずに済むので、発明が解決しようとする上
記問題点のうちの、、、、の各問題点を解決ま
たは軽減することができる。
【0042】さらに、この第2の態様の音響処理システ
ムは、入力波形をデジタル信号の形態で生成し、かつ、
このようなデジタル信号を伝送するネットワークを具え
る。
【0043】デジタル伝送であるので、信号線同士のク
ロストークや、外部雑音などの影響を受けにくい。ま
た、配線工事時の配慮もアナログ伝送の場合に比べて少
なくて済む。従って、上記問題点のうちのの問題点を
解決または軽減することができる。
【0044】また、ネットワーク伝送であるので、音響
入力装置や音響出力装置の追加への対応も容易である。
また、システムの使用条件が変化した場合もネットワー
ク上の設定変更などで対応できる。従って、上記問題点
のうちの、の各問題点を解決または軽減することが
できる。
【0045】また、この発明の第3の態様の音響処理シ
ステムによれば、上記の第1の態様の音響処理システム
の構成と、第2の態様の音響処理システムの構成との、
双方の構成を具えたことを特徴とする。
【0046】この第3の態様の音響処理システムによれ
ば、この発明に係る音響処理システムであって、入力お
よび出力双方が可能な音響処理システムが実現される。
【0047】然も、上述した第1の態様の音響処理シス
テムで得られる作用・効果と第2の態様の音響処理シス
テムで得られる作用・効果との双方を発現する音響処理
システムが実現される。
【0048】なお、この第3の態様の音響処理システム
において、出力波形算出装置と音響出力装置とを接続し
ているネットワーク(請求項3でいう第1のネットワー
ク)と、音響入力装置制御装置と音響入力装置とを接続
しているネットワーク(請求項3でいう第2のネットワ
ーク)とは、互いが接続された別々のネットワークでも
良いし、共通の1つのネットワークでも良い。
【0049】また、この第3の態様の音響処理システム
において、複数の音響出力装置の出力波形の出力タイミ
ングを同期させるための同期信号発生装置(請求項3で
いう第1の同期信号発生装置)と、複数の音響入力装置
の音の入力タイミングを同期させるための同期信号発生
装置(請求項3でいう第2の同期信号発生装置)とは、
別々の装置でも良いし、共通の1つの装置でも良い。
【0050】また、第1〜第3の態様の音響処理システ
ムの発明を実施するに当たり、好ましくは、前記同期信
号を伝送するための専用のネットワークを具えるのが良
い。こうした方が、同期信号のタイミングずれを生じさ
せる要因を排除し易いため、同期信号発生装置の本来の
目的を果たし易い。具体例で言えば、次のような利点が
得られる。専用ネットワークを用いずに、音響信号など
を伝送するネットワークを利用して同期信号を伝送する
場合、音響処理システムが大規模化して、ネットワーク
中にハブやリピータなどが含まれるようになると、同期
信号発生装置から各音響出力装置や各音響入力装置まで
の同期信号伝達時間が変動しやすい。すると、同期がと
りにくくなる。これに対しこの好適例の様に、同期信号
専用のネットワークを用いると、この問題を解決または
軽減することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
音響処理システムのいくつかの実施の形態について説明
する。なお、説明に用いる各図は、この発明を理解出来
る程度に概略的に示してあるにすぎない。また、各図に
おいて、同様な構成成分については同一の番号を付して
示し、その重複する説明を省略することもある。また、
以下の実施の形態では、この発明に係る音響処理システ
ムであって、入出力双方が可能な音響処理システムの例
(上述した第3の態様のシステム)の例を説明する。
【0052】1.第1の実施の形態 1−1.構成の説明 図1は、第1の実施の形態の音響処理システム100の
構成を示すブロック図である。
【0053】この第1の実施の形態の音響処理システム
100は、ハンズフリーでの送受信機能を持つ室内音声
通話装置として動作するシステムである。なお、図1で
は、音響空間101内に、音響処理システム100の利
用者として、第1〜第4の話者103、105、10
7、109がいる状態を示してある。
【0054】この音響処理システム100は、複数の音
響入力装置としての、第1〜第6の音響入力装置11
1、113、115、117、119、121と、複数
の音響出力装置としての、第1〜第6の音響出力装置1
31、133、135、137、139、141と、出
力波形算出装置150を構成する第1〜第4の空間指向
性スピーカ処理装置151、153、155、157
と、音響入力装置制御装置160を構成する第1〜第4
の音源位置推定装置161、163、165、167お
よび第1〜第4の空間指向性マイクロホン処理装置17
1、173、175、177と、ネットワーク180
と、同期信号発生装置190とを具える。さらに、この
実施の形態の場合、交換制御装置191と、ネットワー
クアドレス管理装置193とを具える。以下、これら構
成成分について説明する。
【0055】まず、ネットワーク180について説明す
る。この実施の形態の場合、ネットワーク180は、音
響入力ネットワーク180a、音響出力ネットワーク1
80b、音源位置ネットワーク180c、デジタル交換
ネットワーク180d、同期信号用バス180eおよび
赤外線ネットワーク180fで構成してある。もちろ
ん、ネットワーク180の構成は、この例に限られな
い。
【0056】音響入力ネットワーク180aは、複数の
音響入力装置111〜121それぞれが入力する入力波
形や、これら音響入力装置に関連する各種の信号を伝送
するためのネットワークである。
【0057】音響出力ネットワーク180bは、複数の
音響出力装置131〜141それぞれに出力させたい出
力波形や、これら音響出力装置に関連する各種の信号を
伝送するためのネットワークである。
【0058】音源位置ネットワーク180cは、第1〜
第4の音源位置推定装置161〜167それぞれが推定
した音源位置(具体的には第1〜第4の話者がいると思
われる位置)に関する情報を伝送するためのネットワー
クである。
【0059】デジタル交換ネットワーク180dは、空
間指向性マイクロホン処理装置171〜177が出力し
た信号や、空間指向性スピーカ処理装置151〜157
に入力させたい信号を伝送するネットワークである。
【0060】同期信号用バス180eは、同期信号発生
装置190が発する同期信号を、空間指向性スピーカ処
理装置151〜157、音源位置推定装置161〜16
7および空間指向性マイクロホン処理装置171〜17
7に、伝送するバスである。
【0061】赤外線ネットワーク180fは、同期信号
発生装置190が発する同期信号を音響入力装置111
〜121および音響出力装置131〜141に対して送
るための専用ネットワークである。
【0062】また、第1〜第6の音響入力装置111〜
121それぞれは、音響空間101の適所に配置してあ
る。これら音響入力装置111〜121それぞれは、配
置された位置で得られる音圧を、デジタルの形態の入力
波形で、システム100に入力する。然も、これら音響
入力装置111〜121それぞれは、入力波形を、パケ
ット(以下、「入力波形パケット」ともいう)の形態
で、ネットワーク180の音響入力ネットワーク180
aに送る。もちろん、入力波形はパケット形式に限られ
ない。また、音響入力装置の数は6個に限られず、設計
に応じて変更できる。
【0063】図2は、第1〜第6の音響入力装置111
〜121それぞれの一構成例を説明するブロック図であ
る。第1〜第6の音響入力装置111〜121いずれも
同一の構成であるので、第1の音響入力装置111に着
目して示してある。
【0064】この例の音響入力装置111は、パケット
送受信部111aと、パケット識別部111bと、応答
パケット生成部111cと、音響入力固有情報記憶部1
11dと、マイクロホン111eと、ローパスフィルタ
111fと、同期信号受信部111gと、A/D変換部
111hとを含む。
【0065】パケット送受信部111aは、音響入力ネ
ットワーク180aとの間で入力波形パケット等を送受
信する。
【0066】パケット識別部111bは、音響入力ネッ
トワーク180a上を伝送されている多数のパケットの
うち、当該音響入力装置に関連したパケットを識別し対
応した動作を行う。
【0067】応答パケット生成部111cは、音響入力
ネットワーク180a上のパケットに当該音響入力装置
に対する応答要求が含まれている場合に当該音響入力装
置からの応答パケットを生成する。
【0068】音響入力固有情報記憶部111dは、当該
音響入力装置に固有の音響入力装置の位置(音響空間1
01上の物理的位置)、音響入力特性およびネットワー
クアドレスなどを記憶する。
【0069】マイクロホン111eは、音響電気変換を
行う。
【0070】ローパスフィルタ111fは、マイクロホ
ン111eが入力した電気信号から時間量子化による折
り返し成分を取り除く。
【0071】同期信号受信部111gは、第1〜第6の
音響入力装置の音の入力タイミングを同期させるため同
期信号発生装置190から発生される同期信号(以下、
入力同期信号)を、受信する。
【0072】この入力同期信号自体を、例えばネットワ
ーク180中の同期信号用バス180eを介して、各音
響入力装置111〜121に入力しても良いが、この実
施の形態では専用のネットワークを用意してこれを行
う。なぜなら、入力同期信号をネットワーク180を利
用して伝送する場合、システムの規模が大きくなるとネ
ットワーク中に信号遅延の要因が増加して、入力同期信
号のタイミングが取りにくくなる。入力同期信号専用の
ネットワークを用いれば、この問題を回避できる。
【0073】なお、入力同期信号専用のネットワークの
構成は任意である。この実施の形態では、同期信号発生
装置190は、入力同期信号を、各音響入力装置111
〜121に対して、赤外線ネットワーク180fで送る
構成としてある。そのため、同期信号受信部111g
は、赤外線受光部111gaと赤外線パケット受信部1
11gbとを含む構成としてある。赤外線受光部111
gaは、赤外線の形態で送られてきた入力同期信号を電
気信号に変換する。赤外線パケット受信部111gb
は、赤外線受信部111gaが得た電気信号を波形整形
してサンプリング基準時刻に同期した入力同期信号を再
生する。
【0074】A/D変換部111hは、赤外線パケット
受信部111gbが再生した入力同期信号に同期して、
マイクロホンの入力をデジタル信号に変換する。
【0075】この図2を参照して説明した、音響入力装
置自体は、これに限られないが、例えば、CPU、メモ
リ、電子回路、赤外線受光素子およびマイクロホン等を
組み合わせた装置により実現できる。
【0076】また、第1〜第6の音響出力装置131〜
141それぞれは、音響空間101の適所に配置してあ
る。これら音響出力装置131〜141それぞれは、出
力波形算出装置150としての、第1〜第6の空間指向
性スピーカ処理装置151〜157が算出した波形に基
づく音圧を、音響空間101に生成する。なお、音響出
力装置の数は、6個に限られず、設計に応じて変更でき
る。
【0077】図3は、第1〜第6の音響出力装置131
〜141それぞれの一構成例を説明するブロック図であ
る。いずれも同一の構成であるので、第1の音響出力装
置131に着目して示してある。
【0078】この例の音響出力装置131は、パケット
送受信部131aと、パケット識別部131bと、応答
パケット生成部131cと、音響出力固有情報記憶部1
31dと、多チャネルサンプルバッファ131eと、波
形加算部131fと、同期信号受信部131gと、D/
A変換部131hと、ローパスフィルタ131iと、ス
ピーカ131jとを含む。
【0079】パケット送受信部131aは、音響出力ネ
ットワーク180bとの間で出力波形パケット等を送受
信する。なお、出力波形パケットとは、出力波形算出装
置150の第1〜第4の空間指向性スピーカ処理装置1
51〜157が算出した出力波形を含むパケットであ
り、これら処理装置151〜157がネットワーク18
0bに送出するパケットである。
【0080】パケット識別部131bは、音響出力ネッ
トワーク180b上を伝送されている多数のパケットの
うち、当該音響出力装置に関連したパケットを識別し対
応した動作を行う。
【0081】応答パケット生成部131cは、音響出力
ネットワーク180b上のパケットに当該音響出力装置
に対する応答要求が含まれている場合に当該音響出力装
置からの応答パケットを生成する。
【0082】音響出力固有情報記憶部131dは、当該
音響出力装置に固有の音響出力装置の位置(空間101
上の物理的位置)、音響出力特性およびネットワークア
ドレスなどを記憶する。
【0083】多チャネルサンプルバッファ131eは、
当該音響出力装置に対し送られてきた出力波形パケット
を格納する。然も、複数の音響出力処理を同時に実行し
たいために複数の空間指向性スピーカ処理装置から当該
音響出力装置に複数の出力波形パケットが伝送されてき
た場合は、これらを格納する。
【0084】波形加算部131fは、多チャネルサンプ
ルバッファ131eに格納されているデータをサンプリ
ング基準時刻に同期して加算する。従って、当該音響出
力装置に2以上の出力波形(音響出力パケット)が伝送
されてきた場合は、これらは加算される。
【0085】同期信号受信部131gは、第1〜第6の
音響出力装置の音の出力タイミングを同期させるため同
期信号発生装置190から発生される同期信号(以下、
出力同期信号ともいう。)を、受信する。
【0086】この出力同期信号自体を、例えばネットワ
ーク180中の同期信号用バス180eを介して、各音
響出力装置131〜141に出力しても良いが、この実
施の形態では専用のネットワークを用意してこれを行
う。その理由は、入力同期信号自体を専用ネットワーク
により伝送することとした上述した理由と同じである。
なお、専用のネットワークの構成は任意である。この実
施の形態では、同期信号発生装置190は、出力同期信
号を、各音響出力装置131〜141に対して、赤外線
ネットワーク180fで送る構成としてある。そのた
め、同期信号受信部131gは、赤外線受光部131g
aと赤外線パケット受信部131gbとを含む構成とし
てある。赤外線受光部131gaは、赤外線の形態で送
られてきた出力同期信号を電気信号に変換する。赤外線
パケット受信部131gbは、赤外線受信部131ga
が得た電気信号を波形整形してサンプリング基準時刻に
同期した出力同期信号を再生する。
【0087】D/A変換部131hは、赤外線パケット
受信部131gbが再生した出力同期信号に同期して、
波形加算部131fの出力をアナログ信号に変換する。
【0088】ローパスフィルタ131iは、D/A変換
部131hの出力から、時間量子化による折り返し成分
を取り除く。
【0089】スピーカ131jは、電気音響変換を行
う。
【0090】この図3を参照して説明した、音響出力装
置自体は、これに限られないが、例えば、CPU、メモ
リ、電子回路、赤外線受光素子およびスピーカ等を組み
合わせた装置により実現できる。
【0091】また、出力波形算出装置150を、この実
施の形態の場合、同時に実施したい音響処理の数だけの
空間指向性スピーカ処理装置、具体的には、話者の数だ
けの第1〜第4の空間指向性スピーカ処理装置151,
153,155,157で構成してある。
【0092】これら空間指向性スピーカ処理装置151
〜157それぞれは、後述する第1〜第4の音源位置推
定装置161〜167のいずれか1つと重複なく対とな
って本来の機能(第1〜第6の音響出力装置の指向性を
制御する機能)を示す。すなわち、これら空間指向性ス
ピーカ処理装置151〜157それぞれは、対応する音
源位置推定装置が推定した位置にいる者にとって、この
者に伝達されるべき音がなるべく聞きやすくなるような
音圧の指向性を実現するように、第1〜第6の音響出力
装置に生成させる出力波形を、デジタルの形態で算出す
る。然も、これら空間指向性スピーカ処理装置151〜
157それぞれは、算出した出力波形を、パケット(既
に説明した「出力波形パケット」)の形態で、ネットワ
ーク180に送る。もちろん、出力波形はパケット形式
に限られない。
【0093】上記の説明から分かるように、上記の空間
指向性スピーカ処理では、第1〜第6の音響出力装置1
31〜141のうちの、2以上の話者に共用される音響
出力装置に対しては、2以上の空間指向性スピーカ処理
装置から出力波形が入力される。すなわち、音響出力装
置を共用することがある。
【0094】なお、空間指向性スピーカ処理自体は、例
えば、使用する音響出力装置毎に、推定した音源位置
と、使用する音響出力装置それぞれとの距離に応じて、
音響伝達時間を補償した出力波形を算出する等の、公知
の任意の方法で行える。
【0095】これら第1〜第4の空間指向性スピーカ処
理装置151〜157それぞれは、別々のハードウエア
の形態で用意しても良いし、または、共通なハードウエ
ア中に分離して格納したソフトウエアの形態で用意して
も良い。この第1の実施の形態では、別々のハードウエ
アの形態で用意している。後者の例(ソフトウエアの形
態)は、後に第2の実施の形態で説明する。
【0096】図4は、これら第1〜第4の空間指向性ス
ピーカ処理装置151〜157それぞれの具体的な構成
例を説明するブロック図である。これら処理装置151
〜157いずれも同一の構成であるので、第1の空間指
向性スピーカ処理装置151に着目して示してある。
【0097】この実施の形態の空間指向性スピーカ処理
装置151は、第1のパケット送受信部151aと、第
1のパケット識別部151bと、第1の応答パケット生
成部151cと、空間指向性合成出力処理部151d
と、第1〜第6の音響出力特性補償部151e〜151
jと、第1〜第6の音響出力特性記憶部151k〜15
1pと、第2のパケット送受信部151qと、第2のパ
ケット識別部151rと、第2の応答パケット生成部1
51sと、第3のパケット送受信部151tと、第3の
パケット識別部151uと、第3の応答パケット生成部
151vと、パケット受信部151wとを含む。
【0098】第1のパケット送受信部151aは、デジ
タル交換ネットワーク180dとの間でデータを含むパ
ケットを送受信する。
【0099】第1のパケット識別部151bは、デジタ
ル交換ネットワーク180d上のパケットのうち当該空
間指向性スピーカ処理装置に関連したパケットを識別し
対応した動作を行う。
【0100】第1の応答パケット生成部151cは、デ
ジタル交換ネットワーク180d上のパケットに当該空
間指向性スピーカ処理装置に対する応答要求が流された
場合に当該空間指向性スピーカ処理装置からの応答パケ
ットを生成する。
【0101】空間指向性合成出力処理部151dは、音
源位置推定装置が推定した位置に目的の音場を形成する
ために第1〜第6の音響出力装置131〜141が放射
するのに最適な音響出力を、それぞれ生成する。
【0102】第1〜第6の音響出力特性補償部151e
〜151jは、第1〜第6の音響出力装置131〜14
1に対応するもので、対応する音響出力装置固有の音響
出力特性を補償する。
【0103】第1〜第6の音響出力特性記憶部151k
〜151pは、第1〜第6の音響出力部131〜141
に対応するもので、対応する音響出力装置に固有の音響
出力特性を第2のパケット識別部151rから受け取り
記憶する。
【0104】第2のパケット送受信部151qは、音響
出力ネットワーク180bとの間で、データを含むパケ
ットを送受信する。
【0105】第2のパケット識別部151rは、音響出
力ネットワーク180b上のパケットのうち当該空間指
向性スピーカ処理装置151に関連したパケットを識別
して対応した動作を行う。
【0106】第2の応答パケット生成部151sは、音
響出力ネットワーク180b上のパケットに当該空間指
向性スピーカ処理装置151に対する応答要求が流され
た場合に当該空間指向性スピーカ処理装置からの応答パ
ケットを生成する。
【0107】第3のパケット送受信部151tは、音源
位置ネットワーク180cとの間で、データを含むパケ
ットを送受信する。
【0108】第3のパケット識別部151uは、音源位
置ネットワーク180c上のパケットのうち当該空間指
向性スピーカ処理装置151に関連したパケットを識別
して対応した動作をする。
【0109】第3の応答パケット生成部151vは、音
源位置ネットワーク180c上のパケットに当該空間指
向性スピーカ処理装置151に対する要求が流された場
合に当該空間指向性スピーカ処理装置からの応答パケッ
トを生成する。
【0110】パケット受信部151wは、同期信号発生
装置190からの同期信号を同期信号用バス180eを
通じて受信する。
【0111】また、音響入力装置制御装置160を、こ
の実施の形態の場合、同時に実施したい音響処理の数だ
けの音源位置推定装置および空間指向性マイクロホン処
理装置、具体的には、第1〜第4の音源位置推定装置1
61,163,165,167と、第1〜第4の空間指
向性マイクロホン処理装置171,173,175,1
77とで構成してある。
【0112】第1〜第4の音源位置推定装置161〜1
67それぞれは、担当する話者の音響空間101内での
位置を、第1〜第6の音響入力装置111〜121から
の入力波形に基づいて、推定する。これら音源位置推定
装置それぞれは、推定した結果を、デジタルの形態で、
然も、パケットの形態で(以下、「音源位置パケット」
ともいう)、音源位置ネットワーク180cに送る。も
ちろん、推定結果を送る形式は、パケット形式に限られ
ない。
【0113】なお、話者の位置の推定自体は、第1〜第
6の音響入力装置111〜121から入力される入力波
形の相互相関関数のピークに基づき話者の位置を推定す
る方法など、公知の任意の方法で行える。
【0114】また、第1〜第4の空間指向性マイクロホ
ン処理装置171〜177それぞれは、第1〜第4の音
源位置推定装置161〜167のいずれか1つと重複な
く対となって本来の機能を示す。すなわち、これら空間
指向性マイクロホン処理装置171〜177それぞれ
は、対応する音源位置推定装置が推定した位置での音を
第1〜第6の音響入力装置111〜121が入力しやす
くなるように、第1〜第6の音響入力装置111〜12
1の指向性を制御する。
【0115】上記の説明から分かるように、上記の空間
指向性マイクロホン処理では、第1〜第6の音響入力装
置111〜121のうちの、2以上の話者に共用される
音響入力装置に対しては、2以上の空間指向性マイクロ
ホン処理装置からの制御が行われる。
【0116】なお、この様なマイクロホン指向性の制御
自体は、例えば、使用する音響入力装置毎に、音源位置
と、使用する音響入力装置それぞれとの距離に応じて、
音響伝達時間を計算して補償する等の、公知の任意の方
法で行える。
【0117】これら第1〜第4の音源位置推定装置16
1〜167および第1〜第4の空間指向性マイクロホン
171〜177それぞれは、別々のハードウエアの形態
で用意しても良いし、または、共通なハードウエア中に
分離して格納したソフトウエアの形態で用意しても良
い。この第1の実施の形態では、別々のハードウエアの
形態で用意している。後者の例(ソフトウエアの形態)
は、後に第2の実施の形態で説明する。
【0118】図5は、第1〜第4の音源位置推定装置1
61〜167それぞれの具体的な構成例を説明するブロ
ック図である。これら音源位置推定装置161〜167
いずれも同一の構成であるので、第1の音源位置推定装
置161に着目して示してある。
【0119】この実施の形態の音源位置推定装置161
は、第1のパケット送受信部161aと、第1のパケッ
ト識別部161bと、第1の応答パケット生成部161
cと、第1〜第6の音響入力特性補償部161d〜16
1iと、第1〜第6の音響入力特性記憶部161j〜1
61oと、音源位置推定部161pと、第2のパケット
送受信部161qと、第2のパケット識別部161r
と、第2の応答パケット生成部161s、パケット受信
部161tとを含む。
【0120】第1のパケット送受信部161aは、音響
入力ネットワーク180aとの間でデータを含むパケッ
トを送受信する。
【0121】第1のパケット識別部161bは、音響入
力ネットワーク180a上のパケットのうち当該音源位
置推定装置に関連したパケットを識別し対応した動作を
行う。
【0122】第1の応答パケット生成部161cは、音
響入力ネットワーク180a上のパケットに当該音源位
置推定装置に対する応答要求が流された場合に当該音源
推定装置からの応答パケットを生成する。
【0123】第1〜第6の音響入力特性補償部161d
〜161iは、第1〜第6の音響入力装置111〜12
1に対応するもので、対応する音響入力装置固有の音響
入力特性を補償する。
【0124】第1〜第6の音響入力特性記憶部161j
〜161oは、第1〜第6の音響入力部111〜121
に対応するもので、対応する音響入力装置に固有の音響
入力特性を第1のパケット識別部161bから受け取り
記憶する。
【0125】音源位置推定部161pは、第1〜第6の
音響入力装置111〜121からの出力であって各音響
入力装置固有の音響入力特性が補償された入力波形を用
いて音源位置を推定する。
【0126】第2のパケット送受信部161qは、音響
位置ネットワーク180cとの間で、データを含むパケ
ットを送受信する。
【0127】第2のパケット識別部161rは、音源位
置ネットワーク180c上のパケットのうち当該音源位
置推定装置161に関連したパケットを識別して対応し
た動作を行う。
【0128】第2の応答パケット生成部161sは、音
源位置ネットワーク180c上のパケットに当該音源位
置推定装置161に対する応答要求が流された場合に当
該音源位置推定装置からの応答パケットを生成する。
【0129】パケット受信部161tは、同期信号発生
装置190からの同期信号を同期信号用バス180eを
通じて受信する。
【0130】また、図6は、第1〜第4の空間指向性マ
イクロホン処理装置171〜177それぞれの具体的な
構成例を説明するブロック図である。いずれの処理装置
171〜177も同一の構成であるので、第1の空間指
向性マイクロホン処理装置171に着目して示してあ
る。
【0131】この実施の形態の空間指向性マイクロホン
処理装置171は、第1のパケット送受信部171a
と、第1のパケット識別部171bと、第1の応答パケ
ット生成部171cと、第1〜第6の音響入力特性補償
部171d〜171iと、第1〜第6の音響入力特性記
憶部171j〜171oと、空間指向性合成入力処理部
171pと、第2のパケット送受信部171qと、第2
のパケット識別部171rと、第2の応答パケット生成
部171sと、第3のパケット送受信部171tと、第
3のパケット識別部171uと、第3の応答パケット生
成部171vと、パケット受信部171wとを含む。
【0132】第1のパケット送受信部171aは、音響
入力ネットワーク180aとの間でデータを含むパケッ
トを送受信する。
【0133】第1のパケット識別部171bは、音響入
力ネットワーク180a上のパケットのうち当該空間指
向性マイクロホン処理装置に関連したパケットを識別し
対応した動作を行う。
【0134】第1の応答パケット生成部171cは、音
響入力ネットワーク180a上のパケットに当該空間指
向性マイクロホン処理装置に対する応答要求が流された
場合に当該空間指向性マイクロホン処理装置171から
の応答パケットを生成する。
【0135】第1〜第6の音響入力特性補償部171d
〜171iは、第1〜第6の音響入力装置1111〜1
21に対応するもので、対応する音響入力装置固有の音
響入力特性を補償する。
【0136】第1〜第6の音響入力特性記憶部171j
〜171oは、第1〜第6の音響入力部111〜121
に対応するもので、対応する音響入力装置に固有の音響
入力特性を第1のパケット識別部171bから受け取り
記憶する。
【0137】空間指向性合成入力処理部171pは、第
1〜第6の音響入力装置それぞれの固有の音響入力特性
が補償された入力信号を用いて当該音源位置に空間指向
性を持ち音源nの推定音源波形を得る。
【0138】第2のパケット送受信部171qは、デジ
タル交換ネットワーク180dとの間で、データを含む
パケットを送受信する。
【0139】第2のパケット識別部171rは、デジタ
ル交換ネットワーク180d上のパケットのうち当該空
間指向性マイクロホン処理装置171に関連したパケッ
トを識別して対応した動作を行う。
【0140】第2の応答パケット生成部171sは、デ
ジタル交換ネットワーク180d上のパケットに当該空
間指向性マイクロホン処理装置171に対する応答要求
が流された場合に当該空間指向性マイクロホン処理装置
からの応答パケットを生成する。
【0141】第3のパケット送受信部171tは、音源
位置ネットワーク180cとの間で、データを含むパケ
ットを送受信する。
【0142】第3のパケット識別部171uは、音源位
置ネットワーク180c上のパケットのうち当該空間指
向性マイクロホン処理装置171に関連したパケットを
識別して対応した動作を行う。
【0143】第3の応答パケット生成部171vは、音
源位置ネットワーク180c上のパケットに当該空間指
向性マイクロホン処理装置171に対する応答要求が流
された場合に当該空間指向性マイクロホン処理装置から
の応答パケットを生成する。
【0144】パケット受信部171wは、同期信号発生
装置190からの同期信号を同期信号用バス180eを
通じて受信する。
【0145】また、同期信号発生装置190は、音響入
出力のための基準となるサンプリング周波数に同期した
同期信号を発生する。なお、同期信号として、複数の音
響出力装置が131〜141の音の出力タイミングを同
期させる同期信号(以下、入力同期信号ともいう)と、
複数の音響入力装置111〜121の音の入力タイミン
グを同期させる同期信号(以下、出力同期信号ともい
う)とを、適時発生する。
【0146】既に説明したが、これら同期信号は、この
実施の形態の場合、各音響入力装置や各音響出力装置に
対しては、赤外線ネットワーク180fを利用して送ら
れ、音源位置推定装置、空間指向性マイクロホン処理装
置および空間指向性スピーカ処理装置に対しては、同期
信号用バス180eを利用して送られる。
【0147】また、交換制御装置191は、対話をした
い旨を予め届け出た話者同士の音声情報を接続して、通
話を確保する。
【0148】また、ネットワークアドレス管理装置19
3は、音響出力装置の増減、出力波形算出装置とし
ての空間指向性スピーカ処理装置の増減、音響入力装
置の増減、音響入力装置制御装置としての音源位置推
定装置および空間指向性マイクロホン処理装置の増減を
実施するための、これら増減に応じたネットワークアド
レスの付与および消去を管理する。このネットワークア
ドレス管理装置193は、インターネットなどで一般に
広く用いられているドメインネームシステムなどで実現
できる。
【0149】1−2.動作の説明 次に、この第1の実施の形態の音響処理システム100
の理解を深めるために、該システム100の使用例およ
び動作について説明する。この説明を図1〜図8を参照
して行う。
【0150】図7および図8は、実施の形態の音響処理
システム100を利用して、第1の話者103と第3の
話者107とが対話し、第2の話者105と第4の話者
109とが対話する場合の動作例を説明するための図で
ある。さらに、これら図7および図8は、後に説明する
が、この音響処理システム100に第5の話者110a
および第6の話者110bがさらに加わって、第5およ
び第6の話者110a,110b間で対話を行う場合の
動作例をも説明する図である。紙面の都合上、2つの図
に分けて示してある。
【0151】はじめに、第1の話者103と第3の話者
107との組、第2の話者105と第4の話者109と
の組でそれぞれ互いに会話する際の動作について説明す
る。
【0152】このような対話を開始するため、先ず、音
響処理システム100は、利用者の接続の希望を受け付
ける。この様な受付は、任意の方法で行える。例えば、
内線電話と同様のダイヤル手順によって利用者の接続の
希望を受け付け、第1の話者103と第3の話者107
との接続や、第2の話者105と第4の話者109との
接続を確立する。
【0153】この接続の確立の手順は、これに限られな
いが、例えば、以下のように行える。なお、ここでは、
第1の話者103と第3の話者107との接続を確立す
る場合の例について主に説明する。然も、第1の話者1
03が発話し、第3の話者107が受話する場合につい
て主に説明する。逆方向、すなわち、第3の話者が発話
し、第1の話者が受話する場合や、他の利用者との接続
を確立する点については、第1の話者103と第3の話
者107との以下の接続の確立方法と同様であるので、
その詳細な説明を省略する。
【0154】まず、第1の話者103が、ダイヤルトー
ンなどの方法で、デジタル交換ネットワーク108dを
通じて、交換制御装置191に第3の話者107との接
続を要求する。交換制御装置191は、デジタル交換ネ
ットワーク108dを通じて第1〜第4の音源位置推定
装置161〜167のうち、使用していない装置を割り
当てる。例えばここでは第1の音源位置推定装置161
が使用されていないとして、これを、第1の話者103
の音源位置推定のために割り当てる。さらに、この第1
の話者103に対して、第1〜第4の空間指向性マイク
ロホン処理装置171〜177からいずれか1つを割り
当てる。ここでは第1の空間指向性マイクロホン処理装
置171を、第1の話者103の空間指向性マイクロホ
ン処理のために割り当てる。また、送話先である第3の
話者107に対する空間指向性スピーカ処理装置とし
て、図8の例では第3の空間指向性スピーカ処理装置1
55を割り当てる。
【0155】また、第1〜第6の音響入力装置111〜
121のうちの、第1の話者103の音を入力するため
に好適な位置のものを、第1の話者用に割り当てる。こ
れらを、第1の話者用の音響入力装置グループ701と
して図7に表す。
【0156】なお、図7の例では、第1の話者103用
の音響入力装置グループ701自体を、第1〜第6の音
響入力装置のうちの一部(図では4個)の音響入力装置
で構成している例を示しているが、音響入力装置グルー
プ701を、全ての音響入力装置(この例では第1〜第
6の音響入力装置)で構成しても良い。或いは、第1の
話者103の位置を推定する当初は第1〜第6の音響入
力装置を全て用いて当該推定を行い、その後は、第1の
話者103に近接する音響入力装置によって第1の話者
用の音響入力装置グループ701を構成しても良い(他
の話者について同様。)。
【0157】第1の話者103に割り当てられた第1の
音源位置推定装置161および空間指向性マイクロホン
処理装置171と、第1の話者用の音響入力装置グルー
プ701とを、音響入力ネットワーク180a上で互い
に送受信可能となるように、互いの音響入力ネットワー
ク上のネットワークアドレスを各装置内に互いに通知し
あう。また、この第1の話者用の音響入力装置グループ
701それぞれの音響入力固有情報記憶部111d(図
2参照)に記憶させた音響入力特性の情報も、このとき
に、音響入力ネットワーク180aを通じて、第1の話
者用の音響入力装置グループ701から、第1の音源位
置推定装置161および第1の空間指向性マイクロホン
処理装置171に送るのが好適である。このような手順
により、音響入力ネットワーク180aを通じて第1の
話者用の音響入力装置グループ701から、それぞれの
音響入力装置の位置におけるデジタル波形データを、第
1の音源位置推定装置161および第1の空間指向性マ
イクロホン処理装置171に送ることができる。またこ
のときに送られた音響入力特性は音源位置推定装置16
1および空間指向性マイクロホン処理装置171の内部
に格納され、それぞれの装置内部の音響入力特性補償部
で用いられる。
【0158】また、第1の話者103と同様にして、第
2の話者105について、音源位置推定装置、空間指向
性マイクロホン処理装置および音響入力装置グループを
割り当てる。図7の場合、第2の話者105について、
第2の音源位置推定装置163、第2の空間指向性マイ
クロホン処理装置173および音響入力装置グループ7
03がそれぞれ割り当てられている。なお、第5の話者
110aについては、後の音響入力装置や音響出力装置
を追加する実施の形態において説明する。
【0159】また、図7および図8に示した様に、デジ
タル交換ネットワーク180d上では、第1の空間指向
性マイクロホン処理装置171から第3の空間指向性ス
ピーカ処理装置155への接続が確立している。また、
第2の空間指向性マイクロホン処理装置173から第4
の空間指向性スピーカ処理装置157への接続が確立し
ている。
【0160】一方、第3の話者107の受話において
は、第3の話者107に割り当てられた第3の空間指向
性スピーカ処理装置155と、第1〜第6の音響出力装
置131〜141のうちの第3の話者107への音の出
力に好適な音響出力装置のグループ711(図8参照。
以下、第3の話者用の音響出力装置グループ711)と
を、音響出力ネットワーク180bの上で互いに送受信
可能となるように、互いの音響出力ネットワーク180
b上のネットワークアドレスを各装置内に互いに通知し
あう。また、この第3の話者用の音響出力装置グループ
711それぞれの音響出力固有情報記憶部131dに記
憶させた音響出力特性の情報も、このときに、音響出力
ネットワーク180bを通じて第3の空間指向性スピー
カ処理装置155に送るのが好適である。このような手
順により、音響出力ネットワーク180bを通じて、第
3の話者107用の音響出力装置グループ711から、
それぞれの音響出力装置の位置におけるデジタル波形デ
ータを、第3の空間指向性スピーカ処理装置155に送
ることができる。またこのときに送られた音響出力特性
は第3の空間指向性スピーカ処理装置155の内部に格
納され、装置内部の音響出力特性補償部で用いられる。
【0161】また、第3の話者107と同様にして、第
4の話者109について、空間指向性スピーカ処理装置
および音響出力装置グループを割り当てる。図8の場
合、第4の話者109について、第4の空間指向性スピ
ーカ処理装置157、および音響出力装置グループ71
3がそれぞれ割り当てられている。なお、第6の話者1
10bについては、後の音響入力装置や音響出力装置を
追加する実施の形態において説明する。
【0162】以上のような手順で第1の話者103の送
話と第3の話者107の受話との接続、第2の話者10
5の送話と第4の話者109の受話との接続がそれぞれ
確立する。
【0163】送話・受話の準備が整うと、第1の音源位
置推定装置161は、第1の話者103の発話位置を推
定する。そのため、第1の音源位置推定装置161は、
第1の話者用の音響入力装置グループ701を用いて、
第1の話者103の発話位置を推定する。その後は、第
1の話者103の移動を十分に追跡可能なだけの一定の
周期ごとにその発話位置を推定する。具体的には、第1
の音源位置推定装置161は、第1の話者用の音響入力
装置グループ701の各音響入力装置から、それぞれの
音響入力波形(パケット)を音響入力ネットワーク18
0aを通じて受け取る。もちろん、これらパケットは、
同時刻にサンプリングされたもの、すなわち、入力同期
信号で同期が取られて入力されたパケットである。な
お、この発話位置の推定自体は、各音響入力装置の入力
波形の相互相関関数のピークから推定するなど、一般に
広く知られている音源位置推定方法を用いる。
【0164】次に、図2および図5を参照して、音響入
力装置の動作および音源位置推定装置の動作についてさ
らに説明する。
【0165】まず、交換制御装置191が第1の話者1
03と第3の話者107との通話の準備を整える際に、
グループ701の音響入力装置の音響入力固有情報記憶
部111dは、音響入力装置の位置および音響入力特性
およびネットワークアドレスなど、当該音響入力装置に
固有の情報を、音響入力ネットワーク180aを通じて
第1の音源位置推定装置161、第1の空間指向性マイ
クロホン処理装置171、第2の音源位置推定装置16
3および第2の空間指向性マイクロホン処理装置173
に送信する。そして通話の準備が整うと、マイクロホン
111eが音響入力装置の設置地点における音圧波形を
アナログ電気信号に変換する。ローパスフィルタ111
fがサンプリング時の折り返し周波数以下の周波数成分
のみを通過させ、A/D変換部111hがアナログ電気
信号をデジタル波形データに変換する。一方、同期信号
受信部111gの赤外線受光部111gaは、同期信号
発生装置190からサンプリング周波数に同期した赤外
線信号を受信し、電気信号に変換する。赤外線パケット
受信部111gbは電気信号を波形整形してサンプリン
グ基準時刻に同期したパルス(すなわち、入力同期信
号)を得る。A/D変換部111hはこのパルスに同期
して入力アナログ電気信号をデジタル波形データに変換
する。この波形データは応答パケット生成部111cで
当該音響入力装置の音響入力データとして、たとえば送
信ネットワークアドレスや受信ネットワークアドレスな
どを付加したパケットとして再構成され、パケット送受
信部111aを通じて音響入力ネットワーク180aに
出力される。
【0166】このように第1の話者用の音響入力装置グ
ループ710の各音響入力装置は、それぞれの設置地点
における音響信号を、パケットに変換して音響入力ネッ
トワーク180aに送信する。この送信の際は一つの音
響入力装置から複数の装置に対してパケットを送信する
ため、ネットワークにおけるブロードキャストパケット
あるいはマルチキャストパケットを用いるのが好適であ
る。
【0167】次に、音源位置推定装置は次のように動作
する。まず、交換制御装置191が第1の話者103と
第3の話者107との通話の準備を整える際に、第1の
音源位置推定装置161のパケット送受信部161a
(図5)は、通話に関係のある各音響入力装置の位置お
よび音響入力特性およびネットワークアドレスなどを含
むパケットを、音響入力ネットワーク180aから受信
する。次に、パケット識別部161bでパケットの内容
を識別し、それぞれの音響入力装置の音響入力特性を第
1〜第6の音響入力特性記憶部161j〜161oのう
ち該当する記憶部に格納する。また、それぞれの音響入
力装置の位置を音源位置推定部161pに格納する。そ
して通話の準備が整うと、第1〜第6の音響入力装置の
うちの、使用する音響入力装置が送信したデジタル波形
データを含むパケットから、第1のパケット送受信部1
61aは第1のパケット識別部161bを通じてデジタ
ル波形データを、第1の音響入力特性補償部161dか
ら第6の音響入力特性補償部161iのうちの当該入力
に相当する特性補償部に送る。第1〜第6の音響入力特
性補償部161d〜161iはそれぞれの音響入力の周
波数感度・位相特性を補償し、平坦な周波数感度・位相
特性でのデジタル波形データに補正し、音源位置推定部
161pに送る。音源位置推定部161pは、第1〜第
6の音響入力装置で得た入力波形であって特性補償後の
デジタル入力波形を用いて、当該音源位置推定を行う。
音源位置推定の結果は第2の応答パケット生成部161
sにおいて、たとえば送信ネットワークアドレスや受信
ネットワークアドレスなどを付加したパケットとして再
構成し、第2のパケット送受信部161qを通じて音源
位置ネットワーク180cに送信される。この送信の際
は一つの音源位置推定装置から複数の装置に対してパケ
ットを送信するため、ネットワークにおけるブロードキ
ャストパケットあるいはマルチキャストパケットを用い
るのが好適である。
【0168】なお、音源位置推定の際、同期信号用バス
180eからパケット受信部161tを通じてサンプリ
ング基準時刻情報を受信し、音源の動きの追跡などに使
用するのが好適である。
【0169】以上説明した様に音源位置が推定できる
と、第1の音源位置推定装置161は第1の話者103
の音源位置を、音源位置ネットワーク180cを通じて
第1の空間指向性マイクロホン処理装置171と第1の
空間指向性スピーカ処理装置151とに伝送する。
【0170】第1の空間指向性マイクロホン処理装置1
71は音源位置ネットワーク180cを通じて受け取っ
た音源位置に応じた位置に音響的な指向性を合成する。
この指向性合成は、音源位置と音響入力装置111〜1
21とのそれぞれの距離に応じて音響伝達時間を計算し
て補償し同期加算するような方式でもよいし、音源位置
と音響入力装置との間の音響伝達特性を補償して同期加
算するようなものであってもよい。このため、空間指向
性マイクロホン処理装置171は各音響入力装置111
〜121から、それぞれの音響入力波形を音響入力ネッ
トワーク180aを通じて受け取る。
【0171】次に、図6を参照して、空間指向性マイク
ロホン処理装置の動作について説明する。まず、交換制
御装置191が第1の話者103と第3の話者107と
の通話の準備を整える際に、第1の空間指向性マイクロ
ホン処理装置171の第1のパケット送受信部171a
は、通話に関係のある各音響入力装置の位置および音響
入力特性およびネットワークアドレスなどを音響入力ネ
ットワーク180aから受信する。また、このように受
信したパケットの内容を、第1のパケット識別部171
bは識別し、それぞれの音響入力装置の音響入力特性を
第1〜第6の音響入力特性記憶部171j〜171oの
うち該当する記憶部に格納する。また、それぞれの音響
入力装置の位置を空間指向性合成入力処理部171pに
格納する。そして通話の準備が整うと、音響入力装置1
11〜121が送信したデジタル波形データを含むパケ
ットから、第1のパケット送受信部171aと第1のパ
ケット識別部171bを通じてデジタル波形データを取
り出し、第1〜第6の音響入力特性補償部171d〜1
71iのうち当該入力に相当する特性補償部に送る。各
音響入力特性補償部171d〜171iはそれぞれの音
響入力装置の周波数感度・位相特性を補償し、平坦な周
波数感度・位相特性でのデジタル波形データに補正し、
空間指向性合成入力処理部171pに送る。一方、空間
指向性合成入力処理部171pは音源位置ネットワーク
180cから第3のパケット送受信部171tおよび第
3のパケット識別部171uを通じて指向性合成の目標
となる位置の情報を目標位置パケット(この場合第1の
話者103の推定位置)として受け取り、この位置情報
に基づいて空間指向性合成入力する処理を行う。指向性
合成の結果得られた推定音源波形は、送話音として第2
の応答パケット生成部171sで、たとえば送信ネット
ワークアドレスや受信ネットワークアドレスなどを付加
したパケットとして再構成し、第2のパケット送受信部
171qを通じてデジタル交換ネットワーク180dに
送信される。
【0172】このような動作により、第1の空間指向性
マイクロホン処理装置171は第1の話者103の位置
における音響出力を第1の話者103の発話音声として
デジタル交換ネットワーク180dに送信する。デジタ
ル交換ネットワーク180dの内部では、前記のように
第1の空間指向性マイクロホン処理装置171と第3の
空間指向性スピーカ処理装置155が接続されているた
め、第1の話者103の発話音声は第3の空間指向性ス
ピーカ処理装置155に入力される。
【0173】この第3の空間指向性スピーカ処理装置1
55は、第1の話者103に対する音源位置推定と同様
の処理により、第2の音源位置推定装置163から第3
の話者107の推定位置を得ている。この推定位置に第
1の話者103の発話音声がより伝達されやすい様に、
第3の空間指向性スピーカ処理装置155は、第1の話
者103の発話音声に、第3の話者107への空間指向
性を持たせる音響出力処理を行う。
【0174】次に、図4を参照してこの第3の空間指向
性スピーカ処理装置155の動作について説明する。ま
ず、交換制御装置191が第1の話者103と第3の話
者107との通話の準備を整える際に、通話に関係のあ
る各音響出力装置の位置および音響出力特性およびネッ
トワークアドレスなどを音響出力ネットワーク180b
から第2のパケット送受信部151qが受信する。この
受信したパケットの内容を、第2のパケット識別部15
1rは識別し、それぞれの音響出力装置の音響出力特性
を音響出力特性記憶部151k〜151pのうち該当す
る記憶部に格納する。また、それぞれの音響出力装置の
位置を空間指向性合成出力処理部151dに格納する。
そして通話の準備が整うと、第1の空間指向性マイクロ
ホン処理装置171がデジタル交換ネットワーク180
dに送信したデジタル波形データを含むパケットから、
第1のパケット送受信部151aと第1のパケット識別
部151bとを通じてデジタル波形データを取り出し、
目標波形の波形パケットとして空間指向性合成出力処理
部151dに送る。一方、空間指向性合成出力処理部1
51dは音源位置ネットワーク180cから第3のパケ
ット送受信部151tおよび第3のパケット識別部15
1uを通じて指向性合成の目標となる位置の情報を目標
位置パケット(この場合第3の話者107の推定位置)
として受け取り、この位置に空間指向性合成出力する処
理を行う。この空間指向性合成の処理は、例えば第1の
話者103の位置と第1〜第6の音響出力装置131〜
141との距離に相当する伝搬遅延時間をあらかじめ補
償したデジタル波形データを各音響出力装置から出力す
るなどの方式で、第1の話者103の位置に指向性を持
たせるための処理を行う。この空間指向性合成出力処理
部151dの出力は、各音響出力装置の周波数出力音圧
・位相特性が平坦であることを前提にしたものである。
そこで、空間指向性合成出力処理部151dの各出力を
音響出力特性補償部151e〜151jのうちの当該入
力に相当する特性補償部に送る。各音響出力特性補償部
151e〜151jは、それぞれの音響出力の周波数出
力音圧・位相特性を補償し、平坦な周波数出力音圧・位
相特性を出力するようなデジタル波形データに補正す
る。これら各音響出力装置のためのデジタル波形データ
は、それぞれ当該音響出力装置に到達するために、第2
の応答パケット生成部151sでたとえば送信ネットワ
ークアドレスや受信ネットワークアドレスなどを付加し
たパケットとして再構成し、第2のパケット送受信部1
51qを通じて音響出力ネットワーク180bに送信さ
れる。
【0175】次に、図3を参照して、音響出力装置の動
作について説明する。まず、交換制御装置191が第1
の話者103と第3の話者107との通話の準備を整え
る際に、音響出力装置の音響出力固有情報記憶部131
dは、音響出力装置の位置および音響出力特性およびネ
ットワークアドレスなど、当該音響出力装置に固有の情
報を、音響出力ネットワーク180bを通じて通話に関
連のある第1の空間指向性スピーカ処理装置151およ
び第2の空間指向性スピーカ処理装置153に送信す
る。そして通話の準備が整うと、当該音響出力装置に向
かって送信された第1の空間指向性スピーカ処理装置1
51および第2の空間指向性スピーカ処理装置153か
らの音響出力装置のためのデジタル波形データを含むパ
ケットを、当該音響出力装置のパケット送受信部131
aにより受信する。この受信したパケットから、パケッ
ト識別部131bは、デジタル波形データを取り出して
これを多チャネルサンプルバッファ131eに格納す
る。多チャネルサンプルバッファ131eは複数の各空
間指向性スピーカ処理装置からのデジタル波形データ
を、波形加算部131fが加算を完了するまでを保持す
る。波形加算部131fは多チャネルサンプルバッファ
131eの内容を加算することにより複数の空間指向性
スピーカ処理装置の共通の出力装置として一つの出力デ
ジタル波形データを計算し、D/A変換部131hに送
る。一方、赤外線受光部131gaは同期信号発生装置
190からサンプリング周波数に同期した赤外線信号を
受信し、電気信号に変換する。赤外線パケット受信部1
31gbは電気信号を波形整形してサンプリング基準時
刻に同期した出力同期信号を得る。D/A変換部131
hはこの出力同期信号に同期してデジタル波形データを
アナログ電気信号に変換する。ローパスフィルタ131
iは、サンプリング時の折り返し周波数以下の周波数成
分のみを通過させる。この通過した信号をスピーカ13
1jが電気音響変換を行い、所望の音響出力を得る。
【0176】以上説明したような過程で第1の話者10
3の位置が音源位置として検出され、この音源位置に指
向性を持ったマイクロホン処理を行うことにより、発話
音声が伝送され、一方、第3の話者107の位置が音源
位置として検出され、この音源位置に指向性を持ったス
ピーカ処理を行うことにより、第3の話者107は自身
がいる箇所で第1の話者103の音声を明瞭に受話でき
る。また、逆の処理、すなわち、第3の話者107の発
話音声が第1の話者103の位置で明瞭に受話できるた
め、騒音環境の大きな場所でも第1および第3の話者が
容易に会話することができる。
【0177】1−3.音響入力装置や音響出力装置等を
追加する場合の説明 次に、第1の実施の形態の音響処理システム100に、
新たに音響入力装置や音響出力装置を追加する場合の、
該システム100の動作について説明する。ここでは、
図7および図8に示した様に、第7の音響入力装置12
3および第7の音響出力装置143を、システム100
に追加する例で、然も、第5の話者110aおよび第6
の話者110bがこれら追加された音響入力装置123
および音響出力装置143を、彼らの音響入力装置や音
響出力装置の一部として利用する例を説明する。なお、
これら追加された第5および第6の話者には、音響入力
装置や音響出力装置が割り当てられるが、図7および図
8では、第5の話者用の音響入力装置グループとしてグ
ループ705が割り当てられ、第6の話者用の音響出力
装置グループとしてグループ715が割り当てられた例
を示してある。
【0178】まず、音響入力装置の追加の手順について
説明する。音響入力装置の数を増やして音源位置推定の
精度を向上させたり、空間指向性マイクロホン処理装置
のSN比を向上させたり、通話可能な空間を拡張したり
する場合には、音響入力装置の追加が必要になる。本発
明の第1の実施の形態の音響処理システム100の例に
おいては以下のような手順で容易に音響入力装置を追加
できる。
【0179】例えば第7の音響入力装置123を追加す
る場合には、音響入力装置123の設置場所を決め、そ
の位置情報と新たなネットワークアドレスを音響入力装
置123内部の音響入力固有情報記憶部に書き込む。ま
た、図1に示したネットワークアドレス管理装置193
に、この音響入力装置123の管理情報を追加する。
【0180】また、交換制御装置191の内部に、接続
の際に利用可能な音響入力装置としてこの第7の音響入
力装置123の情報を追加する。以上のような簡単な手
順で音響入力装置の追加が完了し、この第1の実施の形
態の音響処理システム100でこの追加した音響入力装
置123を使用することができる。
【0181】次に、音響出力装置の追加の手順について
説明する。音響出力装置の数を増やして空間指向性スピ
ーカの指向性を向上させたり、通話可能な空間を拡張し
たりする場合には、音響出力装置の追加が必要になる。
本発明の第1の実施の形態の音響処理システム100の
例においては以下のような手順で容易に音響出力装置を
追加できる。
【0182】例えば第7の音響出力装置143を追加す
る場合には、この音響出力装置143の設置場所を決
め、その位置情報と新たなネットワークアドレスを音響
出力装置143内部の音響出力固有情報記憶部に書き込
む。また、この音響出力装置143の管理情報を、図1
に示したネットワークアドレス管理装置193に、追加
する。
【0183】また、交換制御装置191の内部に、接続
の際に利用可能な音響出力装置としてこの第7の音響出
力装置143の情報を追加する。以上のような簡単な手
順で音響出力装置の追加が完了し、この第1の実施の形
態の音響処理システム100でこの追加した音響出力装
置143を使用することができる。
【0184】次に、回線数の追加の手順について説明す
る。同時に通話可能な回線数を増加させたい場合(すな
わち、同時に処理できる音響処理数を増加させたい場
合)、音源位置推定装置、空間指向性マイクロホン処理
装置および空間指向性スピーカ処理装置の数を増加する
必要がある。例えば、図7において第1の話者103と
第3の話者107とが通話中であり、さらに第2の話者
105と第4の話者109とが通話中の場合には、シス
テム100の新たな利用希望者110a、110bは、
通話を行えない。これを回避するために、新たに第5の
音源位置推定装置169、第5の空間指向性マイクロホ
ン処理装置179および第5の空間指向性スピーカ処理
装置159を追加する。以下、これらの追加手順につい
て説明する。なお、双方向の通話のためには更にもう1
組の処理装置が必要となるが、これらについては、以下
の追加の手順と同様の手順で追加が可能であり、1組の
みについて説明する。
【0185】まず、第5の音源位置推定装置169を追
加する場合には、音響入力ネットワーク180aおよび
音源位置ネットワーク180cそれぞれにおける新たな
ネットワークアドレスを割り当て、それぞれのネットワ
ークアドレスを第5の音源位置推定装置169内部の第
1の応答パケット生成部(図5の161cに対応するも
の)および第2の応答パケット生成部(図5の161s
に対応するもの)に書き込む。
【0186】また、第5の空間指向性マイクロホン処理
装置179を追加する場合には、音響入力ネットワーク
180aおよび音源位置ネットワーク180cそれぞれ
における新たなネットワークアドレスを割り当て、それ
ぞれのネットワークアドレスを空間指向性マイクロホン
処理装置179内部の第1の応答パケット生成部(図6
の171cに対応するもの)および第3の応答パケット
生成部(図6の171vに対応するもの)に書き込む。
【0187】また、第5の空間指向性スピーカ処理装置
159を追加する場合には、音響出力ネットワーク18
0bおよび音源位置ネットワーク180cそれぞれにお
ける新たなネットワークアドレスを割り当て、それぞれ
のネットワークアドレスを空間指向性スピーカ処理装置
159内部の第2の応答パケット生成部(図4の151
sに対応するもの)および第3の応答パケット生成部
(図4の151vに対応するもの)に書き込む。
【0188】最後に、新たに追加した第5の音源位置推
定装置169、第5の空間指向性マイクロホン処理装置
179および空間指向性スピーカ処理装置159に関す
る管理情報を、図1に示したネットワークアドレス管理
装置193に、追加する。
【0189】上述した第1の実施の形態の音響処理シス
テム100によれば、以下の様な効果を得ることができ
る。
【0190】(1)複数の音響処理を同時に行う場合で
も、音響入力装置や音響出力装置を共有して使用するこ
とができるので、装置のコストを低くでき、かつ、音響
入力装置や音響出力装置の設置スペースも少なくて済
む。
【0191】(2)複数の音響処理を同時に行う場合で
も、音響入力装置や音響出力装置を共有して使用するこ
とができるため、音響入力装置や音響出力装置の数を抑
えることができるので、これら装置の位置を正確に求め
る手間が少なくなる。
【0192】(3)複数の音響処理を同時に行う場合で
も、音響入力装置や音響出力装置を共有して使用するこ
とができるため、音響処理を追加する場合でも、音響入
力装置や音響出力装置を追加する必要が無いので、音響
伝達特性の変化を避けることが出来る。
【0193】(4)音響処理システムに音響入力装置や
音響出力装置をもし追加する場合でも、各音響入力装置
や各音響出力装置をネットワークに接続し、ネットワー
ク設定の追加を行い、音響伝達系の再測定を行うのみで
よいため、手間が少ない。
【0194】(5)音響処理システムに音響入力装置や
音響出力装置をもし追加する場合でも、中央処理装置
(音源位置推定装置、空間指向性マイクロホン処理装
置、空間指向性スピーカ処理装置のこと)の中に記憶さ
れた、前記音響入力装置や音響出力装置の位置情報や入
力周波数特性や出力周波数特性などのこれら装置固有の
情報をネットワーク経由で更新することができ、情報更
新の手間が少ない。
【0195】(6)音響入力装置から中央処理装置まで
や中央処理装置から音響出力装置までの経路の各音響信
号をデジタルデータで伝送するため、信号線同士のクロ
ストークや外部雑音の影響が少なく、雑音を生じにく
い。また、音響入力装置や中央処理装置や音響出力装置
の間はデジタルネットワーク接続でよいため、信号線や
雑音源の間の結合に強く、配線工事の手間が少ない。
【0196】(7)システムの使用条件が変化し音響入
力装置や音響出力装置の位置が最適ではなくなった場合
にでも、ネットワーク上の設定変更のみを行うことでこ
れら音響入力装置や音響出力装置の使用するセットを変
更して対応することができるため、音響入力装置や音響
出力装置の移動や位置・音響伝達特性の再測定などは不
要であり、このような使用条件の変化への対応が容易で
ある。
【0197】(8)また、同期信号を伝送するために専
用のネットワーク(実施の形態では赤外線を用いたネッ
トワーク)を用いる構成の場合、音響入力ネットワーク
180a、音響出力ネットワーク180bが、例えば複
数のハブやリピータを用いたネットワークトポロジを用
い、これによりパケット遅延がある程度生じても、音響
入力や音響出力の同期タイミングは別個に確保できると
いう利点を得ることができる。複数の音響処理を同時に
する場合、各処理で同時に使用される複数の音響入力装
置それぞれの音の入力タイミングや、各処理で同時に使
用される複数の音響出力装置それぞれの音の出力タイミ
ングが同期しないと、実用に耐える音響処理システムは
実現できないので、上記の様に同期信号伝送のための専
用のネットワークを用意するのは、好ましい。
【0198】2.第2の実施の形態 上述した第1の実施の形態の音響処理システム100
は、音源位置推定装置、空間指向性マイクロホン処理装
置および空間指向性スピーカ処理装置それぞれを、各音
響処理ごとに個別のハードウエアとして具えていた。し
かし、各音響処理ごとの音源位置推定装置、空間指向性
マイクロホン処理装置および空間指向性スピーカ処理装
置それぞれを、共通なハードウエア(典型的には1つの
コンピュータ)内に分離して格納したソフトウエアで構
成しても良い。この第2の実施の形態は、その例であ
る。
【0199】2−1.構成の説明 図9および図10は、この第2の実施の形態の音響処理
システム200を説明するためのブロック図である。紙
面の都合上、音響処理システム200を2つに分けて示
した図である。なお、図10では、音響処理の対象の音
響空間201内に、第1〜第4の話者203、205、
207および209が存在する例を示してある。
【0200】この第2の実施の形態の音響処理システム
200は、図9および図10に示したように、複数の音
響入力装置としての、第1〜第6の音響入力装置21
1、213、215、217、219および221と、
複数の音響出力装置としての、第1〜第6の音響出力装
置231、233、235、237、239および24
1と、当該システム200全体を制御するハードウエア
300と、情報交換ネットワーク500とを具える。以
下、各構成成分について説明する。
【0201】先ず、第1〜第6の音響入力装置211〜
221と、第1〜第6の音響出力装置231〜241と
は、いずれも、音響処理の対象の音響空間201の適正
位置に配置してある。もちろん、音響入力装置や音響出
力装置それぞれの数は、ここで例示の6に限られず、任
意の数に変更できる。
【0202】図11は、第2の実施の形態の音響入力装
置の1構成例を説明するブロック図である。第1〜第6
の音響入力装置211〜221それぞれは同一の構成と
してある。図11は第1の音響入力装置211に着目し
た図である。
【0203】この第1の音響入力装置211は、パケッ
ト送受信部211aと、パケット識別部211bと、応
答パケット生成部211cと、音響入力固有情報記憶部
211dと、サンプリングパケットロス補償部211e
と、ローパスフィルタ211fと、A/D変換部211
gと、マイクロホン特性補償部211hと、マイクロホ
ン211iとを含む。
【0204】パケット送受信部211aは、情報交換ネ
ットワーク500との間でデータを含むパケットを送受
信する。パケット識別部211bは、情報交換ネットワ
ーク500上のパケットのうち当該音響入力装置に関連
したパケットを識別し対応した動作を行う。応答パケッ
ト生成部211cは、情報交換ネットワーク500上の
パケットに当該音響入力装置に対する応答要求が流され
た場合に当該音響入力装置からの応答パケットを生成す
る。音響入力固有情報記憶部211dは、当該音響入力
装置に固有の音響入力装置の位置(音響空間201上の
物理的位置)および音響入力特性およびネットワークア
ドレスなどを記憶する。サンプリングパケットロス補償
部211eは、情報交換ネットワーク500からサンプ
リング周期に同期して受信したパケットがパケット衝突
などを起こしている場合に、該パケットの欠落を補償す
る。ローパスフィルタ211fは、時間量子化による折
り返し成分を取り除く。マイクロホン211iは、シス
テム200の利用者の音を入力する。A/D変換部21
1gは、サンプリングパケットロス補償部211eから
の同期信号(サンプリング基準時刻に同期したパルス)
に同期してマイクロホン入力をデジタル信号に変換す
る。マイクロホン特性補償部211hは、音響入力固有
情報記憶部211dに記憶した音響入力特性を用いてマ
イクロホン211iの周波数感度・位相特性を補償す
る。
【0205】また、図12は、第2の実施の形態の音響
出力装置の1構成例を説明するブロック図である。第1
〜第6の音響出力装置231〜241それぞれは同一の
構成としてある。図12は、第1の音響出力装置231
に着目した図である。
【0206】この第1の音響出力装置231は、パケッ
ト送受信部231aと、パケット識別部231bと、応
答パケット生成部231cと、音響出力固有情報記憶部
231dと、スピーカ特性補償部231eと、サンプリ
ングパケットロス補償部231fと、D/A変換部23
1gと、ローパスフィルタ231hと、スピーカ231
iとを含む。
【0207】パケット送受信部231aは、情報交換ネ
ットワーク500との間でデータを含むパケットを送受
信する。パケット識別部231bは、情報交換ネットワ
ーク500上のパケットのうち当該音響出力装置に関連
したパケットを識別し対応した動作を行う。応答パケッ
ト生成部231cは、情報交換ネットワーク500上の
パケットに当該音響出力装置に対する応答要求が流され
た場合に当該音響出力装置からの応答パケットを生成す
る。音響出力固有情報記憶部231dは、当該音響出力
装置に固有の音響出力装置の位置(音響空間201上の
物理的位置)および音響出力特性およびネットワークア
ドレスなどを記憶する。スピーカ特性補償部231e
は、音響出力固有情報記憶部231dに記憶した音響出
力特性を用いてスピーカ231iの周波数出力音圧・位
相特性を補償する。サンプリングパケットロス補償部2
31fは、情報交換ネットワーク500からサンプリン
グ周期に同期して受信したパケットがパケット衝突など
を起こしている場合に、該パケットの欠落を補償する。
D/A変換部231gは、サンプリングパケットロス補
償部231fからの同期信号(サンプリング基準時刻に
同期したパルス)に同期してデジタル出力波形をアナロ
グ信号に変換する。ローパスフィルタ231hは、時間
量子化による折り返し成分を取り除く。スピーカ231
iは、電気音響変換をする。
【0208】また、ハードウエア300は、典型的に
は、コンピュータで構成できる。このハードウエア30
0は、この実施の形態の場合、対称型マルチプロセッサ
装置301と、主記憶装置303と、ネットワークイン
タフェース装置303とを含む。
【0209】対称型マルチプロセッサ装置301は、本
システム200で実行させたい種々の処理を実行する。
【0210】主記憶装置303は、以下に説明する各種
のソフトウエアおよび種々のデータを記憶する。図9で
は、主記憶装置303内の各種のソフトウエアを記憶さ
せた部分を、ソフトウエア部303aとして、模式的に
示してある。
【0211】ネットワークインタフェース装置305
は、情報交換ネットワーク500を介して、音響入力装
置211〜221や音響出力装置231〜241と、ハ
ードウエア300との情報(この場合各種パケット)を
交換する。
【0212】また、情報交換ネットワーク500は、ハ
ードウエア300と、各音響入力装置211〜221お
よび各音響出力装置231〜241との間を接続してい
て、この第2の実施の形態の音響処理システム200の
動作で必要とする種々の情報(各種パケット)を伝送す
る。
【0213】次に、ハードウエア300内のソフトウエ
ア部303aの構成を説明する。このソフトウエア部3
03aは、出力波形算出装置を実現するための第1のソ
フトウエア部303aaと、音響入力装置制御装置を実
現するための第2のソフトウエア部303abと、同期
信号発生装置を実現するための第3のソフトウエア部3
03acと、音源位置推定装置を実現するための第4の
ソフトウエア部303adと、その他の処理(後述す
る)を実現するための第5のソフトウエア部303ae
とを含む。
【0214】音響入力装置制御装置を実現するための第
2のソフトウエア部303abは、第1〜第4の空間指
向性マイクロホン処理スレッド311、313、31
5、317と、第1〜第6のマイクロホン入力スレッド
321、323、325、327、329、331とを
含む。
【0215】第1〜第4の空間指向性マイクロホン処理
スレッド311〜317それぞれは、それらに共通な空
間指向性マイクロホン処理シェアードコード318と、
各スレッド311〜317ごとに個別なデータ部319
とを含む。
【0216】各第1〜第4の空間指向性マイクロホン処
理スレッド311〜317は、後述する第1〜第4の音
源位置推定スレッド381〜387のいずれか1つが推
定した位置に第1〜第6の音響入力装置の指向性が向く
ように、該指向性を制御する。
【0217】図13は、この空間指向性マイクロホン処
理スレッド311〜317それぞれの一構成例を示す図
である。これらスレッド311〜317いずれも同一の
構成である。そこで、第1の空間指向性マイクロホン処
理スレッド311に着目して示してある。
【0218】この第1の空間指向性マイクロホン処理ス
レッド311は、第1〜第6の音響入力キューバッファ
311a〜311fと、空間指向性マイクロホン処理部
311gとを含む。
【0219】第1の音響入力キューバッファ311a
は、第1のマイクロホン入力スレッド321からのデジ
タル波形を先入先出方式で格納する。第2〜第6の音響
入力キューバッファ311b〜311fそれぞれは、第
2〜第6のマイクロホン入力スレッド323〜331の
うちの対応するスレッドからのデジタル波形を先入先出
方式で格納する。また、空間指向性マイクロホン処理部
311gは、対応する音源位置推定スレッドからの音源
推定位置に関するデータと、第1〜第6の音響入力キュ
ーバッファ311a〜311fが出力するデジタル波形
(音響入力)とを利用して、該推定位置(例えば第1の
話者203の位置)に音響入力装置の指向性を持たせ、
推定音源波形を出力する。なお、マイクロホン処理部3
11gには、サンプリング基準時刻発生プロセス371
(後述する)から同期パルスが入力される。
【0220】このような構成を持つ第1〜第4の空間指
向性マイクロホン処理スレッド311〜317それぞれ
は、互いに空間指向性マイクロホン処理シェアードコー
ド318を共通にして、それぞれ独立のスレッドとして
対称型マルチプロセッサ装置301によって実行され
る。
【0221】また、第1〜第6のマイクロホン入力スレ
ッド321〜331それぞれは、第1〜第6の音響入力
装置のうちの重複しない1つの装置の音を入力し、これ
を、第1〜4の空間指向性マイクロホン処理スレッド3
11〜317および後述する第1〜第4の音源位置推定
スレッド381〜387それぞれに具わる第1〜第6の
音響入力キューバッファのうちの、対応するバッファに
分配する。具体的にいえば、例えば、第1のマイクロホ
ン入力スレッド321は、第1の音響入力装置211の
音を、第1〜4の空間指向性マイクロホン処理スレッド
311〜317それぞれの第1の音響入力キューバッフ
ァ311aおよび第1〜第4の音源位置推定スレッド3
81〜387それぞれの第1の音響入力キューバッファ
381a(図17参照)に分配する。
【0222】これら第1〜第6のマイクロホン入力スレ
ッド321〜331それぞれは、それらに共通なマイク
ロホン入力シェアードコード333と、各スレッド32
1〜331ごとに個別なデータ部355とを含む。
【0223】図14は、このマイクロホン入力スレッド
321〜331それぞれの一構成例を示す図である。こ
れらスレッド321〜331いずれも同一の構成であ
る。そこで、第1のマイクロホン入力スレッド321に
着目して示してある。
【0224】マイクロホン入力スレッド321は、対応
する音響入力装置からのパケットを受信するマイクロホ
ンパケット受信部321aと、この受信で得たデジタル
波形データを、第1〜第4の空間指向性マイクロホン処
理スレッド311〜317および第1〜第4の音源位置
推定スレッド381〜387へ分配するマイクロホンデ
ータ分配部321bとを含む。なお、マイクロホンデー
タ分配部321bには、サンプリング基準時刻発生プロ
セス371(後述する)から同期パルスが入力される。
【0225】このような構成を持つ第1〜第6のマイク
ロホン入力スレッド321〜331それぞれは、互いに
マイクロホン入力シェアードコード333を共通にし
て、それぞれ独立のスレッドとして対称型マルチプロセ
ッサ装置301によって実行される。
【0226】また、出力波形算出装置を実現するための
第1のソフトウエア部303aaは、第1〜第4の空間
指向性スピーカ処理スレッド341、343、345、
347と、第1〜第6のスピーカ出力スレッド351、
353、355、357、359、361とを含む。
【0227】第1〜第4の空間指向性スピーカ処理スレ
ッド341〜347それぞれは、それらに共通な空間指
向性スピーカ処理シェアードコード348と、各スレッ
ド341〜347ごとに個別なデータ部349とを含
む。
【0228】各第1〜第4の空間指向性スピーカ処理ス
レッド341〜347は、後述する第1〜第4の音源位
置推定スレッド381〜387のうちの対応する音源位
置推定スレッドが推定した位置に第1〜第6の音響出力
装置の指向性が向くように、該指向性を制御する。
【0229】図15は、この空間指向性スピーカ処理ス
レッド341〜347それぞれの一構成例を示す図であ
る。これらスレッド341〜347いずれも同一の構成
である。そこで、第1の空間指向性スピーカ処理スレッ
ド341に着目して示してある。
【0230】この第1の空間指向性スピーカ処理スレッ
ド341は、音源位置推定スレッドが推定した位置に指
向性が生じるような出力波形を第1〜第6のスピーカ出
力スレッド351〜361へ出力する空間指向性合成処
理部341aを含む。なお、空間指向性合成処理部34
1aには、サンプリング基準時刻発生プロセス371
(後述する)から同期パルスが入力される。
【0231】このような構成を持つ第1〜第4の空間指
向性スピーカ処理スレッド341〜347それぞれは、
互いに空間指向性スピーカ処理シェアードコード348
を共通にして、それぞれ独立のスレッドとして対称型マ
ルチプロセッサ装置301によって実行される。
【0232】また、第1〜第6のスピーカ出力スレッド
351〜361は、第1〜第4の空間指向性スピーカ処
理スレッド341〜347それぞれから第1〜第6の音
響出力装置231〜241にそれぞれ出力される波形の
内の、第1の音響出力装置用の波形同士、第2の音響出
力装置用の波形同士、・・、第6の音響出力装置用の波
形同士を加算し、この結果を対応する音響出力装置に出
力する。
【0233】これら第1〜第6のスピーカ出力スレッド
351〜361それぞれは、それらに共通なスピーカ出
力シェアードコード363と、各スレッド351〜36
1ごとにに個別なデータ部365とを含む。
【0234】図16は、このスピーカ出力スレッド35
1〜361それぞれの一構成例を示す図である。これら
スレッド351〜361いずれも同一の構成である。そ
こで、第1のスピーカ出力スレッド351に着目して示
してある。
【0235】スピーカ出力スレッド351は、第1〜第
4の音響出力キューバッファ351a〜351dと、ス
ピーカ波形加算部351eと、応答パケット生成部35
1fとを含む。なお、スピーカ波形加算部351eに
は、サンプリング基準時刻発生プロセス371からの同
期パルスが入力される。
【0236】第1の音響出力キューバッファ351a
は、第1の空間指向性スピーカ処理スレッド341から
出力されるデジタル波形データのうちの第1の音響出力
装置231のデータを、先入先出方式で格納する。第2
〜第4の音響出力キューバッファ351b〜351dそ
れぞれは、第2〜第4の空間指向性スピーカ処理スレッ
ド343〜347から出力されるデジタル波形データの
うちの第1の音響出力装置のデータを、先入先出方式で
格納する。
【0237】スピーカ波形加算部351eは、第1〜第
4の音響出力キューバッファ351a〜351dから出
力される波形を加算する。
【0238】応答パケット生成部351fは、加算した
波形を、パケットの形態で情報交換ネットワーク500
に出力する。
【0239】このような構成を持つ第1〜第6のスピー
カ出力スレッド351〜361それぞれは、互いにスピ
ーカ出力シェアードコード363を共通にして、それぞ
れ独立のスレッドとして対称型マルチプロセッサ装置3
01によって実行される。
【0240】また、同期信号発生装置を実現する第3の
ソフトウエア部303acは、サンプリング基準時刻発
生プロセス371を含む。このサンプリング基準時刻発
生プロセス371は、第1〜第6の音響入力装置211
〜221が音を入力する時の同期をとるためのパルス
(すなわち入力同期信号)、および、第1〜第6の音響
出力装置231〜241が音を出力する時の同期をとる
ためのパルス(すなわち出力同期信号)等を発し、これ
をサンプリングパケットとして情報交換ネットワーク5
00に出力する。
【0241】また、音源位置推定装置を実現するための
第4のソフトウエア部303adは、第1〜第4の音源
位置推定スレッド381〜387を含む。
【0242】これら第1〜第4の音源位置推定スレッド
381〜387それぞれは、担当する音源(担当する話
者)の位置を推定する。
【0243】これら第1〜第4の音源位置推定スレッド
381〜387それぞれは、それらに共通な音源位置推
定シェアードコード388と、各スレッドごとに個別な
データ部389とを含む。
【0244】図17は、この音源位置推定スレッド38
1〜387それぞれの一構成例を示す図である。これら
スレッド381〜387いずれも同一の構成であるの
で、第1の音源位置推定スレッド381に着目して示し
てある。
【0245】この第1の音源位置推定スレッド381
は、第1〜第6の音響入力キューバッファ381a〜3
81fと、音源位置推定部381gとを含む。なお、音
源位置推定部381gには、サンプリング基準時刻発生
プロセス371(前述)から同期パルスが入力される。
【0246】第1の音響入力キューバッファ381a
は、第1のマイクロホン入力スレッド321からのデジ
タル波形を先入先出方式で格納する。第2〜第6の音響
入力キューバッファ381b〜381fそれぞれは、第
2〜第6のマイクロホン入力スレッド323〜331の
うちの対応するスレッドからのデジタル波形を先入先出
方式で格納する。また、音源位置推定部381gは、第
1〜第6の音響入力装置211〜221それぞれの音響
入力を利用して、ある音源の位置(例えば第1の話者2
03の位置)を推定する。
【0247】このような構成を持つ第1〜第4の音源位
置推定スレッド381〜387それぞれは、互いに音源
位置推定シェアードコード388を共通にして、それぞ
れ独立のスレッドとして対称型マルチプロセッサ装置3
01によって実行される。
【0248】また、第5のソフトウエア部303ae
は、音響処理に関連する処理以外の処理を実行するプロ
グラム373(一般のプロセス373とも称する)と、
利用者の増減に応じて上記の各スレッドの生成や消去を
制御するプログラム375(スレッド生成消去制御プロ
セス375とも称する)と、各プロセス371、37
3、375および上記の各スレッドを、それぞれの優先
度に応じて実行させるプログラム377(マルチタスク
OS377とも称する)とを含む。
【0249】さらに、この第2の実施の形態の場合、第
5のソフトウエア部303aeは、音声合成処理、音声
認識処理および音声対話処理それぞれを実現するため、
第1〜第4の音声合成処理スレッド391〜397、第
1〜第4の音声認識処理スレッド401〜407および
第1〜第4の音声対話処理スレッド411〜417を含
む。
【0250】第1〜第4の音声合成処理スレッド391
〜397それぞれは、それらに共通な音声合成処理シェ
アードコード398と、各スレッド391〜397ごと
に個別なデータ部399を含む。
【0251】第1〜第4の音声認識処理スレッド401
〜407それぞれは、それらに共通な音声認識処理シェ
アードコード408と、各スレッド401〜407ごと
に個別なデータ部409を含む。
【0252】また、上記の音声対話処理スレッド411
〜417それぞれは、それらに共通な音声対話処理シェ
アードコード418と、各スレッド411〜417ごと
に個別なデータ部419とを含む。
【0253】これら音声合成処理スレッド、音声認識処
理スレッドおよび音声対話処理スレッドは、典型的に
は、それぞれから1つずつ選ばれた組を構成する。すな
わち、第N音声合成処理スレッド、第N音声認識処理ス
レッドおよび第N音声対話処理スレッド(Nは1〜4の
いずれか)が対となるので、合計4つの組が構成され
る。
【0254】図18は、音声合成処理スレッド、音声認
識処理スレッドおよび音声対話処理スレッドの組を説明
する図である。第1の音声合成処理スレッド391と第
1の音声認識処理スレッド401と第1の音声対話処理
スレッド411とからなる組に着目した図である。
【0255】第1の音声合成処理スレッド391は、例
えば、第1の話者へハンズフリーで情報提供し、出力す
るための音声合成処理を行いデジタル波形データを生成
する。第1の音声対話処理スレッド411は、例えば第
1の話者が発話した内容を解釈し第1の話者への応答と
しての音声合成の内容を決定する。第1の音声認識処理
スレッド401は、例えば第1の話者が発話した内容を
音声認識する。
【0256】2−2.動作の説明 次に、第2の実施の形態の音響処理システム200の使
用例およびその動作について、図9から図18を参照し
て説明する。
【0257】ここでは、本システム200が第1の話者
203に対してハンズフリーの音声応答装置として動作
する場合について説明する。
【0258】最初に、音響処理システム200が起動し
た際の処理について説明する。一般のコンピュータシス
テムと同様の手順でマルチタスクOS377が起動す
る。このとき、音響処理に関係した各シェアードコード
を主記憶装置303内に格納しておくのが好適である。
前記各シェアードコードとは、音源位置推定シェアード
コード388、空間指向性スピーカ処理シェアードコー
ド348、マイクロホン入力シェアードコード333、
スピーカ出力シェアードコード363、空間指向性マイ
クロホン処理シェアードコード318、音声合成処理シ
ェアードコード398、音声認識処理シェアードコード
408、音声対話処理シェアードコード418である。
そして、スレッド生成消去制御プロセス375を通じ
て、接続された第1〜第6の音響入力装置211〜22
1に対応したマイクロホン入力スレッド321〜331
および、第1〜第6の音響出力装置231〜241に対
応したスピーカ出力スレッド351〜361を生成す
る。最後に、サンプリング基準時刻発生プロセス371
を起動し、サンプリング時刻の同期を保つための同期パ
ケットを情報交換ネットワーク500上に常時送信す
る。この送信の際は同期パケットを複数の装置に対して
送信するため、ネットワークにおけるブロードキャスト
パケットあるいはマルチキャストパケットを用いるのが
好適である。また、同期パケットの送信時刻によるサン
プル時刻の同期が目的であるため、ネットワーク上で衝
突が生じた際でもパケットの再送を行わないのが好適で
ある。以上で音響処理システムの起動時の処理は終了す
る。
【0259】次に、音声応答機能を用いた一般のアプリ
ケーションを一般のプロセス373として起動する。こ
のアプリケーションは、マルチタスクOS377を通じ
て第1の話者203の音声応答機能を利用するものとす
る。マルチタスクOS377は、スレッド生成消去制御
プロセス375を通じて第1の話者203に対して音声
対話処理を行うためのスレッドを全て生成する制御を行
う。生成されるスレッドは第1の音源位置推定スレッド
381、第1の空間指向性スピーカ処理スレッド34
1、第1の空間指向性マイクロホン処理スレッド31
1、第1の音声合成処理スレッド391、第1の音声認
識処理スレッド401および第1の音声対話処理スレッ
ド411である。各スレッドは第1の話者203に対す
る固有のデータを持つが、第2〜第4の話者205、2
07および209それぞれと同じシェアードコードを共
有する。ここでは、第1の話者203に対する処理の手
順を説明する。他の話者205〜209の場合にはスレ
ッドの組み合わせが変化するのみであり、同様の処理で
あることは自明であるため、他の話者に対する説明は省
略する。
【0260】前記アプリケーションの動作中に、実際に
第1の話者203が音声認識のための音声を発声する。
このとき、第1の話者203が発声した音声は音響空間
201を伝達し、第1〜第6の音響入力装置211〜2
21に到達する。
【0261】次に、これら音響入力装置の動作を図11
を参照して説明する。
【0262】図11に示したマイクロホン211iが音
響入力装置の設置地点における音圧波形をアナログ電気
信号に変換する。ローパスフィルタ211fがサンプリ
ング時の折り返し周波数以下の周波数成分のみを通過さ
せ、A/D変換部211gがアナログ電気信号をデジタ
ル波形データに変換する。一方、パケット送受信部21
1aは情報交換ネットワーク500を通じてパケットを
受信する。パケット識別部211bはサンプリング基準
時刻発生プロセス371(図9)からサンプリング周波
数に同期した同期パケットを受信した場合には、サンプ
リングパケットロス補償部211eに同期パケットを送
る。サンプリングパケットロス補償部211eは、情報
交換ネットワーク500の上で衝突現象などによって同
期パケットが正常に伝送されなかった場合には、それ以
前に受信した同期パケットの周期から、ほぼ同じタイミ
ングの同期パケットを補償して生成する。この同期パケ
ットの生成は、例えば一般に広く用いられているフェー
ズロックドループなどの同期補償方式を用いる。このよ
うにして、サンプリング周期に同期した同期パケットの
タイミングに合わせてA/D変換部211gがアナログ
電気信号をデジタル波形データに変換する。マイクロホ
ン特性補償部211hは音響入力固有情報記憶部211
dにあらかじめ記憶してある音響入力特性を用いてマイ
クロホン211iの周波数感度・位相特性を補償する。
この補償の方式は、例えば音響入力周波数特性の逆数を
逆フーリエ変換して波形畳込みをするなどの、一般の周
波数特性補償方式を用いる。応答パケット生成部211
cは、前記のように平坦な特性に補償されたデジタル波
形データを、ネットワークパケットの形に変換して情報
交換ネットワーク500上に送信する。
【0263】以上説明した処理は第1〜第6の音響入力
装置211〜221がそれぞれ行うため、情報交換ネッ
トワーク500には常に全ての音響入力装置のデジタル
波形データがパケットとして流れていることになる。し
たがって、この音響入力装置のデジタル波形データはハ
ードウエア300の中のネットワークインタフェース装
置305で全て受信することができる。この受信の際
に、たとえば一般的なTCP/IPプロトコルやドメイ
ンネームシステムによるネットワーク管理方法を用い、
第1〜第6の音響入力装置211〜221のそれぞれに
固有のネットワークアドレスやドメイン名を与えるなど
の方法で、それぞれの音響入力装置が送信したデジタル
波形データをハードウエア300の内部で区別して扱う
ことができる。
【0264】第2の実施の形態のシステム200では、
マイクロホン入力シェアードコード333を互いに共有
し音響入力装置ごとに固有のデータを持つ第1〜第6の
マイクロホン入力スレッド321〜331が、それぞれ
の音響入力装置に相当するデジタル波形データを音響処
理システムのプロセスやスレッドに配分する役割を果た
す。
【0265】次に、これらマイクロホン入力スレッドの
動作を、図14を参照して説明する。マルチタスクOS
377(図9)のネットワーク入出力ドライバ(図示せ
ず)からマイクロホンパケット受信部321aが、情報
交換ネットワーク500に流れる全てのパケットの中か
ら、第1〜第6の音響入力装置211〜221が送信し
たデジタル波形データを含むパケットを判別し、マイク
ロホンデータ分配部321bに送る。マイクロホンデー
タ分配部321bは現在動作している空間指向性マイク
ロホン処理スレッドや音源位置推定スレッドの数と、そ
の動作状況に応じて前記デジタル波形データを分配す
る。この際、サンプリング基準時刻発生プロセス371
からサンプリング周期に同期した信号(一般にUNIX
オペレーティングシステムではシグナルと称し、一般の
リアルタイムオペレーティングシステムではイベントと
称する)を受信し、デジタル波形データの分配のタイミ
ングを管理する。
【0266】次に、第1の音源位置推定スレッド381
の動作について、図17を参照して説明する。前記マイ
クロホン入力スレッドは、音響入力装置の数である6個
が常に動作している。これらマイクロホン入力スレッド
のそれぞれから送られてくるデジタル波形データに対
し、先入先出方式で格納する第1〜第6の音響入力キュ
ーバッファ381a〜381fで、ネットワーク再送な
どの発生に備えてある程度の個数たとえば16サンプル
のデジタル波形データを格納する。これら音響入力キュ
ーバッファ381a〜381fは音源位置推定部381
gが用いる音響入力装置の数だけ確保する。このバッフ
ァそれぞれから、互いのA/D変換時刻の一致している
デジタル波形データが、音源位置推定部381gに送ら
れる。音源位置推定部381gは第1の話者203の発
声した音声の位置を、たとえば相互相関関数のピークを
検出するなどの一般的方法を用いて推定し、その音源推
定位置を第1の空間指向性スピーカ処理スレッド341
および第1の空間指向性マイクロホン処理スレッド31
1へ出力する。
【0267】次に、第1の空間指向性マイクロホン処理
スレッド311の動作について、図13を参照して説明
する。該スレッド311の空間指向性マイクロホン処理
部311gは、まず第1の音源位置推定スレッド381
から第1の話者203の推定位置を入力する。一方、前
記マイクロホン入力スレッド321〜331のそれぞれ
から送られてくるデジタル波形データに対し、先入先出
方式で格納する第1〜第6の音響入力キューバッファ3
11a〜311fで、ネットワーク再送などの発生に備
えてある程度の個数たとえば16サンプルのデジタル波
形データを格納する。これら音響入力キューバッファ3
11a〜311fは空間指向性マイクロホン処理部31
1gが用いる音響入力装置の数だけ確保する。このバッ
ファそれぞれから、互いのA/D変換時刻の一致してい
るデジタル波形データが、空間指向性マイクロホン処理
部311gに送られる。空間指向性マイクロホン処理部
311gは、たとえば推定位置から音響入力装置までの
伝搬遅延時間を計算して遅延を補正して同期加算するな
どの一般的方法を用いて、前記推定位置に空間指向性を
合成することによって、第1の話者203が発話した音
声波形をデジタル波形データにして第1の音声認識処理
スレッド401に出力する。
【0268】次に、第1の音声認識処理スレッド40
1、第1の音声対話処理スレッド411および第1の音
声合成処理スレッド391の動作について、図18を参
照して説明する。
【0269】図18において第1の空間指向性マイクロ
ホン処理スレッド311から、第1の話者203が発話
した音声波形のデジタル波形データを受け取る。第1の
音声認識処理スレッド401はこの音声波形に対して音
声認識処理を行い、音声認識結果を第1の音声対話処理
スレッド411に送る。音声認識の方式は一般的なヒド
ゥンマルコフモデルによる方式や、各種パタンマッチン
グ方式によるものであってよい。第1の音声対話処理ス
レッド411は音声認識結果に応じて第1の話者203
に対する応答の内容を決定する。この応答の内容はアプ
リケーションプロセスの利用目的などに応じて変化する
ため、アプリケーションプロセスとインタフェースをと
るのが好適である。音声合成の内容が決定すると、第1
の音声合成処理スレッド391が音声合成処理を行い、
音声合成デジタル波形データを出力する。音声合成方式
は、一般の分析合成方式であるADPCMによるもので
あってもよいが、応答内容を自由に構成できるテキスト
音声変換によるのが好適である。以上のようにして第1
の話者203に対する音声合成デジタル波形データを第
1の空間指向性スピーカ処理スレッド341へ送る。
【0270】次に、この第1の空間指向性スピーカ処理
スレッド341の動作について、図15を参照して説明
する。第1の音声合成スレッド391からの音声合成デ
ジタル波形データを、第1の話者203の位置において
明瞭に聴取できるようにするための目標波形として空間
指向性合成処理部341aに入力する。空間指向性合成
処理部341aは、例えば第1の話者203の位置と第
1〜第6の音響出力装置231〜241との距離に相当
する伝搬遅延時間をあらかじめ補償したデジタル波形デ
ータを各音響出力装置から出力するなどの方式で、第1
の話者203の位置に指向性を持たせるための処理を行
う。この空間指向性合成処理部341aからの各出力
は、各スピーカ出力スレッド351〜361にデジタル
波形データとして送られる。
【0271】次に、これらスピーカ出力スレッドの動作
について、図16を参照して説明する。第1の話者20
3〜第4の話者209それぞれの空間指向性スピーカ処
理スレッド341〜347からのデジタル波形データ
は、まず、それぞれの音響出力キューバッファ351a
〜351dに先入先出方式で格納される。次に、スピー
カ波形加算部351eが各キューバッファ351a〜3
51dの先頭のデジタル波形データを加算し、スピーカ
N(Nは1〜6のいずれか)のためのデジタル波形デー
タとする。次に、応答パケット生成部351fは、スピ
ーカNのためのデジタル波形データをネットワークパケ
ットの形に変換して、マルチタスクOS377のネット
ワーク入出力ドライバ(図示せず)を介して情報交換ネ
ットワーク500上に送信する。
【0272】次に、第1〜第6の音響出力装置231〜
241の動作について、図12を参照して説明する。ま
ず、パケット送受信部231aが情報交換ネットワーク
500を通じてパケットを受信する。パケット識別部2
31bはサンプリング基準時刻発生プロセス371から
サンプリング周波数に同期した同期パケットを受信した
場合にはサンプリングパケットロス補償部231fに同
期パケットを送る。また、デジタル波形データを含むパ
ケットを識別した場合にはデジタル波形データをスピー
カ特性補償部231eに送る。スピーカ特性補償部23
1eは音響出力固有情報記憶部231dにあらかじめ記
憶してある音響出力特性を用いてスピーカ231iの周
波数感度・位相特性を補償する。この補償の方式は、例
えば音響出力周波数特性の逆数を逆フーリエ変換して波
形畳込みをするなどの、一般の周波数特性補償方式を用
いる。一方、サンプリングパケットロス補償部231f
は、情報交換ネットワーク500上で衝突現象などによ
って同期パケットが正常に伝送されなかった場合には、
それ以前に受信した同期パケットの周期から、ほぼ同じ
タイミングの同期パケットを補償して生成する。この同
期パケットの生成は、例えば一般に広く用いられている
フェーズロックドループなどの同期補償方式を用いる。
このようにして、サンプリング周期に同期した同期パケ
ットのタイミングに合わせて、D/A変換部231gが
前記スピーカ特性補償後のデジタル波形データをアナロ
グ電気信号に変換する。ローパスフィルタ231hは、
この信号のうち、折り返し周波数以下の周波数成分のみ
を通過させ、スピーカ231iによって音響出力装置の
設置地点から放射すべき音圧波形として放射する。
【0273】上述した説明から明らかなように、この第
2の実施の形態の音響処理システム200では、ハード
ウエア300の内部でアプリケーションプロセスが起動
しているときに、第1の話者203が音声認識のための
発話を行うと、音源位置推定によって第1の話者203
の位置が推定され、かつ、空間指向性マイクロホンによ
って第1の話者203の音声に対する音声認識処理が行
われる。この音声認識の結果はアプリケーションプロセ
スに伝達され、アプリケーションプロセスに依存した音
声合成内容が空間指向性スピーカを通じて第1の話者2
03の耳もとに明瞭に聞こえてくる。また、第2の話者
205、第3の話者207および第4の話者209に対
しても同様の処理が行われるため、それぞれの話者(利
用者)固有のアプリケーションの動作が並行して円滑に
行なえる。
【0274】この第2の実施の形態の音響処理システム
において、利用者が増えた場合には、ハードウエア30
0内の処理は各々の利用者に対応したスレッドの生成に
よって対応でき、音響入力装置や音響出力装置などのハ
ードウェアを増設せずに対応できる。つまり、新たな利
用者が生じた場合には、アプリケーションプロセスが新
たに起動され、スレッド生成消去プロセス375がこれ
に対応するための前記スレッドをそれぞれ1つずつ生成
することにより、容易に対応できる。また、各処理がシ
ェアードコードを共通にしたスレッドによって実行され
るため、ハードウエア300の能力が限界に近づいた場
合には対称型マルチプロセッサ装置301のプロセッサ
数を増加させたり、スレッドの動作に必要な主記憶装置
303を増設することで容易に対処できる。
【0275】この第2の実施の形態の音響処理システム
200の場合、第1の実施の形態の音響処理システム1
00で説明した(1)〜(8)の各効果を同様に得るこ
とができる。
【0276】また、この第2の実施の形態の音響処理シ
ステム200では、情報交換ネットワーク500上にサ
ンプリング周期に同期したパケットを送信し、サンプリ
ングの同期をとっているため、以下の様な効果を得る事
ができる。すなわち、ネットワーク500上で、上記の
サンプリング周期に同期したパケットが衝突などにより
正常に伝送されなかった場合には、それ以前に受信した
パケットを用いて同期を保つようにしている。このこと
により、情報交換ネットワーク500上のパケット衝突
がある程度生じても、音響入出力のサンプリングの同期
が確保できるという特徴がある。
【0277】さらに、第2の実施の形態の音響処理シス
テム200の場合、対称型マルチプロセッサ装置301
を含むハードウェア構成をとり、マルチスレッドのソフ
トウェア構成を使用しているため、音響処理の能力が不
足した際でも、プロセッサ数を増加させることで容易に
対処できるという特徴がある。
【0278】上述においては、この発明の音響処理シス
テムのいくつかの実施の形態について説明したが、この
発明は上述の実施の形態に何ら限定されるものではな
く、多くの変形または変更を加えることができる。
【0279】例えば、上述した実施の形態では、音源
(利用者)位置の推定を音源からの音により推定してい
たが、音源位置推定方法はこれに限られない。例えば、
電波による位置推定や画像認識による位置推定を用いて
もよい。
【0280】また、第1および第2の実施の形態の構成
に、音響出力装置と音響入力装置の間の相互作用により
発生するハウリングなどの異音の発生を抑制する処理を
追加しても勿論良い。
【0281】第2の実施の形態では、全ての処理を一つ
のハードウエア300(中央処理装置)に担当させた
が、ネットワーク等を通じてのデータのやり取りを行う
ことにより、処理を複数の中央処理装置に担当させても
良い。
【0282】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の音響処理システムの第1の態様によれば、複数の
音響出力装置と、所定の出力波形算出装置と、所定のネ
ットワークと、各音響出力装置に設けた所定の送受信装
置と、出力波形算出装置に設けた所定の送受信装置と、
所定の同期信号発生装置とを具える。
【0283】そのため、出力専用の音響処理システムで
あって、複数の音響出力処理を同時に行なう場合でも、
これら処理の出力波形を出力するための音響出力装置を
共用できる音響処理システムが実現される。
【0284】また、この発明の音響処理システムの第2
の態様によれば、複数の音響入力装置と、所定の音響入
力装置制御装置と、所定のネットワークと、各音響入力
装置に設けた所定の送受信装置と、音響入力装置制御装
置に設けた所定の送受信装置と、所定の同期信号発生装
置とを具える。
【0285】そのため、入力専用の音響処理システムで
あって、複数の音響入力処理を同時に行なう場合でも、
これら処理に必要な入力を行うための音響入力装置を共
用できる音響処理システムが実現される。
【0286】また、この発明の音響処理システムの第3
の態様によれば、複数の音響出力装置と、所定の出力波
形算出装置と、所定のネットワークと、各音響出力装置
に設けた所定の送受信装置と、出力波形算出装置に設け
た所定の送受信装置と、複数の音響入力装置と、所定の
音響入力装置制御装置と、各音響入力装置に設けた所定
の送受信装置と、音響入力装置制御装置に設けた所定の
送受信装置と、所定の同期信号発生装置とを具える。
【0287】そのため、入出力両方可能な音響処理シス
テムであって、複数の音響出力処理を同時に行なう場合
でも、これら処理の出力波形を出力するための音響出力
装置を共用でき、また、複数の音響入力処理を同時に行
なう場合でも、これら処理に必要な入力をするための音
響入力装置を共用できる音響処理システムが実現され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の音響処理システムの構成を
示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の音響処理システムに具わる
音響入力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態の音響処理システムに具わる
音響出力装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態の音響処理システムに具わる
空間指向性スピーカ処理装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】第1の実施の形態の音響処理システムに具わる
音源位置推定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態の音響処理システムに具わる
空間指向性マイクロホン処理装置の構成を示すブロック
図である。
【図7】第1の実施の形態の音響処理システムの使用例
および動作説明図の一部分である。
【図8】第1の実施の形態の音響処理システムの使用例
および動作説明図の残りの部分である。
【図9】第2の実施の形態の音響処理システムの構成を
説明するブロック図の一部分である。
【図10】第2の実施の形態の音響処理システムの構成
を説明するブロック図の残りの部分である。
【図11】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
る音響入力装置の構成を示すブロック図である。
【図12】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
る音響出力装置の構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
る空間指向性マイクロホン処理スレッドの構成を示すブ
ロック図である。
【図14】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
るマイクロホン入力スレッドの構成を示すブロック図で
ある。
【図15】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
る空間指向性スピーカ処理スレッドの構成を示すブロッ
ク図である。
【図16】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
るスピーカ出力スレッドの構成を示すブロック図であ
る。
【図17】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
る音源位置推定スレッドの構成を示すブロック図であ
る。
【図18】第2の実施の形態の音響処理システムに具わ
る音声認識処理スレッド、音声対話処理スレッドおよび
音声合成処理スレッドの構成を示すブロック図である。
【図19】従来技術および発明が解決しようとする課題
の説明図である。
【符号の説明】
100:第1の実施の形態の音響処理システム 101:音響空間 103〜109:第1〜第4の話者(システム利用者) 111〜121:第1〜第6の音響入力装置 131〜141:第1〜第6の音響出力装置 150:出力波形算出装置 151〜157:第1〜第4の空間指向性スピーカ処理
装置 160:音響入力装置制御装置 161〜167:第1〜第4の音源位置推定装置 171〜177:第1〜第4の空間指向性マイクロホン
処理装置 180:ネットワーク 180a:音響入力ネットワーク 180b:音響出力ネットワーク 180c:音源位置ネットワーク 180d:デジタル交換ネットワーク 180e:同期信号用バス 180f:赤外線ネットワーク 190:同期信号発生装置 191:交換制御装置 193:ネットワークアドレス管理装置 200:第2の実施の形態の音響処理システム 201:音響空間 203〜209:第1〜第4の話者(システム利用者) 211〜221:第1〜第6の音響入力装置 231〜241:第1〜第6の音響出力装置 300:ハードウエア 303a:ソフトウエア部 303aa:第1のソフトウエア部(出力波形算出装
置) 303ab:第2のソフトウエア部(音響入力装置制御
装置) 303ac:第3のソフトウエア部(同期信号発生装
置) 303ad:第4のソフトウエア部(音源位置推定装
置) 303ae:第5のソフトウエア部

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間に配置された複数の音響出力装置
    と、 前記複数の音響出力装置に出力させる出力波形をデジタ
    ルの形態で算出する出力波形算出装置と、 少なくとも前記複数の音響出力装置それぞれと前記出力
    波形算出装置とを接続していて、少なくとも前記デジタ
    ルの形態の出力波形を伝送するネットワークと、 前記複数の音響出力装置それぞれに設けられ、前記ネッ
    トワークを通してデジタル信号を送受信する送受信装置
    と、 前記出力波形算出装置に設けられ、前記ネットワークを
    通してデジタル信号を送受信する送受信装置と、 前記複数の音響出力装置が前記デジタルの形態の出力波
    形に基づく音をそれぞれ出力するタイミングを同期させ
    る同期信号を、前記複数の音響出力装置に出力する同期
    信号発生装置とを具えたことを特徴とする音響処理シス
    テム。
  2. 【請求項2】 空間に配置された複数の音響入力装置で
    あって、音をデジタルの形態の入力波形で入力する複数
    の音響入力装置と、 前記複数の音響入力装置の一部または全部から入力され
    る前記入力波形に基づく音源位置の推定処理および該推
    定された音源位置に基づく各音響入力装置の指向性制御
    処理を少なくとも実行する音響入力装置制御装置と、 少なくとも前記複数の音響入力装置それぞれと前記音響
    入力装置制御装置とを接続していて、少なくとも前記デ
    ジタル形態の入力波形を伝送するネットワークと、 前記複数の音響入力装置それぞれに設けられ、前記ネッ
    トワークを通してデジタル信号を送受信する送受信装置
    と、 前記音響入力装置制御装置に設けられ、前記ネットワー
    クを通してデジタル信号を送受信する送受信装置と、 前記複数の音響入力装置それぞれが前記音を入力するタ
    イミングを同期させる同期信号を、前記複数の音響入力
    装置に出力する同期信号発生装置とを具えたことを特徴
    とする音響処理システム。
  3. 【請求項3】 空間に配置された複数の音響出力装置
    と、 前記複数の音響出力装置に出力させる出力波形をデジタ
    ルの形態で算出する出力波形算出装置と、 少なくとも前記複数の音響出力装置それぞれと前記出力
    波形算出装置とを接続していて、少なくとも前記デジタ
    ルの形態の出力波形を伝送する第1のネットワークと、 前記複数の音響出力装置それぞれに設けられ、前記第1
    のネットワークを通してデジタル信号を送受信する送受
    信装置と、 前記出力波形算出装置に設けられ、前記第1のネットワ
    ークを通してデジタル信号を送受信する送受信装置と、 前記複数の音響出力装置が前記デジタルの形態の出力波
    形に基づく音をそれぞれ出力するタイミングを同期させ
    る同期信号を、前記複数の音響出力装置に出力する第1
    の同期信号発生装置と、 前記空間に配置された複数の音響入力装置であって、音
    をデジタルの形態の入力波形で入力する複数の音響入力
    装置と、 前記複数の音響入力装置の一部または全部から入力され
    る前記入力波形に基づく音源位置の推定処理および該推
    定された音源位置に基づく各音響入力装置の指向性制御
    処理を少なくとも実行する音響入力装置制御装置と、 少なくとも前記複数の音響入力装置それぞれと前記音響
    入力装置制御装置とを接続していて、かつ、前記第1の
    ネットワークとも接続され、少なくとも前記デジタル形
    態の入力波形を伝送する第2のネットワークと、 前記複数の音響入力装置それぞれに設けられ、前記第2
    のネットワークを通してデジタル信号を送受信する送受
    信装置と、 前記音響入力装置制御装置に設けられ、前記第2のネッ
    トワークを通してデジタル信号を送受信する送受信装置
    と、 前記複数の音響入力装置それぞれが前記音を入力するタ
    イミングを同期させる同期信号を、前記複数の音響入力
    装置に出力する第2の同期信号発生装置とを具えたこと
    を特徴とする音響処理システム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の音
    響処理システムにおいて、 前記ネットワークとは別に、前記同期信号を伝送するた
    めの専用のネットワークを具えたことを特徴とする音響
    処理システム。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の音響処理システムにお
    いて、 各音響出力装置は、自身に2以上の出力波形が伝送され
    てきた場合のこれら出力波形を加算する加算装置を含む
    ことを特徴とする音響処理システム。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の音響処理システムにお
    いて、 各音響出力装置は、自身に2以上の出力波形が伝送され
    てきた場合のこれら出力波形を加算する加算装置を含む
    ことを特徴とする音響処理システム。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の音響処理システムにお
    いて、 前記複数の音響出力装置は、前記ネットワークにおける
    固有のネットワークアドレスを記憶した記憶部をそれぞ
    れ含み、 前記出力波形算出装置は、前記ネットワークアドレスを
    指定して前記複数の音響出力装置中の任意の1または2
    以上の音響出力装置を選択して使用する装置であること
    を特徴とする音響処理システム。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の音響処理システムにお
    いて、 前記複数の音響入力装置は、前記ネットワークにおける
    固有のネットワークアドレスを記憶した記憶部をそれぞ
    れ含み、 前記音響入力装置制御装置は、前記ネットワークアドレ
    スを指定して前記複数の音響入力装置中の任意の1また
    は2以上の音響入力装置を選択して使用する装置である
    ことを特徴とする音響処理システム。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の音響処理システムにお
    いて、 前記複数の音響出力装置は、前記ネットワークにおける
    固有のネットワークアドレスを記憶した記憶部をそれぞ
    れ含み、 前記出力波形算出装置は、前記ネットワークアドレスを
    指定して前記複数の音響出力装置中の任意の1または2
    以上の音響出力装置を選択して使用する装置であり、 前記複数の音響入力装置は、前記ネットワークにおける
    固有のネットワークアドレスを記憶した記憶部をそれぞ
    れ含み、 前記音響入力装置制御装置は、前記ネットワークアドレ
    スを指定して前記複数の音響入力装置中の任意の1また
    は2以上の音響入力装置を選択して使用する装置である
    ことを特徴とする音響処理システム。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記複数の音響出力装置それぞれ、および前記出力波形
    算出装置は、前記ネットワークにおける固有のネットワ
    ークアドレスを記憶した記憶部をそれぞれ含み、 該音響処理システムは、前記音響出力装置の増減および
    前記出力波形算出装置の増減(ただし、出力波形算出装
    置が当初1である場合は、増加のみ)を実施するため
    の、これら増減に応じたネットワークアドレスの付与お
    よび消去を管理するネットワークアドレス管理装置をさ
    らに具えたことを特徴とする音響処理システム。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記複数の音響入力装置それぞれ、および前記音響入力
    装置制御装置は、前記ネットワークにおける固有のネッ
    トワークアドレスを記憶した記憶部をそれぞれ含み、 該音響処理システムは、前記音響入力装置の増減および
    前記音響入力装置制御装置の増減(ただし、音響入力装
    置制御装置が当初1である場合は、増加のみ)を実施す
    るための、これら増減に応じたネットワークアドレスの
    付与および消去を管理するネットワークアドレス管理装
    置をさらに具えたことを特徴とする音響処理システム。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記複数の音響出力装置それぞれ、および前記出力波形
    算出装置は、前記ネットワークにおける固有のネットワ
    ークアドレスを記憶した記憶部をそれぞれ含み、 前記複数の音響入力装置それぞれ、および前記音響入力
    装置制御装置は、前記ネットワークにおける固有のネッ
    トワークアドレスを記憶した記憶部をそれぞれ含み、 該音響処理システムは、前記音響出力装置の増減、前記
    出力波形算出装置の増減(ただし、出力波形算出装置が
    当初1である場合は、増加のみ)、前記音響入力装置の
    増減および前記音響入力装置制御装置の増減(ただし、
    音響入力装置制御装置が当初1である場合は、増加の
    み)を実施するための、これら増減に応じたネットワー
    クアドレスの付与および消去を管理するネットワークア
    ドレス管理装置をさらに具えたことを特徴とする音響処
    理システム。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記複数の音響出力装置は、自身の出力特性および前記
    空間での物理的な位置情報を少なくとも記憶している記
    憶部をそれぞれ含むことを特徴とする音響処理システ
    ム。
  14. 【請求項14】 請求項2に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記複数の音響入力装置は、自身の入力特性および前記
    空間での物理的な位置情報を少なくとも記憶している記
    憶部をそれぞれ含むことを特徴とする音響処理システ
    ム。
  15. 【請求項15】 請求項3に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記複数の音響出力装置は、自身の出力特性および前記
    空間での物理的な位置情報を少なくとも記憶している記
    憶部をそれぞれ含み、 前記複数の音響入力装置は、自身の入力特性および前記
    空間での物理的な位置情報を少なくとも記憶している記
    憶部をそれぞれ含むことを特徴とする音響処理システ
    ム。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記出力波形算出装置は、当該音響処理システムで同時
    に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成して
    あり、 該処理装置それぞれは独立のハードウエアで構成され、
    かつ、前記複数の音響出力装置の指向性を制御する処理
    装置であることを特徴とする音響処理システム。
  17. 【請求項17】 請求項2に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記音響入力装置制御装置は、当該音響処理システムで
    同時に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成
    してあり、 該処理装置それぞれは独立のハードウエアで構成され、
    かつ、音源位置の推定および前記複数の音響入力装置の
    指向性を制御する処理装置であることを特徴とする音響
    処理システム。
  18. 【請求項18】 請求項3に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記出力波形算出装置は、当該音響処理システムで同時
    に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成して
    あり、 該処理装置それぞれは独立のハードウエアで構成され、
    かつ、前記複数の音響出力装置の指向性を制御する処理
    装置であり、 前記音響入力装置制御装置は、当該音響処理システムで
    同時に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成
    してあり、 該処理装置それぞれは独立のハードウエアで構成され、
    かつ、音源位置の推定および前記複数の音響入力装置の
    指向性を制御する処理装置であることを特徴とする音響
    処理システム。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記出力波形算出装置は、当該音響処理システムで同時
    に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成して
    あり、 該処理装置それぞれは共通のハードウエア中に分離して
    格納したソフトウエアで構成され、かつ、前記複数の音
    響出力装置の指向性を制御する処理装置であることを特
    徴とする音響処理システム。
  20. 【請求項20】 請求項2に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記音響入力装置制御装置は、当該音響処理システムで
    同時に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成
    してあり、 該処理装置それぞれは共通のハードウエア中に分離して
    格納したソフトウエアで構成され、かつ、音源位置の推
    定および前記複数の音響入力装置の指向性を制御する処
    理装置であることを特徴とする音響処理システム。
  21. 【請求項21】 請求項3に記載の音響処理システムに
    おいて、 前記出力波形算出装置は、当該音響処理システムで同時
    に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成して
    あり、 該処理装置それぞれは共通のハードウエア中に分離して
    格納したソフトウエアで構成され、かつ、前記複数の音
    響出力装置の指向性を制御する処理装置であり、 前記音響入力装置制御装置は、当該音響処理システムで
    同時に実施したい音響処理の数と同数の処理装置で構成
    してあり、 該処理装置それぞれは共通のハードウエア中に分離して
    格納したソフトウエアで構成され、かつ、音源位置の推
    定および前記複数の音響入力装置の指向性を制御する処
    理装置であることを特徴とする音響処理システム。
JP11147251A 1999-05-26 1999-05-26 音響処理システム Withdrawn JP2000338982A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11147251A JP2000338982A (ja) 1999-05-26 1999-05-26 音響処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11147251A JP2000338982A (ja) 1999-05-26 1999-05-26 音響処理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000338982A true JP2000338982A (ja) 2000-12-08

Family

ID=15426012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11147251A Withdrawn JP2000338982A (ja) 1999-05-26 1999-05-26 音響処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000338982A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007074255A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Yamaha Corp 拡声システム
JP2010044428A (ja) * 2009-11-24 2010-02-25 Sony Corp 音声信号処理方法、音声信号処理装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007074255A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Yamaha Corp 拡声システム
JP2010044428A (ja) * 2009-11-24 2010-02-25 Sony Corp 音声信号処理方法、音声信号処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3627860B1 (en) Audio conferencing using a distributed array of smartphones
CN110166882B (zh) 远场拾音设备、及远场拾音设备中采集人声信号的方法
JP5012387B2 (ja) 音声処理システム
EP2652737B1 (en) Noise reduction system with remote noise detector
US9615173B2 (en) Information processing system and storage medium
WO2020151133A1 (zh) 一种分布式麦克风阵列拾音系统及方法
US20080273476A1 (en) Device Method and System For Teleconferencing
US8693713B2 (en) Virtual audio environment for multidimensional conferencing
CN107889001B (zh) 可扩展麦克风阵列及其建立方法
JP5034607B2 (ja) 音響エコーキャンセラシステム
JP4409642B2 (ja) 音響獲得の間における外乱信号の最適化された処理のための方法および装置
JP2013198066A (ja) サーバ、サーバの制御方法および制御プログラム、情報処理システム、情報処理方法、携帯端末、携帯端末の制御方法および制御プログラム
JP2000338982A (ja) 音響処理システム
JPH09233198A (ja) 全二重音声会議電話のためのソフトウエアベースのブリッジ方法及び装置
US11415658B2 (en) Detection device and method for audio direction orientation and audio processing system
CN108650593B (zh) 一种用于电话会议的三麦克阵列远场拾音方法
TWI579835B (zh) 音效增益方法
US11875810B1 (en) Echo cancellation using neural networks for environments with unsynchronized devices for audio capture and rendering
CN111448567A (zh) 实时语音处理
CN102970638A (zh) 处理信号
JP3828185B2 (ja) 会議支援システムおよび会議支援システムの制御方法
JPS62239631A (ja) ステレオ音声伝送蓄積方式
KR100310283B1 (ko) 음성의 3-d 국소화를 향상시키는 방법
CN113079267B (zh) 房间内的音频会议
CN208210275U (zh) 一种基于麦克风阵列的语音增强装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060801