JP2000328905A - ガスタービンエンジン - Google Patents

ガスタービンエンジン

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JP2000328905A
JP2000328905A JP11137855A JP13785599A JP2000328905A JP 2000328905 A JP2000328905 A JP 2000328905A JP 11137855 A JP11137855 A JP 11137855A JP 13785599 A JP13785599 A JP 13785599A JP 2000328905 A JP2000328905 A JP 2000328905A
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JP
Japan
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bearing
turbine rotor
rotor
bearings
turbine engine
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JP11137855A
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English (en)
Inventor
Tadashi Manabe
唯司 真鍋
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IHI Corp
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービンロータを支持する軸受の劣化を抑制
し、長期に渡り安定して動作するガスタービンエンジン
を提供する。 【解決手段】 複数の軸受に支持されるタービンロータ
5を燃焼ガスによって回転させるガスタービンエンジン
において、タービンロータ5は、回転時に少なくとも一
つの軸受B3に対してオイル潤滑に必要な負荷を与える
ように重心Gを回転軸芯Ymから離して形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼ガスによって
タービンロータを回転させるガスタービンエンジンに関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば航空機に使用されるガスタービン
エンジンは、燃焼ガスによってタービンロータを回転さ
せ、回転力を航空機推進用に利用したり、あるいは直接
高速の燃焼ガスを後方に噴出し、その反作用として推進
力を得るように構成されている。タービンロータは、回
転シャフトがボールベアリングやローラベアリングなど
の複数の軸受によって回転自在に支持されており、回転
シャフトには燃焼ガスを受けるブレードが取り付けられ
ている。
【0003】タービンロータは、一般に、エンジンに設
置されるにあたって、できるだけバランスの取れた状態
に調整される。バランス状態は、偏心荷重と偏心距離と
の積として示されるアンバランス量(残留アンバランス
量)で表されることが多く、アンバランス量が大きい
と、回転時にタービンロータにたわみが生じて部材が損
傷したり、大きな振動が生じて部材の耐久性が低下す
る。このため、従来、ガスタービンエンジンは、タービ
ンロータのアンバランス量を可能な限りゼロに近づける
ように調整されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスタ
ービンエンジンによっては、タービンロータのアンバラ
ンス量がゼロに近づくと、タービンロータを支持する軸
受に、スキッディングと呼ばれる劣化が生じてしまうと
いう問題がある。スキッディングとは、軸受の金属表面
の一部が剥がれてしまう現象で、以下のような過程によ
って生じると考えられている。すなわち、タービンロー
タの軸受内部には、熱膨張を考慮に入れた所定のラジア
ル隙間が設けられていることが多く、アンバランス量が
ゼロに近い状態でタービンロータが高速回転すると、特
定の軸受でのみタービンロータを支持するようになり、
支持していない軸受の内輪が外輪のほぼ中央に浮いた状
態になりやすい。例えば、コンプレッサロータとタービ
ンロータが結合されたロータアセンブリに3つの軸受が
用いられている場合には、ロータアセンブリが、片側の
2つの軸受で支持されて、タービンロータ側の一端が上
述したような浮いた状態となる。すると、この一端側の
軸受に装填されているローラのラジアル方向に与えられ
る力が弱まって潤滑油の巻き込みが不十分となり、軸受
内部全体に潤滑用のオイルが行き渡らなくなってしま
う。そのため、軸受の一部に油膜切れが生じて金属同士
の接触が起こり、金属表面の一部が剥がれてしまうこと
になる。従来、潤滑用オイルの粘性を変えるなどによ
り、こうしたスキッディングの抑制を試みているが、安
定した効果が得られていない。
【0005】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、タービンロータを支持する軸受の劣化を抑
制し、長期に渡り安定して動作するガスタービンエンジ
ンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、複数の軸受に支持されるタ
ービンロータを燃焼ガスによって回転させるガスタービ
ンエンジンにおいて、タービンロータが、回転時に少な
くとも一つの軸受に対してオイル潤滑に必要な負荷を与
えるように重心を回転軸芯から離して形成されている技
術が採用される。このガスタービンエンジンは、タービ
ンロータが、回転時に軸受に対してオイル潤滑に必要な
負荷を与えるように重心を回転軸芯から離して形成され
ているので、タービンロータを支持する軸受内部に潤滑
油を巻き込むのに十分な負荷がかかり、軸受のローラや
ボールが十分な力を持って回転するようになる。そし
て、軸受内部全体に潤滑用のオイルが行き渡り、軸受内
部で油膜切れが生じにくくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明
に係るターボジェットエンジンのタービンロータを示す
モデル図であり、図2は、このターボジェットエンジン
の概略構成を示す縦断面図である。図中、符号1は空気
取入口、2は軸流圧縮機、3は燃焼室、4は燃焼ガス排
出口、5はタービンロータ、6は圧縮機側ロータ、7は
始動電動機を示している。
【0008】このターボジェットエンジンは、空気取入
口1から取り込んだ空気を、軸流圧縮機2における静翼
10および動翼11によって圧縮し、燃焼室3で燃焼さ
せて、燃焼ガスを燃焼ガス排出口4から後方へ噴出し、
その反作用として推進力を得るように構成されている。
【0009】燃焼室3の内側に配されるタービンロータ
5は、全体重量が例えば約30kgで、回転自在なロー
タシャフト12と、ロータシャフト12の燃焼ガス排出
口4側に配設されるディスク13と、ディスク13の周
面に放射状に立設される翼形状のブレード14とを主体
に構成されている。ロータシャフト12の空気取入口1
側の一端は、圧縮機側ロータ6の一端と同一軸線上に連
結されていて、また、圧縮機側ロータ6の他端は、始動
電動機7に接続されている。これらにより、タービンロ
ータ5は、燃焼室3からの燃焼ガスをブレード14に受
けることによって例えば最大約 12000rpmで回転し、
圧縮機側ロータ6を介して、軸流圧縮機2における動翼
11を回転させるようになっている。
【0010】また、ロータシャフト12および圧縮機側
ロータ6は、互いに連結された状態で、3つの軸受B
1,B2,B3によって回転自在に支持されている。こ
こでは、軸受B1が空気取入口1側に、軸受B3が燃焼
ガス排出口4側に、そして軸受B2が軸受B1および軸
受B3との中間に、それぞれ配されている。
【0011】軸受B1は、ボールベアリングであって、
圧縮機側ロータ6を軸方向に位置決めするように、2つ
隣接して取り付けられている。また、軸受B2および軸
受B3は、ローラベアリングであって、ロータシャフト
12および圧縮機側ロータ6の軸方向の熱膨張を逃がす
ために、内輪と外輪とが軸方向にある程度ずれるように
構成されている。また、軸受B1、B2及びB3は、回
転時の熱膨張を逃がすためにラジアル隙間を有してい
る。さらに、軸受B3は、燃焼室3からの熱による半径
方向の熱膨張を吸収するために、内部に所定量のラジア
ル隙間を有するように構成されている(例えば、合計の
ラジアル隙間が70〜100μm)。また、各軸受B
1,B2,B3には、潤滑用のオイルが図示しないノズ
ルなどから供給され、軸受B1,B2,B3が回転する
ことによってオイルが軸受内部全体に行き渡るようにな
っている。
【0012】タービンロータ5はさらに、回転時に軸受
B3に対してオイル潤滑に必要な負荷を与えるように重
心Gを回転軸芯Ymから離して形成されている。ここで
は、タービンロータ5のアンバランス量が、重心Gの偏
りを距離で表す偏重心距離eによって定められている。
回転体のアンバランス量は、一般に、回転体の静的な残
留アンバランス量Uとして、偏心荷重wと偏心距離r
(回転軸芯Ymから偏心荷重wまでの距離)との積(U
=w・r)で測定される。そして、偏重心距離e(回転
軸芯Ymから重心Gまでの距離)は、この残留アンバラ
ンス量Uを回転体の重量Wで除したもの(e=w・r/
W)である。
【0013】本実施形態のターボジェットエンジンで
は、タービンロータ5の回転時に、タービンロータ5に
大きな振動(ハイ・バイブレーション)が生じない範囲
内で、かつ、軸受B3内部に荷重(負荷)が作用して、
軸受B3内部全体に潤滑オイルが行き渡るように、偏重
心距離eが、e=10〜12μm に予め定められてい
る。そして、タービンロータ5の調整は、この偏重心距
離eから残留アンバランス量Uを導き出し、その残留ア
ンバランス量Uに基づいて行われている。ここでは、タ
ービンロータ5の重量は、約30kgであるので、残留
アンバランス量Uは次のように導かれる。 U=e・W=10〜12μm・30000g=30〜3
6gcm すなわち、タービンロータ5は、残留アンバランス量
U=30〜36gcmになるように調整されている。
【0014】このように構成されたターボジェットエン
ジンの作用についてさらに説明する。本実施形態のよう
に軸受B3に所定のラジアル隙間が設けられている場
合、残留アンバランス量Uがゼロに近い状態でタービン
ロータ5が高速回転すると、一般には、ロータシャフト
12が軸受B1および軸受B2の2つによって片持ち状
態に支持されて、軸受B3の内輪が外輪のほぼ中央に浮
いた状態になりやすい。本実施形態では、回転時に軸受
B3に対してオイル潤滑に必要な負荷を与えるように、
タービンロータ5が、偏重心距離eに基づいて、重心G
を回転軸芯Ymから離して形成されているので、タービ
ンロータ5を支持する軸受B3内部に負荷がかかり、軸
受B3内部のローラやボールが十分な力を持って回転す
る。そのため、軸受B3内部全体に潤滑用のオイルが行
き渡り、軸受B3内部で油膜切れが生じにくい。したが
って、油膜切れによって生じる軸受B3の劣化(スキッ
ディング)を抑制することができ、長期に渡り安定して
動作するようになる。
【0015】また、偏重心距離eは、タービンロータ5
の重量Wを変数として扱うことが可能であるので、ほぼ
同じ支持構造のタービンロータ5を有するガスタービン
エンジンであれば、タービンロータ5の重量Wの違いに
よらず、基準値として他のエンジンに適用することが可
能である。また、軸受の数が異なるなど、支持構造の異
なる場合でも、偏重心距離eを用いてタービンロータ5
を形成することで、容易にスキッディングを抑制するよ
うな設計・調整を行うことができる。さらに、本実施形
態では、回転力を伝達するロータが、圧縮機側ロータ6
とタービンロータ5とを連結した2軸構造となっている
が、本発明は、ロータが1軸で構成される場合にも適用
される。1軸の場合は、偏重心距離e=12〜15μm
となることが一例として確認されている。
【0016】続いて、本発明の実施例について説明す
る。上述した実施形態で示したターボジェットエンジン
について、運転試験を行って、SOAP(Spectrometri
c Oil Analysis Program)および振動をモニタリングし
た。また、これに先立って同一のエンジンにて行われた
試験において、タービンロータ5の残留アンバランス量
U=5gcm のとき、SOAP分析で軸受B3からF
e成分が多く検出されている。本試験においては、ター
ビンロータ5を残留アンバランス量 U=約35gcm
に調整し、1サイクル2.5時間×6サイクル、合計1
5時間の運転試験を4回実施した。なお、SOAP分析
は、軸受の摩耗を予知診断するために、潤滑オイルな
ど、油中に含まれる金属摩耗粒子のモニタリングを行う
ものである。
【0017】
【表1】
【0018】表1は、軸受B3のSOAP分析結果を示
している。この表に示すように、各試験(1〜4回目)
とも、1〜6サイクル後において、SOAP値のFe成
分は安定して1ppm以下であり問題ない。これより、
残留アンバランス量 U=35gcm において、軸受B
3にスキッディングが発生する可能性が低いことが分か
る。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示すように、タービン部(タービン
ロータ5)の振動は、運転速度最大時(約 12000rp
m)においても、安定して1mil以下である。これ
は、残留アンバランス量 U=5gcm で先立って試験
された際の振動値と比較しても有意差がない値である。
したがって、残留アンバランス量 U=35gcm にお
いて、振動によるエンジンの損傷の恐れが低いことが分
かる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
以下の効果を得ることができる。請求項1に係るガスタ
ービンエンジンは、タービンロータが、回転時に軸受に
対してオイル潤滑に必要な負荷を与えるように重心を回
転軸芯から離して形成されているので、タービンロータ
を支持する軸受内部に十分な負荷がかかり、軸受のロー
ラやボールが十分な力を持って回転するようになる。そ
のため、軸受内部全体に潤滑用のオイルが行き渡り、軸
受内部で油膜切れが生じにくくなる。したがって、油膜
切れによって生じる軸受の劣化を抑制することができ、
長期に渡り安定して動作するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態のタービンロータの
モデル図である。
【図2】 本発明に係る一実施形態を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
B1,B2,B3 軸受 e 偏重心距離 G 重心 r 偏心距離 U 残留アンバランス量 w 偏心荷重 W 重量 Ym 回転軸芯 5 タービンロータ 6 圧縮機側ロータ 12 ロータシャフト 13 ディスク 14 ブレード

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の軸受に支持されるタービンロータ
    を燃焼ガスによって回転させるガスタービンエンジンに
    おいて、 前記タービンロータは、回転時に少なくとも一つの前記
    軸受に対してオイル潤滑に必要な負荷を与えるように重
    心を回転軸芯から離して形成されていることを特徴とす
    るガスタービンエンジン。
JP11137855A 1999-05-18 1999-05-18 ガスタービンエンジン Pending JP2000328905A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139313A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 General Electric Co <Ge> 振動測定システム及び該システムを含むガスタービンエンジン
JP2009150887A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 General Electric Co <Ge> 加速度計の作動を検証するための方法及び装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139313A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 General Electric Co <Ge> 振動測定システム及び該システムを含むガスタービンエンジン
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