JP2000288764A - レーザ加工用トーチ及びその製造方法 - Google Patents

レーザ加工用トーチ及びその製造方法

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JP2000288764A
JP2000288764A JP11100957A JP10095799A JP2000288764A JP 2000288764 A JP2000288764 A JP 2000288764A JP 11100957 A JP11100957 A JP 11100957A JP 10095799 A JP10095799 A JP 10095799A JP 2000288764 A JP2000288764 A JP 2000288764A
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carbon
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Kazuhiro Nishiyama
和宏 西山
Hatsuo Taira
初雄 平
Shigeru Nishibayashi
茂 西林
Motoi Kido
基 城戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で安価なレーザ加工用トーチを提
供する。 【解決手段】 炭素材と粘結材とからなる炭素材料を混
練して所定形状に成形し、800℃以上の還元雰囲気中
で仮焼し、さらに1800〜2000℃で焼成した高強
度グラファイトにより、レーザ加工用トーチ10を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ溶接等に用
いるレーザ加工用トーチ及びその製造方法に関する。ま
た、本発明は、レーザ溶接等で発生するスパッタの付着
堆積の防止を図ったレーザ加工用トーチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のレーザ加工用トーチ
として、図7に示すようなレーザ加工用トーチ70が使
用されていた。図7は、従来のレーザ加工用トーチ70
を示すもので、図7(A)はレーザ加工用トーチ70の
縦断面図、図7(B)はレーザ加工用トーチ70の底面
図である。この従来のレーザ加工用トーチ70は、図7
に示すように、トーチガイド71の下端部に取り付けら
れており、その底面側の先端にレーザ光路用のレーザ通
過孔72を設け、レーザ通過孔72の周囲には、レーザ
加工作業時に必要となる加工ガス(不活性ガスであるH
e等)を噴射するための加工ガスヘッダ溝73と加工ガ
ス噴射口74を複数個設けた構造となっている。また、
図示しないが、被加工材料が熱間材料であったり、加工
時間が長い場合には、レーザ加工用トーチ70への熱負
荷を軽減するために、水冷構造を設けているものもあっ
た。
【0003】ところで、従来より、金属をレーザ溶接す
る際に、その溶接部において溶融金属の粒子であるスパ
ッタが飛散し、レーザ加工用トーチ70の外面に付着す
ることが問題となっていた。すなわち、溶接部において
発生するスパッタは、レーザ加工用トーチ70に付着堆
積して、加工ガスの通路を塞いだり、甚だしい場合には
レーザ光路を塞いだりして、溶接不良の原因となってい
た。このようにレーザ加工用トーチ70にスパッタが付
着堆積した場合には、溶接作業を一時中断して、レーザ
加工用トーチ70の先端部を清掃しなけらばならず、特
に、焼き付きが進展してしまった場合には、早期にレー
ザ加工用トーチ70を交換しなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような不都合を防
止するため、銅合金に金メッキを施した素材や窒化珪素
等のセラミック材料を用いてレーザ加工用トーチ70を
製造する技術もあった。しかし、これらの素材を用いて
レーザ加工用トーチ70を製造したとしても、スパッタ
の付着堆積を完全に防止することはできなかった。ま
た、セラミック素材の中でも窒化珪素を使用した場合に
は、スパッタの付着堆積を不完全ながら防止することが
できるものの、加工性に難点があり、コストが高いとい
う問題があった。
【0005】そこで、このような素材に代えてスパッタ
の付着堆積を防止するための素材として、グラファイト
素材を使用する技術が、特公平3−44873号公報に
開示されている。このようなグラファイト素材は、自己
潤滑性に優れ、金属と濡れ難く、熱の良導体である等の
特性を有しており、スパッタの付着堆積防止材として有
効であることは広く知られている。
【0006】しかしながら、上述した特公平3−448
73号公報に開示されたグラファイト素材は、その製造
過程において、ピッチ等の粘結材を用いない特殊な製法
を採用しており、極端な歩留まり率の低下を招いて、製
造コストが上昇するという問題があった。そこで、本発
明は、レーザ加工用トーチの素材としてグラファイトを
用いるとともに、特殊な製法を採用することなく、製造
が容易で安価なレーザ加工用トーチを提供することを目
的とする。また、本発明は、レーザ加工用トーチの外形
部分に対してスパッタが付着堆積しないだけではなく、
レーザ加工ガスの噴射口に対するスパッタの進入を軽減
することが可能なレーザ加工用トーチを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ加工
用トーチは、上述した目的を達成するため、炭素材と粘
結材とからなる炭素材料を混練して所定形状に成形し、
800℃以上の還元雰囲気中で仮焼し、さらに1800
〜2000℃で焼成した高強度グラファイトからなるこ
とを特徴とするものである。また、本発明に係るレーザ
加工用トーチの製造方法は、炭素材と粘結材からなる炭
素材料を混練して所定形状に成形する工程と、成形後の
炭素材料を800℃以上の還元雰囲気中で仮焼する工程
と、仮焼後の炭素材料を1800〜2000℃で焼成し
て高強度グラファイトを形成する工程と、該高強度グラ
ファイトをトーチ形状に成形する工程と、からなること
を特徴とするものである。このような構成とすることに
より、製造が容易で安価なレーザ加工用トーチとするこ
とができる。
【0008】また、製造コストを低減するために、前記
炭素材は、コークスからなることが好ましい。コークス
源としては、カーボン純度80%以上の粘結炭を熱処理
して得られたコークスが、石油系から得られたコークス
等に比べ最も安価で、製造コスト低減に有効である。ま
た、これやコークスを結合する粘結材としては、高強度
化を達成するためにはメソフェーズピッチからなること
が好ましい。また、レーザ加工用トーチの先端部を効率
よく冷却するために、前記レーザ加工用トーチの先端部
を前記高強度グラファイトにより形成し、前記レーザ加
工用トーチの基端側を銅合金に金メッキを施した金属材
料により形成することが好ましい。
【0009】また、レーザ加工用トーチの先端部をさら
に一層効率よく冷却するために、前記レーザ加工用トー
チの基端側の金属材料部を冷却するための冷却装置を設
けることが好ましい。また、スパッタが加工ガス噴射口
に詰まることを防止するため、前記レーザ加工用トーチ
の内径部に、加工ガス噴射口を設けることが好ましい。
【0010】なお、特開昭61−60276号公報に
は、炭素繊維をマトリックス結合材とともに硬化成形し
て得られる炭素繊維強化炭素材によりレーザ加工用トー
チを構成する技術が記載されている。この技術は、炭素
繊維とマトリックス結合材とを、不活性雰囲気下で10
00〜1200℃の温度に焼成してマトリックス結合材
を炭化し、必要に応じてさらに2800〜3000℃の
高温度域で黒鉛化して炭素繊維強化炭素材に転化するも
のであり、本発明と近似しているように見える。
【0011】しかしながら、特開昭61−60276号
公報に記載された技術は、レーザ加工用トーチの材質強
度を高めることにより、レーザ加工用トーチの使用寿命
を延ばすことを目的としたものである。すなわち、特開
昭61−60276号公報に記載されたレーザ加工用ト
ーチは、本発明のレーザ加工用トーチと比較して、使用
する炭素材料が異なるとともに高温域で焼成するもので
あり、製造が容易で安価であるという本発明のレーザ加
工用トーチの作用効果を奏することはできない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態の一例を説明する。本発明のレーザ加工用ト
ーチの素材となるグラファイトは、炭素材と粘結材とか
らなる炭素材料をカーボン源としている。炭素材として
は、コークス、天然黒鉛、カーボンブラック、キッシュ
ドグラファイト等を使用することができる。このうち、
コークスは、安価であるという点、粘結材剤として使用
されるピッチとの反応性が良く組織強度が向上する点か
ら好ましい。
【0013】粘結材としては、石炭系メソフェーズピッ
チ、石炭系硬ピッチ、ナフタレン誘導合成ピッチ等を使
用することができる。このうち、石炭系メソフェーズピ
ッチは、キノリン等の溶媒分別法によってピッチから分
離された球状粉末であり、この生成条件によりその粒径
をコントロールでき、粉末成形性も改善される点で、ま
た、コークスとして粘結炭から生成されたコークスを使
用した場合等は特にコークスとの相性も良く、これらの
点で粘結材として好ましい。
【0014】また、ピッチ量は、5〜10%であること
が好ましい。これは、ピッチ量が5%未満では、結合量
として不足し強度が低下する。また、ピッチ量が10%
を超えると、ピッチからなる結合量の強度が組織を支配
し、強度低下の原因となるからである。
【0015】次に、上述した炭素材と粘結材とを炭素材
料としてグラファイトを製造する方法を説明する。ま
ず、炭素材と粘結材とを混練して所定形状に成形する。
後述するようにレーザ加工用トーチの微細加工を達成す
るためには、通常の押出成形では強度が発現せず、型込
成形もしくはCIP(Cold Isostatic
Press)成形を採用することが好ましい。
【0016】次に、このような成形方法により得られた
成形体中の揮発分を除去するために、800℃以上の還
元雰囲気中で仮焼する。800℃以上の温度で熱処理を
行うのは、これ以下の温度で熱処理をすると、未だ揮発
分が残留し、最後の熱処理段階で揮発分がガスとなり、
材料内部に亀裂を発生させてしまうためである。さら
に、仮焼後の成形体を1800〜2000℃で焼成して
高強度グラファイトを作成する。1800〜2000℃
の温度で熱処理を行うのは、当該温度範囲において熱処
理を行うことにより、カーボンの強度が最も上昇するか
らである。
【0017】すなわち、図2に示すように、焼成温度が
1700℃の場合には、グラファイトの曲げ強さが約4
70MPaとっており、1800℃〜2000℃の間で
は、曲げ強さ約600〜620MPaとなっており、2
100℃では450MPaとなっている。したがって、
成形体を1800〜2000℃で焼成した場合が、グラ
ファイトの強度が高いことが分かる。なお、図2は、横
軸に焼成温度(℃)をとり、縦軸に曲げ強さ(MPa)
をとってある。また、試料として、コークスを93%、
メソフェーズピッチを7%、型込成形圧力を1t/cm
2で成形したグラファイトを使用している。
【0018】このような高強度特性を基として、レーザ
加工用トーチの微細加工を行うことが可能となる。さら
に、酸化防止の目的で、このようなグラファイト素材か
らなるレーザ加工用トーチに、金属アルコキシド含浸処
理を施すことが好ましい。金属アルコキシドとしては、
例えば、Zr,Al,B,Si等のブドキシ、プロポキ
シド等の各種アルコラートを使用することができる。
【0019】次に、上述したグラファイト素材からなる
レーザ加工用トーチの形状について説明する。図1に、
本発明の一実施形態に係るレーザ加工用トーチ10を示
す。図1は、本発明の一実施形態に係るレーザ加工用ト
ーチ10を用いたレーザ加工ヘッド11の縦断面図であ
る。本発明のレーザ加工用トーチ10は、図1に示すよ
うに、レーザ加工ヘッド11のレーザ照射部分に相当す
る。このレーザ加工用トーチ10は、ヘッドフレーム1
2から、トーチガイド13によって吊り下げられてい
る。
【0020】また、このレーザ加工用トーチ10は、図
1に示すように、逆円錐形状の筒状の本体の内部に、レ
ーザ光を通過させるための逆円錐形状のレーザ通過孔1
4を設けてある。さらに、図1では示さないが、図7に
示す従来のレーザ加工用トーチ70と同様に、レーザ加
工性能を確保するため、加工ガスを射出点に向けて噴射
するための加工ガスヘッダ溝及び加工ガス噴射口が設け
られている。また、レーザ光の光路上には、レーザ光を
反射するとともに、レーザ通過孔14を介して被加工物
面15へ向かって集束させるための平面ミラー15及び
集光ミラー16が配設されている。
【0021】上述したレーザ加工用トーチ10は、その
先端部のみをグラファイト素材により成形し、トーチの
基端側は、銅合金に金メッキを施して作成することが好
ましい。すなわち、一般的な冷間におけるレーザ加工で
は、レーザプラズマの温度が500〜10000K(ケ
ルビン)に達するものの、その熱容量は微少であり、レ
ーザ加工用トーチ10がトーチガイドと金属接触してい
れば、十分に熱を逃がすことが可能であり、熱変形等の
問題は生じない。しかしながら、後述する被加工材が1
000℃を超えるような熱間におけるレーザ加工では、
その輻射熱によって、レーザ加工用トーチ10の先端が
高温となり、熱変形を起こすとともに、アンチスパッタ
付着性能が低下するという問題が生じる。
【0022】そこで、図3に示すレーザ加工用トーチ2
0では、その先端部21のみをグラファイト素材により
成形し、レーザ加工用トーチ20の基端側は、銅合金に
金メッキを施した金属製素材部22としている。さら
に、図4に示すレーザ加工用トーチ30では、その基端
側の金属素材部32の外周部に銅製の水冷用配管33を
設けて、レーザ加工用トーチ30を冷却している。図4
中、符号34は水冷用配管33のろう付け部を示す。な
お、図4に示す実施形態では、金属素材部32の外周部
に水冷用配管33をロウ付けして設けているが、水冷用
配管33を金属部分の内部に設けた内冷式とすることも
できる。
【0023】図3,4に示すレーザ加工用トーチ20,
30は、全体をグラファイト素材で成形した場合と比較
して、レーザ加工用トーチ20,30の基端側を銅合金
で形成した金属素材部22,32としているため、その
熱伝導性が約3倍以上となり、レーザ加工用トーチ2
0,30の先端部21,31を効率よく冷却することが
できる。また、図4に示すレーザ加工用トーチ30のよ
うに、金属素材部32に水冷用配管33を配設すること
により、レーザ加工用トーチ30の先端部31をより一
層効率よく冷却することができる。さらに、水冷構造を
採用しない場合と比較すると、トーチガイド35を介し
てレーザ加工ヘッド本体(図示せず)までの熱伝導を完
全に抑制して熱変形を防止することができる。
【0024】また、図4に示すレーザ加工用トーチ30
において、先端部31のグラファイト外形形状を円柱形
としているが、これは冷却配管33を配設した場合のロ
ウ付け部34へのスパッタ付着を防止するためである。
さらに、図3,4に示すレーザ加工用トーチ20,30
において、その先端部21,31は、アダプタ固定ボル
ト23,36の頭部がレーザ加工用トーチ20,30の
底面部分に残るのをさけるために、下方向からのボルト
止めではなく、金属素材部22,32側からからアダプ
タ固定ボルト23,36を臨ませた構造となっている。
このような微細なねじ切り加工を実施することができた
のは、グラファイト素材を熱処理によって高強度として
いるからである。
【0025】このように、レーザ加工用トーチ20,3
0の先端部のみをグラファイト素材により形成しアダプ
タ化しているので、被加工材への接触等の先端破損トラ
ブルに対しても、先端部21,31のみを交換するだけ
でよく、維持費を抑制することができる。図3,4に示
す本発明のレーザ加工用トーチ20,30は上述した構
造からなるので、その先端部21,31へのスパッタの
付着を完全に防止することとができるが、加工ガス噴射
口へのスパッタ侵入という問題が残っている。
【0026】すなわち、従来のレーザ加工用トーチにお
いては、図6に示すように、レーザ加工性能を確保する
ために、その底面61に設けた加工ガス噴射口62から
He等の不活性ガスを加工点63の上面に向けて噴射し
ていた。このため、必然的に、プラズマ部からのスパッ
タを受けやすい位置に、加工ガス噴射口62が開口され
ていた。なお、図6中、符号64はレーザ通光部分を示
し、符号65は加工ガス噴射線を示す。
【0027】これに対して、図5に示す本発明のレーザ
加工用トーチで40は、従来のレーザ加工用トーチにお
ける加工ガスの目標噴射位置及び角度を維持しながら、
レーザ加工用トーチ40の先端部に設けたレーザ通過孔
42を最適な開口径とするとともに、レーザ加工用トー
チ40の先端部41の内径部分に加工ガス噴射口43を
開口している。なお、図5中、符号44は加工ガスヘッ
ダ溝を示し、符号45はスパッタ飛散線を示す。
【0028】このような位置に加工ガス噴射口43を開
口することにより、従来のレーザ加工用トーチと同様
に、加工ガスの噴射及び圧力パターンを維持することが
できるのみならず、従来のレーザ加工用トーチでは底面
に剥き出しとなっていた加工ガス噴射口を、レーザ加工
用トーチ40の先端部の内径部分の陰に隠すことができ
る。このため、スパッタ飛散線45の球面立体角に対し
て、加工ガス噴射口43の投影面積は1/2となり、加
工ガス噴射口43へスパッタが侵入する確率を大幅に低
減することができる。なお、上述した加工ガス噴射口4
3の配置位置に関しては、レーザ加工用トーチのグラフ
ァイト化とは無関係に、従来の金属製のレーザ加工用ト
ーチにおいても有効である。
【0029】
【実施例】以下、具体的な実施例を用いて、本発明のレ
ーザ加工用トーチをさらに詳しく説明する。本発明のレ
ーザ加工用トーチを45KWレーザを用いた場合の実施
例について説明する。45KWの炭酸ガスレーザを用い
て、約1000℃の高温で普通鋼突き合わせ溶接を行う
場合に、レーザ加工用トーチの先端部をグラファイトア
ダプタ化し、基端側は同素材に表層金メッキを施した金
属製レーザ加工用トーチを用いて実験を行った。
【0030】この金属製レーザ加工用トーチでは、金属
素材部方向からアダプタ固定ボルトを臨ませて、グラフ
ァイトアダプタを締結した。さらに、金属素材部の外周
面には、銅製の水冷用配管をロウ付けにより螺旋状に巻
きつけ、水冷構造とした。このような構造とすることに
より、レーザ加工用トーチの先端部へのスパッタ付着が
激減し、従来のレーザ加工用トーチでは頻繁に実施せざ
るを得なかった清掃作業は皆無となった。
【0031】さらに、レーザ加工用トーチの内径部に設
けたレーザ通過孔に向かって加工ガス噴射口を開口させ
ることにより、加工ガス噴射口へのスパッタ詰まりが減
少し、定期修理において加工ガス噴射口の清掃作業を行
う程度で、実用上の問題が生じないようになった。
【0032】
【発明の効果】本発明は、上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏する。本発明のレーザ加
工用トーチでは、炭素材と粘結材とからなる炭素材料を
混練して所定形状に成形し、800℃以上の還元雰囲気
中で仮焼し、さらに1800〜2000℃で焼成した高
強度グラファイトによりレーザ加工用トーチを形成すし
ている。したがって、特殊な製法を採用することなく、
容易かつ安価にレーザ加工用トーチを製造することが可
能となる。
【0033】また、炭素材をコークスとすることによ
り、さらに安価にレーザ加工用トーチを製造することが
可能となる。また、粘結材をメソフェーズピッチとする
ことにより、コークスとの相性も良く、組織強度が発現
し、構造体としても使用できるようになり、かつ、微細
加工が可能となる。また、レーザ加工用トーチの先端部
を高強度グラファイトにより形成し、レーザ加工用トー
チの基端側を銅合金に金メッキを施した金属材料とする
ことにより、レーザ加工用トーチの先端部を効率よく冷
却することが可能となる。
【0034】また、レーザ加工用トーチの基端部の金属
材料部を冷却するための冷却装置を設けることにより、
レーザ加工用トーチの先端部をさらに一層効率よく冷却
することが可能となる。また、レーザ加工用トーチの内
径部に、加工ガス噴射口を設けることにより、加工ガス
噴射口に対するスパッタの進入を軽減することが可能と
なり、装置のメンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ加工用トーチの縦断面図であ
る。
【図2】グラファイトの焼成温度と曲げ強さとの関係を
示すグラフである。
【図3】先端部のみをグラファイト化した本発明のレー
ザ加工用トーチの縦断面図である。
【図4】冷却装置を設けた本発明のレーザ加工用トーチ
の縦断面図である。
【図5】加工ガス噴射口の配設位置を説明するための本
発明のレーザ加工用トーチの縦断面図である。
【図6】加工ガス噴射口から噴射する加工ガスの説明図
である。
【図7】従来のレーザ加工用トーチを示し、(A)は縦
断面図、(B)は底面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40 レーザ加工用トーチ 11 レーザ加工ヘッド 12 ヘッドフレーム 13,35 トーチガイド 14,42 レーザ通過孔 15 被加工物面 16 平面ミラー 17 集光ミラー 21,31,41 先端部 22,32 金属素材部 23,36 アダプタ固定ボルト 33 水冷用配管 34 ろう付け部 43 加工ガス噴射口 44 加工ガスヘッダ溝 45 スパッタ飛散線 61 レーザ加工用トーチの底面 62,74 加工ガス噴射口 63 加工点 64 レーザ通光部分 65 加工ガス噴射線 70 従来のレーザ加工用トーチ 71 トーチガイド 72 レーザ通過孔 73 加工ガスヘッダ溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西林 茂 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 城戸 基 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4E068 CD15 CH02 CH08 CJ01 CJ07 4G032 AA02 AA04 AA09 AA44 BA01 GA11 GA12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素材と粘結材とからなる炭素材料を混
    練して所定形状に成形し、800℃以上の還元雰囲気中
    で仮焼し、さらに1800〜2000℃で焼成した高強
    度グラファイトからなることを特徴とするレーザ加工用
    トーチ。
  2. 【請求項2】 前記炭素材は、コークスからなることを
    特徴とする請求項1記載のレーザ加工用トーチ。
  3. 【請求項3】 前記粘結材は、メソフェーズピッチから
    なることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加
    工用トーチ。
  4. 【請求項4】 前記レーザ加工用トーチの先端部を前記
    高強度グラファイトにより形成し、前記レーザ加工用ト
    ーチの基端側を銅合金に金メッキを施した金属材料によ
    り形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項記載のレーザ加工用トーチ。
  5. 【請求項5】 前記レーザ加工用トーチの基端側の金属
    材料部を冷却するための冷却装置を設けたことを特徴と
    する請求項4記載のレーザ加工用トーチ。
  6. 【請求項6】 前記レーザ加工用トーチの内径部に、加
    工ガス噴射口を設けたことを特徴とする請求項1〜5記
    載のレーザ加工用トーチ。
  7. 【請求項7】 炭素材と粘結材からなる炭素材料を混練
    して所定形状に成形する工程と、 成形後の炭素材料を800℃以上の還元雰囲気中で仮焼
    する工程と、 仮焼後の炭素材料を1800〜2000℃で焼成して高
    強度グラファイトを形成する工程と、 該高強度グラファイトをトーチ形状に成形する工程と、 からなることを特徴とするレーザ加工用トーチの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記炭素材は、コークスからなることを
    特徴とする請求項7記載のレーザ加工用トーチの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記粘結材は、メソフェーズピッチから
    なることを特徴とする請求項7または8記載のレーザ加
    工用トーチの製造方法。
JP11100957A 1999-04-08 1999-04-08 レーザ加工用トーチ及びその製造方法 Withdrawn JP2000288764A (ja)

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JP2009539615A (ja) * 2006-06-12 2009-11-19 トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト レーザ加工機の構成部材及び該レーザ加工機の構成部材の通路に耐食性のコーティングを施すための方法

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