JP2000277048A - 荷電粒子線を用いた物体表面の観察装置及び方法 - Google Patents

荷電粒子線を用いた物体表面の観察装置及び方法

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JP2000277048A JP11077331A JP7733199A JP2000277048A JP 2000277048 A JP2000277048 A JP 2000277048A JP 11077331 A JP11077331 A JP 11077331A JP 7733199 A JP7733199 A JP 7733199A JP 2000277048 A JP2000277048 A JP 2000277048A
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宏 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャージアップの影響を少なくして、良好な
観察画像を得られる、荷電粒子線を用いた物体表面の観
察装置を提供する。 【解決手段】 荷電粒子の1次ビームで観察試料面を照
射し、照射面から放出される2次電子を、電磁光学系に
より2次元検出器上に拡大投影し、観察面の2次元的な
像を得る。このとき、1次ビームを、前記物体の2次電
子放出係数と、1次ビームを構成する荷電粒子の電荷の
価数との比が最初に1近傍になるようなランディング・
エネルギーを持つように調整しておく。このようにする
ことで、チャージアップが起こりにくくなり、かつ、ラ
ンディング・エネルギーが小さいので下地の影響を受け
にくくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線(1次
ビーム)を物体面に照射し、当該物体面から発生する2
次電子を、荷電粒子線写像投影光学系により像面に結像
させ、結像した2次電子を検出器により検出することに
より物体表面を観察する装置(顕微鏡等)に関するもの
であり、さらに詳しくは、チャージアップの影響が起こ
りにくい装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、物体表面を拡大して観察するため
には、走査型電子顕微鏡(SEM)が一般に用いられて
いるが、SEMにおいては、1点からの信号を採取しな
がら物体面を走査し、それを画像処理して観察像を得て
いるので、観察に時間がかかるという問題点がある。そ
こで、SEMとは異なり、電子ビームのビーム断面を、
1次光学系及びE×B(イー・クロス・ビー)と呼ばれ
る電磁プリズムにより、線状あるいは矩形状、又は円、
楕円にして試料に落射照明し、照射された試料の面から
発生する2次電子を前記E×Bを含む2次光学系と呼ば
れる写像投影光学系を介して結像面へ結像し、二次元電
子検出器で検出して試料の表面画像を二次元的に取得す
るシステム(以下、「写像投影型荷電粒子線観察装置」
という)が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような、写像投
影型荷電粒子線観察装置を用いて半導体基板の観察、検
査を行なう際には、チャージアップが問題となる。即
ち、小さなスポットを走査するSEMでは、チャージが
周辺へ拡散するために、チャージアップの影響が緩和さ
れて観察可能なサンプルでも、写像投影型荷電粒子線観
察装置では、1次ビームである荷電粒子線が面状に照射
されるので、チャージが逃げる場所がなく、照射場所に
蓄積されてチャージアップが発生する。
【0004】チャージアップとは、入射する荷電粒子と
放出される荷電粒子が有する電荷の差によって、照射面
が正又は負に帯電する現象である。チャージアップが発
生すると、放出された2次電子が加速されたり引き戻さ
れたりして、良好な結像特性が得られなくなり、希では
あるが、全く結像しない場合さえ発生する。
【0005】特に、半導体に良く用いられるSiO2等の
絶縁体には、頻繁にチャージアップが観察される。チャ
ージアップは、サンプルの物質固有の2次電子放出係数
(物質に照射される荷電粒子1個当たりの放出される2
次電子数)により、主に決定される。しかし、近年の半
導体プロセスに良く見られる、多層配線構成では、サン
プルの材質のみならず、下地の影響も受ける。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、写像投影型荷電粒子線観察装置においても、
チャージアップの影響を少なくして、良好な観察画像を
得られる、荷電粒子線を用いた物体表面の観察装置を提
供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、荷電粒子線(1次ビーム)により物体
面を照明し、当該物体面から発生する2次電子を、荷電
粒子線写像投影光学系により像面に結像させ、結像した
2次電子を検出器により検出することにより物体表面を
観察する装置であって、前記1次ビームは、前記物体の
2次電子放出係数と、1次ビームを構成する荷電粒子の
電荷の価数との比が最初に1近傍になるようなランディ
ング・エネルギーを持つように調整されていることを特
徴とする荷電粒子線を用いた物体表面の観察装置(請求
項1)である。
【0008】文献「J.Appl.Pys.,Vol46,No.8,August,19
75, PP3347-3351」及び「J.Appl.Phys.,Vol54,No.11,No
vember,1983 PP R1-R18」に記載されているごとく、2
次電子放出係数(Second Electron Yield)は、図1に
示すように、サンプルに照射される電子ビームのエネル
ギー、すなわちランディング・エネルギーに依存する。
SiO2のような、一般的な絶縁体の2次電子放出係数
は、ランディング・エネルギーの上昇に伴って、0から
上昇して、ランディング・エネルギーがE1のとき1と
なり、さらに上昇して、ランディング・エネルギーがE
mのとき最大値δmをとり、ランディング・エネルギーが
2のとき再び1となり、以後1以下になる。2次電子
放出係数が1であるということは、物体に照射される荷
電粒子線の数と放出される2次電子の数が等しいことを
意味し、2次電子放出係数が1より大きいということ
は、物体に照射される荷電粒子線の数より、放出される
2次電子の数が大きいことを意味する。
【0009】よって、1次ビームが電子線である場合の
ように、荷電粒子の電荷が1価である場合は、2次電子
放出係数が1の場合に、物体に吸収される電荷と、物体
から放出される電荷が等しく、チャージアップは起こら
ないことになる。1次ビームを構成する荷電粒子の電荷
の価数が2価以上である場合には、当該価数と2次電子
放出係数との比が1である場合に、物体に吸収される電
荷と、物体に放出される電荷が等しく、チャージアップ
は起こらないことになる。
【0010】本手段(請求項1)においては、1次ビー
ムを構成する荷電粒子の電荷の価数との比が最初に1近
傍になるように、1次ビームのランディング・エネルギ
ーが調整されているので、チャージアップを防ぐことが
できる。ここに、「1近傍」とは、厳密に1である必要
はないという意味であり、必要とされる解像度や、荷電
粒子光学系の設計条件により多少の誤差が許されること
を意味する。どの程度の誤差が許されるかは、必要とさ
れる解像度や、荷電粒子光学系の設計条件に応じて、当
業者が随時決定することができる。
【0011】また、「最初に」1近傍になるとは、例え
ば、1次ビームのランディングエネルギーを0から増加
させていった場合に、最初に1近傍になることを意味す
る。1次ビームのランディング・エネルギーをこのよう
に限定するのは、高いランディング・エネルギーを用い
ると、文献「J.Appl.Phys.,Vol54,No.11,November 1983
PP R1-R18)」に記載されているように、反射電子や
それから派生する2次電子の影響が大きくなったり、1
次ビームの浸透深さが増すことにより、下地の影響を受
けやすくなるので、これを防止するためである。
【0012】なお、2次電子放出係数は、前記「J. of
Applied Physics、Vol.46、No8、August,1975」に記載
されている測定方法及び計算方法により、測定、計算に
よって求めることができる。
【0013】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、観察される物体には、前記2
次電子を加速する電位、又は前記物体面を照明する荷電
粒子線を減速する電位が与えられていることを特徴とす
るもの(請求項2)である。
【0014】本手段においては、観察される物体に与え
る電位を変えることにより、2次電子を加速して、放出
された2次電子を、確実に観測系に導くことができる。
また、これと同時に荷電粒子線を減速し、適当なランデ
ィング・エネルギーを与えることができる。
【0015】前記課題を解決するための第3の手段は、
荷電粒子線(1次ビーム)により物体面を照明し、当該
物体面から発生する2次電子を、荷電粒子線写像投影光
学系により像面に結像させ、結像した2次電子を検出器
により検出することにより物体表面を観察する方法であ
って、前記1次ビームは、前記物体の2次電子放出係数
と、1次ビームを構成する荷電粒子の電荷の価数との比
が最初に1近傍になるようなランディング・エネルギー
を持つように調整されていることを特徴とする荷電粒子
線を用いた物体表面の観察方法(請求項3)である。
【0016】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第3の手段であって、観察される物体には、前記2
次電子を加速する電位、又は前記物体面を照明する荷電
粒子線を減速する電位が与えられていることを特徴とす
るもの(請求項4)である。
【0017】これら第3の手段、第4の手段は、それぞ
れ前記第1の手段、第2の手段と同様の作用効果を奏す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態で
ある電子ビーム写像投影型欠陥検査装置の1例を示す全
体構成図である。
【0019】検査装置は、1次コラム20、2次コラム
30およびチャンバー40を有している。1次コラム2
0の内部には、電子銃21が設けられており、電子銃2
1から照射される電子ビーム(1次ビーム)50の経路
に沿って、視野絞りFS1、複数の電子レンズ22を有
する1次光学系が配置されている。また、チャンバー4
0の内部には、XY方向に沿って移動可能なステージ4
1が設置され、ステージ41上には試料11が載置され
る。
【0020】一方、2次コラム30の内部には、試料1
1から発生する2次ビーム60の経路に沿って、カソー
ドレンズCL、開口絞りAS、電磁プリズムとしてのE
×B31、電子レンズ32、33、視野絞りFS2、お
よび検出器42が配置される。このとき、カソードレン
ズCLから検出器42までの間に配置される要素が2次
光学系を構成している。
【0021】一方、像面である検出器42上に結像した
2次電子は、二次元の検出器42により光に変換され
る。この光は、リレー光学系55を通り、第2の検出器
56(二次元CCD等)で電気信号に変換されて、コン
トロールユニット43に入力される。コントロールユニ
ット43の出力は、CPU45に入力される。
【0022】CPU45の制御信号は、電子銃21、1
次光学系のレンズ22電圧制御を行う1次コラム制御ユ
ニット46、2次光学系33中の各レンズのレンズ電圧
制御を行うと共に、E×Bに印加する電磁界制御を行う
2次コラム制御ユニット47及びステージ駆動機構44
に入力される。
【0023】ステージ駆動機構44は、ステージ41の
位置情報をCPU45に伝達する。1次コラム20、2
次コラム30、チャンバー40は、真空排気系(不図
示)につながれている。これより、1次コラム20、2
次コラム30、チャンバー40の内部は、真空排気系の
ターボポンプにより排気されて、真空状態が維持され
る。
【0024】前述のように、1次光学系は、複数の電子
レンズ22および視野絞りFSを有している。複数の電
子レンズ22としては、円形の電子レンズ、四極子レン
ズ、八極子レンズ等、適当なものが使用できる。
【0025】電子銃21からの電子ビーム(1次ビー
ム)50は、1次光学系によるレンズ作用を受けて収束
し、E×B31へ向かう。23、24はアライナであ
る。1次光学系を通過した1次ビーム50は、E×B3
1の偏向作用によりその軌道が曲げられる。E×B31
は、磁界と電界とを直交させ、電界をE、磁界をB、荷
電粒子の速度をvとした場合、E=vBのウィーン条件
を満たす方向に移動する荷電粒子のみを直進させ、ウィ
ーン条件を満たさない方向へ移動する荷電粒子の軌道を
曲げるものである。
【0026】図3に示すように、磁界をかける磁極31
(B)と、電界をかける電極31(E)を、90°ずら
して配置すると、1次ビーム50に対しては、磁界によ
る力FBと電界による力FEとが同一方向に発生し、ビ
ーム軌道は曲げられる。一方、2次ビーム60に対して
は、力FBと力FEとが逆方向に働いて、互いに相殺さ
れるので2次ビーム60はそのまま直進する。この構成
自体は電子ビームをその加速電圧により偏向させるウィ
ーンフィルタと同じであるが、本実施の形態では電磁プ
リズム(ビームスプリッタ)として機能させている。
【0027】E×B31を通過した1次ビームは開口絞
りASに達し、この開口絞りASの位置で、電子銃のク
ロスオーバーの像を形成する。開口絞りASを通過した
1次ビームは、カソードレンズCLによるレンズ作用を
受けて、試料11上に達し、ケーラー照明条件が満たさ
れた状態で試料11を照射する。
【0028】図2において、1次ビームが照射された試
料11からは、2次ビーム60として、試料11の表面
形状、試料11の材質分布、電位の変化などに応じた分
布の2次電子および反射電子が発生する。
【0029】この2次ビームは、カソードレンズCLに
よるレンズ作用を受けて、カソードレンズの焦点位置に
配置される開口絞りASを通過し、E×B31に達す
る。前述したように、E×B31によって形成される互
いに直交した磁界Bと電界Eとは、試料11からの2次
電子がウィーン条件を満たすように設定される。これに
より、開口絞りASを通過した2次電子は、このE×B
31により偏向されずに複数の電子レンズ32、33へ
向かう。
【0030】このとき、2次電子と一緒に放出される反
射電子は、ウィーン条件を満たさないので直進せず、2
次電子のみが検出器に到達することになる。なお、本実
施の形態では、1次ビームの軌道を曲げて、2次ビーム
を直進させるものを用いたが、それに限定されず、1次
ビームの軌道を直進させ、2次ビームの軌道を曲げる電
磁プリズムを用いてもよい。
【0031】2次光学系の中には、視野絞りFS2が設
けられており、この視野絞りFS2は、カソードレンズ
CL及び電子レンズ32の一部に関して試料11と共役
となっている。この視野絞りFS2を介した2次ビーム
60は、さらに複数の電子レンズ33を経て検出器42
へ到達する。35〜38はアライナである。このとき、
検出器42の検出面には、2次光学系により拡大された
試料11の像が形成される。なお、2次光学系中の電子
レンズとしては、円形の電子レンズ、四重極レンズ、八
重極レンズ等、種々のものを用いることができる。ま
た、前記2次電子は、初期エネルギーが数eVと小さいた
め、前記ステージ41と試料11に電圧を印加し、カソ
ードレンズCLの第1電極との電位差により、2次電子
を加速することができる。このとき、1次ビームは減速
される。
【0032】検出器42は、電子を増幅するMCPと、
電子を光に変換する蛍光板と、真空系と外部とを隔てる
真空窓から構成され、MCP表面に結像した2次電子の
像を、二次元の光の像に変換する。この二次元光学像
は、そして光学像を伝達させるためのレンズやその他の
光学素子からなるリレー光学系55を通り、第2の検出
器56(二次元CCD等)で電気信号に変換されて、コ
ントロールユニット43に入力される。
【0033】コントロールユニット43は、撮像素子5
6から試料の画像信号を読み出し、CPU45に伝達す
る。CPU45は、画像信号からテンプレートマッチン
グ等によってパターンの欠陥検査を実施する。
【0034】また、ステージ駆動機構44によりXY方
向に移動可能となっているステージ41の位置は、CP
U45により読み取られる。そして、CPU45は、ス
テージ駆動機構44に駆動制御信号を出力し、ステージ
41を駆動させ、順次画像の検出、検査を行う。
【0035】なお、コントロールユニット43が読み出
した試料11の画像信号をそのままディスプレイ48に
表示すれば、電子ビームに基づいて試料を観察するため
の観察装置となる。
【0036】半導体によく用いられるSiO2等の絶縁体
には、しばしばチャージアップが観察される。前述のよ
うに、チャージアップは、サンプルの物質固有の2次電
子放出係数により、主に決定される。2次電子放出係数
が1以上となる領域では、入射電子より放出される電子
の方が多いので、正にチャージアップする。放出され
た、初期エネルギーが小さい2次電子は、正のチャージ
アップにより引き戻され、その部分の画像は黒くなる。
【0037】本来、2次電子放出係数は、物質固有のも
ので、絶縁体は、正にチャージアップする傾向にある。
しかし、近年の半導体プロセスに良く見られるような、
非常に薄い層も用いる多層配線構成では、サンプルの材
質のみならず、下地の影響も受ける。絶縁膜が非常に薄
い場合、下地の影響を受けて、本来の、図1に示す2次
電子放出係数から求まるチャージアップにより予想され
る画像の白黒が反転している場合も観察される。下地の
影響を避けて観察を行うには、1次ビームが下地まで浸
入しないようにすればよく、ランディング・エネルギー
の低い1次ビームを使用すればよい。
【0038】1次ビームに電子線を使用した場合、文献
「J.Appl.Pys.,Vol46,No.8,August1975 PP3347-3351及
び J.Appl.Phys.,Vol54,No.11,November 1983 PP R1-R
18」によれば、主な物質における1stクロスオーバのラ
ンディング・エネルギー(図1におけるE1)、2次電
子放出係数最大値(図1におけるδm)、そのときのラ
ンディング・エネルギー(図1におけるEm)は表1の
とおりである。ただし、このデータは加速電界のない場
合のデータである。
【0039】
【表1】
【0040】従来使用されてきた装置においては、数百
eVから数keVのランディング・エネルギーを採用するこ
とが多かった。しかし、上記のように数百eVにて、2次
電子放出係数が最大となる場合が多く、特に絶縁体は2
次電子放出係数が大きいので、チャージアップが激しい
ことがわかる。
【0041】本実施の形態においては、1stクロスオー
バ前後のランディング・エネルギー、即ち100eV以下程
度を採用しているので、チャージアップを小さく抑えら
れる。そして、このような小さいランディング・エネル
ギーを採用すれば、前記半導体の多層配線構成の非常に
薄い層を、照射電子が突き抜けることがないため、下地
の影響を受けなくなる。
【0042】このような低いランディング・エネルギー
を用いた場合、異種絶縁体同士、または絶縁体と導体と
で、若干コントラストが低くなる可能性も大きいが、そ
の場合にはランディング・エネルギーを1stクロスオー
バからある程度ずらすように制御することにより、チャ
ージアップを制御し、観察装置、検査装置として必要な
コントラストが得られる。検査する半導体の構造があら
かじめ既知の場合は、ランディング・エネルギーのマッ
プを用意して、ランディング・エネルギーを制御すれ
ば、コントラストを持つ、所望の観察、検査が行なえ
る。
【0043】なお、本実施の形態は、1次ビームとして
電子ビームを使用しているが、イオン・ビームについて
も同様な効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、1次ビームが、前記物体の
2次電子放出係数と、1次ビームを構成する荷電粒子の
電荷の価数との積が最初に1近傍になるようなランディ
ング・エネルギーを持つように調整されているので、チ
ャージアップが起こりにくいと共に、下地の影響を受け
にくい。よって、鮮明な観察画像を得ることができる。
【0045】請求項2に係る発明においては、観察され
る物体に与える電位を変えることにより、2次電子を加
速して、放出された2次電子を、確実に観測系に導くこ
とができる。また、これと同時に荷電粒子線を減速し、
適当なランディング・エネルギーを与えることができ
る。
【0046】請求項3及び請求項4に係る発明は、それ
ぞれ請求項1及び請求項2に係る発明と同じ効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁体における、1次ビームのランディング・
エネルギーと2次電子放出係数の一般的な関係を示す図
である。
【図2】本発明の実施の形態である電子ビーム写像投影
型欠陥検査装置の1例を示す全体構成図である。
【図3】本発明の実施の形態において用いている電磁プ
リズムの動作原理を示す図である。
【符号の説明】
11…試料、21…電子銃、20…1次コラム、22…
1次光学系のレンズ、23、24…アライナ、30…2
次コラム、31…E×B(電磁プリズム)、32、33
…2次光学系のレンズ、35〜37…アライナ、40…
チャンバー、41…ステージ、42…検出器、43…コ
ントロールユニット、44…ステージ駆動機構、45…
CPU、46…1次コラム制御ユニット、47…2次コ
ラム制御ユニット、48…ディスプレイ、50…電子ビ
ーム(1次ビーム)、55…リレー光学系、56…第2
の検出器、60…2次ビーム、FS1、FS2…視野絞
り、AS…開口絞り、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線(1次ビーム)により物体面
    を照明し、当該物体面から発生する2次電子を、荷電粒
    子線写像投影光学系により像面に結像させ、結像した2
    次電子を検出器により検出することにより物体表面を観
    察する装置であって、前記1次ビームは、前記物体の2
    次電子放出係数と、1次ビームを構成する荷電粒子の電
    荷の価数との比が最初に1近傍になるようなランディン
    グ・エネルギーを持つように調整されていることを特徴
    とする荷電粒子線を用いた物体表面の観察装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子線を用いた物
    体表面の観察装置であって、観察される物体には、前記
    2次電子を加速する電位、又は前記物体面を照明する荷
    電粒子線を減速する電位が与えられていることを特徴と
    する荷電粒子線を用いた物体表面の観察装置。
  3. 【請求項3】 荷電粒子線(1次ビーム)により物体面
    を照明し、当該物体面から発生する2次電子を、荷電粒
    子線写像投影光学系により像面に結像させ、結像した2
    次電子を検出器により検出することにより物体表面を観
    察する方法であって、前記1次ビームは、前記物体の2
    次電子放出係数と、1次ビームを構成する荷電粒子の電
    荷の価数との比が最初に1近傍になるようなランディン
    グ・エネルギーを持つように調整されていることを特徴
    とする荷電粒子線を用いた物体表面の観察方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の荷電粒子線を用いた物
    体表面の観察方法であって、観察される物体には、前記
    2次電子を加速する電位、又は前記物体面を照明する荷
    電粒子線を減速する電位が与えられていることを特徴と
    する荷電粒子線を用いた物体表面の観察方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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