JP2000259204A - 情報処理方法及び装置、並びにプログラム供給媒体 - Google Patents

情報処理方法及び装置、並びにプログラム供給媒体

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JP2000259204A
JP2000259204A JP11057691A JP5769199A JP2000259204A JP 2000259204 A JP2000259204 A JP 2000259204A JP 11057691 A JP11057691 A JP 11057691A JP 5769199 A JP5769199 A JP 5769199A JP 2000259204 A JP2000259204 A JP 2000259204A
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sum
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mahalanobis distance
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Hiroyuki Segawa
博之 勢川
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物の運動情報等のパラメータを、境界拘
束条件下で最適に推定する。 【解決手段】 対象物の状態変数を、先に推定された状
態変数と観測値とに基づいて推定する際に、先に推定さ
れた状態変数に基づいて次の状態変数の予測値を予測プ
ロセスpreにより求め、求められた予測値と観測値とに
基づいて、第1更新プロセスudにより状態変数を更新し
て更新値を求め、第2の更新プロセスoptにより、更新
値が境界条件を満たしているか否かをチェックし、境界
条件を満たしていないときに、状態空間における上記予
測値とのマハラノビス距離、及び観測空間における上記
観測値とのマハラノビス距離の二乗和又は絶対値和を上
記境界条件下で最小にする新たな更新値を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理方法及び
装置、並びにプログラム供給媒体に関し、特に、観測デ
ータによりパラメータを推定又は計測する情報処理方法
及び装置、並びに上記推定又は計測方法に基づいた処理
プログラムを供給するプログラム供給媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】観測データなどを入力とし、対象システ
ムのパラメータを計測又は推定するシステムでは、入力
より得られるデータに不確かさがある(ノイズ成分が加
わっている)ことあるいは推定したいパラメータに対し
て観測データが不十分であることなどを原因として、実
際のパラメータに対し推定されるパラメータの値が不適
切である場合が多い。
【0003】その問題を解決するために、文献 R.E.Kal
man "A New Approach to Linear Filtering and Predic
tion Problems" Trans. ASME-J. Basic Eng., pp.35-45
March 1960 に記載されているカルマンフィルタ、あ
るいはその派生の再帰的な推定用のフィルタが用いられ
ている。
【0004】再帰的な推定用のフィルタとして、線形シ
ステムにはカルマンフィルタが多く使用される。また、
非線形システムに対する応用として、最も有名なものと
して拡張カルマンフィルタあるいはEKF(Extension
of the Kalman Filter)が知られており、この拡張カル
マンフィルタ(EKF)は、文献 A.Gelb著 AppliedOpt
imal Estimation The Analytic Science Corp., 1974
に記載されている。他に文献 S.J.Julier等著 "A New E
xtension of the Kalman Filter to NonlinearSystems"
Proc. of AeroSense:The 11th International Symposi
um on Aerospace/Defence Sensing, Simulation and Co
ntrol に記載されたthe unscented filter、及び文献
T. Vileville,P. Sander共著 "Using Pseudo Kalman F
ilters in the Presence of Constraints, Application
to Sensing Behaviours" Technical Report 1669, INR
IA-Sophia, Valbonne, France, 1992 に記載されている
Pseudo Kalman Filterなどがある) が使われている。
【0005】カルマンフィルタは、効率的な最小自乗法
が実装されたものであり、過去、現在、及び未来の状態
が推定可能である。また、情報が欠落している状態変数
の推定が可能であり、推定したい状態変数のみならず、
推定の精度である誤差共分散値も同時に更新していくこ
とが可能であり、ロバストな推定方法として知られてい
る。
【0006】カルマンフィルタは、再帰的推定フィルタ
の1つであり、再帰的推定フィルタは、連続して入力さ
れる観測値から、常に最新のデータのみを用いて推定値
を更新する。図13は、再帰的推定フィルタの概略構成
を示し、この再帰的推定フィルタは、運動を予測する予
測部131と予測したデータを更新する更新部132よ
り構成され、予測部131と更新部132で、予測と更
新を交互に繰り返すことにより推定を進める。
【0007】次に、図14は、再帰的推定フィルタの1
つであるカルマンフィルタ120の概略構成を示すブロ
ック図である。まず、ここで、推定したい状態変数の集
合を状態ベクトルxと記述する。n個の状態変数があれ
ばxはn次ベクトルとなる。また、kサイクル目(1サ
イクルは観測のサイクルに一致する)における状態ベク
トルxは、状態ベクトルxkと記述する。次の状態を予
測する予測プロセスは、次の式(1)のように表され
る。なお、以下の式では、式中のベクトルには、上部に
右矢印を付けて記述することにする。また、ベクトルの
1階の時間微分には、さらに上部にドット( )を付けて
記述し、2階の時間微分には、上部にツードット( )を
付けて記述することにする。
【0008】
【数1】
【0009】ここで、行列Akはkサイクル目の状態遷
移行列であり、n×n行列である。また、wkは予測プ
ロセスにおいて発生する予測プロセスノイズを示してお
り、正規分布するガウシアンノイズであると仮定する。
【0010】また、観測プロセスは、次の式(2)のよ
うに表される。
【0011】
【数2】
【0012】なお、式(1)及び式(2)で示されるプ
ロセスで発生するプロセスノイズの共分散行列をそれぞ
れQk,Pkと記述する。
【0013】上記式(2)で、ykはkサイクル目の観
測値の集合をベクトルで表わした観測ベクトルであり、
kはkサイクル目の観測行列である。観測ベクトルyk
は、状態ベクトルと必ずしも同じ次数である必要はな
く、仮に観測ベクトルykがm次であると仮定すると、
観測行列Hkはm×n行列となる。vkは観測プロセスに
おいて発生する観測ノイズベクトルを示しており、ガウ
シアンノイズであると仮定する。
【0014】カルマンフィルタ120は、予測と更新を
繰り返して推定するが、ここでは更新前に推定されてい
る状態ベクトルを次の式(3)で記述し、更新後の推定
状態ベクトルを次の式(4)で記述することにする。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】
【0017】ここで、上記式(3),式(4)の上部に
付されたハットマーク(^)は、推定値であることを表
すが、以下本文中ではxk - ハット(^)、xk ハット(^) のよう
に記述するものとする。
【0018】また、前述したPkを更新後の推定誤差共
分散とし、更新前の推定誤差共分散を次の式(5)で記
述する。
【0019】
【数5】
【0020】以上を前提として、予測部131の処理に
ついて説明する。図14に示すように、予測部131に
おける処理e1では、次の状態の予測が式(6)に基づい
て実行される。
【0021】
【数6】
【0022】予測部131における処理e2では、次の推
定誤差共分散P- kが式(7)に基づいて実行される。
【0023】
【数7】
【0024】ここで、Ak-1 Tは、状態遷移行列Ak-1
転置行列を示している。
【0025】次に、更新部132の処理について説明す
る。更新部132の処理C1では、カルマンゲインKk
式(8)に基づいて算出される。
【0026】
【数8】
【0027】ここで、Hk Tは観測行列Hkの転置行列を
示し、()-1は()内の行列の逆行列を示している。
【0028】更新部132の処理C2では、更新部132
に入力された観測値により、次の式(9)に基づいて状
態変数の推定が更新される。
【0029】
【数9】
【0030】更新部132の処理C3では、式(10)に
基づいて推定誤差共分散Pkが更新される。
【0031】
【数10】
【0032】ここで、Iはn×n次元の単位行列を示し
ている。
【0033】なお、以上において述べてきたカルマンフ
ィルタ120では、予測プロセス及び観測プロセスとも
線形であることを仮定しているが、実際には非線形であ
る場合が多い。これらに対応するために、前述したEK
F(拡張カルマンフィルタ)をはじめとする派生のフィ
ルタが提案されている。ここでは最も多く使われている
EKFについて説明する。
【0034】EKFでは、予測プロセスが次の式(1
1)で表わされ(カルマンフィルタ120の式(1)に
対応している)、観測プロセスが次の式(12)で表わ
されている(カルマンフィルタ120の式(2)に対応
している)。
【0035】
【数11】
【0036】
【数12】
【0037】ここで、fは非線形の状態遷移行列を示し
ており、hは非線形の観測行列を示している。
【0038】EKFにおいては、実際の推定フレームワ
ークは、カルマンフィルタ120(図14)の処理e1に
対応するものが式(13)に表される。
【0039】
【数13】
【0040】また、カルマンフィルタ120(図14)
の処理c2に対応するものが次の式(14)に表される。
【0041】
【数14】
【0042】状態遷移行列Akが式(15)により表さ
れ、観測行列Hkが式(16)により表される。
【0043】
【数15】
【0044】
【数16】
【0045】ここで、Ak(i,j)は、状態遷移行列Ak
i行j列の行列要素を示しており、関数fのi成分を状
態変数xkのj成分で偏微分することにより算出される
ことが表されている。また、Hk(i,j)は、観測行列Hk
のi行j列の行列要素を示しており、関数hのi成分を
状態変数xkのj成分で偏微分することにより算出され
ることが表されている。EKFは、以上の点を除いて、
カルマンフィルタ120と同様である。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の技術においては、推定の対象となるパラ
メータに境界条件を付加したときに、カルマンフィルタ
はその条件を考慮に入れることが不可能か非常に困難で
あった。
【0047】すなわちカルマンフィルタや、その派生の
フィルタなどの従来の再帰的推定フィルタでは、拘束条
件のない状態空間での最適推定値を求めることしかでき
ない。また、前述の文献 T. Vileville,P. Sander共著
"Using Pseudo Kalman Filters in the Presence of C
onstraints, Application to Sensing Behaviours" Tec
hnical Report 1669, INRIA-Sophia, Valbonne, Franc
e, 1992 に述べられているPseudo Kalman Filterでは、
等式であらわされる拘束条件下で最適な推定を行なうこ
とができるが、不等式であらわされる拘束条件や境界条
件を扱うことができない。厳密に言うと、不等式や境界
条件下で必ず解がその境界上に来ることがわかっている
という前提があれば、Pseudo Kalman Filterでも不等式
であらわされる拘束条件や境界条件を扱うことはでき
る。しかし、すべての問題でこの前提が必ずしも保証さ
れるわけではない。
【0048】従って、たとえ状態変数に境界条件があっ
たとしても、従来の再帰的フィルタの返す推定値はその
条件の中に入るかどうかまったく保証されないか、もし
くは得られたものが最適値である保証はない。
【0049】拘束条件が必要な場合の具体例について、
図15を参照しながら説明する。この図15において、
対象物あるいは被写体(人)41の腕42を方向(被写
体41の右側面からの方向)pと、それに垂直な方向i
から観測したと仮定する。なお、図中の腕42は、手首
の関節42a、ひじの関節42b、肩の関節42cによ
り表わされている。図16は、図15の被写体41の腕
42を方向iから観測した場合、図16の(A)に示す
像i1から、図16の(B)に示す像i2に連続して変化す
る様子を示している。図17の(A)の画像p1及び図1
7の(B)の画像p2-aは、それぞれ図16の(A)の像
i1及び図16の(B)の像i2が観測されたときの、方向
pから撮像された場合の被写体41の腕42の画像を示
している。図16の(A)の像i1のデータに対して、図
17の(A)の画像p1のデータが正しく推測された場合
において、図16の(B)の像i2のデータに対して、実
際の姿勢が図17の(B)の画像p2-aである場合、予測
プロセスが適切でないと図17の(C)の画像p2-bのよ
うに誤って推定されてしまうことが生じる。
【0050】このように、推定システムは画像p2-bを推
定値として返す可能性がある。二次元情報では奥行きの
情報が欠落するからである。しかしわれわれは肘が逆方
向に曲がらないことを知っているので、その知識を利用
して画像p2-aであるという解を得ることができる。従来
の再帰的フィルタでは、このような境界条件下で最適値
を返すことができなかった。
【0051】本発明は、上述したような実情に鑑みてな
されたものであり、物体の運動情報等の状態変数(パラ
メータ)を予測するための再帰的推定フィルタについて
推定対象のパラメータが境界制約条件を持つ場合でも有
効な処理が行えるような情報処理方法及び装置、並びに
プログラム供給媒体を提供することを目的とするもので
ある。
【0052】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係る情報処理方法及び装置は、対象物の
状態変数を、先に推定された状態変数と観測値とに基づ
いて推定する際に、上記先に推定された状態変数に基づ
いて次の状態変数の予測値を求め、求められた予測値と
上記観測値とに基づいて状態変数を更新して更新値を求
めてこれを推定値として出力するようにし、上記更新値
としては、場合に応じて、状態空間における上記予測値
とのマハラノビス距離、及び観測空間における上記観測
値とのマハラノビス距離の二乗和又は絶対値和を境界条
件下で最小にするような更新値を用いることを特徴とし
ている。
【0053】ここで、上記予測値と上記観測値とに基づ
いて状態変数の更新値を求め、求められた更新値が上記
境界条件を満たしているか否かをチェックし、上記境界
条件を満たしていないときに、状態空間における上記予
測値とのマハラノビス距離、及び観測空間における上記
観測値とのマハラノビス距離の二乗和又は絶対値和を上
記境界条件下で最小にする新たな更新値を求めることが
挙げられる。これは、推定対象のパラメータ(状態変
数)が境界制約条件を持つ場合を対象にし、最小二乗法
を適用するものである。上記制約条件の下に更新値を求
めるのに、二次計画法を用いること、あるいは非線形計
画法を用いることが挙げられる。
【0054】これにより、多関節物体の運動情報やトル
ク等の状態変数を、境界条件のような制約条件の下に推
定することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る情報処理方法
及び装置の実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。
【0056】図1は、本発明の情報処理方法及び装置の
実施の形態として、対象物の状態変数(パラメータ)を
推定するためのパラメータ推定装置1の構成例を示すブ
ロック図である。このパラメータ推定装置1は、後述す
るように、特に多関節運動推定装置に適用することを想
定している。
【0057】この図1において、CPU11は、プログ
ラムメモリ12に記録されているプログラムに従って、
各種の処理を実行する。
【0058】データメモリ13には、パラメータを含む
各種情報が記憶され、例えば多関節運動推定等の場合に
は、運動を推定するための角度情報、角速度情報、及び
トルク情報などの他、推定値を更新するために必要な観
測情報、センサからの信号又は画像シーケンスからの情
報が記憶される。フレームメモリ14には、観測情報と
して画像シーケンスに直接アクセスする場合に、それが
格納されたり、又は推定された3次元パラメータを可視
化するために生成された画像情報が記憶される。
【0059】画像表示器15は、フレームメモリ14に
記憶された画像情報を表示する。入力器16は、マウス
やキーボードなどの操作入力に用いられたり、画像入力
やセンサ信号入力を行う。
【0060】外部記憶器17は、観測値又は推定された
情報を記憶する。外部記憶器17には、ハードディスク
ドライブHDD(Hard Disk Drive)や、光ディスクな
どのランダムアクセスが可能な記憶媒体を用いることが
望ましいが、テープストリーマなどのランダムアクセス
にあまり適していない記憶媒体を用いてもよい。また、
ネットワークに接続された他のシステムの外部記憶装置
を外部記憶器17として用いてもよい。又は、上述した
種々の記憶媒体及び外部記憶器17を任意に組み合わせ
ることによって、外部記憶器17として用いてもよい。
このような媒体は、図1のパラメータ推定装置1がバッ
チ処理で処理する場合などに用いて、画像又はセンサな
どの観測値をこれらの媒体に記憶しておいてもよい。
【0061】ところで、例えば多関節運動推定等のパラ
メータ推定を行う対象が人体である場合、われわれは例
えばひじが逆に曲がらないことを知っている。このよう
に各関節にはリミットあるいは制約条件がある。例えば
それは肩の水平方向の回転自由度をΘ1、肩の垂直方向
の回転自由度をΘ2、二の腕のねじり方向の回転の自由
度をΘ3、肘の回転自由度をΘ4とすると、これらのパ
ラメータにはおおよそ下記のような境界条件がある。
【0062】−45≦Θ1≦130、 −60≦Θ2≦180、 −90≦Θ3≦90、 0≦Θ4≦150 本実施の形態の多関節運動推定等のパラメータ推定にお
いては、このような境界制約条件あるいは拘束条件のも
とで推定を行なう。
【0063】いま、推定したい状態変数(パラメータ)
の集合をベクトルで表わすこととする。ベクトルx
kは、kサイクルにおける状態変数をあらわすベクトル
(n次元)となる。図1の状態変数(パラメータ)推定
装置1を例えば多関節運動推定装置に適用する場合に、
推定の対象となる各関節のkサイクル目の状態ベクトル
kは、例えば式(17)のように表される。
【0064】
【数17】
【0065】この(17)式で、qkは各関節のkサイ
クル目の角度を示し、qkのドット()は各関節のkサイ
クル目の角速度を示し、τkは各関節のkサイクル目の
トルクを示している。多関節の自由度がnの場合、状態
ベクトルxkは3n次元となる。
【0066】予測においては通常のカルマンフィルタ又
はEKFと同様に予測を行なう。すなわち線形システム
に対しては上記式(6)によって状態変数を予測し、上
記式(7)によって推定誤差共分散を予測する。以下、
本発明の実施の形態で新しくなった更新部分の説明を行
なう。
【0067】あるパラメータxを考える。図2に示す状
態空間において予測された推定誤差共分散(上記式
(5)で表される)を持つ正規分布のもとでの、予測さ
れた状態変数(上記式(3)で表われる)とこのパラメ
ータxとの間の分布密度に応じた距離、いわゆるマハラ
ノビス距離(Mahalanobis distance)をE1とする。ま
たこのパラメータxを観測空間に投影したときの変数H
kx(非線形の場合hk(x))と観測値ykとの、観測
誤差共分散Rkを持つ正規分布のもとでのマハラノビス
距離をE2とする。
【0068】このマハラノビス距離は、ベクトルx,y
が同一の共分散行列Rを持つ正規分布に従うとき、次の
式(18)で定義されるものである。分布に偏りがない
場合、すなわち、Rが単位行列になっている場合、マハ
ラノビス距離はユークリッド距離と一致する。
【0069】
【数18】
【0070】上記マハラノビス距離E1の二乗とE2の二
乗の和を最小にするときのxを求めると、実はカルマン
フィルタの推定値と等価であることが数学的に証明でき
る。本実施の形態においては、状態変数に境界条件ある
いは制約条件がある場合を解きたいことから、次の式
(19)に示されるような不等式で表わされる制約条件
g(x)≦0と等式による拘束条件r(x)=0のもと
で、E1の二乗とE2の二乗の和を最小にするときのxを
求めるとき、このxを本発明のフィルタの推定値とす
る。なお、制約条件が前述の境界条件だけのときはこれ
をg(x)≦0によって表わし、r(x)=0の条件は
指定しなくてもよい。また、各マハラノビス距離E1
2の二乗和の代わりに、絶対値和を用いてもよい。
【0071】
【数19】
【0072】次に、多関節運動推定等に用いられる図1
に示すパラメータ推定装置1の動作について、図3のフ
ローチャート及び図4のデータフロー図を参照しながら
説明する。データフロー図とはオブジェクト指向分析で
は広く知られた表記法であるが、システムで計算される
値の間の関数的な関係を示し、そこには入力値・出力値
・内部データストアを含む。データフロー図は、オブジ
ェクト内部のデータソースからデータを変換するプロセ
スを経由して、他のオブジェクト内部の目標へ至るデー
タの流れを示すグラフである。データフロー図では、デ
ータを変換するプロセス(楕円で示される)、データを
運ぶデータフロー(矢印で示される)、データの生産と
消費を示すアクターオブジェクト(長方形で示され
る)、受動的にデータの格納を行なうデータストアオブ
ジェクト(2本の太い直線に挟まれ示される)によって
構成されている。上記図1の外部記憶器17は、例えば
図4のデータフロー図において、状態ベクトルのストレ
ージsd及び推定誤差共分散のストレージeecとして用
いることができる。またデータストアオブジェクトで表
わせるものでストアされるデータは短期的にはデータメ
モリ13、あるいはもしデータが画像であればフレーム
メモリ14、にストアされる。
【0073】また、本発明の実施の形態の要部となる更
新サブルーチン(図3のステップS5)の詳細について
は、図5のフローチャートに示している。
【0074】まず、図3のステップS1において、上記
式(17)に示す状態ベクトルxkの初期推定値x0 ハット
(^) と推定誤差共分散Pkの初期推定誤差共分散値P0
与える。これらの値は、ユーザが図1の入力器16より
直接入力することもできるが、他のセンサ情報からこれ
らの初期値(初期推定値x0 ハット(^) と初期推定誤差共
分散値P0)を与えてもよい。また、例えば、他の画像
データを入力する場合には、最初のフレームの画像をユ
ーザが見ながらインタラクティブに入力器16のキーボ
ードやマウスを用いて3Dモデルをフィッティングさせ
ることにより与えてもよい。さらに、他の運動パラメー
タ推定装置からの出力を初期値として用いてもよい。
【0075】次のステップS2において、CPU11
は、データメモリ13に記憶された状態ベクトルxk
初期推定値x0 ハット(^) と推定誤差共分散Pkの初期推定
誤差共分散値P0を、k=1、すなわち1サイクル目の
データとする。これは、1サイクル目の内部情報として
用いられる。
【0076】ステップS3において、CPU11は、更
新されたkサイクル目の状態ベクトルxk ハット(^) 及び
推定誤差共分散Pkを用いて、(k+1)サイクル目の
状態ベクトルx(k+1) ハット(^) 及び推定誤差共分散P
(k+1)を算出し、予測する。この予測処理の具体例につ
いては、後述する図8のフローチャートに示されてお
り、後に詳述する。
【0077】ステップS3と並行して、ステップS4で
は、CPU11は、データメモリ13に記憶されている
データから、kサイクル目の観測データを得る。この観
測データは、センサ信号でもよく、その場合、図1の入
力器16にセンサ信号のインターフェースを設けるよう
にする。また、画像シーケンスの各フレームの画像に対
してトラッキング(特徴点追跡又は領域追跡)やセグメ
ンテーション(領域分割)などを施して、各関節の位置
情報及び姿勢情報、並びにそれらを組み合わせた情報を
得て、これらを観測データとするようにしてもよい。こ
の場合、入力器16に、トラッキング又はセグメンテー
ションなどを行う装置とのインターフェースを設けるよ
うにする。また、同一ハードウエア上で上記したように
画像から情報を得るシステムを構築する場合、入力器1
6として、カメラ又はビデオなどの映像機器とのインタ
ーフェースを設け、上記したシステムは、多関節運動推
定装置1の要素を共有するようにしてもよい。なお、こ
のステップS4の処理は、図4のデータフロー図では、
INPUTからの入力に相当し、本システムへ外のシステム
がデータを与えていることを示している。
【0078】次のステップS5は、更新サブルーチンで
あり、CPU11は、データメモリ13に記憶されてい
るデータを更新する。この更新処理の詳細は、図5のフ
ローチャートに示されている。図4のデータフロー図で
は、ud(第1更新)とopt(第2更新)との二つのプロ
セスである。以下、このステップS5の更新サブルーチ
ンについて、図5を参照しながら説明する。
【0079】図5のステップS11において、CPU1
1は、得られたkサイクル目の観測データykからカル
マンゲインKkを算出する。ここで、本システムの対象
が非線形のシステムであるから、CPU11は、式(2
0)(前記式(16)と同一)に基づいて観測行列Hk
を算出する。
【0080】
【数20】
【0081】ここで、上述したように、Hk(i,j)は、観
測行列Hkのi行j列の行列要素を示しており、H
k(i,j)は、関数hのi成分を状態ベクトルxkのj成分
で偏微分することにより算出されることが表されてい
る。
【0082】そして、CPU11は、式(21)(前記
式(8)と同一)に基づいて、kサイクル目のカルマン
ゲインKkを算出する。
【0083】
【数21】
【0084】ここで、Pk -は更新前の推定誤差共分散値
を示し、Pkは更新後の推定誤差共分散値を示し、Hk T
はHkの転置行列を示している。
【0085】ステップS12において、CPU11は、
観測データykにより状態ベクトルxの推定を更新す
る。すなわち、非線形システムであることから、CPU
11は、観測データykより、式(22)(前記式(1
4)と同一)に基づいて状態ベクトルを更新する。
【0086】
【数22】
【0087】ここで、上述したように、xk - ハット(^) は
更新前の推定された状態ベクトルを示し、xk ハット(^)
は更新後の推定された状態ベクトルを示している。
【0088】ステップS13において、CPU11は、
式(23)(前記式(10)と同一)に基づいて、推定
誤差共分散Pkを更新する。
【0089】
【数23】
【0090】ここで、Iは、Pkと次数を等しくする単
位行列を示している。
【0091】なお、ステップS12及びステップS13
の処理は、並列して行うこともできるが、ステップS1
2からステップS13へ、又はステップS13からステ
ップS12へというようにシーケンシャルに計算するよ
うにしてもよい。
【0092】これらのステップS11〜S13は、従来
の技術と同様であり、図4のデータフロー図の第1更新
プロセスudについての説明である。さらに、本発明の実
施の形態においては、第2更新プロセスoptが付加され
ており、これについて以下説明する。
【0093】ステップS14では、上記第1更新プロセ
スudで更新された状態変数が拘束条件を満たしているか
を調べる。すなわち、第1更新プロセスudで更新された
推定値x ハット(^) をxとするとき、境界条件あるいは拘
束条件であるg(x)≦0とr(x)=0とを満たすか
どうかを調べる。なお、境界条件の内のr(x)=0の
条件に関しては付加されない場合も多い。
【0094】ここで条件を満たしていればプロセスudで
更新された推定値(状態変数と推定誤差共分散)を更新
値としてこのサブルーチンを終える。満たしていなけれ
ばステップS15に進む。
【0095】ステップS15では拘束条件のもとで前述
のマハラノビス距離の二乗和を最小にすることを考え
る。これはシステムが非線形なので、上記式(19)を
解くことになる。なお、マハラノビス距離の二乗和の代
わりに、マハラノビス距離の絶対値和を用いてもよい。
【0096】上記式(20)によりHkを求めて最小に
する対象評価式を、近似的に次の式(24)にすること
ができる。
【0097】
【数24】
【0098】このときもし拘束条件がなければその解は
EKF(拡張カルマンフィルタ)が返す値に一致する。
しかし、すでにEKFの返す値が上記ステップS14で
拘束条件を満たしていないことがわかっているので、そ
の条件下で最適値を求めなければならない。この問題
は、次の式(25)で表わされる一般の二次計画法を用
いて求めることができる。
【0099】
【数25】
【0100】二次計画法についてはいろいろな最適化関
連書籍に述べられているのでここでは詳しくは述べない
(参考文献:古林隆著、線形計画法入門、産業図書、又
は小野勝章著、計算を中心とした線形計画法、日科技
連)。このとき、上記式(25)中のCは次の式(2
6)で、またc0は次の式(27)で表されるものとす
ればよい。
【0101】
【数26】
【0102】
【数27】
【0103】精度を求める場合には、上記式(19)
を、そのまま非線形計画法を用いて解くことも可能であ
る。非線形計画法としては、逐次型二次計画法(SQP)
を使うことも可能であるし、遺伝アルゴリズムに基づく
最適化アルゴリズムを導入することもできる。
【0104】また、上記状態変数の更新については、上
記第1更新プロセスudを介さずに第2更新プロセスopt
に直接上記予測値及び観測値を送って、上記境界条件下
での更新値を求めるようにしてもよい。ただし、推定誤
差共分散については、上記第1更新プロセスudにおいて
説明した上記式(23)に基づいて更新することが必要
である。
【0105】なお、上記図5の更新サブルーチンのよう
に、第1更新プロセスudで第1の更新値を求めた後に第
2更新プロセスoptに進む場合には、上記境界条件を満
たせば上記第2更新プロセスoptでの第2の更新値を求
める計算が不要となり、負担を軽減できる、とい利点が
ある。
【0106】再び図3に戻って、上述したステップS5
の更新サブルーチンの次のステップS6において、CP
U11は、更新されたkサイクル目の状態ベクトルxk
及び推定誤差共分散Pkをデータメモリ13あるいは外
部記憶装置17に記憶させる。この処理は、図4のデー
タフロー図では、第1更新プロセスud及び第2更新プロ
セスoptで更新された状態変数がデータストアsdに記憶
され、第1更新プロセスudで更新された推定誤差共分散
がデータストアeecに向かう矢印で示されている。
【0107】リアルタイム処理などで状態を保存する必
要のない場合には、このステップS6は不要である。ま
た、更新された状態変数をユーザーに対して示すために
は、図6に示すように、ステップS51で更新された状
態変数の内容を可視化し、ステップS52で可視化され
たデータを表示するルーチンを図3のフローチャートに
挿入すればよい。この図6のステップS51で得られた
可視化情報は、図1のフレームメモリ14に書き込ま
れ、ステップS52で画像表示器15に出力される。
【0108】次のステップS7において、CPU11
は、次サイクルのデータを得るためにサイクル数をイン
クリメントさせる。すなわち、CPU11は、上述した
サイクル数kをサイクル数(k+1)とする。
【0109】ステップS8において、CPU11は、上
述した推定処理を続行するか否かを判定する。続行する
と判定された場合、ステップS3に戻り、ステップS3
乃至ステップS8の処理を繰り返し実行する。
【0110】続行しないと判定された場合、上述した処
理を終了する。この処理の終了判定は、例えば、ユーザ
からの入力によって行うようにしてもよいし、データが
画像データの場合、最後のフレームの処理を終了したこ
とにより終了判定するようにしてもよい。また、メモリ
フルなどのハードウエア又はソフトウエアの制約により
終了判定するようにしてもよい。
【0111】以上のように、図1のパラメータ推定装置
1を多関節運動推定装置に適用した場合には、各関節の
トルクを状態変数として保持し、トルクの変動を一定と
仮定して、運動を予測するようにしたので、運動を正確
に予測することができる。
【0112】以上の実施の形態においては、状態ベクト
ルxとして、各関節の角度、角速度、及びトルクを要素
にするようにしたが、さらに各関節の長さなどをさらに
要素にするようにしてもよい。このようにすれば、さら
に運動の推定精度を向上させることができる。
【0113】また、以上の実施の形態においては、ステ
ップS6において、更新された状態ベクトルxを記録す
るようにしたが、リアルタイム処理する必要のない場合
にはステップS6を省略するようにしてもよい。また、
ステップS5の後あるいはステップS6の後に、図6に
示すように、ステップS51及びステップS52を挿入
し、ステップS51において、更新された状態ベクトル
xの内容を可視化し、可視化した状態ベクトルxをフレ
ームメモリ14に記録させ、ステップS52において、
可視化されたデータを画像表示器15に表示させるよう
にしてもよい。このようにすることにより、ユーザは、
画像表示器15により状態ベクトルの予測と更新を即座
に確認することができる。
【0114】次に、本発明に係る情報処理方法及び装置
の他の実施の形態について、図面を参照しながら説明す
る。
【0115】この本発明の他の実施の形態は、上記図3
〜図6と共に説明した実施の形態に、さらに機能を追加
したものであり、多関節物体のトルク情報を保持しその
変動が正規分布であることを仮定した推定方法を用い
て、制約条件を持つ多関節物体の運動情報を推定するも
のであり、また、多関節物体のトルク情報を保持するス
テップと、他の運動情報と該トルク情報により角速度を
算出するステップとを有するものである。
【0116】上記の境界条件付き再帰的推定フィルタに
おいて、さらに予測モデル(プロセスモデル)をより実
際の物理的挙動に近づけることにより、より精密な推定
ができるようになる。
【0117】すなわち、本実施の形態では、各関節のト
ルクを状態変数として保持することとトルクが一定と仮
定している。例えば、内部につねに保持しておくべきで
ありまた推定の対象としている状態変数の要素として、
各関節の角度・角速度・そしてトルクを持つ。これはベ
クトルで表わされて、数学的に上記式(17)のように
なる。なお、この実施の形態に示した状態ベクトルの要
素は組み合わせの例であり、他に例えば関節間の長さな
ども要素にすることによりそれを推定させてその測定精
度を上げていくなどという使い方も可能である。
【0118】この本発明の他の実施の形態のデータフロ
ー図を図7に示す。主要な動作は上記図3のフローチャ
ートと同様であるが、ステップS3の予測サブルーチン
が大きく異なっており、この予測サブルーチンの詳細を
図8に示す。
【0119】ロボット工学などで角度、加速度、及びト
ルクの関係を求める際によく用いられる動力学方程式で
は、多関節物体の各関節へのトルクと各関節の角度・角
速度・角加速度の関係を次の式(28)で求める。
【0120】
【数28】
【0121】この式(28)で、行列M(q)は mass
matrix と呼ばれるもので、各関節の角度qの関数とな
る。ちなみにb(q、qトット) は、遠心力とコリオリの力と
重力ならびに粘性・弾性力の合計を表わす。M(q)に
対しては必ず逆行列が求められることが保証されてい
る。これは、文献 John J. Craig著、Introduction toR
obotics - Mechanics and Control, Second Edition Ad
dison-Wesley Publishing Co. 1989 に述べられてい
る。よってトルク・角度・角速度から、次の式(29)
によって角加速度を算出することができる。
【0122】
【数29】
【0123】すなわち、図8のフローチャートのステッ
プS21において、図1のCPU11は、データメモリ
13に記憶されている状態ベクトルxkからkサイクル
目の角加速度qkのツードット( )を算出する。これ
は、上記動力学方程式(28)を変形した上記式(2
9)を用いて、角度qk、角速度qkのドット( )、及び
トルクτkを代入して、角加速度qkのツードット( )を
算出するものである。
【0124】このステップS21の処理は、図7のデー
タフロー図において、データストアsdに記憶されている
角度、角速度、及びトルクの状態ベクトルが予測ブロッ
クの角加速度算出プロセスdeに向かう矢印、角加速度算
出プロセスdeでの角加速度の算出処理、及び角加速度算
出プロセスdeで算出された角加速度が角度,角速度予測
プロセスodeに向かう矢印により示されている。
【0125】次にステップS22では、CPU11は、
データメモリ13に記憶されている状態ベクトルxk
び、ステップS21で算出された角加速度qkのツード
ット()に基づいて、次サイクル(k+1)の角度qk+1
及び角速度qk+1のドット( )を算出する。次の式(3
0)に示す常微分方程式は、あるベクトルzkとそのベ
クトルの微分zkのドット( )から、次サイクル(k+
1)のベクトルzk+1を算出するための式である。
【0126】
【数30】
【0127】この式(30)で、ODEINTは例えばRunge-
Kutta法に代表される常微分方程式積分器(ソルバー)
である。CPU11は、上記式(30)のODEINT、及び
上記式(29)により算出された角加速度qのツードッ
ト( )を用い、式(31)に基づいて、次サイクル(k
+1)の角度qk+1及び角速度qk+1のドット( )を算出
する。
【0128】
【数31】
【0129】このとき、式(31)よりわかることは、
現サイクルの角加速度の値が必要であるということであ
る。しかし前述の式(29)によって、角加速度は状態
変数の中の情報を用いて求めることができる。すなわ
ち、ここまでの計算式により、現サイクルの状態変数
(状態ベクトルxk)の内容により、次のサイクル(k
+1)の状態ベクトルzk+1が精密に算出できることが
わかる。このステップS22の処理は、図7のデータフ
ロー図では、データストアsdに記憶されている角度及び
角速度が角度,角速度予測プロセスodeに向かう矢印、
角度,角速度予測プロセスodeでの角度,角速度予測処
理、及び角度,角速度予測プロセスodeで算出された予
測角度及び予測角速度が第1更新プロセスudに向かう矢
印として示されている。
【0130】上述した予測プロセスの処理は、式(3
2)によりまとめられる。
【0131】
【数32】
【0132】この式(32)を説明すると、図1のパラ
メータ推定装置を多関節運動推定装置に適用した例で
は、トルクの変動を一定と仮定し、トルクの変動をガウ
シアンノイズと見なし、ωとして示している。また、次
サイクルの角度及び角速度を算出するときには、上述し
た方法でかなり正確に求められているが、数値計算につ
きものの誤差を排除するため、その誤差を表すノイズベ
クトルε1及びノイズベクトルε2を定義している。な
お、ノイズベクトルε1及びノイズベクトルε2は、小さ
な値であり、例えば、ガウシアンノイズωに対して十分
小さく、ε1,ε2<<ωを満たしているものである。た
だし、数値計算精度の高くない処理システムにおいて
は、ε1及びε2を大きくすることも可能である。また、
計算時間短縮率を理由としてEuler法等精度の低い常微
分方程式積分器(ソルバー)を用いる場合においても、
ε1及びε2を大きくすることがある。
【0133】また、ステップS21の処理とステップS
22の処理をまとめると、すなわち、式(29)及び式
(32)をまとめると、式(33)のように表される。
【0134】
【数33】
【0135】ステップS23において、CPU11は、
データメモリ13に記憶されている推定誤差共分散Pk
から次サイクル(k+1)の推定誤差共分散Pk+1を算
出する。まず、CPU11は、ステップS22で算出さ
れた次サイクル(k+1)の角度qk+1及び角加速度q
k+1のツードット( )を用い、上記式(15)に基づい
て、状態遷移行列Akを算出する。
【0136】ここで、前述したように、Ak(i,j)は、状
態遷移行列Akのi行j列の行列要素を示し、f(j)は、
関数fのj成分を示しており、Ak(i,j)は、f(j)を状
態変数xkのj成分を偏微分することにより算出するこ
とができることが示されている。
【0137】次に、CPU11は、算出された状態遷移
行列Akとデータメモリ13に記憶されている推定誤差
共分散Pkから、上記式(7)に基づいて、次サイクル
(k+1)の推定誤差共分散Pk+1 -を算出する。これ
は、図7のデータフロー図では、共分散予測のプロセス
escoに相当する。
【0138】以上が、本発明の他の実施の形態の主要部
となる図8の予測サブルーチンの説明である。他の構成
及び動作については、上記図3〜図6と共に説明した実
施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0139】以上をまとめると、推定用の再帰的フィル
タとして前述のカルマンフィルタを使うと、前記図14
のような操作で推定が進められる。本発明の実施の形態
では、推定する状態ベクトルは上記式(19)に述べた
通り、その要素として各関節の角度、角速度並びにトル
クを持つ。カルマンフィルタで予測を行なうためのモデ
ルであるプロセスモデルは、上記式(1)に示される通
りである。非線型システムの場合は、上記式(11)と
なる。本発明の実施の形態では、推定対象が非線型とな
るので、上記式(11)とに対応するものとして、上記
式(32)を用いる。上記式(29)の加速度を求める
ステップと、上記式(32)をまとめると、上記式(3
3)のようになる。これはまさに、上記式(11)の形
式で表わされたプロセスモデルである。
【0140】次に、図9は、上記図3のフローチャート
の変形例を示している。この図9においては、ステップ
S1’で状態変数の初期推定値と推定誤差共分散の初期
値を予測値として入力し、ステップS2’でk=1とし
た後、ステップS3’でk番目の観測データを得てい
る。ステップS4’では、得られた観測データを用いて
状態変数・推定誤差共分散を更新し、ステップS5’
で、更新されたk番目の状態変数を記録し、ステップS
6’で、更新された状態変数・推定誤差共分差を用い
て、k+1番目の状態変数・推定誤差共分散を予測して
いる。以下、ステップS7’でk=k+1とし、ステッ
プS8’で終了か否かを判別して、終了でないときはス
テップS3’に戻っている。このような手順に従っても
パラメータ推定が可能である。
【0141】また、以上においては、既に観測データが
得られたことを前提として推定するようにしたが、図1
の多関節運動推定等のパラメータ推定装置1を観測デー
タ生成に利用するようにしてもよい。この場合の概念を
図10に示す。
【0142】図10に示すように、入力された画像か
ら、Trackerなどの関節に関する情報を取り出す装置6
1により、関節に関する情報が取り出され、図1のパラ
メータ推定装置1を適用した多関節運動推定装置62に
より推定値が予測され、予測された推定値から関節に関
する情報を取り出す装置61にフィードバックさせる。
これにより、観測精度を向上させることができる。
【0143】以下に、図10の概念を具体化したシステ
ムを図11及び図12を参照して説明する。図11は、
図1のパラメータ推定装置1を多関節運動推定装置70
に適用したモーションキャプチャシステムの構成例を表
している。ビデオカメラ71から出力された画像データ
は、多関節運動推定装置70に入力され、状態ベクトル
が推定され、3次元運動パラメータとして3Dアニメー
ション作成装置72に入力される。3Dアニメーション
作成装置72は、供給された運動パラメータ3Dアニメ
ーション用データとして3Dアニメーションを作成す
る。
【0144】なお、多関節運動推定装置70への入力
を、ビデオカメラ71からの出力の代わりに、ビデオテ
ープレコーダなどからの入力とし、予めバイナリ化され
た画像シーケンスの情報を図1の外部記憶器17を経由
して入力するようにしてもよい。
【0145】図12は、図1のパラメータ推定装置1を
多関節運動推定装置70に適用したユーザインターフェ
ース機器として利用したシステム例を表している。図1
2の(A)に示すように、ビデオカメラ71より入力さ
れた画像情報、すなわち、例えば図12の(B)に示す
ように、ビデオカメラ71により撮像されたユーザ41
の画像情報から、多関節運動推定装置70により、ユー
ザ41の関節の3次元運動情報が推定され、それがコマ
ンド化されて、制御対象機器75、例えば、図12の
(C)に示すようなテレビジョン受像機76に、制御信
号として供給される。制御対象機器75は、この制御信
号に対応して動作する。
【0146】図12のシステムは、制御対象機器75と
して、ゲーム機などのエンターテイメント分野への応用
に有効である。
【0147】なお、上記図1に示したパラメータ推定装
置1では、上記推定方法による処理プログラムをプログ
ラムメモリ12に格納しているが、例えばCD−ROM
あるいはDVD−ROM、CD−R、CD−RW、DV
D−RAMのような光ディスクに格納してもよいし、M
Oのような光磁気ディスクに格納してもよい。また、ハ
ードディスクあるいはフロッピーディスクのような磁気
ディスクに格納してもよい。あるいはメモリースティッ
クのような半導体メモリに格納してもよい。いずれにし
ても、上記運動推定方法に関する処理プログラムを供給
する供給媒体からその処理プログラムを読み出して実行
すれば、より精度の高い運動推定が可能となる。
【0148】以上説明した本発明の実施の形態によれ
ば、単眼視画像からの運動推定においてこれまで困難で
あった奥行き方向の推定の精度を上げることができる。
したがって現在複数のカメラを使わないとならない光学
式モーションキャプチャーシステム(運動計測システ
ム)を一つのカメラのみで構成できるために応用するこ
とができる。そのことによりキャリブレーションなどの
複雑な作業が不用になる。また過去の映画フィルム並び
にビデオ画像などのアーカイブより人物や動物の3次元
運動を再現することが可能になる。
【0149】また、予測モデルがより現実のモデルに似
ているため、サンプリングされた連続したデータ間での
データのパラメータ(状態変数)の変化が大きい場合に
もロバストな推定を行なうことができる。また、同じ理
由で推定の精度を上げることができる。これらの効果は
入力が単眼視画像シーケンスである場合のみならず、複
数のカメラからの画像や角速度計・角加速度計などの他
のセンサを入力にする場合にも得られるものである。
【0150】また、少ない情報をソースとしてより精度
の高い推定が可能になるのでコンピュータや家電製品な
どのインターフェースに応用することができる。
【0151】なお、本発明は上述した実施の形態のみに
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0152】
【発明の効果】本発明に係る情報処理方法及び装置によ
れば、対象物の状態変数を、先に推定された状態変数と
観測値とに基づいて推定する際に、上記先に推定された
状態変数に基づいて次の状態変数の予測値を求め、求め
られた予測値と上記観測値とに基づいて状態変数を更新
して更新値を求めてこれを推定値として出力するように
し、上記更新値としては、場合に応じて、状態空間にお
ける上記予測値とのマハラノビス距離、及び観測空間に
おける上記観測値とのマハラノビス距離の二乗和又は絶
対値和を境界条件下で最小にするような更新値を用いる
ことにより、境界条件下で最適の状態変数の推定が行え
る。
【0153】また、上記予測値と上記観測値とに基づい
て状態変数の第1の更新値を求め、求められた更新値が
上記境界条件を満たしているか否かをチェックし、上記
境界条件を満たしていないときに、状態空間における上
記予測値とのマハラノビス距離、及び観測空間における
上記観測値とのマハラノビス距離の二乗和又は絶対値和
を上記境界条件下で最小にする新たな更新値を求めるよ
うにしているため、上記境界条件を満足する場合には上
記第1の更新値を推定値として出力することで、上記新
たな推定値を求める負担の大きな計算が不要となり、全
体的に計算処理の負担が軽減される。
【0154】また、上記状態変数に運動情報やトルク情
報を用いて上記状態変数の推定処理を実行することによ
り、多関節物体の運動情報やトルク情報を境界制約条件
下に適切に推定でき、単眼視画像からの運動推定におい
てこれまで困難であった奥行き方向の推定の精度を上げ
ることができ、現在複数のカメラを使わないとならない
光学式モーションキャプチャーシステム(運動計測シス
テム)を一つのカメラのみで構成できるために応用する
ことができる。これによりキャリブレーションなどの複
雑な作業が不用になる。また過去の映画フィルム並びに
ビデオ画像などのアーカイブより人物や動物の3次元運
動を再現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるパラメータ
(状態変数)推定装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図2】状態空間と観測空間におけるマハラノビス距離
を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態となるパラメータ推定の処
理手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の動作説明に供するデータ
フロー図である。
【図5】本発明の実施の形態の更新部のサブルーチンを
説明するためのフローチャートである。
【図6】図3のフローチャートに必要に応じて挿入され
る処理ステップを示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の動作説明に供するデ
ータフロー図である。
【図8】本発明の他の実施の形態となるパラメータ推定
における予測部のサブルーチンを説明するためのフロー
チャートである。
【図9】本発明の実施の形態となるパラメータ推定の変
形例の処理手順を説明するためのフローチャートであ
る。
【図10】本発明の実施の形態を多関節運動推定装置に
適用した応用例を示す概念図である。
【図11】モーションキャプチャシステムの構成例を示
すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態を多関節運動推定装置に
適用した他の応用例を示す概念図である。
【図13】再帰的推定フィルタの構成例を示すブロック
図である。
【図14】カルマンフィルタの概略構成及び動作を説明
するための図である。
【図15】パラメータ推定の対象物となる人体の腕を概
略的に示す図である。
【図16】図15の腕の状態を説明する図である。
【図17】図15の腕の状態を説明する他の図である。
【符号の説明】
11 CPU、 12 プログラムメモリ、 13 デ
ータメモリ、 14フレームメモリ、 15 画像表示
器、 16 入力器、 17 外部記憶器、31 内部
バス、 71 ビデオカメラ、 72 3Dアニメーシ
ョン作成装置、 91 制御対象機器、 131 予測
部、 132 更新部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物の状態変数を、先に推定された状
    態変数と観測値とに基づいて推定するための情報処理方
    法において、 上記先に推定された状態変数に基づいて次の状態変数の
    予測値を求める予測工程と、 上記予測工程により得られた予測値と上記観測値とに基
    づいて状態変数を更新して推定値を出力する更新工程と
    を有し、 上記更新工程は、状態空間における上記予測値とのマハ
    ラノビス距離、及び観測空間における上記観測値とのマ
    ハラノビス距離の二乗和又は絶対値和を境界条件下で最
    小にする更新値を求める工程を含むことを特徴とする情
    報処理方法。
  2. 【請求項2】 上記更新工程は、 上記予測工程により求められた予測値と上記観測値とに
    基づいて状態変数の更新値を求める工程と、 上記更新値が上記境界条件を満たしているか否かをチェ
    ックする工程と、 上記境界条件を満たしていないときに、状態空間におけ
    る上記予測値とのマハラノビス距離、及び観測空間にお
    ける上記観測値とのマハラノビス距離の二乗和又は絶対
    値和を上記境界条件下で最小にする新たな更新値を求め
    る工程とを有することを特徴とする請求項1記載の情報
    処理方法。
  3. 【請求項3】 上記マハラノビス距離の二乗和又は絶対
    値和を上記境界条件下で最小にする新たな更新値を求め
    るために二次計画法を用いることを特徴とする請求項2
    記載の情報処理方法。
  4. 【請求項4】 上記マハラノビス距離の二乗和又は絶対
    値和を上記境界条件下で最小にする新たな更新値を求め
    るために非線形計画法を用いることを特徴とする請求項
    2記載の情報処理方法。
  5. 【請求項5】 上記状態変数は、上記対象物の運動情報
    及びトルク情報であることを特徴とする請求項1記載の
    情報処理方法。
  6. 【請求項6】 対象物の状態変数を、先に推定された状
    態変数と観測値とに基づいて推定するための情報処理装
    置において、 上記先に推定された状態変数に基づいて次の状態変数の
    予測値を求める予測手段と、 上記予測手段により得られた予測値と上記観測値とに基
    づいて状態変数を更新して推定値を出力する更新手段と
    を有し、 上記更新手段は、状態空間における上記予測値とのマハ
    ラノビス距離、及び観測空間における上記観測値とのマ
    ハラノビス距離の二乗和又は絶対値和を境界条件下で最
    小にする更新値を求める機能を有することを特徴とする
    情報処理装置。
  7. 【請求項7】 上記更新手段は、上記予測手段により求
    められた予測値と上記観測値とに基づいて状態変数の更
    新値を求め、上記更新値が上記境界条件を満たしている
    か否かをチェックし、上記境界条件を満たしていないと
    きに、状態空間における上記予測値とのマハラノビス距
    離、及び観測空間における上記観測値とのマハラノビス
    距離の二乗和又は絶対値和を上記境界条件下で最小にす
    る新たな更新値を求める機能を有することを特徴とする
    請求項6記載の情報処理装置。
  8. 【請求項8】 上記マハラノビス距離の二乗和又は絶対
    値和を上記境界条件下で最小にする新たな更新値を求め
    るために二次計画法を用いることを特徴とする請求項7
    記載の情報処理装置。
  9. 【請求項9】 上記マハラノビス距離の二乗和又は絶対
    値和を上記境界条件下で最小にする新たな更新値を求め
    るために非線形計画法を用いることを特徴とする請求項
    7記載の情報処理装置。
  10. 【請求項10】 上記状態変数は、上記対象物の運動情
    報及びトルク情報であることを特徴とする請求項6記載
    の情報処理装置。
  11. 【請求項11】 対象物の状態変数を、先に推定された
    状態変数と観測値とに基づいて推定するための情報処理
    プログラムを供給するプログラム供給媒体において、 上記先に推定された状態変数に基づいて次の状態変数の
    予測値を求める予測工程と、 上記予測工程により得られた予測値と上記観測値とに基
    づいて状態変数を更新して推定値を出力する更新工程と
    を有する処理を情報処理装置に実行させるプログラムを
    供給すると共に、 上記更新工程は、状態空間における上記予測値とのマハ
    ラノビス距離、及び観測空間における上記観測値とのマ
    ハラノビス距離の二乗和又は絶対値和を境界条件下で最
    小にする更新値を求める工程を含むことを特徴とするプ
    ログラム供給媒体。
  12. 【請求項12】 上記更新工程は、 上記予測工程により求められた予測値と上記観測値とに
    基づいて状態変数の更新値を求める工程と、 上記更新値が上記境界条件を満たしているか否かをチェ
    ックする工程と、 上記境界条件を満たしていないときに、状態空間におけ
    る上記予測値とのマハラノビス距離、及び観測空間にお
    ける上記観測値とのマハラノビス距離の二乗和又は絶対
    値和を上記境界条件下で最小にする新たな更新値を求め
    る工程とを有することを特徴とする請求項11記載のプ
    ログラム供給媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7999811B2 (en) 2007-01-16 2011-08-16 Sony Corporation Image processing device, method, and program, and objective function

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