JP2000225377A - 振動発生装置、スピーカ装置、スピーカシステム、及びスピーカ装置の製造方法 - Google Patents

振動発生装置、スピーカ装置、スピーカシステム、及びスピーカ装置の製造方法

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JP2000225377A
JP2000225377A JP11339998A JP33999899A JP2000225377A JP 2000225377 A JP2000225377 A JP 2000225377A JP 11339998 A JP11339998 A JP 11339998A JP 33999899 A JP33999899 A JP 33999899A JP 2000225377 A JP2000225377 A JP 2000225377A
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speaker
speaker device
vibration
housing
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Hirokazu Negishi
廣和 根岸
Eiji Yamaguchi
英司 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で長寿命の振動発生装置,スピーカ装
置,スピーカシステムおよびこのスピーカ装置の製造方
法を提供すると共に、小型且つ軽量なスピーカ装置を用
いて、低音用スピーカを大画面平面型ディスプレイに容
易に搭載可能とし、省スペースかつ音声再生帯域の広い
高品位なスピーカシステムを提供する。 【解決手段】 振動発生装置は、振動波モータと、この
振動波モータの出力軸に中央部が固着された駆動部材
と、第1の振動板と、第2の振動板と、前記第1の振動
板に一端が固定され前記駆動部材の動きを前記第1の振
動板に伝達する第1の伝達部材と、前記第2の振動板に
一端が固定され前記駆動板の動きを前記第2の振動板に
伝達する第2の伝達部材とを備え、前記駆動部材は、前
記中央部に点対称の位置を作用点として前記第1の伝達
部材および前記第2の伝達部材を駆動するように構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動波モータ等の
モータを用いた、振動発生装置,スピーカ装置,スピー
カシステム,及びスピーカ装置の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に使用されているスピーカ
は、所謂ダイナミック型と呼ばれる電磁型(動電型とも
いう)のものがほとんどであり、一部のハイファイスピ
ーカが静電型のものである。一方特開平8−79896
号公報記載のものは、新しい原理に基づき、進行性振動
波により駆動される振動波モータにより振動板を駆動す
る構成を採用している。
【0003】まず、ダイナミック型スピーカは既に80
年以上の歴史を有し、その基本原理は電磁現象に基づく
ものである。すなわち、磁界の中に電流が生じるとその
電流量に応じて磁界が発生し、その結果力を生じるので
あるが、この力によってスピーカの振動板を駆動するも
のである。言い換えれば、所謂フレミングの左手の法則
に基づき一定磁界中でボイスコイルに音声電力が流れる
とスピーカモータが駆動されるものである。
【0004】また、従来の画像表示装置、すなわち、も
っとも普及しているテレビジョンにおいては、大画面化
に伴い、本体の重量も増大し、前述の従来型の低音用ス
ピーカを搭載することで更に重量が増大するため極わず
かの機種において搭載されるにとどまっていた。一方、
高度情報化社会の進展に伴い、大画面ディスプレイへの
要求が高まり、大画面平面型ディスプレイの開発が進展
してきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらダイナミ
ック型スピーカにおいては、磁界中にボイスコイルとい
う導体が移動すると、当然フレミングの右手の法則に従
う逆起電力という反作用も発生する。この逆起電力の問
題はアンプのインピーダンスと複雑に絡み合うことにな
り、この電磁型のスピーカモータの線形性を損なう等、
スピーカに対して様々な悪影響を及ぼす。前記ダイナミ
ック型の変形である所謂リボン型のスピーカにおいて
も、やはり同様の問題が発生する。更にピエゾ素子トラ
ンスデューサにおいても同様な相互作用が発現する。
【0006】このほかダイナミック型スピーカは、共振
現象,群遅延現象、更には大きさ,重さ,出力等の間で
常にトレードオフを行っている等、宿命的欠点を有して
いる。
【0007】一方特開平8−79896号公報記載のも
のは、新しい原理に基づき、進行性振動波により駆動さ
れる振動波モータにより振動板を駆動する構成を採用し
ている。同公報の発明は前記ダイナミック型スピーカの
如き、反作用を有するシステム特有の欠点が悉く改良さ
れたとしている。
【0008】しかしながら前記発明は、振動波モータが
従来の電磁型スピーカモータに対して有する基本的優位
性を指摘するに止まっており、具体的なスピーカの構成
について詳しく言及していない。
【0009】本発明は、このような状況のもとでなされ
たもので、小型で長寿命の振動発生装置,スピーカ装
置,スピーカシステムおよびこのスピーカ装置の製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0010】更には、小型且つ軽量なスピーカ装置を用
いて、低音用スピーカを大画面平面型ディスプレイに搭
載する際の負担を軽減し、容易に搭載可能とすると共
に、省スペースかつ音声再生帯域の広い高品位な画像表
示システムを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、振動発生装置を次の(1),(2),
(3),(8)のとおりに構成し、スピーカ装置を次の
(4)〜(6),(10)〜(13)のとおりに構成
し、スピーカシステムを次の(7),(14),(1
5)のとおりに構成し、スピーカ装置の製造方法を次の
(9)のとおりに構成する。
【0012】(1)振動波モータと、この振動波モータ
の出力軸に中央部が固着された駆動部材と、第1の振動
板と、第2の振動板と、前記第1の振動板に一端が固定
され前記駆動部材の動きを前記第1の振動板に伝達する
第1の伝達部材と、前記第2の振動板に一端が固定され
前記駆動板の動きを前記第2の振動板に伝達する第2の
伝達部材とを備え、前記駆動部材は、前記中央部に対し
て両側に位置する作用点を介して前記第1の伝達部材お
よび前記第2の伝達部材を駆動する振動発生装置。
【0013】(2)前記(1)記載の振動発生装置にお
いて、前記第1の振動板と前記第2の振動板は、対向配
置され、前記駆動部材により互に逆方向に駆動される振
動発生装置。
【0014】(3)前記(1)または(2)記載の振動
発生装置において、前記第1の振動板と前記第2の振動
板は平面板である振動発生装置。
【0015】(4)前記(1)ないし(3)のいずれか
に記載の振動発生装置と、筐体とを備え、前記第1の振
動板と前記第2の振動板を前記筐体の対向する2面に配
置したスピーカ装置。
【0016】(5)前記(4)記載のスピーカ装置にお
いて、前記第1の振動板および前記第2の振動板は、そ
れぞれエッジ部材を介して前記筐体に結合され、前記第
1の伝達部材および前記第2の伝達部材は、それぞれそ
の駆動方向にのみ自由度を有するガイドにより保持され
ているスピーカ装置。
【0017】(6)前記(5)記載のスピーカ装置にお
いて、前記駆動部材の前記作用点と、前記第1の伝達部
材および前記第2の伝達部材とは、スライド結合され、
前記駆動部材の回動運動が各振動板の直進運動に変換さ
れるスピーカ装置。
【0018】(7)前記(4)ないし(6)のいずれか
に記載のスピーカ装置を複数個互に近接して配置したス
ピーカシステム。
【0019】(8)振動波モータと、この振動波モータ
の出力軸に中央部が固着された駆動部材と、3個以上の
振動板と、前記3個以上の振動板の夫々に一端が固定さ
れ前記駆動部材の動きを振動板に伝達する3個以上の伝
達部材とを備え、前記駆動部材は、前記中央部を中心と
する円周上の3個以上の位置を作用点として前記3個以
上の伝達部材を夫々駆動する振動発生装置。
【0020】(9)前記(5)記載のスピーカ装置を、
前記振動波モータに前記駆動部材を組み付けた部品と、
前記筐体に前記振動波モータを支持する支持部材と前記
ガイドを組み付けた部品と、前記伝達部材付の前記振動
板とを組み合わせて製造するスピーカ装置の製造方法。
【0021】(10)駆動モータと、この駆動モータの
出力軸に中央部が固着された駆動部材と、第1の振動板
と、第2の振動板と、前記第1の振動板に一端が固定さ
れ前記駆動部材の動きを前記第1の振動板に伝達する第1
の伝達部材と、前記第2の振動板に一端が固定され前記
駆動部材の動きを前記第2の振動板に伝達する第2の伝達
部材とを備え、前記駆動部材は、前記中央部に対して両
側に位置する作用点を介して前記第1の伝達部材及び前
記第2の伝達部材を駆動するようにしてなる振動発生手
段と、筐体と、前記筐体を取付ける取付部材とを備え、
前記第1の振動板と第2の振動板は前記筐体の対向する2
面に配置され、前記取付部材は、前記第1及び第2の振
動板の一方より音響反射面に対して所定の間隔を隔てる
べく前記筐体を取付可能に配されてなるスピーカ装置。
【0022】(11)前記(10)記載のスピーカ装置
において、前記駆動モータは、振動波により駆動される
振動波モータであるスピーカ装置。
【0023】(12)前記(10)記載のスピーカ装置
において、前記音響反射面は前記スピーカ装置を取付る
壁面を利用して形成されるスピーカ装置。
【0024】(13)前記(10)記載のスピーカ装置
において、前記音響反射面は前記取付部材の一部を利用
して形成されるスピーカ装置。
【0025】(14)前記(10)記載のスピーカ装置
とディスプレイ装置とを備え、前記スピーカ装置におけ
る前記取付部材は、前記ディスプレイ装置が固定されて
いる壁面の近傍に前記筐体を取付けるスピーカシステ
ム。
【0026】(15)前記(10)記載のスピーカ装置
とディスプレイ装置とを備え、前記スピーカ装置におけ
る前記取付部材は、前記ディスプレイ装置に前記筐体を
取付けるスピーカシステム。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明を、平面型低音用ス
ピーカ装置の実施例により詳しく説明する。なお、本発
明は、平面型低音用スピーカ装置に限らず、振動発生装
置,スピーカシステムの型で同様に実施することができ
る。またスピーカ装置の製造方法の形でも実施すること
ができる。この振動発生装置は、低音或は音の範囲に入
らない超低音の振動を発生し、たとえば、ノイズの振動
とは逆位相の振動を発生してノイズを除去するといった
用途に使用することができる。更に空気以外の流体の振
動発生に使用することができる。
【0028】図1は、実施例である“平面型低音スピー
カ”の概略構成を示す断面図である。なおスピーカの駆
動に関しては、例えば前記特開平8−79896号公報
に開示された手法がある。図中1は、駆動モータであ
る。この駆動モータは電磁誘導型のいわゆるリニアモー
タでも良いが、好ましくは、前述したような駆動特性の
優れた振動波モータ(超音波モータ)を用いると良い。
この超音波モータ1としては、例えば本件出願人が先に
出願した特開昭59−156169号公報等に記載のモ
ータを使用可能である。2はモータの回転子に結合され
たアームであり、3は振動を伝達する部材である。両者
は図示されたようなリンク機構7,8により、モータ出
力軸の回動運動が直線運動に変換される。4のガイドは
振動伝達部材3が直進運動を行うことを助け、結果とし
て振動板5をオーディオ信号に応じて往復運動させる。
6は筐体9と振動板5を結合するエッジ部材であり、振
動板5の往復運動を妨げず、かつガイド3と共に振動板
5の保持に寄与している。この結果通常のスピーカに必
須であったスパイダが除去され、可聴最低域の周波数に
おける力学的抵抗が減じたため、動的特性の改善に寄与
している。
【0029】更に、図4に本発明のスピーカ装置に用い
るスピーカユニット100の構成を示す。図4(a)は図
1に示すスピーカ装置を筐体9を含めて示す断面図であ
る。図4(b)は図1に示すスピーカ装置の外観図の一例
である。図1と同部材には同一番号を付し、説明を省略
する。図中110及び111はガイド4を筐体9へ固定
する固定部材である。
【0030】図5は、前述のスピーカユニット100を
用いた本発明の平面型スピーカ装置を示す図であり、図
5(a)はその断面図、図5(b)はその外観図の一例
を示す図である。図5(a)において122は固定部材
であり、スピーカユニット100を図示されない固定手
段で保持し、かつ、固定用ネジ123で壁面121へ取
り付けるためのものである。尚、壁面には裏面側の振動
板からの音波bを反射させる(音波c、d)作用を持た
せる。後述するように低音域の音波の波長が長いため、
この裏面からの反射音波と前面からの音波(音波a)が
干渉しあい、音圧が低下する心配はない。また、固定部
材122はスピーカユニット100に対して上下方向に
支持しないので、図5(b)に示す如く振動板からの音
波及び反射音波が音波e、f方向にも拡散される。以上
のように、本発明の平面型スピーカ装置によれば、効率
よく音波を引き出すことが可能となる。
【0031】図6は、本発明の平面型スピーカ装置を用
いた画像表示システムを示す図である。同図において2
03は前述のスピーカ装置である。200は平面型ディ
スプレイ装置であり、両サイドに配置された通常音域の
音を発生させるスピーカユニット201および202を
含む。図のように、スピーカ装置203および平面型デ
ィスプレイ装置200はともに部屋の壁面210に固定
されている。スピーカ装置203の動作は図5で説明し
た構成からなっており、同様の動作をなす。
【0032】図7は、本発明による別の画像表示システ
ムである。図6と異なる点は、平面型ディスプレイ装置
が、据え置き型の形態となっている点である。平面型デ
ィスプレイ装置200は、テーブル231上に、支持部
材230を用いて配置されている。前述のスピーカユニ
ット203は、図6と同様の動作がなされるように図8
または図9に示したように固定されている。この点につ
いて以下に述べる。
【0033】図8において、301は固定部材を含むス
ピーカ装置である。スピーカ装置301は、平面型ディ
スプレイ装置300に固定された反射板を兼ねる支持部
材304に固定されている。同図においても裏面の振動
板からの音波は支持部材304で反射されて、外に放射
され効率よく音を発生させることができる。
【0034】図9において、301は固定部材を含むス
ピーカ装置である。スピーカ装置301は、平面型ディ
スプレイ装置300に固定された支持部材306に固定
されている。また、平面型ディスプレイ装置300は、
近接した背面に壁面310がくるように配置され、裏面
の振動板からの音波は壁面310で反射されて、外に放
射され効率よく音を発生させることができる。
【0035】更に図2は複数のスピーカを同時に駆動す
る場合の配置方法の一例を示す。通常は1つの低音スピ
ーカで十分であるが、より大出力を必要とする場合の複
数配置方法について示している。本図においては図2に
示す如くスピーカユニット100を4つ一平面に配列し
たケースを示している。この場合は全体の厚さが増さな
いため、例えばフラットパネル型TV画面の下の壁面
に、特に強力な低音スピーカをコンパクトに配置する場
合に適している。当然のことながら出力は単独の場合の
4倍となる。
【0036】一方図3は複数のスピーカを厚さ方向に積
み重ねる場合を示している。本図においては3個のスピ
ーカユニット100を厚さ方向に重ねているこの場合は
夫々のスピーカの両面から低音が放射されるため、各ス
ピーカ間にスペースを確保し、夫々の面から放射される
低音が、自由に外部に放散して行くよう配置する必要が
ある。また当然のことながら、イベント等大出力を必要
とする場合は、図2に示した平面配列との組み合わせに
より、更に強力な低音スピーカとすることも勿論可能で
ある。
【0037】以下に本実施例の利点について説明する。
【0038】本実施例は、前述の先行発明が言及してい
ない諸点を解決することができる。まず前記モータの特
徴、すなわち回動運動が基本であることを活かし、出力
軸にアームを取り付け、しかもそのアームの両端に作用
点を置くことにより、対称的モーメントを発生させる。
このように偏ったモーメントを発生させない駆動方法に
より、モータの出力軸や作用点に不均衡な負荷が掛から
ず、結果として有限な寿命を有する超音波モータの長寿
命化が達成される。そしてこの対称性を最大限に活かす
ため、対称的な2枚の振動板を同時に逆方向に駆動す
る。これらの対称的振動板は柔軟なエッジ部材により筐
体に結合されており、更にこれらの対称的振動板の内側
に振動伝達部材を固定し、その伝達部材が振動板と直角
方向にのみ可動であるようにガイドにより保持する。こ
のように配置することにより、振動板は通常のスパイダ
の如き可動抵抗を有する部材に依存することなく、振動
面に直行する方向に対してのみ自由振動が可能であり、
なおかつ振動面方向に対しては適切な範囲に振動板を保
持する機能を有する。前記作用点において、振動伝達部
材3に立てたピン7にアーム2に設けた溝8がはまる形
で、スライド結合することにより、音声信号に対応して
生じるモータの回動運動を平面振動板の往復運動に変換
できる。
【0039】前述の如く構成することにより、極めてコ
ンパクトな平面型低音用スピーカが得られるだけではな
く、前記特開平8−79896号公報の発明と同じ下記
の特徴を有する。すなわち、振動波モータが電磁型でな
いために、逆起電力の発生はない。また、振動波モータ
が可動部分に対し大きな質量を持ち、かつ、接触駆動す
るために静止摩擦係数が大きくなり共振現象も生じな
い。更には、電圧駆動であるために群遅延現象も見られ
ない。しかも同等の周波数特性を有するスピーカに比し
て格段に小型かつ軽量であり、消費電力も少ない。従っ
て、特に低周波用として、多くの点において極めて優れ
た特性のスピーカが得られる。
【0040】更に2枚の対称的振動面を有する構成は、
平面型低音用スピーカを形成するに当たって極めて有利
な条件であり、機能的にはあたかも理想的なスピーカと
される呼吸球をフラットパネル化したものと同等とな
る。しかも駆動伝達部材を振動板側に固定し、駆動の伝
達は振動波モータの軸に固定されたアームの両端にある
作用点を介してスライド結合されるため、従来のダイナ
ミック型スピーカの如きマグネット,センターピース、
そしてボイスコイル間の微妙な位置関係をあらかじめ組
み上げる必要がない。従って設計並びに製造工程が極め
て簡略化される。
【0041】これは異なる視点から見れば、従来のスピ
ーカをまずサブユニットとして完成させ、その後に筐体
と言う入れ物に組み付けるという伝統的製造方法から、
駆動モータ部に2個所の対称的作用点を持つサブユニッ
ト、駆動モータ・モータを保持するシャーシ・そして振
動伝達部材を適正に保持するガイドを含む筐体、および
エッジ部材を介して筐体の一部に取り付けられる2枚の
振動伝達部材付き振動板、という3部構成となり、結果
として製造工程が簡略化されるという見方もできる。従
って製造面においても通常のダイナミック型スピーカに
比し、明らかに有利である。
【0042】この構成は従来の高性能ウーファに見られ
るように、強力なマグネットを強固に支持するために頑
丈なシャーシを必要としない。実際、マグネット,シャ
ーシそしてそれらを支える筐体等がウーファの重量を支
配し、建築上或はコンサート会場の設営上の大きな問題
となっている。しかし本実施例においては単に振動波モ
ータが反力を受けて変位しない程度に、スピーカ本体の
組み立て時に筐体に組み付けるだけで十分である。従っ
て、従来のダイナミック型スピーカと同一容積,同一出
力であれば、より低周波まで歪みなく再生し、しかも重
量も少ないという大きな利点となる。
【0043】更に、本実施例においては、ウーファとい
う低音用スピーカに限定していることから、再生される
波長が十分に長く、例えば100Hzの場合には3.4
メートル、50Hzであれば6.8メートルとなる。従
って、例えば厚さ10cmの平面スピーカの両側に振動
板が取り付けられていても、実際上は呼吸球として働
き、設置方向に関わらず音は全方位に向って拡散してい
く無指向性である。また更に出力を増強する時、複数の
平面スピーカを同時に使用しても、お互いが近接し、し
かも重ねて使用する場合は各スピーカからの音の放射が
阻害されないだけの間隔を維持すれば、実用上問題がな
い。従って一平面に複数配置することも可能であり、ま
た重ねる場合はパソコンにおいてマザーボードのスロッ
トに各PCボードを設置してパワーを増強するように、
平面スピーカを間隔をおいてスロットに設置するように
すれば、容易にパワーアップ可能である。
【0044】なお、実施例では、アーム形状の駆動部材
2により振動伝達部材3を駆動しているが、この形状に
限らず、例えば円板状の駆動部材を用いることができ
る。また、実施例は2枚の振動板を用いているが、これ
に限らず、3枚以上の振動板を用い、例えば円板状の駆
動部材の中心部を振動波モータの出力軸に固着し、前記
中心部を中心とする円周上の互に等間隔の3個以上の点
を作用点として振動伝達部材を介して振動板を駆動する
形で実施することもできる。
【0045】以上説明したように本実施例の平面型低音
用スピーカは、振動波モータにより振動板を駆動するの
で、逆起電力の発生はなく、共振現象も生じず、群遅延
現象も見られない。なおかつモータの回動力を対称的作
用点において取り出し、対称的に駆動される振動板にリ
ンク機構を介して伝達されるため、極めてコンパクトで
長寿命、かつ高性能な平面型低音用スピーカが得られ
る。
【0046】更には、本発明による小型且つ軽量なスピ
ーカ装置を用いて、低音用スピーカを大画面平面型ディ
スプレイに搭載する際の負担を軽減し、容易に搭載可能
とすると共に、省スペースかつ音声再生帯域の広い高品
位な画像表示システムを提供することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小型で長寿命の振動発生装置,スピーカ装置,スピーカ
システムを提供することができ、またスピーカ装置の簡
略化された製造方法を提供することができる。
【0048】更には、本発明による小型且つ軽量なスピ
ーカ装置を用いて、低音用スピーカを大画面平面型ディ
スプレイに搭載する際の負担を軽減し、容易に搭載する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示す断面図
【図2】スピーカの配置例を示す図
【図3】スピーカの配置例を示す図
【図4】実施例の構成を示す断面図及び外観図
【図5】実施例の構成を示す断面図及び外観図
【図6】本発明のスピーカ装置を用いた画像表示システ
ムの一例を示す図
【図7】本発明のスピーカ装置を用いた画像表示システ
ムの一例を示す図
【図8】図7に示す画像表示システムにおける本発明の
構成を示す図
【図9】図7に示す画像表示システムにおける本発明の
構成を示す図
【符号の説明】
1 超音波モータ(振動波モータ) 2 アーム 3 振動伝達部材 4 ガイド 5 振動板

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動波モータと、この振動波モータの出
    力軸に中央部が固着された駆動部材と、第1の振動板
    と、第2の振動板と、前記第1の振動板に一端が固定さ
    れ前記駆動部材の動きを前記第1の振動板に伝達する第
    1の伝達部材と、前記第2の振動板に一端が固定され前
    記駆動板の動きを前記第2の振動板に伝達する第2の伝
    達部材とを備え、前記駆動部材は、前記中央部に対して
    両側に位置する作用点を介して前記第1の伝達部材およ
    び前記第2の伝達部材を駆動することを特徴とする振動
    発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の振動発生装置において、
    前記第1の振動板と前記第2の振動板は、対向配置さ
    れ、前記駆動部材により互に逆方向に駆動されることを
    特徴とする振動発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の振動発生
    装置において、前記第1の振動板と前記第2の振動板は
    平面板であることを特徴とする振動発生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の振動発生装置と、筐体とを備え、前記第1の振動板
    と前記第2の振動板を前記筐体の対向する2面に配置し
    たことを特徴とするスピーカ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のスピーカ装置において、
    前記第1の振動板および前記第2の振動板は、それぞれ
    エッジ部材を介して前記筐体に結合され、前記第1の伝
    達部材および前記第2の伝達部材は、それぞれその駆動
    方向にのみ自由度を有するガイドにより保持されている
    ことを特徴とするスピーカ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のスピーカ装置において、
    前記駆動部材の前記作用点と、前記第1の伝達部材およ
    び前記第2の伝達部材とは、スライド結合され、前記駆
    動部材の回動運動が各振動板の直進運動に変換されるこ
    とを特徴とするスピーカ装置。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6のいずれかに記
    載のスピーカ装置を複数個互に近接して配置したことを
    特徴とするスピーカシステム。
  8. 【請求項8】 振動波モータと、この振動波モータの出
    力軸に中央部が固着された駆動部材と、3個以上の振動
    板と、前記3個以上の振動板の夫々に一端が固定され前
    記駆動部材の動きを振動板に伝達する3個以上の伝達部
    材とを備え、前記駆動部材は、前記中央部を中心とする
    円周上の3個以上の位置を作用点として前記3個以上の
    伝達部材を夫々駆動することを特徴とする振動発生装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のスピーカ装置を、前記振
    動波モータに前記駆動部材を組み付けた部品と、前記筐
    体に前記振動波モータを支持する支持部材と前記ガイド
    を組み付けた部品と、前記伝達部材付の前記振動板とを
    組み合わせて製造することを特徴とするスピーカ装置の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 駆動モータと、この駆動モータの出力
    軸に中央部が固着された駆動部材と、第1の振動板と、
    第2の振動板と、前記第1の振動板に一端が固定され前
    記駆動部材の動きを前記第1の振動板に伝達する第1の伝
    達部材と、前記第2の振動板に一端が固定され前記駆動
    部材の動きを前記第2の振動板に伝達する第2の伝達部材
    とを備え、前記駆動部材は、前記中央部に対して両側に
    位置する作用点を介して前記第1の伝達部材及び前記第2
    の伝達部材を駆動するようにしてなる振動発生手段と、
    筐体と、前記筐体を取付ける取付部材とを備え、前記第
    1の振動板と第2の振動板は前記筐体の対向する2面に配
    置され、前記取付部材は、前記第1及び第2の振動板の
    一方より音響反射面に対して所定の間隔を隔てるべく前
    記筐体を取付可能に配されてなることを特徴とするスピ
    ーカ装置。
  11. 【請求項11】 上記請求項10において、前記駆動モ
    ータは、振動波により駆動される振動波モータであるこ
    とを特徴とするスピーカ装置。
  12. 【請求項12】 上記請求項10において前記音響反射
    面は前記スピーカ装置を取付る壁面を利用して形成され
    ることを特徴とするスピーカ装置。
  13. 【請求項13】 上記請求項10において前記音響反射
    面は前記取付部材の一部を利用して形成されることを特
    徴とするスピーカ装置。
  14. 【請求項14】 上記請求項10に記載のスピーカ装置
    とディスプレイ装置とを備え、前記スピーカ装置におけ
    る前記取付部材は、前記ディスプレイ装置が固定されて
    いる壁面の近傍に前記筐体を取付けることを特徴とする
    スピーカシステム。
  15. 【請求項15】 上記請求項10に記載のスピーカ装置
    とディスプレイ装置とを備え、前記スピーカ装置におけ
    る前記取付部材は、前記ディスプレイ装置に前記筐体を
    取付けることを特徴とするスピーカシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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