JP2000224988A - 形質転換方法およびベクター - Google Patents
形質転換方法およびベクターInfo
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- JP2000224988A JP2000224988A JP11029762A JP2976299A JP2000224988A JP 2000224988 A JP2000224988 A JP 2000224988A JP 11029762 A JP11029762 A JP 11029762A JP 2976299 A JP2976299 A JP 2976299A JP 2000224988 A JP2000224988 A JP 2000224988A
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- yap1
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Abstract
(57)【要約】
【課題】安価な薬剤を選択マーカーとして用いることが
でき、かつ効率よく目的遺伝子を選択できる形質転換方
法を提供する。 【解決手段】転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロモ
ーターであるPGKプロモーターよりなるセグメントを
利用して、転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力向
上を指標としたことを特徴とする新規な出芽酵母の形質
転換方法。
でき、かつ効率よく目的遺伝子を選択できる形質転換方
法を提供する。 【解決手段】転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロモ
ーターであるPGKプロモーターよりなるセグメントを
利用して、転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力向
上を指標としたことを特徴とする新規な出芽酵母の形質
転換方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種研究用途及び
酒やパンの製造に用いられる出芽酵母、特にサッカロミ
セス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)を宿主
とする組換えDNA実験の際に有用な新規な形質転換方
法およびベクターに関するものである。
酒やパンの製造に用いられる出芽酵母、特にサッカロミ
セス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)を宿主
とする組換えDNA実験の際に有用な新規な形質転換方
法およびベクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】酵母の遺伝子操作、特に形質転換には、
目的の遺伝子が挿入された酵母を選択するための選択マ
ーカーが必要である。酵母には、真核生物のモデルとし
て研究に用いられる研究室酵母、および酒やパンの製造
に用いられる実用酵母が挙げられるが、研究室酵母は遺
伝子操作や遺伝子解析が行いやすいように通常栄養要求
性変異を持たせてあるので、各種の栄養要求性マーカー
(URA3,LYS2,ADE2,HIS3,TRP
1)を用いて形質転換を行うことができる。一方、実用
酵母においては、栄養要求性変異がないため、これらの
マーカーを用いることができないが、表1に示されるよ
うな薬剤を選択培地に用いた薬剤耐性遺伝子が選択マー
カーとして利用されている。
目的の遺伝子が挿入された酵母を選択するための選択マ
ーカーが必要である。酵母には、真核生物のモデルとし
て研究に用いられる研究室酵母、および酒やパンの製造
に用いられる実用酵母が挙げられるが、研究室酵母は遺
伝子操作や遺伝子解析が行いやすいように通常栄養要求
性変異を持たせてあるので、各種の栄養要求性マーカー
(URA3,LYS2,ADE2,HIS3,TRP
1)を用いて形質転換を行うことができる。一方、実用
酵母においては、栄養要求性変異がないため、これらの
マーカーを用いることができないが、表1に示されるよ
うな薬剤を選択培地に用いた薬剤耐性遺伝子が選択マー
カーとして利用されている。
【0003】
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような薬剤耐性
遺伝子は、実用酵母、研究室酵母に関係なくあらゆる酵
母に使用できるという利点があるが、現在使用されてい
るものは、薬剤が非常に高価であったり、選択効果が弱
いため使いにくいのが現状である。本発明の目的は、研
究室酵母及び実用酵母を用いた遺伝子操作、特に形質転
換において、安価な薬剤を選択マーカーとして用いるこ
とができ、かつ効率よく目的遺伝子を選択できる手法を
提供することにある。
遺伝子は、実用酵母、研究室酵母に関係なくあらゆる酵
母に使用できるという利点があるが、現在使用されてい
るものは、薬剤が非常に高価であったり、選択効果が弱
いため使いにくいのが現状である。本発明の目的は、研
究室酵母及び実用酵母を用いた遺伝子操作、特に形質転
換において、安価な薬剤を選択マーカーとして用いるこ
とができ、かつ効率よく目的遺伝子を選択できる手法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ね、本発明者らは、本発
明における課題を解決するために転写因子をコードする
遺伝子の使用が有効であることを見出した。そして、転
写因子遺伝子であるYAP1及び外来性プロモーターで
あるPGK(phosphoglycerate kinase)プロモーターよ
りなるセグメントを有するベクターを利用し、転写因子
の発現の増強による薬剤耐性能力向上を指標とすること
により、安価な薬剤を選択マーカーとして用いることが
でき、かつ効率よく目的遺伝子を選択できる形質転換方
法を開発することに成功し、本発明を完成するに至っ
た。
め、本発明者らは鋭意研究を重ね、本発明者らは、本発
明における課題を解決するために転写因子をコードする
遺伝子の使用が有効であることを見出した。そして、転
写因子遺伝子であるYAP1及び外来性プロモーターで
あるPGK(phosphoglycerate kinase)プロモーターよ
りなるセグメントを有するベクターを利用し、転写因子
の発現の増強による薬剤耐性能力向上を指標とすること
により、安価な薬剤を選択マーカーとして用いることが
でき、かつ効率よく目的遺伝子を選択できる形質転換方
法を開発することに成功し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち本発明は、以下のような構成より成
る。 (1)転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロモーター
であるPGKプロモーターよりなるセグメントを利用し
て、転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力向上を指
標としたことを特徴とする新規な出芽酵母の形質転換方
法。 (2)転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロモーター
であるPGKプロモーターよりなるセグメントを有し、
転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力の向上により
出芽酵母への遺伝子の導入を確認しうることを特徴とす
るベクター。 (3)出芽酵母由来の転写因子をコードするYAP1遺
伝子を含む酵母ベクターに、PGKプロモーターを組み
込んだことを特徴とするYAP1高発現ベクター。
る。 (1)転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロモーター
であるPGKプロモーターよりなるセグメントを利用し
て、転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力向上を指
標としたことを特徴とする新規な出芽酵母の形質転換方
法。 (2)転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロモーター
であるPGKプロモーターよりなるセグメントを有し、
転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力の向上により
出芽酵母への遺伝子の導入を確認しうることを特徴とす
るベクター。 (3)出芽酵母由来の転写因子をコードするYAP1遺
伝子を含む酵母ベクターに、PGKプロモーターを組み
込んだことを特徴とするYAP1高発現ベクター。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる転写因
子YAP1は、出芽酵母サッカロミセス・セレビジエの
転写因子であり、例えば、薬剤ストレス:cycloheximid
e、sulfometuron methyl、1,10-Phenanthroline(The Jo
urnal of Biological Chemistry 第268巻,第31
巻,第23640〜23645頁,1993年)、酸化
ストレス:H2O2、diamide(The Journal of Biologic
al Chemistry 第272巻,第12号,第7908〜7
914頁,1997年、The EMBO Journal第16巻,第
7号,第1710〜1720頁,1997年)、4-Nitr
oquinoline N-oxide、金属ストレス:cadmium(The Jour
nal of Biological Chemistry 第269巻,第20号,
第14690〜14697頁,1994年)等に酵母が
耐性を示す際の重要な媒体であり、通常は細胞質内に散
在しているが、上記のようなストレス要因が加わること
によって活性が増大し、核内へと移行する。これによっ
て酵母の細胞保護のための酵素や蛋白質をコードする遺
伝子群の発現を誘導することにより、酵母の生存率を向
上させる。
子YAP1は、出芽酵母サッカロミセス・セレビジエの
転写因子であり、例えば、薬剤ストレス:cycloheximid
e、sulfometuron methyl、1,10-Phenanthroline(The Jo
urnal of Biological Chemistry 第268巻,第31
巻,第23640〜23645頁,1993年)、酸化
ストレス:H2O2、diamide(The Journal of Biologic
al Chemistry 第272巻,第12号,第7908〜7
914頁,1997年、The EMBO Journal第16巻,第
7号,第1710〜1720頁,1997年)、4-Nitr
oquinoline N-oxide、金属ストレス:cadmium(The Jour
nal of Biological Chemistry 第269巻,第20号,
第14690〜14697頁,1994年)等に酵母が
耐性を示す際の重要な媒体であり、通常は細胞質内に散
在しているが、上記のようなストレス要因が加わること
によって活性が増大し、核内へと移行する。これによっ
て酵母の細胞保護のための酵素や蛋白質をコードする遺
伝子群の発現を誘導することにより、酵母の生存率を向
上させる。
【0008】該YAP1遺伝子は上記文献に記載の方法
にて取得することができるが、本発明者らは以下の方法
により安価な薬剤(蛋白質合成阻害剤)であるシクロヘ
キシミド耐性遺伝子としてYAP1遺伝子を取得した。
すなわち、酵母をマルチコピー型のプラスミドバンクで
形質転換し、遺伝子の発現量を増加させたものをシクロ
ヘキシミド培地(1〜10μg/ml)にまき、耐性能
増加により生育が見られた酵母を選択、シクロヘキシミ
ド耐性遺伝子YAP1を抽出した(図1)。
にて取得することができるが、本発明者らは以下の方法
により安価な薬剤(蛋白質合成阻害剤)であるシクロヘ
キシミド耐性遺伝子としてYAP1遺伝子を取得した。
すなわち、酵母をマルチコピー型のプラスミドバンクで
形質転換し、遺伝子の発現量を増加させたものをシクロ
ヘキシミド培地(1〜10μg/ml)にまき、耐性能
増加により生育が見られた酵母を選択、シクロヘキシミ
ド耐性遺伝子YAP1を抽出した(図1)。
【0009】上記のようにして取得したYAP1遺伝子
は、マルチコピー型のプラスミドベクターにより遺伝子
数を増加させることにより耐性能が向上している。しか
しながら、本発明の目的である研究室酵母及び実用酵母
を用いた遺伝子操作、特に形質転換において、安価な薬
剤を選択マーカーとして用いることができ、かつ効率よ
く目的遺伝子を選択できる手法を提供するためには、単
コピー型及び染色体組み込み型ベクターにおいても効果
がなければならない。
は、マルチコピー型のプラスミドベクターにより遺伝子
数を増加させることにより耐性能が向上している。しか
しながら、本発明の目的である研究室酵母及び実用酵母
を用いた遺伝子操作、特に形質転換において、安価な薬
剤を選択マーカーとして用いることができ、かつ効率よ
く目的遺伝子を選択できる手法を提供するためには、単
コピー型及び染色体組み込み型ベクターにおいても効果
がなければならない。
【0010】しかし、これらのタイプのベクターは酵母
1細胞内に1コピーの遺伝子しか存在せず、このままでは
耐性能が低く実用性に欠ける。したがって、YAP1遺
伝子が1コピーでも強い耐性能を保持するよう、YAP
1遺伝子の改良を行う必要があった。本発明者らは、Y
AP1遺伝子の上流に外来性プロモーターを組み込むこ
とにより、YAP1の発現を増強せしめ薬剤耐性能力を
向上させることが可能であることを見出した。
1細胞内に1コピーの遺伝子しか存在せず、このままでは
耐性能が低く実用性に欠ける。したがって、YAP1遺
伝子が1コピーでも強い耐性能を保持するよう、YAP
1遺伝子の改良を行う必要があった。本発明者らは、Y
AP1遺伝子の上流に外来性プロモーターを組み込むこ
とにより、YAP1の発現を増強せしめ薬剤耐性能力を
向上させることが可能であることを見出した。
【0011】本発明において用いる外来性プロモーター
は、宿主内での高発現を可能とするものであれば特に限
定されるものではない。酵母の外来性プロモーターとし
ては、解糖系酵素のプロモーターやガラクトース代謝関
連遺伝子のプロモーター、ホスファターゼ関連遺伝子の
プロモーターなどが好ましく用いることができるが、本
発明においてはpPGKを用いた。具体的には、YAP
1遺伝子の上流にあるYAP1プロモーターをpPGK
に変換することでYAP1の高発現を可能にし、これに
より酵母1細胞内に1コピーの遺伝子しか存在しない状
態でも安価な薬剤(例えば、シクロヘキシミド)に対する
耐性能力が向上し、実用的な形質転換方法とならしめた
ものである(図2)。
は、宿主内での高発現を可能とするものであれば特に限
定されるものではない。酵母の外来性プロモーターとし
ては、解糖系酵素のプロモーターやガラクトース代謝関
連遺伝子のプロモーター、ホスファターゼ関連遺伝子の
プロモーターなどが好ましく用いることができるが、本
発明においてはpPGKを用いた。具体的には、YAP
1遺伝子の上流にあるYAP1プロモーターをpPGK
に変換することでYAP1の高発現を可能にし、これに
より酵母1細胞内に1コピーの遺伝子しか存在しない状
態でも安価な薬剤(例えば、シクロヘキシミド)に対する
耐性能力が向上し、実用的な形質転換方法とならしめた
ものである(図2)。
【0012】上記のように、本発明において転写因子遺
伝子YAP1及び外来性プロモーターpPGKよりなる
セグメントを利用し転写因子の発現の増強による薬剤耐
性能力向上を指標とした新規な出芽酵母サッカロミセス
・セレビジエの形質転換方法を確立することができた。
また、転写因子遺伝子YAP1と外来性プロモーターp
PGKよりなるセグメントを有し転写因子の発現の増強
による薬剤耐性能力向上により出芽酵母サッカロミセス
・セレビジエへの遺伝子の導入を確認しうるベクターを
構築することができた。
伝子YAP1及び外来性プロモーターpPGKよりなる
セグメントを利用し転写因子の発現の増強による薬剤耐
性能力向上を指標とした新規な出芽酵母サッカロミセス
・セレビジエの形質転換方法を確立することができた。
また、転写因子遺伝子YAP1と外来性プロモーターp
PGKよりなるセグメントを有し転写因子の発現の増強
による薬剤耐性能力向上により出芽酵母サッカロミセス
・セレビジエへの遺伝子の導入を確認しうるベクターを
構築することができた。
【0013】具体的には、出芽酵母サッカロミセス・セ
レビジエ由来の転写因子をコードするYAP1遺伝子を
含む酵母ベクターに、高発現プロモーターpPGKを組
み込んだYAP1高発現ベクターを構築することができ
た。ここで、pPGKは、恒常的に下流の蛋白を高発現
することで知られており(特許第2509163号公
報)、これによりYAP1蛋白が増産され、薬剤(例え
ば、シクロヘキシミド)耐性能が向上するものと考えら
れる。
レビジエ由来の転写因子をコードするYAP1遺伝子を
含む酵母ベクターに、高発現プロモーターpPGKを組
み込んだYAP1高発現ベクターを構築することができ
た。ここで、pPGKは、恒常的に下流の蛋白を高発現
することで知られており(特許第2509163号公
報)、これによりYAP1蛋白が増産され、薬剤(例え
ば、シクロヘキシミド)耐性能が向上するものと考えら
れる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に基づく形質転換方法および
ベクターを用いた実施例を示す。なお、実施例により、
本発明が特に限定されるものではない。
ベクターを用いた実施例を示す。なお、実施例により、
本発明が特に限定されるものではない。
【0015】マルチコピー型 マルチコピー型プラスミドベクターにpPGKを組換
え、その下流にYAP1遺伝子を挿入し、YEp−PG
Kp−YAP1ベクターとした(図3)。これを、YEp
−YAP1ベクター、YAP1を含まないpPGKのみ
のベクターとともに酵母W303−1Aの形質転換に用
いたところ、YEp−YAP1ベクター(5μg/m
l)よりYEp−PGKp−YAP1ベクターにおい
て、はるかに高い濃度(10μg/ml)の薬剤であるシ
クロヘキシミド耐性能が得られた(図4)。
え、その下流にYAP1遺伝子を挿入し、YEp−PG
Kp−YAP1ベクターとした(図3)。これを、YEp
−YAP1ベクター、YAP1を含まないpPGKのみ
のベクターとともに酵母W303−1Aの形質転換に用
いたところ、YEp−YAP1ベクター(5μg/m
l)よりYEp−PGKp−YAP1ベクターにおい
て、はるかに高い濃度(10μg/ml)の薬剤であるシ
クロヘキシミド耐性能が得られた(図4)。
【0016】単コピー型 単コピー型ベクターに、pPGKを組換え、その下流に
YAP1遺伝子を挿入し、YCp−PGKp−YAP1
ベクターとした(図5)。これを、YCp−YAP1ベク
ター、YAP1を含まないpPGKのみのベクターとと
もに酵母W303−1Aの形質転換に用いたところ、Y
Cp−YAP1ベクター(1μg/ml)よりYCp−
PGKp−YAP1ベクターにおいて、はるかに高い濃
度(10μg/ml)の薬剤であるシクロヘキシミド耐性
能が得られた(図6)。
YAP1遺伝子を挿入し、YCp−PGKp−YAP1
ベクターとした(図5)。これを、YCp−YAP1ベク
ター、YAP1を含まないpPGKのみのベクターとと
もに酵母W303−1Aの形質転換に用いたところ、Y
Cp−YAP1ベクター(1μg/ml)よりYCp−
PGKp−YAP1ベクターにおいて、はるかに高い濃
度(10μg/ml)の薬剤であるシクロヘキシミド耐性
能が得られた(図6)。
【0017】染色体組み込み型 染色体組み込み型ベクターに、pPGKを組換え、その
下流にYAP1遺伝子を挿入し、YIp−PGKp−Y
AP1ベクターとした(図5)。これを、YIp−YAP
1ベクター、YAP1を含まないpPGKのみのベクタ
ーとともに酵母W303−1Aの形質転換に用いたとこ
ろ、YIp−YAP1ベクターよりYIp−PGKp−
YAP1ベクターでより高い濃度の薬剤であるシクロヘ
キシミド耐性能が得られた(図6)。
下流にYAP1遺伝子を挿入し、YIp−PGKp−Y
AP1ベクターとした(図5)。これを、YIp−YAP
1ベクター、YAP1を含まないpPGKのみのベクタ
ーとともに酵母W303−1Aの形質転換に用いたとこ
ろ、YIp−YAP1ベクターよりYIp−PGKp−
YAP1ベクターでより高い濃度の薬剤であるシクロヘ
キシミド耐性能が得られた(図6)。
【0018】結果として、出芽酵母サッカロミセス・セ
レビジエ由来の転写因子をコードするYAP1遺伝子を
含む酵母ベクターに、高発現で知られるpPGKを組み
込んだYAP1高発現ベクター群で酵母を形質転換する
と、高濃度のシクロヘキシミド耐性能を得ることができ
た。
レビジエ由来の転写因子をコードするYAP1遺伝子を
含む酵母ベクターに、高発現で知られるpPGKを組み
込んだYAP1高発現ベクター群で酵母を形質転換する
と、高濃度のシクロヘキシミド耐性能を得ることができ
た。
【0019】
【発明の効果】上述したように、本発明は新規な出芽酵
母の形質転換方法およびベクターを提供するものであ
り、転写因子遺伝子であるYAP1と外来性プロモータ
ーであるPGKプロモーターよりなるセグメントを有す
るベクターを利用し、転写因子の発現の増強による薬剤
耐性能力向上を指標とすることにより、研究室酵母及び
実用酵母を用いた遺伝子操作、特に形質転換において、
安価な薬剤を選択マーカーとして用いることができ、か
つ効率よく目的遺伝子を選択できる。本発明は、各種研
究用途及び酒やパンの製造に用いられる出芽酵母サッカ
ロミセス・セレビジエを宿主とする組換えDNA実験の
際に特に有用なものとなる。
母の形質転換方法およびベクターを提供するものであ
り、転写因子遺伝子であるYAP1と外来性プロモータ
ーであるPGKプロモーターよりなるセグメントを有す
るベクターを利用し、転写因子の発現の増強による薬剤
耐性能力向上を指標とすることにより、研究室酵母及び
実用酵母を用いた遺伝子操作、特に形質転換において、
安価な薬剤を選択マーカーとして用いることができ、か
つ効率よく目的遺伝子を選択できる。本発明は、各種研
究用途及び酒やパンの製造に用いられる出芽酵母サッカ
ロミセス・セレビジエを宿主とする組換えDNA実験の
際に特に有用なものとなる。
【図1】YAP1遺伝子の取得方法を示す。
【図2】YAP1遺伝子の高発現化方法を示す。
【図3】YEp−PGKp−YAP1ベクターの構造を
示す。
示す。
【図4】YEp−PGKp−YAP1ベクターのシクロ
ヘキシミド耐性能を示す。
ヘキシミド耐性能を示す。
【図5】YCp−PGKp−YAP1ベクターおよびY
Ip−PGKp−YAP1ベクターの構造を示す。
Ip−PGKp−YAP1ベクターの構造を示す。
【図6】YCp−PGKp−YAP1ベクターおよびY
Ip−PGKp−YAP1ベクターのシクロヘキシミド
耐性能を示す。
Ip−PGKp−YAP1ベクターのシクロヘキシミド
耐性能を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA03 AA20 BA80 CA02 DA12 EA04 FA02 HA20 4B065 AA79X AA80X AA80Y AB01 AC10 BA01 CA24 CA42 CA46
Claims (3)
- 【請求項1】 転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロ
モーターであるPGKプロモーターよりなるセグメント
を利用して、転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力
向上を指標としたことを特徴とする新規な出芽酵母の形
質転換方法。 - 【請求項2】 転写因子遺伝子YAP1及び外来性プロ
モーターであるPGKプロモーターよりなるセグメント
を有し、転写因子の発現の増強による薬剤耐性能力の向
上により出芽酵母への遺伝子の導入を確認しうることを
特徴とするベクター。 - 【請求項3】 出芽酵母由来の転写因子をコードするY
AP1遺伝子を含む酵母ベクターに、PGKプロモータ
ーを組み込んだことを特徴とするYAP1高発現ベクタ
ー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11029762A JP2000224988A (ja) | 1999-02-08 | 1999-02-08 | 形質転換方法およびベクター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11029762A JP2000224988A (ja) | 1999-02-08 | 1999-02-08 | 形質転換方法およびベクター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000224988A true JP2000224988A (ja) | 2000-08-15 |
Family
ID=12285084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11029762A Withdrawn JP2000224988A (ja) | 1999-02-08 | 1999-02-08 | 形質転換方法およびベクター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000224988A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014031831A1 (en) * | 2012-08-22 | 2014-02-27 | Butamax Advanced Biofuels Llc | Production of fermentation products |
-
1999
- 1999-02-08 JP JP11029762A patent/JP2000224988A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014031831A1 (en) * | 2012-08-22 | 2014-02-27 | Butamax Advanced Biofuels Llc | Production of fermentation products |
US9593349B2 (en) | 2012-08-22 | 2017-03-14 | Butamax Advanced Biofuels Llc | Fermentative production of alcohols |
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