JP2000224051A - たたみこみインタ―リ―ビング用の効率的メモリアドレス指定方式 - Google Patents

たたみこみインタ―リ―ビング用の効率的メモリアドレス指定方式

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JP2000224051A JP11375449A JP37544999A JP2000224051A JP 2000224051 A JP2000224051 A JP 2000224051A JP 11375449 A JP11375449 A JP 11375449A JP 37544999 A JP37544999 A JP 37544999A JP 2000224051 A JP2000224051 A JP 2000224051A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な処理オーバーヘッドとメモリ要件が最
小限である、効率的なたたみこみインターリービングを
実装するメモリ基盤の方法を提供する。 【解決手段】 メモリの各行で対形成遅延線を遅延の合
計が一定であるように形成し、もって、可変遅延長を有
する遅延線を効率的な仕方で保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデータ通信分野に関
し、特に、データ通信における誤り防止を目的としたも
のである。
【0002】
【従来の技術】高速ディジタルデータ通信は、近年の電
子工学分野の進歩により、今や多様な形で応用及び用途
において普及して来ている。ディジタル通信技術は,地
域によっては現在利用されつつあるテレビ電話も含め
て、電話による音声信号通信にも使用されている。
【0003】これらの方式において実施される通信の品
位は、受信信号が送信信号と一致整合する精度に依存す
る。ある種の通信、例えば音声通信は、比較的多大な程
度までのビット損失に耐え得る。しかしながら、ディジ
タルデータの通信、特にプログラムを実行するためのデ
ータの通信は、それが有効である為には厳密な忠実度が
要求される。したがって、送信されるディジタルビット
ストリームにおける誤りの検出と訂正を目的として,様
々な技術が開発された。実際、誤り訂正技術により、例
えば既設の電話回線のような既に入手可能な通信施設を
利用したディジタル通信の実施が,これらの通信施設に
よる高周波数通信に固有な誤り率にもかかわらず、有効
裡に可能になった。
【0004】ネットワーク上でのデータや他の信号の通
信以外にも,誤り訂正技術は適用される。例えば、ある
コンピュータによるそれ自身の磁気記憶装置からの格納
データの検索においても、誤り訂正技術が典型的に利用
され、検索されたデータの完全な忠実度が確保される。
自身の大容量記憶装置に格納された実行可能プログラム
コードに基づくこのようなコンピュータシステムの信頼
し得る動作の為には,こうした忠実度は勿論必要不可欠
のものである。ディジタル式の娯楽用機器、例えば、コ
ンパクトディスクプレーヤー、ディジタルオーディオテ
ープレコーダー及びプレーヤー等においても、誤り訂正
技術が典型的に利用され、高忠実度の出力が提供されて
いる。
【0005】重要な種類の誤り検出及び誤り訂正技術
は、リードソロモン符号化と呼ばれる技術である。これ
は、リード及びソロモンによる「ある有限域上の多項式
コード」,工業及び応用数学会誌,第8巻(SIAM,
1960),300−304項,において最初に提示された。
リードソロモン符号化においては、例えばガロワ領域演
算のような有限域演算を使用し,ある通信のブロックを
より大なるブロックに写像する。実質的には,符号化さ
れた各ブロックは、入力ブロックに基づく過特定された
多項式に対応する。k個のmビット要素から成る1個の
メッセージを考えると、n-1次の1個の多項式はn個の
係数を有するように決定し得る。ここでnはkより大で
あり(即ち,この多項式は過特定されている)、このメ
ッセージを完全かつ厳密に復号化する為に、これらn個
の係数がすべて有効である必要はない。リードソロモン
符号化によると、訂正し得る誤りの個数tは,t≦(n
−k)/2に従ってn、k間の関係から決定される。リ
ードソロモン符号化は、上記の符号化されたメッセージ
を生成する為に使用される。その際,受信されたこの符
号化メッセージの復号化に当たりこのメッセージ内のい
かなる誤りであれその個数と位置を特定し得るように、
符号化メッセージは生成される。
【0006】リードソロモン復号化は、送信されるビッ
トストリーム内の無作為誤りの検出と訂正に特に有益で
ある。しかしながら、リードソロモン技術を用いて訂正
し得る誤りの個数に限界(即ち,上記の特定値t)があ
る為,関連技術において「バースト誤り」と呼ばれる型
の誤りを訂正する道は閉ざされてしまう。バースト誤り
とは通信チャネルにおける1個の連続した誤りブロック
を意味し、例えば電話通信施設の送信及び受信モデム間
のような通信施設内における様々な効果によって一般に
生ずる。1個のバースト誤りを有するある任意ベクトル
内の誤りの個数は、リードソロモン技術による上記の誤
りの訂正限界tより遥かに多数である。従って、リード
ソロモン技術を用いてバースト誤りを訂正することは、
一般には不可能である。
【0007】たたみこみインターリービングは、リード
ソロモン符号化のこの限界に打ち勝つ為に使用される従
来技術である。一般的に言って、たたみこみインターリ
ービングは、従来の先入れ先出し(FIFO)順の時間
順序から離れて,送信されるビットストリームの時間順
序をスクランブル化することによって機能する。受信端
において受信された時間スクランブル化されたビットス
トリームは、時間スクランブル化を解除,即ち元々の先
入れ先出し順の時間順序に再配列され、送信メッセージ
ないしデータが復元される。このビットストリーム内部
に通信施設により発生するバースト誤りは、送信データ
のこのスクランブル化された時間順序の為に、時間と共
に分散していく。これにより送信メッセージ内のバース
ト誤り密度は低減され、引き続くリードソロモン復号化
による誤りの訂正を可能にする。
【0008】一般に、たたみこみインターリービングに
より、可変な遅延がある順序で隣接するコード語間に導
入される。その結果、送信中のコード語間の暫定的な順
序は、メッセージの有する元々の順序とは相異なる。次
に、受信された隣接コード語間に逆向きの可変な遅延が
導入され、この元々の順序が復元される。この点に関し
て、従来のたたみこみインターリービングの動作を例示
する図1に注目して戴きたい。
【0009】図1に示されているように、多重化分離器
2は回線IN上の入力データストリームを受信する。こ
の入力データストリームは時系列を成すシンボル(具体
的には、データパケット)から成り、各シンボルはMビ
ットの要素を含み所望のプロトコルに従う。例えば,従
来の(204,188、8)リードソロモン符号化送信
は、一般に、8ビット即ち1バイトのシンボル(M=
8)に従って動作する。多重化分離器2は、可変な遅延
長を有する5I0乃至5IN-1のN個の経路に、各シンボ
ルを順次転送する。この点で,多重化分離器2は一種の
緩衝機能を含むとも考えられる。N個のシンボルから成
る1個のベクトル(又はNのある倍数)は,これらの経
路5Iに同時に転送される。フォーネイによる「典型的
バーストチャネルに対するバースト訂正コード」,通信
技術に関するIEEE会報,COM−第19巻,第5号
(1971、10月)に説明されているように,たたみこみ
インターリービングをダウンストリームリードソロモン
復号化と組み合わせて使用する場合,その最適化はサイ
ズNのリードソロモンブロック長に等しい数個の経路を
使用して遂行される。経路5I0に転送される上記ベク
トル中の1個又は複数個のシンボルは、経路5I1等に
転送されるその1個又は複数個のシンボルに対して、回
線IN上の時間順序において先行する。これらの経路5
Iの各々は、伝送チャネル4に集約される。又,これら
の複数個のシンボルは、この伝送チャネル内部で元々の
時間順序に再配列され、この伝送チャネルにより直列に
送信される。
【0010】従来のたたみこみインターリービングによ
りこれらの経路5I間に導入される上記可変遅延は、一
定の規則的なパターンを有する。図1の例では、経路5
0は遅延を含まず、多重化分離器2により経路5I0
転送される1個又は複数個のシンボルは直ちに伝送チャ
ネル4に転送される。経路5I1はB’個のシンボルの
遅延を含む。ここでB’は、ある任意ベクトル中で多重
化分離器2によりこれらの経路5Iの各々に転送される
シンボルの個数、に相当する。よって、第一サイクルで
経路5I1に転送された1個又は複数個のシンボルは、
その次のサイクルで伝送チャネル4に送信される。経路
5I2は2B’個のシンボルの遅延を含み、第一サイク
ルで経路5I2に転送された1個又は複数個のシンボル
は、2サイクル後に伝送チャネル4に送信される。この
ような動作が、(N−1)B’個のシンボルの遅延を含
む経路5IN-1まで継続される。
【0011】上記個数B’は、適当な復号化技術(例え
ば、リードソロモン技術)が機能し得るシンボルの個数
(N)に対する、あるベクトル中で送信されるシンボル
の総数(B)の比、に対応する。例示的な例として、リ
ードソロモン符号化の場合、N個のシンボルが単一ベク
トル中で送信されるので、B=Nであり、結局B’=1
である。従って、この場合は、多重化分離器2により任
意の動作においてN個のシンボルは多重化分離され、1
個のシンボルがN個の経路5I0乃至5IN-1の各々に転
送される。
【0012】図1のシステムは、N個の経路5I間の上
記可変遅延に基づき、伝送チャネル4を介して通信され
るこれらのシンボルに対するたたみこみインターリービ
ングを実行する。説明の利便の為、第j通信サイクルで
シンボルSj,0乃至Sj,3を提供するN=B=4の通信シ
ステムを考える。この例においては、経路5I0乃至5
3における遅延の程度段階の内容は以下の表のように
なろう。
【表1】 この配列において、多重化分離器2からこれらの経路5
Iへ次のシンボルベクトルSjが転送されると、シンボ
ルSj,0、Sj-1,1、Sj-2,2、及びSj-3,3は伝送チャネ
ル4に転送され、この順で送信される。従って、時間と
共に伝送チャネル4を介して送信される信号のシーケン
スには、以下の表のシンボルが含まれる。
【表2】
【0013】受信端では、この順序でのこれらの信号が
再びベクトルの形にされ、出力経路5Q0乃至5QN-1
転送される。この従来のたたみこみインターリービング
により、伝送チャネル4と多重化器6の間に位置する出
力経路5Q0乃至5QN-1の各々に可変遅延が挿入され
る。この挿入は、これらの出力経路の各々に対応する前
記経路5I0乃至5IN-1の各々に可変遅延が導入された
仕方とは逆の仕方で遂行される。即ち、この例では、経
路5Q0は、経路5I0内を送信されて来たシンボルと同
一シンボルの伝送経路に、(N−1)B’個のシンボル
の遅延を挿入する。同様に、経路5Q1は、経路5I1
を送信されて来たシンボルが服属し伝送される伝送経路
に、(N−2)B’個のシンボルの遅延を挿入する。こ
の処置は続行され、結局、対応する入力経路5Ikと出
力経路5Qkの各対に対して、遅延の合計が(N−1)
B’個のシンボルの遅延に等しくなる。その結果、出力
経路5Qから多重化器6に提供される上記ベクトルは、
上記表のシンボルを上記の順序で提供する。上述のN=
B=4と同一の例を用いて説明を続ける。上記例の入力
経路5Iにから送信されて来た上記のシンボルを受信し
た以後の出力経路5Qの内容は、以下の表のようにな
る。
【表3】 従って、この例では、このサイクル上で出力経路5Q0
乃至5Q3により提供されるベクトルは、[Sj-3,0、S
j-3,1、Sj-3,2、Sj-3,3]となる。多重化器6による作
業を経て、シンボルSj-3,0、Sj-3,1、Sj-3,2、及び
j-3,3から成るこのデータシーケンスは回線OUT上
に出力される。こうしたこれらのシンボルは、勿論、適
切な時間順序に配列されている。
【0014】バースト誤りが存在する可能性が最も高い
場所は伝送チャネル4内であることを考慮すれば、上記
の例からたたみこみインターリービングの効果が理解さ
れる。このようなバースト誤りは、それらが所望の時間
順序に配列されたあるシンボルのシーケンスに対して発
生した場合には、その密度の為に、従来の誤り検出及び
訂正技術では訂正され得ないであろう。しかしながら、
伝送チャネル4を介して送信される上記のシンボルの時
間順序はこの従来のたたみこみインターリービングによ
りスクランブル化されているので、多重化器6から回線
OUT上に提供される際に、そのいかなるバースト誤り
も分散される。例えば、以下の表に示される時間順序の
シンボルを考える。
【表4】 伝送チャネル4内に1個のバースト誤りを想定し、それ
がこの表中の4個の一連のシンボルSj-4,3、Sj,0、S
j-1,1、Sj-2,2(シーケンス)に影響を及ぼす、とす
る。その結果、実際の送信順序は以下の表に示されるも
のになろう。
【表5】 出力経路5Q0乃至5Q3と多重化器6による順序の再配
列を受け、これらの誤りは、以下の表に示されるように
時間の経過と共に分散していく。
【表6】 この表から明らかなように、バースト誤りは時間と共に
分散している。このバースト誤りの分散により、リード
ソロモン復号化のような誤り検出及び訂正技術の適用に
よるバースト現象に起因する誤りの訂正が可能になる。
多くの場合、このようなバースト誤りはインターリービ
ングの効果なしでは訂正され得ない。
【0015】その最も基本的な形式では、経路5Iと経
路5Qはディジタルシフトレジスタを用いて実装され
る。B’=1の上記例に対して、経路5I1は単一シン
ボル段のシフトレジスタを含み、経路5I2は2シンボ
ル段のシフトレジスタを含み、以下同様にして、経路5
kはkシンボル段のシフトレジスタを含む。逆に、出
力経路5Qkは(N−1−k)シンボル段のシフトレジ
スタを含む。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、関連技
術で知られているように、シフトレジスタを使用したた
たみこみインターリービング方式の実装は、要求される
チップ面積という観点のみならず速度及び出力性能とい
う観点の双方の観点からして、割高である。更に、シフ
トレジスタを使用してインターリービング方式を実現す
るには個別仕様の専用論理の使用が要求され、ディジタ
ル信号プロセッサ(DSP)又は汎用マイクロコンピュ
ータ等のプログラム可能な論理デバイスを使用すること
が許されなくなる。この結果、メモリを使用してたたみ
こみインターリービング機能を実装することが好適にな
る。
【0017】DAVIC1.0仕様編08(ディジタル
音声画像審議会、1996)に陳述されているように、
従来のたたみこみインターリービングは、インターリー
バーブロック長(I)とインターリービング深度(D)
の二つのパラメータによって定義される。インターリー
バーブロック長はリードソロモンコード語長に等しいか
又はその約数に等しく、この意味で図1の構成での経路
の数に対応する。インターリービング深度Dはメモリ内
に格納されるべきブロックの個数を指し、前述のパラメ
ータBに対応する性質のものである。このメモリを使用
した方式のたたみこみインターリービングの実装は、D
SP又は汎用マイクロコンピュータ等のプログラム可能
な論理デバイスの使用を許容したたたみこみインターリ
ービングを実行する点で、勿論有効である。しかしなが
ら、DAVIC仕様に注記されているように、このメモ
リを使用したインターリービングの実装はD×Iバイト
のメモリ(8ビットのシンボルに対して)によって実現
され、これは、特に要素数の多いリードソロモン方式の
場合はチップ面積の点で非常に割高である。更に、メモ
リを使用してシフトレジスタ機能を直接的に実装するに
は、読み取り・書き込みサイクルを繰り返して上記シン
ボルを上記表に沿って有効的にシフトさせることが必要
であるが、このようなサイクルの繰り返しは非常に非能
率である。その代替として、各入力経路と出力経路に対
して次にアクセスすべきメモリ位置を指示するポインタ
を設定するという案もあろうが、そのようなN個のポイ
ンタを設定する為には、送信か又は受信のインターリー
ビング回路のいずれかを実装せねばならないであろう。
又、メモリを実装された各入力経路と出力経路の可変な
遅延長の為に、時間処理に際してそのようなポインタを
保持することは極端に厄介で非能率な仕事になる。更
に、可変長のポインタのラッピングを実行する為には、
大規模な制御用論理回路が必要になってしまう。
【0018】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的
は、たたみこみインターリービングを効率的な仕方で実
行するメモリ基盤の方法を提供することである。本発明
の更なる目的は、そのメモリ要件が最小限である上記の
方法を提供することである。本発明の更なる目的は、ポ
インタの保持の為に必要な処理オーバーヘッドが最小限
である上記の方法を提供することである。添付図面と共
に以下の記述を参照すれば、関連技術に普通程度に習熟
している技術者にとり、本発明の他の目的と利益は明白
になるであろう。本発明は、送信端又は受信端のいずれ
かでプログラム可能な論理デバイスを動作させ、たたみ
こみインターリービングを実行するようにメモリにアク
セスさせる方法、として実装されよう。本発明による
と、メモリ実装の遅延線が、略一定な長さになる仕方で
互いに対を形成する。第一方向におけるメモリ通過中
に、対を形成した遅延線の一方の遅延線における最旧の
シンボルが出力され、その遅延線に対する次のシンボル
により上書きされる。これは、両方向におけるメモリ通
過完了に際して進行する第一ポインタを用いて遂行され
る。第一方向におけるメモリ更新完了に際して、上記対
を形成した遅延線の他方の遅延線における最旧のシンボ
ルが出力され、この遅延線に対する最新のシンボルが格
納される。これは、各遅延線の完了に際して進行する第
二ポインタを用いて遂行される。この結果、可変長を有
する遅延線は効率的な仕方で保持される。本発明は、通
信の送信端及び受信端の双方に対して適合するものであ
る。
【0019】
【実施例】以下の説明から明白になるように、本発明は
データ通信動作の実装と使用において利益を提供し、特
に、こうした動作がディジタル信号プロセッサ(DS
P)、汎用マイクロコンピュータ等のプログラム可能な
論理デバイス内で実装され実施される場合に利益を提供
する。かようにして本発明は様々な応用に利用し得る。
この応用として、例えば、モデム間で遂行されるような
電話施設上でのデータ通信、高速データネットワーク上
でのデータ通信、更には、ディスク記憶装置と中央処理
装置間のような一個のコンピュータ内部でのディジタル
データの通信というものさえ挙げ得る。従って、ディジ
タル加入者線(DSL)モデムに関連するその実装を含
めて、関連技術に習熟している技術者により本発明の好
適実施例の説明は単に例示的なものとして理解され、
又、この明細書を参照したかような技術者は本発明を他
の応用において容易に実装し得るものと考える。
【0020】本発明の好適実施例によると、集積回路と
して実現されるプログラム可能な論理デバイスは、本発
明を具体化し実施する為に使用される。そのような集積
回路の特定のアーキテクチャは本発明の好適実施例に従
ってここで説明されるアーキテクチャからはずれる可能
性はあるにしても、様々な相異なる種類のアーキテクチ
ャとプログラム可能な論理デバイスが本発明の使用によ
り利益を受ける事実は、当然理解されるであろう。以下
の説明はその趣旨で単に一例として提供されるものであ
り、本発明の特許請求の範囲の限定を意図するものでは
ないことが理解されるべきである。
【0021】さて図2を参照して、本発明がその効果を
奏するような形で実装された電子システムの例を説明す
る。この例示的なシステムは、ディジタル加入者線(D
SL)モデム、特に遠隔のユーザーのモデムと電話シス
テムの中央交換局のモデムが異なる非同期型のモデム
(即ち、ADSLモデム)、に対応する。
【0022】図2は、多数の遠隔の加入者が電話システ
ムの中央交換局と接続しているDSLサービスの代表的
なシステム設定を示す。この例において、家庭又は事務
所に所在するユーザーは、パーソナルコンピュータ、ワ
ークステーション又はビデオ・オン・デマンド(VO
D)系列の娯楽用機器、等の遠隔コンピュータシステム
Rを操作する。各遠隔コンピュータシステムRは、文
書、図形、動画、音声等に代表される通信データの遠隔
の発信源と受信先として機能する。各遠隔システムRは
遠隔DSLモデム415と接続され、それを介して各シ
ステムRは従来の撚り線対電話回線TWP上で中央交換
局DSLモデム408と交信する。一個以上の電話機
(図示せず)が各撚り線対電話回線TWPに接続されて、
「簡易旧態電話サービス」(POTS)による音声通信が撚
り線対電話回線TWP上で代替的又は付随的な形で実施
され得る。図2の特定例におけるDSL技術は非対称型
(即ち、ADSL)であり、中央交換局モデム408か
ら遠隔モデム415に向かうトラフィックの信号帯域幅
の周波数は、遠隔モデム415から中央交換局モデム4
08に向かうトラフィック(即ち、上流方向のトラフィ
ック)の信号帯域幅の周波数より高い。
【0023】図2に示されているように、各撚り線対電
話回線TWPは、構内又は長距離の電話サービスプロバ
イダーの中央交換局に設置される中央交換局DSLモデ
ム408によって受待されている。この例では、中央交
換局モデム408は多数の撚り線対電話回線TWP(そ
の内の二つのみがこの例では例示されている)を受待す
ることが可能である。中央交換局モデム408は、各撚
り線対電話回線TWP、遠隔コンピュータシステムR、
及びホストコンピュータ(図2では図示せず)間のデータ
通信を介在する。ここでホストコンピュータは、データ
の発信源又は受信先、インターネット等のネットワーク
への中間ゲートウェイ、又は専用の「ダイアル呼び出し
の」内容プロバイダー又はネットワーク、として機能す
る。勿論、遠隔システムR(又は接続している電話)か
ら撚り線対電話回線TWP上に繋がれる通話のルーチン
グを実行する交換機も、中央交換局は具備している。上
記のように、中央交換局モデム408は何らかの基幹的
なネットワークに接続されているのが普通である。この
基幹的なネットワークは、更に、ルーター、ディジタル
加入者線アクセス多重化器(DSLAMs)等の装置に
より他の通信路に接続されている。 POTSサービス
による通信がADSLデータトラフィックと重畳してい
る場合には、こうした装置はある種の「分割器」も含む。
この「分割器」は、POTSトラフィックをADSLトラ
フィックから分離し、POTSトラフィックを従来の電
話回線網(PSTN)にルーチングし、ADSLトラフ
ィックを広域ネットワーク(WAN)にルーチングす
る。
【0024】図2の例では、遠隔DSLモデム415は
各々複数個の機能として設定されている。これらの機能
とは、基本的に、本発明のこの例示的な実施例における
個々の集積回路に対応する。特定の集積回路即ち「チッ
プ」がこれらの様々な機能の中で対応する機能範囲は実
装により異なって来る、ことが当然理解されるべきであ
る。この意味で、図2に示されている例示的な実装は、
単に一例として提供されているものに過ぎない。この例
では、各遠隔DSLモデム415は、ディジタル送受信
器機能413を対応する遠隔システムRに接続させる役
割を担うホストインターフェイス407、を含む。ホス
トインターフェイス407は、このようなインターフェ
イス機能を与えるものとしては従来的な構成である。そ
の一例は、テキサスインスツルメンツ社から入手可能な
TNETD2100ディジタル直列バスインターフェイ
ス回路である。
【0025】本発明のこの実施例によると、遠隔DSL
モデム415内のディジタル送受信器機能413は、デ
ータペイロードの送信と受信の双方に必要なディジタル
処理動作を実行するプログラム可能なデバイスである。
このような動作が含む機能としては、例えば、ホストコ
ンピュータシステムからのディジタルデータの(例えば
パケット及びフレームへの)初期化、データ誤り訂正の
為のリードソロモン符号化、以下に詳述されるデータス
トリーム中のパケットに対するたたみこみインターリー
ビング、送信用の適当なサブチャネル内へのデータ符号
化、及び逆高速フーリエ変換(IFFT)による符号化
データの時間領域信号への変換、等が挙げられる。受信
端では、ディジタル送受信器機能413は、エコー消去
処理と共に上記と逆の動作を実行する。ディジタル送受
信器機能413によるこれらの動作の実施に続いて、復
号化されたディジタルデータはインターフェイス407
を介して遠隔システムRに送信される。特に前述のデー
タ速度において、ディジタル送受信器機能413のディ
ジタルデータ処理能力と出力は高レベルにあることが好
適である。具体的には、テキサスインスツルメンツ社か
ら入手可能なTMS320C6x型のディジタル信号プ
ロセッサが与えるオーダーの処理能力を有することが好
適である。
【0026】本発明のこの好適実施例によると、ディジ
タル送受信器機能413は、あるプログラム可能な集積
回路により実装される。上記の動作を実行する際の、特
に本発明の本好適実施例によるたたみこみインターリー
ビングを実行するプログラム可能な集積回路の構成と動
作は、以下に更に詳細に説明される。
【0027】各ディジタル送受信器機能413は双方向
的にAFE411に接続されている。AFE411は混
成信号(即ち、ディジタルとアナログの双方の動作を含
む信号)集積回路で、高電圧を提供する素子の他にDS
L通信に必要なすべてのループインターフェイス素子を
含む。この意味で、遠隔DSLモデム415内のAFE
s411は、送信と受信の双方のインターフェイス機能
を有する。遠隔DSLモデム415内のAFEs411
は、双方向的に回線ドライバ417と接続されている。
回線ドライバ417は、撚り線対電話回線TWP上のA
DSL信号を駆動及び受信する高速回線駆動及び受信器
で、その一例としてテキサスインスツルメンツ社から入
手可能なTHS6002回線ドライバがある。遠隔DS
Lモデム415内の回線ドライバ417は、更に、四線
式・ニ線式「混成」集積回路419に接続されている。混
成集積回路419は、回線ドライバ417からの専用送
信及び受信回線を、全二重方式で撚り線対電話回線TW
Pの有するニ線式構成に変換する。
【0028】中央交換局において、中央交換局DSLモ
デム408は、モデム408をホストコンピュータ(図
示せず)に接続するホストインターフェイス409を含
む。ホストインターフェイス409は、上述と同様に、
テキサスインスツルメンツ社から入手可能なTNETD
2100ディジタル直列バスインターフェイス回路のよ
うな従来的な回路構成によって実装される。上述のよう
に、ホストコンピュータは、POTSトデータトラフィ
ックをADSLデータトラフィックから分離する分割器
に中央交換局モデム408を接続し、更に提供されてい
るサービスに応じてこれらのトラフィックを従来の電話
回線網(PSTN)と広域ネットワーク(WAN)に接
続する。中央交換局モデム408はディジタルDSL送
受信器機能410を含み、これは図2に示されているよ
うに、多元アナログ前端機能(AFEs)412に接続
されている。遠隔DSLモデム415の場合と同様に、
AFEs412は、送信と受信双方のインターフェイス
機能遂行の為に、高電圧を提供する素子の他にDSL通
信に必要なすべてのループインターフェイス素子を含
む。
【0029】ディジタル送受信器機能410は、遠隔D
SLモデム415内のディジタル送受信器機能413と
同様に構成されこれと同様の処理を遂行するが、その受
信及び送信されたトラフィックの異なる周波数から、デ
ィジタル送受信器機能413とは機能上の相違が多少生
ずる。前述と同様に、ディジタル送受信器機能410
は、たたみこみインターリービングが効率的に実行され
るように、以下に述べるような高性能のディジタル信号
プロセッサとして実装されるのが好適である。ディジタ
ル送受信器機能410によるこれらの処理動作は、符号
化された信号に適用される。これらの符号化信号は、対
応する撚り線対電話回線TWP上を伝送され遠隔モデム
415に至る又はそこからの信号であり、混成集積回路
416、回線ドライバ414及びAFE412を媒介し
た処理を経た信号である。ディジタル送受信器機能41
0により遂行されるリードソロモン復号化の後に、受信
された復号化ディジタル信号はインターフェイス409
を介して中央交換局のホストコンピュータに送信され
る。
【0030】DSLモデムへの適用で得られるような本
発明の利益は、上記のように、リードソロモン復号化又
はそれに類似した復号化が要求される他の多くの適用に
おいても又有効である。図2で示され上記で説明された
DSLモデムの実装は、単に一例として提供されたもの
に過ぎない。他のこのような実装の例として挙げられる
ものは、ケーブルモデム、ディジタル映像の受信と復号
化の為のセットトップ・ボックス、コンピュータ内部で
のディスクドライブ通信、コンピュータワークステーシ
ョン間における他の形式のネットワーク通信、等であ
る。
【0031】さて図3を参照して、本発明の好適実施例
が実装されるディジタル信号プロセッサ(DSP)集積
回路130の形での、プログラム可能な論理デバイスの
例を説明する。図2のDSLシステムに関連して説明し
たように、DSP130はディジタル送受信器機能41
0、413の一方又は両方として使用される。DSP1
30の図3に示されるアーキテクチャは一例として提供
されており、この例示的なアーキテクチャはテキサスイ
ンスツルメンツ社から入手可能なTMS320C54型
DSPのアーキテクチャに一般に対応する。本発明が実
装され得るものは、個別仕様の専用論理回路と他のVL
SI及びより大規模な集積回路を含む様々な機能とアー
キテクチャの集積回路は勿論、他のアーキテクチャのD
SPsと汎用マイクロコンピュータである、ことが関連
技術に普通程度に習熟している技術者により勿論理解さ
れよう。
【0032】この例におけるDSP130は、修正ハー
ヴァードアーキテクチャにより実装される。このアーキ
テクチャでは、多元実行装置と通信する三個の分離した
データバスC,D,Eが使用される。多元実行装置は、
指数装置132、乗算加算装置134、演算論理装置
(ALU)136及びバレル型シフタ138、を含む。
累算器140の存在の為にALU136と並行した乗算
加算装置134の動作が可能になり、乗算累算(MA
C)動作と演算動作の同時実行が可能になる。この例に
おいてDSP130により実行可能に設定される命令に
属すものとして、専用ディジタル信号処理命令は勿論、
単一命令反復及びブロック反復動作、ブロックメモリ移
動命令、二及び三回のオペランド読み取り、条件付き格
納動作、及び、並行ロード及び格納動作、が挙げられ
る。DSP130は又、比較選択格納装置(CSSU)
142を含む。この装置はデータバスEに接続され、多
くの従来の通信アルゴリズムで有用なビタビ計算を加速
する。
【0033】この例におけるDSP130は有効なオン
チップメモリリソースを有する。このメモリリソースへ
のアクセスは、データバスC,D,E及びプログラムバ
スPを介してメモリ周辺インターフェイス145によっ
て制御される。これらのオンチップメモリリソースに含
まれるものは、ランダムアクセスメモリ(RAM)14
4,プログラム命令の格納に使用される読み出し専用メ
モリ(ROM)146,及びアドレスレジスタ148、
が挙げられる。プログラム制御アドレスジェネレータ回
路149もメモリ周辺インターフェイス145と通信
し、メモリ周辺インターフェイス145を介してROM
146又は他の記憶装置からのプログラム命令コードを
受信し、制御信号を生成する。これらの制御信号はDS
P130の各機能装置に伝達され、受信されたプログラ
ム命令コードに対応する命令の実行を制御する。インタ
ーフェイス装置158もメモリ周辺インターフェイス1
45と連関して設置され、直列ホストポート153と同
様に外部通信を制御する。付加的な制御機能であるタイ
マー151及びJTAGテストポート152等もDSP
130に含まれる。
【0034】この例示的なDSP130により実行され
る様々な論理機能は、PLLクロックジェネレータ15
0により生成される一個乃至それ以上の内部システムク
ロックに従って同期方式で実現される。この例示的な実
装においては、PLLクロックジェネレータ150は、
本システム内の他の回路とか水晶振動子等により生成さ
れる回線REFCLK上の外部クロック信号を直接的又
は間接的に受信し、内部システムクロックを生成する。
この内部システムクロックとしては、例えば、DSP1
30の各機能素子に(直接的又は間接的に)通信される
回線OUTCLK上のクロック信号が挙げられる。DS
P130は又、従来方式でDSP130全体の電源電圧
及び基準電圧レベルを調整し分布する電力分布回路15
6を含む。JTAGテストインターフェイス回路、内蔵
セルフテスト回路等の他の機能も又、従来方式でDSP
130内に設置されている。
【0035】本発明の好適実施例によると、DSP13
0は例えばROM146に格納されている命令コードに
よりプログラムされ、DSP130のインターフェイス
装置158により受信された符号化されたデータ語スト
リームに対してたたみこみインターリービングを実行す
る。これらのデータ語は、通信の方向により、これから
送信されるべきデータ語であったり既に受信されたデー
タ語であったりする。上記で説明され図3に例示されて
いるDSP130のアーキテクチャにおいては、このた
たみこみインターリービングの命令コードの実行はプロ
グラム制御アドレスジェネレータ149の制御下にあ
る。プログラム制御アドレスジェネレータ149は、R
OM146内に格納されている命令コードを復号化し、
ALU136等の実行装置を制御し、累算器140、デー
タレジスタ又はRAM144内に格納されているオペラ
ンドに対してこれらの命令を実行させる。
【0036】本発明の好適実施例によると、図2のDS
Lモデムシステムにおいて又は他の通信的適用のこれと
類似した機能において、DSP130はディジタル送受
信器機能413、410の一方又は両方として使用され
る。たたみこみインターリービングが容易且つ有効に実
現されるように、DSP130は、例えばRAM144
のようなそれが利用し得るメモリへのアクセスをプログ
ラムされている。以下に説明するものは、本発明の好適
実施例によるたたみこみインターリービングを実施する
際のDSP130の動作である。
【0037】本発明の第一好適実施例によるこの動作の
説明は,図4aから始まる。図4aは,パケットのたた
みこみインターリービング用の遅延線構造を実装する為
に使用されるRAM144の部分を示す。本発明のこの
適実施例によると、入力経路5I(図1参照)に対応す
る遅延線DLは互いに二個づつ対を形成し、RAM14
4内で構成されているように、その結果遅延線DLの各
対が結合的な形で一定長を有する。遅延線DLに関する
説明の便宜の為,本好適実施例によるたたみこみインタ
ーリービングに使用されるパラメータは、図1の従来構
成に関して説明されたパラメータと対応させられてい
る。例えば,個数B’は、適当な復号化技術(例えば、
リードソロモン技術)が機能し得るシンボルの個数
(N)に対する、あるベクトル中で送信されるシンボル
の総数(B)の比、に相当する。図4aの例において、
RAM144内のi番目の行は,遅延線DLiと遅延線
DLN-i-1に該当するメモリ位置を含む。RAM144
の行iの内部には、遅延線DLiと遅延線DLN-i-1に対
応するメモリ位置の連続した集合間に境界が存在する。
図1と図4aを照らし合わせて参照すると,遅延線DL
iは、i×B’個の遅延を有する入力経路5Iiに対応す
ると考えられ、従ってRAM144の行iにiB’個の
メモリ位置を占める。又、この場合,遅延線DLN-i-1
は、(N−i−1)×B’個の遅延を有する入力経路5
N-i-1に対応すると考えられ、従ってRAM144の
行iに(N−i−1)B’個のメモリ位置を占める。従
って,RAM144の行iにおける遅延線DLiと遅延
線DLN-i-1の内容の格納の為に必要であるメモリ位置
の合計の個数は、iB’個のメモリ位置と(N−i−
1)B’個のメモリ位置の和、即ちより簡単に言えば
(N−1)B’個,となる。
【0038】図4bは,RAM144の行iにおける遅
延線DLiと遅延線DLN-i-1をより詳細に示した図であ
る。図4bに示されているように、RAM144の行i
は循環バッファとして機能する。この例では、例示され
た時間点で、遅延線DLiは行iの内部部分に配置さ
れ、遅延線DLN-i-1はその内部部分の物理的(又は論理
的)両端にまきついている。遅延線DLiと遅延線DL
N-i-1の各々の内部には、対応する遅延線DLの遅延長
に当然依存した各パケットの待ち時間を伴う形で、パケ
ットエントリが最旧のものから最新のものに至るまで時
間順に配列されている。遅延線DLi内では最旧のエン
トリがエントリDi(旧)で示され、現在ポインタLが
これを指している。ポインタLの機能は以下に説明す
る。逆に,遅延線DLiの最新のエントリが図4bでは
エントリDi(新)で示されている。遅延線DLN-i-1
関しては,最旧のエントリUi(旧)が遅延線DLiの最
新のエントリDi(新)に隣接して配置され、又、最新
のエントリUi(新)が遅延線DLiの最旧のエントリD
i(旧)に隣接して配置されている。以下に説明するよ
うに,これらの指標Di、Uiは、RAM144内の「下
向き」及び「上向き」方向における遅延線DLiと遅延線
DLN-i-1のエントリに対する処理を指すものである。
【0039】本説明では「行」という用語は上記の対を形
成した遅延線を含むとした概念規定で使用されている
が,あるメモリ内の行と列の規定は多くの実装において
任意に成し得ることは,関連技術に習熟している技術者
ならば勿論理解されよう。換言すれば、上記の対形成遅
延線という概念は、物理的な行(又は,逆に列)というよ
りむしろ論理的な行に対応した概念である。関連技術で
知られているように,従来のDSPの実装においてはメ
モリリソースを大規模な「線」メモリと考え、現実のメ
モリの物理的な幅を無視している。従って,上述のDS
P130のようなあるDSP内部でのたたみこみインタ
ーリービング機能の実装においては,循環バッファ技術
を利用する。具体的には,各ポインタに対するインクリ
メント操作の後に特定の循環バッファ命令又は試行操作
を実施し、メモリの論理的な「行」と「列」にアクセスして
遅延線DLを実装する。これに対して,従来の格納用ダ
イナミックRAM(DRAM)を用いた特定用途向けIC
(ASIC)のような専用ハードウェアを利用した方式
の範囲内でこうしたたたみこみインターリービング機能
を実装する場合には,メモリの物理的な幅を(N−1)
B’に等しくすることによってDRAMの構造と動作を
活用する。このような実装においては行及び列部分を全
体的なメモリアドレスから分離することが可能で、行及
び列部分は各々行及び列ポインタ内に保持され、直接メ
モリにアクセスする為に使用される。この方式の実装に
おいては、DSPの実装において要求されるようなメモ
リの論理的な行と列を保持する為に循環バッファ命令又
は試行操作を実施する必要が避けられる。いずれにせ
よ、遅延線の対を形成する為にメモリの特定の構造と機
能を選択するという問題は,一般には利用可能な特定の
メモリのアーキテクチャに依存する種類の問題である。
【0040】さて図4aに戻り、RAM144の次の行
(行i+1)は,互いに対を形成した遅延線DLi+1
遅延線DLN-i-2(即ち,DLN-(i+1)-1)を格納する。遅
延線DLi+1は(i+1)×B’個のメモリ位置を占
め、これはRAM144の行iにおける先行する遅延線
DLiよりも正確にB’個のメモリ位置だけ多い。RA
M144の行(i+1)で,遅延線DLi+1は遅延線D
N-i-2と対を形成しているが、遅延線DLN-i-2は(N
−i−2)×B’個のメモリ位置を占め、これはRAM
144の行iにおける後続する遅延線DLN-i-1よりも
正確にB’個のメモリ位置だけ少ない。前述と同様に,
遅延線DLi+1と遅延線DLN-i-2の格納に為にRAM1
44の行(i+1)で要求される結合的なメモリサイズ
は、(i+1)B’個のメモリ位置と(N−i−2)
B’個のメモリ位置の和、即ち(N−1)B’個とな
り、これは遅延線DLiと遅延線DLN-i-1の格納に為に
行iで要求された結合的なメモリサイズと等しい。
【0041】遅延線DLのこの対形成は、送信されるパ
ケットのたたみこみインターリービングに使用されるR
AM144の部分全体に渡って同様に遂行される。その
際、図4aに示されているように、互いに対を形成した
二つの遅延線DL間の境界は、行から行に渡ってB’個
のメモリ位置分だけ移動していく。N個の互いに対を形
成した二つの遅延線DLが使用されるはずである(遅延
を含まないトリビィアルなゼロ番目の入力経路を含め
て)ことと,RAM144のこの部分の各行には互いに
対を形成した二つの遅延線DLが指定されること、を考
えれば以下のことが分る。即ち,入力経路が偶数個の場
合は、RAM144において遅延線DLの格納に為にN
/2個の行が要求され、入力経路が奇数個の場合は(N
/2+1)個の行が要求される。従って,本発明の本好
適実施例によるたたみこみインターリービングの為に必
要なメモリ位置の総数は、Nが偶数の場合は(N/2)
(N−1)B’個であり、Nが奇数個の場合は(N/2
+1)(N−1)B’個である。対を形成した遅延線D
L間の境界の移動は、新しいパケットのRAM144へ
の書き込みとパケットのそこからの読み取りに利用され
る。これは図5と関連して以下に説明するが,その際、
N=B=8従ってB’=1の場合の例示的な通信例に対
する図6a乃至図6jに図示されている本発明の本好適
実施例の動作例、と組み合わせて説明する。
【0042】本発明の本好適実施例による上述の方法
は、複数個のパケットベクトルの一つのシーケンスに対
して反復的に実施される。ここで、これらのパケットベ
クトルの各々は、B個のデータパケットを含むものであ
る。本方法は図5を参照しながら、このシーケンス内の
一個のパケットベクトルに対するDSP130の動作に
関して説明される。初期化期間中にパケットベクトルの
シーケンスが「気にならない」値即ち無視し得る値を含
む場合は除いて、本発明の本好適実施例によるメモリを
基盤とした遅延線の初期化は以下に説明する方法と類似
した仕方で実行される。この明細書を参照した関連技術
に普通程度に習熟している技術者は,この事を容易に認
識するものと考える。
【0043】本発明の本好適実施例によるこの方法は、
DSP130が一個のパケットベクトルを受信する処理
過程20から始まる。このパケットベクトルは,N×
B’(即ちB)個のデータパケットを含み、且つ伝送チ
ャネル上を伝送される。このパケットベクトルは、前処
理の後にDSP130によりそれ自身のメモリ(RAM
144)から検索されるか、又は、DSP130により
外部ソースから直接受信される。図6aの例では,この
パケットベクトルは、八個のデータパケットSj, 0乃至
j,7を含む。ここで、添字jはシーケンス内のパケッ
トベクトルの暫定的な時間順序を示し,添数はパケット
ベクトル内の個々のデータパケットの暫定的な時間順序
を示しており、例えばSj,0はSj,1より時間的に早期で
ある。図6a乃至図6jによるこの例の説明の便宜上,
これらのデータパケットを、各々、D 0(0)、D
1(0)、D2(0)、D3(0)、U3(0)、U
2(0)、U1(0)、U0(0)、と呼称する。ここ
で、添数はこれらのデータパケットが格納されるRAM
144の行iを指し、括弧内の数値はシーケンス内のパ
ケットベクトルの暫定的な時間順序を指す。この例にお
いては、パケットD0(0)はパケットD0(-1)より
時間的に後期である。
【0044】図6aを続けて参照する。この例によるR
AM144の部分の状態は、処理過程20の時点で例示
されている。上記のようにこの例におけるパラメータN
とBは各々8に等しく、従ってパラメータB’は1に等
しい。即ちNは偶数であるから、たたみこみインターリ
ービングの実施に使用されるRAM144の行iの個数
は四個(行0乃至行3)である。ここで、各行iは七個
の要素を有する。本発明の本好適実施例によるこの構成
において図4a、図4bの記法を用いると、遅延線DL
0と遅延線DL7は、RAM144の行0におけるパケッ
トD0とパケットU0として互いに対を形成する。勿論遅
延線DL0は遅延を含まないので、以下の説明から明ら
かになるように,RAM144のパケットD0はメモリ
位置を占めない。同様に,遅延線DL1と遅延線DL6
行1におけるパケットD1とパケットU1として互いに対
を形成し、遅延線DL2と遅延線DL5は行2におけるパ
ケットD2とパケットU2として互いに対を形成し、遅延
線DL3と遅延線DL4は行3におけるパケットD3とパ
ケットU3として互いに対を形成する。
【0045】図6aから容易に分るようにポインタLは
初期化され、行1乃至3の各々内で,遅延線DL1乃至
DL3(即ち,各々、行1乃至3におけるパケットD
1(−1)、D2(−2)、D3(−3))の中で最旧のパ
ケットの位置を指示している。なお,この時点でポイン
タHMは初期化され、ポインタLの位置から(N/2−
1)B’個のメモリ位置の距離分離れた位置を指示して
いる。この付加的なポインタは必要に応じてRAM14
4の各行の端にラップする。以下で詳述されるように,
ポインタLは、「下向き」方向(行添字iの値を増加させ
る方向)のデータパケットの処理において使用される。
一方,ポインタHMは、「上向き」方向(行添字iの値を
減少させる方向)のデータパケットの処理において使用
される。ポインタLとポインタHMのこれらの初期値
は、この処理過程でRAM144内に格納されている先
行するパケットベクトルによって決定される。このこと
も又、以下の説明から明らかになるであろう。
【0046】さて図5に戻り、処理過程20におけるパ
ケットベクトルの受信後,DSP130は処理過程21
を実行する。処理過程21において、DSP130は行
添字iをゼロに初期化し、第一行を指示する。又、この
処理過程21において、受信されたパケットベクトル内
の第一パケットD0(0)は伝送チャネルに直接転送さ
れ、RAM144内には格納されない。なお,この第一
パケットD0(0)は、遅延線DL0と対応し遅延を含ま
ないパケットである。次に処理過程22を実行し、行添
字iを増加して処理過程24への移行を制御する。
【0047】DSP130は処理過程24を実行し,行
添字iにより指示されるRAM144の行にアクセス
し、その行からポインタLにより指示されるメモリ位置
のRAM144の内容を出力する。このメモリ位置は、
各行iにおける最旧の「D」パケットを含む。図6aの
例では行添字iを1に等しくして、処理過程24で、対
応するメモリ位置からパケットD1(−1)を出力す
る。パケットD1(−1)は、行1における最旧の(かつ
事実上唯一の)Dパケットである。処理過程24に続い
てDSP130は処理過程26を実行し,パケットベク
トル中の次のエントリを、各行iにおいてポインタLに
より指示されているこのメモリ位置に書き込む。i=1
である図6aの現在の例では、処理過程26で,次のエ
ントリD1(0)を以前にパケットD1(−1)を含んで
いたそのメモリ位置に書き込む。次に、DSP130は
決定27を実行し,行添字iの値を終端値(N/2−
1)と比較する。この終端値は,伝送されるデータパケ
ットに対するたたみこみインターリービング用のデータ
パケットを含むRAM144の部分の最終行の値であ
る。行添字iの現在の値が終端値(N/2−1)と等し
くなければ,制御は行添字iを増加させる処理過程22
に戻され、それに続く処理過程24、26と決定27が
繰り返される。
【0048】次に、図6b乃至図6eを参照して,図6
aの例の行2と行3に対する処理過程24と26の動作
を説明する。図6bは,行添字i=2とした出力処理過
程24の完了時における、この例のRAM144の行2
と行3の状態を示す。この時点ではDSP130は行2
における位置LからパケットD2(−2)を既に読み取
っており、図示されているようにパケットD2(−2)
を伝送チャネルに出力している。ここで、パケットD2
(−2)は行2における最先の「D」パケットである。
図6bに図示的に示唆されているように,受信されたパ
ケットベクトルからRAM144に書き込まれるべき次
のパケットは、パケットD2(0)である。次に、引き
続き行添字iを2に等しくした状態で処理過程26が実
行され,図6cに図示されているように,この次のパケ
ットD2(0)が行2においてポインタLにより指示さ
れているこの位置に書き込まれる。行2における「U」
パケットの時間順序と、行2に対する処理過程24と2
6のこの最新の例に先立ってDパケットD2(−2)と
DパケットD2(−1)が行2に格納されていた暫定的
な時間順序と比較して,図6cから明らかなように、D
パケットD2(0)とDパケットD2(−1)は「順番違
い」になっている。これらのパケットの時間順序の再配
列は、RAM144内のパケットに対する上記の「上向
き」方向の処理,特に以下に説明される行2における
「U」パケットの処理、において遂行される。しかしな
がら,行2に対する処理過程26の完了時においては、
これらのパケットD2(0)とD2(−1)は依然として
その順番違いの順序のままである。次に決定27が実行
され、この時点ではiの値は終端値(N/2−1)(こ
れは,この例では3に等しい)と等しくないので,行添
字iは3に増加され,以下に図6dと図6eを参照して
説明されるように、処理過程24と26がDSP130
により繰り返される。
【0049】図6dは,この例における行添字i=3と
した場合に対する処理過程24の結果を示す。ここに図
示されているように,行3における最先(最も古い)の
「D」パケットD3(−3)は、行3においてポインタ
Lにより指示されている位置から出力されている。ポイ
ンタLはこの時点では移動しておらず、この例のRAM
144の構成における以前の行に対するのと同一の列に
停留している。図6dに図示的に示唆されているよう
に,受信されたパケットベクトルから書き込まれるべき
次のパケットは、パケットD3(0)である。処理過程
26のこの例で、DSP130はパケットD3(0)を
行i=3における上記指示位置Lに書き込み、図6eの
構成を得る。図6eに図示されているように、行2と行
3の双方における「D」パケットの順序は、格納されて
いた暫定的な時間順序に配列されていない。次に決定2
7が実行され、現在の行添字iが終端値と比較される。
図6eに図示されている処理過程のこの段階では、行添
字iの値はまさしく終端値3に等しいので、決定27は
肯定結果となる。
【0050】さて図5に戻り、決定27が肯定結果とな
った時点で,制御は処理過程30へ移行する。処理過程
30において、DSP130は、ポインタHをポインタ
HMの現在の値に設定する。ポインタHMの現在の値と
は,上述のように、ポインタLの値と(N/2−1)
B’個のメモリ位置の和,である。このポインタHM
は、最終行i=(N/2−1)における最旧の「U」パ
ケット(即ち,最終行における行添字iの値に対する遅
延線DLN-i-1に対応する最旧のパケット)の位置を指
示する。行添字iはこの時点では増加も減少もしておら
ず、その終端値(この値は,たたみこみインターリービ
ング処理に関与するRAM144内の最終行を指示す
る)に停留している。次に処理過程32において、DS
P130は、現在の行iにおいてポインタHにより指示
される位置のRAM144の内容を出力する。この時点
では,この位置はポインタHMにより指示される位置と
同一である。
【0051】図6fは,図6aの例において行添字i=
3とした場合に対する処理過程32の動作結果を示す。
ここに図示されているように,パケットU3(−4)が
RAM144から出力されている。このパケットはこの
時点で行i=3における最旧の「U」パケットであり,
ポインタHにより指示される位置を占めていた。図6f
に図示的に示唆されているように,受信されたパケット
ベクトルからRAM144内に書き込まれるべき次のパ
ケットは、パケットU3(0)である。
【0052】図5に戻り、DSP130は次に処理過程
34を実行し、現在の行iにおいてポインタLにより指
示される位置のRAM144の内容を、ポインタHによ
り指示される位置にコピーする。この動作は,「D」パ
ケットの順序をその適切な暫定的な時間順序に再配列す
る。処理過程34に続いて処理過程36において,受信
されたパケットベクトルからの次のパケットU3(0)
を、上記現在の行iにおいてポインタLにより指示され
た(そして処理過程34のコピー動作を受けて、今「空
き部屋の」又は少なくとも利用可能な)位置に書き込
む。
【0053】図6gは,図6aの例において行i=3と
した場合に対する処理過程34と36の動作結果を示
す。図6fと図6gを比較して判明することは、パケッ
トD3(0)は行i=3においてポインタLにより指示
される位置からポインタHにより指示される位置にコピ
ーされること(処理過程34で遂行)、及び新しいパケ
ットU3(0)はポインタLにより指示された位置に書
き込まれること(処理過程36で遂行),の二点であ
る。行i=3に対する処理過程34と36の結果、処理
過程34と36の終結に際しては、行i=3において
「D」パケットの順序と「U」パケットの順序の双方が
その適切な暫定的な時間順序に再配列されている。行i
=2はまだこれらの処理を受けていないので,その
「D」パケットの順序と「U」パケットの順序は依然と
して順番違いのままである。
【0054】さて図5に戻り、DSP130は次に、ポ
インタHの値をB’個のメモリ位置分だけ減少させる。
このデクリメント動作により、ポインタHは、処理され
るべき次の行における最旧の「U」パケットの位置を指
示する。次に決定39が実行され、現在の行添字iがゼ
ロ(即ち、「上向き」方向の終端項)と比較される。行添
字iの値がまだゼロと等しくなければ(即ち、決定39
が否定結果の場合),DSP130は処理過程40で行
添字iの値を減少させ、行添字iの新しい値により指示
される行に対して処理過程32、34、36及び38を
繰り返す。
【0055】図6hを参照すると,行添字i=2とした
場合に対する処理過程32の実行後の時点における図6
aの例が示されている。ここに図示されているように,
行2における最先の「U」パケットであるU2(−5)
が、この時点においてRAM144から出力されてい
る。受信されたパケットベクトルからRAM144に書
き込まれるべき次のパケットは、パケットU2(0)で
ある。更に、図6iに図示されていることは,行i=2
における最新の「D」パケットであるD2(0)が行i
=2においてポインタHにより指示される空き部屋の位
置にコピーされること、及び最新の「U」パケットU2
(0)が行i=2においてポインタLにより指示される
位置に書き込まれること,の二点である。図6iに図示
されているこの時点において、行2と行3におけるすべ
てのパケットがその適切な暫定的な時間順序に再配列さ
れている。
【0056】さて図5に戻る。RAM144の該当動作
部分の各行iに対して、処理過程32、34、36及び
38が繰り返される。この反復は、決定39により最終
行(i=0)の処理が終了したと判断されるまで継続さ
れ、その際に最も最新に受信された伝送パケットベクト
ルに対するたたみこみインターリービング処理が完了す
る。図6jは図6aの例に対するこの処理の完了を示
し、決定39が肯定結果となった時点でのRAM144
の該当動作部分の状態を表示している。図6jに表示さ
れているように、このインターリービング処理により出
力パケットベクトルが生成される。この例では、この出
力パケットベクトル中のパケットは、各々、D
0(0)、D1(−1)、D2(−2)、D3(−3)、U
3(−4)、U2(−5)、U1(−6)、U0(−7)、
と呼称する。これらのパケットの暫定的な時間順序の変
化は、0から−7まで変化する括弧内の数値によって明
白に示される。図6jに表示されているように、図1の
記法においては、この出力パケットベクトルはパケット
j,0、Sj-1,1、Sj-2,2、Sj-3,3、Sj-4,4
j-5,5、Sj- 6,6、Sj-7,7、の組に対応する。ここ
で、最初の添字はこれらのパケットの暫定的な時間順序
の変化を示す。図1に関連して説明したように,この出
力パケットベクトルは、この後適当な伝送施設上を送信
される。
【0057】図5に戻り、決定39が肯定結果となった
時点で処理過程42が実行され、処理されるべき次のパ
ケットベクトルの準備の為,ポインタLとポインタHM
の値がB’個のメモリ位置分だけ増加される。このイン
クリメント動作により、最終のパケットベクトルの受信
と最新のパケットの格納と各遅延線からの最先のパケッ
トの出力が準備される。制御は次に処理過程20へ移行
され,DSP130は次の受信された伝送パケットベク
トルの処理を開始する。
【0058】図5と図6a乃至図6jに関連して以上に
説明した処理の結果,たたみこみインターリービング
は、メモリリソース要件と処理オーバーヘッドの双方に
鑑みて効率的に実行される。前述の説明から明らかなよ
うに、遅延パケットの格納に必要なメモリは矩形状に効
率的に構成される。以上に説明したこの構成と処理方法
は、メモリリソースを有効的に活用するのみならず,こ
れらのパケットへのアクセスに必要な制御を非常に簡素
化する。本処理方法が本発明の本実施例において僅かに
三つのポインタ(L,H,HM)による制御の下で、且つ
実装されるメモリの各行又は各遅延線用の分離型ポイン
タを必要とせずに実施されることを考慮すれば,上記し
た利益の所以は容易に理解されよう。
【0059】本明細書を参照した関連技術に普通程度に
習熟している技術者にとっては、このようなたたみこみ
インターリービングを実行する他の様々な代替的技術
は、勿論明白であろう。例えば,Nが偶数で各遅延線は
メモリの各行で互いに二個づつ対を形成する場合に関し
て、上記の説明は与えられている。しかしながら,関連
技術に普通程度に習熟している技術者ならば,上記の方
法を容易に変更しNが奇数である状況にも適用し得る、
と考える。これは、Nが奇数の為に対を形成し得ない一
つの行と一本の遅延線に関しては特別な処理を実施す
る,等とすれば良い。更に、RAM144内のパケット
に関する上記特定の構成は、変更可能と考える。その場
合は,ポインタを増加又は減少させる特定の時刻も、本
発明から離れることなく変更されるであろう。更に代替
的に、方向フラグ又は他のインディケータを用いて処理
の「下向き」か「上向き」かの方向を制御することも考え得
る。これらの変更の更なるヴァリエーションとかプログ
ラミングの詳細は、本発明の特許請求の範囲に包含され
るものと考える。
【0060】前述された図2におけるDSLシステムの
例において,図5と図6a乃至図6jを参照して説明さ
れたたたみこみインターリービングにより処理された伝
送データパケットは、更に付加的な処理の後に、撚り線
対電話回線TWP上で通信される。これらのデータパケ
ットは,前述された仕方でたたみこみインターリービン
グ処理により相互に時間スクランブル化されている。中
央交換局モデム408であるか遠隔モデム415の一つ
であるかを問わず受信端では、対応するディジタル送受
信器機能410、413が、これらの時間スクランブル
化されたパケットに対して本発明の本好適実施例に従っ
てその時間順序を好適に再配列する。これは以下に説明
する。これらの配列及び再配列動作は双方とも本発明の
好適実施例に従って遂行されるのが好適ではあるが、従
来のたたみこみインターリービング処理がどちらか一方
の通信端で実施されても良いことは、勿論理解し得る。
これは、例えば,送信モデムはたたみこみインターリー
ビング処理を本発明の好適実施例に従って実行し、一
方、受信モデムは時間スクランブル化されたパケットを
従来のたたみこみインターリービング技術に従って再配
列する、という構成である。こうした柔軟性が利用可能
な理由は、本発明の好適実施例に従って実行される時間
スクランブル化(又は、時間順序の再配列化)は,その出
力データパケットの時間スクランブル化された時間順序
は変更しない(又は,特定の時間スクランブル化用のシ
ーケンスを必要としない)、ということである。この意
味で,二方向通信の場合に考え得る構成は,通信システ
ムの一方端がそれが送信及び受信するデータパケットの
双方に対してたたみこみインターリービング処理を本発
明の好適実施例に従って実行し、一方、この二方向通信
の他方端のモデムその他の装置はその送受信においてこ
れらとまさしく同一のデータパケットシーケンスの双方
に対して従来のたたみこみインターリービング処理を利
用する、という構成である。
【0061】さて図7、8a、8b及び9を参照して、
前述のたたみこみインターリービング処理を受けた後に
伝送されて来たデータパケットの時間順序を再配列化す
る方法を説明する。図7は、メモリ部分144を例示し
ている。これは、例えば上記のようなモデム内に実装さ
れたDSP130内のRAM144であり、たたみこみ
インターリービング処理により時間スクランブル化され
たパケットに対する時間順序再配列化の為に使用され
る。図7に示されているように,RAM144は、たた
みこみインターリービング機能と関連した各行kにおい
て対を形成した一連の遅延線DLを含む。本発明のこの
実施例において、任意のデータパケットに対して、受信
端におけるその遅延線DLの遅延は、送信端におけるそ
れに対応する遅延線の遅延と逆である。その結果、通信
中に各パケットは、他のパケットと共通した一定の結合
的な遅延を有する。なお,これは、図1に関連して説明
したたたみこみインターリービング機能一般に一貫する
特性である。従って、図7のRAM144において、行
kにおける遅延線DLkは、行(k+1)における後続
する遅延線DLk+1よりも長い遅延を有する等、以下同
様である。なお,図4aに関連して説明したのと同様
に,RAM144において、行kにおいて遅延線DLk
と遅延線DLN-k-1は互いに対を形成し、行(k+1)
において遅延線DL k+1と遅延線DLN-k-2は互いに対を
形成し等、以下同様である。
【0062】図9を参照して、時間スクランブル化され
たパケットに対して本発明の本好適実施例に従ってその
時間順序を再配列化する方法を説明する。図6a乃至図
6jの例で伝送されたパケットベクトルに対する本再配
列化方法の動作例を、図8a、8bに関しても使用す
る。
【0063】本発明のこの実施例による方法は処理過程
44から始まる。処理過程44においては,受信モデム
又はその他のサブシステムデバイス内のDSP130
が、撚り線対電話回線施設TWP等の接続する伝送チャ
ネルから、一個のパケットベクトルを受信する。勿論、
伝送中は、こうしたパケットベクトル内のパケットは直
列ビットストリームとして伝送される。受信に際して、
従来処理によりこれらのパケットは好適にベクトルに構
成される。受信されたこのパケットベクトルのサイズ
は,前述した伝送の場合と同様、N×B’個のパケット
分のサイズである。
【0064】図8aは,図6a乃至図6jの例で伝送さ
れた種類のパケットベクトルを受信した時点での、上記
受信サブシステム内のDSP130のRAM144の状
態を表示している。図8aに表示されているように、こ
の受信された例示的なベクトル(これは、図6jの例で
伝送されたベクトルと同一のものである)は,図1の記
法においては、パケットSj,0、Sj-1,1、Sj-2,2、S
j-3,3、Sj-4,4、Sj-5 ,5、Sj-6,6、Sj-7,7、の組に
相当する。ここで、最初の添字はこれらのパケットの暫
定的な時間順序の変化を示す。図8aのこの例では、図
9における方法の説明の便宜上,これらの受信されたパ
ケットは,各々、D0(0)、D1(−1)、D2(−
2)、D3(−3)、U3(−4)、U2(−5)、U
1(−6)、U0(−7)、と呼称する。これらのパケッ
トの暫定的な時間順序の変化は、0から−7まで変化す
る括弧内の数値によって明白に示される。この例におい
て対応するパラメータは,再びN=B=8、従ってB’
=1,である。
【0065】図8aに又表示されているように、様々な
ポインタがRAM144に関連して既に初期化されてい
る。ポインタLは、以前のパケットベクトル処理から初
期化され、RAM144の各行iにおける「下向き」遅延
線の中で最先のパケットの列位置を指示している。ポイ
ンタHMはポインタLの位置からの固定距離に初期化さ
れ、RAM144の各行の端にラップする付加を加え
て、特に(L+(N/2)B’)個のメモリ位置に初期
化されている。
【0066】再び図9を参照して、処理過程46におい
て、DSP130は行添字kをゼロに初期化し、たたみ
こみインターリービングに対する時間順序再配列化の為
に使用されるRAM144の部分の第一行を指示する。
次に、DSP130は下向き方向の反復循環処理を実行
する。この反復循環処理処理は処理過程48を開始点と
しており、処理過程48でDSP130は、行添字kの
現在の値により指示される行において更にポインタLに
より指示されるメモリ位置からRAM144の内容を出
力する。一般に、処理過程48では、その行kにおける
「下向き」遅延線の中で最旧のパケットDkを出力する。
続いてDSP130は処理過程50を実行し,受信した
パケットベクトル中の次のB‘個のパケットを、現在の
行kにおいてポインタLにより指示されているこのメモ
リ位置に書き込む。次にDSP130は決定51を実行
し,行添字kの現在の値を終端値(N/2−1)と比較
する。この終端値は,時間順序再配列化動作の為に使用
されるRAM144の部分における最終行の値である。
この下向き方向の反復循環処理において処理すべき後続
する行が残存していれば(即ち,決定51が否定結
果)、処理過程52で行添字kが増加され、この後続す
る行に対して処理過程48、50が繰り返される。
【0067】図8aの例では,行k=0乃至k=3に対
する処理過程48と50による反復循環処理により、R
AM144からパケットD0(−7)、D1(−7)、D
2(−7)及びD3(−7)が出力される。これらの出力
される各パケットの暫定的な添数から明らかなように、
これらパケットはその元々の暫定的な時間順序に配列さ
れており、たたみこみインターリービング処理による影
響は残存していない。しかしながら、最も最新に受信さ
れたパケットがこれらの最旧のパケットが読み取られた
メモリ位置に書き込まれた時、第一(即ち,0番目の)
行を除いたすべての行で、格納されているパケットの時
間順序は順番違いになっている。図8aの例では,パケ
ットD1(−1)、D2(−2)及びD3(−3)が、各
々,パケットD1(−7)、D2(−7)及びD3(−
7)により以前に占有されていた行1乃至3におけるメ
モリ位置に書き込まれる。
【0068】下向き方向の反復循環処理の完了時(即
ち,決定51が肯定結果)に、DSP130は、処理過
程54において、ポインタHの値をポインタHMの現在
の値に設定する。次に、「上向き」遅延パケットUの上向
き方向の反復循環処理が、処理過程56を開始点として
実行される。処理過程56でDSP130は、行kにお
けるポインタHの値に対応するメモリ位置の内容を出力
する。このメモリ位置は、初回の上向き方向の循環処理
においては,依然として終端値((N/2−1)に等し
い。図8aから明らかなように、ポインタHM(これに
ポインタHがRAM144の行k=3において対応)
は、この最終行における「上向き」遅延線の中の最旧パケ
ットU3(−7)の位置を指示する。
【0069】DSP130は次に処理過程58を実行
し、RAM144の現在の行kにおいてポインタLによ
り指示されるメモリ位置のRAM144の内容を、上記
ポインタHにより指示されるメモリ位置にコピーする。
図5に関連して説明されたように,この動作は,この行
kにおいて最も最新に書き込まれた下向きパケットの順
序をその適切な暫定的な時間順序に再配列する。続いて
DSP130は処理過程60を実行し、RAM144の
現在の行kにおける上向き方向の循環処理用の新規に受
信されたパケットを、この行kにおいてポインタLによ
り指示されたメモリ位置に書き込む。このパケットは,
他の「U」パケットと共にその適切な暫定的な時間順序
を形成する。図8aの例に関してその最終(最下段の)
行k=3において、処理過程56でU3(−7)が出力
され、処理過程58で以前にこのU3(−7)により占
有されていたメモリ位置(ポインタHとHMにより指示
されるメモリ位置)にD3(−7)がコピーされ、処理
過程60で行k=3においてポインタLにより指示され
るメモリ位置(この例で、当初このD3(−7)により
占有されていたメモリ位置)に新規に受信されたパケッ
トU3(−4)が書き込まれる。
【0070】DSP130は次に決定61を実行し、行
添字kを1(即ち、RAM144の動作部分の最上段か
ら一段目の行アドレス)と比較する。この上向き方向に
おいて処理すべき後続する行が残存していれば(即ち,
決定61が否定結果)、DSP130は、処理過62で
ポインタHの値をB’個のメモリ位置分だけラッピング
的な付加として増加させ、更に処理過程64で行添字k
を減少させる。ここで制御は処理過56に戻され、RA
M144内の後続する高次の行に対して処理過程56、
58、及び60が繰り返される。この反復は、決定61
により行k=0を除くすべての行の処理が終了したと判
断されるまで継続される。決定61が肯定結果(これ
は、行k=1の処理が終了したことを示す)となった時
点で、処理過程66が実行され、DSP130は受信パ
ケットベクトル中の最終パケットをただ単に出力する。
これは,伝送中に最長の遅延を有するパケットの経路に
は遅延は挿入されない為である。図8aの例において
は、処理過程66はU0(−7)を単に転送するに過ぎ
ない。その理由は、U0(−7)は受信パケットベクト
ル中の最終パケットであり、遅延の挿入は意図されてい
ないからである.処理過程66に続いてDSP130
は、ポインタLの値従ってポインタHMの値も又B’個
のメモリ位置分だけ増加させ、この結果、ポインタLは
現在において最旧の下向きパケットが存在するRAM1
44内のメモリ位置を指示する。制御は次に処理過程4
4へ移行され,通信施設からの次の伝送パケットベクト
ルの受信を待つ。
【0071】図8bは、図5におけるたたみこみインタ
ーリービング処理が上記のように適用された上記のパケ
ットベクトルの例に対する、図9における上記処理完了
後のRAM144の該当動作部分の状態を表示してい
る。図8bに示されているように、ポインタLは増加さ
れ、RAM144の各行kにおける最先の下向き遅延線
パケットDk(-6)を指示している。ポインタHMも又
同様に増加され、RAM144の各行の端にラップして
各行の最初のメモリ位置を指示している。図8bは又R
AM144からの出力パケットベクトルも、パケットD
0(−7)、D1(−7)、D2(−7)、D3(−7)、
4(−7)、D5(−7)、D6(−7)、D7(−
7)、の組として表示している。これらのパケットは、
各々、図1の記法においては、パケットSj-7,0、S
j-7,1、Sj-7,2、Sj-7,3、Sj-7,4、Sj-7 ,5
j-7,6、Sj-7,7、に対応する。これらのパケットは、
上述の伝送とたたみこみインターリービング処理以前の
これらの暫定的な時間順序と同一の時間順序に再配列さ
れている。
【0072】上述のように、すべての遅延線が完全に対
を形成するNが偶数の場合に関して、本例と対応する方
法の説明は与えられている。関連技術に普通程度に習熟
している技術者ならば,更に,Nが奇数の為に対を形成
し得ない一つの行と一本の遅延線に関しては特別な処理
を実施することにより,上記の方法を容易に変更しNが
奇数である状況にも適用し得るであろう。
【0073】上述の説明から明らかなように,本発明の
第一好適実施例は,たたみこみインターリービング処理
を実施し又インターリービング処理されたパケットの時
間順序を再配列化する、メモリリソースの観点からして
極めて効率的な方法を提供する。図10、11a及び1
1bを参照して以下に説明する本発明の他の好適実施例
によれば、インターリービング方式で伝送されるパケッ
トの場合に関して、たたみこみインターリービング処理
に使用されるメモリリソースを若干拡大することによ
り、B’個の補助メモリ位置を各列に与える。これらの
追加的なメモリ位置の為に、新規に受信されたパケット
をそれらの最終的なメモリ位置に書き込むことが可能に
なり,その結果メモリ内におけるパケットのスワッピン
グが不必要になる。
【0074】図11aは、図10の方法の動作例に基づ
く、本発明のこの好適実施例によるRAM144の部分
の構成を示す。図11aの例では,前述で使用した例と
同様、対応するパラメータはN=B=8、B’=1であ
る。しかしながら,本発明の本好適実施例によれば、八
個のメモリ位置が各行で使用される。より具体的には,
七個のパケットU又は(場合に応じて)Dがそこに格納
され、残りの一個のメモリ位置を各行における補助メモ
リ位置Sとする。行番号は本例でも0乃至3で,これは
前述の例と同一である.図5と図6a乃至図6jに関連
して前述された類似のたたみこみインターリービング構
成によると、RAM144のこの部分の内、行0は、七
個の「上向き」パケットU0と一個の補助メモリ位置S0
を含み、「下向き」パケットD0は含まない。行1は、六
個の「上向き」パケットU1、一個の「下向き」パケット
1、及び一個の補助メモリ位置S1を含む。行2は、五
個の「上向き」パケットU2、二個の「下向き」パケット
2、及び一個の補助メモリ位置S2を含む。行3は、四
個の「上向き」パケットU3、三個の「下向き」パケット
3、及び一個の補助メモリ位置S3を含む。この例で
は,補助メモリ位置S0乃至S3は、同一列内で整列して
いる。
【0075】本発明のこの実施例による方法は、図10
に示されているように処理過程68から始まり、DSP
130は通信施設上から伝送される次回のパケットベク
トルを受信する。このパケットベクトルは、前述と同
様、N×B’個のパケットを含み、これらのパケットは
並列に配置されているが暫定的な時間順序を互いに有し
ている。図11aの例では,処理過程68で受信した新
規のパケットベクトルは前述と同様、D0(0)、D
1(0)、D2(0)、D3(0)、U3(0)、U
2(0)、U1(0)、U0(0)、の組である。ここ
で、添数はこれらのパケットが格納されるRAM144
の行iを指し、括弧内の数値はパケットベクトルの暫定
的な時間順序を指す。DSP130は次に処理過程70
を実行し、最初のB’個のパケットを受信したパケット
ベクトルから伝送チャネルに直接転送する。これは、こ
れらのパケットはたたみこみインターリービング処理に
おいて遅延されないからである。この時点で,行添字m
はゼロに初期化されるか、又は(以下に明らかになるよ
うに)本方法を通じて前回の循環処理の段階からしてゼ
ロに留まっている。図11aを参照して、今B’=1で
あり、パケットD0(0)は伝送チャネルに直接転送さ
れる(D0パケットは、現在、RAM144内に格納さ
れつつある過程にはないからである)。
【0076】次に、DSP130はたたみこみインター
リービングの為の下向き方向の反復循環処理を実行す
る。処理過程72において、DSP130は行添字mを
増加させ,RAM144内の次の行を指示する。この時
点で,二つのポインタRW,WRが,本方法を通じての
前回の循環処理から既に設定されており、RAM144
内の特定の列を指示している。ポインタWRは,図11
aに示されているように、例えば補助メモリ位置Sを指
示している。一方、下向き方向処理においては、ポイン
タRWは処理中に遅延線から出力されるべき最旧のパケ
ットを含む列を指示している。図11aの例において,
行1がパケットが読み出される最初の行であることを考
えれば,ポインタRWは最先の下向きパケットD1(−
1)を含む列を指示する。
【0077】次に処理過程74が実行され、RAM14
4の現在の行mにおいてポインタRWにより指示される
メモリ位置からB’個のパケットを出力する。図11a
の現在の例では、行添字mは処理過程72において0か
ら1に増加されているので、パケットD1(−1)が伝
送チャネルに出力される。続いて処理過程76で、DS
P130は受信したパケットベクトル中の次のB’個の
一連の直列パケットを、RAM144の行mにおいてポ
インタWRにより指示されているメモリ位置に書き込
む。図11aの例では処理過程76で、パケットD
1(0)が行mにおける補助メモリ位置S1に書き込まれ
る。
【0078】次にDSP130は決定77を実行し,た
たみこみインターリービングの為に使用されるRAM1
44の最終行の処理が完了したか否かを判断する。これ
は、行添字mの現在の値を最終行が有する終端値(N/
2−1)と比較することによって遂行する。処理すべき
後続行が残存していれば(即ち,決定77が否定結
果)、処理過程78で、ポインタRWの値は減少される
(即ち,ポインタRWは図11aにおける左方向に移動
される)。更に、行添字mの値が増加され次の行が指示
されるように制御は処理過程72に戻され、処理過程7
4、76が繰り返される。
【0079】下向き方向の反復循環処理の完了(即ち,
決定77が肯定結果)に際して、処理過程80において
次にDSP130は、ポインタWRの値を増加させ、以
前に補助メモリ位置Sを含んでいた列から各行において
最先の「上向き」パケットUを含んでいる列に、ポイン
タWRを移動させる。図11aから明らかなように、ポ
インタWRの右方向へのインクリメントにより,ポイン
タWRは、各行における最先の「上向き」パケットU0
(−7)、U1(−6)、U2(−5)及びU3(-4)を
含んでいる列を指すことになる。この時点で,ポインタ
RWは第三番目の列を指しているであろう(図11
a)。この第三番目の列は,処理過程74の最後の場合
にパケットD3(−3)が読み出された列である。
【0080】次に処理過程82が実行され、行mにおい
てポインタWRにより指示されるメモリ位置からB’個
のパケットが出力される。上記のように、処理過程82
では,現在の行mからその最先の上向きパケットUが出
力される。図11aの例では、行添字mは依然として3
に等しいので、処理過程82でパケットU3(−4)が
出力される。これは,行3における最先の「上向き」パ
ケットである。続いて処理過程84が実行され、次の
B’個のパケットが、現在の行mにおいてポインタRW
により指示されているメモリ位置に書き込まれる。図1
1aの例では、m=3の場合の処理過程84により、以
前にパケットD3(−3)により占有されていたメモリ
位置(パケットU3(−1)の直ぐ右の位置)にパケッ
トU3(0)が書き込まれる。
【0081】次に決定87が実行され、行添字mの値が
その終端値0(即ち,たたみこみインターリービングに
使用されるRAM144の部分の第一行の値)と比較さ
れる。更なる「上向き」方向の処理が必要な場合は(即
ち,決定87が否定結果)、処理過程86でポインタR
Wの値が増加され行添字mの値が減少されて,処理過程
82、84が次の行に対して上向き方向で繰り返され
る。第一行m=0に対する処理の完了(即ち,決定87
が肯定結果)時に、上記受信パケットベクトルに対する
たたみこみインターリービング処理が完了する。制御は
次に処理過程68へ戻され,新規のパケットベクトルが
インターリービング処理されるのをを待つ。
【0082】図11bは、上記新規のパケットベクトル
を受信する処理の完了後における、図11aに表示され
ているRAM144の部分の状態を表示している。図1
1bに表示されているように、出力パケットベクトル
は、パケットD0(0)、D1(−1)、D2(−2)、
3(−3)、U3(−4)、U2(−5)、U1(−
6)、U0(−7)、を含む。これらのパケットの暫定
的な時間順序の変化は、0から−7まで変化する括弧内
の数値によって明白に示されている。図11bに又示さ
れているように、補助メモリ位置Sを含む列は,図11
aにおいてそれが存在した位置から一位置(即ち,B’
個のメモリ位置分)右方向に移動している。これらの補
助メモリ位置Sは(非破壊的な読み取りが実施された場
合には)勿論前回の内容を格納しているが,これらのパ
ケットはもはや必要ないので(既に出力されている)、こ
れらの補助メモリ位置Sは上書き可能である。なお,前
回の処理で受信されたパケットDm(0)とUm(0)
は,示されているように、RAM144内でそれらの暫
定的な時間順序で格納されている。上記のような補助メ
モリ位置Sを含む列を用意したおかげで、パケットのこ
の種の時間順序再配列化を実行する為にスワッピングと
かコピーを実施する必要はなくなる。必要なメモリリソ
ースを若干拡大するだけで、本発明によるたたみこみイ
ンターリービングの為のより簡素化した処理を提供でき
るのである。その意味で,本発明のこの第二実施例は,
幾つかの応用に鑑みて好適な実装と言えよう。
【0083】本明細書を参照した関連技術に普通程度に
習熟している技術者ならば,図10の伝送方法における
ような,上記補助メモリ位置を利用したパケットの時間
順序再配列化法を容易に想定し得るであろう。勿論、前
述したように、パケットの時間順序再配列化の為に使用
される技術は送信端におけるたたみこみインターリービ
ング処理の為に使用される技術に一致する必要はない
し、この逆もまた真なりである。その理由は,インター
リービング処理されたパケットの相互に時間スクランブ
ル化された時間順序は,そうしたインターリービング処
理の実施の為に使用される方法とは無関係に一定である
からである。従って,図9の時間順序再配列化法は図1
0の方法により生成されたインターリービング処理され
たパケットを受信する際に使用でき,この逆もまた真で
ある。
【0084】図10の方法は、再度、Nが偶数の場合に
関して説明されている。この場合には,たたみこみイン
ターリービング処理において各遅延線が互いに対を形成
するのであった。関連技術に普通程度に習熟している技
術者ならば、更に、上述の説明に基づき且つ対を形成し
得ない遅延線を含むメモリ行に関しては特別な処理を包
含させることにより,Nが奇数の場合におけるこの方法
の実施例を容易に実装し得るであろう。
【0085】図10の方法に関する他の代替的な実装
も、本発明の特許請求の範囲に包含され得る。例えば,
行の初期状態の内容は図11aに表示されている内容か
らずれていても良い。具体的には,例えば、補助メモリ
位置Sが行から行に渡り互いに変化するように、第m行
をmB’個のメモリ位置分だけ右方向に移動させる。こ
の構成では、同一時間の上向きパケットUm((例えば、
3(−4)、U2(−4)、U1(−4)及びU0(−
4))は,RAM144の同一列内に整列するであろ
う。この例では、ポインタWR(初期状態で第二行の補
助メモリ位置S1を指示)は初期状態では再度ポインタR
Wの一位置右の位置に存在するが、受信されたパケット
mが補助メモリ位置に書き込まれるにつれ、行から行
に渡り下向き方向に増大されていく。一方,ポインタR
Wは同一列に留まり、各行における最先の下向きパケッ
トDmの位置を指示する。上向き方向では,ポインタW
Rは行から行に渡り今度は減少され、読み取られていく
最先の上向きパケットUmを指示する。一方,ポインタ
RWは同一位置に留まり,受信された上向きパケット
(例えば,Um(0))はすべて、最先の下向きパケッ
トDmが下向き処理において読み取られたメモリ位置に
同一列内に整列して書き込まれる。この実装においては
図10の方法と異なりポインタRWよりむしろポインタ
WRを増加及び減少させるが,ポインタRWに対するポ
インタWRの増加はポインタWRに対するポインタRW
の減少と同一の効果を与えることを考えれば,結果的な
動作は有効的には同等である。これらの及び他の代替的
なメモリアドレス指定方式は,本明細書を参照した関連
技術に普通程度に習熟している技術者にとっては明白な
ものであろう。よって、これらのメモリアドレス指定方
式は、本発明の特許請求の範囲に包含され得るものであ
る。
【0086】
【発明の効果】上記のように、本発明は、通信されるデ
ータパケットのたたみこみインターリービング処理にお
いて重要な利益を提供する。特に、メモリ内に実装され
る可変長を有する遅延線を操作する際の演算上の複雑性
を大幅に増大させることなく、かようなインターリービ
ング処理目的のメモリリソースの活用において多大の効
率をもたらす。従って、本発明は、多くの応用分野にお
いて、たたみこみインターリービング処理の品位を向上
させ合わせてそのコストを削減する。こうした応用分野
として、特に高品位のデータ通信システム、更に特にデ
ィジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ等のプ
ログラム可能な論理デバイスによりそのディジタル処理
が実行されるデータ通信システム、が挙げられる。
【0087】本発明はその好適実施例に従って説明され
てきたが、本明細書及びその添付図面を参照した関連技
術に普通程度に習熟している技術者にとっては、これら
の好適実施例に対する本発明の利点と利益を有する変更
と代替例は、勿論明白なものであろう。かような変更と
代替例は,本発明の特許請求の範囲に包含され得るもの
である。
【0088】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1) 可変遅延長を有する複数個のメモリ基盤遅延線
間でデータパケットの順序に対するたたみこみインター
リービングを実行する方法であって、複数個のデータパ
ケットから成る一個のベクトルを受信する段階と、メモ
リの第一行の第一遅延線領域内のメモリ位置から第一遅
延データパケットを出力する段階と、前記メモリの前記
第一行の前記第一遅延線領域内のメモリ位置に受信した
前記データパケット中の第一受信データパケットを格納
する段階と、メモリの次回行の次回遅延線領域内のメモ
リ位置から次回遅延データパケットを出力する段階から
成り、前記次回行は前記先行行から引き続き第一方向に
あり、更に前記メモリの前記次回行の前記次回遅延線領
域内のメモリ位置に次回受信データパケットを格納する
段階と、前記ベクトル内の複数個の前記受信データパケ
ットと前記メモリの複数個の行が前記第一行から開始し
終端遅延線領域を有する終端行まで続行する、次回遅延
データパケットを出力し且つ次回受信データパケットを
格納する段階を反復する段階と、前記終端行の対形成遅
延線領域から次回遅延データパケットを出力する段階か
ら成り、前記対形成遅延線領域は前記終端遅延線領域と
は異なり、更に前記終端行の前記対形成遅延線領域内の
メモリ位置に次回受信データパケットを格納する段階
と、前記第一方向と逆方向の第二方向において前記終端
行からの前記次回行の次回対形成遅延線領域から次回遅
延データパケットを出力する段階と、前記次回行の前記
対形成遅延線領域内のメモリ位置に次回受信データパケ
ットを格納する段階と、対形成遅延線から次回遅延デー
タパケットを出力し且つ前記対形成遅延線領域内のメモ
リ位置に次回受信データパケットを格納する段階を反復
する段階から成り、前記被反復出力格納段階は前記第二
方向において前記第一行の対形成遅延線に対するまで実
行される、ことを特徴とする方法。
【0089】(2) 前記第一遅延線領域の遅延は前記
第一方向において前記次回遅延線領域の遅延よりも短
い、ことを特徴とする第1項記載の方法。 (3) 前記受信段階以後且つ前記第一遅延データパケ
ットを出力する段階以前に、前記受信データパケット中
の第零受信データパケットを出力する段階を更に含む、
ことを特徴とする第2項記載の方法。 (4) 前記第一遅延線領域の遅延は前記第一方向にお
いて前記次回遅延線領域の遅延よりも長い、ことを特徴
とする第1項記載の方法。 (5) 前記第一行の対形成遅延線に対する前記被反復
出力格納段階以後に、前記受信データパケット中の最終
受信データパケットを出力する段階を更に含む、ことを
特徴とする第4項記載の方法。 (6) 前記出力段階により出力される前記遅延データ
パケットを通信施設上に伝送する段階を更に含む、こと
を特徴とする第1項記載の方法。 (7) 前記ベクトル内の前記受信データパケットは暫
定的なメッセージ順序に配列されている、ことを特徴と
する第6項記載の方法。 (8) 前記通信施設から伝送された前記遅延データパ
ケットを受信する段階と、受信メモリの第一行の第一受
信遅延線領域内のメモリ位置から第一メッセージデータ
パケットを出力する段階と、前記受信メモリの前記第一
行の前記第一受信遅延線領域内のメモリ位置に前記伝送
された遅延データパケット中の第一伝送遅延データパケ
ットを格納する段階と、受信メモリの次回行の次回受信
遅延線領域内のメモリ位置から次回メッセージデータパ
ケットを出力する段階を更に含み、前記次回行は前記先
行行から引き続き第一方向にあり、更に前記受信メモリ
の前記次回行の前記次回受信遅延線領域内のメモリ位置
に次回伝送遅延データパケットを格納する段階と、複数
個の前記伝送遅延データパケットと前記受信メモリの複
数個の行が前記第一行から開始し終端受信遅延線領域を
有する終端行まで続行する、次回メッセージデータパケ
ットを出力し且つ次回伝送遅延データパケットを格納す
る段階を反復する段階と、前記終端行の対形成受信遅延
線領域から次回メッセージデータパケットを出力する段
階を含み、前記対形成受信遅延線領域は前記終端受信遅
延線領域とは異なり、更に前記終端行の前記対形成受信
遅延線領域内のメモリ位置に次回伝送遅延データパケッ
トを格納する段階と、前記第一方向と逆方向の第二方向
において前記終端行からの前記次回行の次回対形成受信
遅延線領域から次回メッセージデータパケットを出力す
る段階と、前記次回行の前記対形成受信遅延線領域内の
メモリ位置に次回伝送遅延データパケットを格納する段
階と、対形成受信遅延線から次回メッセージデータパケ
ットを出力し且つ前記対形成受信遅延線領域内のメモリ
位置に次回伝送遅延データパケットを格納する段階を反
復する段階を含み、前記被反復出力格納段階は前記第二
方向において前記受信メモリの前記第一行の対形成受信
遅延線に対するまで実行され、前記出力されたメッセー
ジデータパケットは暫定的なメッセージ順序に配列され
ている、ことを特徴とする第7項記載の方法。 (9) 前記各格納段階は複数個の受信データパケット
を格納し、前記各出力段階は複数個の遅延データパケッ
トを出力する、ことを特徴とする第1項記載の方法。
【0090】(10) たたみこみインターリービング
を実行する為のプログラム可能なシステムであって、読
み取り書き込みメモリを備え、前記読み取り書き込みメ
モリは複数個の行で構成され各行は下向き遅延線領域と
上向き遅延線領域に対応し、且つ前記下向き及び上向き
遅延線領域は前記各行で互いに対を形成しその結果前記
対形成された遅延線領域により占有される複数個のメモ
リ位置の合計は前記複数個の行に渡って一定であり、更
にプログラム可能な論理デバイスを備え、前記論理デバ
イスは前記読み取り書き込みメモリに接続され且つプロ
グラムされており、複数個のデータパケットから成る一
個のベクトルを受信する動作と、前記読み取り書き込み
メモリの第一行の第一下向き遅延線領域内のメモリ位置
から第一遅延データパケットを出力する動作と、前記読
み取り書き込みメモリの前記第一行の前記第一下向き遅
延線領域内のメモリ位置に受信した前記データパケット
中の第一受信データパケットを格納する動作と、前記読
み取り書き込みメモリの次回行の次回下向き遅延線領域
内のメモリ位置から次回遅延データパケットを出力する
動作を実行し、前記次回行は前記先行行から引き続き第
一方向にあり、更に前記読み取り書き込みメモリの前記
次回行の前記次回下向き遅延線領域内のメモリ位置に次
回受信データパケットを格納する動作と、前記ベクトル
内の複数個の前記受信データパケットと前記読み取り書
き込みメモリの複数個の行が前記第一行から開始し下向
き遅延線領域を有する終端行まで続行する、次回遅延デ
ータパケットを出力し且つ次回受信データパケットを格
納する段階を反復する動作と、前記終端行の上向き遅延
線領域から次回遅延データパケットを出力する動作と、
前記終端行の前記上向き遅延線領域内のメモリ位置に次
回受信データパケットを格納する動作と、前記第一方向
と逆方向の第二方向において前記終端行からの前記次回
行の次回上向き遅延線領域から次回遅延データパケット
を出力する動作と、前記次回行の前記上向き遅延線領域
内のメモリ位置に次回受信データパケットを格納する動
作と、上向き遅延線から次回遅延データパケットを出力
し且つ前記上向き遅延線領域内のメモリ位置に次回受信
データパケットを格納する段階を反復する動作を実行
し、前記被反復出力格納段階は前記第二方向において前
記第一行の上向き遅延線に対するまで実行される、こと
を特徴とするプログラム可能なシステム。
【0091】(11) 前記プログラム可能な論理デバ
イスに接続され前記データパケットをホストコンピュー
タに送受信するディジタルインターフェイスと、前記プ
ログラム可能な論理デバイスに接続されデータを通信施
設に送受信する通信インターフェイスを更に備える、こ
とを特徴とする第10項記載のシステム。 (12) 前記読み取り書き込みメモリと前記プログラ
ム可能な論理デバイスは単一の集積回路内に実装され
る、ことを特徴とする第10項記載のシステム。 (13) 前記各メモリ位置は複数個の前記データパケ
ットを格納する記憶容量を有する、ことを特徴とする第
10項記載のシステム。
【0092】(14) 可変遅延長を有する複数個のメ
モリ基盤遅延線間でデータパケットの順序に対するたた
みこみインターリービングを実行する方法であって、複
数個のデータパケットから成る一個のベクトルを受信す
る段階と、メモリを複数個の行で構成する段階から成
り、各行は下向き遅延線に対応するデータパケットを格
納する複数個のメモリ位置と上向き遅延線に対応するデ
ータパケットを格納する複数個のメモリ位置を有し、前
記各行で前記上向き及び下向き遅延線に対応する前記メ
モリ位置の個数の合計は前記複数個の行に渡って一定で
あり、更に第一ポインタにより指示されるメモリ位置か
ら遅延データパケットを出力する段階から成り、前記メ
モリ位置は同時にある行添字により指示される前記メモ
リの行の前記下向き遅延線に対応し、更に前記第一ポイ
ンタにより指示される前記メモリ位置に前記受信ベクト
ル内の一個のデータパケットを格納する段階から成り、
前記メモリ位置は同時に前記行添字により指示される前
記メモリの前記行の前記下向き遅延線に対応し、更に前
記行添字を第一方向に進行させる段階と、前記行添字が
終端値に到達するまで前記メモリの前記複数個の行に対
して前記出力、格納、及び進行段階を反復する段階と、
前記行添字により指示される前記メモリの前記行の前記
上向き遅延線において第二ポインタにより指示されるメ
モリ位置から遅延データパケットを出力する段階と、前
記行添字により指示される前記メモリの前記行の前記下
向き遅延線に対応する前記一個のデータパケットを、前
記行添字により指示される前記メモリの前記行の前記上
向き遅延線において前記第二ポインタにより指示される
前記メモリ位置にコピーする段階と、前記第一ポインタ
により指示される前記メモリ位置に前記受信ベクトル内
の一個のデータパケットを格納する段階から成り、前記
メモリ位置は同時に前記行添字により指示される前記メ
モリの前記行の前記上向き遅延線に対応し、更に前記行
添字を第二方向に進行させる段階と、前記第二ポインタ
を進行させる段階と、前記行添字が初期値に到達するま
で前記メモリの前記複数個の行に対して前記出力、コピ
ー、格納、及び進行段階を反復する段階から成る、こと
を特徴とする方法。 (15) 前記行添字により指示される前記メモリの前
記行の前記上向き遅延線において第二ポインタにより指
示されるメモリ位置から遅延データパケットを出力する
段階に先行して、前記第二ポインタを前記第一ポインタ
の値と分離距離の和に対応する値に設定する段階を更に
含む、ことを特徴とする第14項記載の方法。 (16) 前記各下向き遅延線における前記メモリ位置
の個数は前記行添字の値を増大させるにつれて増大す
る、ことを特徴とする第14項記載の方法。 (17) 前記受信段階以後且つ前記遅延データパケッ
トを出力する段階以前に、前記受信ベクトル内の前記デ
ータパケット中の第零データパケットを出力する段階を
更に含む、ことを特徴とする第16項記載の方法。
【0093】(18) 前記各下向き遅延線における前
記メモリ位置の個数は前記行添字の値を増大させるにつ
れて減少する、ことを特徴とする第14項記載の方法。 (19) 前記第一行の対形成遅延線に対する前記被反
復出力格納段階以後に、前記受信ベクトル内の前記デー
タパケット中の最終データパケットを出力する段階を更
に含む、ことを特徴とする第18項記載の方法。 (20) 前記出力段階により出力される前記遅延デー
タパケットを通信施設上に伝送する段階を更に含む、こ
とを特徴とする第14項記載の方法。 (21) 前記受信ベクトル内の前記データパケットは
暫定的なメッセージ順序に配列されている、ことを特徴
とする第20項記載の方法。 (22) 前記各格納段階は前記受信ベクトルから複数
個の前記データパケットを格納し、前記各出力段階は複
数個の前記遅延データパケットを出力する、ことを特徴
とする第14項記載の方法。
【0094】(23) 可変遅延長を有する複数個のメ
モリ基盤遅延線間でデータパケットの順序に対するたた
みこみインターリービングを実行する方法であって、複
数個のデータパケットから成る一個のベクトルを受信す
る段階と、メモリを複数個の行で構成する段階から成
り、各行は下向き遅延線に対応するデータパケットを格
納する複数個のメモリ位置と上向き遅延線に対応するデ
ータパケットを格納する複数個のメモリ位置を有し、前
記各行は更に補助メモリ位置を含み,前記各行で前記上
向き及び下向き遅延線に対応する前記メモリ位置の個数
の合計は前記複数個の行に渡って一定であり、更に第一
ポインタにより指示されるメモリ位置から遅延データパ
ケットを出力する段階から成り、前記メモリ位置は同時
にある行添字により指示される前記メモリの行の前記下
向き遅延線に対応し、更に前記行添字により指示される
前記メモリの前記行の前記補助メモリ位置に前記受信ベ
クトル内の一個のデータパケットを格納する段階から成
り、前記補助メモリ位置は第二ポインタにより指示さ
れ、更に前記行添字を下向き方向に進行させる段階と、
前記第一ポインタを前記第二ポインタに対して第一方向
に進行させる段階と、前記行添字が終端値に到達するま
で前記メモリの前記複数個の行に対して前記出力、格
納、及び進行段階を反復する段階と、前記行添字により
指示される前記メモリの前記行の前記上向き遅延線にお
いて前記第二ポインタにより指示されるメモリ位置から
遅延データパケットを出力する段階と、前記第一ポイン
タにより指示される前記メモリ位置に前記受信ベクトル
内の一個のデータパケットを格納する段階から成り、前
記メモリ位置は同時に前記行添字により指示される前記
メモリの前記行の前記上向き遅延線に対応し、更に前記
行添字を上向き方向に進行させる段階と、前記第一ポイ
ンタを前記第二ポインタに対して第二方向に進行させる
段階と、前記行添字が初期値に到達するまで前記メモリ
の前記複数個の行に対して前記出力、コピー、格納、及
び進行段階を反復する段階から成る、ことを特徴とする
方法。 (24) 前記各下向き遅延線における前記メモリ位置
の個数は前記行添字の値を増大させるにつれて増大す
る、ことを特徴とする第23項記載の方法。 (25) 前記受信段階以後且つ前記遅延データパケッ
トを出力する段階以前に、前記受信ベクトル内の前記デ
ータパケット中の第零データパケットを出力する段階を
更に含む、ことを特徴とする第24項記載の方法。 (26) 前記各下向き遅延線における前記メモリ位置
の個数は前記行添字の値を増大させるにつれて減少す
る、ことを特徴とする第23項記載の方法。 (27) 前記第一行の対形成遅延線に対する前記被反
復出力格納段階以後に、前記受信ベクトル内の前記デー
タパケット中の最終データパケットを出力する段階を更
に含む、ことを特徴とする第26項記載の方法。 (28) 前記出力段階により出力される前記遅延デー
タパケットを通信施設上に伝送する段階を更に含む、こ
とを特徴とする第23項記載の方法。 (29) 前記受信ベクトル内の前記データパケットは
暫定的なメッセージ順序に配列されている、ことを特徴
とする第28項記載の方法。 (30) 前記各格納段階は前記受信ベクトルから複数
個の前記データパケットを格納し、前記各出力段階は複
数個の前記遅延データパケットを出力する、ことを特徴
とする第23項記載の方法。
【0095】(31) メモリ基盤構成のたたみこみイ
ンターリービングを実行する為の方法とシステムが開示
される。本開示方法によれば、遅延線(DL)はメモリ
144の各行内で互いに二個づつ対を形成する。この対
形成は、対形成された遅延線の遅延の合計が各行に渡っ
て一定であるように遂行される。インターリービング処
理されたデータパケットの送信と受信の双方において、
一個乃至それ以上のデータパケットがこの対形成された
遅延線の一方の遅延線における最旧のメモリ位置から読
み取られ、更に一個乃至それ以上のデータパケットが受
信ベクトルからこの遅延線に書き込まれる。この読み取
り書き込み処理はメモリの各行に対して繰り返され、第
一方向に進行される。次に、この読み取り書き込み処理
がメモリの各行における上記対形成遅延線の他方の遅延
線に対して繰り返され、反対方向に進行される。メモリ
144の各行における遅延線DLのこの対形成の為、必
要な処理オーバーヘッドが最小限である効率的なたたみ
こみインターリービングの実装が可能になる。本システ
ムは、ディジタル加入者線モデム408、415内に使
用される種類の、ディジタル信号プロセッサ130その
他のプログラム可能な論理デバイスとして実装される。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術によるたたみこみインターリービング
構成の電気的ブロック図。
【図2】本発明の好適実施例が実装されたディジタル加
入者線(DSL)モデム通信システムの電気的ブロック
図。
【図3】本発明の好適実施例が実装されたディジタル信
号プロセッサ(DSP)の電気的ブロック図。
【図4】本発明の好適実施例による、データパケット伝
送用の図3におけるDSPのランダムアクセスメモリ内
の遅延段階構成を例示するメモリ図。
【図5】本発明の好適実施例による、図3のDSPによ
りデータパケットの伝送に先立って遂行されるたたみこ
みインターリービング方法を例示するフローチャート。
【図6】本発明の好適実施例による図5の方法による動
作の一例における、図3のDSPのランダムアクセスメ
モリ内の遅延段階内容を例示するメモリ図。
【図7】本発明の好適実施例による、伝送データパケッ
ト受信用の図3におけるDSPのランダムアクセスメモ
リ内の遅延段階構成を例示するメモリ図。
【図8】たたみこみインターリービングにより処理され
るデータの順序の再配列方法による動作の一例におけ
る、本発明の好適実施例による図3のDSPのランダム
アクセスメモリ内の遅延段階内容を例示するメモリ図。
【図9】たたみこみインターリービングにより時間スク
ランブル化された方式における、通信施設上で受信され
たデータパケットに対する順序の再配列用の本発明の好
適実施例による動作を例示するフロー図。
【図10】時間スクランブル化された方式における、通
信施設上で通信されるデータパケットに対するたたみこ
みインターリービング用の本発明の第二好適実施例によ
る動作を例示するフロー図。
【図11】図10のたたみこみインターリービング方法
による動作の一例における、本発明の第二好適実施例に
よる図3のDSPのランダムアクセスメモリ内の遅延段
階内容を例示するメモリ図。
【符号の説明】
4 伝送チャネル IN 入力回線 OUT 出力回線 R 遠隔コンピュータシステム 407 ホストインターフェイス 408 中央交換局DSLモデム 409 ホストインターフェイス 410 ディジタルDSL送受信器機能 411 多元アナログ前端機能(AFE) 412 多元アナログ前端機能(AFE) 413 ディジタルDSL送受信器機能 414 回線ドライバ 415 遠隔DSLモデム 416 混成集積回路 417 回線ドライバ 419 混成集積回路 TWP 撚り線対電話回線 130 ディジタル信号プロセッサ(DSP) C,D,E データバス P プログラムバス 132 指数装置 134 乗算加算装置 136 演算論理装置(ALU) 138 バレル型シフタ 140 累算器 142 比較選択格納装置(CSSU) 144 ランダムアクセスメモリ(RAM) 145 メモリ周辺インターフェイス 146 読み出し専用メモリ(ROM) 148 データレジスタアドレスジェネレータ(アドレ
スレジスタ) 149 プログラム制御アドレスジェネレータ 150 PLLクロックジェネレータ 151 タイマー 152 JTAGテストポート 153 直列ホストポート 156 電力分布回路 158 インターフェイス装置 REFCLK 回線 OUTCLK 回線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変遅延長を有する複数個のメモリを利
    用する遅延線間でデータパケットの順序に対するたたみ
    こみインターリービングを実行する方法であって、 複数個のデータパケットから成る一個のベクトルを受信
    する段階と、 メモリの第一行の第一遅延線領域内のメモリ位置から第
    一遅延データパケットを出力する段階と、 前記メモリの前記第一行の前記第一遅延線領域内のメモ
    リ位置に受信した前記データパケット中の第一受信デー
    タパケットを格納する段階と、 メモリの次回行の次回遅延線領域内のメモリ位置から次
    回遅延データパケットを出力する段階から成り、前記次
    回行は前記先行行から引き続き第一方向にあり、 更に
    前記メモリの前記次回行の前記次回遅延線領域内のメモ
    リ位置に次回受信データパケットを格納する段階と、 前記ベクトル内の複数個の前記受信データパケットと前
    記メモリの複数個の行が前記第一行から開始し終端遅延
    線領域を有する終端行まで続行する、次回遅延データパ
    ケットを出力し且つ次回受信データパケットを格納する
    段階を反復する段階と、 前記終端行の対形成遅延線領域から次回遅延データパケ
    ットを出力する段階から成り、前記対形成遅延線領域は
    前記終端遅延線領域とは異なり、更に前記終端行の前記
    対形成遅延線領域内のメモリ位置に次回受信データパケ
    ットを格納する段階と、 前記第一方向と逆方向の第二方向において前記終端行か
    らの前記次回行の次回対形成遅延線領域から次回遅延デ
    ータパケットを出力する段階と、 前記次回行の前記対形成遅延線領域内のメモリ位置に次
    回受信データパケットを格納する段階と、 対形成遅延線から次回遅延データパケットを出力し且つ
    前記対形成遅延線領域内のメモリ位置に次回受信データ
    パケットを格納する段階を反復する段階から成り、前記
    被反復出力格納段階は前記第二方向において前記第一行
    の対形成遅延線に対するまで実行される、ことを特徴と
    する方法。
  2. 【請求項2】 たたみこみインターリービングを実行す
    る為のプログラム可能なシステムであって、 読み取り書き込みメモリを備え、前記読み取り書き込み
    メモリは複数個の行で構成され各行は下向き遅延線領域
    と上向き遅延線領域に対応し、且つ前記下向き及び上向
    き遅延線領域は前記各行で互いに対を形成しその結果前
    記対形成された遅延線領域により占有される複数個のメ
    モリ位置の合計は前記複数個の行に渡って一定であり、
    更にプログラム可能な論理デバイスを備え、前記論理デ
    バイスは前記読み取り書き込みメモリに接続され且つプ
    ログラムされており、 複数個のデータパケットから成る一個のベクトルを受信
    する動作と、 前記読み取り書き込みメモリの第一行の第一下向き遅延
    線領域内のメモリ位置から第一遅延データパケットを出
    力する動作と、 前記読み取り書き込みメモリの前記第一行の前記第一下
    向き遅延線領域内のメモリ位置に受信した前記データパ
    ケット中の第一受信データパケットを格納する動作と、 前記読み取り書き込みメモリの次回行の次回下向き遅延
    線領域内のメモリ位置から次回遅延データパケットを出
    力する動作を実行し、前記次回行は前記先行行から引き
    続き第一方向にあり、更に前記読み取り書き込みメモリ
    の前記次回行の前記次回下向き遅延線領域内のメモリ位
    置に次回受信データパケットを格納する動作と、 前記ベクトル内の複数個の前記受信データパケットと前
    記読み取り書き込みメモリの複数個の行が前記第一行か
    ら開始し下向き遅延線領域を有する終端行まで続行す
    る、次回遅延データパケットを出力し且つ次回受信デー
    タパケットを格納する段階を反復する動作と、 前記終端行の上向き遅延線領域から次回遅延データパケ
    ットを出力する動作と、 前記終端行の前記上向き遅延線領域内のメモリ位置に次
    回受信データパケットを格納する動作と、 前記第一方向と逆方向の第二方向において前記終端行か
    らの前記次回行の次回上向き遅延線領域から次回遅延デ
    ータパケットを出力する動作と、 前記次回行の前記上向き遅延線領域内のメモリ位置に次
    回受信データパケットを格納する動作と、 上向き遅延線から次回遅延データパケットを出力し且つ
    前記上向き遅延線領域内のメモリ位置に次回受信データ
    パケットを格納する段階を反復する動作を実行し、前記
    被反復出力格納段階は前記第二方向において前記第一行
    の上向き遅延線に対するまで実行される、ことを特徴と
    するプログラム可能なシステム。
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