JP2000193658A - 水蒸気養生軽量気泡コンクリ―トの劣化度定量評価方法 - Google Patents
水蒸気養生軽量気泡コンクリ―トの劣化度定量評価方法Info
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Abstract
定量的に評価する。 【解決手段】 熱分析法で炭酸カルシウム分を定量測定
して得た酸化カルシウム換算量Cと、全カルシウム分を
定量測定して得た酸化カルシウム換算量Cmaxと、全
硫黄分を定量測定して得た硫酸カルシウムの酸化カルシ
ウム換算量Csと、同一の製造方法で製造した未炭酸化
試料において、熱分析法で炭酸カルシウム分を定量測定
して得た酸化カルシウム換算量Coとを得て、(C−C
o)/(Cmax−Cs−Co)×100なる式の炭酸
化度Dc(%)により、劣化を定量評価する。前記熱分
析法は、熱重量−示差熱分析装置(TG−DTA)を用
い、600℃〜900℃における吸熱ピークに対応する
炭酸ガスの重量減少量を定量測定するのが望ましい。
Description
て使用された水蒸気養生軽量気泡コンクリートをサンプ
ルし、劣化度を定量評価する方法に関する。
気泡コンクリート:ALC)は、絶乾かさ比重0.5程
度の軽量なコンクリート材料であり、耐火性、断熱性、
施工性などに優れているため、建築物の壁、屋根、ある
いは床のパネルとして、広く使用されている。
のパネルは、以下の手順で製造する。
や生石灰等の石灰質原料とを主原料とし、必要に応じ
て、繰り返し原料や石膏、炭酸カルシウム、界面活性
剤、撥水性能付与剤などの添加物と、適量の水と、発泡
剤であるアルミニウム粉末などとを加え、混練してスラ
リーを作成する。このスラリーを、予め補強用鉄筋をセ
ットした型枠内に注入する。前記発泡剤の発泡と同時に
水和反応による硬化が次第に起こり、気泡が内蔵された
半可塑性体が得られる。
炉スラグやフライアッシュ、石灰炭などを使用したり、
発泡剤の代わりとして、予め作製した泡をスラリーに混
練するプレフォーム方式を採用することがある。
した半可塑性体を型枠から取り出し、ピアノ線や刃など
を用いて所望寸法に切断した後、オートクレーブによる
高温高圧水蒸気養生により、主成分がトバモライト−1
1A(11Aは11オングストロームを意味しており、
層状鉱物であるトバモライトの層の厚さ方向の繰り返し
単位を意味する。)である水蒸気養生軽量気泡コンクリ
ートパネルが得られる。
コンクリートは、珪酸塩とカルシウム分を主原料とし、
水蒸気養生することで、珪酸カルシウム水和物のトバモ
ライト−11Aが生成する。このトバモライト−11A
と、未反応物として残留した原料の珪酸塩とが水蒸気養
生軽量気泡コンクリートを構成する主な物質となる。
トを建築材料として使用すると、水蒸気養生軽量気泡コ
ンクリート自体が湿気を取り込み、大気中の炭酸ガスと
反応して、トバモライト−11Aは非晶質珪酸塩(シリ
カゲル)と炭酸カルシウムとに分解する、いわゆる炭酸
化という反応が起きる。大気の湿度や炭酸ガス濃度など
により、トバモライト−11Aの分解度が異なり、特に
雰囲気の相対湿度が高い時に、進行が速くなるため、建
築物のおかれた条件によって、炭酸化の進行の度合いが
異なる。表面の仕上げ材によっても、炭酸化の進行を完
全に抑えることは難しい。
化することにより収縮し、さらに炭酸化した水蒸気養生
軽量気泡コンクリートは、炭酸化していない水蒸気養生
軽量気泡コンクリートよりも、乾燥収縮率が2倍〜数倍
にもなることから、雰囲気の相対湿度の変化によって長
さが変化することになる。これらの長さの変化により、
水蒸気養生軽量気泡コンクリートには、網目状のひび割
れ、亀裂が発生する。
のような水蒸気養生軽量気泡コンクリートの表面あるい
は内部に発生する亀裂は、建築物の外観を損ねるほか、
雨水の浸入、建築物としての強度低下、たわみ、外観低
下、破片の落下などを引き起こすため、大きな問題とな
っている。
気泡コンクリートの耐久性を向上させるために、仕上げ
材の選定や補修時期の明示、劣化した水蒸気養生軽量気
泡コンクリートパネルの補修方法、さらには、耐炭酸化
パネルの開発などに取り組んでいる。しかし、水蒸気養
生軽量気泡コンクリートの炭酸化を定量評価する方法が
確立されていないため、様々な実験データを比較して、
前記補修方法や耐炭酸化パネルの開発のための検討や考
察をすることが難しく、各研究結果が効率的に開発や製
品への応用に展開されていないという問題があった。
軽量気泡コンクリートの劣化は、主に、亀裂の発生程度
を目視で判断する方法で評価される。しかし、この方法
では正確な劣化の定量評価ができないので、実際に使用
されている水蒸気養生軽量気泡コンクリートの破片を採
取し、該破片を化学分析などで定量測定する方法が考え
られる。
1Aと、炭酸化で生成した炭酸カルシウムとの両者に含
まれ、珪素は、トバモライト−11Aと、炭酸化で分解
生成した非晶質珪酸塩、未反応原料の珪酸塩に含まれ
る。従って、化学分析などの元素分析からでは、分解し
ないで残存しているトバモライト−11A、炭酸化で生
成した非晶質珪酸塩および炭酸カルシウムを、それぞれ
定量測定することは不可能である。
物質を定量測定する方法として、粉末X線回折法があ
る。採取した破片をX線回折装置で分析すると、非晶質
珪酸塩は検出されないが、トバモライト−11Aと炭酸
カルシウムの有無を判断することができ、結晶性物質の
定量分析を行うことが可能である。しかし、水蒸気養生
軽量気泡コンクリートには、製造過程での副生成物、添
加物を加えている場合の添加物、また劣化に伴う反応に
よって生成する新たな多くの物質が存在するため、X線
回折装置で正確な定量測定を行うことは困難である。
ることが考えられるが、X線回折装置では、ピーク強度
と含有量とに相関性は無いため、正常品を基準にした比
較しか行えず、水蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣化
の度合い(劣化度)を判断するとき、数値として把握す
ること、すなわち定量評価は不可能であった。
とする課題は、水蒸気養生軽量気泡コンクリートを建築
物として使用して劣化したときに、トバモライト−11
Aが分解して生成する炭酸カルシウムを、正確に定量測
定することで、水蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣化
度を数値として定量的に評価する方法を提供することで
ある。
め、本発明の方法は、水蒸気養生軽量気泡コンクリート
の被検試料について、熱分析法で炭酸カルシウム分を定
量測定して得られる炭酸カルシウムの酸化カルシウム換
算量Cと、全カルシウム分を定量測定して得られる全カ
ルシウムの酸化カルシウム換算量Cmaxとを得て、C
/Cmax×100なる式の炭酸化度Dc1(%)によ
り、前記被検試料の劣化度を定量評価する。
程で使用される酸化カルシウム、水酸化カルシウム、お
よびセメント中のカルシウムの使用量を酸化カルシウム
量に換算して計算することで、全カルシウムの酸化カル
シウム換算量Cmaxを得てもよい。
トの被検試料について、熱分析法で炭酸カルシウム分を
定量測定して得られる炭酸カルシウムの酸化カルシウム
換算量C(重量%)と、全カルシウム分を定量測定して
得られる全カルシウムの酸化カルシウム換算量Cmax
(重量%)と、全硫黄分を定量測定して得られる硫酸カ
ルシウムの酸化カルシウム換算量Cs(重量%)と、前
記被検試料と同一の製造方法で製造した未炭酸化試料に
ついて、熱分析法で炭酸カルシウム分を定量測定して得
られる炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算量C0(重
量%)とを得て、(C−C0)/(Cmax−Cs−C
0)×100なる式の炭酸化度Dc2(%)により、前
記被検試料の劣化度を定量評価する。
析法が、熱重量−示差熱分析装置(TG−DTA)を用
い、600℃〜900℃における吸熱ピークに対応する
炭酸ガスの重量減少量を測定する方法であることが好ま
しい。
る被検試料は、耐久性が劣化したと診断する。
は、水蒸気養生軽量気泡コンクリートの被検試料に対し
て、熱分析法により、600〜900℃付近で炭酸カル
シウムが分解したときに生じる炭酸ガスに相当する重量
減少量を定量測定し、この重量減少量から被検試料中の
炭酸カルシウム分を算出し、これを酸化カルシウム量に
換算した量Cと、化学分析で全カルシウム分を定量測定
し、これを酸化カルシウム量に換算した量Cmaxとを
得て、炭酸化度すなわちC/Cmax×100を算出す
ることで、該炭酸化度により被検試料の劣化度を定量的
に評価する方法である。ALCの炭酸化度の測定には、
炭酸ガス結合量とカルシウム分含有量の測定が必要であ
る。
生軽量気泡コンクリートの炭酸化度Dcを[(C−C
0)/(Cmax−Cs−C0)×100]なる式で得
る。
熱分析法で炭酸カルシウム分を定量測定した酸化カルシ
ウム換算量(重量%)であり、Cmaxは、全カルシウ
ム分を定量測定した酸化カルシウム換算量(重量%)で
あり、Csは、硫酸カルシウム分を定量測定した酸化カ
ルシウム換算量(重量%)である。また、C0は、被検
試料と同一の製造方法で製造した未炭酸化試料(標準試
料)において、すなわちトバモライト起源以外の炭酸カ
ルシウム分を熱分析法で定量測定した酸化カルシウム換
算量(重量%)である。炭酸化度Dcを算出することに
より、様々な種類の全ての水蒸気養生軽量気泡コンクリ
ートの炭酸化度を、同一の基準で比較できる。
ムの分解に伴う重量減少量がわかるように、熱重量分析
測定装置を用いるが、炭酸カルシウムの分解を明確にす
るために、示差熱分析測定が同時に行える熱重量−示差
熱分析装置(TG−DTA)が望ましい。
は、燃焼により発生した炭酸ガスを定量する方法(例え
ば、燃焼IRスペクトル法)や、酸により分離した炭酸
ガスを定量する方法(例えば、塩酸分解クーロメトリ
ー)もあるが、炭酸カルシウム中の炭酸ガスのみを分析
できる熱分析法が好ましい。
存在するが、いずれも加熱すると600〜900℃付近
で酸化カルシウムと炭酸ガスに分解するため、劣化にお
けるトバモライト−11Aの分解によって生じる炭酸カ
ルシウムがいずれの結晶形態であっても、炭酸カルシウ
ム量は熱分析法で定量測定することが可能である。
ば、どのような方法を用いても可能であるが、カルシウ
ムを正確に定量測定できるICP法が望ましい。
物としてトバモライト−11Aの生成反応に関与しない
カルシウム化合物を加えることがある。例えば、硫酸カ
ルシウムなどである。水蒸気養生軽量気泡コンクリート
の劣化度の計算に、このカルシウム化合物の含有量を加
えると、100%の劣化が起きないことになるため、劣
化度の計算からは除外しなくてはならない。トバモライ
トの生成反応に関与しないカルシウム化合物は、塩をつ
くっている元素を化学分析で定量測定して、酸化カルシ
ウム量に換算して、全カルシウム分から差し引くこと
で、正確に劣化度を算出することができる。
は、トバモライト−11Aの理論組成よりも低いCa/
Si比で製造されており、さらに、オートクレーブ養生
のため、原料に添加された石膏中のカルシウム分を除
き、カルシウム分は全てトバモライト−11Aに含まれ
ていると考えられる。そこで、第1の態様に示すよう
に、トバモライト−11A中のカルシウム分と化学的に
結合し、炭酸カルシウムとなった炭酸ガス量を定量測定
して、炭酸化度を求め、これを劣化度とする方法は、合
理的で適当な方法である。ただし、第2の態様に示すよ
うに、原料に炭酸カルシウムを配合する影響や、オート
クレーブ養生前の半可塑性体が炭酸ガスと化学的に結合
する影響を取り除き、かつ、前記炭酸ガスのカルシウム
分との結合を、オートクレーブ養生後に限定することが
望ましい。
において炭酸化させた時、トバモライト−11Aに含ま
れるカルシウム分のうち、どの程度が炭酸化により炭酸
カルシウムに分解するのか、現在までのところ分かって
いない。つまり、トバモライト−11Aに含まれるカル
シウム分に、炭酸ガスを化学的に結合させ、該結合を飽
和させた炭酸ガス量が、一義的に決められるかどうか分
かっていない。
軽量気泡コンクリートの原料の種類および配合が様々で
あるため、化学組成も様々である。
ルシウム量が、すべて炭酸カルシウムとなりうると考
え、最大炭酸化時の全カルシウムの酸化カルシウム換算
量Cmaxとし、トバモライト起源以外のカルシウム分
を除くために、未炭酸化試料の炭酸カルシウム分を定量
測定した酸化カルシウム換算量C0と、添加物のカルシ
ウム化合物を組成する元素分を定量分析した酸化カルシ
ウム換算量Csとを、被検試料の全カルシウムの酸化カ
ルシウム換算量Cmaxから差し引くのが望ましい。
10年経過した建築物に利用されていた水蒸気養生軽量
気泡コンクリートを、化学分析と熱分析法で劣化度を分
析した。また、劣化度の定量評価に対しての阻害成分で
あるカルシウム化合物がないかを粉末X線回折法で確認
した。
が18.00重量%で、分子量比の56/40倍にした
25.20重量%が、その酸化カルシウム換算量Cma
xになる。
装置で炭酸カルシウムを分解し、発生した炭酸ガスによ
る重量減少量を定量測定する。この重量減少量は炭酸ガ
ス量なので、7.0重量%の重量減少が生じたときに
は、これを分子量比の56/44倍にした8.9重量%
が、トバモライトの分解に起因すると推定される炭酸カ
ルシウムの酸化カルシウム換算量Cになる。
ax(25.20重量%)に対して、炭酸カルシウムの
酸化カルシウム換算量C(8.9重量%)の割合として
算出した35.3%が、本実施例の被検試料の炭酸化度
すなわち劣化度となる。
硫酸カルシウム(無水塩、半水塩、二水塩)が添加さ
れ、10年経過した建築物に利用されていた水蒸気養生
軽量気泡コンクリートを、化学分析と熱分析法で劣化度
を分析した。また、劣化度の定量評価に対しての阻害成
分であるカルシウム化合物がないかを粉末X線回折法で
確認した。
18.00重量%で、分子量比の56/40倍にした2
5.20重量%が、全カルシウムの酸化カルシウム換算
量Cmaxになる。また、定量測定された硫黄が0.5
0重量%で、分子量比の56/32倍にした0.88重
量%が、硫酸カルシウムの酸化カルシウム換算量Csに
なる。硫酸カルシウムの酸化カルシウム換算量Cs
(0.88重量%)を、全カルシウムの酸化カルシウム
換算量Cmax(25.20重量%)から差し引いた2
4.32重量%を、トバモライトの生成反応に寄与した
カルシウム量とすることができる。
装置で炭酸カルシウムを分解し、発生した炭酸ガスによ
る重量減少量を定量測定する。この重量減少量は炭酸ガ
ス量なので、7.0重量%の重量減少が生じたときに
は、これを分子量比の56/44倍にした8.9重量%
が、トバモライトの劣化で生成したと推定される炭酸カ
ルシウムの酸化カルシウム換算量Cになる。
ウム量(24.32重量%)に対して、トバモライトの
劣化で生成したと推定される炭酸カルシウムの酸化カル
シウム換算量C(8.9重量%)の割合として算出した
36.6%が、本実施例の被検試料の炭酸化度すなわち
劣化度となる。
炭酸カルシウムが添加され、10年経過した建築物に利
用されていた水蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣化度
を、化学分析と熱分析法で分析した。この場合、同一配
合で作製した劣化していない試料を未炭酸化試料(標準
試料)として、同様に分析した。また、劣化度の定量評
価に対しての阻害成分であるカルシウム化合物がないか
を粉末X線回折法で確認した。
18.00重量%で、分子量比の56/40倍にした2
5.20重量%が、全カルシウムの酸化カルシウム換算
量Cmaxになる。
装置で炭酸カルシウムを分解し、発生した炭酸ガスによ
る重量減少量を定量測定する。被検試料においては、
7.0重量%の重量減少が生じ、これを分子量比の56
/44倍にした8.9重量%が、被検試料における炭酸
カルシウムの酸化カルシウム換算量Cになる。
は、1.0重量%の重量減少が生じ、これを分子量比の
56/44倍にした1.3重量%が、未炭酸化試料(標
準試料)における炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算
量Coになる。
の酸化カルシウム換算量C(8.9重量%)から、未炭
酸化試料におけるトバモライト起源以外の炭酸カルシウ
ムの酸化カルシウム換算量Co(1.3重量%)を差し
引くことで、トバモライト−11Aの分解で生じた炭酸
カルシウムの酸化カルシウム換算量が7.6重量%と分
かる。
ax(25.20重量%)から、未炭酸化試料における
炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算量Co(1.3重
量%)を差し引いた23.90重量%に対して、トバモ
ライト−11Aの分解で生じた炭酸カルシウムの酸化カ
ルシウム換算量(7.6重量%)の割合として算出した
31.8%が、本実施例の被検試料の炭酸化度すなわち
劣化度となる。
硫酸カルシウム(無水塩、半水塩、二水塩)が添加さ
れ、10年経過した建築物に利用されていた水蒸気養生
軽量気泡コンクリートの劣化度を、化学分析と熱分析法
で分析した。この場合、同一配合で作製した劣化してい
ない試料を未炭酸化試料(標準試料)として、同様に分
析した。また、劣化度の定量評価に対しての阻害成分で
あるカルシウム化合物がないかを粉末X線回折法で確認
した。
18.00重量%で、分子量比の56/40倍にした2
5.20重量%が、全カルシウムの酸化カルシウム換算
量Cmaxになる。また、定量測定された硫黄が0.5
0重量%で、分子量比の56/32倍にした0.88重
量%が、硫酸カルシウムの酸化カルシウム換算量Csに
なる。硫酸カルシウムの酸化カルシウム換算量Cs
(0.88重量%)を、全カルシウムの酸化カルシウム
換算量Cmax(25.20重量%)から差し引いた2
4.32重量%を、トバモライトの生成反応に寄与した
カルシウム量とすることができる。
装置で炭酸カルシウムを分解し、発生した炭酸ガスによ
る重量減少量を定量測定する。被検試料においては、
7.0重量%の重量減少が生じ、これを分子量比の56
/44倍にした8.9重量%が、被検試料における炭酸
カルシウムの酸化カルシウム換算量Cになる。
は、1.0重量%の重量減少が生じ、これを分子量比の
56/44倍にした1.3重量%が、未炭酸化試料(標
準試料)におけるトバモライトと関係のない炭酸カルシ
ウムの酸化カルシウム換算量Coになる。
の酸化カルシウム換算量C(8.9重量%)から、未炭
酸化試料における炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算
量Co(1.3重量%)を差し引くことで、トバモライ
ト−11Aの分解で生じた炭酸カルシウムの酸化カルシ
ウム換算量が7.6重量%と分かる。
ウムの酸化カルシウム換算量(24.32重量%)か
ら、未炭酸化試料における炭酸カルシウムの酸化カルシ
ウム換算量Co(1.3重量%)を差し引いた23.0
2重量%に対して、トバモライト−11Aの分解で生じ
た炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算量(7.6重量
%)の割合として算出した33.0%が、本実施例の被
検試料の炭酸化度すなわち劣化度となる。
炭酸化度すなわち劣化度Dcの算出に関する諸値を表1
にまとめて示す。実施例1、2において、劣化前の試料
中に炭酸カルシウムは実質的に含まれていなかった。
よび5、9、22、26、31、33年経過していた建
築物に利用されていた水蒸気養生軽量気泡コンクリート
を、化学分析と熱分析法で分析し、本発明の方法による
劣化度Dcを算出した。また、劣化度の定量評価に対し
ての阻害成分であるカルシウム化合物がないことを、粉
末X線回折法で確認した。結果を表2に示す。
なるが、22年以上経過しても、劣化が進行しない。す
なわち、劣化度が一定以上に高くならないことがわか
る。このことは、実際の目視評価の結果とよく合致す
る。
に対する劣化度の変化に共通性のあることが把握でき
る。
社シポレックス横浜工場において製造された軽量気泡コ
ンクリートブロックを用いた。各試料を40×80×1
0mmに成形し、20℃、相対湿度90%、炭酸ガス濃
度3体積%の条件で、それぞれ10、20、100日
間、促進炭酸化させた。各促進炭酸化させた試料および
未炭酸化試料は、炭酸カルシウム量及び全カルシウム分
の定量測定の前に、105℃で2時間の前処理を行っ
た。
による炭酸ガス量(重量%)の分析では、窒素フロー中
で、昇温速度を20℃/min、測定温度域を室温から
100℃の条件で測定し、炭酸カルシウムの分解温度に
対応する600〜900℃の重量減少量を炭酸ガス量
(重量%)とした。
0%を超えたあたりから、試料表面に亀裂が生じ、劣化
の定量評価として適当であることが確認できた。
法により異なることが考えられたので、実施例6と同様
の4種類の試料の炭酸ガス量(重量%)を、燃焼IRス
ペクトル法により分析した。
し、脱離した炭酸ガスを赤外線吸収法で測定し、その吸
収ピーク強度から定量した。
法により異なることが考えられたので、実施例6と同様
の4種類の試料の炭酸ガス量(重量%)を、塩酸分解ク
ーロメトリーにより分析した。すなわち、試料を塩酸分
解して発生した炭酸ガスを、pHが既知の溶液中に吸収
させる。
元のpHに戻し、必要とした電力量から炭素量を定量測
定し、炭酸ガス量に換算した。
量の測定結果と、実施例6の測定結果を使用した本発明
の方法による炭酸化度の計算結果とを、表3に示す。実
施例6では、比較例1及び比較例2と比較して、炭酸ガ
ス量(重量%)が小さい。この理由は次のように考えら
れる。
では、炭酸カルシウムの分解温度である600〜900
℃における重量減少量を、炭酸ガス量として定量測定し
ている。
しくは塩酸分解により、試料中の全ての炭酸ガス量を定
量測定している。従って、炭酸カルシウム以外の、例え
ば、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などの不純物と結合する炭酸ガス量や、試料表面に吸着
した炭酸ガス量を含めて、定量測定したと考えられる。
より、100日間促進炭酸化した試料の熱重量変化と発
生ガスを分析した。その結果、炭酸ガスは200℃から
脱離し始め、炭酸カルシウムの分解に対応する780℃
にトップを持つ750〜790℃にピークが見られ、5
50℃付近にショルダーが見られた。
ある珪石やセメントには、カルシウム以外にマグネシウ
ム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アルカ
リ土類金属が混入している。これらの炭酸塩の内、加熱
により分解するのは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウ
ムであり、それぞれ純物質における分解温度は1atm
で、898℃、540℃である。従って、750〜79
0℃のピークは炭酸カルシウムの分解、550℃付近の
ショルダーは炭酸マグネシウムの分解に対応するものと
考えられる。
は、試料表面に吸着した炭酸ガスであることが考えられ
る。また、本発明者の研究から、促進炭酸化により水蒸
気養生軽量気泡コンクリートの比表面積は増大すること
が分かっており、促進炭酸化の進行により、炭酸ガスの
吸着量が増大し、吸着された炭酸ガスが200℃付近か
ら脱離していた可能性が大きい。
して、全炭酸ガス量を定量測定する方法では、炭酸化度
を評価する観点からふさわしくなく、600〜900℃
の炭酸カルシウムの分解ピークに対応する重量減少量を
求める方法が適当である。
(TG−DTA)による炭酸ガス結合量と、化学分析に
よるカルシウム分含有量とから計算する炭酸化度によ
り、あらゆる種類の軽量気泡コンクリートについて、同
一の評価尺度として炭酸化度を使用した比較・考察がで
きる。
材料として使用したとき、大気により劣化する成分のト
バモライト−11Aから分解して生成される炭酸カルシ
ウムの含有量を、定量測定することにより、トバモライ
ト−11Aの分解度が分かる。従って、本発明の方法に
よれば、水蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣化を定量
的に評価・判断することができる。
軽量気泡コンクリートのひび割れを目視確認する必要
や、水蒸気養生軽量気泡コンクリートパネルを取り外し
て曲げ強度を測定する必要がなくなり、少量(例えば
0.5g程度)をサンプリングすることにより、迅速か
つ簡便に劣化度を定量評価できるという極めて顕著な効
果を有する。
トの炭酸化評価が同一の基準で可能となる。この発明の
方法を各研究結果に適応し、多くの研究結果を有機的に
結合して比較、考察することにより、水蒸気養生軽量気
泡コンクリートの炭酸化及び耐久性に関する開発、製品
への応用が可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 水蒸気養生軽量気泡コンクリートの被検
試料について、熱分析法で炭酸カルシウム分を定量測定
して得た炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算量Cと、
全カルシウム分を化学分析で定量測定して得た全カルシ
ウムの酸化カルシウム換算量Cmaxとから、C/Cm
ax×100なる式の炭酸化度Dc1(%)により、前
記被検試料の劣化度を定量評価することを特徴とする水
蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣化度定量評価方法。 - 【請求項2】 水蒸気養生軽量気泡コンクリートの製造
工程で使用される酸化カルシウム、水酸化カルシウム、
およびセメント中のカルシウムの使用量を酸化カルシウ
ム量に換算して計算することで、全カルシウムの酸化カ
ルシウム換算量Cmaxを得ることを特徴とする請求項
1に記載の水蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣化度定
量評価方法。 - 【請求項3】 水蒸気養生軽量気泡コンクリートの被検
試料について、熱分析法で炭酸カルシウム分を定量測定
して得られる炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算量C
(重量%)と、全カルシウム分を化学分析で定量測定し
て得られる全カルシウムの酸化カルシウム換算量Cma
x(重量%)と、全硫黄分を定量測定して得られる硫酸
カルシウムの酸化カルシウム換算量Cs(重量%)と、
前記試料と同一の製造方法で製造した未炭酸化試料につ
いて、熱分析法で炭酸カルシウム分を定量測定して得ら
れる炭酸カルシウムの酸化カルシウム換算量C0(重量
%)とを得て、(C−C0)/(Cmax−Cs−C
0)×100なる式の炭酸化度Dc2(%)により、前
記被検試料の劣化度を定量評価することを特徴とする水
蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣化度定量評価方法。 - 【請求項4】 炭酸カルシウム分を定量測定する前記熱
分析法が、熱重量−示差熱分析装置(TG−DTA)を
用い、600℃〜900℃における吸熱ピークに対応す
る炭酸ガスの重量減少量を測定する方法であることを特
徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水蒸気養生
軽量気泡コンクリートの劣化度定量評価方法。 - 【請求項5】 前記炭酸化度が、50%以上である被検
試料は、耐久性が劣化したと診断する請求項1から4の
いずれかに記載の水蒸気養生軽量気泡コンクリートの劣
化度定量評価方法。
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JP2000283895A (ja) * | 1999-03-30 | 2000-10-13 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 軽量気泡コンクリートの耐用年数予測方法 |
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JP2011133359A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Sumitomo Metal Mining Siporex Kk | 軽量気泡コンクリート水平部材の劣化診断方法 |
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-
1999
- 1999-03-30 JP JP08835799A patent/JP3451617B2/ja not_active Expired - Lifetime
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