JP2000162264A - 電界発光測定用試料 - Google Patents

電界発光測定用試料

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JP2000162264A
JP2000162264A JP10333310A JP33331098A JP2000162264A JP 2000162264 A JP2000162264 A JP 2000162264A JP 10333310 A JP10333310 A JP 10333310A JP 33331098 A JP33331098 A JP 33331098A JP 2000162264 A JP2000162264 A JP 2000162264A
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JP
Japan
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electrode
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carbon
electroluminescence
light emission
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Sokai Han
宗懐 範
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
Susumu Takahashi
享 高橋
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光開始電圧の誤検知のおそれのない、新規
な電界発光現象測定用の試料を提供すること。 【解決手段】近接した二つの電極を絶縁材料に埋設した
電界発光測定用試料であって、前記電極の少なくとも一
つがカーボン含有材料からなることを特徴とする電界発
光測定用試料。前記カーボン含有材料からなる電極は平
板状電極であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブル等に
用いられる絶縁材料の評価に用いられる試料に関し、特
に、電界発光現象を測定することにより絶縁特性等を評
価するための試料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電力ケーブルのケーブル絶縁
材料の絶縁劣化の原因の一つとして電気トリーが挙げら
れている。トリーとは固体絶縁体中に発生する枝状の絶
縁破壊部分であり、電気トリーは局部高電界によって絶
縁体中に形成される太さ数μm程度の微細な枝状の孔で
ある。電気トリーは、局部的な高電界又は機械的な原因
により電極付近の絶縁体に微小な空隙が形成され、これ
が部分放電を引き起こして絶縁体を浸食することにより
発生するものと考えられている。
【0003】ところで、電気トリー発生の前駆段階であ
る部分放電の直前に、絶縁体中において微弱な発光現象
が生じることが知られている。この発光現象は電界発光
と呼ばれており、ケーブル絶縁材料の絶縁劣化の原因の
一つと考えられている。したがって、絶縁材料の耐久性
の評価のためには、電界発光現象の正確な測定及びこれ
に基づく発光特性の把握が不可欠である。
【0004】電界発光現象の測定は、図1に示す構造を
有する試料を用いて行われる。図示されるように、一般
に、試料1は、低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン
のような絶縁材料から構成された直方体とされ、その下
面には導電性銀ペーストによって製作された平板状電極
2が配置されている。平板状電極2の端部には図示しな
い交流電源から延びるリード線3が接続しており、リー
ド線3はエポキシ樹脂等の接着剤4によって平板状電極
2に固定されている。
【0005】一方、試料1の上面からは、平板状電極2
に対して垂直方向にステンレス製の針状電極5が試料1
内に向けて差し込まれており、その先端は平板状電極2
の表面から所定の長さ分だけ離れた箇所に位置してい
る。なお、針状電極5の他端は図示しない交流電源に接
続されている。
【0006】電界発光によって発生する光は非常に微弱
なために、電界発光現象の測定は光電子倍増管を用いた
フォトンカウンティング法によって行われている。すな
わち、試料1の平板状電極2及び針状電極5間に、前記
交流電源から連続的又は不連続的に電圧値を変化させな
がら高電圧を印加すると共に、試料1において発生した
光を集光して光電子倍増管を介して光子数をカウントす
る。カウント値は単位時間毎に積分されて発光強度へ変
換される。これにより、印加電圧と発光強度の関係を得
ることができ、試料毎に発光特性の評価を行うことがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の測定
方法では、試料1における発光現象は電圧が印加される
平板状電極2と針状電極5の間において発生するものと
想定している。したがって、通常、発光現象の測定は、
試料1において発生した光子数を単にカウントしている
だけであり、発光位置の情報は全く考慮されていない。
【0008】ところが、試料1における発光状態を実際
にCCDカメラ等で観察すると、平板状電極2と針状電
極5との間だけでなく、平板状電極2の表面上におい
て、比較的低い印加電圧によって発光する特異な現象を
確認することができた。この発光現象の原因としては、
接着剤4内のボイドの存在、又は、平板状電極2と絶縁
材料との隙間の影響等の様々な原因が考えられるが、現
在のところその原因は明らかではない。
【0009】上記した平板状電極2表面での発光現象
は、低電圧領域において発生するので、もし発光位置の
確認を行わなければ、平板状電極2と針状電極5の間で
発生する電界発光の発光開始電圧として、誤って平板状
電極2上での発光現象の開始電圧を検知してしまう可能
性が高い。このような誤検知が発生した場合は、正確な
電界発光現象の測定及び発光特性の把握が困難となるた
めに、絶縁材料の耐久性の評価を行うことができない。
【0010】なお、光子数のカウントと平行して発光位
置の測定を行えば、このような誤検知を防止することは
可能であるが、微弱な発光現象の位置確認は困難であ
り、また、測定機器の大型化、複雑化は避けられない。
【0011】本発明は、上記したような従来技術におけ
る問題点を解決することをその課題とする。すなわち、
本発明の目的は、発光開始電圧の誤検知のおそれのな
い、新規な電界発光現象測定用の試料を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、近接し
た二つの電極を絶縁材料に埋設した電界発光測定用試料
であって、前記電極の少なくとも一つがカーボン含有材
料からなることを特徴とする電界発光測定用試料によっ
て達成される。前記カーボン含有材料からなる電極は平
板状電極であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】電界発光の発生原因・機構は次の
ように説明される。例えば、ポリエチレンのような半結
晶性高分子絶縁材料において、結晶質−非晶質界面、不
純物、構造上の欠陥、分子鎖の不規則部分は禁制帯中に
局在トラップ準位を引き起こす。これらのトラップ準位
は浅い準位と深い準位とに分けられ、浅い準位はキャリ
アのトラップとなり、深い準位は再結合中心となる。例
えば、浅い準位としてはメチレン基等による体積トラッ
プが、また、深い準位としては分子鎖の枝分かれ点や結
晶質−非晶質界面等の構造の変歪している領域が考えら
れる。このような準位構造を有する高分子材料に対して
交流電圧を印加した場合、交流の各正負半波において該
高分子材料に注入された電子と正孔はいずれかの浅いト
ラップ準位にトラップされ、次いで、深い準位において
電子−正孔再結合によりフォトンを放出する。
【0014】各種の絶縁材料からなる試料から発生した
フォトンは、光電子倍増管(Photomultiplyer Tube)を
用いたフォトンカウンティング法により測定される。図
2に本発明の試料を用いた測定装置の概略図を示す。図
示されるように、測定装置は測定雰囲気を真空に保つた
めの真空容器6、真空容器6にモノクロメータ7を介し
て光学的に連結された光電子倍増管8、印加電圧と発光
強度の経時的関係を表示するデジタルオシロスコープ
9、フォトンカウンティングシステム10によって基本
的に構成されている。真空容器6には、容器内を減圧す
る図示しない真空ポンプが接続されており、容器内を任
意の値に減圧することが可能である。また、真空容器6
には、試料の各電極に接続された配線を図示しない交流
電源に接続するための配線機構が備えられている。
【0015】また、この測定装置には、真空容器6内の
試料を観測するCCDカメラ11、CCDカメラからの
信号を画像処理するコンピュータ12からなる測定シス
テムが取り付けられており、試料の発光位置を測定可能
としている。
【0016】電界発光現象の測定を行うにあたっては、
まず、真空容器6内の所定位置に測定の対象となる試料
1を配置し、試料1の平板状電極2と針状電極5の二つ
の電極をそれぞれ図示しない交流電源と接続した上で、
容器内を所定の真空度まで減圧する。容器内の雰囲気が
安定したら、試料1の二つの電極間に交流電圧を印加す
ると共に、電圧値を所定時間にわたって連続的又は不連
続的に変化させる。電圧値が増加し、所定の閾値に到達
すると試料1内において発光現象が始まり、光子が発生
する。発生した光子はレンズ13によって光電子倍増管
8に集光される。集光された光子は光電子倍増管8によ
って電圧パルス信号に変換され、フォトカウンティング
システム5によって単位時間毎にカウントされる。前記
単位時間内に計測されや電圧パルス信号は積分されて、
その単位時間内における発光強度とされる。電界発光に
よる光は非常に微弱なために、前記単位時間を短く設定
した場合は、単位時間内に計測される信号数は0か1の
非常に小さなものとなってしまう。したがって、高分子
絶縁材料に交流電圧を印加したときの定常的な発光強度
を評価する場合には、単位時間を長くとることが好まし
い。
【0017】本実施の形態においては、上記の測定装置
による測定の対象として図1に示す内部構造とほぼ同じ
構造を有する試料1が使用され、その幅、奥行き、高さ
はそれぞれ30mm、5mm、25mmの直方体形状に
設定された。また、針状電極5は直径1mmのステンレ
ス製の棒状部材とし、針状電極5の先端と平板状電極2
との間隔は5mmに設定した。なお、試料1を構成する
絶縁材料としては架橋ポリエチレンを採用した。
【0018】上記したように、本実施の形態において使
用される試料1の構造は図1に示したものとほぼ同様で
あるが、平板状電極2がカーボン含有導電性ペーストに
よって製作されている点が従来のものとは異なる。平板
状電極2は、針状電極5と異なり平面形状であるのでペ
ースト状の導電材料によって容易に形成することが可能
であり、例えば、へら等によってペースト状導電材料を
試料1の底面に塗布することによっても製作することが
できる。
【0019】導電性ペーストに配合されるカーボンとし
ては、平板状電極2表面の平滑度に影響を与えない範囲
で様々な粒径の微粉末を使用することができ、その製造
方法も特に限定されない。また、ペースト中のカーボン
の含有量は、該ペーストの粘性を電極形成に不都合な程
度にまで極端に増大させない範囲で適宜決定することが
できる。なお、前記カーボン含有導電性ペーストには、
カーボン以外の様々な添加材が混合されていてもよい。
【0020】このような試料1を用いて、図2に示す測
定装置によって電界発光現象を観察したところ、針状電
極10の先端において電界発光現象が発生するまで電圧
値を増加させても平板状電極2上での発光現象は観察さ
れなかった。このように、平板状電極2内に存在するカ
ーボンは平板状電極2表面における発光を除去する機能
を有することが確認された。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の電界発光測定用試料における一方の電極表面の発
光現象を抑制することができるので、該試料内の二つの
電極間における電界発光現象を正確に測定し、絶縁材料
の発光特性を把握することが可能となる。したがって、
絶縁材料の耐久性の評価を正確に行うことができる。ま
た、電界発光現象の測定にあたり、試料内の発光位置の
確認が不要となるので、測定装置の簡素化を図ることが
できる。
【0022】また、カーボン含有導電性ペーストによっ
て平板状の電極を構成し、これを試料内の電極の一つと
することによって、試料の作成を容易とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電界発光測定用試料の概略透視図。
【図2】本発明の試料の測定に使用される測定装置の概
略図
【符号の説明】
1 試料 2 平板状電極 3 リード線 4 接着剤 5 針状電極 6 真空容器 7 モノクロメータ 8 光電子倍増管 9 デジタルオシロスコープ 10 フォトンカウンティングシステム 11 CCDカメラ 12 コンピュータ 13 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 享 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 2G015 AA01 AA27 BA02 BA10 CA02 2G043 AA06 BA14 CA05 DA04 EA06 GA07 GB05 GB16 HA01 LA02 LA03 MA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近接した二つの電極を絶縁材料に埋設し
    た電界発光測定用試料であって、前記電極の少なくとも
    一つがカーボン含有材料からなることを特徴とする電界
    発光測定用試料。
  2. 【請求項2】 前記カーボン含有材料からなる電極が平
    板状電極であることを特徴とする請求項1記載の電界発
    光測定用試料。
JP10333310A 1998-11-24 1998-11-24 電界発光測定用試料 Withdrawn JP2000162264A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112378894A (zh) * 2020-12-10 2021-02-19 河南师范大学 一种多功能瞬态电致发光测量系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Effective date: 20060207