JP2000162169A - ガス測定装置 - Google Patents

ガス測定装置

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JP2000162169A
JP2000162169A JP10336807A JP33680798A JP2000162169A JP 2000162169 A JP2000162169 A JP 2000162169A JP 10336807 A JP10336807 A JP 10336807A JP 33680798 A JP33680798 A JP 33680798A JP 2000162169 A JP2000162169 A JP 2000162169A
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光良 吉井
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太生 木下
Hiroshi Nakano
博司 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 におい識別能を向上させる。 【解決手段】 希釈サンプルガス供給制御部8により、
サンプルガス希釈機構4を制御してサンプルガスを希釈
し、低いサンプルガス濃度から徐々に高いサンプルガス
濃度になるように、複数点の濃度でサンプルガスをセン
サ部2に供給する。それぞれのサンプルガス濃度におい
て、センサ部2の検出信号及び希釈サンプルガス供給制
御部8の希釈率情報を信号処理部6に送る。信号処理部
6は検出信号及び希釈率情報に基づいて、各ガスセンサ
のサンプルガス濃度とセンサ出力の関係をそれぞれ解析
する。その結果、1つの濃度でサンプルガスを測定する
よりも、ガスセンサのにおい識別能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つ又は複数個の
ガスセンサを設けたセンサ部と、ガスセンサによるサン
プルガス検出時の検出信号と測定の基準となるゼロガス
検出時の検出信号からサンプルガスの定性又は定量を行
なう信号処理部とを備えたガス測定装置に関するもので
ある。このようなガス測定装置は、におい、香、ガス、
悪臭などを定量及び識別するのに用いられ、脱臭、調香
などの技術分野に応用されている。具体的に測定する対
象としては、食品、公害ガス、異臭、建材のにおい、体
臭、工場からのにおいなどが上げられる。
【0002】
【従来の技術】ガスセンサとしては、酸化物半導体セン
サ、導電性高分子センサ、水晶振動子やSAW(surfac
e acoustic wave:表面弾性波)デバイスの表面にガス
吸着膜を形成したセンサがある。酸化物半導体を用いた
ガスセンサでは、サンプルガス中のにおい成分の酸化還
元反応により酸化物半導体の電気抵抗が変化する現象を
利用する。導電性高分子を用いたガスセンサでは、にお
い成分の吸着により導電性高分子の導電率が変化する現
象を利用する。水晶振動子やSAWデバイスの表面にガ
ス吸着膜を形成したセンサでは、ガス吸着膜へのにおい
成分の吸着による重量変化に伴い振動数が変化する現象
を利用する。
【0003】このような現象を利用してサンプルガス中
のにおい成分を測定するガス測定装置(におい測定装
置)は、1つ又はガス応答特性の異なる複数個のガスセ
ンサを備えており、ガスセンサからの検出信号をそのま
ま表示するか、又は複数個のガスセンサの検出信号を多
変量解析に持ち込む、いわゆるケモメトリクスと呼ばれ
る技術を応用してサンプルガス中のにおい成分を測定し
ている。従来のガス測定装置では、複数のサンプルガス
を測定する場合、サンプルガスとして一定濃度のものを
調製し、その内の一定量を採取して測定している。ま
た、微量成分の検出のために、濃縮機能を持ったガス測
定装置もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ガスセンサ、
特に酸化物半導体センサでは、におい成分濃度に対する
センサ出力の応答直線性が少ないので、センサ出力が2
倍になったからといって、におい成分濃度が2倍になら
ないことが多い。また、サンプルガスが単物質で構成さ
れている場合は、各物質に対して校正することが可能で
あるが、ガスセンサの測定対象であるにおいとなると、
多数のにおい成分が種々の濃度で混在しており、におい
成分の種類と濃度の組み合わせは無限となり、校正する
ことは難しい。そのため、同じにおい成分から構成され
るサンプルガスであっても、サンプルガス濃度や測定時
の採取量が変化すると、識別がうまくできないことがあ
った。そこで本発明は、ガス測定装置において、サンプ
ルガス濃度や測定時の採取量の違いに拘わらず、におい
識別能を向上させることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明を表すブ
ロック図である。本発明は、1つ又は複数個のガスセン
サを設けたセンサ部2と、ガスセンサによるサンプルガ
ス検出時の検出信号と測定の基準となるゼロガス検出時
の検出信号からセンサ出力を算出してサンプルガスの定
性又は定量を行なう信号処理部6とを備えたガス測定装
置であって、サンプルガスを希釈してセンサ部2に供給
するサンプルガス希釈機構4と、サンプルガス希釈機構
4を制御してサンプルガスを希釈し、低いサンプルガス
濃度から徐々に高いサンプルガス濃度になるように、複
数点の濃度でサンプルガスをセンサ部2に供給する希釈
サンプルガス供給制御部8を備え、信号処理部6は、サ
ンプルガス濃度とセンサ出力の関係を解析するものであ
る。
【0006】希釈サンプルガス供給制御部8により、サ
ンプルガス希釈機構4を制御してサンプルガスを希釈
し、複数点の濃度でサンプルガスをセンサ部2に供給す
る。まず、サンプルガス濃度の低い希釈サンプルガスを
検出部2に供給し、そのときの検出部2からの検出信号
及び希釈サンプルガス供給制御部8からの希釈率情報を
信号処理部6に送る。次に、希釈サンプルガスのサンプ
ルガス濃度を徐々に高くして、複数点の濃度でサンプル
ガスをセンサ部2に供給し、それぞれのサンプルガス濃
度における検出信号と希釈率情報を信号処理部6に送
る。信号処理部6は、検出信号及び希釈率情報に基づい
て、1つのガスセンサを備えている場合はそのガスセン
サ、複数個のガスセンサを備えている場合は各ガスセン
サについて、サンプルガス濃度とセンサ出力の関係を解
析する。その結果、1つの濃度でサンプルガスを測定す
るよりもにおい識別能が向上する。ガス測定装置が複数
個のガスセンサを備えている場合は、各ガスセンサのセ
ンサ出力をデータベース化することにより、におい識別
能がさらに向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】また、従来技術では、感度の高い
ガスセンサを使用した場合、通常の濃度のガス(にお
い)であっても、ガスセンサを破壊してしまう虞れがあ
った。そこで、本発明では、サンプルガス濃度を変えて
サンプルガスを測定する時にガスセンサの検出信号をモ
ニタし、その検出信号に基づいて、サンプルガス濃度が
ガスセンサを劣化又は破壊する濃度以上にならないよう
に制御する機能を希釈ガスサンプル供給制御部8に設け
ることが好ましい。
【0008】検出信号を解析することにより、サンプル
ガスの濃度を知ることができる。本発明では、サンプル
ガス濃度を徐々に高くしていくので、低濃度のサンプル
ガスを含む希釈サンプルガス検出時から、順次ガスセン
サの検出信号をモニタし、サンプルガス濃度がガスセン
サを破壊する濃度に近づいたとき、希釈ガスサンプル供
給制御部8により、そのサンプルガスをそれ以上の濃度
で供給することを中止する。その結果、ガスセンサの劣
化又は破壊を防ぐことができる。
【0009】
【実施例】図2は、本発明を導電性高分子センサを用い
たガス測定装置に適用した一実施例を表す概略構成図で
ある。ガス供給源として、サンプルガス供給部10及び
希釈用ガス供給部12が備えられている。サンプルガス
供給部10からの流路は、ポンプ14を介して、3つの
導電性高分子センサ20a,20b,20cが配置され
たセンサ部2に接続されており、サンプルガス供給部1
0のサンプルガスはポンプ14によりセンサ部2に導入
される。ポンプ14、センサ部2間の流路には、電磁弁
16を介して、希釈用ガス供給部12からの流路が合流
している。この実施例では、希釈用ガスとして窒素ガス
を用い、窒素ガスをゼロガスとしても使用する。また、
希釈用ガス供給部12は、窒素ガス量を制御して供給す
ることができる。
【0010】ガスセンサ20a,20b,20cの検出
信号は、コンピュータ18に送られる。希釈ガス供給部
12、ポンプ14及び電磁弁16は、コンピュータ18
により動作を制御される。本発明のサンプルガス希釈機
構4は、サンプルガス供給部10、希釈ガス供給部1
2、ポンプ14及び電磁弁16により構成される。信号
処理部6及び希釈サンプルガス供給制御部8はコンピュ
ータ18により実現される。
【0011】次に、この実施例の動作を説明する。電磁
弁16を開けて、希釈ガス供給部12とセンサ部2を接
続する。希釈ガス供給部12により、センサ部2に窒素
ガスをゼロガスとして送り、そのときの検出信号(セン
サ抵抗値)をコンピュータ18に送り、センサ抵抗値R
bとして記憶する。このとき、ポンプ14は停止してい
る。コンピュータ18の希釈サンプルガス供給制御部8
により、ポンプ14を所定の流量で作動させ、サンプル
ガスをサンプルガス供給部10からセンサ部2側に送る
とともに、所定の希釈率になるように希釈用ガス供給部
12から窒素ガスを供給し、サンプルガスを希釈してセ
ンサ部2に送る。サンプルガスを希釈しない場合は電磁
弁16を閉じる。
【0012】センサ部2に送られたサンプルガスをガス
センサ20a,20b,20cによりそれぞれ検出し、
その検出信号をコンピュータ18に送り、センサ抵抗値
Rsとして記憶する。コンピュータ18の信号処理部6
により、ガスセンサ20a,20b,20cのセンサ抵
抗値Rsを希釈サンプルガス供給制御部8からの希釈率
情報と対応させてセンサ出力を算出する。この実施例で
は、センサ出力=−log{(センサ抵抗値Rb)/
(センサ抵抗値Rs)}としている。上記のサンプルガ
ス測定動作を、希釈サンプルガス供給制御部8により、
希釈サンプルガスのサンプルガス濃度を徐々に高くし
て、複数点の濃度でサンプルガスをセンサ部2に供給し
て繰り返し行なう。信号処理部6は、ガスセンサ20
a,20b,20cについて、濃度とセンサ出力の関係
をそれぞれ解析する。
【0013】図3は、構成成分の異なる2種類のサンプ
ルガスA,Bを測定したときの、ガスセンサ20aにお
ける濃度とセンサ出力の関係を表す図である。縦軸はセ
ンサ出力を表し、横軸は濃度を表す。サンプルAの検出
線とサンプルBの検出線はO点で交差している。従来技
術のように、サンプルガスの希釈率(濃度)を変化させ
ずに測定を行なった場合、O点におけるサンプルガス濃
度でサンプルガスを測定したとき、センサ20aではサ
ンプルガスAとBを識別することができない。この実施
例では、サンプルガスの希釈率を変化させているので、
検出線の傾きの違いによりサンプルAとBを識別するこ
とができる。
【0014】図4(A)は、構成成分が同じで濃度の異
なる2種類のサンプルC,Dを測定したときの、ガスセ
ンサ20aにおける濃度とセンサ出力の関係を表す図で
あり、(B)は(A)のサンプルDの横軸を移動させた
ときの図である。縦軸はセンサ出力を表し、横軸は濃度
を表す。サンプルCの検出線とサンプルDの検出線の出
力の大きさが異なっている。従来技術のように、サンプ
ルガスの希釈率を変化させずに測定を行なった場合、セ
ンサ20aではサンプルガスCとDは、構成成分が同じ
で濃度が異なっているのか、又は構成成分が異なってい
るのか判断できない。この実施例では、図4(B)に示
すように、一方のサンプルの横軸を移動させるとサンプ
ルCの検出線とサンプルDの検出線が一致することが分
かり、サンプルC,Dは構成成分が同じで濃度の異なる
ガスであることが分かる。信号処理部6は、図4(A)
から(B)に移るときのように、あるサンプルの横軸を
移動させる機能を備えたもとのするのが好ましい。
【0015】このように、本発明によると、個々のガス
センサの識別能を向上させることができる。さらに、ガ
ス応答特性の異なる複数個のガスセンサを備え、各ガス
センサについて、図2に示すようなセンサ出力をデータ
ベース化することにより、ガス測定装置の識別能を向上
させることができる。この実施例では、本発明を導電性
高分子センサを用いたガス測定装置に適用しているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、酸化物半導体
センサ又は水晶振動子やSAWデバイスの表面にガス吸
着膜を形成したセンサを備えたガス測定装置にも適用す
ることができる。また、サンプルガス希釈機構は、この
実施例に示した方式のものに限定されるものではなく、
希釈率を調節してサンプルガスをセンサ部に供給するこ
とができる機構であればどのような方式ものでもよい。
【0016】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を
行なうことができる。本発明の実施態様例を下記に例示
する。1つ又は複数個のガスセンサを設けたセンサ部
と、ガスセンサによるサンプルガス検出時の検出信号と
測定の基準となるゼロガス検出時の検出信号からセンサ
出力を算出してサンプルガスの定性又は定量を行なう信
号処理部とを備えたガス測定装置において、サンプルガ
スを希釈して上記センサ部に供給するサンプルガス希釈
機構と、上記サンプルガス希釈機構を制御してサンプル
ガスを希釈し、低いサンプルガス濃度から徐々に高いサ
ンプルガス濃度になるように、複数点の濃度でサンプル
ガスを上記センサ部に供給し、そのときのガスセンサの
検出信号をモニタし、その検出信号に基づいて、サンプ
ルガス濃度がガスセンサを劣化又は破壊する濃度以上に
ならないように制御する機能するを備えた希釈サンプル
ガス供給制御部を備え、上記信号処理部は、サンプルガ
ス濃度とセンサ出力の関係を解析することを特徴とする
ガス測定装置。
【0017】
【発明の効果】本発明のガス測定装置は、サンプルガス
希釈機構と、サンプルガス希釈機構を制御してサンプル
ガスを希釈し、低いサンプルガス濃度から徐々に高いサ
ンプルガス濃度になるように、複数点の濃度でサンプル
ガスをセンサ部に供給する希釈サンプルガス供給制御部
を備え、信号処理部は、サンプルガス濃度とセンサ出力
の関係を解析するようにしたので、サンプルガス濃度や
測定時の採取量の違いに拘わらず、ガスセンサのにおい
識別能を向上させることができ、さらにガス測定装置の
におい識別能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を表すブロック図である。
【図2】 本発明を導電性高分子センサを用いたガス測
定装置に適用した一実施例を表す概略構成図である。
【図3】 構成成分の異なる2種類のサンプルガスA,
Bを測定したときの、ガスセンサ20aにおける濃度と
センサ出力の関係を表す図である。
【図4】 (A)は、構成成分が同じで濃度の異なる2
種類のサンプルC,Dを測定したときの、ガスセンサ2
0aにおける濃度とセンサ出力の関係を表す図であり、
(B)は(A)の一方のサンプルの横軸を移動させたと
きの図である。
【符号の説明】
2 センサ部 4 サンプルガス希釈機構 6 信号処理部 8 希釈サンプルガス供給制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 太生 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 (72)発明者 中野 博司 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 (72)発明者 喜多 純一 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 Fターム(参考) 2G046 AA01 AA03 AA18 EB01 2G047 CB03 2G060 AA01 AA03 AB26 AE19 AF09 BB10 HC10 KA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ又は複数個のガスセンサを設けたセ
    ンサ部と、ガスセンサによるサンプルガス検出時の検出
    信号と測定の基準となるゼロガス検出時の検出信号から
    センサ出力を算出してサンプルガスの定性又は定量を行
    なう信号処理部とを備えたガス測定装置において、 サンプルガスを希釈して前記センサ部に供給するサンプ
    ルガス希釈機構と、 前記サンプルガス希釈機構を制御してサンプルガスを希
    釈し、低いサンプルガス濃度から徐々に高いサンプルガ
    ス濃度になるように、複数点の濃度でサンプルガスを前
    記センサ部に供給する希釈サンプルガス供給制御部を備
    え、 前記信号処理部は、サンプルガス濃度とセンサ出力の関
    係を解析することを特徴とするガス測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009210455A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute ガス濃度測定装置および測定方法、累積ガス量測定装置および測定方法、ガス除去装置における除去剤の除去限界類推装置および類推方法
CN103134903A (zh) * 2011-12-01 2013-06-05 北京航天试验技术研究所 基于引射原理的大气中氢气浓度检测装置
CN110361439A (zh) * 2019-08-07 2019-10-22 北京软通智慧城市科技有限公司 气体浓度测量装置及其控制方法

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