JP2000157050A - 切枝に着生したままの葉を溶液中につけることによる切枝の長期管理育成とその発根、接木への応用。 - Google Patents

切枝に着生したままの葉を溶液中につけることによる切枝の長期管理育成とその発根、接木への応用。

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JP2000157050A
JP2000157050A JP10375379A JP37537998A JP2000157050A JP 2000157050 A JP2000157050 A JP 2000157050A JP 10375379 A JP10375379 A JP 10375379A JP 37537998 A JP37537998 A JP 37537998A JP 2000157050 A JP2000157050 A JP 2000157050A
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Satoshi Maeda
敏 前田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】葉から溶液を吸収させることにより、切枝、切
花の活性期間の延長をはかるとともに、この無菌的な葉
からの吸収機構をさし穂、つぎ穂の水管理・栄養管理に
応用し、さし木、つぎ本の技術の安定化、効率化につい
ての基礎技術の確立をはかる。 【解決手段】ここに葉からの溶液の吸収能力と、その菌
に対する二重の防禦機能、つまり細胞は菌を濾過してそ
の侵入を防ぎ、それでもなお、一部の傷口から菌が侵入
すれば、離層を形成し、茎への侵入を遮断する。こうい
った葉の機能に着目し、切枝、切花の葉を通しての無菌
的な水管理、栄養管理を利用して長期間にわたりその活
性の延長をはかる。それとともに、この無菌的な葉から
の吸収機構をさし穂、つぎ穂の水管理、栄養管理に応用
し、さし木、つぎ木技術の安定化、効率化についての基
礎技術の確立をはかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 果樹園芸、花卉、庭園草木類の
切枝の長期にわたる管理育成、発根、接木に利用し得
る。
【0002】
【従来の技術】 切枝やつぎ穂の水管理、栄養管理は、
切枝、つぎ穂の切口からの吸収に依存している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 本発明者は、先に植
物体に着生したままの葉を、肥料や農薬を含む水溶液に
つけて、葉の代謝活性を維持しつつ、長期間にわたり溶
液を吸収させる条件やその応用例について検討し、特許
を得た。その後、溶液につけた葉からの溶液の吸収の仕
組や、その持続性について検討を続けて来た。
【0004】その結果、溶液につけた葉からの溶液吸収
の仕組は、主として、通導組織によってつながる他葉の
蒸散によって生ずる負圧が原動力であり、気温、湿度、
風などにより、吸収量が支配されることがわかった。従
って蒸散が盛んな夏期高温期には、各種落葉広葉樹に着
生した葉の面積100cm当り、20〜40日間で、
115〜450gもの吸水を認めた。
【0005】ただし、長期間にわたり葉を溶液中につけ
たままでは、たとえ防腐剤を添加しても、葉からの浸出
物のために溶液は次第に腐敗する。それにも関わらず無
傷な健全な葉であれば、長期間その溶液中で緑色を保
ち、溶液の吸収力を持続することがわかった。他方、老
化した葉や傷がある葉を溶液中につけると、損傷部から
褐変が拡大し、葉の腐敗の進行とともに離層を形成し脱
落した。
【0006】無傷な健全な葉であれば、大量の菌の繁殖
にもかかわらず、その溶液中でなぜ腐敗がおこらないの
か、葉自体に殺菌力があるのか、又は細胞が菌を濾過し
て、その侵入を防いでいるのかよくわからない。しか
し、葉に損傷があれば、そこから容易に菌が侵入し、腐
敗が拡大し、やがて離層を形成し、茎や他葉への菌の侵
入を防ぐ仕組があるらしい。要するに葉は菌の侵入に対
して二重の防禦機構をもっていることが考えられ、葉か
ら吸収した溶液は無菌状態である。
【0007】切枝や切花の切口は、きわめて大きな損傷
部であり、しかも、切口付近には下方へ移行してきた有
機栄養が滞留するので、切口を水につけると、これら有
機物の溶脱により、切枝、切花は有機養分の損耗はげし
く、しかも大量の菌の繁殖をおこす。たとえ、頻繁に水
をかえたり、防腐剤を添加したり、水切りを試みても、
切枝、切花の長期間の活性の維持は困難であることは周
知のとおりである。切口には菌を濾過する細胞膜もな
く、葉のように離層を形成し菌の侵入を防ぐ仕組もな
い。切口に繁殖した菌は蒸散流によって溶液と共に通導
組織を通ってすみやかに切枝、切花全体に蔓延し、その
いっそうの消耗から枯死をもたらす。
【0008】切枝の切口は切枝栄養分の溶脱それによる
菌の繁殖をもたらし、しかもその侵入を防禦する機構を
もたず、蒸散流によって切枝全体に菌の蔓延をもたら
す。他方、健全な無傷な葉は菌の侵入を防禦する二重の
機構をもっており、しかも無菌の溶液を旺盛に吸収す
る。従って切枝は切口から溶液を吸わせるよりも、切枝
に着生した葉から溶液を吸わせる方が、ずっと長期間に
わたり活性を保ちつづけると考えられ、ひいてはその応
用として、さし穂、つぎ穂の無菌的な水管理も可能であ
ると考えられ、さし木、つぎ木の簡易化、効率化につい
ても検討を加えた。
【0009】
【課題を解決するための手段】1.切枝の切口を樹脂で
防水密封し、切口からの菌の侵入を防ぎ、ひいては切口
からの栄養分の損失を防ぎ、切枝についた葉から溶液を
吸収させて切枝の活性の延長をはかる。 2.切枝の切口を樹脂で防水密封し、切枝についた葉か
ら発根促進剤を含む水溶液を吸収させるか、又は発根促
進剤を切口から吸わせた後に、切口を樹脂で防水密封
し、切枝についた葉から溶液を吸わせて、切枝の活性の
維持と、その発根、成長をはかる。 3.切口から発根促進剤を吸わせるか、切口に発根促進
剤をまぶして、その切口を溶液につけることなく保湿す
るだけとし、切枝についた葉から溶液を吸収させ、その
活性の維持と、発根・成長をはかる。 4.台木へのつぎ穂の活着の円滑化のため、つぎ穂につ
いた葉から溶液を吸わせ、つぎ穂の活性維持と活着の円
滑化をはかる。
【0010】盛夏季から秋にかけて、約15葉をつけた
カエデの切枝10本を用い、この切枝の切口をシリコン
系シーリング剤で密封し、透明な長筒型容器に入れ、切
枝の下位葉の1葉がつかるよう注水した。切口の腐敗は
おこらず、切枝に着いた葉は約10日間、緑色を失わず
活性を持続したが、下位葉ほど老化しているので、この
水につけた葉は、やがて腐敗脱落した。脱落葉を除去
し、水を更新し、下から第2葉が水につかるまで水を注
加した。この葉が枯死脱落すれば、更に上位の葉が水に
つかるよう、水の更新注加をくり返して、3カ月間、切
枝の活性の維持をみた。 他方、切口を密封しないで、
切口を水につけると、高温のため3〜4日で切口の腐敗
が始まり、下位葉から褐変しはじめ、9日で切枝に着い
た葉の半数が枯死し、15日目頃には全葉の枯死をみ
た。切口の密封により、切枝は約6倍以上の活性期間の
延長を示した。高温期には、菌の繁殖が著しいので、葉
から水を吸わせる場合と切口から水を吸わせる場合との
ちがいは、きわめて端的にあらわれる。
【0011】9月中旬から10月中旬までの間に、約4
0cm長のキクとバラの切花各5本ずつを用い、その切
口を樹脂で密封し、透明な長筒型の容器に、切花の下部
葉が水につかるように注水し、葉から吸水させた。他
方、切口に何も処理しない切花各5本ずつを同様な容器
で切口から吸水させた。30日間、適宜に防腐剤を添加
し、2日置きに水を更新した。切口を密封しなかったバ
ラでは、3〜4日で切口に腐敗を認め、水切りを行った
が、約10日で凋萎が始まった。同様に切口を密封しな
かったキクは、早期に切口の腐敗を認め、水切りを行っ
たが、下部葉から黄化褐変し、1カ月後、花蕾はいずれ
もしっかりしていたが、約半分の葉は枯死した。これに
較べ、切口を密封すると、バラ、キクともに、切口の腐
敗は認めず、そのかわり、水中につけた下部葉から次第
に褐変が始まった。しかし、空中の葉は緑色を保ち、花
蕾も生長をつづけ、1カ月後も凋萎を認めなかった。実
験期間中はかなり高温が続いたにもかかわらず、切口密
封により、少なくとも3倍ていどの活性期間の延長が可
能となった。なお、キクでは切口を密封した区で15日
目頃からすべての個体に発根を認めた。密封しなかった
区では発根は認められなかった。花芽・花蕾をつけた切
枝であったが、切口を密封すると発根がおこったのは、
切口から有機無機栄養物質の溶脱、損耗がおこらず、切
口の腐敗、茎への菌の侵入など生長に対する負の要因が
防止されたためと思われる。
【0012】キク、ゼラニウムの何れも花芽、花蕾を除
去した切枝各10本を用い、その切口から約1時間、オ
キシベロン剤200倍水溶液を吸わせ、切口を樹脂で密
封し、透明な長円筒型容器に入れ、切枝の下部葉がつか
るまで、塩化加里、リン酸アンモン各1%水溶液を注入
し、10月上旬から同下旬まで、1週間おきに溶液を更
新しながら20日間放置した。キク、ゼラニウムとも、
すべての葉は緑色をたもち、キクでは全個体に多数の発
根をみたが、ゼラニウムでは発根を認めなかった。
【0013】透明な筒(径20cm、高さ20cm)の
中間部に仕切りをつくり、筒を上下に分け、この仕切り
に7つの小孔(径7mm)をあけた。この筒の上部か
ら、この孔にゼラニウムの切枝の切口を約3cmほどさ
しこみ、上部の筒に水を注水しても仕切りの下に水が漏
れないように、孔と茎とのすき間をシーリング剤で密閉
し、0012と同じ水溶液を上部の筒に、切枝の約1/
5がつかるまで注入した。その後、仕切りの下につき出
た切口に発根促進剤ルートンをまぶし、筒を深さ2cm
の皿に入れ、この皿に水を注入し、なお適宜に水を噴霧
して筒の下部を保湿した。9月下旬から10月中旬まで
の約20日間に、すべての個体に発根を認めた。001
2でゼラニウムが発根しなかったのは、薬剤の種類又は
濃度が不適切であったのか、酸素不足のためかわからな
い。ほぼ同時に実験を実施したので、温度の影響ではな
いと思われる。
【0014】約20cm長のゼラニウムの茎の2/3を
切り取り、残った部分を台木とし、切取った枝の花蕾を
除去したのち、この切枝をさらに2分し、約5葉をつけ
た先端部分をつぎ穂とした。割り接ぎ法で台木につぎ穂
をさしこみ、接合部を幅広のビニールひもで緊縛し、つ
ぎ穂の1葉を水につけた。このつぎ木個体5個体を実験
に用いた。水はなるべく頻繁に更新し、直射光の当たら
ない明所に、9月中旬から11月中旬までの2カ月間放
置した。台木とつぎ穂の間の通導組織の連絡の良否をし
らべるために、処理後、20日目から3日間、葉からの
吸水を一時停止したが、つぎ穂の葉の凋萎は全個体とも
認めなかった。接ぎ穂の幼葉は処理直後から生長をつづ
け、1カ月後には3個体に花蕾をつけるに至った。1カ
月半で葉からの水の供給を停止し、2カ月後にはビニー
ルひもを除去したが、全個体とも接合部の表皮の癒着を
見た。
【0015】
【発明の効果】 切枝、切花の管理において、切口から
の溶液を吸わせるよりも、無傷な葉から溶液を吸わせる
ことにより、無菌的な水分・栄養補給が可能となり、よ
ってはるかに長期間、切枝、切花の活性が維持できる。
この技術は、さし穂やつぎ穂の無菌的な水管理・栄養管
理を可能とし、さし木、つぎ木技術の安定化、効率化に
役立つことがわかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切枝の切口ではなく切口以外の茎葉の一
    部を、水だけ、又は肥料又は農薬を含む水溶液、又はこ
    れらの混合液につけて、そこから溶液を吸収させ、切枝
    を長期間にわたり管理育成し、さらにはこれを切枝の発
    根やつぎ木に応用する方法。
JP10375379A 1998-11-24 1998-11-24 切枝に着生したままの葉を溶液中につけることによる切枝の長期管理育成とその発根、接木への応用。 Pending JP2000157050A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012196204A (ja) * 2011-03-10 2012-10-18 National Agriculture & Food Research Organization 植物の長期維持方法
CN104186144A (zh) * 2014-08-12 2014-12-10 甘肃省祁连山水源涵养林研究院 西北干旱地区红瑞木露地硬枝扦插繁育方法
CN104488677A (zh) * 2014-12-10 2015-04-08 广德诚源花卉苗木种植家庭农场 一种扦插的木科植物的快繁培育方法
CN104521627A (zh) * 2014-12-10 2015-04-22 广德诚源花卉苗木种植家庭农场 一种木科植物快繁培育种苗的灌溉方法
CN106973705A (zh) * 2017-04-19 2017-07-25 苏州淳和环境科技有限公司 雏菊苗木的嫁接方法

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