JP2000154595A - ド―ム型建物の施工方法 - Google Patents

ド―ム型建物の施工方法

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JP2000154595A
JP2000154595A JP11194156A JP19415699A JP2000154595A JP 2000154595 A JP2000154595 A JP 2000154595A JP 11194156 A JP11194156 A JP 11194156A JP 19415699 A JP19415699 A JP 19415699A JP 2000154595 A JP2000154595 A JP 2000154595A
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shaped building
segment
wall
segments
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Norio Furuya
憲男 古屋
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PATENT ISLAND KK
Patent Island Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドーム型建物を高精度にかつ安全・容易に施
工するための方法を提供する。 【解決手段】 ドーム型建物本体1、通常の建築のよう
に下から組み上げていくのではなく、上部から組み立て
て行き、最後に床部及び立上り部の施工を行う。ドーム
型建物本体1の既組立部分11’の低緯度(外周)側へ
新設セグメントを連結するための組立スペースは、新設
セグメントの連結による高さ方向への延長分だけジャッ
キ7でせり上げて支持台8でせり上げ高さに支持するこ
とにより確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築技術の分野に属
するものであって、特に、一戸建ての住居用としてのほ
か、店舗、集会所、公共施設等として利用可能なドーム
型建物の施工に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一戸建て住宅の場合、在来工法による木
造建築では建築期間が長く、建築費用が嵩み、しかも作
業者の技量等によって品質のばらつきが大きいことか
ら、近年、本発明者は、建築期間が短くなり、安価で、
構造的に安定し強度の高いドーム型建物を開発した(特
願平9−148470号)。しかしながら、このドーム
型建物を高精度に施工するための方法は確立されていな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明が解
決しようとする主な技術的課題は、ドーム型建物を高精
度で施工するための工法を提供し、品質の向上を図るこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明の施工方法は、ドームを経度方向及び緯度方向に
分割した形状の多数のセグメントからなるドーム型建物
の施工において、まず基礎コンクリートを打設し、ドー
ム型建物本体をその高緯度側から低緯度側へ前記セグメ
ントを順次連結することにより組み立てて行き、組立が
完了した前記ドーム型建物本体の下端部と前記基礎コン
クリートとの間に立上り部を構築して前記ドーム型建物
本体の下端部と連結するものである。この場合、前記ド
ーム型建物本体の組立は、その既組立部分を支持手段を
介して浮上支持してせり上げて行くことによって、前記
既組立部分の下に所要の組立スペースを確保しながら行
われる。なお、ここでいう「緯度」「経度」とは、前記
ドーム型建物を惑星表面に見立て、その天頂部を惑星の
一方の極に見立てて表現したものである。
【0005】本発明の特徴は、ドーム型建物本体を通常
の建築のように下から組み上げていくのではなく、高緯
度側すなわち上部から組み立てて行き、組み立てた部分
(既組立部分)を順次せり上げて行くことにある。この
ような工法とすれば、施工の進捗に伴って施工高さが高
くなって行くことがなく、常に地上に確保された組立ス
ペースで組立作業を行うことができるので、安全かつ容
易に施工することができる。
【0006】基礎コンクリートの打設範囲は、地盤上に
任意に決定される中心点から水平方向へ放射状に張設さ
れる複数の径方向線材及びこれら各径方向線材間に連結
され水平に張設される輪郭線材とからなる形状出し部材
によって、水平面に対するドーム型建物本体の投影形状
と相似の形状に区画される。このようにすれば、従来の
複雑な測量手順で区画作業を行う必要がなく、前記形状
出し部材を張設するだけで容易・迅速に基礎コンクリー
トの打設範囲を決定することができる。形状出し部材を
張設したら、その輪郭線材で囲まれた領域の根切り等を
行い、その外縁に沿って型枠を設置し、この型枠によっ
て囲まれた領域に基礎コンクリートを打設する。
【0007】また、基礎コンクリートの打設範囲は、地
盤上に任意に決定される中心点から所定の距離をもって
設置され互いに連結される複数の板からなる形状出し部
材によって、水平面に対するドーム型建物本体の投影形
状と相似の形状に区画され、前記複数の板が、基礎コン
クリートの打設用型枠を兼ねるようにすることもでき
る。
【0008】ドーム型建物本体の組立は、緯度方向に互
いに隣接して配置されるセグメントをこれら各セグメン
ト内を前記緯度方向に貫通した孔内に掛止される引張ば
ねにより連結し、かつ経度方向に互いに隣接するセグメ
ントを適宜連結部材を介して連結することにより行う。
この方法によれば、既設セグメントへの新設セグメント
の組立作業が容易である。ドーム型建物本体は、基本的
には緯度方向に隣接する各セグメントが、前記引張ばね
を介して連結され、必要に応じて他の連結手段も併用さ
れる。また、経度方向に互いに隣接した各セグメント
は、連結部材を介して互いに連結することによって、経
度方向に対するセグメントの接合が確実に行われる。
【0009】また、ドーム型建物本体の組立において
は、上記のような引張ばねを用いずに、緯度方向に互い
に隣接して配置されるセグメントをこれら各セグメント
に設けられる係合手段を介して係合し、適宜連結部材を
介して連結することによっても行うことができる。この
場合は、セグメントに、前記引張ばねを収容・掛止する
ための孔を開設する必要がない。
【0010】ドーム型建物本体の既組立部分の低緯度側
へ新設セグメントを連結するための組立スペースは、前
記既組立部分が新設セグメントの連結によって低緯度側
へ延長された分だけ適時にせり上げることにより確保す
る。このせり上げは、基礎コンクリート上に径方向移動
可能に配置した複数の支持手段、例えばジャッキ及び支
持台を用いて行われる。したがって、前記既組立部分の
下縁部の径が新設セグメントの連結によって低緯度側へ
延長されるのに伴って大きくなる部分では、前記支持手
段による前記既組立部分の支持位置が前記せり上げの都
度外周側へ移動されることになる。
【0011】セグメントを低緯度側の端部まで連結する
ことによって、ドーム型建物本体における外壁部の組立
が終わったら、その下端部に大引き、根太及び土台等を
構築する。前記外壁部の組立過程で生じた組立誤差は、
大引き、根太及び土台の寸法が正確であれば、これらの
構築過程で設計形状に自動的に修正される。
【0012】ドーム型建物本体の下端部と立上り部との
連結は、基礎コンクリート上に、前記ドーム型建物本体
の下端部に適当な間隔で突設された複数のアンカーの各
々と対応して立上り部用型枠を配置し、前記各アンカー
を包囲した状態とした前記各立上り部用型枠内にコンク
リートを打設することにより行う。このコンクリートが
硬化することにより立上り部が形成されたら、支持手段
によるドーム型建物本体の支持は解除する。
【0013】ドーム型建物本体を構成する各セグメント
は、所定厚さの木材を積層して接合した中実の集成材か
らなるものが好ましい。ドーム型建物本体外壁部は、基
本的には柱や梁による支持が不要であり、断面が半円状
構造物は強度が大きいため、地震や強風等による外力に
対して優れた強度を発揮する。そして、前記集成材から
なるセグメントはそれ自体の強度が大きいため、前記外
壁部の充分な強度を確保することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の好ましい一実施形
態に係る施工方法によって構築されるドーム型建物の正
面図、図2は水平断面図、図3は鉛直断面図で、参照符
号1はドーム型建物本体、参照符号2A〜2Cは基礎コ
ンクリート、参照符号3は基礎コンクリート2A上に前
記ドーム型建物本体1を支持しているコンクリートから
なる立上り部である。
【0015】ドーム型建物本体1は、水平面に対する投
影形状が、例えば一辺が約3.7m、対辺距離が約9m
のほぼ正八角形(底面面積が約24坪)をなすと共に鉛
直面に対する投影形状が略半円をなす伏椀状を呈する木
造建築物であり、多数の外壁セグメント111を緯度方
向に連結した8面のセグメント列11A〜11Hからな
るドーム外壁部11と、この外壁部11の天頂部に取り
付けられた天頂部材12と、前記ドーム外壁部11のう
ち四方のセグメント列11A,11C,11E,11G
に組み込まれた開口部ユニット13A〜13Dと、ドー
ム外壁部11等の表面を被覆する防水シート及び屋根材
14と、床部15とで構成される。なお、基礎コンクリ
ート2A〜2Cのうち、基礎コンクリート2Aはドーム
型建物本体1の底面形状に相似するものであり、基礎コ
ンクリート2B及び2Cは、それぞれ玄関としての開口
部ユニット13Aにおけるアプローチ階段13e、及び
バス・トイレスペースとしての開口部ユニット13Bに
対応するものである。
【0016】本実施形態による施工方法の説明に先立っ
て、まず、ドーム型建物本体1のうち、主にドーム外壁
部11及び開口部ユニット13A〜13Dの構造につい
て説明する。
【0017】ドーム外壁部11(セグメント列11A〜
11H)を構成する外壁セグメント111は、このドー
ム外壁部11を、その天頂部を惑星の極に見立てた場合
にその緯度及び経度方向に分割した形状を呈する。な
お、前記ドーム外壁部11(セグメント列11A〜11
H)は、図3に示す鉛直断面において、低緯度側の部分
は前記天頂部を通る鉛直線O上の点Pを中心とする円周
Qに沿っているが、高緯度側の部分は、前記円周Qより
もやや上方へ偏在している。これは、防水の見地から、
天頂部付近でも有効な水勾配を確保するためである。ま
た、このようにすることによって、天頂側からの荷重が
低緯度側へ確実に伝達されるようになっている。
【0018】図4は外壁セグメント111の典型的な形
態を示すもので、すなわち各外壁セグメント111は、
この図4に示すように、所定厚さの木材(例えばホワイ
トウッド)を緯度方向に積層して接合した中実の集成材
からなるが、複合材料からなるパネル等で構成すること
もできる。また、各外壁セグメント111の緯度方向の
幅Wa及び厚さTは全て等しく、例えば緯度方向の幅W
aは260mm、厚さTは80mmである。
【0019】ドーム外壁部11における各セグメント列
11A〜11H間の縦目地11aの間隔は、低緯度側か
ら3段目のセグメントまでは互いに平行(鉛直)である
が、4段目からは高緯度ほど(天頂に近い部分ほど)狭
くなるため、4段目以上の外壁セグメント111は、図
4に示すように、経度方向両端面111a,111b
が、高緯度側へ向けて経度方向の幅Wbを減少させるよ
うに、かつ背面側へ向けて前記経度方向の幅Wbを減少
させるように傾斜している。また、下側(低緯度側)か
ら3段目までのセグメントは、高緯度側の端面111c
及び低緯度側の端面111dが、図5(A)に示すよう
に互いに平行かつ外側面及び内側面に対して直角に形成
されているが、4段目以上では、各高緯度側の端面11
1c及び低緯度側の端面111dは互いに僅かな角度を
なして傾斜している。
【0020】各外壁セグメント111には緯度方向に貫
通したばね挿通孔111eと、緯度方向両端面に位置す
るダボ穴111f,111gが設けられており、前記ば
ね挿通孔111eは、その一端に拡張形成された金具収
容部111e’を有する。
【0021】図5は緯度方向に隣接する外壁セグメント
111の連結構造を部分的に示す断面図である。この図
5に示すように、セグメント列11A〜11Hを構成す
る各外壁セグメント111は、金具収容部111e’内
に配置された掛合金具112と、前記ばね挿通孔111
eに挿通されると共に両端が前記掛合金具112に掛合
された連結ばね113を介して互いに連結されている。
連結ばね113の自由長は、各外壁セグメント111の
緯度方向の幅Waよりも小さく、このため前記連結状態
では適宜引き伸ばされており、緯度方向に隣り合う外壁
セグメント111は、その重量による圧接力と前記連結
ばね113の引張荷重による圧接力を受けて、互いにし
っかりと衝合される。また、前記ダボ穴111f,11
1gは互いに緯度方向に隣接する外壁セグメント111
における互いに対向する位置に設けられており、前記緯
度方向に隣接する外壁セグメント111同士は、その双
方の対向するダボ穴111f及び111gに跨がって介
入されたダボ114によって厚さ方向及び経度方向に互
いに位置決め係止されている。
【0022】図6は開口部ユニット13A(13B,1
3C,13D)が設けられたセグメント列11A(11
C,11E,11G)を示す正面図、図7は前記開口部
ユニット13A(13B,13C,13D)が設けられ
ていないセグメント列11B(11D,11F,11
H)を示す正面図である。この図6及び図7に示すよう
に、掛合金具112と連結ばね113が交互に連結され
たばね列による緯度方向への外壁セグメント111の連
結は、各セグメント列11A〜11Hにおける高緯度側
では各外壁セグメント111の経度方向中間部で行われ
ており、中・低緯度側では各外壁セグメント111の経
度方向両端近傍で行われている。また、前記各ばね列の
緯度方向両端は、アイボルト115及びカンザシ116
によって係止されている。
【0023】アイボルト115及びカンザシ116によ
るばね列両端の係止構造について更に説明すると、図5
(B)に示すように、例えば各セグメント列11A〜1
1Hにおける最も低緯度(下端)の土台セグメント11
1Bには、その上に隣接する第二段目の外壁セグメント
111のばね挿通孔111eと対応してアイボルト挿通
孔111hが開設され、アイボルト115はこのアイボ
ルト挿通孔111hに挿通されている。そしてこのアイ
ボルト115は、先端フック部115aが、前記第二段
目の外壁セグメント111の下面に開口した金具収容部
111e’内の掛合金具112に係合された状態でナッ
ト115bで緊結され、これによって、低緯度側におけ
るばね列の下端部が係止されている。また、前記ばね列
の他方の端部は、先に述べたようにカンザシ116で係
止される。このカンザシ116は、ばね挿通孔111e
開口部近傍を横断するように所定の外壁セグメント11
1に取り付けられている。
【0024】土台セグメント111Bには、所要数のア
ンカーボルト挿通孔111iが開設されており、ドーム
型建物本体1は、前記各アンカーボルト挿通孔111i
に挿通されたアンカーボルト117を介して立上り部3
に連結されている。
【0025】開口部ユニット13A〜13Dが設けられ
ていない四方のセグメント列11B,11D,11F,
11Hにおいては、各外壁セグメント111には、その
経度方向中間部に、図4に示すように厚さT方向に貫通
した支持孔111jが形成されており、この支持孔11
1jに交差して、緯度方向に貫通した配管・配線用孔1
11kが形成されている。前記支持孔111jはドーム
型建物本体1に外装された防水シート及び屋根材14に
より閉塞され、また、前記配管・配線用孔111kは図
7に示す前記各セグメント列11B,11D,11F,
11Hにおいて、その緯度方向に連続したものとなって
いる。
【0026】各セグメント列11A〜11Hは、経度方
向両端面同士が縦目地11a,11aにおいて圧接して
おり、経度方向に隣接する外壁セグメント111同士
は、後述する接合プレート118(図14及び図15参
照)を介して互いに結合されている。また、緯度方向に
隣接する外壁セグメント111間にも、接合プレート1
18Aが取り付けられる。
【0027】ドーム型建物本体1における天頂部材12
は、各セグメント列11A〜11Hにおける最も高緯度
側のセグメントと連結された正八角形状の下端枠部12
Aと、その上に立ち上がる窓部12Bと、その上に支持
された上側へ凸の球面状を呈する半透明の採光用トップ
ライト12Cとからなる。前記下端枠部12aは、前記
各セグメント列11A〜11Hと対応する八ピースの枠
セグメント(後述)からなる。また前記窓部12Bは、
図示されていないギヤードケーブルを介して、建物下部
からのハンドル操作又は電動によって開閉される公知の
スイング式開閉機構を有するものである。
【0028】開口部ユニット13A〜13Dは、アーチ
型屋根部13a及びその両端から下方へ延びる一対の袖
壁部13bと、前記アーチ型屋根部13aの内側に嵌め
込まれた状態に設けられた垂壁部13cとを有する。ア
ーチ型屋根部13a、袖壁部13b及び垂壁部13c
は、それぞれ複数のアーチセグメント131、袖壁セグ
メント131’、垂壁セグメント131”を連結したも
のである。ドーム外壁部11のうち、前記開口部ユニッ
ト13A,13B,13C又は13Dが取り付けられた
セグメント列11A,11C,11E,11Gは低緯度
側の外壁セグメント111L,111Rが左右に分離し
ており、その間に逆U字形の開口部11bが形成されて
いる。そして開口部ユニット13A〜13Dにおける左
右の袖壁部13bを構成する袖壁セグメント131’
は、それぞれラグスクリュ136を介して前記開口部1
1bの両側の外壁セグメント111L,111Rに直角
に固定されている。
【0029】アーチセグメント131,袖壁セグメント
131’垂壁セグメント131”は、基本的にはドーム
外壁部11の外壁セグメント111と同様の連結構造を
有するものである。すなわち図6及び図8に示すよう
に、アーチ型屋根部13aにおける各アーチセグメント
131及び袖壁部13bにおける各袖壁セグメント13
1’は、各々のばね挿通孔に挿通された連結ばね133
と、前記ばね挿通孔の一端の金具収容部に配置された掛
合金具132とが交互に連結され両端がアイボルト13
5及びカンザシ137に連結されたばね列によって連結
されると共に、ダボ134によって互いに位置決め係止
されている。垂壁部13cを構成する各垂壁セグメント
131”の連結も同様である。なお、図8における参照
符号131aは、袖壁部13bの肉厚内を鉛直方向に連
続するようにその各袖壁セグメント131’に貫通形成
された配管・配線用孔、138は接合プレートである。
【0030】図1及び図2に示すように、四方の開口部
ユニット13A〜13Dのうち開口部ユニット13Aは
玄関を構成するものであり、その袖壁部13b、垂壁部
13c及び土台セグメント111Bで囲まれた枠には観
音開きの玄関ドア13dが取り付けられている。なお、
玄関ドア13dの開閉形式は観音開きに限定されるもの
ではなく、引き戸、親子扉等、種々のものが適用可能で
ある。この玄関ドア13dの正面側にはアプローチ階段
13eが構築されている。
【0031】また、玄関以外の部分の開口部ユニット1
3B〜13Dのうち、アーチ型屋根部13a及び袖壁部
13bが長く形成された開口部ユニット13Bは、その
内部がバス・トイレスペースとして利用可能になってお
り、他の開口部ユニット13C,13Dは窓部を構成す
るものである。これらの開口部ユニット13B〜13D
には引き戸式の窓サッシ13fあるいは観音開き式の窓
サッシ13gが取り付けられている。
【0032】なお、上記構成において、ドーム外壁部1
1の各セグメント列11A〜11Hにおけるばね列は、
構造体としては必ずしも必要なものではない。したがっ
て、図9に示すように、緯度方向に隣接する前記外壁セ
グメント111同士は、その緯度方向両端面111c,
111dに形成された互いに対向するダボ穴111f,
111gと、これに跨がって介入されたダボ114によ
って、厚さ方向及び経度方向に互いに位置決め係止され
ると共に、金属からなる後述の接合プレートを介して互
いに接合・連結された構造とすることができる。そして
この場合は、各外壁セグメント111に、連結ばね11
3やこれを連結する掛合金具114が不要であり、これ
らを内蔵するばね挿通孔111eの開設も不要であるた
め、材料コストや加工コストを低くすることができる。
開口部ユニットのセグメントも同様である。また、接合
面同士を接着剤を介して接着することも好ましい。ま
た、図5では下側から3段目までのセグメントを垂直に
立上がらせているが、図9のようにこれを2段あるいは
それ以外の段数にしても良い。
【0033】次に、上述のようなドーム外壁部11及び
開口部ユニット13A〜13Dを備えるドーム型建物を
施工する場合の、基礎工事から建物完成までの施工方法
を順を追って説明する。
【0034】図10は、当該ドーム型建物の建築予定敷
地に基礎コンクリートの打設範囲を決定する作業を示す
ものである。この図において、参照符号4は、敷地境界
線や隣接建物の位置等を考慮して決定されたドーム型建
物の位置の中心に打ち込んだ杭101の中心に係止され
る結束部4aから延びる八本の径方向線材41a〜41
hと、これら各径方向線材41a〜41h間に連結され
た八本の輪郭線材42a〜42h及び輪郭線材42h,
42b間に連結され輪郭線材42aと平行に張設される
副輪郭線材43とからなる形状出し部材である。各線材
は、容易に伸びることのない合成繊維等の糸からなる。
【0035】この形状出し部材4は、図10に示すよう
に結束部4aを中心杭101に係止して各線材を弛みの
ない状態に張設する。この状態においては、輪郭線材4
2b〜42h及び副輪郭線材43がドーム型建物本体1
の投影形状より僅かに大きな正八角形を描くように張設
され、輪郭線材42aが前記正八角形の一辺(副輪郭線
材43)の外側に位置して張設される。すなわち、輪郭
線材42a〜42hは、八つの角のうち隣接する二角が
正八角形の頂点より外側に位置し他の六つの角はほぼ前
記正八角形の各頂点に位置する変則八角形をなす。形状
出し部材4を張設したら、輪郭線材42a〜42hによ
る変則八角形の各頂点の外側に杭102を打ち込み、各
径方向線材41a〜41hの先端をそれぞれ前記各杭1
02に繋着する。
【0036】なお、輪郭線材42aは玄関となる部分を
区画するものであり、したがって形状出し部材4の張設
は中心杭101に対する前記輪郭線材42aの方角を考
慮して行う。
【0037】次に、形状出し部材4の輪郭線材42a〜
42hで囲まれた領域の地盤を根切りする。この根切り
作業においては、図11に示すように、輪郭線材42a
〜42hによる変則八角形の各辺に沿った根切り溝Ga
と、前記変則八角形の各内角に位置するフーチング用凹
部Gbとを掘削する。なお、前記フーチング用凹部Gb
の掘削範囲は、前記八角形の各内角と合致する形状の寸
法出し板5を予め準備しておくことによって、容易に決
定することができる。
【0038】次に図12に示すように、根切り溝Gaに
型枠6を設置して組み立てる。この型枠6は形状出し部
材4の各輪郭線材42a〜42hと対応する長さの八枚
の堰板6a〜6hからなり、このうち輪郭線材42c〜
42gに沿って設置される堰板6c〜6gは正八角形の
各辺に相当して互いに等しい長さとなっており、玄関側
となる部分に設置される堰板6aは輪郭線材42aと対
応して前記堰板6c〜6gよりも短く、その両側に設置
される堰板6b,6hは長くなっている。また、この型
枠6で囲まれた基礎コンクリート打設領域には、コンク
リート強度を出すために、割り栗石又は礫(図21に参
照符号25で示される)を敷設し、更に図12に一部の
み示すように鉄筋からなるワイヤメッシュ21を敷設す
ると共に、各フーチング用凹部Gb上に位置して鉄筋か
ご31を設置する。鉄筋かご31は、上下に延びる複数
の主筋やこれを取り巻く複数のフープ筋等からなるもの
であって、その設置状態では、前記主筋の下端部が前記
ワイヤメッシュ21の下側で外側へ展開するように延び
ている。
【0039】上述した型枠6の設置作業、ワイヤメッシ
ュ21の敷設及び鉄筋かご31の設置作業が終わった
ら、前記型枠6で囲まれた領域に基礎コンクリート2A
を打設する。この基礎コンクリート2Aは、先の図3に
示すように、基礎スラブ22と、根切り溝Gaに対応す
る基礎梁23と、フーチング用凹部Gbに対応するフー
チング部24とからなるものである。打設後所定の養生
期間が経過して、この基礎コンクリート2Aに所要の強
度が発現されたら、型枠6を解体する。
【0040】図12において各フーチング用凹部Gbに
設置した鉄筋かご31は、基礎コンクリート2Aの打設
によって、下端部がこの基礎コンクリート2Aに埋設さ
れた状態で固定される。
【0041】硬化した基礎コンクリート2Aの表面に
は、図13に示すように、墨壺等の適当な線引き具を用
いてあたかもクモの巣のように延びる多数のガイド線L
(La〜Lc)を描く。この線引きに際しては、まず基
礎コンクリート2Aの中心から正八角形の各頂点に向け
て線Laを引き、次に前記中心から正八角形の各辺の中
点へ延びる垂線Lb及び前記各辺と平行な例えば50c
mピッチの線Lcを引く。このガイド線Lは、後述する
ジャッキ7をドーム外壁部11の組立に伴って徐々に外
周側へ移動させる際の目安となるものである。そしてこ
れらの作業の終了後に、ドーム型建物本体1の組立を開
始する。なお、図13において参照符号26で示す部分
は、基礎コンクリート2Aの外周に沿って礫などを敷設
することによって形成した犬走りである。
【0042】ドーム型建物本体1の組立においては、ま
ず図14の斜視図に示すように、天頂部材12における
正八角筒状の下端枠部12Aを構成する八ピースの枠セ
グメント121と、ドーム外壁部11における各セグメ
ント列11A〜11Hの最も高緯度側の外壁セグメント
111Tとをラグスクリュ122で結合し、経度方向へ
隣接する枠セグメント121同士は接合プレート123
及びこの接合プレート123の複数の孔に打ち込まれる
ビスを介して八角筒状に結合し、経度方向に隣接する外
壁セグメント111T同士は接合プレート118及びこ
の接合プレート118の複数の孔に打ち込まれるビスを
介して八角錐状に結合する。なお、枠セグメント121
の内側面同士も接合プレート123’を介して連結され
る。
【0043】ドーム外壁部11における最も高緯度側の
外壁セグメント111Tにはその経度方向略中央部に緯
度方向にアイボルト挿通孔111hが開設されている。
このアイボルト挿通孔111hには、枠セグメント12
1と外壁セグメント111Tとの結合に際して、予めア
イボルト115を挿通し、ナット115aで固定してお
く。そして、前記各アイボルト挿通孔111hの低緯度
側の開口に位置する各アイボルト115の先端フック部
115bには、連結ばね113の一端のフック部113
aを掛合する。
【0044】また、枠セグメント121で正八角筒状に
組み立てられた下端枠部12Aの上には天頂部材12に
おける窓部12B及び採光用トップライト12C(後述
の図16参照)を取り付ける。前記窓部12Bからは、
これを開閉操作するためのギヤードケーブル(図示省
略)が延在されているが、このギヤードケーブルは、外
壁セグメント111の連結によってドーム外壁部11が
延長されて行く過程で、このドーム外壁部11の内側面
に固定して行く。
【0045】ドーム外壁部11における最も高緯度側か
ら二番目の外壁セグメント111の組立作業において
は、図15に示すように、最も高緯度側の既設の外壁セ
グメント111Tにおけるアイボルト115に掛合した
連結ばね113を、新設する外壁セグメント111のば
ね挿通孔111eに挿通し、図示されていない適当な治
具を用いてこのばね挿通孔111eの低緯度側の開口
(金具収容部111e’)から前記連結ばね113の他
端のフック部113bを引っ張り出して、掛合金具11
2を掛合する。掛合金具112は金具収容部111e’
に収容状態で係止されるので、新設セグメント111は
連結ばね113の引張荷重によって既設のセグメント1
11Tに連結される。またこの時、新設セグメント11
1の高緯度側端面111cに形成されたダボ穴111f
にはダボ114が装着されており、このダボ114が既
設のセグメント111Tのダボ穴111gに挿入される
ようにする。
【0046】以下、ドーム外壁部11における最も高緯
度側から三番目以降の外壁セグメント111も同様にし
て、連結ばね113及び掛合金具112により順次組み
付けて低緯度側へ延長していくと共に、接合プレート1
18,118Aで経度方向及び緯度方向に連結してい
く。また、連結が終わった部分(既組立部分)の外側面
には防水シート及び屋根材14(図1参照)を貼り付け
ていく。
【0047】また、先の図9のように、外壁セグメント
111の連結手段としてばね列を用いないものにおいて
は、上述のようなアイボルト115の取付、連結ばね1
13及び掛合金具112の掛合・連結といった作業は行
われない。この場合は、ダボ穴111f,111gとダ
ボ114を嵌合させたら、新設のセグメントが脱落する
ことのないように押さえながら接合プレート118Aを
介して互いに連結し、かつ経度方向に隣接する外壁セグ
メント111同士を、接合プレート118を介して互い
に連結すれば良い。
【0048】図16に示すように、ドーム外壁部11の
組立作業は、その既組立部分11’を基礎コンクリート
2Aの基礎スラブ22上にジャッキ7及び支持台8を介
して同心的に浮上支持し、かつ順次せり上げて行くこと
によって、前記既組立部分11’の下に所要の組立スペ
ースを確保しながら行われる。
【0049】図17は、ジャッキ7及び支持台8の概略
構成及びその使用状態を示すものである。ジャッキ7
は、アーム71の揺動操作によって、リフト72が鉛直
に保持されたラック73を上下移動する既知の構成を備
え、前記ラック73を台座74及び複数の脚部75を介
してジャッキ保持台76に固定してある。また支持台8
は、台座81から鉛直に立ち上がる支柱82と、その上
端にヒンジ83を介して俯仰変位可能に取り付けられた
第一の挟持板84と、この挟持板84の中央部から垂直
に延びるボルト85に差し込まれナット86によって前
記第一の挟持板84との挟持力を与えられる第二の挟持
板87とからなる。
【0050】ジャッキ7及び支持台8は、図18の平面
図に示すように、基礎コンクリート2Aの上にドーム外
壁部11の既組立部分11’におけるセグメント列11
B,11D,11F,11H(開口部ユニット13A〜
13Dが設けられないセグメント列)の低緯度側の端部
の下側に位置して、基礎コンクリート2Aの中心から等
距離の位置に、それぞれ四台ずつ配置される。本実施形
態による施工方法では、先に図13において説明したよ
うに、予め基礎コンクリート2Aの上面にガイド線La
〜Lcの線引きを行うが、このガイド線La〜Lcは、
前記ジャッキ7及び支持台8の設置の目安となるもので
ある。
【0051】セグメント列11B,11D,11F,1
1Hにおける外壁セグメント111は、先に図4で説明
したように、厚さT方向に貫通した支持孔111jが形
成されており、前記支持台8は、ボルト85がこの支持
孔111jを貫通した状態で第一及び第二の挟持板8
4,87がナット86の緊結力により前記外壁セグメン
ト111を挟持するようになっている。
【0052】先の図17においては、支持台8が、ドー
ム外壁部の既組立部分11’をそのセグメント列11
B,11D,11F,11Hにおけるn番目(最も低緯
度側)の外壁セグメント111を挟持することにより
支持している状態を示している。すなわちこの状態で
は、前記既組立部分11’の低緯度側の端部と基礎コン
クリート2Aとの間に、支柱82の高さによる所定の組
立スペースが確保されるため、前記n番目の外壁セグメ
ント111の低緯度側に、n+1番目の外壁セグメン
ト111n+1を新設する作業を容易に行うことができ
る。
【0053】全てのセグメント列11A〜11Hにおい
てn+1番目の外壁セグメント111n+1の結合作業
が終わったら、各ジャッキ7のリフト72を上昇させ
る。このリフト72に形成された支持部72aは、新設
された前記外壁セグメント111n+1の低緯度側の端
部を下側から持ち上げるので、これによってドーム外壁
部の既組立部分11’がせり上げられる。またこれに伴
って、n番目の外壁セグメント111に取り付けられ
ている支持台8は、その下端の台座81が、図16に示
すように基礎コンクリート2Aの上面から離れることに
なるので、前記せり上げに際して支持台8を前記n番目
の外壁セグメント111から取り外す。
【0054】ジャッキ7によってドーム外壁部の既組立
部分11’が、新設された外壁セグメント111n+1
に支持台8を取り付け可能となる所要の高さだけせり上
げられたら、各支持台8を新設セグメント111n+1
にそれぞれ付け替える。そしてその後、ジャッキ7のリ
フト72を下降させることによって、支持台8はその台
座81が基礎コンクリート2A上に接地され、この時点
で前記既組立部分11’の支持がジャッキ7により行わ
れていた状態から再び支持台8による支持状態へと移行
される。
【0055】なお、上述した外壁セグメント結合・せり
上げ作業においては、必ずしもセグメント列11A〜1
1Hの外壁セグメント111が低緯度側へ一個新設され
る度に、セグメント一段分のせり上げを行う必要はな
い。すなわち、図17に示されるジャッキ7と支持台8
の設置間隔によって、例えば支持台8に支持されている
n番目の外壁セグメント111の低緯度側に、n+1
番目の外壁セグメント111n+1及びn+2番目の外
壁セグメント111n+2(図示省略)といった複数段
の外壁セグメントを新設してから、それに対応する高さ
だけせり上げを行うことも可能である。
【0056】また、天頂部材12の組立及びドーム外壁
部11における各セグメント列11A〜11Hの高緯度
側の外壁セグメント111の組立は、必ずしも基礎コン
クリート2Aの中央部上で行う必要はない。したがっ
て、基礎コンクリート2Aの硬化を待たずに、その隣接
した位置等で前記天頂部材12の組立を開始し、前記基
礎コンクリート2Aが所要の硬度を発現したら、ガイド
線La〜Lcの線引き後にその上へ移動して、ジャッキ
7及び支持台8により支持して組立を継続するようにし
ても良い。
【0057】ドーム外壁部における既組立部分11’の
下縁部の径は、セグメント111が低緯度側へ新設され
る度に拡大されるため、図18に示すように、前記既組
立部分11’に対する支持台8の支持位置及びジャッキ
7によるせり上げ位置は、セグメント111の新設の都
度基礎コンクリート2Aの外周側へ徐々に移動すること
になる。この移動は、基礎コンクリート2Aの上面に描
かれたガイド線La〜Lcを目安として行われる。
【0058】なお、ジャッキ7及び支持台8を、既組立
部分11’のセグメント列11B,11D,11F,1
1Hと対応して配置するのは、他のセグメント列11
A,11C,11E,11Gにおいては、低緯度側でセ
グメントが左右に分離し、開口部ユニット13A〜13
Dを設けるための開口部11bが形成されるからである
(図6参照)。
【0059】また、図13及び図18では、ガイド線L
a〜Lcが、基礎コンクリート2Aの上面全域に描かれ
ているが、上述のように、ジャッキ7によるドーム外壁
部の既組立部分11’のせり上げ及び支持台8による支
持は、開口部ユニット13A〜13Dが設けられないセ
グメント列に対して行われるため、ガイド線Lb,Lc
は、線Laで区画された領域のうち、ジャッキ7及び支
持台8が配置される領域にのみ描いても良い。
【0060】ドーム外壁部11が最も低緯度側の端部で
ある土台セグメント111Bまで組み立てられたら、図
19に示すように、床部15の施工を行う。床部15の
施工においては、まず前記土台セグメント111Bの内
側に、セグメント列11A,11Eの土台セグメントに
対して直角な方向に延びる複数の大引き151と、これ
に直交しセグメント列11C,11Gの土台セグメント
に対して直角をなす方向に延びる複数の大引き152を
それぞれ所定間隔で水平に取り付ける。外壁セグメント
111の連結過程で、徐々に組み立てられて行くドーム
外壁部11には多少の狂いが生じることがあるが、この
ような組立誤差は、大引き151,152の取り付けに
よって修正され、すなわちドーム外壁部11は水平面に
対する投影形状がほぼ正八角形に整形される。また、大
引き151,152の交差部等の下側には、下端が基礎
コンクリート2Aに当接し高さ調節可能な束(図示省
略)が取り付けられる。なお、前記大引きは必ずしも交
差形状に設ける必要はなく、一方向に平行に延びるもの
として、大引き、根太、土台の組付け過程でドーム外壁
部11が修正されるようにすることができる。
【0061】大引き152には、多数の根太153を所
定間隔で水平かつ互いに平行に取り付け、更にこの根太
153の上に床板154が張られる。また、前記根太1
53の下部には合板等の細長い板からなる断熱材受け1
55(図21参照)が取り付けられており、前記床板1
54の下側に断熱材156が前記断熱材受け155によ
って支承された状態で取り付けられる。なお、前記断熱
材受け155は、図22に示すように合板等の板材を根
太153の側面下部に打ち付けたものであっても良い。
【0062】一方、先の図5に示すように、ドーム外壁
部11における各土台セグメント111Bに形成された
アンカーボルト挿通孔111iにはアンカーボルト11
7を取り付ける。このアンカーボルト117は、基礎コ
ンクリート2A上の所定箇所に固定された状態にある鉄
筋かご31と対応する位置にある。また、前記各鉄筋か
ご31の外周には、図20に示すようにそれぞれ円筒状
型枠32を設置する。
【0063】円筒状型枠32の設置後は、ドーム型建物
本体1の土台セグメント111Bの下端が前記円筒状型
枠32の上端高さとなるように、かつ床部15が水平と
なるように、ジャッキ7を操作してその支持高さを調整
する。これによって、アンカーボルト117の下端部は
前記円筒状型枠32の内周空間に挿入された状態とな
る。
【0064】上述の高さ調整終了後は、図21に示すよ
うに、各円筒状型枠32の内周空間にコンクリートを打
設することによって立上り部3を形成する。打設後4〜
5日の養生期間の経過によって、前記コンクリート(立
上り部3)に所要の強度が発現されたら、前記円筒状型
枠32及びジャッキ7を取り外す。また、ジャッキ7を
取り外した後はアンカーボルト117のナットの締め付
けによってドーム型建物本体1の高さを微調整し、土台
セグメント111Bと立上り部3との間を無収縮モルタ
ル33を充填することによって前記アンカーボルト11
7を完全に埋設状態とし、ドーム型建物本体1の荷重が
前記無収縮モルタル33を介して立上り部3に伝達され
るようにする。
【0065】図23は、開口部ユニット13A〜13D
の組立手順を示すものである。この組立においては、ま
ず図23(A)のように、9段の袖壁セグメント13
1’を下側から組み立てて行くことによって左右の袖壁
部13bを形成する。前記各袖壁セグメント131’の
連結方法は、基本的には外壁セグメント111の連結方
法と同様であり、すなわち先の図8に示すように、連結
ばね133と掛合金具132とからなり下端がアイボル
ト135に掛止されたばね列によって連結すると共に、
ダボ134によって互いに位置決め係止するものであ
る。また、この袖壁部13bは、ドーム外壁部11にお
けるセグメント列11A,11C,11E,11Gの開
口部を形成する外壁セグメント111L,111Rにラ
グスクリュ136によって固定する。
【0066】次に、左右の袖壁部13bにおける最上段
の袖壁セグメント131’に形成された嵌合溝131b
に、垂壁部13cにおける最下段の垂壁セグメント13
1”の両端部を嵌め込んでコーチボルト(図示省略)に
よって固定し、この垂壁セグメント131”のアイボル
ト挿通孔(図示省略)内にアイボルト135を挿入し、
固定する。そして図23(B)に示すように、前記アイ
ボルト135に掛合した連結ばね133を、新設する第
二段目の垂壁セグメントのばね挿通孔に挿通し、このば
ね挿通孔の上端開口から前記連結ばね133の上端フッ
ク部を引っ張り出して、掛合金具132を掛合すること
によって、前記第二段目の垂壁セグメントを連結する。
またこの時、第一段目の垂壁セグメントの上端面に予め
装着されたダボ134が、新設される第二段目のセグメ
ントの下端面に形成されたダボ穴(図示省略)に挿入さ
れるようにする。
【0067】次に図23(C)に示すように、左右の袖
壁部13bにおける最上段の袖壁セグメント131’上
に、アーチ型屋根部13aにおける最下段のアーチセグ
メント131を上述と同様の方法で連結する。以下、こ
のような作業の繰り返しによって図23(D)〜(G)
に示すように、アーチ型屋根部13a及び垂壁部13c
を組み立てて行く。
【0068】なお、左右の袖壁部13bからアーチ型屋
根部13aにかけての各セグメントを連結するばね列の
上端、及び垂壁部13cの各セグメントを連結するばね
列の上端は、それぞれカンザシ137に掛止される。ま
た、図8に示すように、アーチ型屋根部13aにおける
最上部のセグメント(カンザシ137,137の間に位
置するセグメント)は前記ばね列では連結されないた
め、結合金具138によって連結し、袖壁部13bの最
上段のセグメントとアーチ型屋根部13aの最下段のセ
グメントも結合金具138によって連結する。
【0069】各開口部ユニット13A〜13Dにおける
アーチ型屋根部13a及び垂壁部13cの外側面にはド
ーム外壁部11と同様に、防水シート及び屋根材14
(図1及び図3参照)を貼り付けて行く。開口部ユニッ
ト13Aには玄関ドア13dを取り付け、この玄関ドア
13dの正面側にはアプローチ階段13eを施工する。
また、他の開口部ユニット13B〜13Dには引き戸式
の窓サッシ13fあるいは観音開き式の窓サッシ13g
を取り付ける。
【0070】図1乃至図3に示すドーム型建物本体1
は、以上説明した一連の工程によって施工されるもので
ある。ドーム型建物本体1は、半球体に近似した形状で
あるため、地震や強風等に対する機械的強度が大きく、
しかも柱や梁等が不要であるため、自在に内部レイアウ
トを行うことができる。
【0071】なお、上述の実施形態において、ばね列に
おける各連結ばねの両端を掛止する掛合金具は、これを
全て図5(B)に参照符号116で示すようなカンザシ
あるいは他の金具に代えることも可能である。また、ジ
ャッキ7及び支持台8等も特に図示と同様のものである
必要はなく、ドーム外壁部11の既組立部分11’を基
礎コンクリート2A上に浮上支持してせり上げて行くこ
とによって、基礎コンクリート2Aの上に所要の組立ス
ペースを確保できるものであれば良い。
【0072】上述した実施形態による施工方法におい
て、基礎コンクリートの打設範囲の決定には、合成繊維
等の糸からなる複数の線材を結束した形状出し部材4を
用いたが、形状出し部材としては、型枠を兼ねた形状出
し板からなるものを用いることもできる。図24乃至図
31は、このような形状出し部材4’を用いて、図33
及び図34に示すドーム型建物の基礎工事を行う場合の
工程を、順を追って示すものである。
【0073】まず図24は、当該ドーム型建物の建築予
定敷地に基礎コンクリートの打設範囲を決定する作業を
示すものである。この図において、参照符号4’は、複
数の形状出し板44A〜44Pからなる形状出し部材で
ある。各形状出し板44A〜44Pは、基礎コンクリー
トの打設のための型枠を兼ねるもので、継手部材45を
介して連結されると共に、鉄筋杭46により固定され
る。前記継手部材45は、図25に示すように、プレー
ト452を介して形状出し板44の一端に固定され鉄筋
杭46を挿通可能な筒状の固定金具451と、プレート
454を介して形状出し板44の他端に固定され前記固
定金具451に係合可能な係合金具453とからなるも
のである。
【0074】形状出し部材4’を構成する形状出し板4
4A〜44Pのうち、44A〜44Lは図31に示す基
礎コンクリート2Aに対応するものである。すなわち形
状出し板44A〜44C及び44G〜44Lは図33及
び図34に示すドーム型建物本体1におけるドーム外壁
部11の下端と対応するものであり、44D〜44F
は、開口部ユニット13B及びこれに接続されるルーム
ユニット16Bに対応するものである。一方、形状出し
板44M〜44Pは、玄関ユニット16Aの下の基礎コ
ンクリート2Bに対応するものである。
【0075】形状出し部材4’による基礎コンクリート
打設範囲の決定に際しては、まず敷地境界線や隣接建物
の位置等を考慮して、ドーム型建物の位置及び方向を決
め、その中心に杭101を打ち込む。そして、巻尺等を
用いて前記中心杭101から形状出し板44A〜44P
の各連結位置(鉄筋杭46による固定位置)を計測しな
がら、前記各形状出し板44A〜44Pを設置し、鉄筋
杭46の打ち込みによって固定して行く。なお、この鉄
筋杭46の打ち込み深さは、後述する根切り深さよりも
深くする。
【0076】次に、図26に示すように、形状出し部材
4’における内側及び外側の根切り領域Zを決定する。
形状出し部材4’の内側の根切り領域Z1の決定には複
数種類の寸法出し板47を用い、石灰粉末等によって線
引き9を行う。
【0077】線引き作業が終了したら、形状出し部材
4’の形状出し板44A〜44Pを取り外す。この取り
外しは鉄筋杭46から抜き取るように行い、鉄筋杭46
は残しておく。そして図27に示すように、根切り領域
Z1,Z2の地盤を所要の深さに根切りして根切り溝G
c,Gdを形成し、根切り溝Gcの内側の立上り壁に、
図28に示すように捨て型枠6’を取り付け、砂利27
aを敷設して締め固ると共に、図示されていない多数の
地杭を打ち込んでから、前記砂利27aの上に捨てコン
クリート27bを前記地杭の上端高さまで打設する。な
お、捨てコンクリート27bの打設に際しては、予め鉄
筋杭46の下部を図示されていない保護管で覆ってお
く。また、前記根切り溝Gcで囲まれた領域の上面にも
砂利22aの敷設及び地杭22bの打ち込みを行う。
【0078】捨てコンクリート27bに所要の強度が発
現されたら、根切り溝Gcに形状出し部材4’の形状出
し板44A〜44Pを再び設置して組み立てる。先に説
明したように、この形状出し板44A〜44Pは基礎コ
ンクリート打設のための型枠を兼ねるものである。そし
て前記形状出し板44A〜44Pの組み立ては、根切り
溝Ga,Gbの鉄筋杭46に、対応する各形状出し板4
4の固定金具451を差し込み、この固定金具451
に、隣接する形状出し板44の係合金具453を係止す
ることによって行う。
【0079】型枠としての形状出し板44A〜44Pの
組み立てが終わったら、図29に示すように、根切り溝
Gc内に配筋27cを配設し、立上り部3を構築する部
分には、先の図12及び図13に示す鉄筋かご31の代
わりに、円柱筋34を配設する。
【0080】図30は、コンクリート打設直前の根切り
溝Gc内の状況を示すものである。すなわち、円柱筋3
4は、鉛直方向に延びる複数の差筋34aと、これを取
り巻く複数のフープ筋34b等からなるものであり、そ
の下部は、前記配筋27cと結合される。また、根切り
溝Gcで囲まれた領域の上面全域に、鉄筋からなるワイ
ヤメッシュ21を敷設される。捨てコンクリート27b
上に設置された形状出し板44の上端高さは地表面レベ
ルGL及び砂利22aの敷設高さより高くなっている。
【0081】形状出し板44A〜44Pの設置作業や配
筋作業が終わったら、前記形状出し板44A〜44L及
び形状出し板44M〜44Pで囲まれた領域にそれぞれ
コンクリートを打設する。このコンクリートは、図30
に一点鎖線で示されたレベルまで打ち込む。打設後所定
の養生期間が経過して、コンクリートに所要の強度が発
現されたら、形状出し板44A〜44Pを解体する。図
31は、その解体過程を示すものである。このようにし
て構築された基礎コンクリート2A,2Bと、その周囲
の根切り溝掘削面との間の隙間は、砂利で埋戻すことに
よって犬走り26を形成する。
【0082】このようにして施工された基礎コンクリー
ト2Aは、図32に示すように、基礎スラブ22と、そ
の外周に沿って連続した地中梁27とからなり、この地
中梁27は、先の図11及び図12に示す工法における
フーチング用凹部Gbに対応して形成されるフーチング
24を連続させたような十分に幅の広いものとなってい
る。前記地中梁27は、砂利27a層及びその上の捨て
コンクリート27bを介して形成されており、その上に
は、ドーム型建物本体1の組立後、図30における円柱
筋34に対応して、独立基礎3が構築される。
【0083】ドーム型建物本体1の仕様は、種々の設計
変更が可能である。図33及び図34に示すドーム型建
物は、上述した一連の基礎工事により施工された基礎コ
ンクリート2A,2B上に構築されたもので、セグメン
ト列11A,11C,11E,11Gに設けられた開口
部ユニット13A〜13Dは、アーチ型屋根部13aと
一対の袖壁部13bが逆U字形をなすものではなく、一
対の袖壁部13bがパネル又は無垢板によって形成され
ている。また、玄関ユニット16Aや、内部がバス・ト
イレスペースとして利用可能な屋根付きのルームユニッ
ト16Bは、ドーム型建物本体1とは別に製作され、開
口部ユニット13A,13Bに接続されたものである。
【0084】天頂部材12は、各セグメント列11A〜
11Hにおける最も高緯度側のセグメントと連結された
筒壁構造体12Dと、その上に支持された上側へ凸の球
面状を呈する半透明のFRP製の採光用トップライト1
2Cとからなる。前記筒壁構造体12Dは、図35
(A)に示すように、前記各セグメント列11A〜11
Hと対応する上下二段、厚さ方向二層の枠セグメント1
24〜127からなり、ダボ128、接着剤、螺子等の
結合手段を介して図35(B)のように組み立てられる
と共に、下側の枠セグメント125,127の下部間に
形成された段差部に、ドーム外壁部11における各セグ
メント列11A〜11Hの最も高緯度側の外壁セグメン
ト111Tを、ラグスクリュ122を介して結合し、こ
れを図35(C)に示すように、接合プレート118,
123,123a及びその複数の孔に打ち込まれるビス
を介して、経度方向(周方向)へ八角筒状に結合された
ものである。
【0085】なお、上記天頂部材12には開閉する窓が
設けられていないため、図示されていない換気扇等、適
当な排煙又は換気設備が取り付けられる。
【0086】図36は、ドーム型建物本体の更に他の形
態を示すものである(便宜上、玄関や窓部等は省略して
示す)。すなわち、(A)は水平面に対する投影形状を
正六角形としたものであり、(B)は正十角形としたも
のであり、その他、正五角形、正方形、三角形などの投
影形状のものも、上述と同様の施工方法で構築すること
ができ、前記玄関や窓部等の開口部の位置や数も種々の
変更が可能である。
【0087】図36(C)は対角距離の異なる正八角形
を組み合わせた投影形状としたものであり、同(D)
は、基本的に図1又は図34と同様の構造を有する二棟
のドーム型建物本体1を隣接して構築し、各ドーム型建
物本体1における開口部同士を、開口部ユニットのアー
チ型屋根部13a及び垂壁部13cを延長して両端を対
称形状とした通路ユニット16で連結した複合形状とし
たものである。これらは、いわゆる二世帯住宅とする場
合等に有用である。
【0088】また、例えば図4に示すセグメント111
における緯度方向両端面111c,111dが水平なセ
グメントの段数を多くすることによって、ドーム型建物
本体1の天井の高さを高くすることができる。更に、開
口部ユニットにおけるアーチ型屋根部13aや袖壁部1
3bがドーム外壁部11から突出していないもの等、種
々の形態が考えられる。
【0089】なお、上述の実施形態においては、ドーム
型建物本体1からの荷重を受ける基礎コンクリート2A
の立上り部として、複数の円柱状立上り部3を構築した
が、これは、前記基礎コンクリート2Aの外周に沿って
連続的に形成されたものであっても良い。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るドー
ム型建物の施工方法は、ドーム型建物本体を上部から組
み立てて行き、組み立てた部分を浮上支持して順次せり
上げて行くため、工事の進行に伴って施工高さが高くな
って行くことがなく、常に基礎コンクリート上に確保さ
れた組立スペースで組立作業を行うことができるので、
安全に施工することができる。しかも、ドーム型建物本
体の組立は、基本的には緯度方向に互いに隣接して配置
されるセグメントを連結することにより行うので、施工
が容易・迅速に行われる。また、基礎コンクリートの打
設範囲を決定するための測量作業も、形状出し部材を使
用することによって、熟練した技術を必要とせずに容易
・迅速に行うことができる。
【0091】また、セグメントを低緯度側の端部まで連
結することによって、ドーム外壁部の組立終了後に、床
部を施工するため、この床部の大引きや根太、土台を前
記ドーム外壁部の下端部に組み付ける際に、前記外壁部
の組立過程で生じた組立誤差が自動的に修正される。し
かも、ドーム型建物本体の施工が完了した後で、支持手
段により前記ドーム型建物本体の支持高さを調節して立
上り部の形成及びこの立上り部との連結を行うため、こ
れによっても高精度の施工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態による施工方法によ
って構築されるドーム型建物を、表面の屋根材を一部剥
離して示す正面図である。
【図2】上記ドーム型建物の水平断面図である。
【図3】上記ドーム型建物の鉛直断面図である。
【図4】上記ドーム型建物の外壁部を構成する外壁セグ
メントの一例を示す斜視図である。
【図5】上記ドーム型建物における緯度方向に隣接する
外壁セグメントの連結構造を示す部分的に示すもので、
(A)はドーム中心を通る鉛直面で切断した断面図、
(B)は(A)におけるB−B’断面図である。
【図6】上記ドーム型建物における、開口部ユニットが
設けられたセグメント列を示す正面図である。
【図7】上記ドーム型建物における、開口部ユニットが
設けられていないセグメント列を示す正面図である。
【図8】上記開口部ユニットのアーチ型屋根部及び袖壁
部を構成するセグメント列を部分的に示す説明図であ
る。
【図9】ばね列を用いない外壁セグメントの連結構造を
示す部分的に示すもので、(A)はドーム中心を通る鉛
直面で切断した断面図、(B)は(A)におけるB−
B’断面図である。
【図10】本発明の施工方法の第一実施形態において、
基礎コンクリートの打設範囲を決定する形状出し作業を
示す説明図である。
【図11】上記基礎コンクリートの打設範囲を根切りす
る作業を示す説明図である。
【図12】上記根切りした領域に基礎コンクリート打設
のための型枠等を設置する作業を示す説明図である。
【図13】上記基礎コンクリートへの線引き作業を示す
説明図である。
【図14】ドーム型建物本体における天頂部材の下端枠
部及び最も高緯度側の外壁セグメントを組み立てる作業
を示す斜視図である。
【図15】上記外壁セグメントを組み立てる作業を示す
斜視図である。
【図16】ドーム外壁部の既組立部分を基礎コンクリー
ト上に浮上支持した状態を示す鉛直断面図である。
【図17】図16の一部を拡大して詳細に示す鉛直断面
図である。
【図18】ドーム外壁部の既組立部分を基礎コンクリー
ト上に浮上支持した状態を示す平面図である。
【図19】ドーム型建物本体における床部の構成を示す
説明図である。
【図20】ドーム型建物本体を支持する立上り部の施工
を示す説明図である。
【図21】上記立上り部の施工を示す部分的な鉛直断面
図である。
【図22】ドーム型建物本体における床部の構成を示す
部分断面図である。
【図23】ドーム型建物本体の開口部ユニットにおける
アーチ型屋根部、袖壁部及び垂壁部を組み立てる手順を
示す説明図である。
【図24】本発明の他の実施形態の施工方法による基礎
工事において、基礎コンクリートの打設範囲を決定する
形状出し作業を示す説明図である。
【図25】形状出し部材における形状出し板の継手部材
の構造を示す説明図である。
【図26】上記基礎コンクリート打設範囲における布基
礎部の根切り範囲を決定する作業を示す説明図である。
【図27】上記根切り範囲を掘削して根切り溝を形成す
る作業を示す説明図である。
【図28】上記根切り溝への砂利の敷設及び捨てコンク
リートの打設作業を示す説明図である。
【図29】上記基礎コンクリート打設範囲への型枠とし
ての形状出し板設置及び配筋工程を示す説明図である。
【図30】上記基礎コンクリートの打設直前の根切り溝
内の状態を示す部分的な鉛直断面図である。
【図31】上記基礎コンクリートの硬化後、形状出し板
を解体する過程を示す説明図である。
【図32】施工が完了した基礎コンクリートの一部を、
ドーム型建物本体の一部と共に示す部分的な鉛直断面図
である。
【図33】上記基礎コンクリート上に構築されたドーム
型建物を示す正面図である。
【図34】上記ドーム型建物の水平断面図である。
【図35】上記ドーム型建物本体における天頂部材の下
端枠部及び最も高緯度側の外壁セグメントを組み立てる
作業を示す説明図である。
【図36】本発明によって施工可能なドーム型建物の種
々の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドーム型建物本体 11 ドーム外壁部 11A〜11H セグメント列 111 外壁セグメント 111f,111g ダボ穴(係合手段) 112 掛合金具 113 連結ばね 114 ダボ(係合手段) 15 床部 151,152 大引き 2A〜2C 基礎コンクリート 3 立上り部 32 円筒状型枠(立上り部用型枠) 4,4’ 形状出し部材 41a〜41h 径方向線材 42a〜42h 輪郭線材 44A〜44P 形状出し板 7 ジャッキ(支持手段) 8 支持台(支持手段)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドームを経度方向及び緯度方向に分割し
    た形状の多数のセグメントからなるドーム型建物の施工
    において、 基礎コンクリートを形成する工程と、 ドーム型建物本体をその高緯度側から低緯度側へ前記セ
    グメントを順次連結することにより組み立てる工程と、 組立が完了した前記ドーム型建物本体の下端部と前記基
    礎コンクリートとの間に立上り部を構築して前記ドーム
    型建物本体の下端部と連結する工程と、からなり、 前記ドーム型建物本体の組立は、その既組立部分を支持
    手段を介して浮上支持してせり上げて行くことによっ
    て、前記既組立部分の下に所要の組立スペースを確保し
    ながら行うことを特徴とするドーム型建物の施工方法。
  2. 【請求項2】 基礎コンクリートの打設範囲は、地盤上
    に任意に決定される中心点から水平方向へ放射状に張設
    される複数の径方向線材及びこれら各径方向線材間に連
    結され水平に張設される輪郭線材とからなる形状出し部
    材によって、水平面に対するドーム型建物本体の投影形
    状と相似の形状に区画され、 基礎コンクリートは、前記輪郭線材に沿って設置した型
    枠に囲まれた領域に打設することを特徴とする請求項1
    に記載のドーム型建物の施工方法。
  3. 【請求項3】 基礎コンクリートの打設範囲は、地盤上
    に任意に決定される中心点から所定の距離をもって設置
    され互いに連結される複数の板からなる形状出し部材に
    よって、水平面に対するドーム型建物本体の投影形状と
    相似の形状に区画され、 前記複数の板が、基礎コンクリートの打設用型枠を兼ね
    ることを特徴とする請求項1に記載のドーム型建物の施
    工方法。
  4. 【請求項4】 ドーム型建物本体の組立は、 緯度方向に互いに隣接して配置されるセグメントをこれ
    ら各セグメント内を前記緯度方向に貫通した孔内に掛止
    される引張ばねにより連結し、 経度方向に互いに隣接するセグメントを適宜連結部材を
    介して連結することにより行うことを特徴とする請求項
    1に記載のドーム型建物の施工方法。
  5. 【請求項5】 緯度方向に互いに隣接して配置されるセ
    グメントをこれら各セグメントに設けられる係合手段を
    介して係合し、適宜連結部材を介して連結することを特
    徴とする請求項1に記載のドーム型建物の施工方法。
  6. 【請求項6】 ドーム型建物本体の既組立部分の低緯度
    側へ新設セグメントを連結するための組立スペースは、 前記既組立部分が新設セグメントの連結によって低緯度
    側へ延長された分だけ適時にせり上げることにより確保
    することを特徴とする請求項1に記載のドーム型建物の
    施工方法。
  7. 【請求項7】 ドーム型建物本体の組立において、 セグメントを低緯度側の端部まで連結することによって
    構築されたドーム外壁部は、その下端部内周に水平に構
    築される大引き、根太及び土台のうち少なくとも一つに
    よって設計形状に修正されることを特徴とする請求項1
    に記載のドーム型建物の施工方法。
  8. 【請求項8】 ドーム型建物本体の下端部と立上り部と
    の連結は、 基礎コンクリート上に、前記ドーム型建物本体の下端部
    に適当な間隔で突設された複数のアンカーの各々と対応
    して立上り部用型枠を配置し、 前記各アンカーを包囲した状態とした前記各立上り部用
    型枠内にコンクリートを打設することにより行うことを
    特徴とする請求項1に記載のドーム型建物の施工方法。
  9. 【請求項9】 各セグメントは、所定厚さの木材を積層
    して接合した中実の集成材からなることを特徴とする請
    求項1に記載のドーム型建物の施工方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007291733A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 R C Koa:Kk ドーム状構造物
JP2007291731A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 R C Koa:Kk ドーム状建築物
CN108867969A (zh) * 2018-07-24 2018-11-23 南京慢城光电科技有限公司 圆顶用安装基础底座
CN114718187A (zh) * 2022-02-28 2022-07-08 中国中原对外工程有限公司 穹顶和施工方法

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