JP2000151739A - 情報処理装置、分散処理装置およびネットワークシステム - Google Patents

情報処理装置、分散処理装置およびネットワークシステム

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JP2000151739A
JP2000151739A JP10327338A JP32733898A JP2000151739A JP 2000151739 A JP2000151739 A JP 2000151739A JP 10327338 A JP10327338 A JP 10327338A JP 32733898 A JP32733898 A JP 32733898A JP 2000151739 A JP2000151739 A JP 2000151739A
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JP10327338A
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Naomasa Kobayashi
尚正 小林
Takayuki Saito
隆之 斉藤
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Original Assignee
Digital Vision Laboratories Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メッセージの戻り値が送信時と異なる通信プロ
トコルで送信されてきた時も、適切にメッセージ通信が
行えるようにする。 【解決手段】プロセス内に、通信プロトコルごとに送信
スレッドと受信スレッドを設け、さらに、戻り値を有す
るメッセージを登録しておく戻り値記述子テーブルを設
けておく。戻り値を有するメッセージを送信する時は、
そのメッセージのIDを戻り値記述子テーブルに記録
し、所望の送信スレッドを用いて所望の通信プロトコル
で送信する。任意の通信プロトコルで送信されてきた戻
りメッセージは、その通信プロトコルに対応する受信ス
レッドで受信し、戻り値記述子テーブルを参照して元の
送信スレッドに受け渡す。元のメッセージの送信スレッ
ドと戻りメッセージの受信スレッドが異なるので、それ
ら元のメッセージおよび戻りのメッセージを異なる通信
プロトコルで送受することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の通信手段に
より外部とあるいは装置内で通信可能な情報処理装置に
おいて、メッセージを送信した通信手段とそのメッセー
ジに対する戻りのメッセージを受信した通信手段が異な
るような場合においても、適切にメッセージ通信が可能
な情報処理装置、そのような情報処理装置で構成される
ノード上に配置されたオブジェクトが異なる通信手段を
介してメッセージ通信を効率よく行いながら協働して所
望の処理を行う分散処理装置、および、そのような分散
処理環境を提供するネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】種々の情報処理装置を、電話回線、ケー
ブルテレビ、衛星通信などのネットワークを介して接続
したネットワークシステムが急速に普及している。ま
た、そのようなネットワークシステムにおいて、複数の
オブジェクトをネットワークワイドに配置し、それらを
連係させて所望の処理を行う並列分散処理への期待も高
まっている。このような分散処理によれば、ネットワー
ク上の計算資源を効率よく利用して所望の処理を高速に
行うことや、ネットワーク上のコンテンツを有効に利用
することが可能となる。
【0003】そのような種々の通信メディア、通信プロ
トコルなどが混在する大規模なネットワークシステムに
おいて、分散関数の呼び出しや、分散配置されたコンテ
ンツへのアクセスなどの種々の処理を行うための通信
は、いわゆるメッセージ通信を基本とした方法が通常用
いられている。また、そのメッセージ通信においては、
戻り値を必要としない所望のメッセージを送信するだけ
の1方向の通信形態や、送信メッセージとそれに対する
戻りメッセージとが対になった通信形態などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、そのような
分散処理を効率よく行うためには、各オブジェクト間、
換言すれば、ネットワーク上の各ノードにおいてオブジ
ェクトに実行環境を提供している各プロセス間で、通信
を効率よく行うことが重要である。特に近年では、ネッ
トワークシステムに多種多様な通信メディアが混在し、
種々の通信プロトコルが用いられ、またネットワークシ
ステムが種々の機能を提供するようになっているため、
これらを有効に利用して、前述したようなメッセージ通
信を最適な形態で行うことが望まれている。そしてその
ような観点から、前述したような戻りメッセージを有す
るようなメッセージを通信する場合において、送信メッ
セージの送信と戻りメッセージの送信を異なる通信手段
を介して行いたいという要望が増えている。
【0005】具体的に説明すると、たとえば図10
(A)に示すように、2つのプロセスA,B間で単純に
メッセージの授受を行う場合であっても、たとえば、各
メッセージが含むコンテンツの種類などに応じて、ある
いはネットワーク構成の変化などにより、行きはインタ
ーネットを介して通信を行い、帰りはIEEE1394
により通信を行いたいという場合が考えられる。
【0006】また、図10(B)に示すように、プロセ
スBに存在していた分散関数あるいはコンテンツなどの
オブジェクトがプロセスCに移動されていた場合に、そ
のオブジェクトあてにプロセスAよりプロセスBに送信
されたメッセージは、ネットワークシステムにマイグレ
ーション機能があれば、プロセスCに転送され、プロセ
スCよりプロセスAに対して戻りメッセージが送信され
ることになる。このような場合に、プロトコルAから見
て行きの通信手段と戻りメッセージが送信される通信手
段が異なる通信手段となる場合が多いであろうことは、
容易に想像される。その他、ネットワークシステムがル
ーティング機能を有しているような場合にも、同様の状
態は発生する。
【0007】しかしながら、これまでのネットワークシ
ステムにおけるメッセージ通信の方式は、各プロセスに
おいて、特定の通信手段に対応したスレッドによりメッ
セージの送信を行い、そのスレッドがそのまま待機して
戻りメッセージを受信するというものであり、送信メッ
セージの通信手段と戻りメッセージの通信手段は同じで
あることが前提とされていた。そのため、たとえば前述
したような行きはインターネットで帰りはIEEE13
94であるというような、行きと戻りで通信手段が異な
るようなメッセージ通信に対応することはできなかっ
た。
【0008】これまでは、このような異なる通信手段を
介した一連の通信に対応するためには、アプリケーショ
ンレベルで異なる通信手段に対して各々メッセージの送
信および受信を指示する、すなわち、送信メッセージと
戻りのメッセージを全く独立したメッセージの授受とし
て処理する必要があった。しかし、そのような形態で
は、アプリケーションレベルで通信手段を意識する必要
があり、アプリケーションのシステムに対する独立性が
失われる、アプリケーションの負荷が大きくなる、効率
よい通信が行えないなどの不利益が生じることになる。
そこで、元のメッセージとそのメッセージに対する戻り
メッセージが異なる通信手段を介して通信されるような
メッセージ通信に、システムレベルで対応して欲しいと
いう要望が強く生じていた。
【0009】したがって、本発明の目的は、異なる通信
手段を介したメッセージの送信と戻りメッセージの受信
とによるメッセージ通信にシステムレベルで適切に対応
することができ、これにより種々の通信手段を介してよ
り効率よく所望のプロセスと通信が行えるような情報処
理装置を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、種々の通信手段を介したメッセージ通信を効率よく
行い、より効率よく分散処理を行うことができる分散処
理装置を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、種々の通信手段を介したメッセージ通信を効率よく
行い、効率よい分散処理を行うことができる分散処理環
境を提供することのできるネットワークシステムを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の情
報処理装置は、複数の通信手段と、配置されたオブジェ
クトに実行環境および前記複数の通信手段を介した通信
環境を提供するプロセスとを有する情報処理装置であっ
て、前記プロセスは、前記通信手段に対応して設けら
れ、当該プロセスに配置されたオブジェクトより供給さ
れる送信対象のメッセージを、対応する通信手段を介し
て送信し、必要に応じて受信モジュールより受け渡され
る当該送信したメッセージに対して戻されたメッセージ
を、当該プロセスに配置された前記オブジェクトに受け
渡す送信モジュールと、前記通信手段に対応して設けら
れ、対応する通信手段を介して送信されるメッセージを
受信し、当該受信したメッセージが、前記複数の送信モ
ジュールのいずれかより送信された元のメッセージに対
して戻されたメッセージであった場合に、当該受信した
メッセージを、前記元のメッセージを送信した送信モジ
ュールに実質的に受け渡す受信モジュールとを有する。
【0011】好適には、前記プロセスは、前記送信モジ
ュールより送信されたメッセージであって、少なくとも
前記戻りのメッセージが受信される可能性のあるメッセ
ージの、少なくとも当該メッセージを特定する情報を記
憶する記憶手段をさらに有し、前記各送信モジュール
は、少なくとも前記戻りのメッセージが受信される可能
性のあるメッセージの送信を行う場合に、少なくとも当
該メッセージを特定する情報を前記記憶手段に記憶し、
前記受信モジュールは、前記戻りのメッセージを受信し
た場合に、前記記憶手段を介して、当該受信したメッセ
ージを、前記元のメッセージを送信した送信モジュール
に実質的に受け渡す。
【0012】また好適には、前記複数の受信モジュール
の各々は、前記受信したメッセージが、前記送信モジュ
ールから送信されたメッセージに対して戻されたメッセ
ージではない場合に、当該受信したメッセージを、当該
プロセスに配置された前記オブジェクトに実質的に受け
渡す。
【0013】さらに好適には、前記通信手段に対応して
設けられた前記送信モジュールの各々と当該プロセスに
配置された前記オブジェクトとの前記メッセージを含む
データおよび信号の授受は、各送信モジュールが対応す
る通信手段に依存せず共通に規定されているデータ形式
に基づいて行われ、前記通信手段に対応して設けられた
前記受信モジュールの各々と当該プロセスに配置された
前記オブジェクトとの前記メッセージを含むデータおよ
び信号の授受は、各受信モジュールが対応する通信手段
に依存せず共通に規定されているデータ形式に基づいて
行わる。
【0014】特定的には、前記通信手段は、少なくとも
通信媒体および通信手順に基づいて区別され、前記プロ
セスの前記送信モジュールおよび前記受信モジュール
は、各々、少なくとも異なる通信媒体および通信手順ご
とに設けられる。
【0015】また、本発明の分散処理装置は、複数のオ
ブジェクトが通信を行うことにより協働して所望の処理
を行う分散処理装置であって、各々任意の通信手段によ
り接続された複数のノードと、前記ノード上に各々1つ
または複数形成され、配置されたオブジェクトに実行環
境および通信環境を提供する複数のプロセスと、各々前
記複数のプロセスのいずれかに配置され、当該各プロセ
スにより提供される前記通信環境を介して通信を行い、
協働して所望の処理を行う複数のオブジェクトとを有
し、前記複数のプロセスの各々は、メッセージを送信可
能な通信手段に対応して設けられ、当該プロセスに配置
された前記オブジェクトより供給される送信対象のメッ
セージを、対応する通信手段を介して、所望のプロセス
に送信し、必要に応じて受信モジュールより受け渡され
る当該送信したメッセージに対して戻されたメッセージ
を、当該プロセスに配置された前記オブジェクトに受け
渡す送信モジュールと、メッセージを受信可能な通信手
段に対応して設けられ、対応する通信手段を介して送信
されるメッセージを受信し、当該受信したメッセージ
が、前記複数の送信モジュールのいずれかより送信され
た元のメッセージに対して戻されたメッセージであった
場合に、当該受信したメッセージを、前記元のメッセー
ジを送信した送信モジュールに実質的に受け渡す受信モ
ジュールとを有する。
【0016】また、本発明のネットワークシステムは、
各々任意の通信手段により接続された複数のノードと、
前記ノード上に各々1つまたは複数形成され、配置され
たオブジェクトに実行環境および通信環境を提供する複
数のプロセスとを有するネットワークシステムであっ
て、前記プロセスは、当該プロセスよりメッセージを送
信可能な通信手段に対応して設けられ、当該プロセスに
配置されたオブジェクトより供給される送信対象のメッ
セージを、対応する通信手段を介して所望のプロセスに
送信し、必要に応じて受信モジュールより受け渡される
当該送信したメッセージに対して戻されたメッセージ
を、当該プロセスに配置された前記オブジェクトに受け
渡す送信モジュールと、当該プロセスにおいてメッセー
ジを受信可能な通信手段に対応して設けられ、対応する
通信手段を介して送信されるメッセージを受信し、当該
受信したメッセージが、前記複数の送信モジュールのい
ずれかより送信された元のメッセージに対して戻された
メッセージであった場合に、当該受信したメッセージ
を、前記元のメッセージを送信した送信モジュールに実
質的に受け渡す受信モジュールとを有する。
【0017】好適には、前記各プロセスは、当該プロセ
スが設けられている前記ノードの近傍であって、当該プ
ロセスに係わる当該ネットワークシステムの構成の情報
が予め記憶されたネットワーク情報記憶手段と、前記ネ
ットワーク情報記憶手段に記憶されている当該プロセス
に係わる当該ネットワークシステムの構成の情報に基づ
いて、当該プロセスよりメッセージ送信の可能な通信手
段を検出し、該検出した通信手段ごとに前記送信モジュ
ールを生成する送信モジュール生成手段と、前記ネット
ワーク情報記憶手段に記憶されている当該プロセスに係
わる当該ネットワークシステムの構成の情報に基づい
て、当該プロセスがメッセージ受信可能な通信手段を検
出し、該検出した通信手段ごとに前記受信モジュールを
生成する受信モジュール生成手段とを有する。
【0018】特定的には、前記各プロセスにおいてメッ
セージ通信可能な通信手段は、同一プロセス内のメッセ
ージ通信、同一ノード内のプロセス間メッセージ通信、
TCPによる異ノード間のプロセス間メッセージ通信、
UDPによる異ノード間のプロセス間メッセージ通信、
HTTPによる異ノード間のプロセス間メッセージ通
信、IIOPによる異ノード間のプロセス間メッセージ
通信のいずれか1つあるいは複数、あるいは全てを含
み、前記プロセスの前記送信モジュールおよび前記受信
モジュールは、当該通信手段ごとに設けられる。
【0019】また、好適には、前記受信モジュールの各
々は、送信される前記メッセージを受信し、該受信した
メッセージを当該プロセス内の任意の処理モジュールよ
りアクセス可能な所定の共有記憶領域に格納し、当該受
信したメッセージが、前記複数の送信モジュールのいず
れかより送信された元のメッセージに対して戻されたメ
ッセージであった場合には、当該戻りのメッセージの受
信を、前記元のメッセージを送信した送信モジュールに
実質的に通知し、前記送信モジュールの中の、前記元の
メッセージを送信した送信モジュールは、前記戻りのメ
ッセージの受信の通知に基づいて、当該メッセージを前
記共有記憶領域より実質的に読み出し、当該プロセスに
配置された前記オブジェクトに受け渡す。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
図1〜図8を参照して説明する。本実施の形態において
は、計算機装置などで構成される複数のノードが、イン
ターネット、電話網、CATV網、放送網、衛星通信網
などの種々の通信媒体を介して接続されたネットワーク
システムであって、各ノードがネットワークを介して通
信を行いながら協働して所望の計算処理を行うような、
分散処理環境を提供するネットワークシステムを例示し
て本発明を説明する。
【0021】まず、そのようなネットワークシステムの
全体構成について説明する。図1は、そのネットワーク
システムの全体構成を模式的に示す図である。本実施の
形態のネットワークシステムは、前述したようにインタ
ーネットや、電話網、CATV網、衛星通信など多様な
通信メディアが混在して構成されるネットワーク環境に
おいて、種々の通信メディアを柔軟かつ自在に使用する
ことにより、ネットワーク上の分散リソースを一体の計
算環境として捉え、分散処理環境を提供するものであ
る。ここで、分散リソースとは、各ノードのハードウェ
ア機能に加えて、データベースや高性能計算サーバ、W
WWページの情報ソースなど、任意の計算機能を提供す
るものである。また、その計算とは、広い範囲の種々の
処理の実行を含むものとする。
【0022】このような分散処理環境上に、計算実体で
ある分散モジュール(並行オブジェクトと言う場合もあ
る。)が配置され、計算空間を形成する。なお、計算空
間は、同一のネットワーク環境上に複数のものをそれぞ
れ個別に形成することができる。この分散モジュール
は、具体的には、リモート呼出可能な分散オブジェク
ト、分散関数、あるいは、ネットワークを介して参照可
能な共有変数(以後、大域共有変数と言う。)である。
そして、これらにより、分散オブジェクト指向計算、分
散関数(手続き)呼び出しおよび大域共有変数処理とい
う各計算が、並行的に行われる。
【0023】このような計算を行うための、分散オブジ
ェクトメソッドおよび分散関数の呼び出しや、大域共有
変数へのアクセスという並行オブジェクト間の通信は、
(1)非同期メッセージ送信(返値なしの一方向の通
信)、(2)遅延評価型同期呼び出し(返値にアクセス
したときブロックする)、(3)完全同期呼び出し(返
値到着まで呼出側がブロックする)という3種類の方法
により行う。なお、これらの通信を総称してメッセージ
通信と呼ぶ。すなわち、このようなネットワークシステ
ムは、ネットワーク上に分散配置された並行オブジェク
トが、メッセージ通信によって並行計算を各々順次実行
し、メッセージの連鎖によって全体として所望の計算を
進行させるシステムと言うことができる。
【0024】計算空間に配置される各並行オブジェクト
は、図2に示すように、ネットワークノードにプロセス
を生成して管理する。プロセスは、並行オブジェクト間
のメッセージ送受信の機構などを提供する並行オブジェ
クトのための計算環境である。そのため、アプリケーシ
ョン言語インタフェース(API) と、OSやネットワ
ークに対するシステムインターフェースを備え、プログ
ラミング言語やOS、ハードウェア、通信メディアや通
信プロトコルといった実行環境の違いに適応して稼働で
きるようになっている。また、メッセージは、異なる言
語間でも送信可能であり、任意のデータ構造体を引数と
して扱えるようになっている。その結果、このようなプ
ロセスの集合として得られる実行環境は、大域空間上で
共通の仮想的計算環境として機能する。
【0025】次に、このようなプロセス間において行わ
れ、所望の分散処理を実施するための機構である、メッ
セージ送受信機構について説明する。図3は、前述した
ようにプロセスにより提供されるメッセージ送受信機構
を説明するための図である。プロセス100は、メッセ
ージ送受信に係わる構成部として、アプリケーションプ
ログラミング機能120、スケジューラ130、参照解
決器140、メッセージ通信部150およびシステムプ
ログラミングインターフェイス(SPI)170を有す
る。
【0026】アプリケーションプログラミング機能12
0は、並行オブジェクト110に対して、メッセージ送
信に関連したアプリケーションプログラミングインター
フェイス(API)を提供する。
【0027】スケジューラ130は、受信したメッセー
ジの実行などの、そのプロセスにおける計算の制御を行
う。
【0028】参照解決器140は、そのノード周辺のネ
ットワーク情報を参照テーブル141として有してお
り、空間管理機能を提供する。具体的には、後述するシ
ステムプログラミングI/F(SPI)170の通信メ
ディアI/F172において、通信メディアに対応した
送信スレッドを生成する際に参照される。また,メッセ
ージ送信を行う計算実体を特定する際に参照される。
【0029】メッセージ通信部150は、メッセージの
送受信を行う機能であり、メッセージセンダ151およ
びメッセージディスパッチャ152を有する。
【0030】システムプログラミングI/F(SPI)
170は,本発明に係わる構成部であって、異なるOS
や通信媒体に対するポータビリティを確保するために分
離された、システムに依存するレベルとシステムに独立
なレベルとのインターフェイスである。システムプログ
ラミングI/F(SPI)170は、オペレーティング
システムインターフェイス(OSI/F)171および
コミュニケーションメディアインターフェイス(通信メ
ディアI/F)172を有する。OSI/F171は、
移植性、可搬性を確保しながらシステムに依存した処理
を行えるようにする、主にプロセス管理のためのインタ
ーフェイスである。通信メディアI/F172は、通信
に関するインターフェイスであって、各並行オブジェク
トがメッセージ通信を行う上で必要な通信メディアとの
インターフェイスである。本発明に係わるこの通信メデ
ィアI/F172については、後に詳述する。
【0031】このような構成のプロセス100における
メッセージ送信処理の流れについて、図4に示す。メッ
セージ送信では、アプリケーションプログラミング機能
120のAPI上のメッセージ送信関数の呼び出しによ
って、引数の構造体を認識して送信可能な論理形式に変
換し、参照解決器140により送信先オブジェクトの参
照解決を行ない、メッセージ通信部150で送信の処理
をする。この時、送信先の所在によって、通信メディア
I/F172を介して所望の通信媒体および所望の通信
プロトコルを選択して送信を行う。通信メディアI/F
172は、対応する通信手段、すなわち通信媒体および
通信プロトコルごとに用意し、データの種類と制御の内
容に応じて使用するものを指定することができる。
【0032】また、このような構成のプロセス100に
おけるメッセージ受信処理の流れについて、図5に示
す。通信メディアI/F172を介してメッセージを受
信すると、メッセージディスパッチャ152は、受け取
ったリモート識別子から受信オブジェクトを特定し、そ
の処理を行なうための関数記述子を生成し、アプリケー
ションプログラミング機能120に出力する。メッセー
ジ引数は、論理形式からデータ構造体に展開する。関数
記述子は、オブジェクトメソッドと分散関数の呼び出
し、あるいは共有変数のアクセスを起動するための情報
と、メッセージの時間属性と優先度、および、メッセー
ジ送信元オブジェクトの呼出情報を保持したものであ
る。この関数記述子が、スケジューラ130に渡され処
理される。メッセージ送信が同期呼出による場合は、ス
ケジューラ130による実行で得た評価値を同様に論理
形式に変換して、同じメッセージセンダ151により呼
び出し側に送信する。参照が中継されている場合は、リ
モート識別子から新たな大域参照が得られるので、メッ
セージディスパッチャ152はそのままメッセージセン
ダ151を呼び出す。
【0033】次に、本発明に関わり、このようなネット
ワークシステムにおいて、メッセージ通信の要求に応じ
て実際にメッセージの通信を行う通信メディアI/F1
72について、詳細に説明する。本実施の形態のネット
ワークシステムにおいては、メッセージ通信を実現する
上で,通信メディアや通信プロトコルのようなシステム
に依存した部分を下位レイヤとして分離し、その間のS
PIを明確に規定することにより、これにより上位の部
分がシステム依存性を特に意識することなくメッセージ
の送受信が行えるようにしており、このSPIよりも下
位レイヤのメッセージ通信機構およびこの機構を利用す
るためのSPIが通信メディアI/F172である。
【0034】したがって、図3に示したように、通信メ
ディアI/F172は、メッセージ通信部150のメッ
セージセンダ151およびメッセージディスパッチャ1
52の下位レイヤにあたることになる。通信メディアI
/F172に対して、メッセージセンダ151からはメ
ッセージ送信と戻り値取得の指示がなされ、メッセージ
ディスパッチャ152からメッセージ受信の指示がなさ
れる。
【0035】また、前述したように、使用する通信メデ
ィアは、インターネット、ホ─ムネット、電話、ケーブ
ル、放送など種々の形態のメディアであり、また通信プ
ロトコルも種々のプロトコルに対応するのが好適であ
る。そこで、本実施の形態のネットワークシステムにお
いては、各通信メディアおよび各通信プロトコルごと
に、メッセージ通信を実現する各通信メディアI/F1
72をライブラリとして提供するようにしており、これ
によりメンテナンスおよびポータビリティを向上させ、
新たなプロトコルへの対応が容易になるようにしてい
る。たとえば、インターネットに対する通信メディアI
/F172としては、表1に示すような各通信プロトコ
ルに対応したライブラリを具える。なお、メッセージ送
信で、これらの複数の通信メディアI/F172、換言
すれば通信プロトコルからどれが選択されるかは、通信
メディアI/F172よりも上のレイヤで予め決定され
る。
【0036】
【表1】
【0037】次に、実際に通信メディアI/F172に
より送受信されるメッセージの構成について図6を参照
して説明する。図6は、メッセージ情報構造体の構成を
示す図である。送受信対象のメッセージは、図6に示す
ような構造体(クラス名:comInfo)として規定
され、これを1つの情報単位としてプロセス間で通信が
行われる。このメッセージ情報構造体comInfo
は、表2に示すような、メッセージの送受信に必要な情
報を格納する。
【0038】
【表2】
【0039】また、このメッセージ情報構造体comI
nfoのメンバを表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】なお、異なる実行環境間でのメッセージ通
信に対応するために,メッセージ情報構造体comIn
foは通信時には論理形式で扱う。メッセージ情報構造
体comInfoのメンバで参照される送信先情報は、
別の構造体addrInfoとして定義されている。こ
の構造体addrInfoのメンバを表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4に示すように、構造体addrInf
oにおいては、メンバで別の構造体addrInfoを
参照している。このような構成にすることにより、送信
先の配置変更などにより、受け取ったメッセージ情報構
造体comInfoを他のプロセスへ転送する必要が発
生した時に、前の送信先情報を経由値情報として追加す
ることができる。
【0044】このような構成のメッセージ情報構造体c
omInfoおよび構造体addrInfoのメンバの
いくつかが、通信メディアI/F172で参照されて、
そのメッセージ情報構造体comInfoに対して送信
および受信などの処理が施される。そのようなメンバお
よびそのメンバに係わる通信メディアI/F172にお
ける処理について説明する。まず、メッセージ情報構造
体comInfoのメンバmsgID(メッセージI
D)は、戻り値のメッセージ情報構造体comInfo
を受信したとき、渡す相手を特定するのに用いられる。
そのために、このメッセージIDは、戻り値のあるメッ
セージ情報構造体comInfoにおいて、送信メッセ
ージ情報構造体comInfoのメッセージIDと、対
応する戻り値のメッセージ情報構造体comInfoの
メッセージIDが同じになるように設定される。また、
戻り値の処理が完了するまでは,同じメッセージID
は,プロセスの送信メッセージ情報構造体comInf
oに使用されない。
【0045】また、メンバmsgType(メッセージ
タイプ)は、戻り値のメッセージであるか否かを特定す
るのに用いられる。メンバmsgLen(メッセージ本
体のバイト長)は、メッセージ本体のデータサイズの特
定に用いられる。メンバmsg(メッセージ本体への参
照)は、メッセージ本体を取り込むのに用いられる。そ
して、メンバaInfo(送信先情報への参照)は、メ
ッセージ情報構造体comInfoからポイントされて
いる構造体addrInfoを送信先とし、送信処理を
行うために用いられる。
【0046】また、構造体addrInfoにおいて
は、メンバhostID(送信先IPアドレス)が送信
先のノードの特定に、メンバprocessID(送信
先プロセスID)が送信先のプロセスの特定に用いられ
る。また、メンバvinfo(経由地情報への参照)を
NULLにしないことにより、その構造体addrIn
foは経由地情報として送信される。
【0047】なお、これらのメッセージ情報構造体co
mInfoおよび構造体addrInfoのメンバの値
は、全て通信メディアI/F172よりも上のレイヤで
設定され、送信側および受信側のいずれにおいても、通
信メディアI/F172内で変更されることはない。
【0048】次に、通信メディアI/F172における
実際のメッセージの送受信処理について、図7および図
8を参照して説明する。まず、2つのプロセス間でメッ
セージ情報構造体comInfoの送受信を行う場合の
基本的な処理について、図7を参照して説明する。図7
は、プロセス間のメッセージ通信の基本的な処理を説明
するための図である。
【0049】まず、送信側(プロセスA)においては、
送信スレッドが、送信するメッセージ情報構造体となる
comInfoへのポインタを引数に、選択された通信
手段(プロトコルa)の送信処理ルーチン(send)
を呼ぶ(3) 。送信処理ルーチン(send)において
は、送信先のプロセスに対して接続要求を出し、接続要
求が許可されたら、そのメッセージ情報構造体comI
nfoを、送信先のプロセスで待機状態になっている受
信スレッドへ渡し(4),(5) 、実際にデータの送信を行
う。
【0050】そして、このメッセージが、戻りメッセー
ジを必要としないメッセージ、あるいは、戻り値のメッ
セージであった場合には、送信スレッドは上位レイヤの
処理へ戻り(6),(7) 、一連の送信処理は終了する。な
お、送信したメッセージが戻りメッセージを必要とする
メッセージであった場合の処理については、後に詳述す
る。なお、ここで、送信スレッドとは、通常アプリケー
ションレイヤで動作しているスレッドであって、メッセ
ージ送信するために、APIのSend,Callおよ
びSyncCallを呼び出してから、アプリケーショ
ンレイヤの処理に復帰するまでの状態のスレッドを言
う。
【0051】メッセージ受信側(プロセスB)において
は、受信スレッドが、受信するメッセージ情報構造体c
omInfoを受け取るためのcomInfoへのポイ
ンタを引数にして、選択した通信手段(プロトコルa)
の受信処理ルーチン(recv)を呼ぶ(1) 。受信処理
ルーチン(recv)においては、送信処理ルーチン
(send)からの接続要求を受入れ、接続要求を許可
する旨を送信処理ルーチン(send)に伝達する。こ
の状態で、受信スレッドは待機状態となり(2) 、送信元
プロセスの送信スレッドよりメッセージ情報構造体が送
られてきたら、そのデータを受信する(5) 。
【0052】そして、このメッセージが、戻りメッセー
ジでない通常のメッセージであった場合には、受信スレ
ッドは上位レイヤの処理へ戻り(8),(9) 、一連の受信処
理は終了する。なお、受信したメッセージが戻りメッセ
ージであった場合の処理については、後に詳述する。な
お、受信スレッドは、メッセージを受信するために、C
MIよりも上位レイヤのメッセージ受信部によって起こ
されるスレッドである。
【0053】次に、戻り値のあるメッセージの送受信に
係わる処理について、図8を参照して説明する。図8
は、戻りメッセージのあるメッセージの送受信に係わる
処理を説明するための図である。戻り値のあるメッセー
ジの処理においては、受信スレッドが戻り値のメッセー
ジ情報構造体comInfoを受信した時に、そのメッ
セージ情報構造体comInfoをそれを呼び出した元
の送信スレッドに渡すことになる。その場合に、メッセ
ージ送信先のオブジェクトとプロセスの配置変更などに
より、送信時と受信時の通信プロトコルが異なる場合が
ある。そこで、本実施の形態のネットワークシステムに
おいては、通信プロトコルの種別によらず戻り値を取得
できるような構成となっている。
【0054】まず,図8において、送信処理側において
は、まず、戻り値を必要とするメッセージを呼び出した
(Call,SyncCallによる)送信スレッド
は,最初に戻り値要求登録ルーチンを呼び、戻り値の受
け渡しに必要な、メッセージID、条件変数、戻り値の
メッセージ情報構造体comInfoを受け取るための
comInfoへのポインタなどの情報によって構成さ
れる戻り値記述子を作成し、プロセスに1つ存在する戻
り値記述子テーブルへ登録する(1) 〜(4) 。この戻り値
記述子テーブルは、同一プロセス内の複数のスレッドよ
りアクセス可能なように、共有記憶領域に構成され、ま
た、その登録と読み出しは、複数のスレッドからのアク
セスに対して問題が発生しないように排他制御される。
【0055】戻り値記述子テーブルへの登録が終了した
ら、呼出しのメッセージ情報構造体comInfoへの
ポインタを引数にして、選択した通信プロトコルの送信
処理ルーチンを呼び、送信先プロセスの受信処理ルーチ
ンへメッセージ情報構造体comInfoを渡す(5) 〜
(7) 。そして、送信スレッドは、戻り値のメッセージ情
報構造体comInfoが送信されてくるまで、待機状
態となる(8),(9) 。この送信されたメッセージ情報構造
体comInfoに対する受信側の受信処理および受信
側における戻り値の送信の処理は、図7を参照して前述
した処理と同じであるので説明を省略し、戻されてきた
戻り値を受け取る際の処理について、説明する。
【0056】受信スレッドは,メッセージ情報構造体c
omInfoを受け取るためのcomInfoへのポイ
ンタを引数にして、選択した通信プロトコルの受信処理
ルーチンを呼ぶ(10)。そして、受信スレッドは、メッセ
ージ情報構造体comInfoを受信するまでは、受信
処理ルーチン内で待機状態となる(11)。メッセージ情報
構造体comInfoを受診すると、メッセージ情報構
造体comInfoのメンバmsgTypeを参照し
て、そのメッセージ情報構造体comInfoが戻り値
のメッセージ情報構造体comInfoであるか否かを
判断し、そうであれば戻り値処理ルーチンを呼ぶ(12),
(13) 。
【0057】そして、受信スレッドは、戻り値処理ルー
チンで、戻り値記述子テーブルに登録されている戻り値
記述子の中から、受信したメッセージ情報構造体com
InfoのメッセージIDと同一のメッセージIDを有
するものを検索し、適合した戻り値記述子のcomIn
foへのポインタに受信したメッセージ情報構造体co
mInfoが格納されているメモリのアドレスを入れる
(14),(15) 。そして、戻り値記述子の情報を元に、これ
を登録した送信スレッドに対して、実行再開処理を行い
(16)、受信スレッドは上位のレイヤの処理に戻る。これ
により、待機状態であった送信スレッドは、実行が再開
され(16)、受信した戻り値のメッセージ情報構造体co
mInfoを伴って上位レイヤの処理に戻る(17)。
【0058】このように、本実施の形態のネットワーク
システムにおいては、各プロセスにおける戻りメッセー
ジを有するメッセージの送受信においても、元のメッセ
ージを送信するスレッドと戻りメッセージを受信するス
レッドを分離した。したがって、元のメッセージを送信
する通信手段と、戻りメッセージを受信する通信手段が
異なっていても、適切にメッセージ通信の行えるように
なった。すなわち、種々の通信メディア、種々の通信プ
トロコルが存在するようなネットワークシステムにおい
ても、適切にメッセージ通信を行うことができるように
なった。
【0059】また、これらの、異なる通信手段に対応す
るための処理は、システムプログラミングI/F内で行
っており、アプリケーションは何ら意識する必要はな
い。したがって、アプリケーションレベルにおいては、
今まで以上に、通信手段の制約を受けず、システム独立
性を高くすることができた。また、種々の通信メディア
および通信プロトコルが混在するようなネットワークシ
ステムにおいて、通信をより効率よく行うことができる
ので、より効率のよい分散処理環境を提供することがで
きる、換言すれば、分散処理装置を提供することができ
た。
【0060】なお、本発明は本実施の形態に限られるも
のではなく、種々の改変が可能である。たとえば、本実
施の形態のネットワークシステムの各プロセスにおいて
は、戻りメッセージを受信した受信スレッドが、その戻
りメッセージの元のメッセージを送信した送信スレッド
に対して、その戻りメッセージを受信した旨の通知およ
びその戻りメッセージを転送する方法として、プロセス
内の全てのスレッドによりアクセス可能な共有記憶領域
に記憶した戻り値記述子テーブルを用いている。しかし
ながら、この通知の方法およびメッセージの転送方法
は、この他の任意の方法を用いてよい。たとえば、メッ
セージ情報構造体comInfoの属性情報の中に、送
信元のスレッドIDを記憶しておくようにすれば、その
スレッドIDを参照することにより元の送信スレッドを
特定することができ、その送信スレッドに直接的に通知
および転送を行うことができる。本発明の要旨は、戻り
メッセージを有するメッセージの送信およびその戻りメ
ッセージの受信を異なるスレッドにより行うことにあ
り、戻り値記述子テーブルを有しないそのような構成
も、本発明の範囲内であることは明らかである。
【0061】また、本実施の形態の通信メディアI/F
170は、図7および図8に示したように、通信メディ
アおよび通信プロトコルに応じた通信手段ごとに、メッ
セージ送信モジュール(send message)お
よびそのプロトコルに依存する送信モジュール、あるい
は、メッセージ受信モジュール(receive me
ssage)およびそのプロトコルに依存する受信モジ
ュールを含むCMIモジュールを具えていた。しかし、
通信手段ごとに具えるモジュールの機能のレベルは、少
なくともその通信手段に依存するレベルを含むことを条
件に、任意に設定してよい。
【0062】たとえば、図9に示すように、各プロセス
において、メッセージ送信モジュール(send me
ssage)およびメッセージ受信モジュール(rec
eive message)は各通信手段に共通的に設
けるようにし、その下位レベルの送信モジュールおよび
受信モジュールのみを各通信手段ごとに別個に設けるよ
うな構成にしてもよい。図9に示すような構成とした場
合、各通信手段ごとの送信モジュールにおいては、送信
先のプロセスに対して接続要求を出し、接続要求が許可
されたら、そのメッセージ情報構造体comInfo
を、送信先のプロセスで待機状態になっている受信スレ
ッドへ渡すという処理を行う。また、各通信手段ごとの
受信モジュールにおいては、送信モジュールからの接続
要求を受入れ、接続要求を許可する旨を送信モジュール
に伝達し、送信元プロセスの送信モジュールよりメッセ
ージ情報構造体が送られてきたら、そのデータを受信す
るという処理を行う。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
異なる通信手段を介したメッセージの送信と戻りメッセ
ージの受信とによるメッセージ通信にシステムレベルで
適切に対応することができ、これにより種々の通信手段
を介してより効率よく所望のプロセスと通信が行えるよ
うな情報処理装置を提供することができる。また、種々
の通信手段を介したメッセージ通信を効率よく行い、よ
り効率よく分散処理を行うことができる分散処理装置を
提供することができる。また、種々の通信手段を介した
メッセージ通信を効率よく行い、効率よい分散処理を行
うことができる分散処理環境を提供することのできるネ
ットワークシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態のネットワーク
システムの全体構成を模式的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した計算空間に配置される並
行オブジェクトとプロセスの関係を示す図である。
【図3】図3は、図2に示したプロセスにより提供され
るメッセージ送受信機構を説明するための図である。
【図4】図4は、図3に示したメッセージ送受信機構に
よるメッセージ送信処理の流れを示す図である。
【図5】図5は、図3に示したメッセージ送受信機構に
よるメッセージ受信処理の流れを示す図である。
【図6】図6は、プロセス間を送受信されるメッセージ
情報構造体の構成を示す図である。
【図7】図7は、図3に示した通信メディアインターフ
ェイスの概略構成を示すとともに、プロセス間のメッセ
ージ通信の基本的な処理を説明するための図である。
【図8】図8は、図3に示した通信メディアインターフ
ェイスの概略構成を示すとともに、プロセス間の戻りメ
ッセージを有するメッセージの通信処理を説明するため
の図である。
【図9】図9は、通信メディアインターフェイスの他の
構成例をを示す図である。
【図10】図10は、本発明に係わるネットワークシス
テムにおける、プロセス間の戻りメッセージを有するメ
ッセージの通信の状態の例を示す図である。
【符号の説明】
100…プロセス 110…並行オブジェクト 120…アプリケーションプログラミング機能 130…スケジューラ 140…参照解決器 141…参照テーブル 150…メッセージ通信部 151…メッセージセンダ 152…メッセージディスパッチャ 170…システムプログラミングI/F 171…OSI/F 172…通信メディアI/F 180…ONC−RPCボートマッパ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部と通信を行う1以上の外部通信手段
    と、 配置されたオブジェクトに実行環境および前記外部通信
    手段を含む複数の通信手段を介した通信環境を提供する
    プロセスとを有する情報処理装置であって、 前記プロセスは、 前記複数の通信手段に対応して設けられ、当該プロセス
    に配置されたオブジェクトより供給される送信対象のメ
    ッセージを、対応する通信手段を介して送信し、必要に
    応じて受信モジュールより受け渡される当該送信したメ
    ッセージに対して戻されたメッセージを、当該プロセス
    に配置された前記オブジェクトに受け渡す送信モジュー
    ルと、 前記複数の通信手段に対応して設けられ、対応する通信
    手段を介して送信されるメッセージを受信し、当該受信
    したメッセージが、前記複数の送信モジュールのいずれ
    かより送信された元のメッセージに対して戻されたメッ
    セージであった場合に、当該受信したメッセージを、前
    記元のメッセージを送信した送信モジュールに実質的に
    受け渡す受信モジュールとを有する情報処理装置。
  2. 【請求項2】前記プロセスは、前記送信モジュールより
    送信されるメッセージであって、前記戻りのメッセージ
    が受信される可能性のあるメッセージの、少なくとも当
    該メッセージを特定する情報を記憶する記憶手段をさら
    に有し、 前記各送信モジュールは、前記戻りのメッセージが受信
    される可能性のあるメッセージの送信を行う場合に、少
    なくとも当該メッセージを特定する情報を前記記憶手段
    に記憶し、 前記受信モジュールは、前記戻りのメッセージを受信し
    た場合に、前記記憶手段を介して、当該受信したメッセ
    ージを、前記元のメッセージを送信した送信モジュール
    に実質的に受け渡す請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 【請求項3】前記受信モジュールは、前記受信したメッ
    セージが、前記送信モジュールから送信されたメッセー
    ジに対して戻されたメッセージではない場合に、当該受
    信したメッセージを、当該プロセスに配置された前記オ
    ブジェクトに実質的に受け渡す請求項1または2に記載
    の情報処理装置。
  4. 【請求項4】前記通信手段に対応して設けられた複数の
    前記送信モジュールの各々と、当該プロセスに配置され
    た前記オブジェクトとの前記メッセージを含むデータの
    授受は、各送信モジュールが対応する通信手段の種類に
    依存しない共通に規定されたデータ形式に基づいて行わ
    れ、 前記通信手段に対応して設けられた複数の前記受信モジ
    ュールの各々と、当該プロセスに配置された前記オブジ
    ェクトとの前記メッセージを含むデータの授受は、各受
    信モジュールが対応する通信手段の種類に依存しない共
    通に規定されたデータ形式に基づいて行わる請求項1〜
    3のいずれかに記載の情報処理装置。
  5. 【請求項5】前記通信手段は、通信メディアおよび通信
    手順に応じて規定され、 前記プロセスの前記送信モジュールおよび前記受信モジ
    ュールは、各々、少なくとも異なる通信メディアおよび
    通信手順ごとに設けられる請求項1〜4のいずれかに記
    載の情報処理装置。
  6. 【請求項6】複数のオブジェクトが通信を行うことによ
    り協働して所望の処理を行う分散処理装置であって、 各々任意の通信手段により接続された複数のノードと、 前記ノード上に各々1つまたは複数形成され、配置され
    たオブジェクトに実行環境および通信環境を提供する複
    数のプロセスと、 各々前記複数のプロセスのいずれかに配置され、当該各
    プロセスにより提供される前記通信環境を介して通信を
    行い、協働して所望の処理を行う複数のオブジェクトと
    を有し、 前記複数のプロセスの各々は、 メッセージを送信可能な通信手段に対応して設けられ、
    当該プロセスに配置された前記オブジェクトより供給さ
    れる送信対象のメッセージを、対応する通信手段を介し
    て、所望のプロセスに送信し、必要に応じて受信モジュ
    ールより受け渡される当該送信したメッセージに対して
    戻されたメッセージを、当該プロセスに配置された前記
    オブジェクトに受け渡す送信モジュールと、 メッセージを受信可能な通信手段に対応して設けられ、
    対応する通信手段を介して送信されるメッセージを受信
    し、当該受信したメッセージが、前記複数の送信モジュ
    ールのいずれかより送信された元のメッセージに対して
    戻されたメッセージであった場合に、当該受信したメッ
    セージを、前記元のメッセージを送信した送信モジュー
    ルに実質的に受け渡す受信モジュールとを有する分散処
    理装置。
  7. 【請求項7】各々任意の通信手段により接続された複数
    のノードと、 前記ノード上に各々1つまたは複数形成され、配置され
    たオブジェクトに実行環境および通信環境を提供する複
    数のプロセスとを有するネットワークシステムであっ
    て、 前記プロセスは、 当該プロセスよりメッセージを送信可能な通信手段に対
    応して設けられ、当該プロセスに配置されたオブジェク
    トより供給される送信対象のメッセージを、対応する通
    信手段を介して所望のプロセスに送信し、必要に応じて
    受信モジュールより受け渡される当該送信したメッセー
    ジに対して戻されたメッセージを、当該プロセスに配置
    された前記オブジェクトに受け渡す送信モジュールと、 当該プロセスにおいてメッセージを受信可能な通信手段
    に対応して設けられ、 対応する通信手段を介して送信されるメッセージを受信
    し、当該受信したメッセージが、前記複数の送信モジュ
    ールのいずれかより送信された元のメッセージに対して
    戻されたメッセージであった場合に、当該受信したメッ
    セージを、前記元のメッセージを送信した送信モジュー
    ルに実質的に受け渡す受信モジュールとを有するネット
    ワークシステム。
  8. 【請求項8】前記各プロセスは、 当該プロセスが設けられている前記ノードの近傍であっ
    て、当該プロセスに係わる当該ネットワークシステムの
    構成の情報が予め記憶されたネットワーク情報記憶手段
    と、 前記ネットワーク情報記憶手段に記憶されている当該プ
    ロセスに係わる当該ネットワークシステムの構成の情報
    に基づいて、当該プロセスよりメッセージ送信の可能な
    通信手段を検出し、該検出した通信手段ごとに前記送信
    モジュールを生成する送信モジュール生成手段と、 前記ネットワーク情報記憶手段に記憶されている当該プ
    ロセスに係わる当該ネットワークシステムの構成の情報
    に基づいて、当該プロセスがメッセージ受信可能な通信
    手段を検出し、該検出した通信手段ごとに前記受信モジ
    ュールを生成する受信モジュール生成手段とを有する請
    求項7に記載のネットワークシステム。
  9. 【請求項9】前記各プロセスにおいてメッセージ通信可
    能な通信手段は、同一プロセス内のメッセージ通信、同
    一ノード内のプロセス間メッセージ通信、TCPによる
    異ノード間のプロセス間メッセージ通信、UDPによる
    異ノード間のプロセス間メッセージ通信、HTTPによ
    る異ノード間のプロセス間メッセージ通信、IIOPに
    よる異ノード間のプロセス間メッセージ通信のいずれか
    1つあるいは複数、あるいは全てを含み、 前記プロセスの前記送信モジュールおよび前記受信モジ
    ュールは、前記各通信形態ごとに設けられる請求項7ま
    たは8に記載のネットワークシステム。
  10. 【請求項10】前記受信モジュールの各々は、送信され
    る前記メッセージを受信し、該受信したメッセージを当
    該プロセス内の任意の処理モジュールよりアクセス可能
    な所定の共有記憶領域に格納し、当該受信したメッセー
    ジが、前記複数の送信モジュールのいずれかより送信さ
    れた元のメッセージに対して戻されたメッセージであっ
    た場合には、当該戻りのメッセージの受信を、前記元の
    メッセージを送信した送信モジュールに実質的に通知
    し、 前記送信モジュールの中の、前記元のメッセージを送信
    した送信モジュールは、前記戻りのメッセージの受信の
    通知に基づいて、当該メッセージを前記共有記憶領域よ
    り実質的に読み出し、当該プロセスに配置された前記オ
    ブジェクトに受け渡す請求項7〜9のいずれかに記載の
    ネットワークシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003177930A (ja) * 2001-09-04 2003-06-27 Samsung Electronics Co Ltd プロセス間通信方法及び装置
WO2004003773A1 (ja) * 2002-06-28 2004-01-08 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 識別符号付与装置及び方法
US7318083B2 (en) 2001-08-27 2008-01-08 Ricoh Company, Ltd. Information processing system

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