JP2000151671A - マルチキャストフィルタリング付き中継装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない設定で多くのアドレスの可能性に対応
でき、ＦＤＢの利用効率を高めることができるマルチキ
ャストフィルタリング付き中継装置を提供する。 【解決手段】 マルチキャストアドレスのうち所望のビ
ットだけを有効にさせるマスクＭと、該有効ビットにユ
ーザ指定情報を有するユーザ指定マルチキャストアドレ
スＵと、中継ポートＰとを対応付けて登録しておき、受
信したマルチキャストパケットの宛先アドレスＡを前記
マスクＭで処理し、その処理結果が前記ユーザ指定マル
チキャストアドレスＵに一致すれば前記中継ポートＰよ
り受信マルチキャストパケットを中継する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、マルチキャストパ
ケットのフィルタリングができるマルチキャストフィル
タリング付き中継装置に係り、特に、少ない設定で多く
のアドレスの可能性に対応でき、ＦＤＢの利用効率を高
めることができるマルチキャストフィルタリング付き中
継装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】画像、音声などのマルチメディア情報を
伝送するマルチメディア放送ネットワークは、図３に示
されるように、画像、音声などのマルチメディア情報を
送信するマルチメディアサーバ３１に対して複数の受信
端末３２ａ〜３２ｅが接続され、情報の流れは１対多の
放送という形になる。３３は、スイッチングハブ等のパ
ケット中継装置である。

【０００３】イーサネット（登録商標）の環境におい
て、このような放送方式をサポートしているのは、イー
サネットのマルチキャスト機能である。イーサネットマ
ルチキャスト機能では特定のマルチキャスト宛先ＭＡＣ
アドレスを用いることにより、あるグループ間の１対多
のマルチキャストを実現する。

【０００４】マルチキャストＭＡＣアドレスは、図４に
示されるように、ＭＡＣアドレスの先頭バイトのビット
０が“１”となるものである。端末は、このマルチキャ
スト宛先ＭＡＣアドレスを持つマルチキャストパケット
を受信すると、ブロードキャストパケットを受信したと
きと同様にマルチキャストパケットを自局に取り込んで
処理を行う。通常は、端末のソフトウェアは、このマル
チキャストパケットが自局に必要だと判断すれば更に処
理を行い、必要がないと判断すれば廃棄処理を行う。

【０００５】マルチキャストパケットは、イーサネット
上の全ての端末に受信される性質を持っている。けれど
も、ネットワーク上の全ての端末がこのようなマルチキ
ャストパケットを必要とするわけではない。また、ある
端末では特定のマルチキャスト宛先ＭＡＣアドレスを持
つマルチキャストパケットだけを受信したいという場合
もある。従って、ネットワーク上にマルチキャストパケ
ットが多く流れているとき、多くの端末が受信したマル
チキャストパケットを廃棄していることになる。即ち、
多くの端末において、不要なマルチキャストパケットを
受信してそれを廃棄するという無駄な負荷が発生してい
ることになる。また、マルチキャストパケットがそれを
必要としない端末まで流れていることになるため、ネッ
トワーク利用効率が低下していることになる。

【０００６】このような問題を解決するためには、スイ
ッチングハブなどのパケット中継装置に特定のマルチキ
ャストパケットを特定のポートにしか中継しないという
マルチキャストフィルタリング機能を持たせることが要
求される。

【０００７】従来の技術では、このようなマルチキャス
トフィルタリング機能を図５の構成で実現していた。即
ち、この中継装置５０は、ＣＰＵ１とスイッチＬＳＩ２
とを備える。スイッチＬＳＩ２は、マルチキャストアド
レスと中継ポートとを対応付けて登録するフィルタリン
グテーブル（図示せず）を有し、受信したマルチキャス
トパケットの宛先アドレスで前記フィルタリングテーブ
ルを参照して中継ポートを決定するハードウェアであ
る。ＣＰＵ１は、ユーザがマルチキャストフィルタリン
グ情報を設定するためのソフトウェアを実行するもの
で、マルチキャストフィルタリング情報が設定されるソ
フトウェア上のテーブル３を有する。テーブル３の設定
情報は、マルチキャストアドレスと対応する中継ポート
とからなる。ソフトウェアは、このテーブル３の設定情
報をハードウェア即ちスイッチＬＳＩ２のフィルタリン
グテーブルに登録するようになっている。マルチキャス
トフィルタリング情報が登録されたスイッチＬＳＩ２
は、受信したマルチキャストパケットの宛先アドレスで
フィルタリングテーブルを参照して中継ポートを決定す
ることができる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、宛先の異な
る複数種類のマルチキャストパケットを使用している端
末では、フィルタリングしたいマルチキャスト宛先ＭＡ
Ｃアドレスが複数あることになる。ユーザがこのような
複数のマルチキャストアドレスを全部列挙してマルチキ
ャストフィルタリング情報を設定することは、ユーザに
とって煩わしいことである。

【０００９】また、特定の位置のビットが特定の値にな
っているマルチキャスト宛先ＭＡＣアドレスを持つマル
チキャストパケットを受信したいという場合がある。例
えば、図２のように、マルチキャスト宛先ＭＡＣアドレ
スが先頭の桁から01-02-03の値（１６進）を有しそれ以
降の桁の値**は特定しない複数種類のマルチキャストパ
ケットを受信したいという場合には、可能なアドレスの
数が多いため、そのアドレスの全てを列挙することが事
実上不可能である。また、仮にアドレスを列挙できて
も、その数がハードウェアのフィルタリングテーブルに
登録できるエントリ容量を超えてしまう。

【００１０】また、ハードウェアに登録できるエントリ
（マルチキャストアドレス及び中継ポートの対）の数が
有限であるため、もし、ハードウェアに登録したエント
リが消去されずに永遠に残ると、そのマルチキャストア
ドレスを持つマルチキャストパケットがネットワーク上
に流れなくなった後にもエントリはそのまま残ってしま
うことになる。その結果、ハードウェアのＦＤＢ（フィ
ルタリングデータベース）の利用効率が悪くなり、ユニ
キャストパケットの中継にも悪影響を与えることにな
る。

【００１１】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、少ない設定で多くのアドレスの可能性に対応でき、
ＦＤＢの利用効率を高めることができるマルチキャスト
フィルタリング付き中継装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、マルチキャストアドレスのうち所望のビッ
トだけを有効にさせるマスクと、該有効ビットにユーザ
指定情報を有するユーザ指定マルチキャストアドレス
と、中継ポートとを対応付けて登録しておき、受信した
マルチキャストパケットの宛先アドレスを前記マスクで
処理し、その処理結果が前記ユーザ指定マルチキャスト
アドレスに一致すれば前記中継ポートより受信マルチキ
ャストパケットを中継するものである。

【００１３】また、ハードウェア上のフィルタリングテ
ーブルにマルチキャストアドレスと中継ポートとが対応
付けて登録され、該ハードウェアは受信したマルチキャ
ストパケットの宛先アドレスで前記フィルタリングテー
ブルを参照して中継ポートを決定するマルチキャストフ
ィルタリング付き中継装置において、ソフトウェア上の
テーブルに、マルチキャストアドレスのうち所望のビッ
トだけを有効にさせるマスクと、該有効ビットにユーザ
指定情報を有するユーザ指定マルチキャストアドレス
と、中継ポートとを対応付けて登録しておき、前記フィ
ルタリングテーブルに未登録の宛先アドレスを持つマル
チキャストパケットを受信したとき、この宛先アドレス
を前記マスクで処理した後、前記ユーザ指定マルチキャ
ストアドレスと比較し、この比較が一致したときのみ前
記フィルタリングテーブルへの登録を行うものである。

【００１４】前記ハードウェア上のフィルタリングテー
ブルの登録内容を登録より所定時間経過したときに削除
してもよい。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて詳述する。

【００１６】本発明の中継装置は、マルチキャストアド
レスのうち所望のビットだけを有効にさせるマスク（ア
ドレスマスク又はビットマスク）と、この有効ビットに
ユーザ指定情報を有するユーザ指定マルチキャストアド
レスと、中継ポートとを対応付けて登録するようになっ
ている。例えば、アドレスマスクff-ff-ff-00-00-00
（１６進）を設定し、ユーザ指定マルチキャストアドレ
ス01-02-03-00-00-00 を設定したとする。マスク処理と
して論理積（＆）を行うものとする。受信したマルチキ
ャストパケットの宛先アドレスをアドレスマスクff-ff-
ff-00-00-00 でマスク処理すると、先頭から２４ビット
の範囲が有効になる。この処理結果がユーザ指定マルチ
キャストアドレス01-02-03-00-00-00 に一致したとき、
対応するポートを中継ポートに決定する。受信したマル
チキャストパケットの宛先アドレスが01-02-03-**-**-*
* （* は任意）であれば、中継が行われることになる。
これにより、マルチキャスト宛先ＭＡＣアドレスが先頭
の桁から01-02-03の値を持つ複数種類のマルチキャスト
パケットをひとつのグループとして登録してフィルタリ
ングを行うことができる。

【００１７】このようにして、ユーザ指定マルチキャス
トアドレス、ビットマスク、中継ポートを対応付けて登
録することで、マルチキャストパケットのグループフィ
ルタリングを指定することができる。

【００１８】しかしながら、通常のスイッチＬＳＩのマ
ルチキャストフィルタリング機能は、上記のビットマス
ク機能をサポートしていない。即ち、上記の実施形態
は、ハードウェアの変更を要する。

【００１９】図１に示されるように、本発明の他の実施
形態による中継装置１０は、ＣＰＵ１とスイッチＬＳＩ
２とを備える。スイッチＬＳＩ２は、従来と同様に、マ
ルチキャストアドレスと中継ポートとを対応付けて登録
するフィルタリングテーブル（図示せず）を有し、受信
したマルチキャストパケットの宛先アドレスで前記フィ
ルタリングテーブルを参照して中継ポートを決定するハ
ードウェアである。

【００２０】ＣＰＵ１は、ユーザがマルチキャストフィ
ルタリング情報を設定するためのソフトウェアを実行す
るもので、マルチキャストフィルタリング情報が設定さ
れるソフトウェア上のテーブル４を有する。

【００２１】テーブル４の設定情報は、アドレスマスク
Ｍとユーザ指定マルチキャストアドレスＵと中継ポート
Ｐとからなる。

【００２２】ソフトウェアは、フィルタリングテーブル
に未登録の宛先アドレスを持つマルチキャストパケット
を受信したとき、この宛先アドレスをアドレスマスクで
処理した後、ユーザ指定マルチキャストアドレスと比較
し、この比較が一致したときのみフィルタリングテーブ
ルへの登録を行うようになっている。

【００２３】以下、図１の中継装置１０の動作を説明す
る。

【００２４】ステップａ） ユーザが設定したユーザ指
定マルチキャストアドレス、アドレスマスク、中継ポー
トをソフトウェアが保持する。ここでは、アドレスマス
クff-ff-ff-00-00-00 、ユーザ指定マルチキャストアド
レス01-02-03-00-00-00 、中継ポート１，３が設定され
ているものとする。

【００２５】ステップｂ） スイッチＬＳＩ２は、ネッ
トワークから未登録の宛先アドレスを持つマルチキャス
トパケットを受信すると、ＣＰＵ１にその受信通知を行
う。

【００２６】ステップｃ） ＣＰＵ１は、その宛先アド
レスでテーブル４を照合する。具体的には、宛先アドレ
スとアドレスマスクとの論理積を演算し、その演算結果
をユーザ指定マルチキャストアドレスと比較する。

【００２７】ステップｄ） 一致するエントリがあった
ら、そのエントリの中継ポートと受信マルチキャストパ
ケットの宛先アドレスとをスイッチＬＳＩ２のフィルタ
リングテーブルへ登録する。一致するエントリがなけれ
ば、その宛先アドレスを中継禁止としてスイッチＬＳＩ
２に登録する。

【００２８】図示の例では、受信したマルチキャストパ
ケットの宛先アドレス01-02-03-04-05-06 は未登録であ
り、アドレスマスクff-ff-ff-00-00-00 を論理積するこ
とにより、01-02-03-00-00-00 が得られる。テーブル４
には、この値をユーザ指定マルチキャストアドレスに持
つエントリが存在するので、宛先アドレス01-02-03-04-
05-06 及び中継ポート１，３はフィルタリングテーブル
に登録されることになる。

【００２９】図１の中継装置は、図２のマルチメディア
放送ネットワークのように、マルチキャスト宛先ＭＡＣ
アドレスが先頭の桁から01-02-03の値を有しそれ以降の
桁の値**は特定しない複数種類のマルチキャストパケッ
トを受信したいという場合に好適に利用することができ
る。図示例では、マルチメディアサーバ３１が送信した
宛先アドレスが01-02-03-**-**-** のマルチキャストパ
ケットは、本発明に係るスイッチングハブ３３のフィル
タリング動作により、端末３２ｃ，３２ｅに中継され
る。

【００３０】次の実施形態による中継装置は、ＦＤＢの
利用効率を高めるための構成を有する。即ち、マルチキ
ャストアドレスをスイッチＬＳＩに登録してから、所定
の時間が経過すると、そのエントリを削除するようにな
っている。従って、スイッチＬＳＩに登録されているエ
ントリは、時間の経過により削除される。しかし、エン
トリを削除されたマルチキャストアドレスがまだ使用中
であれば、そのマルチキャストアドレスを宛先とするマ
ルチキャストパケットが受信されるので、再び、前述の
未登録マルチキャストアドレスの登録が行われる。これ
により、あるマルチキャストアドレスを持つマルチキャ
ストパケットがネットワーク上に流れなくなった後に
は、そのエントリは残らず、フィルタリングテーブルに
は最近使用されているマルチキャストアドレスのエント
リだけが残るようになる。

【００３１】

【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。

【００３２】（１）受信可能な全てのマルチキャストア
ドレスを列挙してマルチキャストフィルタリング情報を
設定する必要がなくなるので、ユーザの手間が省ける。

【００３３】（２）マスクによる有効ビットだけを設定
するようにしたので、ひとつのエントリで宛先の異なる
複数種類のマルチキャストパケットに対応でき、エント
リの個数がテーブルに登録できる有限のエントリ容量を
超えることがない。

【００３４】（３）ビットマスク機能をソフトウェアで
サポートしたので、ハードウェアの変更なしに実現でき
る。

【００３５】（４）ハードウェアに登録されているエン
トリが定期的に削除され、再登録しされたエントリだけ
が残るので、登録されているエントリは活動中のマルチ
キャストアドレスのものであることが常に保証されると
共にＦＤＢの利用効率が高まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す中継装置の内部構成
図である。

【図２】本発明の中継装置を利用したマルチメディア放
送ネットワークの構成図である。

【図３】マルチメディア放送ネットワークの構成図であ
る。

【図４】マルチキャストＭＡＣアドレスの構成図であ
る。

【図５】従来の中継装置の内部構成図である。

【符号の説明】

１ ＣＰＵ ２ スイッチＬＳＩ ４ テーブル Ａ 宛先アドレス Ｍ マスク Ｐ 中継ポート Ｕ ユーザ指定マルチキャストアドレス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マルチキャストアドレスのうち所望のビ
   ットだけを有効にさせるマスクと、該有効ビットにユー
   ザ指定情報を有するユーザ指定マルチキャストアドレス
   と、中継ポートとを対応付けて登録しておき、受信した
   マルチキャストパケットの宛先アドレスを前記マスクで
   処理し、その処理結果が前記ユーザ指定マルチキャスト
   アドレスに一致すれば前記中継ポートより受信マルチキ
   ャストパケットを中継することを特徴とするマルチキャ
   ストフィルタリング付き中継装置。
2. 【請求項２】 ハードウェア上のフィルタリングテーブ
   ルにマルチキャストアドレスと中継ポートとが対応付け
   て登録され、該ハードウェアは受信したマルチキャスト
   パケットの宛先アドレスで前記フィルタリングテーブル
   を参照して中継ポートを決定するマルチキャストフィル
   タリング付き中継装置において、ソフトウェア上のテー
   ブルに、マルチキャストアドレスのうち所望のビットだ
   けを有効にさせるマスクと、該有効ビットにユーザ指定
   情報を有するユーザ指定マルチキャストアドレスと、中
   継ポートとを対応付けて登録しておき、前記フィルタリ
   ングテーブルに未登録の宛先アドレスを持つマルチキャ
   ストパケットを受信したとき、この宛先アドレスを前記
   マスクで処理した後、前記ユーザ指定マルチキャストア
   ドレスと比較し、この比較が一致したときのみ前記フィ
   ルタリングテーブルへの登録を行うことを特徴とするマ
   ルチキャストフィルタリング付き中継装置。
3. 【請求項３】 前記ハードウェア上のフィルタリングテ
   ーブルの登録内容を登録より所定時間経過したときに削
   除することを特徴とする請求項２記載のマルチキャスト
   フィルタリング付き中継装置。