JP2000119719A - 溶融還元炉への原料及び/又は燃料の装入方法及び装入装置並びに溶融還元設備 - Google Patents

溶融還元炉への原料及び/又は燃料の装入方法及び装入装置並びに溶融還元設備

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JP2000119719A
JP2000119719A JP10286693A JP28669398A JP2000119719A JP 2000119719 A JP2000119719 A JP 2000119719A JP 10286693 A JP10286693 A JP 10286693A JP 28669398 A JP28669398 A JP 28669398A JP 2000119719 A JP2000119719 A JP 2000119719A
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reduction furnace
smelting reduction
ore
smelting
furnace
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JP10286693A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Iwasaki
克博 岩崎
Shinichi Isozaki
進市 磯崎
Masahiro Kawakami
正弘 川上
Terutoshi Sawada
輝俊 澤田
Takeshi Sekiguchi
関口  毅
Masayuki Watabe
雅之 渡部
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融還元製鉄法において、酸素消費量及びプ
ロセスガス発生量を減らし、設備費を安価とするための
溶融還元炉への湿原料の装入方法及び装置。 【解決手段】 湿原料をスラリーにし、形状強化物質を
混合し、溶融還元炉での製錬中に当該炉内雰囲気に曝し
乾燥させて浴部71へ装入する。湿原料を時間t e =5
OR/SOR(分)以上、上記雰囲気に滞留させる
(WOR:鉱石の付着水分+Ig.loss(内数)、S
OR:鉱石の比表面積)。炉壁62に滞留場所64を設
け、ここで滞留させてもよい。高温ガスを製錬工程の系
外へ導く流路内であって1000℃以上の雰囲気に、水
分を含む鉱石や炭材等を予め混合したものを曝して、水
分を除去する。溶融還元炉の炉壁熱負荷についての情報
に応じて装入物の滞留時間を調整したり、炉内装入位置
によって装入量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉法によらな
い製鉄法であって、鉄鉱石を溶融還元して溶銑を製造す
る工程で、炭材を酸素含有ガスで二次燃焼させ、その熱
で酸化物鉱石を連続的に溶融還元製錬するプロセスにお
いて、酸素消費量及びプロセスガス発生量を減らし、設
備費が安価な装置を提供するための、溶融還元炉への製
鉄ダストを含む原料及び燃料を供給する方法及び装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に溶銑は高炉法により製造されてい
る。高炉法においてはコークスと焼結鉱を必要とし、コ
ークス炉と焼結機の操業が不可欠である。しかし、その
操業環境は厳しく制限されている。また、将来的にはコ
ークス用原料炭の資源不足が懸念されることや、世界的
視点でみると鉄源及びスクラップが偏在していること等
の問題発生が予想されている。そこで、一般炭と粉鉄鉱
石とを直接使用し、予備還元炉と鉄浴型溶融還元炉とを
直結した溶銑製造プロセス、即ち、溶融還元製鉄法が研
究されつつある。溶融還元製鉄法の代表的なプロセスと
して、DIOS法(Direct Iron Ore Smelting
Reduction Process)がある。この方法の基本は、炭
材を酸素含有ガスで二次燃焼させ、その熱で鉄鉱石を連
続的に溶融還元製錬して溶銑を得ることにある。
【0003】溶融還元製鉄法において解決すべき課題は
広範囲にわたっているが、高炉設備から圧延設備までを
擁する、いわゆる銑鋼一貫メーカー以外の多数の製鉄
所、即ちミニミルに溶融還元製鉄法を導入する場合に
は、鉄鉱石の溶融還元製錬に必要な酸素の消費量および
それからのガス発生量を低減し、設備費用が安価な溶融
還元プロセスが求められる。
【0004】DIOS法について、例えば、「新鉄源の
最近の動向」(日本鉄鋼協会製鉄プロセスフォーラム、
平成8年9月29日、p42〜51)に開示されている
(以下、「先行技術1」という)。
【0005】図8は、先行技術1による溶融還元製鉄法
のパイロットプラントのプロセスフローの要部である。
これによれば、粉粒状の鉄鉱石76を予熱炉77で予熱
し、予熱鉱石76’を流動層型の予備還元炉2に装入
し、700〜800℃まで予熱し、20%前後まで予備
還元した予備還元鉱石76”を、鉄浴型の溶融還元炉1
へ装入する。予備還元炉2として流動層を採用している
ので、これに装入する鉄鉱石76の粒度は、シャフト炉
のような通気性劣化の問題がなく、鉄鉱石の粒径は−8
mm程度以下の小粒ないし粉状のいわゆるシンターフィ
ードを使用することができる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】その反面、二次燃焼タ
イプの溶融還元炉との組み合わせでは、鉄鉱石の到達還
元率は熱力学的に33%を超えることはできず、石炭原
単位は700kg/t以上、酸素原単位がほぼ500N
3 /t以上、生成ガスの顕熱・潜熱が1〜2Gcal
/tとなる。このように作業用材料の使用原単位規模の
大きなプロセスを成立させるための酸素プラントやガス
処理・エネルギー転換プラントの規模は極めて大きくな
る。また、鉱石、石炭及び副原料等は密閉炉内へ投入し
て使用されるので、これら鉄鉱石等が投入系統で付着し
たり、閉塞したりするのを回避しなければならない。従
って、密閉炉内へのこれらの投入に際しては、予め、乾
燥しておくことが必要であり、そのための必要蒸気量は
数百kg/tに達し、設備費を増大させる原因となって
いる(問題点1)。
【0007】溶融還元製鉄法は、前述したように使用で
きる原料や燃料に自由度があるという点では非常に優れ
ている。しかし、褐炭から亜レキ青炭に至る低品質で含
水率の高い石炭や、褐鉄鉱から水酸化鉄鉱に至る低品質
で高含水率の鉱石を使用するためには、乾燥設備費が莫
大となるため、商業上はこれらを活用するのは問題であ
る。
【0008】このような問題を改善するために、特開平
6−271919号公報には次の技術が開示されている
(以下、「先行技術2」という)。即ち、鉱石と石炭と
を予め別の炉で処理して高還元鉱石とする。これを使用
することにより、諸原材料の使用原単位が低減する。し
かし、新たに、ロータリーキルンのような炉を新設する
必要が生じる点が問題である。また、予備処理をするた
めの炉への原料装入に際しても乾燥は必要である。ま
た、そのロータリーキルン形式の炉においては、処理温
度を500℃〜900℃に限定し、鉱石の金属化を促
し、石炭中揮発分を除去するための1200℃以上の高
温での処理については、言及していない。
【0009】更に、溶融還元炉ガスをロータリーキルン
へ導入するフローが図示されている。しかし、溶融還元
炉において炉内ガス酸化度即ち(CO2 +H2 O)/
(CO+CO2 +H2 +H2 O)×100%が25%以
上での二次燃焼操業が行なわれる場合には、炉壁への熱
負荷が大きく、浴直上の雰囲気温度が1800℃前後、
場合により2000℃を超えるので構造体の耐火性の観
点から耐火物では耐えられず、水冷構造としなければな
らない。更にこの場合、溶融スラグの飛散、付着・堆積
による炉口部の閉塞を抑制するため、炉壁高さの内数m
以上の炉体水冷化が必須である。そのために高温ガスか
ら水冷構造体へのヒートロスは極めて大きくなる。従っ
て、先行技術2の場合、ロータリーキルンへ導入される
ガスの温度は1000℃前後まで低下し、溶融還元炉ガ
スの顕熱を有効利用するという点からも非効率的である
(問題点2)。
【0010】特開平4−32505号公報には、圧縮成
形した石炭を、また、特開平3−287708号公報に
は、粉石炭と粉鉱石を混合成形したものを溶融還元炉へ
投入することにより、原・燃料の飛散を抑制し、二次燃
焼率の安定的向上をねらっている(それぞれ、「先行技
術3」及び「先行技術4」という)。しかしながら、こ
の方法では基本的に、上記の問題点の抜本的解決とはな
らなかった。但し、鉱石や石炭をスラリー状にして扱え
ば、搬送は容易で粉塵発生の問題もない。一方、含水率
の高い原・燃料が溶融還元炉に直接投入されると、水分
の蒸発のみならず、炭材等との間での水分の分解吸熱反
応が生じるため、石炭原単位、酸素原単位の著しい増大
を招き、望ましくない(問題点3)。
【0011】ここで、成形物の厚さを7mmで試験して
いるが、強度や石炭粒度が大きい場合の粉砕を考慮すれ
ば、厚さはより厚い方が望ましいとしている。また、予
備還元炉へのスラリー状鉱石の投入については、局所的
温度降下と凝集等の操業不安定が生じるため連続安定操
業を妨げ、望ましくない(問題点4)。
【0012】また、先行技術1、3及び4では、装入物
と溶融還元炉ガスとの接触時間が高々数秒と短いので、
通常の装入物粒度では、装入物からの水分蒸発や炭材の
脱揮等の改善は望めなかった。ガスとの接触時間は、自
由落下させても数秒しかかからず、気送したりインジェ
クションした場合は更に短時間となり、投入位置を溶融
還元炉より上のフードやダクトの部分にしたとしても、
ガスとの接触は殆ど向上しない。原料・燃料投入に際
し、ガスと原燃料間の熱交換及び反応は、1mm以下の
細かいもの以外には望めない(問題点5)。
【0013】従って、この発明の目的は、上記問題点を
解決ないし回避して、高炉法に代わる溶銑製造技術とし
て、溶融還元炉ガスの顕熱を利用して、製錬プロセスに
おける酸素消費量及びガス発生量を減らすと共に、でき
るだけこれを利用し、かくして、設備費用が安価な、金
属の溶融還元製錬方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した観点から、本発
明者等は、金属の溶融還元製錬方法を開発すべく鋭意研
究を重ねた。即ち、先行技術1に関する試験結果を詳細
に検討し、実験を重ねた。本発明は、新たに炉を増設す
ることなく、特に、溶融還元炉発生ガスの顕熱をできる
だけ利用することにより、問題を解決したものである。
そして、その要旨は次の通りである。
【0015】請求項1記載の溶融還元炉へ原料及び/又
は燃料を装入する方法は、溶融還元炉で鉱石を製錬する
工程において原料及び/又は燃料として、水分を含む酸
化物系及び/又は水酸化物系の鉱石、水分を含む炭材、
廃合成樹脂材、並びに造滓材の内から1種又は2種以上
を含む混合物からなる装入物を、溶融還元炉へ装入する
方法であって、上記装入物を予めスラリー状態に形成
し、このスラリーに当該スラリーの形状を保持強化する
ための形状強化物質を混合するか、又は上記スラリーを
形状強化材料で被覆して棒状ないし板状に形成する。こ
うして得られた装入物スラリーを、溶融還元炉における
製錬中に、当該溶融還元炉から発生する高温ガスの当該
溶融還元炉内雰囲気に曝しつつ、当該溶融還元炉の浴部
へ装入することに特徴を有するものである。このように
して、溶融還元炉への装入物の水分や揮発分等を蒸発さ
せる。
【0016】ここで、「棒状ないし板状」とは、炉内の
高温雰囲気中に所定時間滞留・接触するのに適した形態
であって、比表面積が大きいものが望ましいものである
ことを意味する。この観点から、棒状ないし板状とは、
スラリーが装入口から下方に送り出される時に、横断面
形状が円、楕円、正方形、長方形及びこれらに類似した
形状を広く含み、長手方向に懸垂して実質的に連続体と
して炉内に供給される形態のものを広く含むものとす
る。以下、この明細書において、棒状ないし板状とはす
べてこれと同じ形態を指すものとする。
【0017】請求項2記載の溶融還元炉へ鉱石を装入す
る方法は、溶融還元炉で鉱石を製錬する工程において水
分を含む酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石を上記溶
融還元炉へ装入する方法であって、上記溶融還元炉にお
ける製錬中に、当該溶融還元炉から発生する高温ガスの
当該溶融還元炉内雰囲気に、上記鉱石を、下記(1) 式:te =5WOR/SOR --------------(1) (但し、te :滞留時間(min)、WOR:鉱石の付着
水分(外数)+Ig.loss(内数)(wt.%)、
OR:鉱石の比表面積であって、SOR≡α/(d
ORρ OR)(m2 /t)、α:鉱石の形状係数(−)、d
OR:鉱石の代表厚さ(短径)(m)、ρOR:鉱石の嵩密
度(t/m3 ))で示される時間te (min)以上滞
留させた後、上記溶融還元炉の浴部へ装入することに特
徴を有するものである。
【0018】ここで、鉱石の代表厚さdORとは、当該鉱
石が溶融還元炉の浴部に装入されるまでの炉内雰囲気に
滞留期間中のある時点において、鉱石の一方の側がその
雰囲気に非接触の場合には、当該鉱石の接触表面から非
接触表面までの深さを指し、また、棒状、ひも状、粒
状、塊状、円盤状、球状、楕円体状、その他当該鉱石の
単体の外周が炉内空間雰囲気に包含されている場合に
は、その単体の短径を指すものとする。このとき、湿分
等のために原料の粒子同士が凝集している場合や、意図
的に粒子同士を凝集させた場合には、こうして出来上が
った凝集体の短径を指す。以下、上記鉱石の代表厚さd
OR以外の他の代表厚さの定義もこれに準じる。
【0019】形状係数αについては、上記代表厚さdの
測定対象原料の単体形状が、球の場合はα=6、円柱あ
るいは棒状の場合はα=4、板状であってこれが原料滞
留場所に堆積している場合、即ち板状体表面の片面が雰
囲気に接触し、他の片面は雰囲気に接触していない場合
は、α=1である。なお、板状であっても、板状体の両
表面が雰囲気に接触している場合は、α=2である。
【0020】なお、この明細書で鉱石の中には、溶融還
元炉や予備還元炉の排ガスの除塵機で捕集されたダスト
も含むものとする。以下同じである。請求項3記載の溶
融還元炉へ鉱石を装入する方法は、溶融還元炉で鉱石を
製錬する工程において炭材を上記溶融還元炉へ装入する
方法であって、上記溶融還元炉における製錬中に、当該
溶融還元炉から発生する高温ガスを上記製錬工程の系外
へ導く流路内であって1000℃以上の上記高温ガス雰
囲気に、上記炭材を、下記(2)式:tV =5Wc /S
c --------------(2) (但し、tV :滞留時間(min)、Wc :炭材の揮発
分(内数)+包蔵水分(外数)+付着水分(外数)(w
t.%)、Sc :炭材の比表面積であって、Sc ≡α/
(dc ρc )(m2 /t)、α:炭材の形状係数
(−)、dc :炭材の代表厚さ(短径)(m)、ρc
炭材の嵩密度(t/m3 ))で示される時間tV (mi
n)以上滞留させた後、上記溶融還元炉の浴部へ装入す
ることに特徴を有するものである。ここで、製錬工程の
系外へ導く流路内とは、例えば、溶融還元炉の浴上から
配設されるフード・ダクト等が適している。
【0021】請求項4記載の溶融還元炉へ鉱石を装入す
る方法は、溶融還元炉で鉱石を製錬する工程において、
水分を含む酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石並びに
炭材とを予め混合し、この混合物を、上記溶融還元炉に
おける製錬中に、当該溶融還元炉から発生する高温ガス
を上記製錬工程の系外へ導く流路内であって1000℃
以上の上記高温ガス雰囲気に下記(3)式:tm =10
m /Sm ----(3) (但し、tm :滞留時間(min)、Wm :混合物の付
着水分(外数)と混合物のIg.loss(内数)と炭
材の包蔵水分(外数)との荷重平均(wt.%)、S m :鉱
石及び炭材の比表面積であって、Sm ≡α/(d
m ρm )(m2 /t)、α:鉱石及び炭材の形状係数
(−)、dm :鉱石の代表厚さと炭材の代表厚さとの荷
重平均(短径)(m)、ρm :鉱石の嵩密度と炭材の嵩
密度との荷重平均(t/m3 ))で示される時間t
m (min)以上滞留させた後、上記溶融還元炉の浴部
へ装入することに特徴を有するものである。
【0022】請求項5記載の溶融還元炉へ原料及び/又
は燃料を装入する方法は、溶融還元炉で鉱石を製錬する
工程において、水分を含む、酸化物系及び/又は水酸化
物系の鉱石、炭材、廃合成樹脂材並びに造滓材からなる
装入物の内から選ばれた2種以上を予め混合し、この混
合物を上記溶融還元炉へ装入する方法であって、上記溶
融還元炉における製錬中に、当該溶融還元炉から発生す
る高温ガスの当該溶融還元炉内雰囲気に、前記混合物
を、下記(1’)式: te =5W1 /S1 -------------- (1’) 但し、te :滞留時間(min)、W1 :混合物の水分
含有率(wt.%)、S1 : 混合物の比表面積≡{αi /(di ρi )}xi (m2
/t)、 但し、 i :混合物の各構成物質を表わす添字記号 xi :混合物の各構成物質の重量比率(−) αi :混合物の各構成物質の形状係数(−) di :混合物の各構成物質の代表厚さ(m) ρi :混合物の各構成物質の嵩密度(t/m3 ) で示される時間te (min)以上滞留させた後、上記
溶融還元炉の浴部へ装入することに特徴を有するもので
ある。
【0023】請求項6記載の溶融還元炉へ原料及び/又
は燃料を装入する方法は、溶融還元炉で鉱石を製錬する
工程において、水分を含む、酸化物系及び/又は水酸化
物系の鉱石、炭材、廃合成樹脂材並びに造滓材からなる
装入物の内から選ばれた2種以上を予め混合し、この混
合物を上記溶融還元炉へ装入する方法であって、上記溶
融還元炉における製錬中に、当該溶融還元炉から発生す
る高温ガスを前記製錬工程の系外へ導く流路内であって
1000℃以上の前記高温ガス雰囲気に、上記混合物
を、下記(2’)式: te =5W2 /S2 -------------- (2’) 但し、te :滞留時間(min)、W2 :混合物の水分
含有率(wt.%)、S2 : 混合物の比表面積≡{αi /(di ρi )}xi (m2
/t)、 但し、 i :混合物の各構成物質を表わす添字記号 xi :混合物の各構成物質の重量比率(−) αi :混合物の各構成物質の形状係数(−) di :混合物の各構成物質の代表厚さ(m) ρi :混合物の各構成物質の嵩密度(t/m3 ) で示される時間te (min)以上滞留させた後、上記
溶融還元炉の浴部へ装入することに特徴を有するもので
ある。
【0024】請求項7記載の溶融還元炉へ鉱石を装入す
る方法は、請求項2〜6に記載の発明のいずれかにおい
て、上記溶融還元炉に装入される物質をスラリー状態に
して装入することに特徴を有するものである。
【0025】但し、ここで、前記代表厚さdOR、dc
m 又はdi は、前記スラリー状態装入物の代表厚さを
表わすものとする。請求項8記載の溶融還元炉へ鉱石を
装入する方法は、請求項7記載の発明において、上記溶
融還元炉に装入される物質には、当該投入時のスラリー
形態を所要の形状に保持するための形状強化保持強度向
上物質を混合するか、又は当該投入時のスラリーを形状
強化材料で被覆して棒状ないし板状に形成し、装入する
ことに特徴を有するものである。この場合、水蒸気等が
抜けるガス抜き孔がある方が望ましい。
【0026】請求項9記載の溶融還元炉へ鉱石を装入す
る方法は、請求項2〜8に記載の発明のいずれかにおい
て、上記溶融還元炉に装入される物質として、その短径
が、8〜30mmの範囲内にあるものを使用することに
特徴を有するものである。
【0027】請求項10記載の溶融還元炉へ鉱石を装入
する方法は、請求項2〜9に記載の発明のいずれかにお
いて、溶融還元炉内の浴温度の上昇・下降度合に応じて
装入物の滞留時間を調整することに特徴を有するもので
ある。
【0028】請求項11記載の溶融還元炉へ鉱石を装入
する方法は、請求項2〜9に記載の発明のいずれかにお
いて、溶融還元炉の炉壁熱負荷についての情報に応じ
て、装入物の上記滞留時間を調整することに特徴を有す
るものである。
【0029】請求項12記載の溶融還元炉へ鉱石を装入
する方法は、請求項2〜9に記載の発明のいずれかにお
いて、溶融還元炉の炉壁熱負荷についての情報に応じ
て、装入物の上記滞留時間を調整すると共に、上記溶融
還元炉内に装入する物質の溶融還元炉内水平断面内位置
における装入量の分布を調整することに特徴を有するも
のである。
【0030】請求項14記載の溶融還元炉へ鉱石を装入
する装置は、溶融還元炉で鉱石を製錬する工程におい
て、酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石、炭材、廃合
成樹脂材並びに造滓材からなる装入物の内から選ばれた
2種以上を上記溶融還元炉へ装入するための装置であっ
て、上記溶融還元炉から発生する、当該溶融還元炉内の
高温ガス雰囲気中に、前記2種以上の装入物を滞留させ
た後に、上記溶融還元炉内浴面内位置に対して装入物分
布を調整する機構を備えたことに特徴を有するものであ
る。
【0031】請求項15記載の溶融還元炉へ鉱石を装入
する装置は、溶融還元炉で鉱石を製錬する工程において
酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石、炭材、廃合成樹
脂材及び造滓材を含む投入物を上記溶融還元炉へ投入す
る装置と、上記溶融還元炉内の浴面よりも高い位置であ
って、上記投入物を上記溶融還元炉から発生する高温ガ
スと接触させ、そして上記高温ガスで加熱することがで
きる位置に上記投入物を滞留させる場所を設けたことに
特徴を有するものである。
【0032】請求項16記載の溶融還元炉へ鉱石を装入
する装置は、請求項15記載の発明において、上記溶融
還元炉内の浴温度の上昇・下降度合に応じて上記投入物
の滞留時間を調整しつつ、上記投入物を機械的に上記溶
融還元炉内の浴中に押し込む機構を備えたことに特徴を
有するものである。
【0033】
【発明の実施の形態】この発明は、上述した通り、溶融
還元炉への原料及び/又は燃料の装入技術を開発したも
のであり、これを溶融還元製鉄プロセスに適用すること
によりその真価が発揮される。次に、この発明の実施形
態を説明する。
【0034】(1)始めに、図を参照しながら、その実
施形態を説明する。図1は、この発明の方法及び装置の
実施形態例を説明する溶融還元炉の概略縦断面図であ
る。61は溶融還元炉本体であり、例えば、鉄浴型の溶
融還元炉である。62は炉壁、63は炉浴槽、そして6
4は装入物を炉内雰囲気中に一旦滞留させるための場
所、即ち滞留場所である。この滞留場所64は、同図に
示したように、炉壁62の下部に設けられ、その表面は
炉内側に傾斜している。更に、この傾斜面に沿ってスト
ロークするプッシャー65及び掻き取り装置66が設け
られている。炉本体61の上部には、装入物用の投入シ
ュート67、及び酸素吹錬用のランス68が設けられて
いる。
【0035】鉱石、炭材、廃合成樹脂材及び造滓材から
なる原料及び燃料(「装入物」と総称する)69を、投
入シュート67から滞留場所64へ投入する。滞留場所
64に投入された装入物69は、溶融還元炉発生の高温
ガスで加熱されると共に、諸反応を起こす。溶融還元炉
発生ガスは、ランス68から吹き込まれた酸素含有ガス
70と炉内物質(固体、液体、気体の全て)との間での
反応により発生したものである。次いで、滞留場所64
で脱水、脱揮あるいは金属化等の変化を受けた装入物6
9を適時に適量ずつプッシャー65で押して、炉浴槽6
3内浴部であるスラグ・メタル浴71部に装入し、一部
は生成ガスとなって炉内ガスに移行する。
【0036】炉底部に底吹きガスノズル73を設け、ス
ラグ・メタル浴71内部に撹拌ガス74を吹込み、製錬
反応を促進させる。また、炉壁にサイドランス75を設
け、酸素含有ガス70を炉内に吹き込み、製錬の促進を
図る。
【0037】上記製錬設備には、溶融還元製錬操業を行
なうために通常必要な各種計測機器を設けること、及
び、下記装置を適宜付属させることにより、製錬操作を
一層制御し易くし、操業を安定化させ、且つ設備保全を
図るのが望ましい。 装入物の滞留時間調節装置。 装入物をスラリー状で炉内へ装入するためのスラリ
ー化装置。 装入物を投入シュートから滞留場所へ到着させるま
での所要時間を長く制御するために、スラリー状装入物
の形状保持強度の強化を目的とし、強化物質を添加して
スラリーの形状保持を強化するか、又は強度向上材料で
被覆して棒状ないし板状にするための形状強化装置。但
し、形状強化物質としては、繊維状物質、網目状物質、
粘着・接着性物質が適しており、材料としては鉄線(テ
ッサ、金網等)、炭素繊維、通常の粘結材・各種バイン
ダー、あるいは、高温ガスとの接触で固化ないし繊維化
する物質が適する。形状強化物質の添加作用としては、
装入物からの付着水、結晶水あるいは包蔵水等の水分、
蒸気、あるいはまた揮発分の発生量が多いほど、最初の
スラリー形状の維持が困難となることを考慮して、適度
のガス抜き穴を形成する作用をもつものが効果的であ
る。また、スラリーの外周を棒状ないし板状に被覆する
形状強化材料として、内包されたスラリーからのガス抜
き孔のある薄い板状であって、スラリー外周を全長にわ
たって被覆する形態のもので、その材質は例えば、炭素
鋼等、浴添加で容易に溶け、また浴成分を害さないもの
が望ましい。板厚は、0.1〜1mm程度が適してい
る。 粉粒状の原料・燃料、例えば、粉鉱石、石炭粉、製
鉄ダスト等をシンターしたり、粒状に成型するための装
入物の簡単な前処理装置。 投入シュートから装入物を滞留場所に投入する場
合、炉壁内周方向で偏在分布させた投入をする装置。こ
れは、炉壁熱負荷が大きく厳しい条件の場所に対して重
点的に装入物を追加分布させ、冷材の役目を果たすもの
である。 炉壁を内部水冷式構造にする。
【0038】(2)次に、この発明において、溶融還元
炉へ原料・燃料を装入する方法及び装置を上述したよう
に限定した理由ないしその限定条件下における作用・効
果について説明する。
【0039】(a)溶融還元炉へ装入する原料や燃料中
に含まれる水分、揮発分、Ig.lossあるいは包蔵
水を蒸発、分解等により除去した後、炉内浴部へ装入す
ることにより、溶融還元炉で使用する石炭等の炭材や酸
素ガス原単位を低減させうる。上記水分等の除去は、当
該溶融還元炉内の高温ガス雰囲気に装入原・燃料を適切
に曝すことにより達成される。その方法として、装入原
・燃料を予めスラリー状態に形成し、このスラリーの形
状を保持強化し、その投入口からスラリーの強度を保持
しつつ、高温ガス雰囲気中をゆっくりを時間をかけて浴
部に装入することが望ましい。
【0040】(b)水分を多量に含む低級な鉱石でも、
溶融還元炉で生成する高温ガス雰囲気中に所定時間保持
して接触させれば、鉱石は予熱されて付着水分は蒸発
し、更には鉱石中結晶水が分解・蒸発する。更に温度が
上昇して酸化物の還元が進行する。このように変化した
鉱石を、溶融還元炉浴部へ装入する。少なくとも、鉱石
付着水を蒸発させるためには、上記高温ガス雰囲気中
に、te =5WOR/SOR(min)以上保持しなければ
ならない(WOR:鉱石の付着水分(外数)+Ig.lo
ss(内数)(wt.%)、SOR:鉱石の比表面積)。この
ように、付着水分や結晶水を予め蒸発させておけば、こ
れらが溶融還元炉のスラグ−メタル浴部で、蒸発潜熱な
いし分解熱を奪うことがないので、石炭等炭材及び酸素
の原単位を低減することができる。そして、鉱石の還元
を進行させておけば、鉱石の還元に必要な熱量が少なく
てすむので、石炭等炭材及び酸素の原単位を更に低減す
ることができる。本発明者等の試算によれば、溶融還元
炉の操業中、炉内空塔速度を考慮した場合でも、投入シ
ュートから重力落下で鉱石を投入した場合についてみる
と、浴部表面から投入シュートまでの高さ(h)が5m
のとき、鉱石落下時間はほぼ1.0秒であり、hが20
mと現実的に最大限度水準を想定した場合でもほぼ2.
0秒となる。一方、上記の重力落下により鉱石を浴部に
装入した実験結果によると、付着水分の蒸発は少なく、
浴部の温度低下が著しく、予備還元もされない状態であ
った。上記制約条件により、付着水分やIg.loss
(大部分は結晶水で構成されている)を予め蒸発させて
おけば、溶融還元炉の操業安定化及び生産性効率化に寄
与する。また、溶融還元炉への酸素及び燃料の装入原単
位が節減される。ここで、鉱石と高温ガスとを接触させ
る時期を、当該製錬中とし、接触場所を溶融還元炉内の
空間、炉壁面の上、ないし高温ガスの流路である配管内
に限定するのは、両者の接触用設備を別途作らずにすま
せ、できるだけ高温状態のガスと接触させ、しかも鉱石
を浴部に簡単に装入作業し得るようにするためである。
以下、鉱石の代わりに石炭、廃合成樹脂材あるいは造滓
材に対しても同じ理由が当てはまる。
【0041】なお、鉱石の中には、溶融還元炉や予備還
元炉の排ガスの除塵機で捕集されたダストも含むものと
する。その理由は、このダストには、微粉鉱石が多量に
含まれており、また、製錬中に生成した酸化鉄も含まれ
ているからである。
【0042】(c)石炭等の炭材を溶融還元炉で生成す
る1000℃以上の高温ガス雰囲気中に所定時間保持し
て接触させれば、一般炭とよばれる非粘結炭中に通常含
まれる水素分は付着水(包蔵水分)の蒸発で減少し、1
200℃以上の上記雰囲気であれば更に、揮発分も分解
・蒸発してほぼ1%以下まで除去できる。ガスとの接触
時間は、tV =5Wc /Sc (min)以上必要である
(Wc :炭材の揮発分(内数)+包蔵水分(外数)+付
着水分(外数)(wt.%)、Sc :炭材の比表面積(m2
/t))。かかる温度にこのような時間保持するのに
は、製錬工程の系外へ導く流路内、例えば、廃ガスダク
ト等の配管系が適している。
【0043】従来、炉壁熱負荷の観点、即ち、溶融還元
炉生成ガスの顕熱及び潜熱による炉壁への熱負荷を制限
して、ヒートロスを抑制している。そのために、溶融還
元炉の二次燃焼率は、従来30%からせいぜい40%強
までとされている。これに対して、本発明の方法を適用
することにより、二次燃焼率を40%以上〜80%程度
まで、ヒートロスの増大をたいして招くことなく操業で
きるという効果が得られる。そして、石炭原単位及び酸
素原単位の低減、設備費低減を可能とすることができ
る。
【0044】(d)鉱石と炭材を混合状態で少なくとも
1000℃以上、望ましくは1200℃以上の溶融還元
炉生成の高温ガス雰囲気下で、tm =10Wm /S
m (min)以上滞留させると、上記(c)項の効果は
更に向上する(Wm :混合物の付着水分(外数)と混合
物のIg.loss(内数)と炭材の包蔵水分(外数)
との荷重平均(wt.%)、Sm :鉱石及び炭材の比表面積
(m2 /t))。即ち、鉱石は必然的に金属鉄を生成
し、金属化率が少なくとも40%以上、通常50〜80
%程度のものが容易に得られる。ここで、鉱石と混合す
る石炭の割合を、鉱石の金属化に必要な量より過剰に
し、溶融還元炉の浴部での必要炭材量に見合う量にして
おくことにより、前述の石炭の脱揮による二次燃焼増大
の効果と、DIOS法における予備還元炉である流動層
での鉱石還元率よりもはるかに高い鉱石還元率が得られ
る。こうして、石炭原単位・酸素原単位は低減し、従来
のプロセス、即ち、流動層型予備還元炉で10〜25%
程度予備還元したものを溶融還元炉へ装入し、溶融還元
するプロセスでの値の1/2〜1/3にまで減少する。
【0045】(e)鉱石、炭材、廃合成樹脂材及び造滓
材の内から選ばれた2種以上を、予め混合したものを投
入シュートから滞留場所へ投入すれば、溶融還元炉への
装入作業を効率的に行なえる。
【0046】(f)装入物質をスラリー状にしたものを
投入シュートから投入すれば、溶融還元炉までのかかる
原料・燃料の搬送が容易となるばかりでなく、溶融還元
炉への投入速度制御が容易となり、溶融還元炉内の必要
滞留時間の確保と制御が容易にできる。
【0047】(g)一方、原料・燃料等の装入物を滞留
場所に一旦滞留させて高温ガスと接触保持させる方式で
は、燃料の燃焼熱による炉壁熱負荷の抑制に限界があ
る。そこで、炉内上部より装入物を垂らして吊り下げた
状態、即ち、懸垂状態で、高温ガスとの効率的接触と高
温ガス中での必要滞留時間の確保とを行なうことが可能
である。更に、この懸垂状態にある装入物の形状保持強
度を高め、所要時間保持後、直接スラグ・メタル浴中に
装入すれば、炉壁熱負荷を一層低減させ、炉壁保護に役
立てることができる。ここで、形状強化物質又は形状強
化材料としては、上記項で述べたものを使用する。
【0048】(h)各種装入物質が成形されたもの(球
状、円柱状、板状等の形態)の代表厚さが8mm以上の
ものを使用すれば、いわゆるシンターフィード鉱石や数
mmの細粒状石炭をそのまま使っても、結合強度を十分
確保することができ、一方、その短径が30mm以下の
ものを使用すれば、熱効率・反応効率の点での遅滞を起
こさず、本方法を実施できる。代表厚さを12〜20m
mにして使用すれば一層望ましい。
【0049】(i)溶融還元炉の浴の温度の上昇・下降
度合に応じて、装入物の滞留時間を調整することができ
れば、反応効率の高位安定と原料・燃料の過剰投入によ
る溶融還元炉の操業不安定を抑制することができる。溶
融還元炉の温度は、生成物温度の熱電対等によるサブラ
ンス等を用いたり、出湯中の湯温溶度を直接測定したり
して検知できる。また、炉壁やランス等水冷構造体の冷
却水量とその温度変化から、炉壁熱負荷の変化を、そし
て、熱電対や放射温度計等による直接測定によりガス温
度の変化を知る。もし、浴温度が上昇した場合には、原
・燃料の装入速度を上昇させ、装入物(原・燃料)の代
表厚さを大きくしたり、送酸量を減らすことにより調整
する。
【0050】(j)溶融還元炉内の浴面内位置に対して
装入物分布を調整する機構を備えており、炉壁熱負荷の
情報に応じた分布で、装入物質を浴面内位置に対して分
布させて装入する。例えば、炉壁近傍に投入すれば、そ
の部分一帯の炉壁熱負荷の低減ならびに炉壁保護に役立
てることができる。この場合、装入物中の炭材の割合を
減らして炭材の燃焼により逆にその部分一帯の炉壁熱負
荷が上昇することのないようにする。また、炉内浴部の
最高温度部に、装入物を投入することにより、ガス顕熱
の利用効率が高まる。
【0051】(k)滞留場所の表面傾斜角度が、装入物
の安息角以下の場合には、そこに堆積した投入物につい
ては、所要滞留時間を容易に確保することができる。勿
論、滞留場所の表面傾斜角度を安息角以上とし、且つ投
入物中の水分を多くして炉壁へ投入物が付着するように
しても滞留時間の確保は可能である。
【0052】(l)滞留場所へ投入された装入物が過剰
に堆積しないように、堆積した装入物を強制的に、機械
的に掻き取り、押し込む機能をそなえた機器を設ける。
そのようなものとして、プッシャーないし機械的掻き取
り装置で十分である。
【0053】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に詳細
に説明する。図8に示した先行技術1のDIOS法によ
る溶融還元製鉄法を従来技術の基本とし、本発明の範囲
内の試験例としての実施例1〜4、及び本発明の範囲外
の試験例としての比較例1〜4について説明する。な
お、表1に、実施例及び比較例で使用した鉱石及び石炭
分析の水準値を示す。
【0054】
【表1】
【0055】〔実施例1及び比較例1〕図2及び図3に
示すプロセスフローにより、それぞれ実施例1及び比較
例1の試験を行なった。
【0056】主な試験条件:実施例1では、溶融還元炉
への鉱石投入条件として、鉱石の予備乾燥及び予備還元
共に行なわず、原鉱石11を溶融還元炉1内の装入物の
滞留場所(図1、符号64)に1min間滞留させ、こ
の間に高温の溶融還元炉生成ガスと接触させた後に、炉
内浴部に装入した。石炭については予備乾燥せず原炭材
21を溶融還元炉1内浴部へ装入した。造滓材も焼成せ
ずに生造滓材25を溶融還元炉内浴部に装入した。これ
に対して、比較例1では、原鉱石11を予備乾燥し、次
いで乾燥鉱石12を予備還元炉で還元し、そして溶融還
元鉱石13を溶融還元炉内浴部へ装入した。石炭も乾燥
石炭22を溶融還元炉内浴部へ、また造滓材は焼成造滓
材26を溶融還元炉内浴部へ装入した。詳細な試験条件
及び試験結果を表2及び表3に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】実施例1では鉱石の乾燥及び予備還元、石
炭の乾燥工程、並びに造滓材の焼成をしなくても、比較
例1と比べて、鉱石乾燥用蒸気の削減と、鉱石乾燥設備
の削減が可能となっている。これは、鉱石を溶融還元炉
内の滞留場所で溶融還元炉生成ガス中に1min間保持
したために、鉱石の付着水分が蒸発したことによると考
えられる。
【0060】〔実施例2及び比較例2〕図4に示すプロ
セスフローにより実施例2及び比較例2の試験を行なっ
た。 主な試験条件:実施例2では、溶融還元炉への石炭投入
条件として、予備乾燥せずに原炭材21を溶融還元炉1
内の装入物の滞留場所に5min間滞留させ、溶融還元
炉生成の高温ガスと接触させた後に、溶融還元炉1内浴
部に装入した。但し、鉱石は鉱石乾燥炉3で乾燥し、次
いで予備還元炉2で所定値まで還元したものを、また造
滓材は焼成炉6で焼成したものをそれぞれ溶融還元炉内
浴部に装入した。これに対して、比較例2では、石炭を
湿ったまま溶融還元炉内浴部に装入し、一方、鉱石及び
造滓材については実施例2と同じ前処理をしたものを浴
部に装入した。このように実施例2では、原炭材21を
溶融還元炉1内雰囲気中に5min間滞留させた後、浴
部に装入したが、比較例2では原炭材21を直接浴部に
装入して、比較した。詳細な試験条件及び試験結果を表
4及び表5に示す。
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】実施例2においても、比較例2と同じよう
に湿った石炭を使用しても、比較例2と比べて、滞留中
に石炭の水分が蒸発し、揮発分も10wt.%以下まで下げ
られるので、溶融還元炉浴内での水分の蒸発及び分解熱
と、脱揮に伴なう石炭分解熱が低減し、更に揮発分低減
による浴部二次燃焼率の向上により、石炭及び酸素原単
位が大幅に低減している。これは、実施例2では石炭を
溶融還元炉内の滞留場所で炉生成ガス中に保持したため
に、付着水分が蒸発し、更に揮発分が脱揮されたものと
考えられる。従って、溶融還元炉内での二次燃焼率を容
易に増大させることができる。これに対して、比較例2
では、付着水分が1500℃前後の浴部とその直上の少
なくとも1700〜1800℃のガス空間部で蒸発した
上、ほとんど水素まで分解したものと考えられる。その
ため、分解吸熱が極めて大きく、エネルギー効率・諸原
単位の点で不利となった。このように、実施例2によれ
ば、石炭乾燥設備の削減が可能となる。
【0064】〔実施例3及び比較例3〕図2に示したプ
ロセスフローにより実施例3及び比較例3の試験を行な
った。 主な試験条件:実施例3では、溶融還元炉への装入物の
投入条件として、鉱石、石炭及び造滓材のいずれも予備
乾燥せず、また鉱石の予備還元もせず、これらすべてを
混合し、この混合物を溶融還元炉上部より溶融還元炉内
の滞留場所に投入し、ここで20min間滞留させた。
この間、混合物を溶融還元炉生成の高温ガスと接触させ
た後に、溶融還元炉内浴部に装入した。これに対して、
比較例3では、鉱石および石炭を湿ったまま溶融還元炉
内浴部へ装入し、一方、造滓材も焼成せず生造滓材のま
ま溶融還元炉内浴部へ装入した。詳細な試験条件及び試
験結果を表6及び表7に示す。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】上述した通り、実施例3においては、比較
例3と同じ状態の装入物を使用したが、その投入条件の
違いにより両者間に大差が生じた。実施例3において
は、比較例3に比べ、特に炭材原単位及びO2 ガス原単
位が、いずれも約1/3以下になり、著しく低減してい
る。鉱石と炭材との混合物と、炉生成ガスとを少なくと
も15min以上接触保持すれば、炭材中揮発分が脱揮
されると共に、炭材による鉱石の還元・金属化が生じる
と考えられる。このため、予備還元炉を持たない、溶融
還元炉単独による操業形態でも、溶融還元炉内の二次燃
焼率を容易に増大させることができ、比較例3と比べる
と諸原単位が大幅に減っている。また、従来のDIOS
法(先行技術1)と比べても石炭及び酸素原単位は減っ
ていた。
【0068】このように、実施例3によれば、鉱石及び
石炭乾燥設備が不要となり、また石灰やドロマイト等造
滓材の焼成炉の削減も可能となる。 〔実施例4及び比較例4〕図2に実施例4及び比較例4
の概略試験プロセスフローを示す。主な試験条件は次の
通りである。試験では、溶銑500t/dの溶融還元操
業を行なった。
【0069】実施例4では、溶融還元炉への装入物の投
入条件として、鉱石と石炭との混合物からなる水スラリ
ーを調製し、これに形状強化物質として炭素含有繊維を
添加してスラリーの形状保持を強化した。当該スラリー
を炉内上部より垂らして吊り下げた状態、即ち、重力で
ひも状に吊り下げた状態で、高温ガスとの効率的接触と
高温ガス中での必要滞留時間の確保とを行なった。この
ように、スラリーをひも状態に所要時間保持しておくた
めには、スラリーの強度を高め、且つ水分や揮発分の微
細な抜け穴を形成させてスラリーの形状を保持する。そ
して、スラリーを直接スラグ・メタル浴中に装入した。
こうして、炉壁での石炭等炭材の燃焼による炉壁熱負荷
を軽減して炉壁を保護すると共に、鉱石、石炭及び炭素
繊維の浴中への装入速度を遅く制御することによりスラ
リー中水分の蒸発を促進させた。この際、鉱石及び石炭
の各単体の短径は8〜30mmのものを使用し、スラリ
ー化後の投入時のひも状装入物径は約80mmであっ
た。造滓材は焼成せず生造滓材のまま、炉内滞留場所に
滞留させた後、浴部へ装入した。
【0070】図5に、操業中の溶融還元炉の炉壁熱負荷
の変化に対して行なった、スラリー状装入物の滞留時間
の変更アクションの例を示す。出銑滓に伴い、炉内スラ
グレベルが低下したので炉壁熱負荷が変動し、上昇して
きた。そこで、装入物の炉内滞留時間を短くして炉壁熱
負荷の低減アクションをとった。その後、炉壁熱負荷低
減の傾向が現れた。炉壁へのスラグ付着が懸念されたの
で、装入物滞留時間を若干長くし、熱負荷が所定値に安
定するよう調整した。
【0071】図6に、操業中の溶融還元炉の炉壁熱負荷
の変化に対して、スラリー状装入物の溶融還元炉内水平
断面内位置における装入量の分布を調整するアクション
をとった例を示す。同図は、スラリー状装入物投入シュ
ートが、図7に示すように、炉水平面内位置で、A、
B、C及びDの4箇所に設けられている場合である。そ
して、A、B、C及びDの各箇所毎の炉壁熱負荷の経時
変化に対して、各箇所毎にスラリー状装入物の装入量分
布を調整した例である。投入シュートA、D方向では、
炉内壁面へのスラグ付着により、炉壁熱負荷が低く安定
している。一方、B、C方向では、出銑滓に伴い炉内ス
ラグレベルが低下したので炉壁熱負荷が変動し、上昇し
てきた。そこで、B、C箇所の炉壁側の装入量を増やし
て、炉壁熱負荷の低減アクションをとった。その結果、
B、C方向の炉壁熱負荷も安定した。その後、出銑滓時
期には前回と同様、炉壁熱負荷が変動し、上昇してき
た。そこで、前回と同じアクションにより熱負荷は安定
した。
【0072】これに対して、比較例4では、溶融還元炉
への装入物の投入条件として、鉱石及び石炭の水スラリ
ーを直接浴中に装入した。また、造滓材は焼成せず生造
滓材のまま浴部へ装入した。そして、炉壁熱負荷の変化
に対する装入物の滞留時間の変更、及び装入量分布の調
整アクション共にとらず、操業試験を行なった。表8及
び9に、実施例4及び比較例4の詳細な試験条件及び結
果を示す。
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】実施例4では鉱石の乾燥及び予備還元、石
炭の乾燥工程、並びに造滓材の焼成をしなくても、比較
的強固に且つガス抜け良好にスラリー化された原・燃料
を、炉内高温ガス雰囲気中に滞留させて装入物中の水分
を十分に除去してから浴部に装入し、また、炉壁熱負荷
制御による炉体保護及び浴温管理を適切にしたので、安
定操業が行なわれた。その結果、鉱石及び石炭乾燥設備
が省略されると共に、炭材及び酸素原単位を低く保持し
つつ、生産性を向上させることができた。
【0076】本発明の実施例としては、上述した通り、
鉄鉱石の溶融還元をベースとした例を説明したが、本発
明の方法及び装置は、Ni,Cr、Mn等の金属酸化物
の溶融還元の場合にも同様に有効である。
【0077】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
高炉法に代わる溶銑製造技術としての溶融還元製錬方法
において、設備費用を安価にすることができる、溶融還
元炉への原料及び/又は燃料の装入方法及び装置を提供
することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法及び装置の実施形態例を説明す
る溶融還元炉の概略縦断面図である。
【図2】実施例1、実施例3、実施例4及び比較例3の
プロセスフローである。
【図3】比較例1のプロセスフローである。
【図4】実施例2及び比較例2のプロセスフローであ
る。
【図5】実施例4における炉壁熱負荷の変化に対する装
入物の装入速度の調整効果を示すグラフである。
【図6】実施例4における炉壁位置別の熱負荷の変化に
対する装入量の分布を調整の効果を示すグラフである。
【図7】実施例4における炉壁位置別の熱負荷試験時の
装入物の投入シュートの位置を説明する溶融還元炉の概
略平面図である。
【図8】先行技術1による溶融還元製鉄法のパイロット
プラントのプロセスフローの要部である。
【符号の説明】
1 溶融還元炉 2 予備還元炉 3 鉱石乾燥設備 4 石炭乾燥設備 6 造滓材焼成炉 11 原鉱石 12 乾燥鉱石 13 予備還元鉱石 20 高カロリー燃料 21 原炭材 21’ 石炭 22 乾燥石炭 25 生造滓材(石灰石、生ドロマイト) 26 焼成造滓材(焼石灰、軽焼ドロマイト) 26’ 造滓材 31 溶融還元炉生成ガス 32 予備還元炉生成ガス 33 予熱炉生成ガス 34 回収ガス 35 回収蒸気 36 溶銑 37 スラグ 38 回収ダスト 46 酸素 47 空気 48 窒素 49 ガスカロリー調整用燃料 51 除塵機 52 ガスホルダー 53 昇圧機 54 発電設備 56 蒸気回収ボイラー 57 ガス大気放散 58 熱交換器 59 スラリー化装置 60 形状強化装置 61 溶融還元炉本体 62 炉壁 63 炉浴槽 64 滞留場所 65 プッシャー 66 掻き取り装置 67 投入シュート 68 ランス 69 装入物 70 酸素含有ガス 71 スラグ・メタル浴 72 装入物堆積層 73 底吹きガスノズル 74 撹拌ガス 75 サイドランス 76 鉄鉱石 76’ 予熱鉱石 76” 予備還元鉱石 77 予熱炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 正弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 澤田 輝俊 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 関口 毅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡部 雅之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K012 CB02 CB04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程におい
    て原料及び/又は燃料として、水分を含む酸化物系及び
    /又は水酸化物系の鉱石、水分を含む炭材、廃合成樹脂
    材、並びに造滓材からなる装入物の内から1種又は2種
    以上を含む装入物を、前記溶融還元炉へ装入する方法で
    あって、前記装入物を予めスラリー状態に形成し、前記
    スラリーに当該スラリーの形状を保持強化するための形
    状強化物質を混合し、又は前記スラリーを形状強化材料
    で被覆して棒状ないし板状に形成し、こうして得られた
    装入物スラリーを、前記溶融還元炉における製錬中に、
    当該溶融還元炉から発生する高温ガスの当該溶融還元炉
    内雰囲気に曝しつつ、前記溶融還元炉の浴部へ装入する
    ことを特徴とする、溶融還元炉へ原料及び/又は燃料を
    装入する方法。
  2. 【請求項2】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程におい
    て水分を含む酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石を前
    記溶融還元炉へ装入する方法であって、前記溶融還元炉
    における製錬中に、当該溶融還元炉から発生する高温ガ
    スの当該溶融還元炉内雰囲気に、前記鉱石を、下記
    (1)式: te =5WOR/SOR --------------(1) 但し、 te :滞留時間(min) WOR:鉱石の付着水分(外数)+Ig.loss(内
    数)(wt.%) SOR:鉱石の比表面積≡α/(dORρOR)(m2 /t) α :鉱石の形状係数(−) dOR:鉱石の代表厚さ(短径)(m) ρOR:鉱石の嵩密度(t/m3 ) で示される時間te (min)以上滞留させた後、前記
    溶融還元炉の浴部へ装入することを特徴とする、溶融還
    元炉へ鉱石を装入する方法。
  3. 【請求項3】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程におい
    て水分を含む炭材を前記溶融還元炉へ装入する方法であ
    って、前記溶融還元炉における製錬中に、当該溶融還元
    炉から発生する高温ガスを前記製錬工程の系外へ導く流
    路内であって1000℃以上の前記高温ガス雰囲気に、
    前記炭材を、下記(2)式: tV =5Wc /Sc --------------(2) 但し、 tV :滞留時間(min) Wc :炭材の揮発分(内数)+包蔵水分(外数)+付着
    水分(外数)(wt.%) Sc :炭材の比表面積≡α/(dc ρc )(m2 /t) α :炭材の形状係数(−) dc :炭材の代表厚さ(短径)(m) ρc :炭材の嵩密度(t/m3 ) で示される時間tV (min)以上滞留させた後、前記
    溶融還元炉の浴部へ装入することを特徴とする、溶融還
    元炉へ炭材を装入する方法。
  4. 【請求項4】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程におい
    て、水分を含む酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石並
    びに炭材を予め混合し、この混合物を、前記溶融還元炉
    における製錬中に、当該溶融還元炉から発生する高温ガ
    スを前記製錬工程の系外へ導く流路内であって1000
    ℃以上の前記高温ガス雰囲気に下記(3)式: tm =10Wm /Sm --------------(3) 但し、 tm :滞留時間(min) Wm :混合物の付着水分(外数)と炭材の包蔵水分(外
    数)と鉱石のIg.loss(内数)との荷重平均(w
    t.%) Sm :鉱石及び炭材の比表面積≡α/(dm ρm )(m
    2 /t) α :鉱石及び炭材の形状係数(−) dm :鉱石の代表厚さと炭材の代表厚さとの荷重平均
    (短径)(m) ρm :鉱石の嵩密度と炭材の嵩密度との荷重平均(t/
    3 ) で示される時間tm (min)以上滞留させた後、前記
    溶融還元炉の浴部へ装入することを特徴とする、溶融還
    元炉へ原料及び燃料を装入する方法。
  5. 【請求項5】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程におい
    て、水分を含む、酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱
    石、炭材、廃合成樹脂材並びに造滓材の内から選ばれた
    2種以上を予め混合し、この混合物を前記溶融還元炉へ
    装入する方法であって、前記溶融還元炉における製錬中
    に、当該溶融還元炉から発生する高温ガスの当該溶融還
    元炉内雰囲気に、前記混合物を、下記(1’)式: te =5W1 /S1 -------------- (1’) 但し、 te :滞留時間(min) W1 :混合物の水分含有率(wt.%) S1 :混合物の比表面積≡{αi /(di ρi )}xi
    (m2 /t) 但し、 i :混合物の各構成物質を表わす添字記号 xi :混合物の各構成物質の重量比率(−) αi :混合物の各構成物質の形状係数(−) di :混合物の各構成物質の代表厚さ(m) ρi :混合物の各構成物質の嵩密度(t/m3 ) で示される時間te (min)以上滞留させた後、前記
    溶融還元炉の浴部へ装入することを特徴とする、溶融還
    元炉へ原料及び/又は燃料を装入する方法。
  6. 【請求項6】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程におい
    て、水分を含む、酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱
    石、炭材、廃合成樹脂材並びに造滓材の内から選ばれた
    2種以上を予め混合し、この混合物を前記溶融還元炉へ
    装入する方法であって、前記溶融還元炉における製錬中
    に、当該溶融還元炉から発生する高温ガスを前記製錬工
    程の系外へ導く流路内であって1000℃以上の前記高
    温ガス雰囲気に、前記混合物を、下記(2’)式: te =5W2 /S2 -------------- (2’) 但し、 te :滞留時間(min) W2 :混合物の水分含有率(wt.%) S2 :混合物の比表面積≡{αi /(di ρi )}xi
    (m2 /t) 但し、 i :混合物の各構成物質を表わす添字記号 xi :混合物の各構成物質の重量比率(−) αi :混合物の各構成物質の形状係数(−) di :混合物の各構成物質の代表厚さ(m) ρi :混合物の各構成物質の嵩密度(t/m3 ) で示される時間te (min)以上滞留させた後、前記
    溶融還元炉の浴部へ装入することを特徴とする、溶融還
    元炉へ原料及び/又は燃料を装入する方法。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6に記載の発明のいずれかに
    おいて、前記溶融還元炉に装入される物質をスラリー状
    態にして装入することを特徴とする、溶融還元炉へ原料
    及び/又は燃料を装入する方法。但し、ここで、前記代
    表厚さdOR、dc 、dm 又はdi は、前記スラリー状態
    装入物の代表厚さを表わすものとする。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発明において、前記溶融
    還元炉に装入される物質には、当該投入時のスラリー形
    態を所要の形状に保持するための形状強化物質を混合す
    るか、又は前記溶融還元炉に装入される物質を形状強化
    材料で被覆して棒状ないし板状に形成し、装入すること
    を特徴とする、溶融還元炉へ原料及び/又は燃料を装入
    する方法。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8に記載の発明のいずれかに
    おいて、前記溶融還元炉に装入される物質の形態とし
    て、前記代表厚さが、8〜30mmの範囲内に成形され
    たものを使用することを特徴とする、溶融還元炉へ原料
    及び/又は燃料を装入する方法。
  10. 【請求項10】 請求項2〜9に記載の発明のいずれか
    において、溶融還元炉内の浴温度の上昇・下降度合に応
    じて装入物の滞留時間を調整することを特徴とする、溶
    融還元炉へ原料及び/又は燃料を装入する方法。
  11. 【請求項11】 請求項2〜9に記載の発明のいずれか
    において、溶融還元炉の炉壁熱負荷についての情報に応
    じて、装入物の前記滞留時間を調整することを特徴とす
    る、溶融還元炉へ原料及び/又は燃料を装入する方法。
  12. 【請求項12】 請求項2〜9に記載の発明のいずれか
    において、溶融還元炉の炉壁熱負荷についての情報に応
    じて、装入物の前記滞留時間を調整すると共に、前記溶
    融還元炉内に装入する物質の溶融還元炉内水平断面内位
    置における装入量の分布を調整することを特徴とする、
    溶融還元炉へ原料及び/又は燃料を装入する方法。
  13. 【請求項13】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程にお
    いて酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石を前記溶融還
    元炉へ装入するための装置であって、前記溶融還元炉か
    ら発生する、当該溶融還元炉内の高温ガス雰囲気中に前
    記鉱石を滞留させた後に、前記溶融還元炉内浴面内位置
    に対して装入物分布を調整する機構を備えたことを特徴
    とする、溶融還元炉へ原料を装入する装置。
  14. 【請求項14】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程にお
    いて、酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石、炭材、廃
    合成樹脂材並びに造滓材からなる装入物の内から選ばれ
    た2種以上を前記溶融還元炉へ装入するための装置であ
    って、前記溶融還元炉から発生する、当該溶融還元炉内
    の高温ガス雰囲気中に、前記装入物の内から選ばれた2
    種以上を滞留させた後に、前記溶融還元炉内浴面内位置
    に対して装入物分布を調整する機構を備えたことを特徴
    とする、溶融還元炉へ原料及び/又は燃料を装入する装
    置。
  15. 【請求項15】 溶融還元炉で鉱石を製錬する工程にお
    いて水分を含む酸化物系及び/又は水酸化物系の鉱石、
    炭材、廃合成樹脂材及び造滓材を含む投入物を前記溶融
    還元炉へ投入する装置と、前記溶融還元炉内の浴面より
    も高い位置であって、前記投入物を前記溶融還元炉から
    発生する高温ガスと接触させ、そして前記高温ガスで加
    熱することができる位置に前記投入物を滞留させる場所
    を設けたことを特徴とする溶融還元設備。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の発明において、前記
    溶融還元炉内の浴温度の上昇・下降度合に応じて前記投
    入物の滞留時間を調整しつつ、前記投入物を機械的に前
    記溶融還元炉内の浴中に押し込む機構を備えたことを特
    徴とする、溶融還元設備。
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