JP2000116786A - 電気伝導路を有する体内挿入具の製造方法 - Google Patents

電気伝導路を有する体内挿入具の製造方法

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JP2000116786A
JP2000116786A JP10289766A JP28976698A JP2000116786A JP 2000116786 A JP2000116786 A JP 2000116786A JP 10289766 A JP10289766 A JP 10289766A JP 28976698 A JP28976698 A JP 28976698A JP 2000116786 A JP2000116786 A JP 2000116786A
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electric conduction
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体の治療や観察等の機能を有するルーメンの
寸法が確保され、かつ製造が容易で、精度良く電気伝導
路を形成でき、物性に優れた体内挿入具を得られる製造
方法を提供する。 【解決手段】体内挿入具の基材表面に電気伝導路6を形
成するために、体内挿入具の基材表面の少なくとも一部
に電気伝導路の基となる導電体を被覆して導電体層を形
成し、該導電体層をめっきにより厚肉化し、厚肉化され
た導電体層の一部を選択的に除去させることを特徴とす
る電気伝導路を有する体内挿入具の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種センサ、モー
タ、アクチュエータ、電極等の、電気的な機能を有する
部材と、それらに対して、電力供給、及び/または、信
号授受を行うための電気配線を有する体内挿入具であっ
て、生体の管腔内に薬液注入を行ったり、管腔内観察治
療用器具を挿入するためのカテーテルや内視鏡等に用い
られる医療用チューブ、あるいはガイドワイヤ等の医療
用ワイヤに代表される管状もしくは線状の、細径な体内
挿入具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、先端部にサーミスタ等の各種セン
サを実装して生体の管腔内からの信号を得るカテーテル
等においては、図11で示すカテーテル10のように、
体内挿入具先端付近に設けられたセンサ5’と体外に置
かれた解析装置本体2’との間で電気信号を送受信する
ための電気伝導路4として、細径の同軸線やツイストペ
ア線等を使用し、それらをカテーテル10のルーメン
3’の内部に挿入する手段が用いられていた。
【0003】また、モーター、静電アクチュエーター、
形状記憶合金等を応用した機械的動作機構を有し、生体
治療や観察に使用されるカテーテルや内視鏡等において
も、電力の供給のために、細径の電線(リード線)をル
ーメン内部に挿入する手段が用いられていた。
【0004】さらに、先端部に超音波センサを有し血管
内での流速の測定等に使用される、ガイドワイヤー型プ
ローブ等の細径な医療用ワイヤにおいても、ワイヤ内部
に信号送受用のリード線を実装する、あるいは外壁に沿
ってリード線を捲回し一体に被覆する等の手段が用いら
れていた。
【0005】また、特開平8−131545号公報で
は、体内挿入具の基材表面の少なくとも一部に導電体を
被覆する工程と、被覆された導電体の一部を除去し、互
いに絶縁された2つ以上の電気伝導路の少なくとも一部
を形成する工程とからなることを特徴とする電気伝導路
を有する体内挿入具の製造方法が開示されている。この
製造方法は、体内挿入具の基材表面に導電体である金属
を蒸着により被覆して導電体層を形成し、この導電体層
の一部をエキシマレーザにより除去することで、電気伝
導路のパターンを作製し、さらに、不要部分を除去した
導電体層をめっきで厚肉化させることにより電気伝導路
を形成させるものである。蒸着で形成された導電体層の
みでは、電気抵抗が大きいため、被覆の一部を取り除く
工程の後、被覆が残存している部分の少なくとも一部
に、更にCu、Au、Ag、Pt、Ni、Fe等の金属
の内、少なくとも一種類を、無電解めっき、及び/また
は電解めっきして、導電体層の厚みを増やす事によっ
て、電気抵抗を低くすることが可能となる。
【0006】さらに、特開平8−266633号公報に
おいては、体内挿入具の基材表面の少なくとも一部に凹
部を形成する工程と、基材表面の凹部を含む少なくとも
一部に導電体を被覆する工程と、被覆された導電体の凹
部に被覆された部分以外の少なくとも一部を除去する工
程とからなることを特徴とする電気伝導路を有する体内
挿入具の製造方法が開示されている。この製造方法は、
体内挿入具の基材表面をエキシマレーザで加工除去し凹
部を形成させた後、基材表面に導電体の蒸着源を蒸着
し、不要導電体部である凸部を研磨除去した後、凹部に
残存した導電体部をめっきで厚肉化させることにより電
気伝導路を形成させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の体内挿入具は生体の管腔内に挿入することを目的とし
ているため、細径であることが好ましいが、従来のごと
く内部にリード線を実装した場合、チューブにおいて
は、本来の目的である、生体に薬液を注入したり、観
察、治療に使用するルーメン自体の寸法が制約され、ま
た、さらに細径なワイヤにおいては実装工程自体も含め
てきわめて困難となるという問題がある。
【0008】また、内部にリード線を実装することによ
り、チューブ、ワイヤが、柔軟性等の所要物性を損なう
結果、管腔の内壁に損傷を与えるおそれがある。
【0009】また、特開平8−131545号公報に開
示された方法では、凸部に残存した導電体をめっきで厚
肉化することにより電気伝導路を形成させているが、近
接する導電体を隔離する構造がないため、めっきにより
ブリッジが発生し易いという問題があった。また、この
方法では、導電体層の除去された部分と残存した部分と
の間に凹凸が形成され、この凹凸のある電気伝導路の配
線パターンをめっきで厚肉化することは再現性に乏し
く、製造の安定性が悪いという問題がある。
【0010】更に、特開平8−266633号公報に開
示の方法では、凹部に残存した導電体部をめっきで厚肉
化させることにより電気伝導路を形成させているが、電
解めっきでは被めっき部の凸部に電流が集中しやすいた
め溝内部まで充填させることが容易ではなく、また、体
内挿入具の有効長にわたって導電体部を均一に厚肉化さ
せることは非常に困難であり、再現性に乏しいという問
題があった。また、無電解めっきではめっき速度が遅い
ため、所望の厚みまでめっきするためには非常に時間が
かかり、作業効率が悪いという問題があった。
【0011】本発明は、生体の治療や観察等の機能を有
するルーメンの寸法が確保され、かつ製造が容易で、精
度良く電気伝導路を形成でき、物性に優れた体内挿入具
を得る製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的は、電気
的な機能を有する装置に対して電気的に接続される電気
伝導路を有する体内挿入具の製造方法において、該体内
挿入具の基材表面の少なくとも一部に電気伝導路の基と
なる導電体の被覆層を形成する工程と、該被覆層をめっ
きにより厚肉化する工程と、前記厚肉化された被覆層の
一部を選択的に除去させる工程とからなることを特徴と
する電気伝導路を有する体内挿入具の製造方法によって
達成される。
【0013】本発明の好ましい態様において、前記体内
挿入具は医療用チューブ、または医療用ワイヤなどの、
管状または線状のものである。
【0014】また、上記目的は、電気的な機能を有する
装置に対して電気的に接続される電気伝導路を有する体
内挿入具の製造方法において、該体内挿入具の基材表面
の少なくとも一部に導電体を被覆して導電体層を形成す
る工程と、該導電体層をめっきにより厚肉化する工程
と、前記厚肉化された導電体層の少なくとも一部に樹脂
を被覆し樹脂被覆層を形成する工程と、該樹脂被覆層の
一部を加工除去し、前記導電体層の一部を前記樹脂被覆
層から露出させる工程と、前記導電体層の該露出した部
分を選択的に除去し、該体内挿入具の基材表面に電気伝
導路を形成する工程とからなることを特徴とする電気伝
導路を有する体内挿入具の製造方法によって達成され
る。
【0015】前記導電体は1種類以上の金属であり、前
記導電体層は該金属の蒸着により形成されることが望ま
しい。
【0016】また、前記導電体層を厚肉化する工程は、
電解めっきもしくは非電解めっきであることが望まし
い。
【0017】また、前記樹脂被覆層の除去により露出し
た前記導電体層の一部を選択的に除去する工程は、エッ
チングであることが望ましい。
【0018】さらに、前記樹脂被覆層の少なくとも一部
を加工除去する工程は、エキシマレーザ加工性が良好で
ある樹脂材料を前記導電体層に被覆させた後、エキシマ
レーザにより該樹脂被覆層を選択的に加工除去すること
が望ましい。
【0019】また更に、前記樹脂被覆層の除去により露
出した前記導電体層の一部を選択的に除去する工程は、
エキシマレーザにより前記樹脂被覆層の一部を加工除去
した後、前記樹脂被覆層の一部を除去することで露出し
た前記導電体層の一部をエッチングにより除去させるこ
とが望ましい。
【0020】本発明によれば、従来の医療用チューブ、
医療用ワイヤの電気伝導路のように、チューブ、ワイヤ
の内部に電線を実装するのではなく、該チューブ或いは
ワイヤの基材表面の少なくとも一部に金属等の導電体を
被覆されたものを電気伝導路とすることによって、細径
のチューブ、ワイヤの内部に電線を実装する様な困難を
伴わずに、また、チューブにおいては、その内腔を損な
う事も無く電気伝導路を設ける事が可能である。ここ
で、前記電気伝導路が金属などの被覆であるため、本発
明の体内挿入具の如き表面が曲面形状の細径の部材であ
っても、容易に形成することが可能である。
【0021】また、本発明によれば、従来の体内挿入具
の電気伝導路のように、チューブ、ワイヤの内部に電線
を実装するのではなく、記電気伝導路が該体内挿入具の
基材表面の少なくとも一部に電気伝導路の基となる導電
体の被覆層を形成する工程と、該被覆層をめっきにより
厚肉化する工程と、前記厚肉化された被覆層の少なくと
も一部を選択的に除去させる工程とを有する事により、
該体内挿入具の基材表面に電気伝導路を形成する為、細
径のチューブ、ワイヤの内部に電線を実装する様な困難
を伴わずに、また、チューブにおいては、その内腔を損
なう事も無く電気伝導路を設ける事が可能である。
【0022】そして、本発明によれば、導電体層をめっ
きで厚肉化してから導電体層の一部を除去して電気伝導
路を形成するため、導電体層の不要部分を除去してから
めっきする特開平8−131545号開示の方法と異な
り、近接する導電体層の間にめっきによるブリッジが発
生するという虞れがなく、かつ、導電体層の除去された
部分と残存した部分との間に形成される凹凸が存在しな
いため、導電体層の厚肉化を容易に行え、再現性も優れ
る。
【0023】また、本発明によれば、導電体を凹部に残
存させてめっきで厚肉化させる上記特開平8−2666
33号の方法と異なり、導電体層を体内挿入具の有効長
にわたって均一にかつ容易に厚肉化させることができ、
効率的に電気伝導路を有する体内挿入具を製造できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の体内挿入具の第1の実施
例における、医療用チューブの構成を示す図である。図
1において、本実施例の医療用チューブは、チューブ本
体1と、その先端部からの生体信号を増幅、解析するた
めの、体外に設置された装置本体2とからなっている。
チューブ内腔3は、薬液及び観察、治療デバイスを挿入
されるために使用される。チューブ先端付近には、温度
センサ、圧力センサ、超音波センサなどのセンサ5が設
けられ、生体内の温度や血流量、血圧、血管形態等の生
体情報の計測を行う。チューブ外壁上には、チューブ表
面に形成された電気伝導路(電気配線)6が設けられて
いる。これらの電気伝導路6の先端側はセンサ5のセン
サ信号用電極(図示せず)に半田付け等で接続されてお
り、一方、電気配線6の基端側は電線7と半田付けある
いはコネクタ等を介して接続され、この電線7を介して
装置本体2と接続されている。
【0026】図2ないし図10は、上述の本発明の第1
の実施例に係る医療用チューブの製造方法を示す説明図
である。
【0027】図2は、本実施例における金属材料被覆工
程の説明図であり、チューブ本体1の外壁は、導電体材
料を蒸着することにより導電的に被覆され、導電体層8
が形成される。チューブ本体1の構造は、目的にも依る
が、外径0.1〜20mm程度、肉厚0.01〜5mm程度で、長さは
50cm〜150cm程度である。またチューブ材料は、ポリウ
レタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ
素系樹脂、スチレン系樹脂又はこれらのエラストマーの
材料が使用できる。さらに、これらの材料をベースとし
たポリマーブレンドあるいはポリマーアロイを用いても
良く、さらにチューブ構造を、これらの材料を組み合わ
せた多層構造もしくはストライプ構造にしても良い。
【0028】蒸着材料としては、例えば、Cu、Ag、Au、
Al、Ti、Pt、Ni、Zn、Pb等の金属や、C等の導電性非金
属材料が挙げられ、このうち、上記金属材料が好まし
い。これらの材料のうち一種類あるいは複数を同時もし
くは積層的に使用して、チューブ外壁上に、0.05〜50μ
m程度の厚みで蒸着する。蒸着方法として、好ましく
は、蒸着と同時にイオン化したAr等の粒子を加速して照
射し、密着性を向上させる、イオンアシスト蒸着法等が
使用される。
【0029】なお、本実施例では、チューブ本体1の全
体にわたって導電体層8を形成しているが、本発明にお
いては、製造する体内挿入具の用途、形成すべき電気伝
導路の形態等に応じて、チューブ本体1の周方向の一部
のみ、あるいはチューブ本体1の長手方向の一部のみに
導電体層を形成してもよい。
【0030】そして、蒸着で形成された導電体層8のみ
では、電気抵抗が大きく、伝導できる電流の量が小さい
ため、導電体層8をめっきにより厚肉化する事によっ
て、電気抵抗を低くすることが可能となる。
【0031】図3は、本実施例において導電体層8を厚
肉化するために電解めっきを施す工程を示す説明図であ
る。めっき溶液9の中にチューブ本体1を入れ、導電体
層8に対し直流電源装置10の負極を電線11を介して
接続し、直流電源装置10の正極は電線12を介してめ
っき溶液9中にある正電極13に接続させ、直流電流を
流すことによりめっきを行う。めっきに用いられる金属
としては、Cu、Ag、Au、Al、Ni、Ti、Pt、Ni、Zn、Pb等
の金属のうちの一種類を、あるいは複数のものを同時も
しくは積層的に使用して、0.1〜100μm程度の厚みでめ
っきする。厚みが小さいと伝導できる電流が小さくな
り、厚みが大きいとチューブの柔軟性が損なわれるた
め、めっきによる導電体の厚みはチューブ径を考慮して
適宜決めることが好ましい。
【0032】なお、本実施例では、電解めっきを行う方
法を示したが、無電解めっきによっても、上記した金属
をめっきすることが可能である。図4は、本実施例にお
いて、導電体層8の外面に樹脂材料を被覆して被覆樹脂
層14を形成する工程を示す説明図である。本実施例に
おいては、後の工程においてエキシマレーザにより被覆
樹脂層14の一部を加工除去させることを目的としてい
るため、樹脂材料はエキシマレーザ加工性が良好である
ポリウレタン系樹脂等の材料が使用される。被覆樹脂層
14の厚さは、5μm〜50μm程度が好ましい。被覆させ
る方法は、チューブをダイス内で通過させ樹脂を押出成
形により被覆させる方法、ディッピング方法により被覆
させる方法又はその他の方法でもよい。
【0033】図5は、本実施例において、導電体層8の
不要部分、すなわち、導電体層8のうち最終的に後述す
る電気伝導路18として形成される領域を除いた部分の
外面上にある被覆樹脂層14の一部を、エキシマレーザ
15でパターニングすることにより加工除去する工程を
示す。被覆樹脂層14のエキシマレーザ15が照射され
た部分の樹脂材料は、紫外線領域であるエキシマレーザ
の波長を吸収し、蒸散することにより加工除去される。
このようなエキシマレーザによれば、微細加工が可能と
なり、あらゆる形状(パターン)に精度良く加工除去を
行うことができる。
【0034】なお、前記加工除去工程としては、エキシ
マレーザに限定されるものではなく、他のレーザ光、或
いは電子線等による非接触加工方法を用いてもよい。
【0035】また、本実施例では、導電体層8の不要部
分、すなわち、導電体層8のうち後述する電気伝導路1
8として形成される領域を除いた部分も含めてその外面
上に被覆樹脂層14を形成したあと、被覆樹脂層の一部
を除去しているが、導電体層8の一部に樹脂材料を塗布
するなどの方法により、導電体層のうち最終的に電気配
線(電気伝導路)として形成されるべき領域のみに被覆
樹脂層を形成してもよい。
【0036】図6は、本実施例において、被覆樹脂層1
4より露出している導電体層8の不要部分8aをエッチ
ングにより選択的に除去させる工程を示す。エッチング
の方法としては、ウエットエッチング、ドライエッチン
グ、レーザエッチング又はその他のエッチング方法のう
ち、いずれの方法を使用してもよい。本実施例において
は、ウエットエッチング方法を使用し、チューブ本体1
をエッチング液16中に浸漬させることにより、導電体
層8の不要部分8aを溶解除去させる。この際、この不
要部分8aの周囲にあるエッチングさせたくない部分ま
で溶解するサイドエッチング等の問題が発生するが、こ
の対策としては、チューブ外壁の垂直方向からチューブ
の周方向に対して、エッチング液をジェット噴射させる
方法等により、サイドエッチングを最小限に抑えること
が可能となる。この工程により、導電体層8の除去され
なかった部分が電気配線パターン(電気伝導路)として
残ることになる。なお、導電体層のうち、電気伝導路と
なる領域を除いた不要部分は完全に除去してもよいが、
センサからの生体信号を増幅、解析する際の外部からの
電磁ノイズ対策用シールドとしてその若干部分を残して
おいてもよい。
【0037】図7は、本実施例において、導電体層8の
不要部分8aを除去させることによりチューブ本体1に
電気伝導路18を形成させたことを示す説明図である。
【0038】図8は、本実施例において、柔軟性樹脂1
7を被覆させたチューブ本体1を示す説明図である。こ
れは、図7までの工程において、電気伝導路18の側面
は外部にむき出しとなっているため、絶縁被覆させるこ
とで生体内での使用に際し安全性を確保することと、チ
ューブ表面の凹凸を小さくさせることで血栓等の付着を
防止することを目的としている。被覆させる方法は、チ
ューブをダイス内で通過させ樹脂を押出成形により被覆
させる方法、ディッピング方法により被覆させる方法、
熱収縮チューブを被せて被覆させる方法又はその他の方
法でもよい。
【0039】図9は、本発明の第2の実施例に係る医療
用チューブの製造工程を示す説明図であり、図10は、
本実施例に係る医療用チューブを示す説明図である。
【0040】本実施例においても、導電体部に樹脂材料
を被覆する工程までは前記した第一の実施例と同様であ
る。図9は、本実施例における、導電体層8の不要部分
8aの外面上にある被覆樹脂層17をエキシマレーザ1
5でパターニングすることにより加工除去する工程を示
し、前記した第一の実施例と異なる点は、エキシマレー
ザ15をチューブ本体1の長手方向を中心軸とした螺旋
状にパターニングすることで、電気伝導路を螺旋状に形
成させる点である。
【0041】図10は、本実施例により製造された医療
用チューブの電気伝導路18の一部を示すが、このよう
に電気伝導路18を螺旋状に形成させることにより、チ
ューブ本体1および電気伝導路18が柔軟性を保持し、
医療用チューブとしての機械的物性が良好となることに
加え、チューブ本体1の物性値と電気伝導路18の物性
値の差による湾曲時の導電体部分の剥離や断線を防止す
ることができる。
【0042】以上の実施例においては、医療用チューブ
への電気配線の形成のみについて記述したが、それに限
らず、医療用ワイヤ等、その他の体内挿入具への電気配
線の形成についても適用が可能である。
【0043】また、前述した実施例では、センサを実装
する医療用チューブの製造方法を例として説明したが、
それに限らず、各種モーター、静電アクチュエーター等
の他の電気的な機能を有する部材を備える体内挿入具の
製造にも適用が可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セン
サ、アクチュエータ、電極等の、電気的な機能を有する
部材と、それらに対して、電力供給、及び/または、信
号授受を行うための電気伝導路を有する体内挿入具の製
造方法において、体内挿入具の基材表面の少なくとも一
部に導電体を被覆し、前記被覆された導電体の一部を除
去し、互いに絶縁された2つ以上の電気伝導路を形成す
ることによって、生体情報を計測するセンサや、生体組
織を採取するアクチュエーターや、生体組織を変性させ
る電極等の電気デバイス等を搭載させるとともに、薬液
及び観察、治療デバイスを挿入するための内腔が確保さ
れ、また、細径化が可能となり、柔軟性等の機械的物性
に優れた体内挿入具を精度良く製造できる。
【0045】また、本発明によれば、センサ、アクチュ
エータ、電極等の、電気的な機能を有する部材と、それ
らに対して、電力供給、及び/または、信号授受を行う
ための電気伝導路を有する体内挿入具の製造方法におい
て、体内挿入具の基材表面に、任意の電気配線パターン
が形成できる構造となっているため、上記電気デバイス
を任意に配置させることが可能となり、精度良く電気伝
導路を形成でき、電気伝導路を有する体内挿入具を容易
に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の体内挿入具の製造方法の第1の実施例
における、医療用チューブの構成を示す図である。
【図2】第1の実施例における金属材料被覆工程の説明
図である。
【図3】第1の実施例において導電体層を厚肉化するた
めに電解めっきを施す工程を示す説明図である。
【図4】第1の実施例において導電体層の外面に樹脂材
料を被覆して被覆樹脂層を形成する工程を示す説明図で
ある。
【図5】第1の実施例において、被覆樹脂層の一部をエ
キシマレーザにより加工除去する工程を示す説明図であ
る。
【図6】第1の実施例において、被覆樹脂層より露出し
ている導電体層の不要部分をエッチングにより選択的に
除去させる工程を示す説明図である。
【図7】第1の実施例において、チューブ本体1に電気
伝導路18を形成させたことを示す説明図である。
【図8】第1の実施例において、柔軟性樹脂17を被覆
させたチューブ本体1を示す説明図である。
【図9】本発明の体内挿入具の製造方法の第2の実施例
において、被覆樹脂層の一部をエキシマレーザにより加
工除去する工程を示す説明図である。
【図10】第2の実施例により製造された医療用チュー
ブの電気伝導路18の一部を示す説明図である。
【図11】従来のカテーテル(体内挿入具)の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 チューブ本体 2 装置本体 3 チューブ内腔 4 電気伝導路 5 センサ 6 電気伝導路 7 電線 8 導電体層 8a 不要部分 9 めっき溶液 10 直流電源装置 11、12 電線 13 正電極 14 樹脂被覆層 15 エキシマレーザ 16 エッチング液 17 柔軟性樹脂 18 電気伝導路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的な機能を有する装置に対して電気
    的に接続される電気伝導路を有する体内挿入具の製造方
    法において、該体内挿入具の基材表面の少なくとも一部
    に電気伝導路の基となる導電体を被覆して導電体層を形
    成する工程と、該導電体層をめっきにより厚肉化する工
    程と、前記厚肉化された導電体層の一部を選択的に除去
    させる工程とからなることを特徴とする電気伝導路を有
    する体内挿入具の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記体内挿入具が医療用チューブ、また
    は医療用ワイヤであることを特徴とする請求項1に記載
    の体内挿入具の製造方法。
  3. 【請求項3】 電気的な機能を有する装置に対して電気
    的に接続される電気伝導路を有する体内挿入具の製造方
    法において、該体内挿入具の基材表面の少なくとも一部
    に導電体を被覆して導電体層を形成する工程と、該導電
    体層をめっきにより厚肉化する工程と、前記厚肉化され
    た導電体層の少なくとも一部に樹脂を被覆し樹脂被覆層
    を形成する工程と、該樹脂被覆層の一部を加工除去し、
    前記導電体層の一部を前記樹脂被覆層から露出させる工
    程と、前記導電体層の該露出した部分を選択的に除去
    し、該体内挿入具の基材表面に電気伝導路を形成する工
    程とからなることを特徴とする電気伝導路を有する体内
    挿入具の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記導電体は1種類以上の金属であり、
    前記導電体層が該金属の蒸着により形成されることを特
    徴とする請求項3に記載の体内挿入具の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記導電体層を厚肉化する工程は、電解
    めっきもしくは非電解めっきであることを特徴とする請
    求項3に記載の体内挿入具の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記樹脂被覆層の除去により露出した前
    記導電体層の一部を選択的に除去する工程は、エッチン
    グであることを特徴とする請求項1及び3に記載の体内
    挿入具の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂被覆層の少なくとも一部を加工
    除去する工程は、エキシマレーザ加工性が良好である樹
    脂材料を前記導電体層に被覆させて前記被覆樹脂層を形
    成した後、エキシマレーザにより該樹脂被覆層を選択的
    に加工除去することを特徴とする請求項3に記載の体内
    挿入具の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記樹脂被覆層の除去により露出した前
    記導電体層の一部を選択的に除去する工程は、エキシマ
    レーザにより前記樹脂被覆層の一部を加工除去した後、
    前記樹脂被覆層の一部を除去することで露出した前記導
    電体層の一部をエッチングにより除去させることを特徴
    とする請求項3に記載の体内挿入具の製造方法。
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