JP2000097814A - 故障予知整備装置 - Google Patents

故障予知整備装置

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JP2000097814A
JP2000097814A JP10268032A JP26803298A JP2000097814A JP 2000097814 A JP2000097814 A JP 2000097814A JP 10268032 A JP10268032 A JP 10268032A JP 26803298 A JP26803298 A JP 26803298A JP 2000097814 A JP2000097814 A JP 2000097814A
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雅彦 山越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の機器ユニットの故障を正確に予知
し、機器ユニットを故障直前まで使用できるようにする
ことにより機器ユニット交換の無駄を無くすことのでき
る故障予知整備装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 交換日時記憶メモリ3からの各機器ユニ
ット2の前回の交換日時データと、環境センサ4からの
環境データと、MTBFデータ記憶メモリ6からのMT
BFデータと、運用時間集計結果記憶メモリ8からの運
用時間データと、過去の故障データ記憶メモリ6からの
過去の故障データとに基づいて各機器ユニット2の故障
予知を行い、表示器10に表示するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子機器の整備
装置に関するもので、特に、各機器ユニットの故障を予
知する機能を備えた整備装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来の電子機器の整備装置の
構成を示す図で、(a)図は電子機器の運用時に機能す
る構成要素を、(b)図は電子機器の整備時に機能する
構成要素を示す。同図において、2は電子機器を構成す
る複数の機器ユニット、13は上記各機器ユニット2に
設けられ各機器ユニット2のそれぞれの通算運用時間を
カウントする運用時間記録用カウンタ、14は各機器ユ
ニット2のそれぞれの交換期間を記憶する機器交換設定
期間記憶メモリ15と各機器ユニットの交換判定を行う
機器交換判定ソフトウエア16とを備えた整備用計算
機、10は上記整備用計算機14から出力される機器交
換判定情報を表示する表示器である。
【0003】次に動作について説明する。電子機器の運
用時には、各機器ユニット2に設けられた運用時間記録
用カウンタ13は、各機器ユニット2の通算運用時間を
カウントする。各機器ユニット2には、それぞれ予め決
められた運用期間が設定されており、この運用期間は整
備用計算機14内の機器交換設定期間記憶メモリ15に
記憶されている。電子機器の整備時には、整備用計算機
14は、機器交換判定ソフトウエア16により、上記運
用時間記録用カウンタ13からの通算運用時間データと
上記機器交換設定期間記憶メモリ15内の運用期間とを
比較して、各機器ユニット2を継続運用するか交換する
かを判定し、判定結果である機器交換判定情報を表示器
10に出力する。なお、上記判定情報として機器の交換
が表示された場合には、当該機器ユニットを図示しない
整備用機材と交換する。図16は、上記機器交換判定ソ
フトウエア16の処理内容を示すフローチャートで、整
備用計算機14は、運用時間記録用カウンタ16から各
機器ユニット2の通算運用時間データを読み出すととも
に、機器交換設定期間記憶メモリ15内の各機器ユニッ
ト2の各交換期間データを読み出し(ステップS2
1)、機器ユニット2毎に、上記通算運用時間データが
上記交換期間データよりも大きいかどうかを判定し(ス
テップS22)、当該機器ユニット2の通算運用時間デ
ータが交換期間データよりも大きい場合には、機器交換
判定情報を「機器交換」として表示器10に出力し(ス
テップS23)、上記機器ユニット2の交換を指示す
る。また、当該機器ユニット2の通算運用時間データが
交換期間データを越えていない場合には、機器交換判定
情報を「継続運用」として表示器10に出力し(ステッ
プS24)、上記機器ユニット2が継続運用可能である
ことを表示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の整
備装置では、電子機器を構成する機器ユニット2毎にそ
れぞれ通算運用時間を設定し、それぞれの機器ユニット
2の通算運用時間が予め設定された交換期間を経過する
と無条件に当該機器ユニット2を交換するようにしてい
た。上記交換期間は、それぞれの機器ユニット2が故障
するとされている時間の平均値に設定した場合には、運
用中の故障が多くなってしまうので、通常は、上記交換
期間を上記平均値より短めに設定するようにしていた。
そのため、十分継続運用できる機器ユニット2でも交換
することが多くなり多くの無駄が発生するといった問題
点があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解消するた
めになされたもので、電子機器の機器ユニットの故障を
正確に予知し、機器ユニットを故障直前まで使用できる
ようにすることにより機器ユニット交換の無駄を無くす
ことのできる故障予知整備装置を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の故障予知整備装置は、整備時に使用する整備用機材
と、機器ユニットと、この機器ユニットに搭載され、機
器ユニットを上記整備用機材と交換したときの交換日時
データを記憶する交換日時記憶メモリと、温度や湿度等
の機器ユニットの使用環境状況を感知し各機器ユニット
の環境データを出力する環境センサとを備えるととも
に、経験則によって予め設定された温度や湿度等の環境
条件に応じた各器ユニットの平均故障間隔時間であるM
TBFデータを記憶するMTBFデータ記憶メモリと、
各機器ユニットの運用時間データを記憶する運用時間集
計結果記憶メモリと、各機器ユニットの過去の故障デー
タを記憶する過去の故障データ記憶メモリと、各機器ユ
ニットの前回の交換日時データと環境データとMTBF
データと運用時間データと過去の故障データとから各機
器ユニットの故障予知データを求める手段とを有し、各
機器ユニットの故障予知を行う計算機と、上記故障予知
データを表示する表示器とを備えたものである。
【0007】また、請求項2記載の故障予知整備装置
は、各機器ユニットの前回の交換日時データと環境デー
タとMTBFデータと運用時間データとに基づいて、上
記運用時間データを環境条件を加味した運用時間データ
である運用時間パラメータに変換し、この運用時間パラ
メータと過去の故障データとから各機器ユニットの故障
予知データを求めるようにしたものである。
【0008】請求項3記載の故障予知整備装置は、上記
MTBFデータを、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等の
各環境条件の全ての組み合わせに対応するデータとした
ものである。
【0009】請求項4記載の故障予知整備装置は、上記
MTBFデータを、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等の
各環境条件のそれぞれに対応するデータとしたものであ
る。
【0010】また、請求項5記載の故障予知整備装置
は、各機器ユニットのMTBFデータに対して、温度,
湿度,振動,衝撃,気圧等の各環境条件の全ての組み合
わせに対応する重み係数を与えたものである。
【0011】請求項6記載の故障予知整備装置は、交換
日時記憶メモリを計算機に搭載するとともに、各機器ユ
ニットに交換機器の認識を行うための機器認識手段を設
けたものである。
【0012】また、請求項7記載の故障予知整備装置
は、各機器ユニットのモジュール毎に、交換日時デー
タ,環境データ,MTBFデータ,過去の故障データ,
運用時間データを備えるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づき説明する。なお、以下の説明中、従来例
と共通する部分については同一符号を用いて説明する。
【0014】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1に係わる電子機器の故障予知整備装置の構成を示す
図で、電子機器の運用時に機能する構成要素を(a)図
に、電子機器の整備時に機能する構成要素を(b)図に
示した。同図において、1は電子機器の整備時に使用す
る整備用機材、2は電子機器を構成する複数の機器ユニ
ット、3は上記各機器ユニット2にそれぞれ搭載され、
機器ユニット2を上記整備用機材1と交換したときの交
換日時データを記憶する交換日時記憶メモリ、4は温
度,湿度,振動,衝撃,気圧等の機器ユニットの使用状
況(環境条件)を感知し機器ユニット2の環境データを
出力する環境センサ、5は経験則によって予め設定され
た温度や湿度等の各環境条件に応じた各機器ユニットの
平均故障間隔時間であるMTBFデータを記憶するMT
BFデータ記憶メモリ6と、各機器ユニットの過去の故
障データを記憶する過去の故障データ記憶メモリ7と、
各機器ユニットの運用時間データを記憶する運用時間集
計結果記憶メモリ8と、各機器ユニット2の前回の交換
日時データと環境データとMTBFデータと過去の故障
データと通算運用時間データとから各機器ユニットの故
障予知データを求める手段である故障予知ソフトウエア
9とを備え、各機器ユニット2の故障予知を行う計算機
である。また、10は上記計算機5から出力される故障
予知データを表示する表示器である。
【0015】次に、上記構成の故障予知整備装置の動作
について、図2に示す故障予知ソフトウエア9の処理内
容を示すフローチャートに基づいて説明する。なお、電
子機器の整備時において、機器ユニット2を整備用機材
1と交換した場合には、そのときの交換日時を当該機器
ユニット2に搭載された交換日時記憶メモリ3に書き込
んでおくものとする。電子機器の運用時において、計算
機5の故障予知ソフトウエア9は、まず、機器ユニット
2の交換日時記憶メモリ3から機器ユニット2の交換日
時データを読み込むとともに、環境センサ4から各機器
ユニット2の使用状況(温度,湿度,振動,衝撃,気圧
等)を環境データとして読み込む(ステップS1)。次
に、機器ユニット2の使用環境毎の運用時間を集計し
(ステップS2)、その集計結果を運用時間集計結果記
憶メモリ8の運用時間集計結果に加算する(ステップS
3)。図3は、上記運用時間集計結果の保存形式の一例
を示すテーブルで、このテーブルは、各機器ユニット2
毎に上記運用時間集計結果記憶メモリ8に記憶されてい
る。また、図4は、その具体例で、簡単のため、図3,
図4ともに、機器ユニット2の使用環境状況を表す環境
条件パラメータを温度(i)と湿度(j)の2つとし
た。図3において、運用時間A21は、温度(i)の範囲
がi=2(10℃±2.5℃),湿度(j)の範囲がj
=1(50%±5%)である使用条件で当該機器ユニッ
ト2が使用された時間を表わすもので、図4において
は、上記運用時間データA21の値をA21=70000hとし
た。なお、上記環境条件パラメータが、例えば、温度
(i),湿度(j),振動(k),衝撃(l),気圧
(m)の5つである場合には、上記テーブルは、各環境
条件の全ての組み合わせに対応する運用時間データAij
klmを記録したテーブルとなる。
【0016】次に、故障予知ソフトウエア9は、MTB
Fデータ記憶メモリ6から機器ユニット2のMTBFデ
ータを読み込む(ステップS4)。このMTBFデータ
は、経験則によって予め設定された使用環境条件に応じ
た各機器ユニットのMTBF(Mean Time Between F
ailures;平均故障間隔時間〜故障を発生することなく
作動する平均時間)を示すデータで、MTBFデータ記
憶メモリ6には、例えば、温度,湿度,振動,衝撃,気
圧等の各環境条件の全ての組み合わせに対応するMTB
Fデータが記憶されている。図5は、上記MTBFデー
タの保存形式の一例を示すテーブルで、また、図6は、
その具体例を示すテーブルである。なお、簡単のため、
環境条件パラメータを温度(i)と湿度(j)のみとし
た。図5において、MTBF21は、温度(i)の範囲が
i=2(10℃±2.5℃),湿度(j)の範囲がj=
1(50%±5%)である使用条件でのMTBFデータ
を表わすもので、図6では、上記MTBFデータMTB
F21の値は、MTBF21=105000hとなっている。な
お、上記環境条件パラメータが、温度(i),湿度
(j),振動(k),衝撃(l),気圧(m)の5つの
場合には、MTBFデータは、上述した運用時間データ
Aijklmの場合と同様に、MTBFijklmのように表わさ
れる。
【0017】故障予知ソフトウエア9は、上記運用時間
データAijklmと上記MTBFデータMTBFijklmとか
ら、以下の式(1)により、環境条件を加味した運用パ
ラメータTsを算出し(ステップS5)、この運用パラ
メータTsと、過去の故障データ記憶メモリ7に格納さ
れている過去の整備から故障に至ったまでの運用時間パ
ラメータの平均値である過去の故障データTとを比較す
る。 Ts=(A11111/MTBF11111+A11112/MTBF11112+…+Aijklm/M TBFijklm) ‥‥(1) 例えば、環境条件パラメータを温度と湿度のみとしたと
きには、上述した、図4の運用時間データAijと図6の
MTBFデータMTBFijとから、環境条件を加味した
運用時間パラメータTsは、 Ts=(A11/MTBF11+A12/MTBF12+A21/MTBF21 +A22/MTBF22+A31/MTBF31) =(0/110000+0/115000+70000/105000 +5000/100000+10000/98000) =0.82 となる。この運用時間パラメータTsの値は、各機器ユ
ニット2の運用時間の増加に伴って増大する。
【0018】なお、上記運用時間パラメータTsと過去
の故障データTとを比較する前に、当該機器ユニット2
が故障していないかどうかを調べる(ステップS6)。
当該機器ユニット2が故障している場合には、上記運用
時間パラメータTsを過去の故障データ記憶メモリ7に
書き込み(ステップS7)、当該機器ユニット2の過去
の故障データTを再計算する(ステップS8)。上記ス
テップS6において、当該機器ユニット2が故障してい
ない場合には、ステップS9へ進み、過去の運用時間パ
ラメータTsの平均値を計算し、これを過去の故障デー
タTとする。但し、当該機器ユニット2が過去に故障し
ていない場合には、T=1とする。次に、現在の運用時
間パラメータTsの値が過去の故障データTよりも大き
いかどうかを判定する(ステップS10)。現在の運用
時間パラメータTsの値が上記過去の故障データTを越
えた場合には、故障予知ソフトウエア9は、当該機器ユ
ニット2が故障する恐れあると判断し、表示器10に故
障予知データを出力し(ステップS11)、上記機器ユ
ニット2の交換を指示する。また、現在の運用時間パラ
メータTsの値が上記過去の故障データT以下の場合に
は、当該機器ユニット2が継続運用可能であると判断
し、次の機器ユニット2に対する故障時期の予知を行
う。
【0019】このように、本実施の形態1によれば、単
に各機器ユニット2毎の運用時間を記録するだけではな
く、各機器ユニットの前回の交換日時データと環境デー
タとMTBFデータと運用時間データとから温度,湿
度,振動,衝撃,気圧等の機器ユニット2の運用時の環
境条件を加味した運用時間パラメータTsを算出し、こ
の運用時間パラメータTsと過去の故障データTとを比
較して故障予知を行うようにしたので、機器ユニット2
の故障時期を正確に予知することができる。したがっ
て、機器ユニット2を故障の直前まで使用することがで
きるので、機器ユニット2の交換の無駄を無くし、機器
ユニット2のライフサイクルコストの低減を図ることが
できるとともに、省資源化を達成することができる。
【0020】実施の形態2.上記実施の形態1では、M
TBFデータを、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等の各
環境条件の全ての組み合わせに対応するデータとした場
合について説明したが、MTBFデータを、温度,湿
度,振動,衝撃,気圧等の各環境条件(i=1,2,
3,‥‥)のそれぞれに対応するデータとして各機器ユ
ニット2の現在の運用時間パラメータTis(i=1,
2,3,‥‥)の値を算出し、各環境条件のそれぞれに
対して設定された過去の故障データTi(i=1,2,
3,‥‥)と比較することで故障予知を行なってもよ
い。図7は、上記各環境条件のそれぞれに対応するMT
BFデータの保存形式の一例を示すテーブルで、同図に
おいて、MTBFijは、環境条件パラメータがi(例え
ば、i=1;温度,i=2;湿度,‥‥)で、環境レベ
ル(パラメータの値の範囲)がjであるMTBFデータ
を表しており、具体的には、MTBF21は、環境条件パ
ラメータが湿度(i=2)で、そのレベルが1(50%
〜55%)である使用条件でのMTBFデータを表わし
ている。図8は、環境条件パラメータを温度と湿度のみ
とした場合の具体例で、上記MTBF21の値をMTBF
21=110000hとした。また、図9は、上記MTBFデー
タに対応する運用時間集計結果の保存形式の一例を示す
テーブルで、Aijは、環境条件パラメータがi(1;温
度,2;湿度,‥‥)で、環境レベルがjである運用時
間データを表わしている。また、図10は、環境条件パ
ラメータを温度と湿度のみとした場合の具体例で、例え
ば、湿度(i=2)で、そのレベルが1(50%〜55
%)である運用時間データA21の値をA21=11000hと
した。
【0021】故障予知ソフトウエア9は、環境条件パラ
メータがn個の場合には、上記運用時間データAijと上
記MTBFデータMTBFijとから、以下の式(2−
1)〜(2−n)により、環境条件を加味した複数の運
用パラメータTis(i=1〜n)を算出し、上記Tisと
故障データ記憶メモリ7に格納された当該機器ユニット
2の過去の故障データTi(i=1〜n)とを比較す
る。なお、過去の故障データが存在しない場合には、T
i=1とする。 T1s=(A11/MTBF11+A12/MTBF12+…+A1j/MTBF1j) ‥‥(2−1) T2s=(A21/MTBF21+A22/MTBF12+…+A2j/MTBF2j) ‥‥(2−2) ‥‥‥‥ Tis=(Ai1/MTBFi1+Ai2/MTBFi2+…+Aij/MTBFij) ‥‥(2−i) ‥‥‥‥ Tns=(An1/MTBFn1+An2/MTBFn2+…+Anj/MTBFnj) ‥‥(2−n) 例えば、環境条件パラメータを温度(i=1)と湿度
(i=2)のみとしたときには、図8のMTBFデータ
MTBFijと図10の運用時間データAijとから、環境
条件を加味した運用時間パラメータT1sとT2sとはそれ
ぞれ次のようにして算出することができる。 T1s=(A11/MTBF11+A12/MTBF12+…+A1j/MTBF1j) =(15000/105000+10000/100000) =0.24 T2s=(A21/MTBF21+A22/MTBF12+…+A2j/MTBF2j) =(11000/126000+18000/108000) =0.25 この運用時間パラメータT1sとT2sの値は、共に、各機
器ユニット2の運用時間の増加に伴って増大する。した
がって、環境条件パラメータがi個ある場合には、上記
運用時間パラメータTis(=1〜n)のうち、1つの運
用時間パラメータTms値が過去の故障データTmの値よ
りも大きい場合には、故障予知ソフトウエア9は、当該
機器ユニット2が故障に危険があると判断し、表示器1
0に故障予知データを出力する。また、i個の現在の運
用時間パラメータTksの値の全てが、それぞれ各過去の
故障データTkを越えない場合には、当該機器ユニット
2は継続運用可能であると判断し、次の機器ユニット2
の故障の予知を行う。
【0022】実施の形態3.上記実施の形態1では、上
記MTBFデータを、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等
の各環境条件の全ての組み合わせに対応するデータとし
た場合について説明したが、各機器ユニットのMTBF
データに対して、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等の各
環境条件の全ての組み合わせに対応する時間的な重み係
数を与え、各機器ユニット2の現在の運用時間パラメー
タTsの値を算出することにより、同様の効果を得るこ
とができる。すなわち、各機器ユニット2毎にMTBF
データを設定し、更に、上記MTBFデータに対して温
度,湿度,振動,衝撃,気圧の各環境条件の全ての組み
合わせに対応した時間的な重み係数Bijklmを設定す
る。図11は、上記MTBFデータ及び時間的な重み係
数Bijklmの保存形式の一例を示すテーブルで、また、
図12は、その具体例をを示すテーブルである。但し、
簡単のため、環境条件パラメータを温度(i)と湿度
(j)のみとした。図11において、B21は、温度
(i)がi=2(10℃±2.5℃),湿度(j)がj
=1(50%±5%)である使用条件での時間的な重み
係数を表わすもので、図12では、上記時間的な重み係
数B21の値をB21=1.05とした。なお、上記環境条件パ
ラメータが、温度(i),湿度(j),振動(k),衝
撃(l),気圧(m)の5つの場合には、時間的な重み
係数をBijklmのように表し、運用時間データについて
は、上記実施の形態1と同様に、Aijklmのように表
す。
【0023】故障予知ソフトウエア9は、上記運用時間
データAijklmと上記MTBFデータとMTBFデータ
の時間的な重み係数をBijklmとから、以下の式(3)
により、環境条件を加味した運用パラメータTsを算出
し上記Tsと過去の故障データ記憶メモリ7中の当該機
器ユニット2の過去の故障データTとを比較する。な
お、過去の故障データが存在しない場合には、T=1と
する。 Ts=(A11111・B11111+A11112・B11112+…+Aijklm・Bijklm)/M TBF ‥‥(3) 例えば、環境条件パラメータを温度と湿度のみとしたと
きには、図12のMTBFデータ及び時間的な重み係数
をBijklmと、上述した、図4の運用時間データAijと
から、環境条件を加味した運用時間パラメータTsは、 Ts=(A11・B11+A12・B12+A21・B21+A22・B22+A31・B31)/ MTBF =(0・1.10+0・1.15+70000・1.05+5000・1.00+10000・0.98)/100000 =0.88 となる。この運用時間パラメータTsの値は、各機器ユ
ニット2の運用時間の増加に伴って増大し、運用時間パ
ラメータTsが過去の故障データTの値よりも大きくな
った場合には、故障予知ソフトウエア9は、当該機器ユ
ニット2が故障の危険があると判断し、表示器10に故
障予知データを出力する。
【0024】実施の形態4.上記実施の形態1では、各
機器ユニットの交換日時を記憶する交換日時記憶メモリ
3を各機器ユニット毎に設けたが、図13に示すよう
に、交換日時記憶メモリ3を計算機5に搭載し、各機器
ユニット2には機器認識手段である機器認識用チップ1
1内を設けて各機器ユニット2の交換日時を管理するよ
うな構成にしても同様の効果を得ることができる。な
お、本実施の形態4においては、交換日時記憶メモリ3
を計算機5に搭載することにより、機器ユニット2から
計算機5へのデータ送信が簡略化されるとともに、計算
機5における故障予知の処理速度を高めることができる
という利点を有する。
【0025】実施の形態5.上記実施の形態1では、各
機器ユニット2毎に、交換日時データ,環境データ,M
TBFデータ,過去の故障データ,通算運用時間データ
を備えるような構成としたが、図14に示すように、そ
れぞれの機器ユニット2内の各モジュール12毎に、交
換日時データ,環境データ,MTBFデータ,過去の故
障データ,通算運用時間データを備えるように構成する
ことにより、各モジュール12に対して故障予知を行う
ことができるので、機器ユニット2の故障予知の精度を
更に向上させることができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の発明によれば、各機器ユニットの前回の交換日時
データと環境データとMTBFデータと運用時間データ
と過去の故障データとに基づいて各機器ユニットの故障
予知を行うようにしたので、機器ユニットの故障時期を
正確に予知することができ、機器ユニットを故障の直前
まで使用することができる。したがって、機器ユニット
の交換の無駄を無くし、機器ユニットのライフサイクル
コストの低減を図ることができるとともに、省資源化を
達成することができる。
【0027】請求項2記載の発明によれば、各機器ユニ
ットの前回の交換日時データと環境データとMTBFデ
ータと運用時間データとに基づいて、上記運用時間デー
タを環境条件を加味した運用時間データである運用時間
パラメータに変換し、この運用時間パラメータと過去の
故障データとから各機器ユニットの故障予知データを求
めるようにしたので、環境条件を加味した故障予知を更
に正確に行うことができる。
【0028】請求項3記載の発明によれば、上記MTB
Fデータを、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等の各環境
条件の全ての組み合わせに対応するデータとしたので、
機器ユニットの故障時期を正確に予知することができ
る。
【0029】請求項4記載の発明によれば、上記MTB
Fデータを、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等の各環境
条件のそれぞれに対応するデータとしたので、機器ユニ
ットの故障時期の予知精度を向上させることできる。
【0030】請求項5記載の発明によれば、各機器ユニ
ットのMTBFデータに対して、温度,湿度,振動,衝
撃,気圧等の各環境条件の全ての組み合わせに対応する
重み係数を与えるようにしたので、機器ユニットの故障
時期を正確に予知することができる。
【0031】請求項6記載の発明によれば、交換日時記
憶メモリを計算機に搭載するとともに、各機器ユニット
に交換機器の認識を行うための機器認識手段を設けたの
で、機器ユニットの故障時期を正確に予知することがで
きるとともに、故障予知の処理速度を高めることができ
る。
【0032】請求項7記載の発明によれば、各機器ユニ
ットのモジュール毎に、交換日時データ,環境データ,
MTBFデータ,過去の故障データ,運用時間データを
備えたので、モジュール毎の故障予知を行うことがで
き、機器ユニットの故障予知の精度を更に向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係わる故障予知整備
装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係わる故障予知ソフ
トウエアの処理内容を示すフローチャートである。
【図3】 実施の形態1に係わる運用時間集計結果の形
式を示す図である。
【図4】 実施の形態1に係わる運用時間集計結果の一
例である。
【図5】 実施の形態1に係わるMTBFデータの形式
を示す図である。
【図6】 実施の形態1に係わるMTBFデータの一例
である。
【図7】 実施の形態2に係わるMTBFデータの形式
を示す図である。
【図8】 実施の形態2に係わるMTBFデータの一例
である。
【図9】 実施の形態2に係わる運用時間集計結果の形
式を示す図である。
【図10】 実施の形態2に係わる運用時間集計結果の
一例である。
【図11】 実施の形態3に係わるMTBFデータの形
式を示す図である。
【図12】 実施の形態3に係わるMTBFデータの一
例である。
【図13】 本発明の実施の形態4に係わる故障予知整
備装置の構成を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態5に係わる故障予知整
備装置の構成を示す図である。
【図15】 従来の整備装置の構成を示す図である。
【図16】 従来の機器交換判定ソフトウエアの処理内
容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 整備用機材、2 機器ユニット、3 交換日時記憶
メモリ、4 環境センサ、5 計算機、6 MTBFデ
ータ記憶メモリ、7 過去の故障データ記憶メモリ、8
運用時間集計結果記憶メモリ、9 故障予知ソフトウ
エア、10 表示器、11 機器認識用チップ、12
モジュール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G024 AD50 BA11 BA12 BA14 BA21 BA27 CA13 CA17 DA25 3E038 AA03 BA09 CA06 CB02 CB10 CC03 DA06 DA07 DB01 GA02 HA05 HA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整備時に使用する整備用機材と、機器ユ
    ニットと、この機器ユニットに搭載され、機器ユニット
    を上記整備用機材と交換したときの交換日時データを記
    憶する交換日時記憶メモリと、温度や湿度等の機器ユニ
    ットの使用環境状況を感知して環境データを出力する環
    境センサとを備えるとともに、経験則によって予め設定
    された温度や湿度等の環境条件に応じた各機器ユニット
    の平均故障間隔時間であるMTBFデータを記憶するM
    TBFデータ記憶メモリと、各機器ユニットの運用時間
    データを記憶する運用時間集計結果記憶メモリと、各機
    器ユニットの過去の故障データを記憶する過去の故障デ
    ータ記憶メモリと、各機器ユニットの前回の交換日時デ
    ータと環境データとMTBFデータと運用時間データと
    過去の故障データとから各機器ユニットの故障予知デー
    タを求める手段とを有し、各機器ユニットの故障予知を
    行う計算機と、上記故障予知データを表示する表示器と
    を備えたことを特徴とする故障予知整備装置。
  2. 【請求項2】 各機器ユニットの前回の交換日時データ
    と環境データとMTBFデータと運用時間データとに基
    づいて、上記運用時間データを環境条件を加味した運用
    時間データである運用時間パラメータに変換し、この運
    用時間パラメータと過去の故障データとから各機器ユニ
    ットの故障予知データを求めるようにしたことを特徴と
    する請求項1記載の故障予知整備装置。
  3. 【請求項3】 上記MTBFデータを、温度,湿度,振
    動,衝撃,気圧等の各環境条件の全ての組み合わせに対
    応するデータとしたことを特徴とする請求項1記載の故
    障予知整備装置。
  4. 【請求項4】 上記MTBFデータを、温度,湿度,振
    動,衝撃,気圧等の各環境条件のそれぞれに対応するデ
    ータとしたことを特徴とする請求項1記載の故障予知整
    備装置。
  5. 【請求項5】 各機器ユニットのMTBFデータに対し
    て、温度,湿度,振動,衝撃,気圧等の各環境条件の全
    ての組み合わせに対応する重み係数を与えたことを特徴
    とする請求項1記載の故障予知整備装置。
  6. 【請求項6】 交換日時記憶メモリを計算機に搭載する
    とともに、各機器ユニットに交換機器の認識を行うため
    の機器認識手段を設けたことを特徴とする請求項1記載
    の故障予知整備装置。
  7. 【請求項7】 各機器ユニットのモジュール毎に、交換
    日時データ,環境データ,MTBFデータ,過去の故障
    データ,運用時間データを備えるようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の故障予知整備装置。
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