JP2000097027A - エンジンの冷却水制御装置 - Google Patents

エンジンの冷却水制御装置

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JP2000097027A
JP2000097027A JP10286004A JP28600498A JP2000097027A JP 2000097027 A JP2000097027 A JP 2000097027A JP 10286004 A JP10286004 A JP 10286004A JP 28600498 A JP28600498 A JP 28600498A JP 2000097027 A JP2000097027 A JP 2000097027A
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JP
Japan
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engine
cooling water
temperature
state
target temperature
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JP10286004A
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English (en)
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Tatsujiro Okuno
達二郎 奥野
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Nidec Tosok Corp
Original Assignee
Nidec Tosok Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの運転状態に応じて、エンジン内の
冷却水の温度を切換制御する際の応答性を向上させるエ
ンジンの冷却水制御装置を提供する。 【解決手段】 エンジンの運転状態はA域とB域とC域
に分けられている。A域は高負荷状態を示す領域であ
る。B域は低負荷状態を示す領域である。C域はアイド
ル状態を示す領域である。各エンジンの運転状態におけ
る制御目標温度が、A域では80℃、B域では110
℃、C域では95℃にそれぞれ設定されている。このた
め、各エンジンの運転状態により適応したエンジン内の
冷却水の温度制御処理を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却水
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車用エンジンの冷却水
制御装置においては、エンジン内の冷却水の温度をエン
ジン負荷やエンジン回転数等の運転状態に応じて予め設
定されている制御目標温度に制御している。
【0003】図4は、自動車用エンジンの冷却水制御装
置を示す概略構成図である。このエンジン冷却水制御装
置は、ECM20からの制御信号により冷却水制御弁2
1が開弁し、ラジエータ22で放熱された冷却水がウォ
ーターポンプ23により入口流路24からエンジンのウ
ォータージャケット25内へ循環され、シリンダーブロ
ック26とシリンダーヘッド27とを冷却した後、出口
流路28からラジエータ22に戻されるとともに放熱さ
れ、再びウォータージャケット25内へ循環される構造
を有している。
【0004】また、ウォータージャケット25内の冷却
水流路として他には、シリンダーブロック26とシリン
ダーヘッド27とを冷却して暖められた冷却水を再びウ
ォータージャケット25内に循環させ、エンジン内の水
温や水圧変化を減少させるためのバイパス流路29や、
冷間時に自動車居室内を暖めるためのヒーター30とウ
ォータージャケット25との間で冷却水を循環させるヒ
ーター流路31が設けられている。ヒーター流路31に
は、冷却水の流れを必要時に遮断するヒーターカット弁
32が設けられている。
【0005】図5は、エンジンの各運転状態下における
エンジン回転数とトルクとアクセル開度(ロード、ロー
ド線RL)の関係を示す図であり、エンジンの運転状態
はA域とB域とに大きく分けられている。
【0006】A域は、エンジン回転数に対してトルク値
が高く、アクセル開度が大きな高負荷状態を示す領域で
ある。B域は、エンジン回転数に対してA域よりもトル
ク値が低く、エンジン回転数の上昇につれてトルク値は
減少し、緩やかな加速をするためアクセル開度が緩やか
に増大する低負荷状態を示す領域である。
【0007】そして、前記ECM20においては、エン
ジンの冷却水制御目標温度を、B域では高温に、A域で
は低温に設定し、冷却水制御弁21を開閉することによ
り冷却水の循環量を制御し、エンジン内の冷却水の温度
を制御目標温度に制御している。
【0008】よって、エンジンの運転状態が高負荷状態
では、エンジンの出力向上及び信頼性の確保を図ること
ができ、低負荷状態では、フリクション低減と燃焼改善
を図ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動車用エンジンの冷却水制御装置においては、エンジ
ンの運転状態がB域からA域となることに伴い、エンジ
ンの冷却水制御温度を低温側へ切換時には、ウォーター
ジャケット25内のシリンダーブロック26とシリンダ
ーヘッド27を冷却して暖められた冷却水の一部がバイ
パス流路29を通り、ウォータージャケット25内に循
環している。このため、ラジエータ22からウォーター
ジャケット25に流入する冷却水の温度を上げてしま
う。
【0010】また、発熱量が少ないシリンダーブロック
26に必要以上の冷却水が通り出口流路28へ循環する
ため、発熱量が大きいシリンダーヘッド27に必要とす
る冷却水が通らない。このため、シリンダーヘッド27
側の水温の低下に時間がかかり、エンジン内の冷却水温
の応答性が良くなかった。結果として、燃費を向上させ
るうえでの妨げとなっていた。
【0011】本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなさ
れたものであり、エンジンの運転状態に応じて、エンジ
ン内の冷却水の温度を切換制御する際の応答性を向上さ
せるエンジンの冷却水制御装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1の発明においては、ラジエータとエンジンの
間で冷却水を循環させ、エンジン内の冷却水の温度を制
御目標温度に制御する一方、前記エンジン内の冷却水の
制御目標温度を、前記エンジンの運転状態が低負荷状態
には第1の制御目標温度に、前記エンジンの運転状態が
高負荷状態には前記第1の制御目標温度よりも低い第2
の制御目標温度に設定する、制御目標温度設定手段を備
えた冷却水制御装置において、前記制御目標温度設定手
段が、前記エンジンの運転状態がアイドル状態には前記
第2の制御目標温度から前記第1の制御目標温度までの
温度に、第3の制御目標温度を設定するものとしてい
る。
【0013】かかる構成においては、制御目標温度設定
手段の制御内容が増える。また、比較的多いアイドル状
態での制御目標温度を従来よりも低く抑えることができ
る。
【0014】また請求項2の発明においては、前記エン
ジンのウォータージャケット内を冷却して前記ラジエー
タへ戻る冷却水の一部を前記ウォータージャケット内に
再び循環させるバイパス流路を開閉する開閉手段と、前
記エンジンの運転状態が低負荷状態から高負荷状態、ま
たはアイドル状態への移行時に前記開閉手段を閉作動さ
せる制御手段とを備えたものとしている。
【0015】かかる構成においては、制御目標温度が低
温側へ設定されると、バイパス流路での冷却水の流れが
遮断されることにより、ウォータージャケット内で暖め
られた冷却水の一部が、そのままウォータージャケット
内に戻ることがなくなる。このため、制御目標温度が低
温側へ設定された直後には、ウォータージャケット内に
流入する冷却水の温度が低温に維持される。
【0016】また請求項3の発明においては、前記ウォ
ータージャケットとヒーターとの間で冷却水を循環させ
るヒーター流路を開閉する開閉手段と、前記エンジンの
運転状態が低負荷状態から高負荷状態、またはアイドル
状態への移行時に前記開閉手段を閉作動させる制御手段
とを備えたものとしている。
【0017】かかる構成においては、制御目標温度が低
温側へ設定されると、ヒーター流路での冷却水の流れが
遮断されることにより、エンジン出口付近の冷却水の温
度と近い温度の冷却水がウォータージャケット内に戻る
ことを阻止される。このため、ウォータージャケット内
に流入する冷却水の温度が低温に維持される。
【0018】また請求項4の発明においては、前記ウォ
ータージャケット内がシリンダーブロックとシリンダー
ヘッドに分かれており、前記ラジエータから前記ウォー
タージャケットに流入し、前記シリンダーヘッドを通る
冷却水がシリンダーヘッド側出口を経由し、また前記シ
リンダーブロックを通る冷却水がシリンダーブロック側
出口を経由して、それぞれ出口流路を通り前記ラジエー
タへ戻る構造であって、前記シリンダーブロック側出口
を開閉する開閉手段と、前記エンジンの運転状態が低負
荷状態から高負荷状態、またはアイドル状態への移行時
に前記開閉手段を閉作動させる制御手段とを備えたもの
としている。
【0019】かかる構成においては、制御目標温度が低
温側へ設定されると、シリンダーブロック側出口での冷
却水の流れが遮断されることにより、ラジエータからウ
ォータージャケットに流入する冷却水が、シリンダーヘ
ッド側出口を経由して出口流路を通り再びラジエータに
戻る。このため、発熱量の大きいシリンダーヘッドを十
分冷却することができるので、エンジンの冷却能力が増
大する。
【0020】また請求項5の発明においては、前記エン
ジンの運転状態が低負荷状態から高負荷状態への移行時
に前記ラジエータの冷却ファンの作動を遅らせる制御手
段を備えたものとしている。
【0021】かかる構成においては、ウォータージャケ
ット内の冷却水が、ラジエータで冷やされずに再度ウォ
ータージャケット内へ循環する。
【0022】また請求項6の発明においては、前記エン
ジンの運転状態が低負荷状態からアイドル状態への移行
時に前記第3の制御目標温度への切換を遅らせる制御手
段を備えたものとしている。
【0023】かかる構成においては、エンジンの冷却水
温が第1の制御目標温度に制御されている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
にしたがって説明する。図1は、本実施の形態を示す自
動車用エンジン冷却装置の概略構成図である。
【0025】このエンジン冷却装置は、ラジエータ1で
放熱された冷却水をウォーターポンプ2により入口流路
3からエンジンのウォータージャケット4内へ循環さ
れ、シリンダーブロック5とシリンダーヘッド6とを冷
却した後、暖められた冷却水が、シリンダーブロック側
出口5aとシリンダーヘッド側出口6aから出口流路7
を通ってラジエータ1に戻されるとともに放熱され、再
びウォータージャケット4に循環される構造を有してい
る。
【0026】また、ウォータージャケット4内を循環す
る冷却水流路として他には、シリンダーブロック5とシ
リンダーヘッド6とを冷却して暖められた冷却水を再び
ウォータージャケット4内に循環させ、エンジン内の水
温や水圧変化を減少させるためのバイパス流路8や、冷
間時に自動車居室内を暖めるヒーター9とウォータージ
ャケット4との間で冷却水を循環させるヒーター流路1
0が設けられている。
【0027】一方、出口流路7には、冷却水の循環の開
始・停止及び循環量の制御を行う冷却水制御弁11が設
けられており、ラジエータ1には、ラジエータ1内の冷
却水を冷却する冷却ファン12が設けられている。そし
て、バイパス流路8とヒーター流路9とシリンダーブロ
ック側出口5aとに、本発明の開閉手段としてカット弁
13がそれぞれ設けられている。
【0028】また、前述したウォーターポンプ2、冷却
水制御弁11、冷却ファン12、カット弁13は、EC
M14に接続されており、ECM14には、シリンダー
ヘッド6の冷却水の温度を検出する水温センサ15が接
続されている。
【0029】また、図示しないがECM14には、スロ
ットル開度、エンジン回転数、エンジン吸入空気量、ブ
レーキの強さと時間、車速等のエンジンの運転状態を検
出するための各種検出手段が接続されている。
【0030】ECM14は、図示しないCPU、及びC
PUの制御プログラム及び各種パラメータが格納された
ROM、CPUの動作に伴い各種データを記憶するRA
M、A/D変換器及びD/A変換器等を含む入出力装置
を備えたものであり、ROMに記憶されたプログラムに
基づきRAMをワーキングメモリとして動作することに
より、本発明の制御手段及び設定手段として機能する。
【0031】図2は、エンジンの各運転状態下における
エンジン回転数とトルクとアクセル開度(ロード、ロー
ド線RL)の関係を示す図であり、エンジンの運転状態
はA域とB域とC域に分けられている。
【0032】A域は、エンジン回転数に対してトルク値
が高く、アクセル開度が大きな高負荷状態を示す領域で
ある。B域は、エンジン回転数に対してA域よりもトル
ク値が低く、エンジン回転数の上昇につれてトルク値は
減少し、緩やかな加速をするためアクセル開度が緩やか
に増大する低負荷状態を示す領域である。C域は、エン
ジン回転数に対するトルク値が一番低く、アクセル開度
も極めて小さくほとんど変化しないアイドル状態を示す
領域である。
【0033】本実施の形態においては、各エンジンの運
転状態における制御目標温度が、A域では80℃、B域
では110℃、C域では95℃にそれぞれ設定されてお
り、そのデータが前記ECM14のROMに記憶されて
いる。
【0034】以上の構成からなる本実施の形態におい
て、エンジン内の冷却水の温度制御処理を図3のフロー
チャートに従って説明する。
【0035】ECM14は、イグニッション・スイッチ
のオン操作とともに制御を開始し、エンジンのスロット
ル開度、エンジン回転数、エンジン吸入空気量から、エ
ンジンの運転状態がA域(高負荷状態)、B域(低負荷
状態)、C域(アイドル状態)のどの状態であるかを判
断し(S1)、A域では80℃、B域では110℃、C
域では95℃に設定されている制御目標温度を前記RO
Mから読み出して制御を行う(S2〜S4)。
【0036】エンジンの運転状態がB域で110℃に制
御されている場合(S2)には、エンジンのスロットル
開度、エンジン回転数、エンジン吸入空気量、またはそ
れらの変化量の内1つ以上を検知して、A域またはC域
へ移行するか否かを判断し(S5)、移行する場合に
は、冷却水制御弁11を開弁して冷却水を循環させると
ともに、バイパス流路8とヒーター流路9とシリンダー
ブロック側出口5aの三ヶ所に設けられたカット弁13
を閉作動させる(S6)。
【0037】このため、前記三ヶ所の冷却水流路では、
バイパス流路8での冷却水の流れが遮断されることによ
り、シリンダーブロック5とシリンダーヘッド6を冷却
して暖められた冷却水の一部が、そのままウォータージ
ャケット4に戻ることがなくなる。よって、ラジエータ
1からウォータージャケット4に流入する冷却水の温度
が低温に維持される。
【0038】また、ヒーター流路10での冷却水の流れ
が遮断されることにより、出口流路7付近の冷却水の温
度と近い温度の冷却水がウォータージャケット4内に戻
ることを阻止される。このため、ウォータージャケット
4内に流入する冷却水の温度が低温に維持される。
【0039】また、シリンダーブロック側出口5aでの
冷却水の流れが遮断されることにより、ラジエータ1か
らウォータージャケット4に流れる冷却水が、シリンダ
ーヘッド側出口6aを経由して出口流路7を通り再びラ
ジエータ1に戻る。よって、発熱量の大きいシリンダー
ヘッド6を十分冷却することができるので、エンジンの
冷却能力が増大する。
【0040】このように、制御目標温度が低温側へ設定
されると、前記三ヶ所の冷却水流路が遮断されることに
より、エンジン内の冷却水の温度が上昇する要因を減ら
すことできる。このため、制御目標温度が低温側へ設定
された直後には、エンジン内の冷却水の温度が低温に維
持される。従って、エンジン内の冷却水の温度を低温側
に切換制御する際の応答性をさらに向上させることがで
きる。
【0041】さらに温度制御処理においては、A域への
移行か否かを判断し(S7)、A域の場合には、スロッ
トル開度と変化量、ブレーキの強さと時間、車速、エン
ジン回転数、エンジン吸入空気量の内1つ以上を検知し
て、今後のA域状態が短時間であるか否かを判断し(S
8)、短時間である場合にはラジエータ1の冷却ファン
12の作動を遅らせる(S12)。
【0042】このため、ウォータージャケット4内の冷
却水が、ラジエータ1で冷やされずに再度ウォータージ
ャケット4内へ循環するので、エンジン内の冷却水の温
度は高温状態にある。よって、エンジンが短期間加速し
た後、定常走行へすぐ戻る場合、すなわちエンジンの運
転状態がA域からB域にすぐ戻る場合には、エンジンが
無用に冷却されることがなくなり、エンジン内の冷却水
の温度を110℃に復帰させる際の応答時間を早めるこ
とができる。その結果、エンジン内の冷却水の温度を切
換制御する際の応答性をさらに向上させることができ
る。
【0043】また、A域状態が長時間である場合には
(ステップS8でNO)、ラジエータ1の冷却ファン1
2を即作動させ(S13)、その結果、エンジン内の冷
却水の温度を切換制御する際の応答性をさらに向上させ
ることができる。
【0044】また、C域の場合には(ステップS7でN
O)、スロットル開度と変化量、ブレーキの強さと時
間、車速、エンジン回転数、エンジン吸入空気量の内1
つ以上を検知して、今後のC域状態が短時間であるか否
かを判断し(S9)、短時間である場合にはC域の制御
目標温度への切換を時間T1遅らせる(S10)。
【0045】これにより、エンジンの運転状態がC域で
あっても、制御目標温度はB域での制御目標温度である
110℃に設定されたままであり、エンジン内の冷却水
の温度低下が遅れる。
【0046】よって、エンジンの運転状態がC域からB
域にすぐ戻る場合には、エンジンが無用に冷却されるこ
とがなくなり、エンジン内の冷却水の温度を110℃に
復帰させる際の応答時間を早めることができる。その結
果、エンジン内の冷却水の温度を切換制御する際の応答
性をさらに向上させることができる。
【0047】また、C域状態が長時間である場合には
(ステップS9でNO)C域の制御目標温度への切換を
即実施する(S11)。この結果、エンジン内の冷却水
の温度が早く切りかわり、応答性を向上させることがで
きる。
【0048】このように本実施の形態においては、エン
ジンの運転状態がアイドル状態の場合にも制御目標温度
を設定したことにより、各エンジンの運転状態により適
応したエンジン内の冷却水の温度制御処理を行うことが
できる。
【0049】よって、エンジンの運転状態に応じた、エ
ンジン内の冷却水の温度を切換制御する際の応答性を向
上することができる。その結果、エンジン出力を損なう
ことなく燃費を向上させることができる。
【0050】また、アイドル状態と高負荷状態及び、低
負荷状態とアイドル状態の制御目標温度の差が、低負荷
状態と高負荷状態の制御目標温度の差よりも小さい。こ
のため、低負荷状態と高負荷状態との間に比べ、アイド
ル状態と高負荷状態または低負荷状態との間で、エンジ
ン内の冷却水の温度を早く制御目標温度に切換制御する
ことができる。
【0051】また、アイドル状態に制御目標温度を従来
より低い温度(95℃)に設定する低温制御を行うこと
により、エンジン部品の熱負荷を下げ、耐熱性の向上を
図ることができる。
【0052】なお、本実施の形態では、アイドル状態の
制御目標温度を、低負荷状態の制御目標温度と高負荷状
態の制御目標温度との間の温度に設定したが、低負荷状
態の制御目標温度または高負荷状態の制御目標温度と同
じ温度に設定してもよい。
【0053】また、低負荷状態からアイドル状態への移
行時に、今後のアイドル状態時間の判断結果に応じて、
制御目標温度の切換を遅らせて制御したが、今後のアイ
ドル状態時間を判断せずに制御目標温度の切換を遅らせ
てもよい。
【0054】また、カット弁をバイパス流路とヒーター
流路とシリンダーブロック側出口の三ヶ所に設けたが、
三ヶ所の内少なくとも一ヶ所に設けて閉作動させれば、
十分な効果を得ることができる。
【0055】また、本実施のエンジンの冷却水制御装置
と異なり、シリンダーブロックからシリンダーヘッドの
順に冷却水が循環するエンジンの冷却水制御装置におい
ては、シリンダーブロック側出口が形成されていないた
め、バイパス流路とヒーター流路にカット弁を設けて作
動させることで同様の効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にお
いては、制御目標温度の設定手段の制御内容が増えるこ
とにより、各エンジンの運転状態により適応したエンジ
ン内の冷却水の温度制御処理を行うことができる。
【0057】よって、エンジンの運転状態に応じて、エ
ンジン内の冷却水の温度を切換制御する際の応答性を向
上することができる。その結果、エンジン出力を損なう
ことなく燃費を向上させることができる。
【0058】また、比較的多いアイドル状態での制御目
標温度を従来よりも低く抑えることができるため、エン
ジン部品の熱負荷を下げ、耐熱性を向上させることが可
能となる。
【0059】また、請求項2の発明においては、制御目
標温度が低温側へ設定された直後には、ウォータージャ
ケット内に流入する冷却水の温度が低温に維持されるよ
うにした。よって、エンジン内の冷却水の温度を低温側
に切換制御する際の応答性をさらに向上させることがで
きる。
【0060】また、請求項3の発明においては、制御目
標温度が低温側へ設定された直後には、ウォータージャ
ケット内に流入する冷却水の温度が低温に維持されるよ
うにした。よって、エンジン内の冷却水の温度を低温側
に切換制御する際の応答性をさらに向上させることがで
きる。
【0061】また、請求項4の発明においては、制御目
標温度が低温側へ設定された直後には、ウォータージャ
ケット内に流入する冷却水が発熱量の大きいシリンダー
ヘッドを十分冷却することにより、エンジンの冷却能力
が増大するようにした。よって、エンジン内の冷却水の
温度を低温側に切換制御する際の応答性をさらに向上さ
せることができる。
【0062】また、請求項5の発明においては、エンジ
ンの運転状態が低負荷状態から高負荷状態への移行時に
エンジンからラジエータへ戻る冷却水を冷やすことなく
再度エンジンへ循環させるようにしたので、エンジン内
の冷却水の温度は高温状態にある。
【0063】よって、エンジンの運転状態が高負荷状態
からすぐに低負荷状態に戻る場合には、エンジンが無用
に冷却されることがなくなり、エンジン内の冷却水の温
度を第1の制御目標温度に復帰させる際の応答時間を早
めることができる。その結果、エンジン内の冷却水の温
度を切換制御する際の応答性をさらに向上させることが
できる。
【0064】また、請求項6の発明においては、エンジ
ンの運転状態が低負荷状態からアイドル状態への移行時
にはエンジンの冷却水温が第1の制御目標温度に設定さ
れているのでエンジン内の冷却水の温度低下が遅れる。
【0065】よって、エンジンの運転状態が高負荷状態
からすぐに低負荷状態に戻る場合には、エンジンが無用
に冷却されることがなくなり、エンジン内の冷却水の温
度を第1の制御目標温度に復帰させる際の応答時間を早
めることができる。その結果、エンジン内の冷却水の温
度を切換制御する際の応答性をさらに向上させることが
できる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すエンジンの冷却水
制御装置の概略構成図である。
【図2】エンジンの各運転状態下におけるエンジン回転
数とトルクとアクセル開度の関係図である。
【図3】エンジン内の冷却水の温度制御処理を示すフロ
ーチャートである。
【図4】従来のエンジンの冷却水制御装置の概略構成図
である。
【図5】従来のエンジンの各運転状態下におけるエンジ
ン回転数とトルクとアクセル開度の関係図である。
【符号の説明】
1 ラジエータ 4 ウォータージャケット 5 シリンダーブロック 5a シリンダーブロック側出口 6 シリンダーヘッド 6a シリンダーヘッド側出口 7 出口流路 8 バイパス流路 9 ヒーター 10 ヒーター流路 12 冷却ファン 13 カット弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジエータとエンジンの間で冷却水を循
    環させ、エンジン内の冷却水の温度を制御目標温度に制
    御する一方、前記エンジン内の冷却水の制御目標温度
    を、前記エンジンの運転状態が低負荷状態には第1の制
    御目標温度に、前記エンジンの運転状態が高負荷状態に
    は前記第1の制御目標温度よりも低い第2の制御目標温
    度に設定する、制御目標温度設定手段を備えた冷却水制
    御装置において、 前記制御目標温度設定手段が、前記エンジンの運転状態
    がアイドル状態には前記第2の制御目標温度から前記第
    1の制御目標温度までの温度に、第3の制御目標温度を
    設定することを特徴とするエンジンの冷却水制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジンのウォータージャケット内
    を冷却して前記ラジエータへ戻る冷却水の一部を前記ウ
    ォータージャケット内に再び循環させるバイパス流路を
    開閉する開閉手段と、前記エンジンの運転状態が低負荷
    状態から高負荷状態、またはアイドル状態への移行時に
    前記開閉手段を閉作動させる制御手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1記載のエンジンの冷却水制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ウォータージャケットとヒーターと
    の間で冷却水を循環させるヒーター流路を開閉する開閉
    手段と、前記エンジンの運転状態が低負荷状態から高負
    荷状態、またはアイドル状態への移行時に前記開閉手段
    を閉作動させる制御手段とを備えたことを特徴とする請
    求項1または2記載のエンジンの冷却水制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ウォータージャケット内がシリンダ
    ーブロックとシリンダーヘッドに分かれており、前記ラ
    ジエータから前記ウォータージャケットに流入し、前記
    シリンダーブロックから前記シリンダーヘッドを通る冷
    却水がシリンダーヘッド側出口を経由し、また前記シリ
    ンダーブロックを通る冷却水がシリンダーブロック側出
    口を経由して、それぞれ出口流路を通り前記ラジエータ
    へ戻る構造であって、前記シリンダーブロック側出口を
    開閉する開閉手段と、前記エンジンの運転状態が低負荷
    状態から高負荷状態、またはアイドル状態への移行時に
    前記開閉手段を閉作動させる制御手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1、2または3記載のエンジンの冷却
    水制御装置。
  5. 【請求項5】 前記エンジンの運転状態が低負荷状態か
    ら高負荷状態への移行時に前記ラジエータの冷却ファン
    の作動を遅らせる制御手段を備えたことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの冷却水制
    御装置。
  6. 【請求項6】 前記エンジンの運転状態が低負荷状態か
    らアイドル状態への移行時に前記第3の制御目標温度へ
    の切換を遅らせる制御手段を備えたことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジンの冷却水制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7455239B2 (en) 2003-10-16 2008-11-25 Daimler Ag Cooling system for an internal combustion engine of a motor vehicle

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