JP2000095196A - 地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方法 - Google Patents
地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方法Info
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- JP2000095196A JP2000095196A JP10269219A JP26921998A JP2000095196A JP 2000095196 A JP2000095196 A JP 2000095196A JP 10269219 A JP10269219 A JP 10269219A JP 26921998 A JP26921998 A JP 26921998A JP 2000095196 A JP2000095196 A JP 2000095196A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成層圏の弱風帯に滞留させて、通信中継や環
境観測、孤立した離島・被災地・事故現場等への応急電
力の供給等に利用する成層圏飛行船に、その飛行船自体
の滞留のための動力や飛行船本来の機能遂行のための動
力を効率よく伝送できるようにする。 【解決手段】 成層圏の弱風帯に滞留する係留飛行船2
を地上の係留基地1に係留索3により係留させ、係留基
地1と係留飛行船2との間で、係留索3に沿う光ファイ
バーを通してレーザによるエネルギー伝送を行う。係留
飛行船2においては、光電変換によりその飛行船自体の
滞留のための動力を得ると同時に、伝送を受けたエネル
ギーを、その係留飛行船2から成層圏又はその近辺に滞
留する第2の飛行船12に高出力レーザLにより空中無
線伝送する。
境観測、孤立した離島・被災地・事故現場等への応急電
力の供給等に利用する成層圏飛行船に、その飛行船自体
の滞留のための動力や飛行船本来の機能遂行のための動
力を効率よく伝送できるようにする。 【解決手段】 成層圏の弱風帯に滞留する係留飛行船2
を地上の係留基地1に係留索3により係留させ、係留基
地1と係留飛行船2との間で、係留索3に沿う光ファイ
バーを通してレーザによるエネルギー伝送を行う。係留
飛行船2においては、光電変換によりその飛行船自体の
滞留のための動力を得ると同時に、伝送を受けたエネル
ギーを、その係留飛行船2から成層圏又はその近辺に滞
留する第2の飛行船12に高出力レーザLにより空中無
線伝送する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成層圏の弱風帯に
滞留させて、通信中継や環境観測、動力伝送の中継、孤
立した離島・被災地・事故現場等への応急電力の供給、
その他の目的に利用する成層圏飛行船に、その飛行船自
体の滞留のための動力や飛行船本来の機能遂行のための
動力の供給に適用する地上と成層圏飛行船との間のエネ
ルギー伝送方法に関するものである。
滞留させて、通信中継や環境観測、動力伝送の中継、孤
立した離島・被災地・事故現場等への応急電力の供給、
その他の目的に利用する成層圏飛行船に、その飛行船自
体の滞留のための動力や飛行船本来の機能遂行のための
動力の供給に適用する地上と成層圏飛行船との間のエネ
ルギー伝送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】成層圏の弱風帯に滞留する飛行船を、通
信の中継や環境観測手段として利用することが計画さ
れ、そのための研究開発が開始されている。成層圏下層
の、地上から20km程度の高度の空間は、一年中晴天
で、風も弱く、最も穏やかである。この空域に長期間滞
空して環境観測や情報中継に新分野を拓く成層圏プラッ
トフォームは、無人飛行船として実現が近い将来に予見
されている。この場合に、飛行船は成層圏の弱風に抗し
てその位置を保持するための推進パワー用の動力や、通
信及び環境観測等の飛行船本来の機能の遂行のための動
力を必要とし、それらの動力を得るための方法として、
一般的には、太陽エネルギーを蓄電する方式と、地上か
らマイクロ波やレーザで伝送する方式などが考えられ
る。
信の中継や環境観測手段として利用することが計画さ
れ、そのための研究開発が開始されている。成層圏下層
の、地上から20km程度の高度の空間は、一年中晴天
で、風も弱く、最も穏やかである。この空域に長期間滞
空して環境観測や情報中継に新分野を拓く成層圏プラッ
トフォームは、無人飛行船として実現が近い将来に予見
されている。この場合に、飛行船は成層圏の弱風に抗し
てその位置を保持するための推進パワー用の動力や、通
信及び環境観測等の飛行船本来の機能の遂行のための動
力を必要とし、それらの動力を得るための方法として、
一般的には、太陽エネルギーを蓄電する方式と、地上か
らマイクロ波やレーザで伝送する方式などが考えられ
る。
【0003】しかしながら、太陽エネルギーを光電変換
して蓄電する方式は、飛行船のペイロードに限界がある
ため、蓄電池の軽量化等の技術開発を待つ必要がある。
しかも、極圏地方の冬には、太陽光を十分に得られない
か、全く得られないところがある。従って、この地域に
長期間滞空させるには、太陽光を利用することができ
ず、それに代えて、地上から連続的に長期間エネルギー
を供給し続け得るマイクロ波やレーザ等による無線伝送
の技術手段を考慮する必要がある。
して蓄電する方式は、飛行船のペイロードに限界がある
ため、蓄電池の軽量化等の技術開発を待つ必要がある。
しかも、極圏地方の冬には、太陽光を十分に得られない
か、全く得られないところがある。従って、この地域に
長期間滞空させるには、太陽光を利用することができ
ず、それに代えて、地上から連続的に長期間エネルギー
を供給し続け得るマイクロ波やレーザ等による無線伝送
の技術手段を考慮する必要がある。
【0004】しかし、よく知られた無線伝送手段である
マイクロ波は、近年、電磁汚染が懸念されはじめている
ため、その利用には問題がある。また、マイクロ波によ
る伝送は地上や航空機の通信に影響を与えるため、この
点でも問題がある。即ち、マイクロ波は、その発振時に
サイド・ロープ等の主放射方向以外の方向への電波の洩
れや、受電アンテナからの反射による無線送電以外への
空中への電波の漏洩が大きく、電磁汚染を引き起こし、
すでに使用されている周波数帯の通信等への影響があ
る。また、この影響を避けるため、すでに使用されてい
る周波数帯の電波よりも高い周波数の電波を使って大気
中をパワー伝送をしようとすると、大気中の雲や雨の水
分による減衰が大きく、非効率である。一方、高出力レ
ーザによるエネルギーの無線伝送は、一般的なマイクロ
波による伝送と異なり、空気中の水分による減衰が著し
く、特に、雲や雨等により吸収されるため、気象条件に
恵まれない限り大気中の長距離伝送は困難である。
マイクロ波は、近年、電磁汚染が懸念されはじめている
ため、その利用には問題がある。また、マイクロ波によ
る伝送は地上や航空機の通信に影響を与えるため、この
点でも問題がある。即ち、マイクロ波は、その発振時に
サイド・ロープ等の主放射方向以外の方向への電波の洩
れや、受電アンテナからの反射による無線送電以外への
空中への電波の漏洩が大きく、電磁汚染を引き起こし、
すでに使用されている周波数帯の通信等への影響があ
る。また、この影響を避けるため、すでに使用されてい
る周波数帯の電波よりも高い周波数の電波を使って大気
中をパワー伝送をしようとすると、大気中の雲や雨の水
分による減衰が大きく、非効率である。一方、高出力レ
ーザによるエネルギーの無線伝送は、一般的なマイクロ
波による伝送と異なり、空気中の水分による減衰が著し
く、特に、雲や雨等により吸収されるため、気象条件に
恵まれない限り大気中の長距離伝送は困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消するためになされたもので、その技術的課題
は、基本的には、成層圏の弱風帯に滞留させて、通信中
継や環境観測、孤立した離島・被災地・事故現場等への
応急電力の供給、その他の目的に利用する成層圏飛行船
に、その飛行船自体の滞留のための動力や飛行船本来の
機能遂行のための動力を効率よく伝送できるようにする
ところの、地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送
方法を提供することにある。
問題を解消するためになされたもので、その技術的課題
は、基本的には、成層圏の弱風帯に滞留させて、通信中
継や環境観測、孤立した離島・被災地・事故現場等への
応急電力の供給、その他の目的に利用する成層圏飛行船
に、その飛行船自体の滞留のための動力や飛行船本来の
機能遂行のための動力を効率よく伝送できるようにする
ところの、地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送
方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の技術的課題は、上述したよう
に成層圏飛行船に比較的効率よく伝送したエネルギー
を、成層圏又はその近辺の任意位置に滞留する第2の飛
行船に効率的に空中無線伝送し、あるいは、その第2の
飛行船を中継用飛行船として第3の飛行船まで伝送し、
それによって、エネルギーの供給用基地から遠距離にあ
る第2、第3の飛行船までの長距離伝送をも可能にした
飛行船へのエネルギー伝送方法を提供することにある。
に成層圏飛行船に比較的効率よく伝送したエネルギー
を、成層圏又はその近辺の任意位置に滞留する第2の飛
行船に効率的に空中無線伝送し、あるいは、その第2の
飛行船を中継用飛行船として第3の飛行船まで伝送し、
それによって、エネルギーの供給用基地から遠距離にあ
る第2、第3の飛行船までの長距離伝送をも可能にした
飛行船へのエネルギー伝送方法を提供することにある。
【0007】本発明の更に具体的な技術的課題は、水分
が多く存在することによってエネルギーの空中無線伝送
が困難な対流圏においては、有線で効率的にエネルギー
伝送するようにして、水分によるエネルギーの減衰を防
ぎ、水分が殆ど存在しない成層圏では空中を長距離無線
伝送し、それによって、地上と成層圏飛行船、あるいは
遠距離空域に滞留する第2及び第3の飛行船との間のエ
ネルギー伝送を効率的に行えるようにしたエネルギー伝
送方法を提供することにある。また、本発明の他の技術
的課題は、マイクロ波による電磁汚染を引き起こさず
に、地上と成層圏飛行船との間で十分なエネルギー伝送
を行うことができるエネルギー伝送方法を提供すること
にある。
が多く存在することによってエネルギーの空中無線伝送
が困難な対流圏においては、有線で効率的にエネルギー
伝送するようにして、水分によるエネルギーの減衰を防
ぎ、水分が殆ど存在しない成層圏では空中を長距離無線
伝送し、それによって、地上と成層圏飛行船、あるいは
遠距離空域に滞留する第2及び第3の飛行船との間のエ
ネルギー伝送を効率的に行えるようにしたエネルギー伝
送方法を提供することにある。また、本発明の他の技術
的課題は、マイクロ波による電磁汚染を引き起こさず
に、地上と成層圏飛行船との間で十分なエネルギー伝送
を行うことができるエネルギー伝送方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の基本的なエネルギー伝送方法は、成層圏の弱
風帯に滞留する係留飛行船を地上の係留基地に係留索に
より係留させ、係留基地と係留飛行船との間で、係留索
に沿う光ファイバーを通してレーザによるエネルギー伝
送を行い、係留飛行船における光電変換により、その飛
行船自体の滞留及び機能遂行のための動力を得ることを
特徴とするものである。
の本発明の基本的なエネルギー伝送方法は、成層圏の弱
風帯に滞留する係留飛行船を地上の係留基地に係留索に
より係留させ、係留基地と係留飛行船との間で、係留索
に沿う光ファイバーを通してレーザによるエネルギー伝
送を行い、係留飛行船における光電変換により、その飛
行船自体の滞留及び機能遂行のための動力を得ることを
特徴とするものである。
【0009】また、上記方法の利用により、遠距離の空
域に滞留する飛行船にエネルギーを長距離伝送する本発
明の伝送方法は、成層圏の弱風帯に滞留する係留飛行船
を地上の係留基地に係留索により係留させ、係留基地と
係留飛行船との間で、係留索に沿う光ファイバーを通し
てレーザによるエネルギー伝送を行い、係留飛行船にお
いて、光電変換によりその飛行船自体の滞留のための動
力を得ると同時に、伝送を受けたエネルギーを、その係
留飛行船から成層圏又はその近辺の任意位置に滞留する
第2の飛行船に高出力レーザにより空中無線伝送するこ
とを特徴とするものである。
域に滞留する飛行船にエネルギーを長距離伝送する本発
明の伝送方法は、成層圏の弱風帯に滞留する係留飛行船
を地上の係留基地に係留索により係留させ、係留基地と
係留飛行船との間で、係留索に沿う光ファイバーを通し
てレーザによるエネルギー伝送を行い、係留飛行船にお
いて、光電変換によりその飛行船自体の滞留のための動
力を得ると同時に、伝送を受けたエネルギーを、その係
留飛行船から成層圏又はその近辺の任意位置に滞留する
第2の飛行船に高出力レーザにより空中無線伝送するこ
とを特徴とするものである。
【0010】上記第2の飛行船に伝送されたエネルギー
は、第2の飛行船の滞留及び/又は機能遂行のための動
力とし、あるいは、その第2の飛行船を、エネルギー伝
送の中継用飛行船とし、その第2の飛行船に伝送された
エネルギーを、第3の飛行船に同様のレーザにより空中
無線伝送して、第3の飛行船においてその滞留及び/又
は機能遂行のための動力とし、あるいは第4の飛行船に
エネルギー伝送することもできる。飛行船から他の飛行
船への高出力レーザの空中無線伝送においては、位相共
役ミラーを用い、受光側ミラーにおいて受光したレーザ
の一部を投光側に反射させ、それを投光側で受光して、
投光側のレーザの投射方向をその投射レーザが受光側ミ
ラーに入射するように追尾させるのが有効である。
は、第2の飛行船の滞留及び/又は機能遂行のための動
力とし、あるいは、その第2の飛行船を、エネルギー伝
送の中継用飛行船とし、その第2の飛行船に伝送された
エネルギーを、第3の飛行船に同様のレーザにより空中
無線伝送して、第3の飛行船においてその滞留及び/又
は機能遂行のための動力とし、あるいは第4の飛行船に
エネルギー伝送することもできる。飛行船から他の飛行
船への高出力レーザの空中無線伝送においては、位相共
役ミラーを用い、受光側ミラーにおいて受光したレーザ
の一部を投光側に反射させ、それを投光側で受光して、
投光側のレーザの投射方向をその投射レーザが受光側ミ
ラーに入射するように追尾させるのが有効である。
【0011】このような本発明のエネルギー伝送方法の
実施においては、先ず、航空機の航路や過密な都市から
離れた山間地、離島などに、係留飛行船を係留するため
の地上の係留基地(エネルギー供給用基地)を設置し、
成層圏下層の地上から20km程度の弱風帯に、係留索
により係留した係留飛行船を滞留させ、その飛行船に係
留索に沿う光ファイバーを通してレーザによるエネルギ
ー伝送が行われる。レーザにより伝送されたエネルギー
は、係留飛行船における光電変換により、その飛行船自
体が風に抗して滞留するための推進パワー、あるいは、
飛行船自体の機能遂行のための動力に供される。
実施においては、先ず、航空機の航路や過密な都市から
離れた山間地、離島などに、係留飛行船を係留するため
の地上の係留基地(エネルギー供給用基地)を設置し、
成層圏下層の地上から20km程度の弱風帯に、係留索
により係留した係留飛行船を滞留させ、その飛行船に係
留索に沿う光ファイバーを通してレーザによるエネルギ
ー伝送が行われる。レーザにより伝送されたエネルギー
は、係留飛行船における光電変換により、その飛行船自
体が風に抗して滞留するための推進パワー、あるいは、
飛行船自体の機能遂行のための動力に供される。
【0012】このように、成層圏飛行船を係留基地に係
留し、水分が多く存在する対流圏において係留索に沿う
光ファイバー内を通してレーザによりエネルギー伝送を
行うと、効率的にエネルギー伝送して、空中無線伝送の
場合のように水分によるエネルギーの減衰を防ぐことが
できる。また、係留索に沿う光ファイバーによりレーザ
でエネルギー伝送すると、例えば、その係留索に沿う電
気的導線により電気エネルギーを直接飛行船に伝送する
場合などに比して、エネルギー伝送量が1〜2桁大きく
なり、軽量な光ファイバーによってより高密度のエネル
ギー伝送を行うことができ、伝送エネルギー量に比して
20kmにも及ぶ係留索を著しく軽量化することが可能
になる。さらに、マイクロ波を用いる場合のように、電
磁汚染を引き起こさずに、地上と成層圏飛行船との間で
十分なエネルギー伝送を行うことが可能になる。
留し、水分が多く存在する対流圏において係留索に沿う
光ファイバー内を通してレーザによりエネルギー伝送を
行うと、効率的にエネルギー伝送して、空中無線伝送の
場合のように水分によるエネルギーの減衰を防ぐことが
できる。また、係留索に沿う光ファイバーによりレーザ
でエネルギー伝送すると、例えば、その係留索に沿う電
気的導線により電気エネルギーを直接飛行船に伝送する
場合などに比して、エネルギー伝送量が1〜2桁大きく
なり、軽量な光ファイバーによってより高密度のエネル
ギー伝送を行うことができ、伝送エネルギー量に比して
20kmにも及ぶ係留索を著しく軽量化することが可能
になる。さらに、マイクロ波を用いる場合のように、電
磁汚染を引き起こさずに、地上と成層圏飛行船との間で
十分なエネルギー伝送を行うことが可能になる。
【0013】また、成層圏下層の弱風帯に滞留する係留
飛行船に光ファイバーを通して伝送した高出力レーザに
よるエネルギーは、光電変換することなく、その係留飛
行船から遠隔の空域で同程度の高度に滞空し飛行し続け
る第2の無人飛行船に、直接高出力レーザにより空中無
線伝送することができる。この場合に、上記成層圏下層
の弱風帯では水分が殆ど存在しないため、長距離(10
0〜300km)にわたってレーザを空中無線伝送する
ことができ、それによって、遠距離空域に滞留する第2
及び第3の飛行船にエネルギー伝送を効率的に行うこと
ができる。
飛行船に光ファイバーを通して伝送した高出力レーザに
よるエネルギーは、光電変換することなく、その係留飛
行船から遠隔の空域で同程度の高度に滞空し飛行し続け
る第2の無人飛行船に、直接高出力レーザにより空中無
線伝送することができる。この場合に、上記成層圏下層
の弱風帯では水分が殆ど存在しないため、長距離(10
0〜300km)にわたってレーザを空中無線伝送する
ことができ、それによって、遠距離空域に滞留する第2
及び第3の飛行船にエネルギー伝送を効率的に行うこと
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る方法によっ
て地上と成層圏飛行船との間でエネルギー伝送を行う態
様を模式的に示している。同図から分かるように、本発
明の実施に際しては、先ず、航空機の航路や過密な都市
から離れた山間地、離島などに、無人の係留飛行船2を
係留するための地上の係留基地1が設置される。上記係
留飛行船2は、その係留基地1に係留索3により係留
し、成層圏下層の地上から20km程度の弱風帯に滞留
させるが、飛行船2の上昇・下降・水平移動のすべてを
係留索3によりコントロールできないので、無人飛行船
2自体に、弱風に抗して同じ高度、同じ空域に長期間滞
空を継続させるための推進装置2aを具備させる。この
推進装置2aは、必要な方向に推進パワーを出力するも
ので、この推進パワーにより飛行船2を動力推進させる
ことにより、飛行船2への空気抵抗から来る係留索3へ
の負荷力を低減させることができる。
て地上と成層圏飛行船との間でエネルギー伝送を行う態
様を模式的に示している。同図から分かるように、本発
明の実施に際しては、先ず、航空機の航路や過密な都市
から離れた山間地、離島などに、無人の係留飛行船2を
係留するための地上の係留基地1が設置される。上記係
留飛行船2は、その係留基地1に係留索3により係留
し、成層圏下層の地上から20km程度の弱風帯に滞留
させるが、飛行船2の上昇・下降・水平移動のすべてを
係留索3によりコントロールできないので、無人飛行船
2自体に、弱風に抗して同じ高度、同じ空域に長期間滞
空を継続させるための推進装置2aを具備させる。この
推進装置2aは、必要な方向に推進パワーを出力するも
ので、この推進パワーにより飛行船2を動力推進させる
ことにより、飛行船2への空気抵抗から来る係留索3へ
の負荷力を低減させることができる。
【0015】なお、成層圏の弱風帯である地上20km
の高度に地上から係留気球を浮揚させて滞空させる技術
については、文献等において既にその可能性が示唆され
(例えば、第11回米国航空宇宙学会LTAシステム工
学部会講演会(A.Euler, S.Badesha & L.Schroeder, Ve
ry High Altitude Tethered Balloon Feasibility Stud
y )での発表文献等参照)、地上から成層圏までの上昇
過程が力学的に可能であることの計算がなされている。
の高度に地上から係留気球を浮揚させて滞空させる技術
については、文献等において既にその可能性が示唆され
(例えば、第11回米国航空宇宙学会LTAシステム工
学部会講演会(A.Euler, S.Badesha & L.Schroeder, Ve
ry High Altitude Tethered Balloon Feasibility Stud
y )での発表文献等参照)、地上から成層圏までの上昇
過程が力学的に可能であることの計算がなされている。
【0016】上記係留索3は、それに沿う光ファイバー
を有し、レーザ光発生機を備えた係留基地1から、その
光ファイバーを通して係留飛行船2にレーザによるエネ
ルギー伝送を行うようにしている。従って、上記係留基
地1は、エネルギー供給用基地を兼ねている。レーザに
より伝送されたエネルギーは、係留飛行船2において受
光し、光電変換により電気エネルギーに変換して、その
飛行船自体の滞留の推進パワー等のエネルギー源、ある
いは、ミッション用電源として、例えば通信中継や環境
観測や、他の飛行船への動力伝送の中継を行って、孤立
した離島・被災地・事故現場などへの応急電力の供給等
の機能遂行のために供される。なお、飛行船を成層圏の
弱風帯空域に長期滞空させるために必要な推進パワー
は、船体規模や対気速度等に応じて、数10kWから2
00kW程度であると考えられる。このようにして、直
接飛行船等にレーザで空中無線伝送するのではなく、高
高度に係留した飛行船2に光ファイバー伝送を行うと、
効率的にエネルギー伝送して、水分によるエネルギーの
減衰を防ぐことができる。
を有し、レーザ光発生機を備えた係留基地1から、その
光ファイバーを通して係留飛行船2にレーザによるエネ
ルギー伝送を行うようにしている。従って、上記係留基
地1は、エネルギー供給用基地を兼ねている。レーザに
より伝送されたエネルギーは、係留飛行船2において受
光し、光電変換により電気エネルギーに変換して、その
飛行船自体の滞留の推進パワー等のエネルギー源、ある
いは、ミッション用電源として、例えば通信中継や環境
観測や、他の飛行船への動力伝送の中継を行って、孤立
した離島・被災地・事故現場などへの応急電力の供給等
の機能遂行のために供される。なお、飛行船を成層圏の
弱風帯空域に長期滞空させるために必要な推進パワー
は、船体規模や対気速度等に応じて、数10kWから2
00kW程度であると考えられる。このようにして、直
接飛行船等にレーザで空中無線伝送するのではなく、高
高度に係留した飛行船2に光ファイバー伝送を行うと、
効率的にエネルギー伝送して、水分によるエネルギーの
減衰を防ぐことができる。
【0017】上記係留索3は、その強度メンバーとして
アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等の比強度の
大きな繊維からなるロープを用い、エネルギー伝送用に
は石英等の光ファイバーを用い、また、対雷策としてメ
タル・シースによりロープの外部を被覆させるのが望ま
しい。また、伝送するレーザとしては、半導体励起固体
レーザ、沃素レーザ等の、光ファイバー導光に適した高
出力レーザを用いるのが望ましい。固体レーザや化学レ
ーザは、電気−光の変換率として30%以上を期待する
ことができ、これに対してガスレーザは一台で数100
kWの出力が可能ではあるが、発振機器が大型であるば
かりでなく、冷却などの補助機器も大きく、しかも、電
気−光変換効率が高々2〜5%と極めて悪いため、その
利用には困難性がある。
アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等の比強度の
大きな繊維からなるロープを用い、エネルギー伝送用に
は石英等の光ファイバーを用い、また、対雷策としてメ
タル・シースによりロープの外部を被覆させるのが望ま
しい。また、伝送するレーザとしては、半導体励起固体
レーザ、沃素レーザ等の、光ファイバー導光に適した高
出力レーザを用いるのが望ましい。固体レーザや化学レ
ーザは、電気−光の変換率として30%以上を期待する
ことができ、これに対してガスレーザは一台で数100
kWの出力が可能ではあるが、発振機器が大型であるば
かりでなく、冷却などの補助機器も大きく、しかも、電
気−光変換効率が高々2〜5%と極めて悪いため、その
利用には困難性がある。
【0018】なお、レーザはその波長によりエネルギー
の変換効率や物質への吸収等の物理特性が大幅に異な
り、波長が5μm帯域のレーザは大気中での吸収が少な
いが、このレーザはガス(一酸化炭素等)レーザであ
り、上述したように固体レーザや化学レーザに比べて発
振効率が1桁悪いものである。従って、本発明のよう
に、レーザをファイバー伝送してそれに適した波長の発
振効率の良いレーザを選択する方が、非常に優れた方法
であると言える。
の変換効率や物質への吸収等の物理特性が大幅に異な
り、波長が5μm帯域のレーザは大気中での吸収が少な
いが、このレーザはガス(一酸化炭素等)レーザであ
り、上述したように固体レーザや化学レーザに比べて発
振効率が1桁悪いものである。従って、本発明のよう
に、レーザをファイバー伝送してそれに適した波長の発
振効率の良いレーザを選択する方が、非常に優れた方法
であると言える。
【0019】上述のように、成層圏の弱風帯に滞留する
係留飛行船2に、係留索3に沿う光ファイバーを通して
伝送したレーザによるエネルギーは、その係留飛行船2
において、光電変換により飛行船自体の滞留のための動
力とすると同時に、その伝送を受けたエネルギーを、係
留飛行船2の投光部2bから、100〜300km程度
の遠距離で成層圏下層又はその近辺を滞留又は飛行し続
ける第2の飛行船12の受光部12bに、高出力レーザ
Lにより空中無線伝送することができる。図2では、複
数の飛行船12にレーザLによるエネルギー伝送を行う
場合を示している。この第2の飛行船12に伝送する高
出力レーザLは、ファイバーを通して地上から伝送され
たレーザを光電変換することなく、ミラー等を用いてそ
のまま転送される。この場合に、レーザLが空中無線伝
送される成層圏下層の弱風帯では、水分が殆ど存在しな
いため、100〜300kmという遠距離にわたってレ
ーザを伝送しても、エネルギーが減衰することはない。
また、伝送するレーザのパワー密度は、太陽光の数倍程
度の強度にすることも可能であり、この時の受光部の寸
法は高々直径数メートル程度である。
係留飛行船2に、係留索3に沿う光ファイバーを通して
伝送したレーザによるエネルギーは、その係留飛行船2
において、光電変換により飛行船自体の滞留のための動
力とすると同時に、その伝送を受けたエネルギーを、係
留飛行船2の投光部2bから、100〜300km程度
の遠距離で成層圏下層又はその近辺を滞留又は飛行し続
ける第2の飛行船12の受光部12bに、高出力レーザ
Lにより空中無線伝送することができる。図2では、複
数の飛行船12にレーザLによるエネルギー伝送を行う
場合を示している。この第2の飛行船12に伝送する高
出力レーザLは、ファイバーを通して地上から伝送され
たレーザを光電変換することなく、ミラー等を用いてそ
のまま転送される。この場合に、レーザLが空中無線伝
送される成層圏下層の弱風帯では、水分が殆ど存在しな
いため、100〜300kmという遠距離にわたってレ
ーザを伝送しても、エネルギーが減衰することはない。
また、伝送するレーザのパワー密度は、太陽光の数倍程
度の強度にすることも可能であり、この時の受光部の寸
法は高々直径数メートル程度である。
【0020】この第2の飛行船12においては、伝送さ
れたエネルギーをその飛行船12の滞留及び/又は前記
係留飛行船2と同様の機能遂行のための動力として使用
されるが、この第2の飛行船12は、係留基地1の設置
が困難で係留飛行船2を滞留させることができない過密
な都市や遠隔の地等の空域に滞留させるのが通例であ
り、そのため、伝送されたエネルギーは、例えば、通信
中継や環境観測ばかりでなく、動力伝送の中継、孤立し
た離島・被災地・事故現場等への応急電力の供給等の機
能遂行のために供される。
れたエネルギーをその飛行船12の滞留及び/又は前記
係留飛行船2と同様の機能遂行のための動力として使用
されるが、この第2の飛行船12は、係留基地1の設置
が困難で係留飛行船2を滞留させることができない過密
な都市や遠隔の地等の空域に滞留させるのが通例であ
り、そのため、伝送されたエネルギーは、例えば、通信
中継や環境観測ばかりでなく、動力伝送の中継、孤立し
た離島・被災地・事故現場等への応急電力の供給等の機
能遂行のために供される。
【0021】また、上記第2の飛行船12は、図2に示
すように、それをエネルギーの伝送の中継用飛行船とし
て、その第2の飛行船12に伝送されたエネルギーを、
更に遠方の任意数の第3の飛行船13に、高出力レーザ
Lにより空中無線伝送し、第3の飛行船13においてそ
の滞留及び/又は機能遂行のための動力とすることがで
きる。さらに、その第3の飛行船13から必要な他の飛
行船に空中伝送することもできる。これらの飛行船は、
係留基地1から伝送されたエネルギーを、係留飛行船2
と第2の飛行船12との間でのエネルギー伝送と同様
に、成層圏の弱風帯に滞留する飛行船相互間で、高出力
レーザによって効率的に空中無線伝送し、それを各飛行
船において光電変換することにより、所要の機能遂行の
ために供される。
すように、それをエネルギーの伝送の中継用飛行船とし
て、その第2の飛行船12に伝送されたエネルギーを、
更に遠方の任意数の第3の飛行船13に、高出力レーザ
Lにより空中無線伝送し、第3の飛行船13においてそ
の滞留及び/又は機能遂行のための動力とすることがで
きる。さらに、その第3の飛行船13から必要な他の飛
行船に空中伝送することもできる。これらの飛行船は、
係留基地1から伝送されたエネルギーを、係留飛行船2
と第2の飛行船12との間でのエネルギー伝送と同様
に、成層圏の弱風帯に滞留する飛行船相互間で、高出力
レーザによって効率的に空中無線伝送し、それを各飛行
船において光電変換することにより、所要の機能遂行の
ために供される。
【0022】これらの飛行船は、通信中継や環境観測等
の各種機能を有する成層圏プラットフォームとして、成
層圏に滞留させておくことができるものであるが、係留
基地から遠隔の空域や、孤立した離島・被災地・事故現
場等の空域に滞留する飛行船においては、必要に応じて
そのエネルギーを地上に再伝送することもでき、その場
合には、地上に再伝送する飛行船に別途係留索を設け
て、それに沿う光ファイバーを用いたり、大気の状態や
環境に応じて他の任意のエネルギー伝送方法を用いるこ
とができる。
の各種機能を有する成層圏プラットフォームとして、成
層圏に滞留させておくことができるものであるが、係留
基地から遠隔の空域や、孤立した離島・被災地・事故現
場等の空域に滞留する飛行船においては、必要に応じて
そのエネルギーを地上に再伝送することもでき、その場
合には、地上に再伝送する飛行船に別途係留索を設け
て、それに沿う光ファイバーを用いたり、大気の状態や
環境に応じて他の任意のエネルギー伝送方法を用いるこ
とができる。
【0023】成層圏における飛行船から他の飛行船への
高出力レーザLの空中無線伝送に際しては、投光側の飛
行船において受光側の飛行船をトラッキング(追尾)し
易くする必要がある。そのためには、フォトリフラクテ
ィブ結晶等を利用した位相共役ミラーを用いて受光側の
飛行船を追尾させるのが望ましい。この位相共役ミラー
は、レーザLを投射する投光側のミラーとそれを受光す
る受光側ミラーを相対峙させ、受光側の飛行船におい
て、受光したレーザの一部を投光側に反射させ、それを
投光側で受光させることによって、投光側のレーザの投
射方向をその投射レーザが受光側ミラーに入射するよう
に自動的に制御されるため、投光側ミラーに対して受光
側ミラーの相対位置が変化しても、レーザ光の投射方向
を受光側ミラーに入射できるように追随させるものであ
る。これによって、レーザの投光側から遠方にあって、
相対位置の変化する受光側ミラーのトラッキングを容易
にすることができる。
高出力レーザLの空中無線伝送に際しては、投光側の飛
行船において受光側の飛行船をトラッキング(追尾)し
易くする必要がある。そのためには、フォトリフラクテ
ィブ結晶等を利用した位相共役ミラーを用いて受光側の
飛行船を追尾させるのが望ましい。この位相共役ミラー
は、レーザLを投射する投光側のミラーとそれを受光す
る受光側ミラーを相対峙させ、受光側の飛行船におい
て、受光したレーザの一部を投光側に反射させ、それを
投光側で受光させることによって、投光側のレーザの投
射方向をその投射レーザが受光側ミラーに入射するよう
に自動的に制御されるため、投光側ミラーに対して受光
側ミラーの相対位置が変化しても、レーザ光の投射方向
を受光側ミラーに入射できるように追随させるものであ
る。これによって、レーザの投光側から遠方にあって、
相対位置の変化する受光側ミラーのトラッキングを容易
にすることができる。
【0024】
【発明の効果】以上に詳述した本発明のエネルギー伝送
方法によれば、成層圏の弱風帯に滞留させて、通信中継
や環境観測、孤立した離島・被災地・事故現場等への応
急電力の供給、その他の目的に利用する成層圏飛行船
に、係留索に沿う光ファイバーによって、その飛行船自
体の滞留のための動力や飛行船本来の機能遂行のための
動力を効率よく伝送することができ、その伝送したエネ
ルギーを、成層圏の近辺に滞留する第2の飛行船に効率
的に空中無線伝送し、あるいは、その第2の飛行船を中
継用飛行船として第3の飛行船まで伝送し、それによっ
て、エネルギーの供給用基地から遠距離にある第2、第
3の飛行船までの長距離伝送をも行うことができる。
方法によれば、成層圏の弱風帯に滞留させて、通信中継
や環境観測、孤立した離島・被災地・事故現場等への応
急電力の供給、その他の目的に利用する成層圏飛行船
に、係留索に沿う光ファイバーによって、その飛行船自
体の滞留のための動力や飛行船本来の機能遂行のための
動力を効率よく伝送することができ、その伝送したエネ
ルギーを、成層圏の近辺に滞留する第2の飛行船に効率
的に空中無線伝送し、あるいは、その第2の飛行船を中
継用飛行船として第3の飛行船まで伝送し、それによっ
て、エネルギーの供給用基地から遠距離にある第2、第
3の飛行船までの長距離伝送をも行うことができる。
【0025】このエネルギー伝送は、水分の多い対流圏
を有線で伝送し、水分が殆ど無い成層圏では空中を長距
離無線伝送することによって、水分によるエネルギーの
減衰を防ぎ、それにより地上と飛行船との間のエネルギ
ー伝送を効率的に行うことができる。また、このエネル
ギー伝送は、係留索に沿う電気的導線により電気エネル
ギーを直接飛行船に伝送する場合に比して、軽量な光フ
ァイバーによって、より高密度の伝送を行うことがで
き、しかも、電磁汚染等を引き起こさずに伝送すること
ができる。
を有線で伝送し、水分が殆ど無い成層圏では空中を長距
離無線伝送することによって、水分によるエネルギーの
減衰を防ぎ、それにより地上と飛行船との間のエネルギ
ー伝送を効率的に行うことができる。また、このエネル
ギー伝送は、係留索に沿う電気的導線により電気エネル
ギーを直接飛行船に伝送する場合に比して、軽量な光フ
ァイバーによって、より高密度の伝送を行うことがで
き、しかも、電磁汚染等を引き起こさずに伝送すること
ができる。
【図1】本発明に係る地上と成層圏飛行船との間のエネ
ルギー伝送方法についての説明図である。
ルギー伝送方法についての説明図である。
【図2】本発明に係るエネルギー伝送方法の他の例を説
明するための説明図である。
明するための説明図である。
1 係留基地 2 係留飛行船 2a 推進装置 3 係留索 12 第2の飛行船 13 第3の飛行船 L レーザ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月29日(1999.6.2
9)
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】上記第2の飛行船に伝送されたエネルギー
は、第2の飛行船の滞留及び機能遂行のための動力と
し、又はこの飛行船の滞留若しくは機能遂行のための動
力とし、あるいは、その第2の飛行船を、エネルギー伝
送の中継用飛行船とし、その第2の飛行船に伝送された
エネルギーを、第3の飛行船に同様のレーザにより空中
無線伝送して、第3の飛行船においてその滞留及び機能
遂行のための動力とし、又はこの飛行船の滞留若しくは
機能遂行のための動力とし、あるいは第4の飛行船にエ
ネルギーを伝送することもできる。飛行船から他の飛行
船への高出力レーザの空中無線伝送においては、位相共
役ミラーを用い、受光側ミラーにおいて受光したレーザ
の一部を投光側に反射させ、それを投光側で受光して、
投光側のレーサの投射方向をその投射レーザが受光側ミ
ラーに入射するように追尾させるのが有効である。
は、第2の飛行船の滞留及び機能遂行のための動力と
し、又はこの飛行船の滞留若しくは機能遂行のための動
力とし、あるいは、その第2の飛行船を、エネルギー伝
送の中継用飛行船とし、その第2の飛行船に伝送された
エネルギーを、第3の飛行船に同様のレーザにより空中
無線伝送して、第3の飛行船においてその滞留及び機能
遂行のための動力とし、又はこの飛行船の滞留若しくは
機能遂行のための動力とし、あるいは第4の飛行船にエ
ネルギーを伝送することもできる。飛行船から他の飛行
船への高出力レーザの空中無線伝送においては、位相共
役ミラーを用い、受光側ミラーにおいて受光したレーザ
の一部を投光側に反射させ、それを投光側で受光して、
投光側のレーサの投射方向をその投射レーザが受光側ミ
ラーに入射するように追尾させるのが有効である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】この第2の飛行船12においては、伝送さ
れたエネルギーをその飛行船12の滞留及び前記係留飛
行船2と同様の機能遂行のための動力として、又は飛行
船12の滞留若しくは係留飛行船2と同様の機能遂行の
ための動力として使用されるが、この第2の飛行船12
は、係留基地1の設置が困難で係留飛行船2を係留させ
ることができない過密な都市や遠隔の地等の空域に滞留
させるのが通例であり、そのため、伝送されたエネルギ
ーは、例えば、通信中継や環境観測ばかりでなく、動力
伝送の中継、孤立した離島・被災地・事故現場等への応
急電力の供給等の機能遂行のために供される。
れたエネルギーをその飛行船12の滞留及び前記係留飛
行船2と同様の機能遂行のための動力として、又は飛行
船12の滞留若しくは係留飛行船2と同様の機能遂行の
ための動力として使用されるが、この第2の飛行船12
は、係留基地1の設置が困難で係留飛行船2を係留させ
ることができない過密な都市や遠隔の地等の空域に滞留
させるのが通例であり、そのため、伝送されたエネルギ
ーは、例えば、通信中継や環境観測ばかりでなく、動力
伝送の中継、孤立した離島・被災地・事故現場等への応
急電力の供給等の機能遂行のために供される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】また、上記第2の飛行船12は、図2に示
すように、それをエネルギーの伝送の中継用飛行船とし
て、その第2の飛行船12に伝送されたエネルギーを、
更に遠方の任意数の第3の飛行船13に、高出力レーザ
Lにより空中無線伝送し、第3の飛行船13においてそ
の滞留及び機能遂行のための動力とすること、又は飛行
船13の滞留若しくは機能遂行のための動力とすること
ができる。さらに、その第3の飛行船13から必要な他
の飛行船に空中伝送することもできる。これらの飛行船
は、係留基地1から伝送されたエネルギーを、係留飛行
船2と第2の飛行船12との間でのエネルギー伝送と同
様に、成層圏の弱風帯に滞留する飛行船相互間で、高出
力レーザによって効率的に空中無線伝送し、それを各飛
行船において光変換することにより、所要の機能遂行の
ために供される。
すように、それをエネルギーの伝送の中継用飛行船とし
て、その第2の飛行船12に伝送されたエネルギーを、
更に遠方の任意数の第3の飛行船13に、高出力レーザ
Lにより空中無線伝送し、第3の飛行船13においてそ
の滞留及び機能遂行のための動力とすること、又は飛行
船13の滞留若しくは機能遂行のための動力とすること
ができる。さらに、その第3の飛行船13から必要な他
の飛行船に空中伝送することもできる。これらの飛行船
は、係留基地1から伝送されたエネルギーを、係留飛行
船2と第2の飛行船12との間でのエネルギー伝送と同
様に、成層圏の弱風帯に滞留する飛行船相互間で、高出
力レーザによって効率的に空中無線伝送し、それを各飛
行船において光変換することにより、所要の機能遂行の
ために供される。
Claims (5)
- 【請求項1】成層圏の弱風帯に滞留する係留飛行船を地
上の係留基地に係留索により係留させ、係留基地と係留
飛行船との間で、係留索に沿う光ファイバーを通してレ
ーザによるエネルギー伝送を行い、係留飛行船における
光電変換により、その飛行船自体の滞留及び機能遂行の
ための動力を得ることを特徴とする地上と成層圏飛行船
との間のエネルギー伝送方法。 - 【請求項2】成層圏の弱風帯に滞留する係留飛行船を地
上の係留基地に係留索により係留させ、係留基地と係留
飛行船との間で、係留索に沿う光ファイバーを通してレ
ーザによるエネルギー伝送を行い、係留飛行船におい
て、光電変換によりその飛行船自体の滞留のための動力
を得ると同時に、伝送を受けたエネルギーを、その係留
飛行船から成層圏又はその近辺の任意位置に滞留する第
2の飛行船に高出力レーザにより空中無線伝送すること
を特徴とする地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝
送方法。 - 【請求項3】成層圏又はその近辺の任意位置に滞留する
第2の飛行船に高出力レーザにより伝送されたエネルギ
ーを、その第2の飛行船の滞留及び/又は機能遂行のた
めの動力とすることを特徴とする請求項2に記載の地上
と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方法。 - 【請求項4】成層圏又はその近辺の任意位置に滞留する
第2の飛行船を、エネルギーの伝送の中継用飛行船と
し、その第2の飛行船に高出力レーザにより伝送された
エネルギーを、第3の飛行船に同高出力レーザにより伝
送し、第3の飛行船においてその滞留及び/又は機能遂
行のための動力とすることを特徴とする請求項2に記載
の地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方法。 - 【請求項5】飛行船から他の飛行船への高出力レーザの
空中無線伝送に、位相共役ミラーを用い、受光側ミラー
において受光したレーザの一部を投光側に反射させ、そ
れを投光側で受光して、投光側のレーザの投射方向をそ
の投射レーザが受光側ミラーに入射するように追尾させ
ることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか
に記載の地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26921998A JP2995296B1 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26921998A JP2995296B1 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2995296B1 JP2995296B1 (ja) | 1999-12-27 |
JP2000095196A true JP2000095196A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17469335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26921998A Expired - Lifetime JP2995296B1 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 地上と成層圏飛行船との間のエネルギー伝送方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2995296B1 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012042600A1 (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-05 | サカセ・アドテック株式会社 | 成層圏滞在施設 |
JP2014126299A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 中継機を用いたレーザ照射システム |
JP2015189321A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 株式会社熊谷組 | 無人飛行撮影装置 |
CN106959097A (zh) * | 2017-05-09 | 2017-07-18 | 中国人民解放军63653部队 | 一种基于飞艇的光电经纬仪交会测量系统及方法 |
WO2017195963A1 (ko) * | 2016-05-09 | 2017-11-16 | 안광우 | 비행선을 이용한 풍력발전시스템 |
JP2020162391A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | 三菱電機株式会社 | 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109649628A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-04-19 | 中国特种飞行器研究所 | 一种长航时抗风飞艇系统 |
CN110109223B (zh) * | 2019-05-14 | 2024-04-26 | 深圳技术大学 | 一种基于导光板的激光无线能量传输系统 |
-
1998
- 1998-09-24 JP JP26921998A patent/JP2995296B1/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012042600A1 (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-05 | サカセ・アドテック株式会社 | 成層圏滞在施設 |
DE112010005912T5 (de) | 2010-09-28 | 2013-07-11 | Sakase Adtech Co., Ltd. | Stratosphärenaufenthaltseinrichtung |
US9193432B2 (en) | 2010-09-28 | 2015-11-24 | Sakase Adtech Co., Ltd. | Stratospheric stay facility |
JP2014126299A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 中継機を用いたレーザ照射システム |
JP2015189321A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 株式会社熊谷組 | 無人飛行撮影装置 |
WO2017195963A1 (ko) * | 2016-05-09 | 2017-11-16 | 안광우 | 비행선을 이용한 풍력발전시스템 |
CN106959097A (zh) * | 2017-05-09 | 2017-07-18 | 中国人民解放军63653部队 | 一种基于飞艇的光电经纬仪交会测量系统及方法 |
CN106959097B (zh) * | 2017-05-09 | 2019-05-03 | 中国人民解放军63653部队 | 一种基于飞艇的光电经纬仪交会测量系统及方法 |
JP2020162391A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | 三菱電機株式会社 | 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 |
JP7270440B2 (ja) | 2019-03-28 | 2023-05-10 | 三菱電機株式会社 | 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2995296B1 (ja) | 1999-12-27 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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