JP2000092082A - ネットワークアドレス変換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定のレイヤに対応するパケットに含まれる
ネットワークアドレスを、より下位のレイヤに対応する
セルまたはパケットのまま、他のネットワークアドレス
に変換可能なネットワークアドレス変換装置を提供する
こと。 【解決手段】 入力部１に入力された、より下位のレイ
ヤに対応するセルまたはパケットから、送信元ネットワ
ークアドレス抽出部３によりプライベートアドレスであ
る送信元ネットワークアドレスを抽出し、該抽出したア
ドレスを検索キーとしてネットワークアドレス変換テー
ブル５を検索し、グローバルな送信元ネットワークアド
レスを得て、送信元ネットワークアドレス置換部４によ
り置換し、出力部２より送出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、所定のレイヤに対
応するパケットであってかつより下位のレイヤに対応す
るセルまたはパケットに分割されて伝送されるパケット
に含まれる、ネットワークに接続された装置を識別する
ためのネットワークアドレスを他のネットワークアドレ
スに変換するネットワークアドレス変換装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】現在、インターネットで使用される通信
プロトコルとしては、ＩＰｖ４が主流である。ＩＰｖ４
ではインターネットに接続された装置、例えば計算機を
識別（特定）するためのネットワークアドレス（インタ
ーネットアドレス）を３２ｂｉｔの情報で記述してい
る。近年、インターネットの利用が盛んになり、このイ
ンターネットアドレスの枯渇が予測されるため、その対
策としてプライベートアドレスが提唱されている。

【０００３】プライベートアドレスは、特定のネットワ
ーク（プライベートネットワーク）内において各計算機
を識別するためのアドレスであって、インターネットを
介した直接の通信に用いることは許されない。従って、
プライベートアドレスを採用したネットワークからイン
ターネットに接続する、例えばＩＰパケットを送出する
ためには、ネットワークアドレス変換装置を使用して、
ＩＰパケット中のプライベートアドレスをインターネッ
トで使用可能なインターネットアドレス（ＩＰアドレ
ス）に変換する必要がある。また、同様にインターネッ
ト経由で送られてきたＩＰパケットをプライベートネッ
トワーク内の所定の計算機に受信させるには、ネットワ
ークアドレス変換装置を使用して、ＩＰパケット内のイ
ンターネットアドレスを該当するプライベートアドレス
に変換する必要がある。

【０００４】従来のこの種のネットワークアドレス変換
装置は、ＣＰＵ、メモリ、ネットワークインターフェー
ス等とソフトウェアにより構成され、ＩＰパケットの状
態においてプライベートアドレスをインターネットアド
レスに変換し、また、その逆変換を行っていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常、
ＩＰパケットは計算機内において、より下位のセルまた
はパケット、例えばＡＴＭセルに分割されて伝送される
ため、前述した従来のネットワークアドレス変換装置で
は、ネットワークインタフェースにおいてＡＴＭセルを
終端し、メモリに転送・蓄積し、ＩＰパケットに戻した
上でアドレス変換を行い、再度、ＡＴＭセルに分割し、
ネットワークインタフェースを介してネットワークへ送
出する、という複数のプロトコル階層に亘る多数の処理
が必要となり、パケットが装置に入力され、出力される
までの処理遅延時間が大きく、実時間性を要求するアプ
リケーションには不向きであるという問題があった。

【０００６】また、前述した装置内の処理は、メモリ上
に展開されたプライベートアドレスとインターネットア
ドレスとの関係を記述したテーブルの検索も含めて、Ｃ
ＰＵで実行されるソフトウェアにより行われていたた
め、処理に要する時間が長く、高速ネットワークに接続
するには変換処理性能が不十分であるという問題があっ
た。

【０００７】本発明の目的は、所定のレイヤに対応する
パケットに含まれるネットワークアドレス、特により下
位のレイヤに対応するセルまたはパケットに分割されて
伝送されるパケットに含まれるネットワークアドレス
を、より下位のレイヤに対応するセルまたはパケットの
まま、即ちプロトコルを終端することなく、高速に他の
ネットワークアドレスに変換可能なネットワークアドレ
ス変換装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明では、前記課題を
解決するため、所定のレイヤに対応するパケットであっ
てかつより下位のレイヤに対応するセルまたはパケット
に分割されて伝送されるパケットに含まれる、ネットワ
ークに接続された装置を識別するためのネットワークア
ドレスを他のネットワークアドレスに変換するネットワ
ークアドレス変換装置において、より下位のレイヤに対
応するセルまたはパケットから所定のレイヤに対応した
ネットワークアドレスを抽出する手段と、該抽出したネ
ットワークアドレスをキーとして新たなネットワークア
ドレスを検索する手段と、より下位のレイヤに対応する
セルまたはパケット中の所定のレイヤに対応したネット
ワークアドレスを新たなネットワークアドレスに置換す
る手段とを備えたことを特徴とする。

【０００９】また、所定のレイヤに対応するパケットで
あってかつより下位のレイヤに対応するセルまたはパケ
ットに分割されて伝送されるパケットに含まれる、ネッ
トワークに接続された装置を識別するためのネットワー
クアドレスを他のネットワークアドレスに変換するネッ
トワークアドレス変換装置において、より下位のレイヤ
に対応するセルまたはパケットから所定のレイヤに対応
した送信元ネットワークアドレスを抽出する手段と、該
抽出した送信元ネットワークアドレスをキーとして新た
な送信元ネットワークアドレスを検索する手段と、より
下位のレイヤに対応するセルまたはパケット中の所定の
レイヤに対応した送信元ネットワークアドレスを新たな
送信元ネットワークアドレスに置換する手段と、より下
位のレイヤに対応するセルまたはパケットから所定のレ
イヤに対応した送信先ネットワークアドレスを抽出する
手段と、該抽出した送信先ネットワークアドレスをキー
として新たな送信先ネットワークアドレスを検索する手
段と、より下位のレイヤに対応するセルまたはパケット
中の所定のレイヤに対応した送信先ネットワークアドレ
スを新たな送信先ネットワークアドレスに置換する手段
とを備えたことを特徴とする。

【００１０】前記構成によれば、所定のレイヤに対応す
るパケットに含まれるネットワークアドレスを、より下
位のレイヤに対応するセルまたはパケットのまま、即ち
プロトコルを終端することなく、新たなネットワークア
ドレスに変換することができ、その分、処理が少なくな
り、処理遅延時間を小さくすることができる。

【００１１】また、本発明では、ＡＬＬタイプ５のＡＴ
Ｍセルに分割されて伝送されるＩＰパケットに含まれる
ＩＰアドレスを他のＩＰアドレスに変換するネットワー
クアドレス変換装置において、処理対象のＡＴＭセルの
ヘッダ部のペイロードタイプの第３ビットの情報に基づ
き、当該ＡＴＭセルがＩＰパケットのヘッダ部を含む第
一型のＡＴＭセルであるか、ＡＡＬタイプ５のフレーム
のトレーラ部を含む第二型のＡＴＭセルであるか、ＩＰ
パケットのヘッダ部以降の部分を含む第三型のＡＴＭセ
ルであるかを判別する手段と、第一型のＡＴＭセルから
送信元ＩＰアドレスを読み出す手段と、送信元ＩＰアド
レスをキーとして新たな送信元ＩＰアドレスを検索する
手段と、第一型のＡＴＭセル中の送信元ＩＰアドレスを
新たな送信元ＩＰアドレスに置換する手段と、第一型の
ＡＴＭセルから送信先ＩＰアドレスを読み出す手段と、
送信先ＩＰアドレスをキーとして新たな送信先ＩＰアド
レスを検索する手段と、第一型のＡＴＭセル中の送信先
ＩＰアドレスを新たな送信先ＩＰアドレスに置換する手
段と、ＩＰアドレスの置換に伴って第一型のＡＴＭセル
に含まれるＩＰパケットのヘッダ部のチェックサムの値
を修正する手段と、第二型のＡＴＭセルに含まれるＡＡ
Ｌタイプ５のフレームのトレーラ部のＣＲＣ符号値を、
第一型のＡＴＭセルから始まり、第三型のＡＴＭセルと
第二型のＡＴＭセルのペイロードデータを元に再計算
し、新たな値に変更する手段とを備えたことを特徴とす
る。

【００１２】前記構成によれば、ＩＰパケットに含まれ
るＩＰアドレスを、ＡＴＭセルのまま、即ちＡＴＭプロ
トコルを終端することなく、新たなＩＰアドレスに変換
することができ、その分、処理が少なくなり、処理遅延
時間を小さくすることができる。

【００１３】また、この際、アドレスをキーとして新た
なアドレスを検索する手段として、ハードウェアで構成
されたテーブルを用いれば、高速なアドレス検索ができ
るようになり、さらに処理に要する時間を短くでき、高
速ネットワークに接続可能となる。

【００１４】

【発明の実施の形態】［第１の実施の形態］図１は本発
明のネットワークアドレス変換装置の第１の実施の形態
を示すもので、図中、１１，２１は入力部、１２，２２
は出力部、１３は送信元ネットワークアドレス抽出部、
１４は送信元ネットワークアドレス置換部、１５はネッ
トワークアドレス変換用テーブル、２３は送信先ネット
ワークアドレス抽出部、２４は送信先ネットワークアド
レス置換部、２５はネットワークアドレス逆変換用テー
ブル、１０１はテーブル保守用プロセッサである。

【００１５】ここで、入力部１１、出力部１２、送信元
ネットワークアドレス抽出部１３、送信元ネットワーク
アドレス置換部１４及びネットワークアドレス変換用テ
ーブル１５はネットワークアドレス変換側を構成し、入
力部２１、出力部２２、送信先ネットワークアドレス抽
出部２３、送信先ネットワークアドレス置換部２４及び
ネットワークアドレス逆変換用テーブル２５はネットワ
ークアドレス逆変換側を構成する。

【００１６】また、これらの回路はハードウェアで構成
され、特にネットワークアドレス変換用テーブル１５及
びネットワークアドレス逆変換用テーブル２５は連想メ
モリ（Ｃｏｎｔｅｎｔ Ａｄｄｒｅｓｓａｂｌｅ Ｍｅ
ｍｏｒｙ：ＣＡＭ）等を用いて高速なアドレス検索がで
きるように構成されている。ＣＡＭは通常のメモリとは
異なり、アドレスを与えて格納されているデータへアク
セスするのではなく、検索キーを与え、これに一致する
データが格納されているアドレスを読み出すというメモ
リであり、この場合、新たに与えようとするアドレスに
元のアドレスをデータとして書き込んでおけば良い。

【００１７】本装置は、通常、企業内ＬＡＮのようなプ
ライベートネットワークとインターネットのようなグロ
ーバルネットワークとの境界部に設置される。

【００１８】入力部１１には、プライベートネットワー
ク内の装置、例えば計算機がグローバルネットワーク内
の装置、例えばホスト計算機に向けて送出しようとす
る、所定のレイヤのパケット（以下、送信パケットと呼
ぶ。）をより下位のレイヤで分割したセルまたはパケッ
トが入力される。送信元ネットワークアドレス抽出部１
３では入力部１１から入力されたセルまたはパケットか
ら、送信パケットに対応した送信元ネットワークアドレ
スを抽出する。

【００１９】次に、抽出した送信元ネットワークアドレ
スをキーとしてネットワークアドレス変換用テーブル１
５を検索し、置換する新たな送信元ネットワークアドレ
ス（グローバルネットワークに対して使用可能なネット
ワークアドレス）を得る。さらに、送信元ネットワーク
アドレス置換部１４では入力部１１から入力されたセル
またはパケット中の送信元ネットワークアドレスを新た
な送信元ネットワークアドレスに置換し、出力部１２を
介して送出する。

【００２０】テーブル保守用プロセッサ１０１では、先
の処理の際に作成された、送信元ネットワークアドレス
と新たな送信元ネットワークアドレスとの関係を、送信
先ネットワークアドレス（新たな送信元ネットワークア
ドレスと同一）をキーとして新たな送信先ネットワーク
アドレス（送信元ネットワークアドレスと同一）が得ら
れるように編集し、ネットワークアドレス逆変換用テー
ブル２５に登録する。

【００２１】一方、送信元ネットワークアドレスが新た
な送信元ネットワークアドレスに置換されたセルまたは
パケットは目的のホスト計算機に到達し、ここで新たな
送信元ネットワークアドレスを含む送信パケットに復元
され、処理される。

【００２２】この際、目的のホスト計算機では送信パケ
ットの内容に応じて、その返答に当たる所定のレイヤの
パケット（以下、返信パケットと呼ぶ。）を、前記プラ
イベートネットワーク内の計算機に向けて返送する場合
があるが、この返信パケットは送信先ネットワークアド
レスとして前記新たな送信元ネットワークアドレスを含
むことになる。

【００２３】前述した返信パケットは、送信パケットと
同様に、より下位のレイヤのセルまたはパケットに分割
されてプライベートネットワーク内の計算機に向けて伝
送され、入力部２１に入力される。

【００２４】送信先ネットワークアドレス抽出部２２で
は入力部２１から入力されたセルまたはパケットから、
返信パケットに対応する送信先ネットワークアドレスを
抽出する。

【００２５】次に、抽出した送信先ネットワークアドレ
スをキーとしてネットワークアドレス逆変換用テーブル
２５を検索し、置換する新たな送信先ネットワークアド
レス、即ち最初の送信パケットに含まれていた送信元ネ
ットワークアドレスを得る。さらに、送信先ネットワー
クアドレス置換部２４では入力部２１から入力されたセ
ルまたはパケット中の送信先ネットワークアドレスを新
たな送信先ネットワークアドレスに置換し、出力部２２
を介して出力する。

【００２６】これによって送信先ネットワークアドレス
が新たな送信先ネットワークアドレスに置換されたセル
またはパケット、即ち返信パケットが前記送信パケット
を送出したプライベートネットワーク内の計算機に到達
可能となる。

【００２７】なお、テーブル保守用プロセッサ１０１に
より、ネットワークアドレス変換用テーブル１５及びネ
ットワークアドレス逆変換用テーブル２５に登録された
ネットワークアドレスの組の登録時間を制御することに
よって、特定のネットワークアドレス置換処理の有効時
間を制限することもでき、グローバルネットワークに対
して使用可能なネットワークアドレスの有効利用を図る
ことも可能である。

【００２８】［第２の実施の形態］図２は本発明のネッ
トワークアドレス変換装置の第２の実施の形態を示すも
ので、ここではＩＰパケットをＡＡＬ（ＡＴＭアダプテ
ーションレイヤ）タイプ５の構成に従ってＡＴＭセルに
分割して伝送する場合の例を示す。図中、３１，４１は
ＡＴＭセル入力部、３２，４２はＡＴＭセル出力部、３
３は送信元ＩＰアドレス抽出部、３４は送信元ＩＰアド
レス置換部、３５，４５はＩＰチェックサム修正部、３
６，４６はＵＤＰチェックサム修正部、３７，４７はＴ
ＣＰチェックサム修正部、３８はＩＰアドレス変換用テ
ーブル、４３は送信先ＩＰアドレス抽出部、４４は送信
先ＩＰアドレス置換部、４８はＩＰアドレス逆変換用テ
ーブル、１０２はテーブル保守用プロセッサである。

【００２９】ここで、ＡＴＭセル入力部３１、ＡＴＭセ
ル出力部３２、送信元ＩＰアドレス抽出部３３、送信元
ＩＰアドレス置換部３４、ＩＰチェックサム修正部３
５、ＵＤＰチェックサム修正部３６、ＴＣＰチェックサ
ム修正部３７及びＩＰアドレス変換用テーブル３８はネ
ットワークアドレス変換処理部３０を構成し、また、Ａ
ＴＭセル入力部４１、ＡＴＭセル出力部４２、送信先Ｉ
Ｐアドレス抽出部４３、送信先ＩＰアドレス置換部４
４、ＩＰチェックサム修正部４５、ＵＤＰチェックサム
修正部４６、ＴＣＰチェックサム修正部４７及びＩＰア
ドレス逆変換用テーブル４８はネットワークアドレス逆
変換処理部４０を構成する。

【００３０】また、これらの回路は第１の実施の形態の
場合と同様にハードウェアで構成され、特にＩＰアドレ
ス変換用テーブル３８及びＩＰアドレス逆変換用テーブ
ル４８は連想メモリ等を用いて高速なアドレス検索がで
きるように構成される。

【００３１】図３はＩＰアドレス変換用テーブル３８及
びＩＰアドレス逆変換用テーブル４８の論理的な構成を
示すものである。ＩＰアドレス変換用テーブル３８に
は、オリジナルの送信元ＩＰアドレスと新たな送信元Ｉ
Ｐアドレスを登録する。また、ＩＰアドレス逆変換用テ
ーブル４８にはオリジナルの送信先ＩＰアドレスと新た
な送信先ＩＰアドレスを登録する。

【００３２】テーブル３８ではオリジナルの送信元ＩＰ
アドレスをキーとして新たな送信元ＩＰアドレスを検索
する。テーブル４８ではテーブル３８の逆変換を行うた
め、テーブル３８中の新たな送信元ＩＰアドレスをオリ
ジナルの送信先ＩＰアドレスとして、また、テーブル３
８中のオリジナルな送信元ＩＰアドレスを新たな送信先
ＩＰアドレスとして登録し、オリジナルの送信先ＩＰア
ドレス（新たな送信元ＩＰアドレス）をキーとして新た
な送信先ＩＰアドレス（オリジナルの送信元ＩＰアドレ
ス）を検索できるように登録する。これらのテーブルの
保守はプロセッサ１０２で行う。

【００３３】図４は本実施の形態におけるＩＰアドレス
変換処理を説明するためのデータの構成図である。図
中、５０はＡＡＬタイプ５のフレームを示すもので、５
１はＩＰパケットが搭載されるデータ部、５２はフレー
ム長をＡＴＭセルの整数倍にするためのパディング部、
５３，５４，５５は管理用のデータ部、５６はＡＡＬタ
イプ５のフレーム全体の正しさを確認するためのＣＲＣ
データ部（符号値）である。

【００３４】また、６０−１，６０−２，………６０−
ｎは前記フレーム５０を分割して構成したＡＴＭセルで
あり、このうち、６０−１はフレーム５０の先頭デー
タ、即ちＩＰパケットのヘッダ部を格納した先頭のＡＴ
Ｍセル、６０−ｎはフレーム５０のトレーラ部を格納し
た最終のＡＴＭセルである。また、６１−１，６１−
２，………６１−ｎは各ＡＴＭセル６０−１，６０−
２，………６０−ｎのデータ部である。

【００３５】ＡＴＭセル６０−１〜６０−ｎ−１のヘッ
ダ部のペイロードタイプの第３ビット（ＰＴ３）は
「０」、ＡＴＭセル６０−ｎのヘッダ部のペイロードタ
イプの第３ビット（ＰＴ３）は「１」である。ここで、
ＰＴ３が「１」のセルを第二型のＡＴＭセルとし、ま
た、ＰＴ３が「０」のセルのうち、第二型のＡＴＭセル
の次に来るＡＴＭセルを第一型のＡＴＭセル、それ以外
のＡＴＭセルを第三型のＡＴＭセルとする。

【００３６】本装置も第１の実施の形態の場合と同様、
企業内ＬＡＮのようなプライベートネットワークとイン
ターネットのようなグローバルネットワークとの境界部
に設置され、また、その動作の概要も同様である。

【００３７】ネットワークアドレス変換処理部３０にお
いて、送信元ＩＰアドレス抽出部３３では、ＡＴＭセル
入力部３１から入力されるＡＴＭセルのうち、第二型の
ＡＴＭセルの到着を観測し、これを検出すると、第二型
のＡＴＭセルの次に到着する第一型のＡＴＭセルがフレ
ーム５０の先頭セルであると判断し、この第一型のＡＴ
Ｍセルから送信元ＩＰアドレスの抽出を行う。第三型の
ＡＴＭセルの場合は何も処理することなく、ＡＴＭ出力
部３２へ転送して出力する。

【００３８】また、ネットワークアドレス逆変換処理部
４０において、送信先ＩＰアドレス抽出部４３では、Ａ
ＴＭセル入力部４１から入力されるＡＴＭセルのうち、
第二型のＡＴＭセルの到着を観測し、これを検出する
と、第二型のＡＴＭセルの次に到着する第一型のＡＴＭ
セルがフレーム５０の先頭セルであると判断し、この第
一型のＡＴＭセルから送信先ＩＰアドレスの抽出を行
う。第三型のＡＴＭセルの場合は何も処理することな
く、ＡＴＭ出力部４２へ転送して出力する。

【００３９】図４において、６１−１ａは第一型のＡＴ
Ｍセル６０−１のデータ部６１−１、即ちＩＰパケット
のヘッダ情報の一例を示すもので、６１１は送信元ＩＰ
アドレス、６１２は送信先ＩＰアドレス、６１３はＩＰ
チェックサム情報、６１４はユーザデータである。

【００４０】ネットワークアドレス変換処理部３０にお
いて、前記送信元ＩＰアドレス抽出部３３で抽出された
送信元ＩＰアドレス６１１をキーとしてＩＰアドレス変
換用テーブル３８より新たな送信元ＩＰアドレスを検索
し、送信元ＩＰアドレス置換部３４で送信元ＩＰアドレ
ス６１１を新たな送信元ＩＰアドレスに置換し、ＩＰチ
ェックサム修正部３５でＩＰチェックサム情報６１３を
更新する。

【００４１】また、ネットワークアドレス逆変換処理部
４０において、前記送信先ＩＰアドレス抽出部４３で抽
出された送信先ＩＰアドレス６１２をキーとしてＩＰア
ドレス逆変換用テーブル４８より新たな送信先ＩＰアド
レスを検索し、送信先ＩＰアドレス置換部４４で送信先
ＩＰアドレス６１２を新たな送信先ＩＰアドレスに置換
し、ＩＰチェックサム修正部４５でＩＰチェックサム情
報６１３を更新する。

【００４２】また、図４において、６１−１ｂはＵＤＰ
パケットの場合のヘッダ情報の一例を示しており、６１
５はＵＤＰヘッダ部のチェックサム情報である。このチ
ェックサム情報６１５は、送信元ＩＰアドレス６１１及
び送信先ＩＰアドレス６１２の情報が元になっており、
これらの情報の変更に伴い、ＵＤＰチェックサム修正部
３６または４６で更新する。

【００４３】さらにまた、図４において、６１−１ｃは
ＴＣＰパケットの場合のヘッダ情報の一例を示してお
り、６１６はＴＣＰヘッダ部のチェックサム情報であ
る。このチェックサム情報６１６も、送信元ＩＰアドレ
ス６１１及び送信先ＩＰアドレス６１２の情報が元にな
っており、これらの情報の変更に伴い、ＴＣＰチェック
サム修正部３７または４７で更新する。

【００４４】さらにＴＣＰチェックサム修正部３７及び
４７では、第二型のＡＴＭセルの到着を待ち、フレーム
５０のＣＲＣデータ部５６の値を修正する。

【００４５】これらの処理により、ＡＡＬタイプ５を終
端することなく、搭載されたＩＰパケットのアドレス変
換処理が可能になる。

【００４６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定のレイヤに対応するパケットに含まれるネットワー
クアドレスを、より下位のレイヤに対応するセルまたは
パケットのまま、即ちプロトコルを終端することなく、
新たなネットワークアドレスに変換することができ、そ
の分、処理が少なくなり、処理遅延時間を小さくするこ
とができる。

【００４７】従って、インターネットを介した、テレビ
会議システムや電話等の双方向の実時間通信のアプリケ
ーションの実時間性を向上できる（実際、現行のインタ
ーネット電話は、衛星を介した国際電話よりも遅延が大
きく、会話に支障をきたすことがある。）。また、高速
な変換処理が可能となるため、多量のプロトコルフレー
ムを短時間に処理する必要がある、１００Ｍｂｐｓを越
える大容量の通信回線にも適用可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のネットワークアドレス変換装置の第１
の実施の形態を示す構成図

【図２】本発明のネットワークアドレス変換装置の第２
の実施の形態を示す構成図

【図３】第２の実施の形態におけるアドレス変換テーブ
ル及びアドレス逆変換テーブルの論理的な構成図

【図４】第２の実施の形態におけるＩＰアドレス変換処
理を説明するためのデータの構成図

【符号の説明】

１１，２１：入力部、１２，２２：出力部、１３：送信
元ネットワークアドレス抽出部、１４：送信元ネットワ
ークアドレス置換部、１５：ネットワークアドレス変換
用テーブル、２３：送信先ネットワークアドレス抽出
部、２４：送信先ネットワークアドレス置換部、２５：
ネットワークアドレス逆変換用テーブル、３１，４１：
ＡＴＭセル入力部、３２，４２：ＡＴＭセル出力部、３
３：送信元ＩＰアドレス抽出部、３４：送信元ＩＰアド
レス置換部、３５，４５：ＩＰチェックサム修正部、３
６，４６：ＵＤＰチェックサム修正部、３７，４７：Ｔ
ＣＰチェックサム修正部、３８：ＩＰアドレス変換用テ
ーブル、４３：送信先ＩＰアドレス抽出部、４４：送信
先ＩＰアドレス置換部、４８：ＩＰアドレス逆変換用テ
ーブル、１０１，１０２：テーブル保守用プロセッサ。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定のレイヤに対応するパケットであっ
   てかつより下位のレイヤに対応するセルまたはパケット
   に分割されて伝送されるパケットに含まれる、ネットワ
   ークに接続された装置を識別するためのネットワークア
   ドレスを他のネットワークアドレスに変換するネットワ
   ークアドレス変換装置において、 より下位のレイヤに対応するセルまたはパケットから所
   定のレイヤに対応したネットワークアドレスを抽出する
   手段と、 該抽出したネットワークアドレスをキーとして新たなネ
   ットワークアドレスを検索する手段と、 より下位のレイヤに対応するセルまたはパケット中の所
   定のレイヤに対応したネットワークアドレスを新たなネ
   ットワークアドレスに置換する手段とを備えたことを特
   徴とするネットワークアドレス変換装置。
2. 【請求項２】 所定のレイヤに対応するパケットであっ
   てかつより下位のレイヤに対応するセルまたはパケット
   に分割されて伝送されるパケットに含まれる、ネットワ
   ークに接続された装置を識別するためのネットワークア
   ドレスを他のネットワークアドレスに変換するネットワ
   ークアドレス変換装置において、 より下位のレイヤに対応するセルまたはパケットから所
   定のレイヤに対応した送信元ネットワークアドレスを抽
   出する手段と、 該抽出した送信元ネットワークアドレスをキーとして新
   たな送信元ネットワークアドレスを検索する手段と、 より下位のレイヤに対応するセルまたはパケット中の所
   定のレイヤに対応した送信元ネットワークアドレスを新
   たな送信元ネットワークアドレスに置換する手段と、 より下位のレイヤに対応するセルまたはパケットから所
   定のレイヤに対応した送信先ネットワークアドレスを抽
   出する手段と、 該抽出した送信先ネットワークアドレスをキーとして新
   たな送信先ネットワークアドレスを検索する手段と、 より下位のレイヤに対応するセルまたはパケット中の所
   定のレイヤに対応した送信先ネットワークアドレスを新
   たな送信先ネットワークアドレスに置換する手段とを備
   えたことを特徴とするネットワークアドレス変換装置。
3. 【請求項３】 ネットワークアドレスの置換に伴って発
   生する所定のレイヤに対応するパケット及びより下位の
   レイヤに対応するセルまたはパケットにおける情報の不
   整合を修正する手段を備えたことを特徴とする請求項１
   または２記載のネットワークアドレス変換装置。
4. 【請求項４】 ＡＬＬタイプ５のＡＴＭセルに分割され
   て伝送されるＩＰパケットに含まれるＩＰアドレスを他
   のＩＰアドレスに変換するネットワークアドレス変換装
   置において、 処理対象のＡＴＭセルのヘッダ部のペイロードタイプの
   第３ビットの情報に基づき、当該ＡＴＭセルがＩＰパケ
   ットのヘッダ部を含む第一型のＡＴＭセルであるか、Ａ
   ＡＬタイプ５のフレームのトレーラ部を含む第二型のＡ
   ＴＭセルであるか、ＩＰパケットのヘッダ部以降の部分
   を含む第三型のＡＴＭセルであるかを判別する手段と、 第一型のＡＴＭセルから送信元ＩＰアドレスを読み出す
   手段と、 送信元ＩＰアドレスをキーとして新たな送信元ＩＰアド
   レスを検索する手段と、 第一型のＡＴＭセル中の送信元ＩＰアドレスを新たな送
   信元ＩＰアドレスに置換する手段と、 第一型のＡＴＭセルから送信先ＩＰアドレスを読み出す
   手段と、 送信先ＩＰアドレスをキーとして新たな送信先ＩＰアド
   レスを検索する手段と、 第一型のＡＴＭセル中の送信先ＩＰアドレスを新たな送
   信先ＩＰアドレスに置換する手段と、 ＩＰアドレスの置換に伴って第一型のＡＴＭセルに含ま
   れるＩＰパケットのヘッダ部のチェックサムの値を修正
   する手段と、 第二型のＡＴＭセルに含まれるＡＡＬタイプ５のフレー
   ムのトレーラ部のＣＲＣ符号値を、第一型のＡＴＭセル
   から始まり、第三型のＡＴＭセルと第二型のＡＴＭセル
   のペイロードデータを元に再計算し、新たな値に変更す
   る手段とを備えたことを特徴とするネットワークアドレ
   ス変換装置。
5. 【請求項５】 ＩＰアドレスの置換に伴って第一型のＡ
   ＴＭセルに含まれるＵＤＰパケットのヘッダ部のチェッ
   クサムの値を修正する手段を備えたことを特徴とする請
   求項４記載のネットワークアドレス変換装置。
6. 【請求項６】 ＩＰアドレスの置換に伴って第一型のＡ
   ＴＭセルに含まれるＴＣＰパケットのヘッダ部のチェッ
   クサムの値を修正する手段を備えたことを特徴とする請
   求項４記載のネットワークアドレス変換装置。
7. 【請求項７】 アドレスをキーとして新たなアドレスを
   検索する手段として、ハードウェアで構成されたテーブ
   ルを用いたことを特徴とする請求項１乃至６いずれか記
   載のネットワークアドレス変換装置。