JP2000088252A - 冷却促進構造を有するガスタービン - Google Patents

冷却促進構造を有するガスタービン

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JP2000088252A
JP2000088252A JP10257837A JP25783798A JP2000088252A JP 2000088252 A JP2000088252 A JP 2000088252A JP 10257837 A JP10257837 A JP 10257837A JP 25783798 A JP25783798 A JP 25783798A JP 2000088252 A JP2000088252 A JP 2000088252A
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liner
air
ribs
combustion chamber
fins
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JP10257837A
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Takeo Saito
武雄 斉藤
Satoshi Tsukahara
聰 塚原
Yoji Ishibashi
洋二 石橋
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼器全体の流動損失を増加させることなくラ
イナを効率よく冷却する。 【解決手段】自身の内側に燃焼室を形成するライナと、
該ライナの外周側に位置する外壁と、前記ライナと前記
外壁との間の間隙に形成され、圧縮機で昇圧された空気
を前記燃焼室に導く空気流路と、を有するガスタービン
において、前記ライナの外周側面には、周方向に伸びる
凸部を形成するリブと、長手方向に伸び、前記リブより
高い凸部を形成するフィンとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温流体と低温流
体を自身の内部と外周部に配置する隔壁に係り、前記高
温流体として燃焼ガスと前記低温ガスとして圧縮空気を
用いる前記隔壁部を有するガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガスタービンプラントにおいて
は、高出力・高効率化の流れの中、燃焼場の圧力と共に
燃焼ガス温度が年々上昇し続けている。
【0003】一方、燃焼ガス温度が上昇すると、燃焼場
において大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)の生
成量が増加してしまうことが知られている。この相反す
る現象を解決するためには、燃料と空気とを予め混合
し、且つ燃料流量に対する空気流量の割合を増加させ、
火炎温度を低く抑えつつ燃焼反応を進行させるという希
薄予混合燃焼法が有効であり、この燃焼方式では、燃焼
場における局所的な高温場の発生を抑制してNOx生成
を抑えることが可能である。
【0004】この希薄予混合燃焼を達成するためには、
燃焼用空気をより多く必要とするため、圧縮機から燃焼
器へと導入される全空気量に対して、漏れ空気や冷却と
して使用する空気の割合を如何にして低くするかがキー
ポイントとなる。
【0005】現在、高温燃焼ガスに曝されるライナの空
気冷却方法としては、ライナ内壁面近傍に冷却空気の層
を形成するフィルム冷却方式が主流となっているが、こ
の方式では空気の一部を消費し燃焼用空気の割合が下が
ってしまうために、希薄予混合燃焼によるNOx抑制の
観点からは問題がある。
【0006】このことから燃焼用空気割合を下げずに効
率よくライナを冷却するために、例えば特開平6−22156
2 号に示すような、ライナ外周表面にリブを形成し乱流
を促進させることにより、ライナ外周表面の熱伝達率を
増加させ冷却を行うという構造が考案されている。
【0007】また、特開平7−190365 号公報には、リブ
の中に多数の突起を配置して、冷却効果を高め、燃焼器
内筒の壁面冷却を少ない空気で行う旨記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公知例に
示したライナ外周表面にリブを形成する冷却方式や、リ
ブを加えてリブ間に単に突起を配置する冷却方式は、平
滑管に対して冷却空気の熱伝達率は高くなるが、同時に
冷却空気の流動損失も高くなるという問題が生じる。特
に近年の燃焼ガス温度の上昇に伴ない、リブによる冷却
方式でライナメタル温度を部材の許容値まで下げるため
には、ライナとフロースリーブの間に流れる空気流速を
従来より更に上げる必要があり、そのために流動損失が
増加しガスタービン全体の効率が下がるという問題が生
じる。
【0009】本発明の目的は、燃焼器全体の流動損失を
増加させることを抑制しつつ、ライナを効率よく冷却す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、自身の内側に
燃焼室を形成するライナと、該ライナの外周側に位置す
る外壁と、前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成さ
れ、圧縮機で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流
路と、を有するガスタービンにおいて、前記ライナの外
周側面には、周方向に伸びる凸部を形成するリブと、長
手方向に伸び、前記リブより高い凸部を形成するフィン
とを備えたことを特徴とする。
【0011】これにより、圧力損失の増加を抑制しつ
つ、フィンによる放熱面積を増加させて、リブによる乱
流促進を図り、冷却効果を高める事ができる。
【0012】このようなリブおよびフィン構造を採用し
て冷却することにより、空気流路側からライナを貫通し
て燃焼室側へ流す冷却空気量を低減でき、圧縮空気をよ
り多く燃焼空気として利用できるので、ガスタービンに
とっても高効率運転ができる。
【0013】または、本発明は、自身の内側に燃焼室を
形成するライナと、該ライナの外周側に位置する外壁
と、前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧
縮機で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、
を有するガスタービンにおいて、前記ライナの外周側面
に、周方向に伸びる凸部を形成する複数のリブを有し、
前記リブとリブとの間に、長手方向に伸び、前記リブよ
り高い凸部を形成する複数のフィンと、を備えたことを
特徴とする。
【0014】または、本発明は、自身の内側に燃焼室を
形成するライナと、該ライナの外周側に位置する外壁
と、前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧
縮機で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、
を有するガスタービンにおいて、前記ライナの外周側面
に、長手方向に伸びる凸部を形成する複数のフィンを有
し、前記フィンとフィンとの間に、周方向に伸び、前記
フィンより低い凸部を形成する複数のリブと、を備えた
ことを特徴とする。
【0015】または、本発明は、自身の内側に燃焼室を
形成するライナと、該ライナの外周側に位置する外壁
と、前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧
縮機で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、
を有するガスタービンにおいて、前記ライナの外周側面
には、周方向に伸びる凸部を形成する複数のリブと、長
手方向に伸び、前記リブより高い凸部を形成する複数の
フィンを有し、前記リブ間の間隔は、圧縮機空気の流れ
に対して上流側の部分より下流側の部分の方が狭く形成
されている、ことを特徴とする。
【0016】このように、前記ライナの軸方向に沿って
変化させることが、熱分布が軸方向に不均一である場合
には好ましい。例えばライナ内面における燃焼ガスの熱
負荷が大きい場所ではリブとリブの設置間隔を狭めて設
置するが、燃焼ガスの熱負荷が小さい場所ではリブの設
置間隔を広げるよう配置する。これにより、前記第1の
発明の効果に加えて、更に、冷却効果を適切に確保しつ
つ、冷却空気の流動損失を減らすことができる。
【0017】または、本発明は、自身の内側に燃焼室を
形成するライナと、該ライナの外周側に位置する外壁
と、前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧
縮機で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、
を有するガスタービンにおいて、前記ライナの外周側面
には、周方向に伸び、前記ライナの軸方向に対して傾斜
してなる凸部を形成する複数のリブと、長手方向に伸
び、前記リブより高い凸部を形成する複数のフィンと、
を備えたことを特徴とする。
【0018】これにより、前記第1の発明の作用に加え
て、更にライナの剛性を高めることができる。
【0019】または、本発明は、高温隔壁として捕らえ
ることもできる。例えば、自身の内側に高温流体が流
れ、自身の外側に前記高温流体より低温の流体が流れる
隔壁であって、前記隔壁は、前記低温流体の流れに面し
て、前記低温流体の流れの方向と交わる向きに伸びる凸
部を有する複数のリブと、前記低温流体の流れの方向に
沿う向きに伸び、前記リブより高い凸部を有する複数の
フィンと、を備えたことを特徴とする。これにより、前
記作用と同様の効果を得ることができる。
【0020】なお、前記ガスタービンの燃焼器におい
て、前記ライナ下流端に設置したスプリングシールの上
流部、又は内部、又はその両部において、前記ライナの
内壁近傍に冷却空気層を形成する冷却構造を付加するこ
とが好ましい。
【0021】これにより、更に、ライナのスプリングシ
ール部を冷却することができる。
【0022】尚、冷却の効率を示す指標としてNu/P
0.4 (Nu:ヌセルト数、Pr:プラントル数)の値
があり、この値が大きいほど冷却効率が高く、これは
(1)式のように表わされる。
【0023】 Nu/Pr0.4=C1×0.023×Re0.8 …(1) (C1:定数,Re:冷却空気のレイノルズ数) 平滑円管ではC1 =1.0 であるが、冷却要素試験を行
った結果、フィン+リブの本発明構造ではC1 =1.
6、フィン単独構造ではC1 =1.5、リブ単独構造で
はC1 =1.8 となり、冷却効率はリブ単独が一番高
く、また若干ではあるがフィン単独構造よりフィン+リ
ブ構造の方が高い。
【0024】しかし(2)式で表わされる、冷却空気の
流動損失を示す指標となる管摩擦係数:λの試験結果を
比較すると、ガスタービンの様に冷却空気のレイノルズ
数が高い条件において、リブ単独構造ではC2 =3.
9、フィン+リブ構造ではC2=1.0、フィン単独構造
でもC2 =1.0、となり、フィン+リブ構造或いはフ
ィン単独構造では、リブ単体構造の場合よりも管摩擦係
数を大幅に減少することが可能となっている。
【0025】 λ=C2 ×0.3164/Re0.25 …(2) (C2 :定数,平滑円管ではC2 =1.0) この様に、リブ単独構造では、冷却空気が縮流と拡大流
とを繰り返すため、冷却効率が高くなると同時に流動損
失も高くなってしまう。
【0026】一方、リブにリブよりも高いフィンを設置
した本発明構造では、フィンとフィンの狭い間隙に流れ
る空気流量を減少させることができ、リブの縮流と拡大
流による流動損失増加作用を低減することが可能とな
る。しかもフィンとフィンの間隙には少量の空気は流れ
ていることから、リブの乱流促進効果が働くことで、冷
却効率はフィン単体構造よりも更に高くなる。
【0027】このNu/Pr0.4 とλの2つの値を総合
的に評価した結果を図2に示す。横軸はNu/Pr0.4
の平滑管に対する比であり、縦軸はλの平滑管に対する
比である。ここで円管通路ではNu/Pr0.4 ∝Re
0.8 ∝u0.8(u:流速)の関係があり、またλ∝ΔP∝
2(ΔP:圧力損失)との関係から、 Nu/Pr0.4=K×λ2.5 …(3) (K:定数) の関係が導かれる。図中に本発明構造とリブ単体構造の
試験結果をプロットし、(3)式の曲線を各々示した
が、この曲線は傾きが小さいほど総合的な冷却性能が高
いということがいえる。つまり、圧力損失が低くても効
率良く冷却できるということである。これを踏まえて両
者の試験結果を比較すると、本発明構造がリブ単体構造
よりも優れていることが分かる。
【0028】このため、前記のようなリブおよびフィン
構造を採用することにより、圧力損失を抑制しつつ、所
望の冷却効果を得ることができる。
【0029】尚、仮に、前記公知例の特開平7−190365
号公報に記載のようにリブとリブ間に複数の突起を配置
する場合や、或いは、リブとリブより低いフィンを備え
ていた場合は、やはりリブにより冷却側の空気が縮流と
拡大流とが繰り返されて、前記リブだけを備えた場合と
同様高い流動損失になると考えられる。このため、十分
な前記効果は得られない。
【0030】尚、本発明により、高い冷却効果を得つ
つ、圧力損失を低く抑えることができ、高効率のガスタ
ービンを形成することができる。これにより、希薄予混
合燃焼を円滑に行うことができ、信頼性の高い高効率運
転ができる。
【0031】本発明は、特に、高燃焼温度で運転される
ガスタービン、高圧縮空気による燃焼されるガスタービ
ンに適応することが効果が大きく好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例を図1に示
す。
【0033】隔壁500は、内側に位置する高温流体6
00と、外側に位置する前記高温流体より低温の低温流
体601とを隔てている。
【0034】前記隔壁500は、前記低温流体の流れに
面してリブ502および前記リブより高さが高いフィン
501を備えている。リブ502およびフィン501は
隔壁から突起を形成している。
【0035】前記リブ502は、前記低温流体601の
流れの方向と交わる向きに伸びるよう配置する(図1で
は、一例としてほぼ直交するように配置した)。
【0036】前記フィン501は、前記低温流体601
の流れの方向に沿う向きに伸びるよう配置されている。
【0037】更に、図1では、その具体的配置の一例と
して、前記低温流体601の流れ方向に沿う向きに伸び
る複数のフィン501の間に、フィン501よりも高さ
が低く、前記低温流体601の流れに直交するように複
数のリブ502を設けている。
【0038】これにより、フィン501及びリブ502
の設置により、隔壁500の低温流体側の外表面積が増
加することで、低温流体601へ放熱する熱量が増加す
る。更に、低温流体601がリブ502の位置で剥離
し、境界層がリブ下流位置で再付着することにより、低
温流体601の熱伝達率が高くなる。そして、フィン5
01よりリブ502が低くなるよう配置することによ
り、フィンとフィンとの狭い間隙に流動空気が流れにく
くなり、多数のリブのある領域を空気が流れる場合に生
じる縮流と拡大流による流動損失作用を低減させて、両
者をバランスさせて、圧力損失を抑制しつつ良好な隔壁
の冷却を図ることができる。或いは内部を流れる流体の
冷却に寄与することができる。
【0039】例えば、前記隔壁500は、ガスタービン
燃焼器の燃焼ガスと燃焼空気とを隔てるライナであるこ
とができる。或いはトランジッションピースに使用する
ことができる。
【0040】また、内部に高温流体が流れ、外側に低温
流体が流れるような熱交換器の熱交換部の配管であるこ
とができる。
【0041】或いは、内部に低温流体が流れ、外側に高
温流体が流れるような熱交換器の熱交換部の配管であっ
てもよい。尚、その場合、前記効果は、高温流体の圧力
損失を抑制しつつ良好な隔壁の加熱を図ることができ
る。或いは内部を流れる流体の加熱に寄与することがで
きる。
【0042】本発明の第2の実施例を図3及び図4を用
いて説明する。
【0043】次にガスタービンの概要を図4で説明す
る。大気を昇圧して吐出する空気圧縮機300から導入
された高圧空気100は、ディフューザ1から車室2に
導入され、トランジッションピース3(以降トラピンと
呼ぶ)と、その外周に設置されたトラピンフロースリー
ブ4の間隙を流れた後に、ライナ5とライナ外周の同心
円上に配置されたライナフロースリーブ6との間隙から
形成される冷却流路を通る流れ102となる。そして流
れを反転させバーナ部に導入する流れ103,104と
なり、燃料系統200,201から供給される燃料と混
合し、ライナ5内部の燃焼室7で火炎105,106を
形成し高温高圧の燃焼ガス107となる。その後にトラ
ピン3からタービン301に導入する流れ108となる
が、ガスタービンは、高圧高温の燃焼ガス流108が断
熱膨張する際に発生する仕事量を、タービン301にお
いて軸回転力に転換することにより、発電機302から
出力を得ている。
【0044】近年、ガスタービンプラントの高出力・高
効率化の流れから、燃焼ガス107が高温・高圧化する
傾向があり、燃焼ガス107に曝されるライナ5の冷却
性能強化が主要開発課題となっている。また燃焼ガス1
07の高温化と共に、火炎105,106で生成される
窒素酸化物(NOx)の量も増加してしまうことから、
燃料と空気とを予め混合し、且つ燃料流量に対する空気
流量の割合を増加させるという低NOx希薄予混合燃焼
法が有効であることが知られている。この方式は、圧縮
機から導入される空気100に対して、バーナ部に導入
する空気103,104の割合を如何にして大きくするか、
つまりライナ接続部のスプリングシール10,11での
漏れ空気量や、部材の冷却として使用する冷却空気量を
如何にして減少させるかがキーポイントとなる。
【0045】そこで、図3は、トラピン3に前記実施例
1に記載した構造を適用したものを示す。
【0046】トラピンの外周には周方向に複数のリブ5
02を配置し、リブ502の間にリブ502より高さの
高い複数のフィン501を全周にわたって設置してい
る。
【0047】この時、フィンの幅は5mm以下、フィンの
高さはフィン幅の1倍以上、フィンとフィンの設置間隔
はフィン幅の5倍以下であることが望ましい。またリブ
の設置間隔は、リブ高さの5倍以上15倍以下であるこ
とが望ましい。
【0048】これにより、前述のように、圧縮機から供
給される昇圧空気の圧力損失を抑制しつつ、良好な冷却
を図ることができる。
【0049】そして、ガスタービンの効率を下げること
を抑制して、燃焼器の信頼性を向上させることが可能と
なる。
【0050】本発明の第3の実施例を図4および図5を
用いて説明する。
【0051】図4のライナ5に図1の構造を採用したも
のを図5に示す。
【0052】本ライナ冷却構造はライナ外周表面に放熱
フィン20を多段に設け、且つフィン20とフィン20
との間には、フィン20よりも高さが低く周方向に連続
したリブ21を各々設置する構造である。
【0053】この時、フィンの幅は5mm以下、フィンの
高さはフィン幅の1倍以上、フィンとフィンの設置間隔
はフィン幅の5倍以下であることが望ましい。またリブ
の設置間隔は、リブ高さの5倍以上15倍以下であるこ
とが望ましい。図5に示したライナ5の左上側が空気圧
縮機300から供給される圧縮空気流れの上流側とな
り、右下側が下流となる。尚、図6〜図8も同様であ
る。
【0054】これにより、前述のように、圧縮機から供
給される昇圧空気の圧力損失を抑制しつつ、良好な冷却
を図ることができる。
【0055】このため、ライナ5の外側を流れる圧縮空
気のうち、ライナ5を貫通する冷却空気供給孔を介して
ライナ5の内側に流す冷却空気を少なくできる。より好
ましくは、かかる貫通孔から流す冷却空気を事実上なく
すことが好ましい。
【0056】このため、空気圧縮機300で昇圧した空
気のうちのより多くを燃焼用空気に利用することがで
き、前記予混合燃焼の良好な運転ができる。
【0057】本発明の第4の実施例を図4および図6を
用いて説明する。
【0058】図4のライナ5に図1の構造を応用して採
用した図を図6に示す。
【0059】本ライナ5は、ライナ外周表面にライナの
長手方向に伸びる放熱フィン20を多段に設け、且つフ
ィン20とフィン20との間には、フィン20よりも高
さが低く周方向に伸びる連続した複数のリブ21を各々
設置する構造を有している。これにより、前記第3の実
施例の作用に加えてライナの剛性が高くなり、燃焼室内
の火炎の発熱量変動に伴う燃焼振動に耐えうるライナ構
造とすることができる。
【0060】そして、ガスタービンの効率を下げること
を抑制して、燃焼器の信頼性を向上させることが可能と
なる。
【0061】本発明の第5の実施例を図7を用いて説明
する。
【0062】図7のライナは、図5のライナ5のリブ2
1に変更を加えたものである。
【0063】この構造は、リブ21の設置間隔をライナ
5の軸方向に沿って変化させたことを特徴としている。
これは図4のライナ5において、燃焼器の上流側の火炎
106からの熱負荷が大きな部分ではリブ21の設置間隔
を狭めて設置するが、燃焼器の下流側の熱負荷の小さな
部分ではリブ21の設置間隔を広げる構造としている。
この時、実用的観点からは、フィンの幅は5mm以下、フ
ィンの高さはフィン幅の1倍以上、フィンとフィンの設
置間隔はフィン幅の5倍以下であることが望ましい。ま
たリブの設置間隔は、リブ高さの5倍以上15倍以下の
範囲内で変化させることが望ましい。
【0064】これによりリブ設置間隔の広いライナ下流
側では、リブによる冷却空気の流動損失を減らすことが
でき、ガスタービンの効率を更に高めることが可能とな
る。これにより、図5の構造の効果に加えて、更に、圧
力損失を抑制しつつ部分的なライナ5の加熱を抑制する
ことができる。
【0065】本発明の第6の実施例を図8を用いて説明
する。
【0066】図8のライナは、図5のライナ5のリブ2
1に変更を加えたものである。
【0067】この構造はリブ21をライナ5の軸方向に
対し傾斜して設置することを特徴としている。
【0068】この時、実用的観点からは、フィンの幅は
5mm以下、フィンの高さはフィン幅の1倍以上、フィン
とフィンの設置間隔はフィン幅の5倍以下であることが
望ましい。またリブの設置間隔は、リブ高さの5倍以上
15倍以下であり、リブの傾斜角度は60°以上80°
以下であることが望ましい。
【0069】これにより図5の構造の効果に加えて、ラ
イナの剛性を向上させ、燃焼室内の火炎の発熱量変動に
伴う燃焼振動に耐えうるライナ構造とすることができ
る。
【0070】第1から第6までの実施例で記述したフィ
ンの断面形状は、図9のようにフィンの根元より先に行
くにしたがって徐々に幅が狭くなっている構造、図10
のようにフィンの根元から先端にいくにしたがって徐々
に幅が狭くなり、先端に先端面を有する構造、図11の
様に、先端が曲線状になっている構造、等を採用するこ
とができ。冷却側の外表面が増加するよう構成すること
ができる。
【0071】本発明の第7の実施例を図12〜図14を
用いて説明する。
【0072】図12〜図14は、図4の燃焼器のライナ
5下流端のトラピン3との連結部の断面を拡大したもの
である。
【0073】ライナ5は、図5〜図8に前述した構造を
採用することができる。ライナ下流端に設置したスプリ
ングシール10付近では、ライナ5がトラピン3に覆わ
れているために、ライナ外周側の空気流れ102による
強制対流冷却が困難であり、部材の温度が許容値を超え
る可能性がある。このため、ライナ5の内壁近傍若しく
は、ライナ5の内部に冷却空気の層を形成させライナ下
流端の冷却を行う。例えば、図12のように冷却孔30
を経て流れる冷却空気を所望の流れになるようガイドす
るリング31を備える、図13のようにライナ5を貫通
し、外側の開口部より内側の開口部がトラピン3側に位
置するような傾斜した冷却孔30を設ける、図14のよ
うに、ライナ5外周側に開口部をもち、ライナ5の内部
に開口部から導入された空気が流れる空気流路を有する
冷却孔30を有する、ような構造を採用することができ
る。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、フィン+リブ冷却構造
により流動損失を低く抑えつつ、ライナ又はトランジッ
ションピースを効率よく冷却することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す冷却構造の概略図。
【図2】冷却特性・圧力損失特性に関する試験結果。
【図3】本発明の第一実施例構造を採用したトランジッ
ションピースの概略図。
【図4】ガスタービン全体構成の一例を示す概略図。
【図5】本発明の第三実施例を示すライナの概略図。
【図6】本発明の第四実施例を示すライナの概略図。
【図7】本発明の第五実施例を示すライナの概略図。
【図8】本発明の第六実施例を示すライナの概略図。
【図9】本発明のフィン断面形状例I。
【図10】本発明のフィン断面形状例II。
【図11】本発明のフィン断面形状例III。
【図12】本発明の第七実施例を示すライナ下流端の断
面図。
【図13】本発明の他の第七実施例を示すライナ下流端
の断面図。
【図14】本発明の他の第七実施例を示すライナ下流端
の断面図。
【符号の説明】
1…ディフューザ、2…車室、3…トランジッションピ
ース、5…ライナ、6…フロースリーブ、7…燃焼室、
10,11…スプリングシール、20…フィン、21…
リブ、30…冷却孔、31…リング、105,106…
火炎、200,201…燃料系統、300…圧縮機、3
01…タービン、302…発電機、501…フィン、50
2…リブ、600…高温流体、601…低温流体。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自身の内側に燃焼室を形成するライナと、 該ライナの外周側に位置する外壁と、 前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧縮機
    で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、を有
    するガスタービンにおいて、 前記ライナの外周側面には、 周方向に伸びる凸部を形成するリブと、 長手方向に伸び、前記リブより高い凸部を形成するフィ
    ンとを備えたことを特徴とするガスタービン。
  2. 【請求項2】自身の内側に燃焼室を形成するライナと、 該ライナの外周側に位置する外壁と、 前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧縮機
    で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、を有
    するガスタービンにおいて、 前記ライナの外周側面に、 周方向に伸びる凸部を形成する複数のリブを有し、 前記リブとリブとの間に、長手方向に伸び、前記リブよ
    り高い凸部を形成する複数のフィンと、を備えたことを
    特徴とするガスタービン。
  3. 【請求項3】自身の内側に燃焼室を形成するライナと、 該ライナの外周側に位置する外壁と、 前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧縮機
    で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、を有
    するガスタービンにおいて、 前記ライナの外周側面に、 長手方向に伸びる凸部を形成する複数のフィンを有し、 前記フィンとフィンとの間に、周方向に伸び、前記フィ
    ンより低い凸部を形成する複数のリブと、を備えたこと
    を特徴とするガスタービン。
  4. 【請求項4】自身の内側に燃焼室を形成するライナと、 該ライナの外周側に位置する外壁と、 前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧縮機
    で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、を有
    するガスタービンにおいて、 前記ライナの外周側面には、 周方向に伸びる凸部を形成する複数のリブと、 長手方向に伸び、前記リブより高い凸部を形成する複数
    のフィンを有し、 前記リブ間の間隔は、圧縮機空気の流れに対して上流側
    の部分より下流側の部分の方が狭く形成されている、こ
    とを特徴とするガスタービン。
  5. 【請求項5】自身の内側に燃焼室を形成するライナと、 該ライナの外周側に位置する外壁と、 前記ライナと前記外壁との間の間隙に形成され、圧縮機
    で昇圧された空気を前記燃焼室に導く空気流路と、を有
    するガスタービンにおいて、 前記ライナの外周側面には、 周方向に伸び、前記ライナの軸方向に対して傾斜してな
    る凸部を形成する複数のリブと、 長手方向に伸び、前記リブより高い凸部を形成する複数
    のフィンと、を備えたことを特徴とするガスタービン。
  6. 【請求項6】自身の内側に高温流体が流れ、自身の外側
    に前記高温流体より低温の流体が流れる隔壁であって、 前記隔壁は、前記低温流体の流れに面して、 前記低温流体の流れの方向と交わる向きに伸びる凸部を
    有する複数のリブと、 前記低温流体の流れの方向に沿う向きに伸び、前記リブ
    より高い凸部を有する複数のフィンと、を備えたことを
    特徴とする隔壁。
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