JP2000088207A - 蒸気給水加熱器とその浸食および腐食防止法 - Google Patents

蒸気給水加熱器とその浸食および腐食防止法

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JP2000088207A
JP2000088207A JP10264671A JP26467198A JP2000088207A JP 2000088207 A JP2000088207 A JP 2000088207A JP 10264671 A JP10264671 A JP 10264671A JP 26467198 A JP26467198 A JP 26467198A JP 2000088207 A JP2000088207 A JP 2000088207A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボイラの設備費あるいは材料費を上げることな
く、簡便な方法で蒸気給水加熱器の伝熱管のドレンによ
る局部減肉作用を防止できる構造の給水加熱器およびそ
の浸食および腐食防止方法を提供する。 【解決手段】蒸気給水加熱器の浸食および腐食を防止す
る手段として、(1)バッフルプレートと伝熱管の貫通
部の隙間部に耐熱性の軟質材料を挿着して伝熱管の振動
を防止する手段、または(2)アンモニアもしくはアル
カリ液を加熱用水蒸気の蒸気相部に注入して凝縮水のp
Hを9.4以上に調整する手段、または(3)酸素を含
む混合ガスを加熱用水蒸気の蒸気相部に供給し凝縮水中
の溶存酸素濃度(DO)を100ppb以上に調整する
手段を設ける。もしくは上記(1)〜(3)の手段のう
ちの2種以上の手段を組み合わせて用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火力発電システムに
係わり、火力発電用ボイラやガスタービンの排熱を回収
する排熱回収ボイラ(HRSG)の蒸気給水加熱器にお
ける伝熱管の局部減肉を効果的に防止する構造の蒸気給
水加熱器およびその浸食と腐食防止法に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ボイラやガスタービンの排熱
を回収する排熱回収ボイラ(HRSG)には、給水加熱
器によって所定の温度まで加熱された給水が供給され
る。図4に、火力発電設備全体のフローの一例を示す。
給水加熱器40の熱源としては、燃焼ガスの排熱を利用
することもあるが、一般的にはタービン44の出口蒸気
の残留水蒸気熱を用いることが多い。脱気器41を出た
給水は、通常100〜250℃であり、これを蒸気の排
熱を利用して150〜350℃に昇温させる。蒸気側
は、200〜500℃で入って120〜300℃の温度
となる。蒸気の持つ熱量を、より有効に回収するため
に、ほとんどの蒸気給水加熱器は蒸気を凝縮してドレン
となし潜熱も回収できる構造にしている。図5に、代表
的な蒸気給水加熱器の構造を示す。この蒸気による給水
加熱器1において、凝縮水(ドレン)温度が100〜2
50℃となる比較的発電容量の小さいプラントのボイラ
装置において、最近バッフルプレート(邪魔板とも言
う)3を貫通する伝熱管2が局部的に減肉する現象が現
われている。伝熱管2の厚さは、通常、1.5〜3mm
で、減肉速度は0.2〜0.6mm/年であることから、
減肉の厳しい部位での寿命は3年未満であり、伝熱管2
の取り換え費用の増大および安定した長期運転ができな
いという重大な問題があった。図6に伝熱管の浸食およ
び腐食による減肉状態を示す。この原因について、発明
者らは種々の調査を行った結果、伝熱管の局部減肉はド
レンによるエロージョン(浸食)およびコロージョン
(腐食)であることを見出した。この浸食および腐食に
よる伝熱管の減肉作用であるという結論に至った調査結
果を以下に示す。 (1)伝熱管の局部的減肉は、凝縮水(ドレン)生成部
の温度(100〜250℃)での伝熱管2の外面のバッ
フルプレート3を貫通する部位に集中して発生してい
る。なお、蒸気部やバッフルプレート3のない部分は伝
熱管の減肉作用がなく健全である。 (2)伝熱管2の局部減肉部4は比較的滑らかで、表面
には光沢のある黒色皮膜が形成されている。 (3)伝熱管2の材質はCr含有量が1%未満の低合金
鋼または炭素鋼である。 (4)ドレンのpH(水素イオン指数)は8.5で中性
に近く、溶存酸素濃度(DO)は5ppb(5×1/1
9)以下で極めて低い値を示している。 (5)100〜250℃のドレンなどによるエロージョ
ンおよびコロージョンは、Cr含有量が1%未満の炭素
鋼、保護性の低い皮膜の生成環境である温度が100〜
250℃、pH9.2以下、低DO環境、および高流速
などの皮膜を破壊する機械的作用が組み合わされた場合
に生じ易い傾向にある。(図7および図8参照)。図7
は、炭素鋼が腐食を伴う浸食を起こす条件を示す説明図
であり、炭素鋼の安定した酸化皮膜を破壊する機械的作
用として、例えば、伝熱管の上下振動によるポンプ効果
によって、高流速の流体(ドレンなど)の摺動による擦
過や、混入する粉体による加速効果などが考えられる。
さらに、伝熱管に対して、保護性の低い皮膜生成環境と
して、100〜250℃、pH<9.2、低DOの環境
が挙げられる。図8は、ドレンの温度(〜350℃)と
NH3(アンモニア)を添加して、pH値が8.7、8.
9、9.0、9.2、9.4および9.6の6段階における
四三酸化鉄(Fe34)の溶解量(μgFe2+/kg)
を示すグラフであり、 pH9.4以上となると酸化鉄の
溶解量は著しく減少している。 (6)図6に示すように、伝熱管2が振動19すると、
バッフルプレート3との間隙部のドレン水はポンプ効果
によって高速でドレンの出入り20が生じ、ドレンの高
流速の環境が生じ、伝熱管2に局部減肉部4が発生す
る。こうしたドレンによるエロージョンおよびコロージ
ョンを防止するためには、例えば、(a)伝熱管として
Cr含有量が1重量%以上の低合金鋼を用いるか、ある
いは(b)ドレン温度を250℃以上とすることによっ
て、かなりエロージョンおよびコロージョンを抑制する
ことができると推察される。しかしながら、上記(a)
は材料コストの上昇(約1.5倍)を招き、経済的な問
題が生じ、上記(b)はプラントのシステム上の問題が
あり、実際に適用することは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ボイ
ラの設備費あるいは材料費を増加することなく、また、
プラントのシステム上の問題を引き起こすことなく、簡
便な方法で蒸気給水加熱器の伝熱管のドレン(凝縮水)
によるエロージョン(浸食)およびコロージョン(腐
食)を防止することができる構造の給水加熱器と、該給
水加熱器の浸食および腐食防止法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とする
ものである。すなわち、本発明は請求項1に記載のよう
に、複数の伝熱管と、所定の間隔に配置された複数のバ
ッフルプレートに、上記伝熱管を貫通して設け、水蒸気
により給水を加熱する熱交換部を有する蒸気給水加熱器
であって、上記バッフルプレート(邪魔板)と伝熱管の
貫通部により形成される隙間部に、耐熱性の軟質材料を
挿着した構造の蒸気給水加熱器とするものである。この
ような構造とすることにより、伝熱管の振動が抑制で
き、伝熱管とバッフルプレート隙間部へのドレンの出入
り作用(ポンピング効果)を低減することがきるので、
エロージョンとコロージョンを効果的に抑制でき、伝熱
管の局部減肉腐食を防止きる効果がある。本発明は請求
項2に記載のように、請求項1において、バッフルプレ
ートと伝熱管の隙間部に挿着する耐熱性の軟質材料はフ
ッ素系樹脂材料を用いた構造の蒸気給水加熱器とするも
のである。このように上記耐熱性の軟質材料として、耐
熱性および耐薬品性に優れたテフロン等のフッ素系樹脂
材料を用いることにより伝熱管の振動を効果的に抑制で
きる効果がある。本発明は請求項3に記載のように、複
数の伝熱管と、所定の間隔に配置された複数のバッフル
プレートに上記伝熱管を貫通して設け、水蒸気により給
水を加熱して、凝縮水温度が100〜250℃となる蒸
気給水加熱器において、該蒸気給水加熱器の加熱用水蒸
気の蒸気相部にアンモニアもしくはアルカリ液を注入し
て、凝縮水のpHを9.4以上に調整する手段を備えた
蒸気給水加熱器とするものである。このように加熱用水
蒸気の蒸気相部にアンモニアもしくはアルカリ液を注入
する手段を設けることにより、ボイラ全体の水処理シス
テムや、銅製コンデンサに影響を及ぼすことなくエロー
ジョンおよびコロージョンを有効に防止できる効果があ
る。本発明は請求項4に記載のように、複数の伝熱管
と、所定の間隔に配置された複数のバッフルプレートに
上記伝熱管を貫通して設け、水蒸気により給水を加熱し
て、凝縮水温度が100〜250℃となる蒸気給水加熱
器において、該蒸気給水加熱器の加熱用水蒸気の蒸気相
部に、酸素を含む混合ガスを供給して、凝縮水中の溶存
酸素濃度(DO)を100ppb以上に調整する手段を
備えた蒸気給水加熱器とするものである。このように凝
縮水中の溶存酸素濃度(DO)を100ppb以上とす
ることにより、伝熱管の表面に生成する酸化被膜の保護
性を向上する効果があるので炭素鋼の伝熱管であっても
エロージョンおよびコロージョンを有効に防止できる。
本発明は請求項5に記載のように、請求項1ないし請求
項4のいずれか1項に記載の蒸気給水加熱器の浸食およ
び腐食を防止する方法であって、(1)バッフルプレー
トと伝熱管の貫通部の隙間部に耐熱性の軟質材料を挿着
して伝熱管の振動を防止する方法、(2)アンモニアも
しくはアルカリ液を加熱用水蒸気の蒸気相部に注入して
凝縮水のpHを9.4以上に調整する方法、(3)酸素
を含む混合ガスを加熱用水蒸気の蒸気相部に供給し凝縮
水中の溶存酸素濃度(DO)を100ppb以上に調整
する方法のうちの2種以上の方法を組み合わせて用いる
蒸気給水加熱器の浸食および腐食防止方法とするもので
ある。このように、上記(1)〜(3)の浸食および腐
食防止方法を2種以上組み合わせて用いることにより、
いっそう確実に伝熱管のエロージョンおよびコロージョ
ンを防止でき、長期安定運転が可能となる効果がある。
【0005】本発明の蒸気給水加熱器は、伝熱管とバッ
フルプレートの間隙部にフッ素系樹脂材料等よりなる耐
熱性の軟質材を挿着し、伝熱管の振動を低下させる構造
にして、伝熱管とバッフルプレートの間隙部に生じる凝
縮水(ドレン)のポンプ効果による浸食と腐食を防止す
るものである。また、本発明の蒸気給水加熱器の浸食お
よび腐食防止法は、水蒸気で給水を加熱し、凝縮水温度
が100〜250℃となるボイラ用蒸気給水加熱器にお
いて、凝縮水のpHが9.4以上となるように、給水加
熱器の蒸気相部にアンモニア(NH3)やアルカリ液を
注入する手段を設け、給水加熱器の伝熱管の浸食と腐食
を抑制する方法である。また、本発明の蒸気給水加熱器
の浸食および腐食防止法は、水蒸気で給水を加熱し、凝
縮水温度が100〜250℃となるボイラ用蒸気給水加
熱器において、凝縮水中の溶存酸素濃度が100ppb
以上となるように、給水加熱器の蒸気相部に、酸素を含
む混合ガスを供給する手段を設け、給水加熱器の伝熱管
の浸食と腐食を抑制する方法である。さらに、本発明の
蒸気給水加熱器の浸食および腐食防止法は、水蒸気で給
水を加熱し、凝縮水温度が100〜250℃となるボイ
ラ用蒸気給水加熱器において、(1)バッフルプレート
と伝熱管の貫通部の隙間部にフッ素系樹脂よりなる耐熱
性の軟質材料を挿着して伝熱管の振動を抑制する方法、
(2)アンモニアもしくはアルカリ液を加熱用水蒸気の
蒸気相部に注入して、凝縮水のpHを9.4以上に調整
する方法、(3)酸素を含む混合ガスを加熱用水蒸気の
蒸気相部に供給して、凝縮水中の溶存酸素濃度(DO)
を100ppb(1/109)以上に調整する方法、の
うちの2種の方法を組み合わせて用いることにより、蒸
気給水加熱器の浸食および腐食を防止する方法とするも
のである。本発明の蒸気給水加熱器の浸食および腐食防
止法において、ドレンなどの温度が100〜250℃の
高流速のドレンによる炭素鋼のエロージョン(浸食)お
よびコロージョン(腐食)は、ドレンのpH値(水素イ
オン指数)を9.4以上(図8参照)とすること、およ
びDO値(溶存酸素濃度)を100ppb(100×1
/109)以上の濃度とすることによって抑制できるも
のである。通常のボイラ水(缶水)のpH値は、JIS
G−8223に従って制御されており、pH値は9.5
以上に設定されることが多い。発電容量が比較的小規模
のドラム型ボイラ(循環型ボイラ)は、通常、リン酸塩
処理によってpH値を制御している。リン酸塩処理の場
合、蒸気中にはリン酸ナトリウム等のアルカリ成分が溶
解しないため、タービンを経由して蒸気給水加熱器に供
給された蒸気ドレンのpHは中性に近い値になってしま
う。また、アンモニア(NH3)やヒドラジン(N
24)等を水処理剤として用いる揮発性処理の場合に
は、蒸気ドレンのpHをアルカリ側に調整することはで
きるが、これはプラント全体の水処理問題に波及し、復
水器(コンデンサ)に銅合金を使っているプラントに対
しては、コンデンサのアンモニアによるアタックの問題
が生じるので採用できない。本発明による蒸気給水加熱
器の蒸気相にアンモニアもしくはアルカリ性水溶液を注
入する方法は、ボイラ全体の水処理システムや、銅製コ
ンデンサには影響を及ぼすことなくエロージョンおよび
コロージョンを防止できる有効な方法である。また、ド
レン中の溶存酸素濃度(DO)を100ppb以上とす
ることによっても、生成皮膜の保護性を向上させること
ができエロージョンおよびコロージョンを抑制すること
ができる。貫流型ボイラでは、ボイラ水中のDOを10
0ppb以上とした複合酸素処理がJISにも規定され
ている。しかし、ドレンの温度が250℃以下となる蒸
気給水加熱器が用いられているドラム型ボイラでは、酸
素濃度を系全体で均一に制御することができないので採
用することができない。本発明による蒸気給水加熱器内
のみの酸素濃度の上昇は、上記問題を引き起こすことは
ない。一方、伝熱管とバッフルプレートの間隙部に充填
する耐熱性の軟質材料は、例えば、フッ素系樹脂材料よ
りなるテフロン等が好適に用いられるが、フッ素系樹脂
材料に限るものではなく、適度の耐熱性を有し、軟質で
弾力性のあるケイ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノ
ール系樹脂等であってもよい。また、これらの樹脂に適
量の無機充填剤あるいは金属充填剤を添加した複合材料
を用いてもよい。 これは等の軟質材料を充填すること
により、伝熱管が振動し、該伝熱管とバッフルプレート
の隙間部へのドレンの出入り作用(ポンピング効果)を
低減することができるので、伝熱管の減肉作用のあるエ
ロージョンおよびコロージョンを効果的に抑制すること
ができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的実施の形
態を挙げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。図1
は、本発明になる蒸気給水加熱器の構造の一例を示す模
式図である。ドレンのpHを、エロージョンおよびコロ
ージョンが生じる限界値である9.4以上となるように
調整するため、蒸気給水加熱器の蒸気相にアンモニア
(NH3)またはアルカリ性水溶液、例えば、アルカリ
金属元素、アルカリ土類金属元素の水酸化物、アルカリ
金属炭酸塩、アミン類等の少なくとも1種を含む水溶液
を注入できるアンモニア(またはアルカリ液)注入装置
5を設置した。なお、ドレンのpH測定装置6、pH情
報15、およびアンモニア等のアルカリ注入量を制御す
るシステムも本発明の蒸気給水加熱器の範囲に含まれる
ものである。アルカリ性水溶液の種類としては、ボイラ
水処理剤の関係から第三リン酸ナトリウム(Na3
4)または第二リン酸ナトリウム(Na2HPO4)が
適正であり、その濃度は注入量に応じて決定すればよ
い。図2および図3に、本発明の蒸気給水加熱器の他の
構造を示す。図2は、蒸気給水加熱器の蒸気相に酸素を
含むガス供給装置7、溶存酸素濃度(DO)測定装置
8、DO情報16の回路が設けられ、ドレン中のDOを
100ppb以上に調整するようにしたものである。ド
レン中の溶存酸素濃度(DO)の制御は、図2に示すよ
うに、ドレンのDOを測定し、その情報により酸素を含
むガス供給量を制御する方法が最も一般的な方法である
が、ドレン量やドレン中の初期DO値が既知であれば、
その量に応じて酸素を含むガスを供給できるようにして
もよい。また、図3は、伝熱管2とバッフルプレート
(邪魔板)3の間隙部に、例えばテフロン等のフッ素樹
脂等からなる間隙充填剤9を挿着し、伝熱管2の振動を
低減するものである。テフロン等のフッ素樹脂を用いた
のは、その耐熱性および耐薬品性に優れているからであ
る。なお、本実施の形態ではフッ素樹脂を用いた一例を
挙げたが、これと同等の性能を有する他の耐熱性の軟質
材料、例えば、ケイ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェ
ノール系樹脂等の樹脂材料であってもよい。また、これ
らの樹脂に適量の無機充填剤あるいは金属充填剤を添加
した複合樹脂材料を用いてもよい。
【0007】
【発明の効果】本発明の蒸気給水加熱器およびその浸食
および腐食防止方法によれば、ボイラの設備費あるいは
材料費を増大することなく、伝熱管とバッフルプレート
の間隙部に耐熱性の軟質材料を挿着するだけで伝熱管の
振動を有効に防止できるので、ドレンの上記間隙部に高
速で流入、流出する、いわゆるポンプ効果により生じる
浸食および腐食を効果的に抑制することができる。ま
た、蒸気給水加熱器の蒸気相にアンモニアもしくはアル
カリ性水溶液を注入することにより、ボイラ全体の水処
理システムや、銅製コンデンサには影響を及ぼすことな
くエロージョンおよびコロージョンを防止できる。ま
た、ドレン中の溶存酸素濃度(DO)を100ppb以
上とすることによっても、生成皮膜の保護性を向上させ
ることができ浸食および腐食を防止することができ、経
済上および運転上の問題を引き起こすことなく、簡易で
安価な手段により、蒸気給水加熱器の伝熱管の減肉腐食
を防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示した蒸気給水加熱器
の構造を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態で例示した蒸気給水加熱器
の他の構造を示す模式図。
【図3】本発明の実施の形態で例示した伝熱管とバッフ
ルプレートの間隙部に耐熱性の軟質材料を挿着した構造
を示す模式図。
【図4】代表的な火力発電設備における蒸気給水加熱器
の配置を示す系統図。
【図5】代表的な蒸気給水加熱器の構造を示す模式図。
【図6】伝熱管のエロージョンおよびコロージョンの発
生状態を示す模式図。
【図7】伝熱管のエロージョンおよびコロージョンの発
生環境を示す説明図。
【図8】ドレンのpH値と温度の変化に対する酸化鉄の
溶解量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…給水加熱器 2…伝熱管 3…バッフルプレート(邪魔板) 4…局部減肉部 5…アンモニア(またはアルカリ液)注入装置 6…pH測定装置 7…酸素を含むガス供給装置 8…溶存酸素濃度(DO)測定装置 9…フッ素樹脂等からなる間隙充填材 10…蒸気入口 11…ドレン出口 12…給水入口 13…給水出口 14…エアー抜き 15…pH情報 16…DO情報 17…管外環境〔蒸気凝縮水(ドレン)等〕 18…管内環境〔給水等〕 19…伝熱管の振動 20…ドレンの出入り 21…揚炭機 22…貯炭場 23…混炭装置 24…揚炭機橋 25…ミル 26…ボイラ 27…脱硝装置 28…ファン 29…AH(エアーヒータ) 30…EP(電気集塵機) 31…ファン 32…GGH(ガス熱交換器) 33…脱硫装置 34…GGH(ガス熱交換器) 35…ファン 36…煙突 37…灰処理 38…廃液処理 39…石膏回収 40…給水加熱器 41…脱気器、薬注装置 42…給水ポンプ 43…復水器 44…タービン 45…発電機 46…主変圧器 47…開閉所 48…送電線 49…仕切板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の伝熱管と、所定の間隔に配置された
    複数のバッフルプレートに上記伝熱管を貫通して設け、
    水蒸気により給水を加熱する熱交換部を有する蒸気給水
    加熱器であって、上記バッフルプレートと伝熱管の貫通
    部により形成される隙間部に耐熱性の軟質材料を挿着し
    てなることを特徴とする蒸気給水加熱器。
  2. 【請求項2】請求項1において、バッフルプレートと伝
    熱管の隙間部に挿着する耐熱性の軟質材料はフッ素系樹
    脂材料よりなることを特徴とする蒸気給水加熱器。
  3. 【請求項3】複数の伝熱管と、所定の間隔に配置された
    複数のバッフルプレートに上記伝熱管を貫通して設け、
    水蒸気により給水を加熱して、凝縮水温度が100〜2
    50℃となる蒸気給水加熱器において、該蒸気給水加熱
    器の加熱用水蒸気の蒸気相部にアンモニアもしくはアル
    カリ液を注入して、凝縮水のpHを9.4以上に調整す
    る手段を備えたことを特徴とする蒸気給水加熱器。
  4. 【請求項4】複数の伝熱管と、所定の間隔に配置された
    複数のバッフルプレートに上記伝熱管を貫通して設け、
    水蒸気により給水を加熱して、凝縮水温度が100〜2
    50℃となる蒸気給水加熱器において、該蒸気給水加熱
    器の加熱用水蒸気の蒸気相部に、酸素を含む混合ガスを
    供給して、凝縮水中の溶存酸素濃度(DO)を100p
    pb以上に調整する手段を備えたことを特徴とする蒸気
    給水加熱器。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
    記載の蒸気給水加熱器の浸食および腐食を防止する方法
    であって、(1)バッフルプレートと伝熱管の貫通部の
    隙間部に耐熱性の軟質材料を挿着して伝熱管の振動を防
    止する方法、(2)アンモニアもしくはアルカリ液を加
    熱用水蒸気の蒸気相部に注入して凝縮水のpHを9.4
    以上に調整する方法、(3)酸素を含む混合ガスを加熱
    用水蒸気の蒸気相部に供給して凝縮水中の溶存酸素濃度
    (DO)を100ppb以上に調整する方法において、
    上記(1)〜(3)のうちの2種以上の方法を組み合わ
    せて用いることを特徴とする蒸気給水加熱器の浸食およ
    び腐食防止法。
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