JP2000055702A - 環境状況計測方法及びその装置並びに環境状況改善測定方法及びその装置 - Google Patents

環境状況計測方法及びその装置並びに環境状況改善測定方法及びその装置

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JP2000055702A
JP2000055702A JP10241039A JP24103998A JP2000055702A JP 2000055702 A JP2000055702 A JP 2000055702A JP 10241039 A JP10241039 A JP 10241039A JP 24103998 A JP24103998 A JP 24103998A JP 2000055702 A JP2000055702 A JP 2000055702A
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computer
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Hideaki Isogai
秀明 磯貝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境に関する多数の因子を全体的、系統的に同
時に測定する環境状況計測法法及びそのための装置並び
に環境状況改善方法及びそのための測定装置を提供する
こと 【解決手段】測定対象となる特定の区画の土地に物理指
標に関する複数のセンサーを配置し、各センサーによる
測定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユータ
に入力し、各センサの測定結果を即座に表示できるよう
にしたことを特徴とする環境状況測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境状況計測方法
及びそのための装置並びに環境状況改善方法及びそのた
めの装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の生活及び生産活動のために人間を
取り巻く環境状況の計測及び環境状況の把握し、環境状
況を定量的かつ的確に数値化することが要求されてい
る。農業や林業等の生産活動や公園、道路、緑地及び庭
園などの生活環境を保全するためには、人間を取り巻く
環境の状態を判断するための因子としては多くのものが
知られている。これらの因子としては、例えば、温度、
湿度、大気中の成分ガス日照時間、紫外線量、地中に含
まれる物質及びその含有量、土の比重や空隙率などの特
性値など種々様々のものがある。これらの各因子につい
ての測定データに基づいて十分であるか或いは不足して
いるかが判断され、不足している場合にはその具体策が
立てられ、実施されるなどの方法が採られてきた。例え
ば、植物の生育・栽培を目指す場合には、植物の生育に
関係する各種のイオン(カリウムイオン、リン酸イオ
ン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイオンな
ど)、土の粒度、酸性度、pH及び導電率などがある。
これらの個々の測定結果は、確かに、対象としている土
の状況を表すものであり、十分であるか或いは不足して
いるかと言うことを検討するうえで有効な指標となって
きた。しかしながら、環境の状態を把握するためには、
まず、現状の状態をこれらの指標が同時に計測されたデ
ータにより全体的、かつ総合的に把握することが重要で
あるが、現状では、このような方法や手段は存在しな
い。また、状況を測定し、その結果を用いて全体的かつ
総合的な対策をとるという場合には測定日時の異なる個
別のデータがバラバラに存在しても十分ではない。同時
に測定されたデータにより、全体として理想の状態と現
在の状態を明らかにし、その差を明らかにしたうえで、
その対策がとられることが必要である。すなわち、特定
の環境もとで必要とされるデータについて同時に計測さ
れ、それらの結果に基づいて好ましいとる状態にするた
めの総合的な対策をとる必要がある。このような手段も
現状では存在しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、環境
に関する多数の因子を全体的かつ系統的に同時に測定す
る環境状況計測法法及びそのための装置並びに環境状況
改善方法及びそのための測定装置を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決する手段】測定対象となる特定の区画の土
地に物理指標に関する複数のセンサーを配置し、各セン
サーによる測定結果の出力をマルチプレクサを介してコ
ンピユータに入力し、各センサの測定結果を即座に表示
できるようにしたことを特徴とする環境状況測定方法、
地下茎を利用するモニター作物を栽培し、その結果得ら
れる特性値を物理指標に関する複数のセンサーにより得
られる測定結果と共にマルチプレクサを介してコンピユ
ータに入力することを特徴とする前記記載の環境状況測
定方法、ジャガイモをモニター作物として、得られるジ
ャガイモの重量及び糖度を特性値として入力することを
含むことを特徴とする前記記載の環境状況測定方法、コ
ンピユータに入力した物理指標に関する複数のセンサー
からの出力結果の中のリン酸の出力結果を縦軸の部分
に、他の測定結果及び特性値を多角形の角の部分に各々
の数値結果を表示して、全体を立体的な形状として表す
ことを特徴とする前記記載の環境状況測定方法、センサ
ーを配置した測定対象となる特定の区画の土地、センサ
ーの出力をマルチプレクサを介してコンピユータに入力
する装置、計測結果を集計する装置及び集計結果を表示
する装置により構成されることを特徴とする環境状況測
定装置、センサーを配置すると共に地下茎を利用するモ
ニター作物を栽培する測定対象となる特定の区画の土
地、センサーの出力及びモニター作物の物性値をマルチ
プレクサを介してコンピユータに入力する装置、計測結
果を集計する装置、及び集計結果を表示する装置により
構成されることを特徴とする環境状況測定装置、測定対
象となる特定の区画の土地に物理指標に関するセンサー
を配置し、センサーによる測定結果の出力をマルチプレ
クサを介してコンピユータに入力できるようにし、予め
コンピユータに入力されている物理指標の理想状態のデ
ータとセンサーによる測定結果の出力とを比較し、測定
対象となる特定の区画の土地が理想状態にあるかどうか
を即座に判断することを特徴とする環境状況改善測定方
法、センサーを配置した測定対象となる特定の区画の土
地、センサーによる測定結果の出力をマルチプレクサを
介して入力することができるコンピユータシステム、及
び、予めコンピユータに入力されている理想状態のデー
タと測定対象の特定の区画の土地の測定結果を比較して
測定対象となる特定の区画の土地が理想状態にあるかど
うかを即座に判断する装置により構成されていることを
特徴とする環境状況測定装置、測定対象となる特定の区
画の土地に物理指標に関するセンサーを配置すると共に
地下茎を利用するモニター作物を栽培できるようにし、
物理指標に関するセンサーの出力及びモニター作物の物
性値をマルチプレクサを介してコンピユータシステムに
入力し、予めコンピユータに入力されている物理指標及
び物性地の理想状態のデータと測定対象の特定の区画の
土地からの測定結果を比較して測定対象となる特定の区
画の土地が理想状態にあるかどうかを即座に判断するこ
とを特徴とする環境状況測定方法、物理指標に関するセ
ンサーを配置すると共に地下茎を利用するモニター作物
を栽培する測定対象となる特定の区画の土地、センサー
の出力及びモニター作物の物性値をマルチプレクサを介
して入力することができるコンピユータシステム、及び
予めコンピユータに入力されている物理指標及び物性値
の理想状態のデータと測定対象の特定の区画の土地から
の測定結果と比較して測定対象となる特定の区画の土地
が理想状態にあるかどうかを即座に判断する装置により
構成されることを特徴とする環境状況改善測定装置が提
供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の環境状況計測方法及びそ
の装置は、測定対象となる特定の区画の土地に物理指標
に関する複数のセンサーを配置し、各センサーによる測
定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユータに
入力し、各センサの測定結果を即座に表示できるように
した環境状況測定方法、及びセンサーを配置した測定対
象となる特定の区画の土地、センサーの出力をマルチプ
レクサを介してコンピユータに入力する装置、計測結果
を集計する装置及び集計結果を表示する装置により構成
される環境状況測定装置である。
【0006】前記方法及び装置について、図1により説
明する。はじめに測定対象となる土地の区画を決定す
る。この区画に、さらにセンサーを設置する測定部1
0,肥料などの生育促進剤を供給し、その結果を調べる
生育促進剤供給部11、現状を保存する部分12を設け
る。用いるセンサーとしては、土中に存在するP,K、
並びに硝酸態、亜硝酸態及びアンモニア態の窒素などの
土中に含まれる元素イオンを測定するセンサー、土地の
酸性度を測定するpHセンサー、電離度を測定するセン
サー、電気伝導度を測定するセンサー等がある。これら
のセンサーは、土の状況を調査するための必要に応じて
さらに適宜増やすことができし、また、省略することも
できる。また、同一の成分を計測するために、区画の中
の複数の箇所にセンサーを設置したり、深さの相違する
所にセンサーを設置して、土の状態が均一であるか又は
偏りがあるかなどを調べることもできる。
【0007】前記窒素成分,リン酸イオンなどのP及び
カリウムイオンなどのKは、植物の生育、具体的には、
葉、果実及び根などの生育に必要とされるものである。
これらの物質は、動物や植物の有機物が各種微生物の働
きにより腐敗分解されるされることにより、土の中に含
まれるもののみならず、肥料として土に施されたものが
土の中に含まれるようになったものも含まれる。これら
についてのセンサーの測定結果は、土の現在の状況を表
すものであり、植物の生育に適した状況にあるかどうか
を判断することができるし、又生育に適した状態とする
ためにはどの程度の量を補給するかなどを検討する基礎
データを提供するものである。これらの他に、C,H,
O,S,Ca、Mn,Feのイオンの状態のにある元素
を挙げることができる。さらに、これらの他にも、C
u、Zn、Mo、Co、B等のイオンの状態にある元素
を挙げることができる。これらは、いずれも根の毛細管
から植物中に取り込まれる成分であり、これらの元素イ
オンが必要量存在させるようにすることは、植物の生育
から見ると好ましいことであり、根から吸収される直前
の土の状態が良好であることを示していると言うことが
できる。また、測定に際してはセンサー設置部に、必要
に応じて水、酸又はアルカリなどを含んだ水、有機溶媒
などをを注入することができる。
【0008】土の特性を表す値は、植物の生育と関連す
る上で重要な意味を持っており、この中でも粒径は重要
なデータである。この粒径を表す値としては、1/粒
径、或いは1/土の比重等の値を用いることができる。
これらのデータについては、通常の光学的な手段や容量
当たりに重量を計測する方法を採用することができる。
【0009】植物は、植物が有する葉緑素の作用による
光合成による明反応を行う。この明反応は環境浄化など
をを行うものである。この光合成を行うために、根の根
毛などから、水分、各種栄養素、ビタミン類などを継続
的に植物体内に取り込むことが行われる。この中には、
微生物群による光合成の結果生ずる物質や共生菌が作り
出す各種の物質が重要な役割を果たしている。土が活性
化されているかどうか、そしてその結果、植物の生育に
適しているかどうかは、微生物が存在するかどうかに関
連する。
【0010】このような微生物の中に原始光合成菌と呼
ばれる一種の細菌がある。この細菌は植物の根の近傍に
存在し、植物の栄養源となるアミノ酸を作り出すと共
に、硫黄を硫黄イオンに電離する作用を有する。この細
菌は、自然界集落を形成して生育している。直接植物が
生育していない場所である浅瀬の水底や深海の海底にも
生育していることが確認されている。この細菌は、細菌
が有するバクテリアクロロフイルの働きにより光合成を
行う。光合成を行う反応には、次の二種類の方法があ
る。 6CO2+12H2→ C6126 + 6H2O (1) 6CO2+ 12H2S → C6126 + 6H2O +12S (2) (1)式に従う反応を行う細菌を非硫黄細菌、同じく
(2)式に従う反応を行う細菌を硫黄細菌と呼んでい
る。いずれの反応を起こさせるにしても、用いられる原
料の炭素骨格をもとにして糖や澱粉を製造している。こ
の反応によって得られる糖や澱粉は、生育した果実の重
量を増加させると共に、糖度を高くすることに関与す
る。このようなことから、地下茎を利用する作物をモニ
ター作物として栽培し、その結果得られる収穫物の重量
や糖度などの特性値が良好である場合には、前記の細菌
が土の中に存在し、土は活性状態にあると判断される。
そして、ジャガイモをモニター作物として用い、得られ
るジャガイモの重量及び糖度を特性値とすることによ
り、前記の微生物が存在し、土が活性化された状態にあ
ることの確認手段とすることができる。
【0011】対象とする土からなる測定部でモニター作
物を栽培し、その結果得られる特性値を、センサーから
出力される結果と共に、コンピユータに入力すると、セ
ンサーのみを用いた場合には得ることができないもので
ある、微生物の存在或いは土が活性化されているかどう
かということを知ることができる。
【0012】測定部10に設置されたセンサー3により
測定された結果は、アナログ量からデジタル量に変換さ
れ、コンピユータ1に瞬時に入力され、結果が出力され
る。入力に際しては、多数のセンサーを用いるので、マ
ルチプレクサ2が用いられる。入力されたデータは成分
毎などの個別に又は全成分全体などの全体として、画面
に表示される。出力されるデータは、センサーにより検
出される成分の含有量又は濃度である。これらは表形式
で打ち出すことができる。これらは、多数の成分の含有
量を表示することとなるので、表に示したのでは、特定
の土を相互に比較する場合には、ただちにこれらの土に
状態を把握することが困難なことがある。このように相
互に土の状態を比較するときには、多数の成分の含有量
を多角錐の形状に表示すると、土の状態は多角錐の形状
により表現できるのでこととなる(図2)。コンピユー
タに入力した物理指標に関する複数のセンサーからの出
力結果の中のリン酸の出力結果を縦軸の部分に、他の測
定結果及び特性値を底面を形成する多角形の角の部分に
各々の数値結果を表示して、全体を立体的な形状として
表すことができる。底面の多角形の中心をOとし、中心
点から外側の角の部分に向かって放射状に線を引き、外
向き方向に数値を目盛る。縦軸には底面からの高さが成
分量を表現するように数値を目盛る。測定結果がそれぞ
れの測定値の数値の箇所に記録され、これらの数値の箇
所をつないで形成される多角形が、計測した状態を表現
していることとなる。この立体の形状で表現されている
ものを比較すると、視覚を通して特徴を把握することが
できる。数値は測定結果の数値を用いることもできる
し、標準的な土を基にして指数化した結果としても表現
することができる。表示した結果は特定の日時の測定結
果だけではなく、特定の期間毎に計測結果を表示する
と、時系列の変化を読みとることができる。
【0013】本発明の環境状況改善測定方法及びその装
置は、次の通りである。測定対象となる特定の区画の土
地に物理指標に関するセンサーを配置し、センサーによ
る測定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユー
タに入力できるようにし、予めコンピユータに入力され
ている物理指標の理想状態のデータとセンサーによる測
定結果の出力とを比較し、測定対象となる特定の区画の
土地が理想状態にあるかどうかを即座に判断するもので
ある。
【0014】本発明の環境状況改善方法及びそのための
装置では、測定対象となる特定の区画の土地に物理指標
に関するセンサーを配置し、センサーによる測定結果の
出力をマルチプレクサを介してコンピユータに入力でき
るようにするまでの方法及び装置は、前記環境状況計測
方法及びその装置で用いられているものと同様であり、
これらの方法及び装置を用いることができる。
【0015】本発明の環境状況改善測定方法では、測定
対象となる特定の区画の土地に物理指標に関する複数の
センサーを配置し、各センサーによる測定結果の出力を
マルチプレクサを介してコンピユータに入力し、各セン
サの測定結果を用いて、予めコンピユータに入力されて
いる理想状態のデータと測定対象の特定の区画の土地の
測定結果を比較して測定対象となる特定の区画の土地が
理想状態にあるかどうかを即座に判断するものである。
そして、理想状態のデータとセンサーによる測定結果の
出力と比較して差がある場合には、この差は成分の不足
量を表しており、この差を用いることにより具体的にど
の程度の量を添加するかを定めることができる。この差
の量を単に添加するだけでは十分な結果を期待すること
はできないことがあり、土の特性などを考慮して添加量
が計算される。
【0016】前記の成分に関して算出された不足量に対
応して求めた添加量を、実際に図1に示された生育促進
剤供給部11に施すことにより、期待していた効果が得
られるかどうかを確認する。生育促進剤は不足する肥料
などであり、全体の土の細部にまでできるだけ均一に行
き渡るようによくかき混ぜ、水など注いで、十分に土に
浸透するようにする。混合した結果を確認する場合に
は、前記環境状況計測方法及びその装置で用いたセンサ
ーにより計測を行うことにより、十分に、かつ平均して
行き渡っているかどうかを確認することができる。
【0017】図1の12は、センサーなどを設置せず
に、現状を保存する部分である。計測や実際に栽培が進
められたときに、土の最初の状態がどのような状態であ
ったかを知りたい場合に用いられる。土地の区画に余裕
がないときには設置する必要はない。この部分は、セン
サーを設置するセンサー設置部10により代用すること
もできる。
【0018】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明の内容を説明
する。本発明はこの実施例により限定されるものではな
い。 実施例1 特定の区画を定め、リン酸イオンセンサー、硝酸イオン
及びアンモニウムイオンセンサー、カリウムイオンセン
サー、水素イオンセンサ、カルシウムイオンセンサー、
マグネシウムイオンセンサー、鉄イオン(II、III)セ
ンサーを設置し、各センサーの出力を、マルチプレクサ
を介してコンピユータに入力できるようにした。そし
て、区画の各センサーの出力に応じて、区画の状況を判
断し、各センサーの出力が好ましい値となるように各成
分を施した。同時にジャガイモの種芋の植え付けを行
い、モニター作物として実験を行った(図4)。ジャガ
イモの収穫量と糖度の測定結果は、センサーとは別にコ
ンピユータに入力し、集計し、グラフとして示した。結
果は、図3に示すとおりである。図において、横軸は試
料番号を表しており、最上部に示されている1,2,〜
9は各種芋を表している。柱状に示されているのは1個
のジャガイモの重量である。四角に示されているのは、
これらのジャガイモの中の1個について糖度を測定した
結果である。3で表される種芋の場合は細菌が十分存在
し、土が活性化された状態の場合である。これらの結果
より、ジャガイモの重量と糖度は、細菌の存在や土が活
性化しているかどうかの有効な指標であることがわかっ
た。重量や糖度が不足しているときには、細菌が増える
ような手段である、遠赤外線照射普及型の加速器を設置
したところ、重量と糖度の点では十分満足できるジャガ
イモを得ることができた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、実際に利用しようとし
ている区画の土地の環境に関する多数の因子を系統的に
同時に測定し、現在どのような状態にあるかを数値デー
タに基づいて総合的に瞬時に明らかにすることができ
る。また、このようにして得られた数値データと理想状
態のデータを比較して具体的な数値データとして、どの
ような状態にあるかを判断でき、さらに不足している成
分量が明らかになり、その対策として具体手に取ること
がらが明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環境状況計測装置及び環境状況改善測定装置を
示す図である。
【図2】測定結果の表示方法を示す図である。
【図3】ジャガイモの収量と糖度の測定結果を示す図で
ある。
【図4】モニター作物の状況を示す模写した図である。
【符号の説明】
1 センサー 2 マルチプレクサ 3 コンピユータ 10 センサー設置部 11 生育促進剤供給部 12 現状を保存する部分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月18日(1999.8.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】環境状況計測方法及びその装置並びに環
境状況改善測定方法及びその装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境状況計測方法
及びそのための装置並びに環境状況改善方法及びそのた
めの装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の生活及び生産活動のために人間を
取り巻く環境状況の計測及び環境状況の把握し、環境状
況を定量的かつ的確に数値化することが要求されてい
る。農業や林業等の生産活動や公園、道路、緑地及び庭
園などの生活環境を保全するためには、人間を取り巻く
環境の状態を判断するための因子としては多くのものが
知られている。これらの因子としては、例えば、温度、
湿度、大気中の成分ガス日照時間、紫外線量、地中に含
まれる物質及びその含有量、土の比重や空隙率などの特
性値など種々様々のものがある。これらの各因子につい
ての測定データに基づいて十分であるか或いは不足して
いるかが判断され、不足している場合にはその具体策が
立てられ、実施されるなどの方法が採られてきた。例え
ば、植物の生育・栽培を目指す場合には、植物の生育に
関係する各種のイオン(カリウムイオン、リン酸イオ
ン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイオンな
ど)、土の粒度、酸性度、pH及び導電率などがある。
これらの個々の測定結果は、確かに、対象としている土
の状況を表すものであり、十分であるか或いは不足して
いるかと言うことを検討するうえで有効な指標となって
きた。しかしながら、環境の状態を把握するためには、
まず、現状の状態をこれらの指標が同時に計測されたデ
ータにより全体的、かつ総合的に把握することが重要で
あるが、現状では、このような方法や手段は存在しな
い。また、状況を測定し、その結果を用いて全体的かつ
総合的な対策をとるという場合には測定日時の異なる個
別のデータがバラバラに存在しても十分ではない。同時
に測定されたデータにより、全体として理想の状態と現
在の状態を明らかにし、その差を明らかにしたうえで、
その対策がとられることが必要である。すなわち、特定
の環境もとで必要とされるデータについて同時に計測さ
れ、それらの結果に基づいて好ましいとる状態にするた
めの総合的な対策をとる必要がある。このような手段も
現状では存在しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、環境
に関する多数の因子を全体的かつ系統的に同時に測定す
る環境状況計測法法及びそのための装置並びに環境状況
改善方法及びそのための測定装置を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決する手段】上記課題を解決するために、以
下の発明が提供される。測定対象となる特定の区画の土
地に物理指標に関する複数のセンサーを配置し、各セン
サーによる測定結果の出力をマルチプレクサを介してコ
ンピユータに入力し、各センサの測定結果を即座に表示
することにより、特定の区画の土地の環境状況を表すこ
を特徴とする環境状況測定方法。地下茎を利用するモ
ニター作物を栽培し、その結果得られる特性値を、測定
対象となる特定の区画の土地の物理指標に関する複数の
センサーからのデータをマルチプレクサを介してコンピ
ユータに入力することとは、別にコンピユータに入力す
ことを特徴とする前記環境状況測定方法。ジャガイモ
をモニター作物として、得られるジャガイモの重量及び
糖度を特性値として入力することを含むことを特徴とす
る前記の環境状況測定方法。コンピユータに入力した物
理指標に関する複数のセンサーからの出力結果の中のリ
ン酸の出力結果を縦軸の部分に、他の測定結果及び特性
値を多角形の角の部分に各々の数値結果を表示して、全
体を立体的な形状として表すことを特徴とする前記の環
境状況測定方法。測定対象となる特定の区画の土地に配
置するセンサー、センサーの出力をマルチプレクサを介
してコンピユータに入力する装置及び計測結果を集計す
コンピユータ及び集計結果を表示する装置からなる
帯可能な装置であることを特徴とする環境状況測定装
置。地下茎を利用するモニター作物を栽培する特定の区
画の土地に配置するセンサー、及びセンサーからの出力
をマルチプレクサを介してコンピユータに入力する装置
並びにモニター作物の特性値の測定装置及び特性値を前
記センサーの出力を入力するのとは別に設けられたコン
ピュータに入力する装置これらの計測結果を集計する
コンピュータ、及び集計結果を表示する装置により構成
されることを特徴とする環境状況測定装置。測定対象と
なる特定の区画の土地に物理指標に関するセンサーを配
置し、センサーによる測定結果の出力をマルチプレクサ
を介してコンピユータに入力できるようにし、予めコン
ピユータに入力されている物理指標の理想状態のデータ
とセンサーによる測定結果の出力とを比較し、測定対象
となる特定の区画の土地が理想状態にあるかどうかを即
座に判断することを特徴とする環境状況改善測定方法。
測定対象となる特定の区画の土地に配置するセンサー
センサーによる出力をマルチプレクサを介して入力する
ことができる入力装置、及び、予め入力されている理想
状態のデータと測定対象の特定の区画の土地の測定結果
を比較して測定対象となる特定の区画の土地が理想状態
にあるかどうかを即座に判断するコンピユータにより構
成されていることを特徴とする環境状況測定装置。測定
対象となる特定の区画の土地に物理指標に関するセンサ
ーを配置すると共に地下茎を利用するモニター作物を栽
培できるようにし、特定の区画の土地の物理指標に関す
るセンサーの出力をマルチプレクサを介してコンピユー
タに入力し、これとは別にモニター作物の特性値を入力
し、予め入力されている物理指標及び特性値の理想状態
のデータと測定対象の特定の区画の土地からの測定結果
を比較して測定対象となる特定の区画の土地が理想状態
にあるかどうかを即座に判断することを特徴とする環境
状況測定方法。測定対象となる特定の区画の土地に配置
する物理指標に関するセンサー、測定対象となる特定の
区画の土地に栽培される地下茎の特性値の測定装置、セ
ンサーからの出力をマルチプレクサを介してコンピユー
タに入力する装置、これとは別に設けられた地下茎の
性値の測定結果を入力する装置、これらの入力された値
を集計し、予め入力されている物理指標及び特性値の理
想状態のデータと測定対象の特定の区画の土地からの測
定結果と比較して測定対象となる特定の区画の土地が理
想状態にあるかどうかを即座に判断するコンピュータ
より構成されることを特徴とする環境状況改善測定装
置。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の環境状況計測方法及びそ
の装置は、測定対象となる特定の区画の土地に物理指標
に関する複数のセンサーを配置し、各センサーによる測
定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユータに
入力し、各センサの測定結果を即座に表示できるように
した環境状況測定方法、及びセンサーを配置した測定対
象となる特定の区画の土地、センサーの出力をマルチプ
レクサを介してコンピユータに入力する装置、計測結果
を集計するコンピユータ及び集計結果を表示する装置に
より構成される環境状況測定装置である。
【0006】前記方法及び装置について、図1により説
明する。はじめに測定対象となる土地の区画を決定す
る。この区画に、さらにセンサーを設置する測定部1
0,肥料などの生育促進剤を供給し、その結果を調べる
生育促進剤供給部11、現状を保存する部分12を設け
る。用いるセンサーとしては、土中に存在するP,K、
並びに硝酸態、亜硝酸態及びアンモニア態の窒素などの
土中に含まれる元素イオンを測定するセンサー、土地の
酸性度を測定するpHセンサー、電離度を測定するセン
サー、電気伝導度を測定するセンサー等がある。これら
のセンサーは、土の状況を調査するための必要に応じて
さらに適宜増やすことができし、また、省略することも
できる。また、同一の成分を計測するために、区画の中
の複数の箇所にセンサーを設置したり、深さの相違する
所にセンサーを設置して、土の状態が均一であるか又は
偏りがあるかなどを調べることもできる。
【0007】前記窒素成分,リン酸イオンなどのP及び
カリウムイオンなどのKは、植物の生育、具体的には、
葉、果実及び根などの生育に必要とされるものである。
これらの物質は、動物や植物の有機物が各種微生物の働
きにより腐敗分解されるされることにより、土の中に含
まれるもののみならず、肥料として土に施されたものが
土の中に含まれるようになったものも含まれる。これら
についてのセンサーの測定結果は、土の現在の状況を表
すものであり、植物の生育に適した状況にあるかどうか
を判断することができるし、又生育に適した状態とする
ためにはどの程度の量を補給するかなどを検討する基礎
データを提供するものである。これらの他に、C,H,
O,S,Ca、Mn,Feのイオンの状態のにある元素
を挙げることができる。さらに、これらの他にも、C
u、Zn、Mo、Co、B等のイオンの状態にある元素
を挙げることができる。これらは、いずれも根の毛細管
から植物中に取り込まれる成分であり、これらの元素イ
オンが必要量存在させるようにすることは、植物の生育
から見ると好ましいことであり、根から吸収される直前
の土の状態が良好であることを示していると言うことが
できる。また、測定に際してはセンサー設置部に、必要
に応じて水、酸又はアルカリなどを含んだ水、有機溶媒
などをを注入することができる。
【0008】土の特性を表す値は、植物の生育と関連す
る上で重要な意味を持っており、この中でも粒径は重要
なデータである。この粒径を表す値としては、1/粒
径、或いは1/土の比重等の値を用いることができる。
これらのデータについては、通常の光学的な手段や容量
当たりに重量を計測する方法を採用することができる。
【0009】植物は、植物が有する葉緑素の作用による
光合成による明反応を行う。この明反応は環境浄化など
をを行うものである。この光合成を行うために、根の根
毛などから、水分、各種栄養素、ビタミン類などを継続
的に植物体内に取り込むことが行われる。この中には、
微生物群による光合成の結果生ずる物質や共生菌が作り
出す各種の物質が重要な役割を果たしている。土が活性
化されているかどうか、そしてその結果、植物の生育に
適しているかどうかは、微生物が存在するかどうかに関
連する。
【0010】このような微生物の中に原始光合成菌と呼
ばれる一種の細菌がある。この細菌は植物の根の近傍に
存在し、植物の栄養源となるアミノ酸を作り出すと共
に、硫黄を硫黄イオンに電離する作用を有する。この細
菌は、自然界集落を形成して生育している。直接植物が
生育していない場所である浅瀬の水底や深海の海底にも
生育していることが確認されている。この細菌は、細菌
が有するバクテリアクロロフイルの働きにより光合成を
行う。光合成を行う反応には、次の二種類の方法があ
る。 6CO+12H→ C12 + 6HO (1) 6CO+ 12HS → C12 + 6HO +12S (2) (1)式に従う反応を行う細菌を非硫黄細菌、同じく
(2)式に従う反応を行う細菌を硫黄細菌と呼んでい
る。いずれの反応を起こさせるにしても、用いられる原
料の炭素骨格をもとにして糖や澱粉を製造している。こ
の反応によって得られる糖や澱粉は、生育した果実の重
量を増加させると共に、糖度を高くすることに関与す
る。このようなことから、地下茎を利用する作物をモニ
ター作物として栽培し、その結果得られる収穫物の重量
や糖度などの特性値が良好である場合には、前記の細菌
が土の中に存在し、土は活性状態にあると判断される。
そして、ジャガイモをモニター作物として用い、得られ
るジャガイモの重量及び糖度を特性値とすることによ
り、前記の微生物が存在し、土が活性化された状態にあ
ることの確認手段とすることができる。
【0011】対象とする土からなる測定部でモニター作
物を栽培し、その結果得られる特性値を、センサーから
出力される結果とは別に、コンピユータに入力すると、
センサーのみを用いた場合には得ることができないもの
である、微生物の存在或いは土が活性化されているかど
うかということを知ることができる。
【0012】測定部10に設置されたセンサー3により
測定された結果は、アナログ量からデジタル量に変換さ
れ、コンピユータ1に瞬時に入力され、結果が出力され
る。入力に際しては、多数のセンサーを用いるので、マ
ルチプレクサ2が用いられる。入力されたデータは成分
毎などの個別に又は全成分全体などの全体として、画面
に表示される。出力されるデータは、センサーにより検
出される成分の含有量又は濃度である。これらは表形式
で打ち出すことができる。これらは、多数の成分の含有
量を表示することとなるので、表に示したのでは、特定
の土を相互に比較する場合には、ただちにこれらの土に
状態を把握することが困難なことがある。このように相
互に土の状態を比較するときには、多数の成分の含有量
を多角錐の形状に表示すると、土の状態は多角錐の形状
により表現できるのでこととなる(図2)。コンピユー
タに入力した物理指標に関する複数のセンサーからの出
力結果の中のリン酸の出力結果を縦軸の部分に、他の測
定結果及び特性値を底面を形成する多角形の角の部分に
各々の数値結果を表示して、全体を立体的な形状として
表すことができる。底面の多角形の中心をOとし、中心
点から外側の角の部分に向かって放射状に線を引き、外
向き方向に数値を目盛る。縦軸には底面からの高さが成
分量を表現するように数値を目盛る。測定結果がそれぞ
れの測定値の数値の箇所に記録され、これらの数値の箇
所をつないで形成される多角形が、計測した状態を表現
していることとなる。この立体の形状で表現されている
ものを比較すると、視覚を通して特徴を把握することが
できる。数値は測定結果の数値を用いることもできる
し、標準的な土を基にして指数化した結果としても表現
することができる。表示した結果は特定の日時の測定結
果だけではなく、特定の期間毎に計測結果を表示する
と、時系列の変化を読みとることができる。
【0013】本発明の環境状況改善測定方法及びその装
置は、次の通りである。測定対象となる特定の区画の土
地に物理指標に関するセンサーを配置し、センサーによ
る測定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユー
タに入力できるようにし、予めコンピユータに入力され
ている物理指標の理想状態のデータとセンサーによる測
定結果の出力とを比較し、測定対象となる特定の区画の
土地が理想状態にあるかどうかを即座に判断するもので
ある。
【0014】本発明の環境状況改善方法及びそのための
装置では、測定対象となる特定の区画の土地に物理指標
に関するセンサーを配置し、センサーによる測定結果の
出力をマルチプレクサを介してコンピユータに入力でき
るようにするまでの方法及び装置は、前記環境状況計測
方法及びその装置で用いられているものと同様であり、
これらの方法及び装置を用いることができる。
【0015】本発明の環境状況改善測定方法では、測定
対象となる特定の区画の土地に物理指標に関する複数の
センサーを配置し、各センサーによる測定結果の出力を
マルチプレクサを介してコンピユータに入力し、各セン
サの測定結果を用いて、予めコンピユータに入力されて
いる理想状態のデータと測定対象の特定の区画の土地の
測定結果を比較して測定対象となる特定の区画の土地が
理想状態にあるかどうかを即座に判断するものである。
そして、理想状態のデータとセンサーによる測定結果の
出力と比較して差がある場合には、この差は成分の不足
量を表しており、この差を用いることにより具体的にど
の程度の量を添加するかを定めることができる。この差
の量を単に添加するだけでは十分な結果を期待すること
はできないことがあり、土の特性などを考慮して添加量
が計算される。
【0016】前記の成分に関して算出された不足量に対
応して求めた添加量を、実際に図1に示された生育促進
剤供給部11に施すことにより、期待していた効果が得
られるかどうかを確認する。生育促進剤は不足する肥料
などであり、全体の土の細部にまでできるだけ均一に行
き渡るようによくかき混ぜ、水など注いで、十分に土に
浸透するようにする。混合した結果を確認する場合に
は、前記環境状況計測方法及びその装置で用いたセンサ
ーにより計測を行うことにより、十分に、かつ平均して
行き渡っているかどうかを確認することができる。
【0017】図1の12は、センサーなどを設置せず
に、現状を保存する部分である。計測や実際に栽培が進
められたときに、土の最初の状態がどのような状態であ
ったかを知りたい場合に用いられる。土地の区画に余裕
がないときには設置する必要はない。この部分は、セン
サーを設置するセンサー設置部10により代用すること
もできる。
【0018】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明の内容を説明
する。本発明はこの実施例により限定されるものではな
い。 実施例1 特定の区画を定め、リン酸イオンセンサー、硝酸イオン
及びアンモニウムイオンセンサー、カリウムイオンセン
サー、水素イオンセンサ、カルシウムイオンセンサー、
マグネシウムイオンセンサー、鉄イオン(II、III)セ
ンサーを設置し、各センサーの出力を、マルチプレクサ
を介してコンピユータに入力できるようにした。そし
て、区画の各センサーの出力に応じて、区画の状況を判
断し、各センサーの出力が好ましい値となるように各成
分を施した。同時にジャガイモの種芋の植え付けを行
い、モニター作物として実験を行った(図4)。ジャガ
イモの収穫量と糖度の測定結果は、センサーとは別にコ
ンピユータに入力し、集計し、グラフとして示した。結
果は、図3に示すとおりである。図において、横軸は試
料番号を表しており、最上部に示されている1,2,〜
9は各種芋を表している。柱状に示されているのは1個
のジャガイモの重量である。四角に示されているのは、
これらのジャガイモの中の1個について糖度を測定した
結果である。3で表される種芋の場合は細菌が十分存在
し、土が活性化された状態の場合である。これらの結果
より、ジャガイモの重量と糖度は、細菌の存在や土が活
性化しているかどうかの有効な指標であることがわかっ
た。重量や糖度が不足しているときには、細菌が増える
ような手段である、遠赤外線照射普及型の加速器を設置
したところ、重量と糖度の点では十分満足できるジャガ
イモを得ることができた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、実際に利用しようとし
ている区画の土地の環境に関する多数の因子を系統的に
同時に測定し、現在どのような状態にあるかを数値デー
タに基づいて総合的に瞬時に明らかにすることができ
る。また、このようにして得られた数値データと理想状
態のデータを比較して具体的な数値データとして、どの
ような状態にあるかを判断でき、さらに不足している成
分量が明らかになり、その対策として具体手に取ること
がらが明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環境状況計測装置及び環境状況改善測定装置を
示す図である。
【図2】測定結果の表示方法を示す図である。
【図3】ジャガイモの収量と糖度の測定結果を示す図で
ある。
【図4】モニター作物の状況を示す模写した図である。
【符号の説明】 1 センサー 2 マルチプレクサ 3 コンピユータ 10 センサー設置部 11 生育促進剤供給部 12 現状を保存する部分 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月26日(1999.11.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】環境状況計測方法及びその装置並びに環
境状況改善測定方法及びその装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境状況計測方法
及びそのための装置並びに環境状況改善方法及びそのた
めの装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の生活及び生産活動のために人間を
取り巻く環境状況の計測及び環境状況の把握し、環境状
況を定量的かつ的確に数値化することが要求されてい
る。農業や林業等の生産活動や公園、道路、緑地及び庭
園などの生活環境を保全するためには、人間を取り巻く
環境の状態を判断するための因子としては多くのものが
知られている。これらの因子としては、例えば、温度、
湿度、大気中の成分ガス日照時間、紫外線量、地中に含
まれる物質及びその含有量、土の比重や空隙率などの特
性値など種々様々のものがある。これらの各因子につい
ての測定データに基づいて十分であるか或いは不足して
いるかが判断され、不足している場合にはその具体策が
立てられ、実施されるなどの方法が採られてきた。例え
ば、植物の生育・栽培を目指す場合には、植物の生育に
関係する各種のイオン(カリウムイオン、リン酸イオ
ン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイオンな
ど)、土の粒度、酸性度、pH及び導電率などがある。
これらの個々の測定結果は、確かに、対象としている土
の状況を表すものであり、十分であるか或いは不足して
いるかと言うことを検討するうえで有効な指標となって
きた。しかしながら、環境の状態を把握するためには、
まず、現状の状態をこれらの指標が同時に計測されたデ
ータにより全体的、かつ総合的に把握することが重要で
あるが、現状では、このような方法や手段は存在しな
い。また、状況を測定し、その結果を用いて全体的かつ
総合的な対策をとるという場合には測定日時の異なる個
別のデータがバラバラに存在しても十分ではない。同時
に測定されたデータにより、全体として理想の状態と現
在の状態を明らかにし、その差を明らかにしたうえで、
その対策がとられることが必要である。すなわち、特定
の環境もとで必要とされるデータについて同時に計測さ
れ、それらの結果に基づいて好ましいとる状態にするた
めの総合的な対策をとる必要がある。このような手段も
現状では存在しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、環境
に関する多数の因子を全体的かつ系統的に同時に測定す
る環境状況計測法法及びそのための装置並びに環境状況
改善方法及びそのための測定装置を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決する手段】上記課題を解決するために、以
下の発明が提供される。測定対象となる特定の区画の土
地に物理指標に関する複数のセンサーを配置し、各セン
サーによる測定結果の出力をマルチプレクサを介してコ
ンピユータに入力し、各センサの測定結果を即座に表示
することにより、特定の区画の土地の環境状況を表すこ
とを特徴とする環境状況測定方法。地下茎を利用するモ
ニター作物を栽培し、その結果得られる特性値を、測定
対象となる特定の区画の土地の物理指標に関する複数の
センサーからのデータをマルチプレクサを介してコンピ
ユータに入力することとは、別にコンピユータに入力す
ることを特徴とする前記環境状況測定方法。ジャガイモ
をモニター作物として、得られるジャガイモの重量及び
糖度を特性値として入力することを含むことを特徴とす
る前記の環境状況測定方法。コンピユータに入力した物
理指標に関する複数のセンサーからの出力結果の中のリ
ン酸の出力結果を縦軸の部分に、他の測定結果及び特性
値を多角形の角の部分に各々の数値結果を表示して、全
体を立体的な形状として表すことを特徴とする前記の環
境状況測定方法。測定対象となる特定の区画の土地に配
置する複数のセンサー、センサーの出力をマルチプレ
クサを介してコンピユータに入力する装置及び計測結果
を集計するコンピユータ及び集計結果を表示する装置か
らなる携帯可能な装置であることを特徴とする環境状況
測定装置。地下茎を利用するモニター作物を栽培する特
定の区画の土地に配置する複数のセンサー、及びセン
サーからの出力をマルチプレクサを介してコンピユータ
に入力する装置並びにモニター作物の特性値の測定装置
及び特性値を前記センサーの出力を入力するのとは別に
設けられたコンピュータに入力する装置、これらの計測
結果を集計するコンピュータ、及び集計結果を表示する
装置により構成されることを特徴とする環境状況測定装
置。測定対象となる特定の区画の土地に物理指標に関す
るセンサーを複数配置し、センサーによる測定結果の
出力をマルチプレクサを介してコンピユータに入力でき
るようにし、予めコンピユータに入力されている物理指
標の理想状態のデータとセンサーによる測定結果の出力
とを比較し、測定対象となる特定の区画の土地が理想状
態にあるかどうかを即座に判断することを特徴とする環
境状況改善測定方法。測定対象となる特定の区画の土地
に配置する複数のセンサー、センサーによる出力をマ
ルチプレクサを介して入力することができる入力装置、
及び、予め入力されている理想状態のデータと測定対象
の特定の区画の土地の測定結果を比較して測定対象とな
る特定の区画の土地が理想状態にあるかどうかを即座に
判断するコンピユータにより構成されていることを特徴
とする環境状況測定装置。測定対象となる特定の区画の
土地に物理指標に関する複数のセンサーを配置すると共
に地下茎を利用するモニター作物を栽培できるように
し、特定の区画の土地の物理指標に関するセンサーの
出力をマルチプレクサを介してコンピユータに入力し、
これとは別にモニター作物の特性値を入力し、予め入力
されている物理指標及び特性値の理想状態のデータと測
定対象の特定の区画の土地からの測定結果を比較して測
定対象となる特定の区画の土地が理想状態にあるかどう
かを即座に判断することを特徴とする環境状況測定方
法。測定対象となる特定の区画の土地に配置する物理指
標に関する複数のセンサー、測定対象となる特定の区画
の土地に栽培される地下茎の特性値の測定装置、セン
サーからの出力をマルチプレクサを介してコンピユータ
に入力する装置、これとは別に設けられた地下茎の特性
値の測定結果を入力する装置、これらの入力された値を
集計し、予め入力されている物理指標及び特性値の理想
状態のデータと測定対象の特定の区画の土地からの測定
結果と比較して測定対象となる特定の区画の土地が理想
状態にあるかどうかを即座に判断するコンピュータによ
り構成されることを特徴とする環境状況改善測定装置。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の環境状況計測方法及びそ
の装置は、測定対象となる特定の区画の土地に物理指標
に関する複数のセンサーを配置し、各センサーによる測
定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユータに
入力し、各センサの測定結果を即座に表示できるように
した環境状況測定方法、及びセンサーを配置した測定対
象となる特定の区画の土地、センサーの出力をマルチプ
レクサを介してコンピユータに入力する装置、計測結果
を集計するコンピユータ及び集計結果を表示する装置に
より構成される環境状況測定装置である。
【0006】前記方法及び装置について、図1により説
明する。はじめに測定対象となる土地の区画を決定す
る。この区画に、さらにセンサーを設置する測定部1
0,肥料などの生育促進剤を供給し、その結果を調べる
生育促進剤供給部11、現状を保存する部分12を設け
る。用いるセンサーとしては、土中に存在するP,K、
並びに硝酸態、亜硝酸態及びアンモニア態の窒素などの
土中に含まれる元素イオンを測定するセンサー、土地の
酸性度を測定するpHセンサー、電離度を測定するセン
サー、電気伝導度を測定するセンサー等がある。これら
のセンサーは、土の状況を調査するための必要に応じて
さらに適宜増やすことができし、また、省略することも
できる。また、同一の成分を計測するために、区画の中
の複数の箇所にセンサーを設置したり、深さの相違する
所にセンサーを設置して、土の状態が均一であるか又は
偏りがあるかなどを調べることもできる。
【0007】前記窒素成分,リン酸イオンなどのP及び
カリウムイオンなどのKは、植物の生育、具体的には、
葉、果実及び根などの生育に必要とされるものである。
これらの物質は、動物や植物の有機物が各種微生物の働
きにより腐敗分解されるされることにより、土の中に含
まれるもののみならず、肥料として土に施されたものが
土の中に含まれるようになったものも含まれる。これら
についてのセンサーの測定結果は、土の現在の状況を表
すものであり、植物の生育に適した状況にあるかどうか
を判断することができるし、又生育に適した状態とする
ためにはどの程度の量を補給するかなどを検討する基礎
データを提供するものである。これらの他に、C,H,
O,S,Ca、Mn,Feのイオンの状態のにある元素
を挙げることができる。さらに、これらの他にも、C
u、Zn、Mo、Co、B等のイオンの状態にある元素
を挙げることができる。これらは、いずれも根の毛細管
から植物中に取り込まれる成分であり、これらの元素イ
オンが必要量存在させるようにすることは、植物の生育
から見ると好ましいことであり、根から吸収される直前
の土の状態が良好であることを示していると言うことが
できる。また、測定に際してはセンサー設置部に、必要
に応じて水、酸又はアルカリなどを含んだ水、有機溶媒
などをを注入することができる。
【0008】土の特性を表す値は、植物の生育と関連す
る上で重要な意味を持っており、この中でも粒径は重要
なデータである。この粒径を表す値としては、1/粒
径、或いは1/土の比重等の値を用いることができる。
これらのデータについては、通常の光学的な手段や容量
当たりに重量を計測する方法を採用することができる。
【0009】植物は、植物が有する葉緑素の作用による
光合成による明反応を行う。この明反応は環境浄化など
をを行うものである。この光合成を行うために、根の根
毛などから、水分、各種栄養素、ビタミン類などを継続
的に植物体内に取り込むことが行われる。この中には、
微生物群による光合成の結果生ずる物質や共生菌が作り
出す各種の物質が重要な役割を果たしている。土が活性
化されているかどうか、そしてその結果、植物の生育に
適しているかどうかは、微生物が存在するかどうかに関
連する。
【0010】このような微生物の中に原始光合成菌と呼
ばれる一種の細菌がある。この細菌は植物の根の近傍に
存在し、植物の栄養源となる糖、でんぷんを作り出すと
共に、硫黄を硫黄イオンに電離する作用を有する。この
細菌は、自然界集落を形成して生育している。直接植物
が生育していない場所である浅瀬の水底や深海の海底に
も生育していることが確認されている。この細菌は、細
菌が有するバクテリアクロロフイルの働きにより光合成
を行う。光合成を行う反応には、次の二種類の方法があ
る。 6CO+12H→ C12 + 6HO (1) 6CO+ 12HS → C12 + 6HO +12S (2) (1)式に従う反応を行う細菌を非硫黄細菌、同じく
(2)式に従う反応を行う細菌を硫黄細菌と呼んでい
る。いずれの反応を起こさせるにしても、用いられる原
料の炭素骨格をもとにして糖や澱粉を製造している。こ
の反応によって得られる糖や澱粉は、生育した果実の重
量を増加させると共に、糖度を高くすることに関与す
る。このようなことから、地下茎を利用する作物をモニ
ター作物として栽培し、その結果得られる収穫物の重量
や糖度などの特性値が良好である場合には、前記の細菌
が土の中に存在し、土は活性状態にあると判断される。
そして、ジャガイモをモニター作物として用い、得られ
るジャガイモの重量及び糖度を特性値とすることによ
り、前記の微生物が存在し、土が活性化された状態にあ
ることの確認手段とすることができる。
【0011】対象とする土からなる測定部でモニター作
物を栽培し、その結果得られる特性値を、センサーから
出力される結果とは別に、コンピユータに入力すると、
センサーのみを用いた場合には得ることができないもの
である、微生物の存在或いは土が活性化されているかど
うかということを知ることができる。
【0012】測定部10に設置されたセンサー3により
測定された結果は、アナログ量からデジタル量に変換さ
れ、コンピユータ1に瞬時に入力され、結果が出力され
る。入力に際しては、多数のセンサーを用いるので、マ
ルチプレクサ2が用いられる。入力されたデータは成分
毎などの個別に又は全成分全体などの全体として、画面
に表示される。出力されるデータは、センサーにより検
出される成分の含有量又は濃度である。これらは表形式
で打ち出すことができる。これらは、多数の成分の含有
量を表示することとなるので、表に示したのでは、特定
の土を相互に比較する場合には、ただちにこれらの土に
状態を把握することが困難なことがある。このように相
互に土の状態を比較するときには、多数の成分の含有量
を多角錐の形状に表示すると、土の状態は多角錐の形状
により表現できるのでこととなる(図2)。コンピユー
タに入力した物理指標に関する複数のセンサーからの出
力結果の中のリン酸の出力結果を縦軸の部分に、他の測
定結果及び特性値を底面を形成する多角形の角の部分に
各々の数値結果を表示して、全体を立体的な形状として
表すことができる。底面の多角形の中心をOとし、中心
点から外側の角の部分に向かって放射状に線を引き、外
向き方向に数値を目盛る。縦軸には底面からの高さが成
分量を表現するように数値を目盛る。測定結果がそれぞ
れの測定値の数値の箇所に記録され、これらの数値の箇
所をつないで形成される多角形が、計測した状態を表現
していることとなる。この立体の形状で表現されている
ものを比較すると、視覚を通して特徴を把握することが
できる。数値は測定結果の数値を用いることもできる
し、標準的な土を基にして指数化した結果としても表現
することができる。表示した結果は特定の日時の測定結
果だけではなく、特定の期間毎に計測結果を表示する
と、時系列の変化を読みとることができる。
【0013】本発明の環境状況改善測定方法及びその装
置は、次の通りである。測定対象となる特定の区画の土
地に物理指標に関するセンサーを配置し、センサーによ
る測定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユー
タに入力できるようにし、予めコンピユータに入力され
ている物理指標の理想状態のデータとセンサーによる測
定結果の出力とを比較し、測定対象となる特定の区画の
土地が理想状態にあるかどうかを即座に判断するもので
ある。
【0014】本発明の環境状況改善方法及びそのための
装置では、測定対象となる特定の区画の土地に物理指標
に関するセンサーを配置し、センサーによる測定結果の
出力をマルチプレクサを介してコンピユータに入力でき
るようにするまでの方法及び装置は、前記環境状況計測
方法及びその装置で用いられているものと同様であり、
これらの方法及び装置を用いることができる。
【0015】本発明の環境状況改善測定方法では、測定
対象となる特定の区画の土地に物理指標に関する複数の
センサーを配置し、各センサーによる測定結果の出力を
マルチプレクサを介してコンピユータに入力し、各セン
サの測定結果を用いて、予めコンピユータに入力されて
いる理想状態のデータと測定対象の特定の区画の土地の
測定結果を比較して測定対象となる特定の区画の土地が
理想状態にあるかどうかを即座に判断するものである。
そして、理想状態のデータとセンサーによる測定結果の
出力と比較して差がある場合には、この差は成分の不足
量を表しており、この差を用いることにより具体的にど
の程度の量を添加するかを定めることができる。この差
の量を単に添加するだけでは十分な結果を期待すること
はできないことがあり、土の特性などを考慮して添加量
が計算される。
【0016】前記の成分に関して算出された不足量に対
応して求めた添加量を、実際に図1に示された生育促進
剤供給部11に施すことにより、期待していた効果が得
られるかどうかを確認する。生育促進剤は不足する肥料
などであり、全体の土の細部にまでできるだけ均一に行
き渡るようによくかき混ぜ、水など注いで、十分に土に
浸透するようにする。混合した結果を確認する場合に
は、前記環境状況計測方法及びその装置で用いたセンサ
ーにより計測を行うことにより、十分に、かつ平均して
行き渡っているかどうかを確認することができる。
【0017】図1の12は、センサーなどを設置せず
に、現状を保存する部分である。計測や実際に栽培が進
められたときに、土の最初の状態がどのような状態であ
ったかを知りたい場合に用いられる。土地の区画に余裕
がないときには設置する必要はない。この部分は、セン
サーを設置するセンサー設置部10により代用すること
もできる。
【0018】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明の内容を説明
する。本発明はこの実施例により限定されるものではな
い。 実施例1 特定の区画を定め、リン酸イオンセンサー、硝酸イオン
及びアンモニウムイオンセンサー、カリウムイオンセン
サー、水素イオンセンサ、カルシウムイオンセンサー、
マグネシウムイオンセンサー、鉄イオン(II、III)セ
ンサーを設置し、各センサーの出力を、マルチプレクサ
を介してコンピユータに入力できるようにした。そし
て、区画の各センサーの出力に応じて、区画の状況を判
断し、各センサーの出力が好ましい値となるように各成
分を施した。同時にジャガイモの種芋の植え付けを行
い、モニター作物として実験を行った(図4)。ジャガ
イモの収穫量と糖度の測定結果は、センサーとは別にコ
ンピユータに入力し、集計し、グラフとして示した。結
果は、図3に示すとおりである。図において、横軸は試
料番号を表しており、最上部に示されている1,2,〜
9は各種芋を表している。柱状に示されているのは1個
のジャガイモの重量である。四角に示されているのは、
これらのジャガイモの中の1個について糖度を測定した
結果である。3で表される種芋の場合は細菌が十分存在
し、土が活性化された状態の場合である。これらの結果
より、ジャガイモの重量と糖度は、細菌の存在や土が活
性化しているかどうかの有効な指標であることがわかっ
た。重量や糖度が不足しているときには、細菌が増える
ような手段である、遠赤外線照射普及型の加速器を設置
したところ、重量と糖度の点では十分満足できるジャガ
イモを得ることができた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、実際に利用しようとし
ている区画の土地の環境に関する多数の因子を系統的に
同時に測定し、現在どのような状態にあるかを数値デー
タに基づいて総合的に瞬時に明らかにすることができ
る。また、このようにして得られた数値データと理想状
態のデータを比較して具体的な数値データとして、どの
ような状態にあるかを判断でき、さらに不足している成
分量が明らかになり、その対策として具体手に取ること
がらが明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環境状況計測装置及び環境状況改善測定装置を
示す図である。
【図2】測定結果の表示方法を示す図である。
【図3】ジャガイモの収量と糖度の測定結果を示す図で
ある。
【図4】モニター作物の状況を示す模写した図である。
【符号の説明】 1 センサー 2 マルチプレクサ 3 コンピユータ 10 センサー設置部 11 生育促進剤供給部 12 現状を保存する部分

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象となる特定の区画の土地に物理指
    標に関する複数のセンサーを配置し、各センサーによる
    測定結果の出力をマルチプレクサを介してコンピユータ
    に入力し、各センサの測定結果を即座に表示できるよう
    にしたことを特徴とする環境状況測定方法。
  2. 【請求項2】地下茎を利用するモニター作物を栽培し、
    その結果得られる特性値を物理指標に関する複数のセン
    サーにより得られる測定結果と共にマルチプレクサを介
    してコンピユータに入力することを特徴とする請求項1
    記載の環境状況測定方法。
  3. 【請求項3】ジャガイモをモニター作物として、得られ
    るジャガイモの重量及び糖度を特性値として入力するこ
    とを含むことを特徴とする請求項2記載の環境状況測定
    方法。
  4. 【請求項4】コンピユータに入力した物理指標に関する
    複数のセンサーからの出力結果の中のリン酸の出力結果
    を縦軸の部分に、他の測定結果及び特性値を多角形の角
    の部分に各々の数値結果を表示して、全体を立体的な形
    状として表すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か記載の環境状況測定方法。
  5. 【請求項5】センサーを配置した測定対象となる特定の
    区画の土地、センサーの出力をマルチプレクサを介して
    コンピユータに入力する装置、計測結果を集計する装置
    及び集計結果を表示する装置により構成されることを特
    徴とする環境状況測定装置。
  6. 【請求項6】センサーを配置すると共に地下茎を利用す
    るモニター作物を栽培する測定対象となる特定の区画の
    土地、センサーの出力及びモニター作物の物性値をマル
    チプレクサを介してコンピユータに入力する装置、計測
    結果を集計する装置、及び集計結果を表示する装置によ
    り構成されることを特徴とする環境状況測定装置。
  7. 【請求項7】測定対象となる特定の区画の土地に物理指
    標に関するセンサーを配置し、センサーによる測定結果
    の出力をマルチプレクサを介してコンピユータに入力で
    きるようにし、予めコンピユータに入力されている物理
    指標の理想状態のデータとセンサーによる測定結果の出
    力とを比較し、測定対象となる特定の区画の土地が理想
    状態にあるかどうかを即座に判断することを特徴とする
    環境状況改善測定方法。
  8. 【請求項8】センサーを配置した測定対象となる特定の
    区画の土地、センサーによる測定結果の出力をマルチプ
    レクサを介して入力することができるコンピユータシス
    テム、及び、予めコンピユータに入力されている理想状
    態のデータと測定対象の特定の区画の土地の測定結果を
    比較して測定対象となる特定の区画の土地が理想状態に
    あるかどうかを即座に判断する装置により構成されてい
    ることを特徴とする環境状況測定装置。
  9. 【請求項9】測定対象となる特定の区画の土地に物理指
    標に関するセンサーを配置すると共に地下茎を利用する
    モニター作物を栽培できるようにし、物理指標に関する
    センサーの出力及びモニター作物の物性値をマルチプレ
    クサを介してコンピユータシステムに入力し、予めコン
    ピユータに入力されている物理指標及び物性地の理想状
    態のデータと測定対象の特定の区画の土地からの測定結
    果を比較して測定対象となる特定の区画の土地が理想状
    態にあるかどうかを即座に判断することを特徴とする環
    境状況測定方法。
  10. 【請求項10】物理指標に関するセンサーを配置すると
    共に地下茎を利用するモニター作物を栽培する測定対象
    となる特定の区画の土地、センサーの出力及びモニター
    作物の物性値をマルチプレクサを介して入力することが
    できるコンピユータシステム、及び予めコンピユータに
    入力されている物理指標及び物性値の理想状態のデータ
    と測定対象の特定の区画の土地からの測定結果と比較し
    て測定対象となる特定の区画の土地が理想状態にあるか
    どうかを即座に判断する装置により構成されることを特
    徴とする環境状況改善測定装置。
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