JP2000046707A - 柔物質の高速圧縮試験方法及びその試験用治具 - Google Patents
柔物質の高速圧縮試験方法及びその試験用治具Info
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- JP2000046707A JP2000046707A JP10210992A JP21099298A JP2000046707A JP 2000046707 A JP2000046707 A JP 2000046707A JP 10210992 A JP10210992 A JP 10210992A JP 21099298 A JP21099298 A JP 21099298A JP 2000046707 A JP2000046707 A JP 2000046707A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スプリットホプキンソン棒法を用いて柔物質
に対する高速圧縮試験を容易かつ確実に実施する。 【解決手段】 入力棒aと出力棒bとの突合わせ端面に
それぞれシールゴム10,10を配置すると共にそのシール
ゴム10,10 間に柔物質からなる試験片9を設置した後、
上記試験片9及びシールゴム10,10 を囲繞するように試
験片9の側方変位を制限するホールドケース1を配置す
る。これによって、試験片9の側方変位及び流出を確実
に防止することができるため、スプリットホプキンソン
棒法による柔物質に対する高速圧縮試験を容易かつ確実
に実施できる。
に対する高速圧縮試験を容易かつ確実に実施する。 【解決手段】 入力棒aと出力棒bとの突合わせ端面に
それぞれシールゴム10,10を配置すると共にそのシール
ゴム10,10 間に柔物質からなる試験片9を設置した後、
上記試験片9及びシールゴム10,10 を囲繞するように試
験片9の側方変位を制限するホールドケース1を配置す
る。これによって、試験片9の側方変位及び流出を確実
に防止することができるため、スプリットホプキンソン
棒法による柔物質に対する高速圧縮試験を容易かつ確実
に実施できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプリットホプキ
ンソン棒法を応用した柔物質の高速圧縮試験方法及びそ
の試験用治具に関するものである。
ンソン棒法を応用した柔物質の高速圧縮試験方法及びそ
の試験用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、材料の圧縮性等の物性に関するデ
ータを得るための材料試験方法の一つとして、スプリッ
トホプキンソン棒法と呼ばれる高速衝突を利用した圧縮
試験方法が知られている。
ータを得るための材料試験方法の一つとして、スプリッ
トホプキンソン棒法と呼ばれる高速衝突を利用した圧縮
試験方法が知られている。
【0003】このスプリットホプキンソン棒法は、細長
い棒中を応力が形を変えずに一定速度で伝搬する特質を
利用して二点の歪みを測定することで、棒中の任意の位
置での応力と変位速度が解るという一次元波動理論に基
づく衝撃試験方法である。
い棒中を応力が形を変えずに一定速度で伝搬する特質を
利用して二点の歪みを測定することで、棒中の任意の位
置での応力と変位速度が解るという一次元波動理論に基
づく衝撃試験方法である。
【0004】具体的には、図7に示すようにそれぞれ充
分な長さ(約2500mm)を有する入力棒aと出力棒
bの間に短い試験片cを配置し、入力棒aの端部に打撃
棒dを衝突させて衝撃を加え、入力棒a及び出力棒bに
それぞれ設けられた歪みゲージg,gで伝搬する応力波
による歪みを測定するように構成したものである。
分な長さ(約2500mm)を有する入力棒aと出力棒
bの間に短い試験片cを配置し、入力棒aの端部に打撃
棒dを衝突させて衝撃を加え、入力棒a及び出力棒bに
それぞれ設けられた歪みゲージg,gで伝搬する応力波
による歪みを測定するように構成したものである。
【0005】そして、この歪みゲージg,gで得られた
測定データを解析することによって、試験片cの歪み速
度、歪み、応力等の物性を知ることができるものである
(衝撃工学(日刊工業新聞社)等)。
測定データを解析することによって、試験片cの歪み速
度、歪み、応力等の物性を知ることができるものである
(衝撃工学(日刊工業新聞社)等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
スプリットホプキンソン棒法による従来の材料試験方法
にあっては、上述したように入力棒aと出力棒bの間に
試験片cを挟持して入力棒aの長さ方向のみの一軸圧縮
を計測するようにしたものであることから、原則として
測定対象となる試験片cは岩石や金属等の高硬度の固形
物に限られていた。
スプリットホプキンソン棒法による従来の材料試験方法
にあっては、上述したように入力棒aと出力棒bの間に
試験片cを挟持して入力棒aの長さ方向のみの一軸圧縮
を計測するようにしたものであることから、原則として
測定対象となる試験片cは岩石や金属等の高硬度の固形
物に限られていた。
【0007】そのため、主として体積変化によってエネ
ルギーを吸収する材料、例えば、ゼラチン、ゴム,木材
等の柔物質や水等の流動物質の物性の測定に適用するこ
とは極めて困難であった。
ルギーを吸収する材料、例えば、ゼラチン、ゴム,木材
等の柔物質や水等の流動物質の物性の測定に適用するこ
とは極めて困難であった。
【0008】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的はスプ
リットホプキンソン棒法を用いて柔物質に対する圧縮試
験を実施することができる新規な柔物質の高速圧縮試験
方法及びその試験用治具を提供するものである。
解決するために案出されたものであり、その目的はスプ
リットホプキンソン棒法を用いて柔物質に対する圧縮試
験を実施することができる新規な柔物質の高速圧縮試験
方法及びその試験用治具を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、入力棒と出力棒との突き合わせ端面にそれ
ぞれシールゴムを配置すると共にそのシールゴム間に柔
物質からなる試験片を設置した後、上記試験片及びシー
ルゴムを囲繞するように入力棒と出力棒の周囲に試験片
の側方変位を制限するホールドケースを配置し、その
後、スプリットホプキンソン棒法によってその試験片に
高速圧縮力を加えて圧力と体積歪み関係データを測定す
るようにした柔物質の高速圧縮試験方法であり、また、
入力棒と出力棒との突き合わせ端面にそれぞれ設けられ
る一対のシールゴムと、上記試験片とシールゴムの径方
向の変位を制限すべくその試験片とシールゴムの周囲に
設けられるホールドケースとからなる柔物質の高速圧縮
試験用治具を提供するものである。
に本発明は、入力棒と出力棒との突き合わせ端面にそれ
ぞれシールゴムを配置すると共にそのシールゴム間に柔
物質からなる試験片を設置した後、上記試験片及びシー
ルゴムを囲繞するように入力棒と出力棒の周囲に試験片
の側方変位を制限するホールドケースを配置し、その
後、スプリットホプキンソン棒法によってその試験片に
高速圧縮力を加えて圧力と体積歪み関係データを測定す
るようにした柔物質の高速圧縮試験方法であり、また、
入力棒と出力棒との突き合わせ端面にそれぞれ設けられ
る一対のシールゴムと、上記試験片とシールゴムの径方
向の変位を制限すべくその試験片とシールゴムの周囲に
設けられるホールドケースとからなる柔物質の高速圧縮
試験用治具を提供するものである。
【0010】すなわち、試験片の側面を囲繞するように
入力棒と出力棒の周囲にホールドケースを配置すること
で、試験片に対する径方向の変位が制限されて一方向に
だけ圧縮力が加わることとなるため、従来測定が困難で
あった柔物質であってもスプリットホプキンソン棒法に
よる高速圧縮試験を実施することが可能となり、その体
積歪み等のデータを精度良く取得することが可能とな
る。
入力棒と出力棒の周囲にホールドケースを配置すること
で、試験片に対する径方向の変位が制限されて一方向に
だけ圧縮力が加わることとなるため、従来測定が困難で
あった柔物質であってもスプリットホプキンソン棒法に
よる高速圧縮試験を実施することが可能となり、その体
積歪み等のデータを精度良く取得することが可能とな
る。
【0011】また、この高速圧縮試験において、入力棒
と出力棒間に高い圧縮力が加わった際に、それぞれのシ
ールゴムが径方向外方に変形してホールドケース側に強
く押し付けられてその面圧が向上することにより、高い
シール機能(密封性)を発揮するため、例えば、数百M
Paの圧力が加わったとしても柔物質がホールドケース
と入力棒又は出力棒との隙間から漏れ出すことがなくな
り、高精度の計測を行うことができる。
と出力棒間に高い圧縮力が加わった際に、それぞれのシ
ールゴムが径方向外方に変形してホールドケース側に強
く押し付けられてその面圧が向上することにより、高い
シール機能(密封性)を発揮するため、例えば、数百M
Paの圧力が加わったとしても柔物質がホールドケース
と入力棒又は出力棒との隙間から漏れ出すことがなくな
り、高精度の計測を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0013】図1〜図3は本発明治具に係るホールドケ
ース1の実施の一形態を示したものである。
ース1の実施の一形態を示したものである。
【0014】図示するように、このホールドケース1
は、中央部に筒状の貫通孔Hが形成された断面矩形状の
インナーケース2と、このインナーケース2を囲繞する
断面矩形状のアウターケース3とから構成されている。
は、中央部に筒状の貫通孔Hが形成された断面矩形状の
インナーケース2と、このインナーケース2を囲繞する
断面矩形状のアウターケース3とから構成されている。
【0015】このインナーケース2は、クロムモリブデ
ン鋼や工具鋼等の高強度材料から形成されており、図3
に示すように、その貫通孔Hを縦割りする如く中央部か
ら左右に二分割された一対の分割ブロック2a,2aか
ら構成されている。
ン鋼や工具鋼等の高強度材料から形成されており、図3
に示すように、その貫通孔Hを縦割りする如く中央部か
ら左右に二分割された一対の分割ブロック2a,2aか
ら構成されている。
【0016】そして、この分割ブロック2a,2aは、
図2及び図3に示すように貫通孔Hを挟むように一方の
分割ブロック2a側に取り付けられた複数本(本実施の
形態では6本)の締結ボルト4a,4a…を他方の分割
ブロック2a側に形成された複数のボルト孔4b,4b
…にそれぞれ螺合させることによって互いに強固に連結
されるようになっている。尚、この貫通孔Hの内径Lは
後述する入力棒の外径と一致する大きさとなっている。
図2及び図3に示すように貫通孔Hを挟むように一方の
分割ブロック2a側に取り付けられた複数本(本実施の
形態では6本)の締結ボルト4a,4a…を他方の分割
ブロック2a側に形成された複数のボルト孔4b,4b
…にそれぞれ螺合させることによって互いに強固に連結
されるようになっている。尚、この貫通孔Hの内径Lは
後述する入力棒の外径と一致する大きさとなっている。
【0017】一方、このインナーケース2を囲繞するア
ウターケース3も同様に、クロムモリブデン鋼や工具鋼
等の超高強度材料から形成されており、図3に示すよう
に、中央部から上下に二分割された一対の分割ブロック
3a,3aから構成されている。
ウターケース3も同様に、クロムモリブデン鋼や工具鋼
等の超高強度材料から形成されており、図3に示すよう
に、中央部から上下に二分割された一対の分割ブロック
3a,3aから構成されている。
【0018】そして、この分割ブロック3a,3aは図
2及び図3に示すようにインナーケース2を挟むように
一方の分割ブロック3a側に取り付けられた複数本(本
実施の形態では6本)の締結ボルト5a,5a…を他方
の分割ブロック3a側に形成された複数のボルト孔5
b,5b…にそれぞれ螺合させることによって互いに強
固に連結されるようになっている。
2及び図3に示すようにインナーケース2を挟むように
一方の分割ブロック3a側に取り付けられた複数本(本
実施の形態では6本)の締結ボルト5a,5a…を他方
の分割ブロック3a側に形成された複数のボルト孔5
b,5b…にそれぞれ螺合させることによって互いに強
固に連結されるようになっている。
【0019】また、図1及び図3に示すように、このイ
ンナーケース2及びアウターケース3にはこれらを貫通
孔H側から水平に貫通するように空気抜き孔6が形成さ
れており、これに螺合するシールボルト7によって適宜
開口,封止されるようになっている。
ンナーケース2及びアウターケース3にはこれらを貫通
孔H側から水平に貫通するように空気抜き孔6が形成さ
れており、これに螺合するシールボルト7によって適宜
開口,封止されるようになっている。
【0020】尚、これらインナーケース2及びアウター
ケース3を構成する各分割ブロック2a,2a,3a,
3aの結合面には段部8,8,8,8がそれぞれ形成さ
れており、両者を組み合わせたときにその結合面がずれ
ないように精度良く結合されるようになっている。
ケース3を構成する各分割ブロック2a,2a,3a,
3aの結合面には段部8,8,8,8がそれぞれ形成さ
れており、両者を組み合わせたときにその結合面がずれ
ないように精度良く結合されるようになっている。
【0021】次に、本発明治具を用いた圧縮試験方法の
一例を説明する。
一例を説明する。
【0022】先ず、図4に示すように、スプリットホプ
キンソン棒法で用いられる断面円形の入力棒aと出力棒
bの間に柔物質の一つであるゼラチンからなる試験片9
を位置させると共に、入力棒aと出力棒bの各突き合わ
せ面に位置する一対のシールゴム10,10を介してこ
の試験片9を上下又は左右に挟持する。
キンソン棒法で用いられる断面円形の入力棒aと出力棒
bの間に柔物質の一つであるゼラチンからなる試験片9
を位置させると共に、入力棒aと出力棒bの各突き合わ
せ面に位置する一対のシールゴム10,10を介してこ
の試験片9を上下又は左右に挟持する。
【0023】このシールゴム10,10は、H90ウレ
タン等の高硬度ウレタンゴムから形成されており、その
形状は入力棒a及び出力棒bと同径をした厚肉の円板状
に形成されている。一方、試験片9となるゼラチンもそ
の形状が入力棒a及び出力棒bと同径をした筒状に形成
されており、また、入力棒aと出力棒bとの間に設置す
る際に流出してしまわない程度にその形状を維持する程
度の粘性を有している。
タン等の高硬度ウレタンゴムから形成されており、その
形状は入力棒a及び出力棒bと同径をした厚肉の円板状
に形成されている。一方、試験片9となるゼラチンもそ
の形状が入力棒a及び出力棒bと同径をした筒状に形成
されており、また、入力棒aと出力棒bとの間に設置す
る際に流出してしまわない程度にその形状を維持する程
度の粘性を有している。
【0024】次に、このようにしてシールゴム10,1
0及び試験片9を入力棒aと出力棒bとの間に設置した
ならば、図3及び図4に示すように、先ず、シールゴム
10,10及び試験片9の側面を囲繞するようにインナ
ーケース2を組み立ててシールゴム10,10及び試験
片9を密封した後、さらに、このインナーケース2の外
側にアウターケース3を組み立てて外側からインナーケ
ース2を押さえ付けるようにする。尚、このホールドケ
ース1を組み立てるに際して、空気などが混入した場合
には、これを組み立てた後、シールボルト7を外して空
気抜き孔6から適宜混入した空気を抜き出すことができ
る。
0及び試験片9を入力棒aと出力棒bとの間に設置した
ならば、図3及び図4に示すように、先ず、シールゴム
10,10及び試験片9の側面を囲繞するようにインナ
ーケース2を組み立ててシールゴム10,10及び試験
片9を密封した後、さらに、このインナーケース2の外
側にアウターケース3を組み立てて外側からインナーケ
ース2を押さえ付けるようにする。尚、このホールドケ
ース1を組み立てるに際して、空気などが混入した場合
には、これを組み立てた後、シールボルト7を外して空
気抜き孔6から適宜混入した空気を抜き出すことができ
る。
【0025】そして、このようにして柔物質からなる試
験片9及びシールゴム10,10、ホールドケース1を
セットした後、従来のスプリットホプキンソン棒法によ
り図示しない打撃棒によって入力棒a側に、数百MPa
程度迄を徐々に衝撃を加えて試験片9に対して圧縮試験
を行うことで、例えば、試験片9の圧力と体積歪みや関
係等のデータを取得することができる。
験片9及びシールゴム10,10、ホールドケース1を
セットした後、従来のスプリットホプキンソン棒法によ
り図示しない打撃棒によって入力棒a側に、数百MPa
程度迄を徐々に衝撃を加えて試験片9に対して圧縮試験
を行うことで、例えば、試験片9の圧力と体積歪みや関
係等のデータを取得することができる。
【0026】この時、図5に示すように、試験片9は高
速の圧縮力によって径方向外方に変位しようとするが、
上述したように試験片9の側面にはクロムモリブデン鋼
等の高強度のホールドケース1によって塞がれ、その側
方変位が完全に拘束されているため、試験片9の応力は
入力棒aの長さ方向のほぼ完全な一軸圧縮力となる。
速の圧縮力によって径方向外方に変位しようとするが、
上述したように試験片9の側面にはクロムモリブデン鋼
等の高強度のホールドケース1によって塞がれ、その側
方変位が完全に拘束されているため、試験片9の応力は
入力棒aの長さ方向のほぼ完全な一軸圧縮力となる。
【0027】従って、本発明装置を用いれば従来では困
難であったゼラチン等の柔物質の歪みや歪み速度等のデ
ータをスプリットホプキンソン棒法により精度良くかつ
確実に取得することができる。
難であったゼラチン等の柔物質の歪みや歪み速度等のデ
ータをスプリットホプキンソン棒法により精度良くかつ
確実に取得することができる。
【0028】また、この圧縮試験時において、試験片9
を構成するゼラチンの一部がホールドケース1の貫通孔
Hと入力棒a及び出力棒bとの僅かな隙間から流出しよ
うとするが、試験片9に高い圧縮力が加わると同時にシ
ールゴム10,10にも同様な圧縮力が加わり、これらがそ
れぞれ径方向外方に膨張してホールドケース1の貫通孔
H側に強く押し付けられることにより、密閉性が高まっ
てその隙間からの流出を防止することになる。また、こ
のシール機能は圧縮力に比例して大きくなることから、
試験片9に数百MPa以上の圧力が加わっても簡単に流
出してしまうようなことがなくなり、優れたシール機能
を発揮することができる。
を構成するゼラチンの一部がホールドケース1の貫通孔
Hと入力棒a及び出力棒bとの僅かな隙間から流出しよ
うとするが、試験片9に高い圧縮力が加わると同時にシ
ールゴム10,10にも同様な圧縮力が加わり、これらがそ
れぞれ径方向外方に膨張してホールドケース1の貫通孔
H側に強く押し付けられることにより、密閉性が高まっ
てその隙間からの流出を防止することになる。また、こ
のシール機能は圧縮力に比例して大きくなることから、
試験片9に数百MPa以上の圧力が加わっても簡単に流
出してしまうようなことがなくなり、優れたシール機能
を発揮することができる。
【0029】ここで、シールゴム10としてH90ウレタ
ン等の高硬度ウレタンゴムを用いたのは、以下に示す理
由による。
ン等の高硬度ウレタンゴムを用いたのは、以下に示す理
由による。
【0030】すなわち、柔物質の圧縮試験では高精度の
データを得るために試験片9周りの密閉性の確保が重要
となるが、通常のシール部材であるOリングではその耐
圧性能が静的な負荷に対してのみ仕様に示され、その値
が数十MPa程度であり、本試験で実現する数百MPa
の圧力に耐えられないと予想され、また、それらの使用
により構造が複雑となる。
データを得るために試験片9周りの密閉性の確保が重要
となるが、通常のシール部材であるOリングではその耐
圧性能が静的な負荷に対してのみ仕様に示され、その値
が数十MPa程度であり、本試験で実現する数百MPa
の圧力に耐えられないと予想され、また、それらの使用
により構造が複雑となる。
【0031】そこで本発明者らは上述したように圧縮力
に比例してシール機能が向上するシールゴムを採用する
こととなったが、その材質の選定にあたって硬さの異な
る3種のゴムを用いた圧縮試験を行った結果、高硬度ウ
レタンゴムの一つであるH90ウレタンが最も優れたシ
ール性能を発揮したことから、これを本発明装置のシー
ルゴムとして採用するに至った。
に比例してシール機能が向上するシールゴムを採用する
こととなったが、その材質の選定にあたって硬さの異な
る3種のゴムを用いた圧縮試験を行った結果、高硬度ウ
レタンゴムの一つであるH90ウレタンが最も優れたシ
ール性能を発揮したことから、これを本発明装置のシー
ルゴムとして採用するに至った。
【0032】尚、打撃棒の衝突速度が大きくなると、完
全なシールが困難になり、ある程度の流出が生じる場合
が考えられるが、流出は圧力がかなり大きくなってから
生ずるものであると考え、最終的に流出が生じてもそれ
までのデータ、すなわち、得られた圧力−体積歪み関係
において流出による圧力低下などの乱れが認められない
領域のデータは有効であるため、充分実用に耐えられ
る。また、シールゴムの周囲には潤滑剤を塗布してホー
ルドケースとの間の摩擦力を低減するようにしても良
く、また、歪みの計測は入力棒aの2点と出力棒bの2
点、合計4断面において行うようにしても良い。
全なシールが困難になり、ある程度の流出が生じる場合
が考えられるが、流出は圧力がかなり大きくなってから
生ずるものであると考え、最終的に流出が生じてもそれ
までのデータ、すなわち、得られた圧力−体積歪み関係
において流出による圧力低下などの乱れが認められない
領域のデータは有効であるため、充分実用に耐えられ
る。また、シールゴムの周囲には潤滑剤を塗布してホー
ルドケースとの間の摩擦力を低減するようにしても良
く、また、歪みの計測は入力棒aの2点と出力棒bの2
点、合計4断面において行うようにしても良い。
【0033】次に、本発明装置を用いた場合の柔物質の
計測・解析システムは、通常のスプリットホプキンソン
棒法の計測・解析システムをそのまま利用することがで
きるが、得られるデータはシールゴム10,10と柔物
質との複合体のデータである点に注意する必要がある。
計測・解析システムは、通常のスプリットホプキンソン
棒法の計測・解析システムをそのまま利用することがで
きるが、得られるデータはシールゴム10,10と柔物
質との複合体のデータである点に注意する必要がある。
【0034】すなわち、閉空間内における柔物質の高速
圧縮試験では、圧力と体積歪み速度及び体積歪みの関係
を求めるが、その関係式は従来の硬物質の一軸圧縮試験
の場合と全く同じとなる。しかしながら、本発明の場合
では試験片である柔物質と入力棒a及び出力棒bとの間
にシールゴム10,10が設置されるため、直接柔物質
のデータを得ることができず、これらは複合体として平
均圧力や体積歪みとなる。そのため、さらに柔物質単体
のデータに変換する処理が必要となってくる。
圧縮試験では、圧力と体積歪み速度及び体積歪みの関係
を求めるが、その関係式は従来の硬物質の一軸圧縮試験
の場合と全く同じとなる。しかしながら、本発明の場合
では試験片である柔物質と入力棒a及び出力棒bとの間
にシールゴム10,10が設置されるため、直接柔物質
のデータを得ることができず、これらは複合体として平
均圧力や体積歪みとなる。そのため、さらに柔物質単体
のデータに変換する処理が必要となってくる。
【0035】そこで、図6の解析フローに示すように、
シールゴム10,10単体の圧縮試験を行ってその圧力
−体積歪み関係を求めた後、このシールゴム10,10
を用いた複合体(柔物質+シールゴム)の圧縮試験を行
ってその圧力−体積歪み関係を求め、その後複合体の圧
力−体積歪み関係からシールゴム10,10単体の圧力
−体積歪み関係を差し引くことで柔物質単体の圧力−体
積歪み関係を知ることができる。
シールゴム10,10単体の圧縮試験を行ってその圧力
−体積歪み関係を求めた後、このシールゴム10,10
を用いた複合体(柔物質+シールゴム)の圧縮試験を行
ってその圧力−体積歪み関係を求め、その後複合体の圧
力−体積歪み関係からシールゴム10,10単体の圧力
−体積歪み関係を差し引くことで柔物質単体の圧力−体
積歪み関係を知ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下に示
すような優れた効果を発揮することができる。
すような優れた効果を発揮することができる。
【0037】先ず、入力棒と出力棒間の周囲に高強度
のホールドケースを備えることにより、試験片の側方変
位を確実に防止することができる。
のホールドケースを備えることにより、試験片の側方変
位を確実に防止することができる。
【0038】次に、入力棒と出力棒の各突き合わせ端
面に高硬度ウレタンゴムからなるシールゴムを設けたた
め、数百MPaの高速の圧縮力が加わっても試験片とな
る柔物質の流出を確実に防止することができる。
面に高硬度ウレタンゴムからなるシールゴムを設けたた
め、数百MPaの高速の圧縮力が加わっても試験片とな
る柔物質の流出を確実に防止することができる。
【0039】そのため、従来困難であったゼラチン等
の柔物質に対してスプリットホプキンソン棒法による高
速圧縮試験を容易かつ確実に実施することができる。
の柔物質に対してスプリットホプキンソン棒法による高
速圧縮試験を容易かつ確実に実施することができる。
【0040】この結果、柔物質の物性を知るための圧
力−体積歪み関係データ等を正確に取得することができ
る。
力−体積歪み関係データ等を正確に取得することができ
る。
【0041】また、本発明装置は従来のスプリットホ
プキンソン棒法を用いた材料試験装置を改良することな
くそのまま簡単に適用することができるため、優れた経
済性及び汎用性を発揮することができる。
プキンソン棒法を用いた材料試験装置を改良することな
くそのまま簡単に適用することができるため、優れた経
済性及び汎用性を発揮することができる。
【図1】本発明に係るホールドケースの実施の一形態を
示す平面図である。
示す平面図である。
【図2】本発明に係るホールドケースの実施の一形態を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図3】本発明に係るホールドケースの実施の一形態を
示す分解図である。
示す分解図である。
【図4】本発明方法の実施の一形態を示す縦断面図であ
る。
る。
【図5】図4中A部拡大図である。
【図6】本発明方法の実施の一形態を示す解析フローで
ある。
ある。
【図7】従来のスプリットホプキンソン棒法による材料
圧縮試験方法を示す概略図である。
圧縮試験方法を示す概略図である。
1 ホールドケース 2 インナーケース 3 アウターケース 9 試験片 10 シールゴム a 入力棒 b 出力棒
フロントページの続き (72)発明者 白井 孝治 千葉県我孫子市我孫子1646 財団法人 電 力中央研究所 我孫子研究所内 (72)発明者 實 晃司 千葉県我孫子市我孫子1646 財団法人 電 力中央研究所 我孫子研究所内 Fターム(参考) 2G061 AA02 AB04 AB10 CA10 CA13 CC01 DA05 EA04 EA05 EC06
Claims (4)
- 【請求項1】 入力棒と出力棒との突き合わせ端面にそ
れぞれシールゴムを配置すると共にそのシールゴム間に
柔物質からなる試験片を設置した後、上記試験片及びシ
ールゴムを囲繞するように入力棒と出力棒の周囲に試験
片の側方変位を制限するホールドケースを配置し、その
後、スプリットホプキンソン棒法によってその試験片に
高速圧縮力を加えて圧力と体積歪み関係データを測定す
るようにしたことを特徴とする柔物質の高速圧縮試験方
法。 - 【請求項2】 直線上に位置する入力棒と出力棒との突
き合わせ端面にそれぞれ設けられる一対のシールゴム
と、上記試験片とシールゴムの径方向の変位を制限すべ
くその試験片とシールゴムの周囲に設けられるホールド
ケースとからなることを特徴とする柔物質の高速圧縮試
験用治具。 - 【請求項3】 上記シールゴムは、高硬度ウレタンゴム
からなることを特徴とする請求項2に記載の柔物質の高
速圧縮試験用治具。 - 【請求項4】 上記ホールドケースは、上記試験片の径
方向に二分割可能なインナーケースと、このインナーケ
ースを囲繞すると共にその分割方向と直交する方向に二
分割可能なアウターケースとからなることを特徴とする
請求項2又は3に記載の柔物質の高速圧縮試験用治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10210992A JP2000046707A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 柔物質の高速圧縮試験方法及びその試験用治具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10210992A JP2000046707A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 柔物質の高速圧縮試験方法及びその試験用治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000046707A true JP2000046707A (ja) | 2000-02-18 |
Family
ID=16598542
Family Applications (1)
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JP10210992A Pending JP2000046707A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 柔物質の高速圧縮試験方法及びその試験用治具 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2000046707A (ja) |
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