JP2000035105A - 動力伝達部材とその表面処理法および写真処理装置 - Google Patents
動力伝達部材とその表面処理法および写真処理装置Info
- Publication number
- JP2000035105A JP2000035105A JP20245398A JP20245398A JP2000035105A JP 2000035105 A JP2000035105 A JP 2000035105A JP 20245398 A JP20245398 A JP 20245398A JP 20245398 A JP20245398 A JP 20245398A JP 2000035105 A JP2000035105 A JP 2000035105A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molybdenum
- power transmission
- transmission member
- coating
- steel material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H57/00—General details of gearing
- F16H57/04—Features relating to lubrication or cooling or heating
- F16H57/041—Coatings or solid lubricants, e.g. antiseize layers or pastes
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Gears, Cams (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐用年数を延長可能で、長年にわたってグリ
ースを塗布する必要がない、保守点検の手間を実質的に
無くすことができる動力伝達部材、及びその表面処理法
ならびに写真処理装置を提供する。 【解決手段】 炭素鋼材からなる互いに噛合もしくは摺
動可能な部材であって、予め焼入れされた表面にモリブ
デン系コーティングがされたものどうしの組み合わせで
ある動力伝達部材とその表面処理法とこれを用いた写真
処理装置。
ースを塗布する必要がない、保守点検の手間を実質的に
無くすことができる動力伝達部材、及びその表面処理法
ならびに写真処理装置を提供する。 【解決手段】 炭素鋼材からなる互いに噛合もしくは摺
動可能な部材であって、予め焼入れされた表面にモリブ
デン系コーティングがされたものどうしの組み合わせで
ある動力伝達部材とその表面処理法とこれを用いた写真
処理装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝達部材とその
表面処理法および写真処理装置に関し、詳しくは、耐磨
耗性が改良されたウォームギアとギアホィール、ギアと
ギアのような互いに噛合もしくは摺動する部材の組み合
わせからなる動力伝達部材とその表面処理法および前記
動力伝達部材を用いた写真処理装置に関する。
表面処理法および写真処理装置に関し、詳しくは、耐磨
耗性が改良されたウォームギアとギアホィール、ギアと
ギアのような互いに噛合もしくは摺動する部材の組み合
わせからなる動力伝達部材とその表面処理法および前記
動力伝達部材を用いた写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種装置の機械駆動部には、動力伝達手
段としてウォームギアとウォームホィールの組み合わ
せ、あるいはギアとギアの組み合わせ等が多用されてい
るが、より過酷な条件での使用あるいは使用頻度の高ま
りに伴い、その耐用年数はより長いものが要求されるよ
うになっている。従来、これら摺動部材どうしの耐磨耗
性を高めるために、各部材の硬度を高める表面処理、例
えば焼入れ処理や硬質クロームメッキを施したり、ある
いは一方の部材と他方の部材との硬度に差を設けて(例
えばウォームギアよりウォームホィールの硬度を幾分低
い材料から構成する)、相対的に重要性の低い部材を早
く損傷する部材と決めておき装置全体を保護するといっ
た工夫がなされていた。
段としてウォームギアとウォームホィールの組み合わ
せ、あるいはギアとギアの組み合わせ等が多用されてい
るが、より過酷な条件での使用あるいは使用頻度の高ま
りに伴い、その耐用年数はより長いものが要求されるよ
うになっている。従来、これら摺動部材どうしの耐磨耗
性を高めるために、各部材の硬度を高める表面処理、例
えば焼入れ処理や硬質クロームメッキを施したり、ある
いは一方の部材と他方の部材との硬度に差を設けて(例
えばウォームギアよりウォームホィールの硬度を幾分低
い材料から構成する)、相対的に重要性の低い部材を早
く損傷する部材と決めておき装置全体を保護するといっ
た工夫がなされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では使用条件の過酷な部分に対しては、未だ十分
ではなく、特に比較的細径のウォームギアを用いるよう
な場合、グリース切れが生じると、歯面が磨耗し、駆動
伝達しなくなるというトラブルが生じていた。そこで、
ウォームギア及びウォームホィールの歯部には、グリー
スの塗布を欠かすことができず、定期的あるいは不定期
的に頻繁に点検をすると共に、グリースが切れている場
合にはグリースの塗布をする等、点検およびグリース塗
布に手間がかかっていた。しかも、写真焼付装置や自動
現像装置などの写真処理装置では、内部を暗室状態に維
持する必要性あるいは回動部材への安全性から、回動部
材はカバーで覆われており、カバーの取り外し作業が加
わるため、点検およびグリース塗布は時間がかかり面倒
であった。もとより点検を忘れたり、グリース切れに気
がつかなかった場合には、噛み合わせ部分が損傷して駆
動を停止する等のトラブルが発生し、稼働率の低下や生
産性の低下をもたらしていた。
来技術では使用条件の過酷な部分に対しては、未だ十分
ではなく、特に比較的細径のウォームギアを用いるよう
な場合、グリース切れが生じると、歯面が磨耗し、駆動
伝達しなくなるというトラブルが生じていた。そこで、
ウォームギア及びウォームホィールの歯部には、グリー
スの塗布を欠かすことができず、定期的あるいは不定期
的に頻繁に点検をすると共に、グリースが切れている場
合にはグリースの塗布をする等、点検およびグリース塗
布に手間がかかっていた。しかも、写真焼付装置や自動
現像装置などの写真処理装置では、内部を暗室状態に維
持する必要性あるいは回動部材への安全性から、回動部
材はカバーで覆われており、カバーの取り外し作業が加
わるため、点検およびグリース塗布は時間がかかり面倒
であった。もとより点検を忘れたり、グリース切れに気
がつかなかった場合には、噛み合わせ部分が損傷して駆
動を停止する等のトラブルが発生し、稼働率の低下や生
産性の低下をもたらしていた。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
有する問題点を解消し、噛合もしくは摺動部材の耐用年
数を延長可能で、長年にわたってグリースを塗布する必
要がない、保守点検の手間を実質的に無くすことができ
る動力伝達部材、及びその表面処理法ならびに前記動力
伝達部材を用いた写真処理装置を提供することにある。
有する問題点を解消し、噛合もしくは摺動部材の耐用年
数を延長可能で、長年にわたってグリースを塗布する必
要がない、保守点検の手間を実質的に無くすことができ
る動力伝達部材、及びその表面処理法ならびに前記動力
伝達部材を用いた写真処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項記載の
発明により達成される。即ち、本発明に係る動力伝達部
材の特徴構成は、炭素鋼材からなる互いに噛合もしくは
摺動可能な部材であって、予め焼入れされた表面にモリ
ブデン系コーティングがされたものどうしの組み合わせ
であることにある。このように構成されていると、ウォ
ームギアとギアホィール、ギアとギアのような噛合もし
くは摺動する部材どうしの硬度が高いことによる耐磨耗
性の向上に加えて、表面に形成されているモリブデン系
コーティング層が潤滑作用を発揮するので運転開始前に
グリースを塗布しておけば、長年にわたってグリースを
塗布し続ける必要がなく、従って定期あるいは不定期に
保守点検する手間を省くことができる。このように本発
明によれば、保守点検の手間を実質的に無くすことがで
き、稼働率を高く維持できる動力伝達部材を提供でき
た。
発明により達成される。即ち、本発明に係る動力伝達部
材の特徴構成は、炭素鋼材からなる互いに噛合もしくは
摺動可能な部材であって、予め焼入れされた表面にモリ
ブデン系コーティングがされたものどうしの組み合わせ
であることにある。このように構成されていると、ウォ
ームギアとギアホィール、ギアとギアのような噛合もし
くは摺動する部材どうしの硬度が高いことによる耐磨耗
性の向上に加えて、表面に形成されているモリブデン系
コーティング層が潤滑作用を発揮するので運転開始前に
グリースを塗布しておけば、長年にわたってグリースを
塗布し続ける必要がなく、従って定期あるいは不定期に
保守点検する手間を省くことができる。このように本発
明によれば、保守点検の手間を実質的に無くすことがで
き、稼働率を高く維持できる動力伝達部材を提供でき
た。
【0006】前記モリブデン系コーティングが、二硫化
モリブデン粉末と溶剤との混合物を溶射してコーティン
グされたものであることが好ましい。このように構成さ
れていると、短時間に密着性の良い比較的厚いコーティ
ング層を形成できる。溶剤は、二硫化モリブデン粉末と
反応せず、均一分散できるものであれば良く、各種アル
コール系溶剤などを使用できる。溶剤の量も、モリブデ
ン系コーティング層の厚みを確保できるものであれば適
宜選択することが可能である。更に、分散剤、沈降防止
剤などの各種添加剤を適宜加えてもよい。
モリブデン粉末と溶剤との混合物を溶射してコーティン
グされたものであることが好ましい。このように構成さ
れていると、短時間に密着性の良い比較的厚いコーティ
ング層を形成できる。溶剤は、二硫化モリブデン粉末と
反応せず、均一分散できるものであれば良く、各種アル
コール系溶剤などを使用できる。溶剤の量も、モリブデ
ン系コーティング層の厚みを確保できるものであれば適
宜選択することが可能である。更に、分散剤、沈降防止
剤などの各種添加剤を適宜加えてもよい。
【0007】前記炭素鋼材の表面平均粗さが、2.0μ
m以下であることが好ましい。このようにすることによ
って、鋼材表面のモリブデン系コーティングによる潤滑
作用が一層効果的に作用し、運転開始当初にグリース塗
布するだけで、以後の連続駆動に対して円滑な駆動を実
現できる。尚、より好ましくは前記炭素鋼材の表面平均
粗さが1.6μm以下である。
m以下であることが好ましい。このようにすることによ
って、鋼材表面のモリブデン系コーティングによる潤滑
作用が一層効果的に作用し、運転開始当初にグリース塗
布するだけで、以後の連続駆動に対して円滑な駆動を実
現できる。尚、より好ましくは前記炭素鋼材の表面平均
粗さが1.6μm以下である。
【0008】前記二硫化モリブデンのコーティング層が
5〜20μmの厚みであることが好ましい。このコーテ
ィング層が5μm未満であると潤滑効果が少なく、コー
ティング層が20μmを越えても厚みの割に効果の増加
が乏しい。比較的細径の噛合もしくは摺動部材である場
合には、このコーティング層の厚みは5μm以上10μ
m未満であることが好ましい。
5〜20μmの厚みであることが好ましい。このコーテ
ィング層が5μm未満であると潤滑効果が少なく、コー
ティング層が20μmを越えても厚みの割に効果の増加
が乏しい。比較的細径の噛合もしくは摺動部材である場
合には、このコーティング層の厚みは5μm以上10μ
m未満であることが好ましい。
【0009】又、モリブデン系コーティングを行う前の
鋼材の表面硬度としては、HRC(ロックウエル硬度Cス
ケール)が45以上であることが好ましく、50以上で
あることがより好ましく、55以上であることが最も好
ましい。このように表面硬度を高くすると、互いに噛合
もしくは摺動する動力伝達部材どうしの耐磨耗性を高く
でき、たとえ細径の噛合もしくは摺動部材どうしであっ
ても、モリブデン系コーティングの潤滑作用と相まって
耐用年数をそれだけ長くすることができる。
鋼材の表面硬度としては、HRC(ロックウエル硬度Cス
ケール)が45以上であることが好ましく、50以上で
あることがより好ましく、55以上であることが最も好
ましい。このように表面硬度を高くすると、互いに噛合
もしくは摺動する動力伝達部材どうしの耐磨耗性を高く
でき、たとえ細径の噛合もしくは摺動部材どうしであっ
ても、モリブデン系コーティングの潤滑作用と相まって
耐用年数をそれだけ長くすることができる。
【0010】本発明に係る動力伝達部材の表面処理法の
特徴構成は、炭素鋼材から所定部材に製造し、その表面
平均粗さ2.0μm以下に仕上げ、次いで焼入れ処理を
した後、モリブデン系コーティングをすることにある。
このように構成されていると、耐磨耗性の高い動力伝達
部材の表面に形成されているモリブデン系コーティング
層が潤滑作用を効果的に発揮するので、運転開始前にグ
リースを塗布しておけば、長年にわたってグリースを塗
布し続ける必要がなく、従って定期あるいは不定期に保
守点検する手間を省くことができる。このように本発明
によれば、保守点検の手間を実質的に無くすことがで
き、稼働率を高く維持できる動力伝達部材の表面処理法
を提供できた。
特徴構成は、炭素鋼材から所定部材に製造し、その表面
平均粗さ2.0μm以下に仕上げ、次いで焼入れ処理を
した後、モリブデン系コーティングをすることにある。
このように構成されていると、耐磨耗性の高い動力伝達
部材の表面に形成されているモリブデン系コーティング
層が潤滑作用を効果的に発揮するので、運転開始前にグ
リースを塗布しておけば、長年にわたってグリースを塗
布し続ける必要がなく、従って定期あるいは不定期に保
守点検する手間を省くことができる。このように本発明
によれば、保守点検の手間を実質的に無くすことがで
き、稼働率を高く維持できる動力伝達部材の表面処理法
を提供できた。
【0011】前記焼入れが高周波焼き入れであり、前記
モリブデン系コーティングが二硫化モリブデン粉末と溶
剤とを溶射してコーティングすることが好ましい。この
ように構成されていると、動力伝達部材表面に薄くて硬
度の高い層を短時間に形成でき、生産性の高い処理を可
能にすると共に、溶射法によるので比較的短時間に均一
で固着力の強い所定厚みのモリブデン系コーティング層
を形成できる。
モリブデン系コーティングが二硫化モリブデン粉末と溶
剤とを溶射してコーティングすることが好ましい。この
ように構成されていると、動力伝達部材表面に薄くて硬
度の高い層を短時間に形成でき、生産性の高い処理を可
能にすると共に、溶射法によるので比較的短時間に均一
で固着力の強い所定厚みのモリブデン系コーティング層
を形成できる。
【0012】更に、本発明に係る写真処理装置の特徴構
成は、上記した動力伝達部材を用いたことにある。この
ように構成されていると、噛合もしくは摺動部材の耐用
年数を延長可能で、長年にわたってグリースを塗布する
必要がない、保守点検の手間を実質的に無くすことがで
きる使い勝手な写真処理装置を提供できた。
成は、上記した動力伝達部材を用いたことにある。この
ように構成されていると、噛合もしくは摺動部材の耐用
年数を延長可能で、長年にわたってグリースを塗布する
必要がない、保守点検の手間を実質的に無くすことがで
きる使い勝手な写真処理装置を提供できた。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。尚、本実施形態では、写真処理装置に用
いられる噛合もしくは摺動部材の組み合わせとしてウォ
ームギア及びウォームホィールを例として説明する。こ
のウォームギア及びウォームホィールは、具体的には写
真処理装置のネガキャリアの昇降部分などに用いられて
いる。
細に説明する。尚、本実施形態では、写真処理装置に用
いられる噛合もしくは摺動部材の組み合わせとしてウォ
ームギア及びウォームホィールを例として説明する。こ
のウォームギア及びウォームホィールは、具体的には写
真処理装置のネガキャリアの昇降部分などに用いられて
いる。
【0014】
【実施例】ウォームギア及びウォームホィールの組合わ
せに関する下記の実施例および比較例について、実際に
写真処理装置に組み込まれて駆動するのと同様に噛合・
摺動させ、その耐用年数を測定した。この耐用年数は、
ネガキャリアに用いた場合の移動距離を、1日当たり4
0回昇降するとして換算し求めたものである。稼働始め
る際に、グリースを両部材に塗布し、その後グリース切
れを起こして稼働を停止するまで試験を行い、夫々耐用
年数を比較した。その結果を、表1に示す。
せに関する下記の実施例および比較例について、実際に
写真処理装置に組み込まれて駆動するのと同様に噛合・
摺動させ、その耐用年数を測定した。この耐用年数は、
ネガキャリアに用いた場合の移動距離を、1日当たり4
0回昇降するとして換算し求めたものである。稼働始め
る際に、グリースを両部材に塗布し、その後グリース切
れを起こして稼働を停止するまで試験を行い、夫々耐用
年数を比較した。その結果を、表1に示す。
【0015】〔実施例1〕ウォームギア及びウォームホ
ィール用の鋼材として、JIS S45C鋼材を採用し
た。ウォームギア及びウォームホィールをこの鋼材から
加工して製造した。これらウォームギア及びウォームホ
ィールの表面を、表面平均粗さ1.6μm以下に仕上げ
てから、これらを高周波焼入れし、その表面硬度をHRC
=55とした。その後、二硫化モリブデン粉末を溶剤と
共に溶射し、後150℃で30分加熱して溶剤を揮発さ
せた。
ィール用の鋼材として、JIS S45C鋼材を採用し
た。ウォームギア及びウォームホィールをこの鋼材から
加工して製造した。これらウォームギア及びウォームホ
ィールの表面を、表面平均粗さ1.6μm以下に仕上げ
てから、これらを高周波焼入れし、その表面硬度をHRC
=55とした。その後、二硫化モリブデン粉末を溶剤と
共に溶射し、後150℃で30分加熱して溶剤を揮発さ
せた。
【0016】〔実施例2〕ウォームギアとして、JIS
SCM415鋼材を用い、ウォームホィール用の鋼材
として、JIS S45C鋼材を採用した。これらウォ
ームギア及びウォームホィールの表面を、表面平均粗さ
2.0μm以下に仕上げてから、ウォームギアを浸炭焼
入れすると共に、ウォームホィールは高周波焼入れし
た。その後、二硫化モリブデン粉末を溶剤と共に溶射
し、後150℃で30分加熱した。
SCM415鋼材を用い、ウォームホィール用の鋼材
として、JIS S45C鋼材を採用した。これらウォ
ームギア及びウォームホィールの表面を、表面平均粗さ
2.0μm以下に仕上げてから、ウォームギアを浸炭焼
入れすると共に、ウォームホィールは高周波焼入れし
た。その後、二硫化モリブデン粉末を溶剤と共に溶射
し、後150℃で30分加熱した。
【0017】〔比較例1〕ウォームギア及びウォームホ
ィール用の鋼材として、JIS S45C鋼材を用い
た。ウォームギア及びウォームホィールをこの鋼材から
加工して製造した後、ウォームギアについて高周波焼入
れし、その表面硬度をHRC=55とした後、その表面に
硬質クロムメッキを施した。ウォームホィールについて
は、焼き入れすることなく、その表面に硬質クロムメッ
キを施した。尚、ウォームギア及びウォームホィールの
表面粗さについては特に仕上げをしなかったため、平均
粗さは6.3μm程度であった。
ィール用の鋼材として、JIS S45C鋼材を用い
た。ウォームギア及びウォームホィールをこの鋼材から
加工して製造した後、ウォームギアについて高周波焼入
れし、その表面硬度をHRC=55とした後、その表面に
硬質クロムメッキを施した。ウォームホィールについて
は、焼き入れすることなく、その表面に硬質クロムメッ
キを施した。尚、ウォームギア及びウォームホィールの
表面粗さについては特に仕上げをしなかったため、平均
粗さは6.3μm程度であった。
【0018】〔比較例2〕ウォームギア用の鋼材とし
て、JIS S45C鋼材を用いると共に、ウォームホ
ィールとしてはりん青銅を用いた。ウォームギア及びウ
ォームホィールをこの鋼材から加工して製造した後、ウ
ォームギアについて高周波焼入れし、その表面硬度をH
RC=55とした。比較例1と同様に、ウォームギア及び
ウォームホィールの表面粗さについては特に仕上げをし
ていない。
て、JIS S45C鋼材を用いると共に、ウォームホ
ィールとしてはりん青銅を用いた。ウォームギア及びウ
ォームホィールをこの鋼材から加工して製造した後、ウ
ォームギアについて高周波焼入れし、その表面硬度をH
RC=55とした。比較例1と同様に、ウォームギア及び
ウォームホィールの表面粗さについては特に仕上げをし
ていない。
【0019】〔比較例3〕ウォームギアとして、JIS
SCM415鋼材を用いると共に、ウォームホィール
用のりん青銅鋳物を用いた。ウォームギアについて高周
波焼入れし、その表面硬度をHRC=55とした。比較例
1と同様に、ウォームギア及びウォームホィールの表面
粗さについては特に仕上げをしていない。
SCM415鋼材を用いると共に、ウォームホィール
用のりん青銅鋳物を用いた。ウォームギアについて高周
波焼入れし、その表面硬度をHRC=55とした。比較例
1と同様に、ウォームギア及びウォームホィールの表面
粗さについては特に仕上げをしていない。
【0020】
【表1】 表1に示すように、実施例1及実施例2については、十
分な耐用年数が得られたが、比較例1〜3はいずれも、
短い耐用年数で昇降動作を停止した。特に、実施例1の
場合、鋼材どうしを従来の常識とは異なり同一材質の鋼
材の組み合わせとしたものであるが、かえって良好な結
果が得られた。
分な耐用年数が得られたが、比較例1〜3はいずれも、
短い耐用年数で昇降動作を停止した。特に、実施例1の
場合、鋼材どうしを従来の常識とは異なり同一材質の鋼
材の組み合わせとしたものであるが、かえって良好な結
果が得られた。
【0021】〔別実施の形態〕 (1) 本発明は、上記実施形態に示したウォームギア及
びウォームホィールの組み合わせ以外に、ギアどうしの
組み合わせにも適用でき、軸受け部材にも適用できる。
要は、噛合もしくは摺動部材どうしの双方の部材に適用
できる。
びウォームホィールの組み合わせ以外に、ギアどうしの
組み合わせにも適用でき、軸受け部材にも適用できる。
要は、噛合もしくは摺動部材どうしの双方の部材に適用
できる。
【0022】(2) 上記実施例では、鋼材としてJIS
S45C、JIS SCM415を用いた例について
説明したが、鋼材としてはこれに限定されるものではな
く、所定の表面硬度を有するものであれば、使用可能で
ある。
S45C、JIS SCM415を用いた例について
説明したが、鋼材としてはこれに限定されるものではな
く、所定の表面硬度を有するものであれば、使用可能で
ある。
【0023】(3) モリブデン系コーティングは、溶射
法によって形成したが、これに限定されるものではな
く、浸漬法によって形成してもよい。要はある程度の厚
みのコーティング層が形成される方法であればよい。
法によって形成したが、これに限定されるものではな
く、浸漬法によって形成してもよい。要はある程度の厚
みのコーティング層が形成される方法であればよい。
Claims (7)
- 【請求項1】 炭素鋼材からなる互いに噛合もしくは摺
動可能な部材であって、予め焼入れされた表面にモリブ
デン系コーティングがされたものどうしの組み合わせで
ある動力伝達部材。 - 【請求項2】 前記モリブデン系コーティングが、二硫
化モリブデン粉末と溶剤との混合物を溶射してコーティ
ングされたものである請求項1記載の動力伝達部材。 - 【請求項3】 前記炭素鋼材の表面平均粗さが2.0μ
m以下である請求項1又は2記載の動力伝達部材。 - 【請求項4】 前記二硫化モリブデンのコーティング層
が5〜20μmの厚みである請求項2又は3記載の動力
伝達部材。 - 【請求項5】 炭素鋼材から所定部材に製造し、その表
面平均粗さを2.0μm以下に仕上げ、次いで焼入れ処
理をした後、モリブデン系コーティングをする動力伝達
部材の表面処理法。 - 【請求項6】 前記焼入れが高周波焼き入れであり、前
記モリブデン系コーティングが二硫化モリブデン粉末と
溶剤とを溶射してコーティングする請求項5記載の動力
伝達部材の表面処理法。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項記載の動力
伝達部材を用いた写真処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20245398A JP2000035105A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 動力伝達部材とその表面処理法および写真処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20245398A JP2000035105A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 動力伝達部材とその表面処理法および写真処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000035105A true JP2000035105A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=16457787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20245398A Withdrawn JP2000035105A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 動力伝達部材とその表面処理法および写真処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000035105A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002039327A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-02-06 | Hokoku Kogyo Co Ltd | 水門用開閉機 |
JP2004183697A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Koyo Seiko Co Ltd | 電動式舵取り装置 |
JP2004307938A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-04 | Honda Motor Co Ltd | 溶射層と鉄鋼部材との結合方法 |
-
1998
- 1998-07-17 JP JP20245398A patent/JP2000035105A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002039327A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-02-06 | Hokoku Kogyo Co Ltd | 水門用開閉機 |
JP2004183697A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Koyo Seiko Co Ltd | 電動式舵取り装置 |
JP4501053B2 (ja) * | 2002-11-29 | 2010-07-14 | 株式会社ジェイテクト | 電動式舵取り装置 |
JP2004307938A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-04 | Honda Motor Co Ltd | 溶射層と鉄鋼部材との結合方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE1815726C3 (de) | Verfahren zum Aufbringen einer Schicht aus einem Trockenschmiermittel auf eine aus einem Metall oder einem Polymeren bestehende Oberfläche | |
JP5117753B2 (ja) | 摺動部品 | |
WO2012100847A1 (de) | Gleitelement, insbesondere kolbenring, mit einer beschichtung sowie verfahren zur herstellung eines gleitelements | |
US20080233303A1 (en) | Coatings for metal-metal seal surfaces | |
JP2009280838A (ja) | 鉄鋼材料及びその製造方法並びに高周波焼入れ部品 | |
KR20070029568A (ko) | 내마모성 코팅 및 이의 제조 방법 | |
JP2000035105A (ja) | 動力伝達部材とその表面処理法および写真処理装置 | |
JP2001080551A (ja) | 無限軌道 | |
DE102010053338A1 (de) | Anlaufscheibe eines Planetengetriebes | |
JP2018538448A (ja) | メッキ装置およびメッキ方法 | |
DE102017222918A1 (de) | Wälzlageranordnung | |
JP2014234901A (ja) | 転がり軸受 | |
DE102017222919A1 (de) | Wälzlager | |
JPH06159371A (ja) | 軸 受 | |
JP2019522722A (ja) | 滑り軸受け複合材料の製造方法、滑り軸受け複合材料およびそのような滑り軸受け複合材料からなる滑り要素 | |
EP0100888A1 (de) | Gleit- oder Bremsbelag | |
JPS637221A (ja) | デイフアレンシヤルギアのリングギア、ドライブピニオンの製造方法 | |
JPH09302454A (ja) | 浸炭焼入れ材の前処理方法及び浸炭焼入れ材の製造方法 | |
JPH05195178A (ja) | 溶融金属めっき浴中ロール | |
US3600780A (en) | Method for improving bearing wear | |
JP2539521B2 (ja) | 硬貨処理機の硬貨通路 | |
US20220403878A1 (en) | Sliding Component and Method for Manufacturing Same | |
JPH08239680A (ja) | 潤滑被膜およびその製造方法 | |
JP3113143B2 (ja) | 溶融アルミメッキ鋼板の製造方法 | |
JP3271526B2 (ja) | アルミ押出用ダイスの表面改質法及び耐久性に優れたダイス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |