JP2000020619A - トランザクション補償システム - Google Patents
トランザクション補償システムInfo
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Abstract
1Bが所定の処理を実行する場合に、各トランザクショ
ン処理装置1A,1Bは、トランザクション処理の進行
状況をトランザクション履歴として保持する一方、その
内容を履歴回収装置3に送信する。トランザクション履
歴には、トランザクションID(識別子)とトランザク
ションの進行状況を示すトレース情報とが含まれる。ト
ランザクションが中断したとき、履歴回収装置3に集め
られたトランザクション履歴によって、トランザクショ
ン制御装置5がそのトランザクションの補償方法を決定
する。 【効果】 分散処理システムにおけるトランザクション
の中断補償を確実にできる。
Description
ション処理装置が協力して所定のトランザクションを処
理する場合に、そのトランザクションの中断により生じ
るデータの一貫性を補償するトランザクション補償シス
テムに関する。
ータにより協力して実行されるひとまとまりのトランザ
クション処理が、何らかの異常により中断すると、各コ
ンピュータのデータの一貫性を補償するための後処理が
行われる。電子マネーシステムを例にとって説明する。
電子マネーシステムでは、商品購入の際の現金に相当す
る電子マネーのことを「価値」と呼んでいる。ネットワ
ークで結ばれた2台の端末装置の間で、価値を送受信し
ている途中で、そのトランザクションが中断したとす
る。このとき、送信側では価値を送信済であるのにもか
かわらず、受信側では価値の受信処理を完結できず、ネ
ットワーク上で価値が消滅してしまうといったことが生
じる。
してしまったり、消滅した額以上の価値を誤生成してし
まうような処理を防止しながら、トランザクションの補
償を行う必要がある。なお、トランザクションというの
は、例えば支払い義務者の口座から代金を引き落とし
て、その代金を受取人の口座に入金するといった、部分
的に切り離すことが出来ない一連の処理のことである。
分散処理環境では、これらの処理は、相互にリンクした
コンピュータプログラムにより実行される。従来、この
ようなトランザクションの補償をする場合、トランザク
ションを管理するデータを保持しているデータベースを
ロールバックして、中断したトランザクション処理が行
われる前の状態に戻すようにしている。
な従来の技術には、次のような解決すべき課題があっ
た。中断したトランザクションの補償を行う機能を持つ
システムでは、上述のように、データベースのロールバ
ックを実現するメカニズムが必要になる。しかしなが
ら、このようなシステムには、トランザクション実行中
にいつでもロールバックができるように、データを二重
に保持したり、適宜退避させたりする処理を含める必要
があり、システム制御が複雑になるという問題があっ
た。また、例えばプリンタや書き込み専用のデバイスを
使用するトランザクションのように、いったん処理が進
められてしまうと、元の状態に戻すことが容易でないも
のもある。また、せっかく大部分の処理が完結している
のに、そのトランザクションの終了直前で中断がある
と、それまでの処理が無駄になる。上記電子マネーシス
テムにおいても同様であり、価値の送受信を伴うような
トランザクションが中断した場合に、トランザクション
の中断発生と中断発生時の状態とを正確に把握し、最適
な補償を行う方法の開発が急務となっている。
するため次の構成を採用する。 〈構成1〉複数のトランザクション処理装置が所定の処
理を実行する場合に、そのトランザクション履歴を回収
する履歴回収装置と、トランザクションが中断したとき
の補償動作を制御するトランザクション制御装置とを備
え、上記各トランザクション処理装置は、トランザクシ
ョンID(識別子)とトランザクションの進行状況を示
すトレース情報とを、上記履歴回収装置に送信し、上記
履歴回収装置は、上記トランザクション処理装置から受
信したトランザクション履歴を保持し、上記トランザク
ション制御装置は、トランザクションが中断したとき、
上記履歴回収装置に保持された該当するトランザクショ
ンのトランザクション履歴を比較照合し、トランザクシ
ョン中断後の補償内容を決定して、補償動作を制御する
ことを特徴とするトランザクション補償システム。
ン補償システムにおいて、履歴回収装置は、トランザク
ションごとに、該当するトランザクションを協力して処
理する全てのトランザクション処理装置からトランザク
ション履歴が受信されたかどうかを示す情報を保持する
ことを特徴とするトランザクション補償システム。
例を用いて説明する。 〈具体例1〉この具体例では、複数のトランザクション
処理装置が所定の処理を実行する場合に、各トランザク
ション処理装置は、トランザクション処理の進行状況を
トランザクション履歴として保持する一方、その内容を
履歴回収装置に送信する。トランザクション履歴には、
トランザクションID(識別子)とトランザクションの
進行状況を示すトレース情報とが含まれる。トランザク
ションが中断したとき、履歴回収装置に集められたトラ
ンザクション履歴によって、トランザクション制御装置
がそのトランザクションの補償方法を決定する。
ザクション補償システムブロック図を示す。図のシステ
ムは、2台のトランザクション処理装置1A,1Bによ
って所定のトランザクションを実行している。なお、ト
ランザクション処理装置は2台以上何台あってもよい
が、ここでは2台だけの場合を例示している。
は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーショ
ンのような装置から構成される。各トランザクション処
理装置1A,1Bの記憶部には、それぞれトランザクシ
ョン履歴2A,2Bが記憶されている。このトランザク
ション履歴2A,2Bが、履歴回収装置3に対して、適
当なタイミングで送信されるように構成されている。以
下の例では、トランザクションが中断したときに各トラ
ンザクション処理装置1A,1Bから、一斉にトランザ
クション履歴2A,2Bが履歴回収装置3に送信される
よう構成されている。
ンの一部を実行するたびに順次蓄積される。トランザク
ション履歴を履歴回収装置3に送信するタイミングは、
トランザクションを実行中、一定時間おきといった周期
的なものでもよい。また、トランザクションが中断して
補償動作が必要な場合にのみ、履歴回収装置3の要求に
従って、各トランザクション処理装置から履歴回収装置
3に対し、それぞれ各自が保存したトランザクション履
歴2A,2Bを送信するといった方法でも良い。
ン処理装置から受信して集められたトランザクション履
歴2を、例えば図に示すように記憶装置4に保管する。
図に示す2台のトランザクション処理装置1A,1Bに
よる同一のトランザクションを実行するための全ての処
理には、全て同一のトランザクションIDが付与されて
おり、別のトランザクションと区別できるようになって
いる。トレース情報は、例えばトランザクション処理装
置1Aがトランザクション処理装置1Bに対し所定の情
報を送信したとか、トランザクション処理装置1Bが受
信した情報を処理した、というようにトランザクション
を処理する上での様々な部分的処理の具体的な内容とな
る。
履歴2をこのトランザクションごとに整理してトランザ
クション制御装置5に渡す。トランザクション制御装置
5は、トランザクションの中断を検出したとき、履歴回
収装置3のトランザクション履歴を参照して、トランザ
クションのコミットもしくはロールバック処理のいずれ
を実行するかを判断する機能を持つ。トランザクション
制御装置5はさらに、この判断に基づいて、トランザク
ションのコミットやロールバック処理による補償を実行
する機能を持つ。即ち、このような制御により、トラン
ザクションが中断したとき、画一的にロールバック処理
をするのではなく、トランザクションの中断の原因に従
って、最適な補償をする。
装置1A,1Bから受信したトランザクション履歴2
A,2Bは、そのトランザクションIDに基づいて分類
される。同一のトランザクションを協力して実行してき
た全てのトランザクション処理装置1A,1Bから、履
歴回収装置3が該当するトランザクション履歴2A,2
Bを受信していれば、そのトランザクションの処理状況
が判明する。
らのトランザクション履歴が未受信の場合には、該当す
るトランザクション履歴を受信するまで待機する。そし
て、トランザクションが中断したとき、必要なトランザ
クション履歴が集まってトランザクションの処理状況が
判明すれば、トランザクションの補償を実行する。
うな状態でトランザクションが中断したかにより異な
る。全てのトランザクション処理装置1A,1Bに対す
るロールバックが容易な状態ならば、トランザクション
制御装置5は、各トランザクション処理装置1A,1B
にロールバックの処理依頼を送信する。また、いずれか
の処理がコミットし、ロールバックするより処理をコミ
ットさせた方が適切な場合には、未完結な一部の処理を
完結するように制御する。
制御装置の基本的な動作を具体的にフローチャートで図
示した。まずステップS1で、図1に示したトランザク
ション制御装置5は、トランザクションの中断の有無を
監視し、その検出を行う。中断を検出するとステップS
2に進み、各トランザクション処理装置1A,1Bに対
して、トランザクション履歴の送信を依頼する。履歴回
収装置3は、これを受信する。ステップS3では、トラ
ンザクション制御装置5が履歴回収装置3の記憶装置4
をアクセスし、必要なトランザクション履歴が全て回収
されているかどうかを調べる。
に成功すると、ステップS4からステップS5に進み、
トランザクションの補償処理を行う。一方、トランザク
ション履歴の一部に不足がある場合には、ステップS6
に進み、そのトランザクション履歴をトランザクション
制御装置5側に保存処理し、必要なトランザクション履
歴全てが履歴回収装置3に回収されるまで待つ。この例
では、トランザクション処理装置が2台であるが、3台
以上のトランザクション処理装置が協力して一定の処理
を行っている場合には、全てのトランザクション処理装
置からトランザクション履歴が回収されたかをチェック
する。
て、トランザクション制御装置5は、全てのトランザク
ション処理装置によるトランザクション履歴を比較照合
して、トランザクションがどこまで完結しているか、ど
こで中断がおきたかを解析する。その結果にもとづい
て、トランザクション実行前の状態にロールバックすべ
きか、それとも、残りの少しの処理を完結させて、トラ
ンザクションを終了させるべきかを判断する。そして、
トランザクション処理装置ごとのトランザクション履歴
に従って、各トランザクション処理装置による補償内容
を決定して補償動作を制御する。
断したとき、同一のトランザクションを協力して実行す
る複数のトランザクション処理装置から、必要なトラン
ザクション履歴全てを履歴回収装置に回収し、比較照合
するので、分散処理システムにおいて、トランザクショ
ンが中断した場合のデータの一貫性を確保する補償方法
を決定して、補償のための制御を実行できる。なお、上
記トランザクション履歴は履歴回収装置に回収して、こ
れをトランザクション制御装置が参照するようにした
が、トランザクション制御装置と履歴回収装置とは一体
に構成されていてもさしつかえない。この場合、履歴回
収装置は、トランザクション制御装置の記憶装置の一部
になる。
クションの補償を電子マネーの送受信に適用したものを
示す。図3には、具体例2の電子マネー送受信システム
ブロック図を示す。このシステムは、ネットワーク等に
よって接続された電子マネー送信装置11、電子マネー
受信装置12、履歴回収装置14、トランザクション制
御装置15等から構成される。なお、電子マネー送信装
置11と電子マネー受信装置12は、いずれもネットワ
ークに接続された通信端末やパーソナルコンピュータ等
から構成する。従って、いずれが電子マネー送信側にな
って、いずれが受信側になっても構わない。
入者が操作し、電子マネー受信装置12は、店舗が操作
する。商品の購入者は商品を受け取って、自分の持つ電
子マネー(価値)を電子マネー送信装置11を使用して
支払う。電子マネー受信装置12は、その価値を受信し
て、店舗がそれを受け取る。この一連の処理を実行する
ためのトランザクションが中断した場合を想定して、説
明を進める。
子マネー受信装置12とが、図1のトランザクション処
理装置1A,1Bに該当する。電子マネー送信装置11
と、電子マネー受信装置12はいずれも、電子マネーの
送受信機能のほかに、トランザクション履歴生成機能、
トランザクション履歴保持機能、トランザクション履歴
送信機能、及び、取引状態通知機能を持つ。トランザク
ション履歴は、トランザクションが中断したとき、要求
によりあるいは自動的に、履歴回収装置14に送信され
る。
11と、電子マネー受信装置12から受信したトランザ
クション履歴を取引ID順に区別して格納保持する機能
を持つ。この取引IDは、具体例1で説明したトランザ
クションIDに相当する。この例では、履歴回収装置1
4の記憶部16に、取引履歴参照テーブル17と取引履
歴テーブル18とを生成して記憶する。装置IDは電子
マネー送信装置11や電子マネー受信装置12をそれぞ
れ区別するための識別記号である。履歴はトランザクシ
ョン履歴に相当し送信した価値の金額や取引の進行状況
等を示すデータである。リファレンスカウントについて
は、後で説明をする。
上記取引履歴参照テーブル17と、上記取引履歴テーブ
ル18とを、記憶部16に記憶している。トランザクシ
ョン制御装置15は、このシステムのトランザクション
の中断を監視し、中断があった場合には送信された価値
がネットワーク上で消滅しないように、後で説明するよ
うな手順で補償する。
(a)は電子マネー送信装置の動作フローチャート、
(b)は電子マネー受信装置の動作フローチャートであ
る。図において、まず電子マネー送信装置11が、図3
に示すように価値13を電子マネー受信装置12に対し
送信するトランザクションを開始する。このとき、開始
宣言を電子マネー受信装置12に対して送信する(ステ
ップS1)。これに対して電子マネー受信装置12は、
ステップS11で、その開始宣言を受信する。
プS2において、開始宣言送信履歴を生成し保持する。
ここには、宣言の内容や処理時刻等、必要なデータが含
められる。電子マネー受信装置12は、同様にステップ
S12において、開始宣言受信履歴を生成し保持する。
そして、電子マネー受信装置12は、電子マネー送信装
置11に対し必要な額の価値転送要求を送信する(ステ
ップS13)。電子マネー送信装置11は、ステップS
3において、この価値転送要求を受信する。
プS4において、価値転送要求受信履歴を生成保持す
る。同様に、電子マネー受信装置12は、ステップS1
4において、価値転送要求送信履歴を生成保持する。次
に、ステップS5において、電子マネー送信装置11
は、該当する価値を送金する。実際にはネットワークを
通じて価値に相当するデータを送出する処理を行う。こ
れが電子マネー受信装置12に受信されると、電子マネ
ー受信装置12では、ステップS15において、入金処
理を行う。そして、電子マネー送信装置11は、ステッ
プS6において、送金履歴を生成し保持し、電子マネー
受信装置12は、ステップS16において、入金履歴を
生成し保持する。
た価値の額との突き合わせ等によって取引の成立を確認
し、その結果を図3に示したトランザクション制御装置
15に告知する。これにより、トランザクション制御装
置15は、この一連のトランザクションが完結したこと
を認識する。この告知が一定時間以上ない場合には、ト
ランザクション制御装置15は、トランザクションが中
断したと判断し、この告知があった場合には、トランザ
クションがコミットされ、少なくとも価値の消滅等につ
いての補償をする必要がなくなったものと判断できる。
12は、価値転送処理の終了要求を送信する。電子マネ
ー送信装置11は、その終了要求を受信する(ステップ
S7)。そして、ステップS8において、終了要求受信
履歴を生成保持する。電子マネー受信装置11は、同様
にしてステップS19で、終了要求送信履歴を生成し保
持する。
電子マネー受信装置12は、それぞれ電子マネーの転送
という一連のトランザクションを実行するための開始宣
言、価値転送といった処理毎にその履歴を生成保持しな
がら処理を行う。そして、トランザクションが完結する
と、取引成立告知という形で、その結果をトランザクシ
ョン制御装置15に通知する。
合に、電子マネー送信装置11や電子マネー受信装置1
2自身がそれを検出したら、その旨をトランザクション
制御装置15に通知する。また、トランザクション制御
装置15が、トランザクションの開始からタイマをスタ
ートさせて、取引成立告知がないままタイムアウトした
ときは、トランザクションの中断と判断する。こうし
て、トランザクション制御装置15からの要求に従っ
て、電子マネー送信装置11や電子マネー受信装置12
がそれまで保持していたトランザクション履歴を履歴回
収装置14へ送信する。トランザクション履歴が集めら
れると、図4のとおりのトランザクションの手順を表示
したデータと、トランザクション履歴とを比較照合す
る。これにより容易にどこまでトランザクションが処理
されたかを正確に認識できる。
ときや、処理が中断したとき、電子マネー送信装置11
や電子マネー受信装置12のディスプレイにはその旨が
表示され、あるいはガイダンスや警告音が発せられる。
トランザクション制御装置15にも、同様の趣旨の表示
がなされる。
動作フローチャートを示す。上記のようなトランザクシ
ョンが実行される間、トランザクション制御装置15
は、図4を用いて説明した取引成立告知を待つ。取引成
立告知が受信されずタイムアウトを検出したり、あるい
は、トランザクションの中断報告があったときは、トラ
ンザクションの中断が発生したと判断する。
S2に進み、電子マネー送信装置11と電子マネー受信
装置12に取引履歴の送信要求を行う。即ち、各電子マ
ネー送信装置あるいは電子マネー受信装置に保持してい
る取引履歴を履歴回収装置14に回収する。電子マネー
送信装置11や電子マネー受信装置12は、メッセージ
通信により履歴回収装置14に必要なデータを送信す
る。次にステップS3において、トランザクション制御
装置15は、履歴回収装置14の記憶部16に回収され
た取引履歴の検索を行う。
照テーブル17や取引履歴テーブル18の役割について
より詳細に説明する。この例では、電子マネー送信装置
11と電子マネー受信装置12が、いずれも同一の取引
を行っているため、装置IDが、例えば“11”,“1
2”となり、取引IDはいずれも、例えば“100”と
いった内容になる。記憶部16中の取引履歴テーブル1
8に、この取引IDが“100”のデータを検索する
と、リファレンスカウントを参照する。電子マネー送信
装置11と電子マネー受信装置12は、それぞれこれま
で自装置内部に記憶していたトランザクション履歴を、
履歴回収装置14に一括送信する。リファレンスカウン
トは、トランザクション履歴を1回受信すると1だけカ
ウントアップする。
“2”である。履歴回収装置14が、電子マネー送信装
置11と電子マネー受信装置12のいずれか一方からま
だトランザクション履歴を受信していない場合には、リ
ファレンスカウントの値は、“1”である。トランザク
ション制御装置は、履歴回収装置14の記憶部16を検
索することによって、このリファレンスカウントを参照
し、全てのトランザクション履歴が回収されているかど
うかを判断する。全てのトランザクション履歴が回収さ
れていれば、補償処理が可能になる。
した取引履歴参照テーブル17と取引履歴テーブル18
の、それぞれ同一の取引IDを持つデータ同士を関係付
けるポインタの数で表す。電子マネー送信装置11から
始めにトランザクション履歴が受信されると、履歴回収
装置14は記憶部16の取引履歴テーブル18に、取引
IDと履歴を書き込む。さらに、リファレンスカウント
を“1”として、取引履歴参照テーブル17に装置ID
と取引IDとを書き込む。次に、電子マネー受信装置1
2からトランザクション履歴が受信されると、履歴回収
装置14は記憶部16の取引履歴テーブル18を参照し
て、同一の取引IDを検索する。そして、同一の取引I
Dが見つかると、履歴の内容を更新する。さらに、リフ
ァレンスカウントを“2”として、取引履歴参照テーブ
ル17に装置IDと取引IDとを書き込む。
15が、ステップS3で取引履歴の検索を行い、ステッ
プS4で、検索が成功したかどうかを判断し、その結果
に応じて処理が分かれる。この場合に、該当する処理I
Dが検索されたときは,リファレンスカウントを参照し
て、トランザクション履歴が全て回収されたかどうかを
判断する。検索に成功しない場合には、取引履歴保存処
理が行われる(ステップS5)。即ち、いずれか一方の
取引履歴しか得られない場合には、他方の履歴が受信さ
れるまで待つことになる。また、検索に成功した場合に
は、ステップS6で残高補償処理を行い、ステップS7
で、取引履歴の削除処理を行う。なお、リファレンスカ
ウント以下、これらの3種類の処理についてより詳しく
説明する。
は、一方の装置、例えば電子マネー送信装置11からの
み必要な取引履歴が受信されている場合で、他方の電子
マネー受信装置12からの取引履歴が受信されるまで履
歴回収装置14にその内容を保持しておく処理である。
この場合、既に説明したように、取引履歴テーブル18
のリファレンスカウントを“1”にしておく。そして、
電子マネー受信装置12の取引履歴が受信されると、リ
ファレンスカウントを“2”に更新する。これにより、
両方の装置から必要な取引履歴が受信されたことが確認
できる。
補償処理)について説明する。この例では、残高補償処
理については、図4に示す各履歴生成保持のステップの
前後で中断が発生した場合について、順に説明を行う。
まず、電子マネー送信装置11が、図4のステップS5
で送金を行う直前、即ち価値転送要求受信履歴生成保持
(ステップS4)が行われ、電子マネー受信装置がステ
ップS14で、価値転送要求送信履歴生成保持を行った
時に処理が中断した場合を考える。この場合は、電子マ
ネー送信装置11と電子マネー受信装置12との間で価
値の転送要求のためのメッセージが送受信されただけで
あって、価値自体はまだ送信も受信もされていない。
て、改めて別のトランザクションで始めからやり直しを
行ったとしても弊害はない。このため、処理の開始宣言
からやり直すというロールバック処理が適切と判断され
る。トランザクション制御装置15は、その旨を電子マ
ネー送信装置11や電子マネー受信装置12に通知す
る。なお、この場合、データベースの書き換え等もされ
ていないので、実質的に、電子マネー送信装置11と電
子マネー受信装置12を初期化するだけで、ロールバッ
ク処理は完了する。
プS5において価値を送金し、ステップS6で送金履歴
を生成した後であって、まだ電子マネー受信装置12が
入金処理をしていない場合を考える。この場合、このま
までは送金された価値が消滅し、双方の収支に矛盾が生
じてしまう。そこで、送金側の電子マネー送信装置と連
動する口座に送金額と同額の価値を振り込む手続きを行
う。即ち、これで電子マネー送信装置11による送金が
なかった扱いにする。これは具体的な送金額を考慮した
上でのロールバック処理となる。
ップS6の送金履歴を生成保持した後であって、電子マ
ネー受信装置12がステップS16で入金履歴を生成し
た後に中断をした場合を考える。この場合、価値の送受
信は完結している。従って、処理をロールバックさせる
よりも、残りの処理を完結させてしまった方が簡単であ
る。また、その方が、ロールバックのためのバックアッ
プデータを大量に保持しておく必要がなくなる。そこ
で、処理の中断を検出すると、その後の必要な処理を完
結させる。即ち、送金した価値、入金した価値に合わせ
て矛盾のない残高証明をそれぞれが生成するように残高
補償処理を実行させる。
求に従って、電子マネー送信装置11や電子マネー受信
装置12は、該当する残高証明履歴を生成する。その
後、図4に示すステップS17の取引成立告知に至るま
での間に中断があった場合にも、同様の手続きとなる。
既に取引が成立している場合には、ロールバック処理を
するのは無駄であり、却って制御が複雑になるから、残
りの手続きを完結させるようにしたのである。
歴回収装置に記憶する取引履歴の内容等は、トランザク
ションに係わるどの装置が送信したものであるかを識別
できるような情報であればよく、様々な変形が可能であ
る。また、履歴回収装置14とトランザクション制御装
置15とは別々の構成としたが、これらは一体になって
ワークステーション等によって構成されていても構わな
い。
トによって、同一のトランザクションを協力して処理す
る全てのトランザクション処理装置から、トランザクシ
ョン履歴を回収したかどうかを判断した。さらに、トラ
ンザクション制御装置が履歴回収装置からトランザクシ
ョン履歴を読み出した後、リファレンスカウントをゼロ
に戻して、そのトランザクション履歴を消去するように
すればよい。これにより、トランザクション補償処理の
終了したデータを速やかに整理することができる。
ように、処理上、特に重要な価値の送受信等の手続きの
前後でトランザクションが中断した場合、その中断時期
に応じて処理をやり直すか、ロールバックをするか、あ
るいは中断した以降の処理を完結させるかを回収した取
引履歴によって判断するよう構成したので、中断したト
ランザクションの補償手続きを最適化することができ
る。
ック図である。
トである。
図である。
ート、(b)は電子マネー受信装置の動作フローチャー
トである。
トである。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数のトランザクション処理装置が所定
の処理を実行する場合に、そのトランザクション履歴を
回収する履歴回収装置と、トランザクションが中断した
ときの補償動作を制御するトランザクション制御装置と
を備え、 前記各トランザクション処理装置は、トランザクション
ID(識別子)とトランザクションの進行状況を示すト
レース情報とを、前記履歴回収装置に送信し、 前記履歴回収装置は、前記トランザクション処理装置か
ら受信したトランザクション履歴を保持し、 前記トランザクション制御装置は、トランザクションが
中断したとき、前記履歴回収装置に保持された該当する
トランザクションのトランザクション履歴を比較照合
し、トランザクション中断後の補償内容を決定して、補
償動作を制御することを特徴とするトランザクション補
償システム。 - 【請求項2】 請求項1に記載のトランザクション補償
システムにおいて、 履歴回収装置は、トランザクションごとに、該当するト
ランザクションを協力して処理する全てのトランザクシ
ョン処理装置からトランザクション履歴が受信されたか
どうかを示す情報を保持することを特徴とするトランザ
クション補償システム。
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