JP2000019507A - 半透過型カラー液晶用反射板及びその反射板を用いたカラー液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 照明光源からの透過光と外光の反射光を利用
でき製造が容易な半透過型カラー液晶用反射板を提供
し、また半透過型カラー液晶用反射板を用いて鮮やかに
表示でき消費電力が小さくできるカラー液晶表示装置を
提供する。 【構成】 光が透過する透明板の表面側に外光を拡散す
る反射膜を形成し、この反射膜をパターン形成により透
明板の背面側からの光が表面側の全面に均一に透過する
導光路を形成する。また、半透過型カラー液晶用反射板
の反射膜側に保護膜を形成して液晶表示用の一方の基板
とし、この一方の基板に対向し液晶を介して液晶表示用
の他方の基板を配置してカラーフィルタ層を有するカラ
ー液晶表示機構を形成し、かつ半透過型カラー液晶用反
射板の側面または背面側に照明光源を配置するか外光を
取り込む構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、液晶表示用の半透
過型の反射板に関し、特に照明光源からの光と外光を使
用する半透過型カラー液晶用反射板及びその反射板を用
いたカラー液晶表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、反射型液晶表示装置には、外光を
利用するための反射板が使用されており、内部に照明光
源を備える透過型液晶表示装置と異なり、消費電力を少
なくすることができ、例えば、乾電池や太陽電池等で動
作する電卓、腕時計、電子システム手帳あるいは携帯電
話機等の表示に使用されている。この反射型液晶表示装
置の反射板は、例えば、ガラスあるいはプラスチック板
の裏面に光を拡散するアルミニュウムの箔膜を加工した
もの等が使用されている。また、この種の反射型液晶表
示装置において、夜間等の暗い場所でも見ることができ
るように、液晶表示を照らす小さなランプ等を備えるも
のもある。

【０００３】ところで、反射型液晶表示装置においてカ
ラー化を実現しようとすると、従来の反射光のみを利用
する反射板を用いた場合には、光量不足になり鮮やかな
カラー表示ができない欠点があった。そのため、省電力
のランプからの透過光と外光の反射光とを利用する半透
過型の反射板を用いることが種々検討されている。この
半透過型の反射板は、例えば、透明なガラス板の表面に
２００Å程度の薄いアルミニュウム膜を形成し、このア
ルミニュウム膜を通してランプの光りが透過できるよう
にすると同時に、表面で外光を拡散できるようにしてい
る。しかし、このような半透過型の反射板では、光を透
過できる程度にアルミニュウム膜を薄く形成する必要が
あるため、アルミニュウム膜の酸化が早く寿命が短くな
る一方、アルミニュウム膜を薄くすると反射効率が低下
することがあった。そのため、アルミニュウム膜の成形
条件等が難しくなりコスト高になる問題点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、透過型液晶
表示装置では、照明光源の透過光を利用するため、カラ
ー表示を容易に実現できるが、照明光源の消費電力が大
きくなり、簡単な電池等で動作する電卓、時計、電子シ
ステム手帳あるいは携帯電話機等の表示には適さなかっ
た。また、従来の反射光のみを用いた反射型液晶表示装
置では、光量が不足し鮮やかなカラー表示ができず、そ
のために半透過型の反射板が必要になるが、反射膜の成
形条件が難しくなる問題点があった。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
照明光源からの光や外から取り込んだ光の透過光と外光
の反射光を利用でき製造が容易な半透過型カラー液晶用
反射板を提供することを目的とする。また本発明は半透
過型カラー液晶用反射板を用いて鮮やかに表示でき消費
電力が小さくできるカラー液晶表示装置を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半透過型カラー液晶用反射板は、光が透過
する透明板の表面側に外光を拡散する反射膜を形成し、
この反射膜をパターン形成により前記透明板の背面側か
らの光が表面側の全面に均一に透過する導光路を形成し
たことを特徴とするものである。外部から入る光を反射
膜の表面で反射して均一に拡散し、背面側から入る光が
導光路を通って正面側に透過するため、カラー液晶表示
装置に使用することで外部の光と照明光源からの光とを
効率よく利用することが可能になる。

【０００７】また、前記導光路を形成した反射膜は、そ
れぞれ独立した同じ形状の多数のアイランドに形成さ
れ、該アイランドの大きさ及び導光路の幅は、カラー表
示用の画素の大きさより小さいことが、カラー表示を鮮
やかにできるとともに短絡による不良をなくすことがで
きる点で好ましい。

【０００８】上記目的を達成するために、本発明のカラ
ー液晶表示装置は、光が透過する透明板の表面側に外光
を拡散する反射膜を形成し、この反射膜をパターン形成
により前記透明板の背面側からの光が表面側の全面に均
一に透過する導光路を形成した半透過型カラー液晶用反
射板の反射膜側に保護膜を形成して液晶表示用の一方の
基板とし、この一方の基板に対向し液晶を介して液晶表
示用の他方の基板を配置してカラーフィルタ層を有する
カラー液晶表示機構を形成したことを特徴とするもので
ある。半透過型カラー液晶用反射板を用いて外部から入
る光を反射膜の表面で反射し、また背面からの光を導光
路を通って正面側に放射することで、乾電池等で動作す
る機器の表示をカラー化することができる。

【０００９】また、前記半透過型カラー液晶用反射板の
側面または背面側に照明光源を配置したことが、消費電
力の少ない照明光源を使用しても表示が可能になり、か
つ夜間等の暗い場所でもカラー表示ができる点で好まし
い。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の一実施形態
により具体的に説明する。図１〜図４は本発明の第１実
施形態に関し、図１は半透過型反射板及びそれを用いた
カラー液晶表示装置の製造工程を説明する図、図２は半
透過型反射板の表面の反射膜のパターンを示す拡大平面
図、図３は半透過型反射板の光の透過と光の拡散を示す
拡大断面図、図４は半透過型反射板を用いたカラー液晶
表示装置の断面図である。

【００１１】図１（ａ）に示すように、まず、ガラス板
あるいはアクリルのプラスチック板等の光が透過する透
明板１１を使用し、その表面を、例えば、サンドブラス
トあるいはケミカルエッチング等により均一で細かい粗
面１１ａを形成する。このような粗面１１ａの程度は、
後の工程においてその上に形成する反射膜１２の表面が
同様な粗面に形成され、その反射膜１２の表面における
反射光が均一に拡散するように形成することが好まし
い。

【００１２】次に、図１（ｂ）に示すように、透明板１
１の粗面１１ａ上に、例えば、アルミニュウムあるいは
銀等の材料からなり、厚さが０．５〜１μｍ程度の反射
膜１２を真空蒸着法等により形成する。このような反射
膜１２は、前述のように表面が粗面に形成され反射光が
均一に拡散するようになっている。

【００１３】次に、図１（ｃ）に示すように、反射膜１
２に一定の均一な間隔で光が通過する導光路１３をエッ
チング等によりパターン形成する。この反射膜１２のエ
ッチングパターンは、例えば、図２に示すように、反射
膜１２に縦横一定の間隔Ａを隔てて所定の幅Ｂで格子状
の導光路１３が形成される。このようなエッチングパタ
ーンでは、反射膜１２が多数の同じ大きさの正方形でそ
れぞれ分離したアイランド１２ａに形成されている。こ
の反射膜１２に形成される導光路１３は、間隔Ａ及び幅
Ｂにより光の通過する開口率を変えることができるが、
その大きさは後に形成する液晶表示のカラーフィルタ層
１５の画素の大きさより十分に小さいことが好ましく、
例えば、間隔Ａは、１０〜７０μｍ程度、幅Ｂは、５〜
１０μｍ程度に形成される。これにより、本実施形態の
半透過型カラー液晶用反射板１０が形成される。

【００１４】次に、図１（ｄ）に示すように、パターン
形成した反射膜１２の表面に透明な保護膜１４を形成す
る。このような保護膜１４は、反射膜１２の酸化等を防
止するとともに表面を平坦化できる絶縁性を有する材料
で任意の厚さに形成することができる。

【００１５】次に、図１（ｅ）に示すように、保護膜１
４を形成した半透過型カラー液晶用反射板１０を一方の
液晶用の基板として使用し、通常の液晶表示装置の製造
工程にしたがって、保護膜１４上に画素となる赤
（Ｒ）、緑（Ｇ）及び青（Ｂ）３色のカラーフィルタ層
１５が、例えば、分散法、染色法、印刷法あるいは電着
法等により通常必要とされる膜厚に形成される。ここ
で、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）及び青（Ｂ）のパターン配置
は、例えば、モザイク型、トライアングル型、ストライ
プ型等任意に形成することができる。そして、パターン
形成されたカラーフィルタ層１５の上に、例えば、厚さ
が１０００〜４０００Å程度の膜厚にＩＴＯ膜等からな
るストライプ状の透明電極層１６がパターン形成され
る。

【００１６】次に、図１（ｆ）に示すように、半透過型
カラー液晶用反射板１０に対向する透明なガラス基板１
７を他方の液晶用の基板とし、その表面に厚さが１００
０〜４０００Å程度の膜厚のＩＴＯ膜等からなるストラ
イプ状の対向する透明電極層１８を形成して、半透過型
カラー液晶用反射板１０とガラス基板１７との間に液晶
１９を封入する。そして、ガラス基板１７の表面側に偏
光板２１を配置し、半透過型カラー液晶用反射板１０の
背面側にランプ等の照明光源２２を配置することによ
り、カラー液晶表示装置２０が形成される。照明光源２
２は、透過型液晶表示装置に使用されるものより十分に
省電力のものが使用でき、半透過型カラーカラー液晶用
反射板１０を均等に照明できるものがよい。

【００１７】上記構成の半透過型カラー液晶用反射板１
０では、図３に示すように、透明板１１の表面が粗面１
１ａに形成され、その粗面１１ａ上に反射膜１２が形成
されているため、反射膜１２の表面も同様な粗面に形成
され、外部から入る光はその粗面で乱反射して均一に拡
散する。また、反射膜１２は、エッチングにより導光路
１３が格子状に形成され、同時に反射膜１２が多数の同
じ大きさの正方形でそれぞれ分離したアイランド１２ａ
に形成されているため、アイランド１２ａの角部でも外
部から入る光を乱反射する。そして、透明板１１の背面
側から入る照明光源２２からの光は、導光路１３を通っ
て正面側に出る。したがって、このような半透過型の反
射板１０をカラー液晶表示装置に使用すれば、外部の光
と照明光源２２からの光の両方を効率よく利用すること
が可能になり、少ない消費電力の照明光源２２を使用し
てもカラー液晶表示を実現できる。また、本実施形態の
半透過型カラー液晶用反射板１０は、透明板１１の表面
に形成された反射膜１２をエッチングによりパターン形
成により導光路１３を形成しているため、製造が容易に
なり安価にできる。

【００１８】また、上記構成のカラー液晶表示装置２０
では、半透過型カラー液晶用反射板１０を使用ているた
め、図４に示すように、外部から入る光は、反射膜１２
の表面で反射して反射光Ｌ１とし、また照明光源２２か
らの光は、導光路１３を通って透過光Ｌ２として正面側
に出る。したがって、外部からの光と照明光源２０から
の光とを効率よく利用できるため、消費電力の少ない照
明光源２０を使用することが可能になり、乾電池等で動
作する機器の表示をカラー化することができる。また、
半透過型カラー液晶用反射板１０は、その反射膜１１を
エッチングによるパターン形成で独立した多数のアイラ
ンド１２ａに形成しているため、反射膜１１がごみ等の
ために透明電極層１６，１８と導通した場合にもショー
ト等の悪影響を生じることがない。さらに、本実施形態
のカラー液晶表示装置２０では、消費電力が少なくても
照明光源２０を使用しているため、夜間等の暗い場所で
もカラー表示ができる。

【００１９】図５は本発明の第２実施形態の半透過型反
射板の表面の反射膜のパターンを示す拡大平面図であ
る。この第２実施形態の半透過型カラー液晶用反射板３
０は、第１実施形態と同様の透明板の表面に形成された
反射膜３１がエッチング等によるパターン形成により、
正６角形のアイランド３１ａが一定の間隔で配置される
よう導光路３２が形成されている。

【００２０】このような半透過型カラー液晶用反射板３
０では、外部から入る光はその反射膜３１の表面で乱反
射して均一に拡散し、背面側から入る光は導光路３２を
通って正面側に出るため、カラー液晶表示装置に使用す
れば、外部の光と照明光源からの光とを効率よく利用す
ることが可能になり、少ない消費電力の照明光源を使用
してカラー液晶表示を実現できる。この実施形態では、
特にアイランド３１ａが正６角形に形成されているた
め、角部が多くなり均一に光を散乱させることができ
る。

【００２１】なお、上記各実施形態において、反射膜１
２，３１をエッチング等によるパターン形成で正方形あ
るいは正６角形のアイランド１２ａ，３１ａに形成した
例を説明したが、任意のパターンを使用することがで
き、アイランド１２ａ，３１ａと導光路１３，３１の面
積比率を変えることで任意の開口率にすることができ
る。このような反射膜１２，３１のエッチングパターン
は、カラーフィルタ層の画素の大きさをよりも十分に小
さく均一に形成することが好ましい。また、反射膜１
２，３１の表面を粗面に形成し光が乱反射する例を説明
したが、表面を鏡面にして通常の反射にすることもで
き、さらに、アイランド１２ａ，３１ａの角部を傾斜面
に形成し、その傾斜面で外光を反射させるようにしても
よい。

【００２２】また、本実施形態のカラー液晶表示装置２
０において、半透過型反射板１０側にカラーフィルタ層
１５を形成した例を説明したが、対向するガラス基板１
７側にカラーフィルタ層を形成する構造にしてもよい。
さらに、ランプ等の照明光源２０を半透過型反射板１０
の背面側に配置した例を説明したが、例えば、ＥＬ（エ
レクトロ・ルミネセンス）素子等からなる面発光の光源
を使用することができ、また、ランプ等の照明光源を透
明板１１の周辺の側面に配置し、透明板１１を導光板と
するようにしてもよい。さらにまた、照明光源２０を使
用せず、外光を直接または間接に透明板１１の背面側ま
たは側面に取り込む構造を設けるようにしてもよい。

【００２３】さらに、本実施形態のカラー液晶表示装置
２０では、偏光板２１側の透明電極層１８をストライプ
状のパターンに形成したＴＮ型あるいはＳＴＮ型の液晶
表示装置を説明したがＴＦＴ型の液晶表示装置は透明電
極層をベタ状に形成する。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明の半透過型カ
ラー液晶用反射板は、外部から入る光を反射膜の表面で
乱反射して均一に拡散し、背面側から入る光を導光路を
通って正面側に放射するため、カラー液晶表示装置に用
いることで、外部の光と照明光源からの光とを効率よく
利用することが可能になり、少ない消費電力の照明光源
を使用してカラー液晶表示を実現でき、かつ製造も容易
になる。

【００２５】また、本発明のカラー液晶表示装置は、半
透過型カラー液晶用反射板を使用て外部から入る光を反
射膜の表面で反射し、照明光源からの光あるいは外から
取り込んだ外光を導光路を通って正面側に放射すること
で、消費電力の少ない照明光源を使用することができ、
乾電池等で動作する機器の表示をカラー化することがで
き、かつ照明光源を使用すれば夜間等の暗い場所でもカ
ラー表示ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態の半透過型反射板及びそ
れを用いたカラー液晶表示装置の製造工程を説明する図
である。

【図２】本発明の第１実施形態の半透過型反射板の表面
の反射膜のパターンを示す拡大平面図である。

【図３】本発明の第１実施形態の半透過型反射板の光の
透過と光の拡散を示す拡大断面図である。

【図４】本発明の第１実施形態の半透過型反射板を用い
たカラー液晶表示装置の断面図である。

【図５】本発明の第２実施形態の半透過型反射板の表面
の反射膜のパターンを示す拡大平面図である。

【符号の説明】

１０ 半透過型カラー液晶用反射板 １１ 透明板 １２ 反射膜 １２ａ アイランド １３ 導光路 １４ 保護膜 １５ カラーフィルタ層 １６ 透明電極層 １７ ガラス基板 １８ 透明電極層 １９ 液晶 ２０ カラー液晶表示装置 ２１ 偏光板 ２２ 照明光源 ３０ 半透過型カラー液晶用反射板 ３１ 反射膜 ３１ａ アイランド ３２ 導光路

フロントページの続き Ｆターム(参考） 2H091 FA02Y FA08X FA14Y FA15Y FA16Y FA23Y FA23Z FA41Z FA44Z FB08 FC01 FC06 FC12 FC25 FC26 FD04 GA01 GA16 HA07 HA10 LA15 LA16 5G435 AA00 AA17 BB12 BB15 CC12 EE26 EE33 FF03 FF05 GG12 HH02 KK05

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光が透過する透明板の表面側に外光を拡
   散する反射膜を形成し、この反射膜をパターン形成によ
   り前記透明板の背面側からの光が表面側の全面に均一に
   透過する導光路を形成したことを特徴とする半透過型カ
   ラー液晶用反射板。
2. 【請求項２】 前記導光路を形成した反射膜は、それぞ
   れ独立した同じ形状の多数のアイランドに形成され、該
   アイランドの大きさ及び導光路の幅は、カラー表示用の
   画素の大きさより小さいことを特徴とする請求項１記載
   の半透過型カラー液晶用反射板。
3. 【請求項３】 光が透過する透明板の表面側に外光を拡
   散する反射膜を形成し、この反射膜をパターン形成によ
   り前記透明板の背面側からの光が表面側の全面に均一に
   透過する導光路を形成した半透過型カラー液晶用反射板
   の反射膜側に保護膜を形成して液晶表示用の一方の基板
   とし、この一方の基板に対向し液晶を介して液晶表示用
   の他方の基板を配置してカラーフィルタ層を有するカラ
   ー液晶表示機構を形成したことを特徴とするカラー液晶
   表示装置。
4. 【請求項４】 前記半透過型カラー液晶用反射板の側面
   または背面側に照明光源を配置したことを特徴とする請
   求項３記載のカラー液晶表示装置。