JP2000011146A - 画像処理装置、ctスキャナ及びフラクタル次元測定方法 - Google Patents

画像処理装置、ctスキャナ及びフラクタル次元測定方法

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JP2000011146A
JP2000011146A JP10172389A JP17238998A JP2000011146A JP 2000011146 A JP2000011146 A JP 2000011146A JP 10172389 A JP10172389 A JP 10172389A JP 17238998 A JP17238998 A JP 17238998A JP 2000011146 A JP2000011146 A JP 2000011146A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラクタル次元を高速に測定して、画像処理
を行う。 【解決手段】 画像変換手段1は、多値画像Iを2値画
像Iaに変換する。抽出画像生成手段2は、2値画像I
aから抽出画像Ibを生成する。解像度変換画像生成手
段3は、抽出画像Ibに解像度を設定し、複数の解像度
変換画像を生成する。輝度値設定手段4は、下位の階層
の解像度変換画像を構成する隣接画素のうち、一つでも
高輝度値があれば、対応する上位の階層の解像度変換画
像の輝度値を高輝度値とし、隣接画素がすべて低輝度値
の場合は対応する輝度値を低輝度値とする。高輝度画素
数計算手段5は、高輝度画素数を解像度変換画像毎にそ
れぞれ計算する。フラクタル次元測定手段6は、高輝度
画素数をプロットして生成したグラフの傾きを、フラク
タル次元として求める。フラクタル次元画像表示手段7
は、フラクタル次元の画像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置、CT
(Computerized Tomography)スキャナ及びフラクタル次
元計算方法に関し、特にフラクタル次元を測定して画像
処理を行う画像処理装置、フラクタル次元を測定してX
線医療画像の処理を行うCTスキャナ及びフラクタル次
元を高速測定するフラクタル次元測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療分野では広くCTスキャナが
用いられており、CTスキャナから得られた2次元画像
のシークエンスから医師が解剖学的知識にもとづいて、
腫瘍の存在の検出を行っている。
【0003】しかしながら、一人の医師が読むX線画像
の時間と数は限られているため、機械による診断支援に
より、癌などの早期発見率を上げることが望まれてい
る。そのためには、より高速に画像処理を行う技術が必
要である。
【0004】また、近年では、2次元画像から腫瘍を検
出する方法として、腫瘍部のフラクタル次元の変化を捉
えて検出する方法が考えられている。フラクタル次元に
よる腫瘍検出の例としては、肝臓癌、乳癌、腎臓癌、肺
癌などがある(V. Swarnakaret al., Fractal Based Ch
aracterization of Structural Changes in Biomedical
Images, SPIE, Vol.2709, pp 444-455、及びJ. Levy V
ehel, Using fractaland morphological criteria for
automatic classification of diseases,SPIE Vol.119
9, Visual Communications and Image Processing IV,1
989,pp903-912)。
【0005】このフラクタル次元を測定することで、腫
瘍部の形を量的に表現し、その評価を客観的にしかも定
量的に行うことで、より精度の高い腫瘍検出を行うこと
ができる。
【0006】フラクタル次元の測定では、ボックスカウ
ンティング法が最もよく用いられている。図24は2次
元の画像にボックスカウンティング法を適用した場合の
図である。
【0007】(A)は2次元画像を示す。(B)は2次
元画像の境界線を示す。(C)は2次元画像の境界線及
び境界線を覆うボックスを示す。(D)は(C)のボッ
クスを細分化したものである。
【0008】このように、2値で表現された2次元画像
を正方形のボックスで分割し、その正方形の一辺の長さ
を変化させ、正方形と画像が重なり合う正方形の数か
ら、フラクタル次元を求める。
【0009】図25は3次元の画像にボックスカウンテ
ィング法を適用した場合の図である。多値で表現された
3次元画像に対し、輝度の値を2次元平面の曲面とし
て、その曲面をスケールを変えながら立方体のボックス
で覆い、その立方体の数からフラクタル次元を求める。
【0010】一方、フラクタル次元は、テクスチャの認
識、識別及び分類等に役立つために、医療分野以外でも
幅広く応用されつつある。例えば、特開平3−2697
82号公報では、文書の文字部分の認識にフラクタル次
元を利用している。また、特開平8−197100号公
報では、汚泥を凝集させるための添加物の量を制御する
ために、フラクタル次元を利用して汚泥の画像を解析し
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のボックスカウンティング法を用いた2次元及び3
次元画像のフラクタル次元の測定では、画像の一端から
走査してボックスと画像が重なり合うボックスの数を検
出するといった処理を、ボックスの一辺を変化させる度
に行っているので、長い測定時間を要するといった問題
があった。
【0012】また、上記のような従来技術は、特定の分
野にフラクタル次元を応用するだけで、フラクタル次元
を高速に測定することに関しては、何ら考慮されていな
い。フラクタル次元を利用した技術を実用化する際に
は、フラクタル次元を効率よく測定し、測定処理時間を
短縮する必要がある。
【0013】特に集団検診などで医療画像を処理する場
合には、X線画像を効率よく処理して、リアルタイムあ
るいはそれに近い短い時間でフラクタル次元を測定しな
ければならない。
【0014】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、フラクタル次元を高速に測定して、画像処理
を行う画像処理装置を提供することを目的とする。ま
た、本発明の他の目的は、フラクタル次元を高速に測定
して、X線医療画像の処理を行うCTスキャナを提供す
ることである。
【0015】さらに、本発明の他の目的は、フラクタル
次元を高速に測定して、処理速度の向上を図るフラクタ
ル次元測定方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、フラクタル次元を測定して画像処理を行
う画像処理装置において、多値画像に対し、設定したし
きい値以上の輝度値を高輝度値、前記しきい値以下の輝
度値を低輝度値として、2値画像に変換する画像変換手
段と、前記2値画像から一定領域の画像を抽出して抽出
画像を生成する抽出画像生成手段と、前記抽出画像に解
像度を設定し、前記解像度を階層的に変えて複数の解像
度変換画像を生成する解像度変換画像生成手段と、下位
の階層の前記解像度変換画像を構成する隣接画素のう
ち、一つでも前記高輝度値があれば、前記隣接画素に対
応する上位の階層の前記解像度変換画像の画素の輝度値
を前記高輝度値とし、前記隣接画素がすべて低輝度値の
場合は対応する画素の輝度値を前記低輝度値とする輝度
値設定手段と、前記高輝度値を持つ画素数の総和である
高輝度画素数を前記解像度変換画像毎にそれぞれ計算す
る高輝度画素数計算手段と、前記解像度及び前記高輝度
画素数の座標軸上に、前記高輝度画素数をプロットして
生成したグラフの傾きを求め、前記傾きを前記フラクタ
ル次元として前記2値画像全体の各画素にわたって測定
するフラクタル次元測定手段と、前記フラクタル次元の
画像を表示するフラクタル次元画像表示手段と、を有す
ることを特徴とする画像処理装置が提供される。
【0017】ここで、画像変換手段は、多値画像に対
し、設定したしきい値以上の輝度値を高輝度値、しきい
値以下の輝度値を低輝度値として、2値画像に変換す
る。抽出画像生成手段は、2値画像から一定領域の画像
を抽出して抽出画像を生成する。解像度変換画像生成手
段は、抽出画像に解像度を設定し、解像度を階層的に変
えて複数の解像度変換画像を生成する。輝度値設定手段
は、下位の階層の解像度変換画像を構成する隣接画素の
うち、一つでも高輝度値があれば、隣接画素に対応する
上位の階層の解像度変換画像の画素の輝度値を高輝度値
とし、隣接画素がすべて低輝度値の場合は対応する画素
の輝度値を低輝度値とする。高輝度画素数計算手段は、
高輝度値を持つ画素数の総和である高輝度画素数を解像
度変換画像毎にそれぞれ計算する。フラクタル次元測定
手段は、解像度及び高輝度画素数の座標軸上に、高輝度
画素数をプロットして生成したグラフの傾きを求め、傾
きをフラクタル次元として2値画像全体の各画素にわた
って測定する。フラクタル次元画像表示手段は、フラク
タル次元の画像を表示する。
【0018】また、フラクタル次元を測定して画像処理
を行う画像処理装置において、多値画像から一定領域の
画像を抽出して抽出画像を生成する抽出画像生成手段
と、前記抽出画像に解像度を設定し、前記解像度を階層
的に変えて、複数の第1の解像度変換画像及び複数の第
2の解像度変換画像を生成する解像度変換画像生成手段
と、前記第1の解像度変換画像に対し、下位の階層の解
像度変換画像を構成する隣接画素の中の最大輝度値を、
前記隣接画素に対応する上位の階層の前記解像度変換画
像の画素の輝度値とする最大輝度値設定手段と、前記第
2の解像度変換画像に対し、下位の階層の解像度変換画
像を構成する隣接画素の中の最小輝度値を、前記隣接画
素に対応する上位の階層の前記解像度変換画像の画素の
輝度値とする最小輝度値設定手段と、前記第1の解像度
変換画像と前記第2の解像度変換画像の同一座標の画素
の輝度値の差分の総和である輝度差分値を計算する輝度
差分値計算手段と、前記解像度及び前記輝度差分値の座
標軸上に、前記輝度差分値をプロットして生成したグラ
フの傾きを求め、前記傾きを前記フラクタル次元として
前記多値画像全体の各画素にわたって測定するフラクタ
ル次元測定手段と、前記フラクタル次元の画像を表示す
るフラクタル次元画像表示手段と、を有することを特徴
とする画像処理装置が提供される。
【0019】ここで、抽出画像生成手段は、多値画像か
ら一定領域の画像を抽出して抽出画像を生成する。解像
度変換画像生成手段は、抽出画像に解像度を設定し、解
像度を階層的に変えて、複数の第1の解像度変換画像及
び複数の第2の解像度変換画像を生成する。最大輝度値
設定手段は、第1の解像度変換画像に対し、下位の階層
の解像度変換画像を構成する隣接画素の中の最大輝度値
を、隣接画素に対応する上位の階層の解像度変換画像の
画素の輝度値とする。最小輝度値設定手段は、第2の解
像度変換画像に対し、下位の階層の解像度変換画像を構
成する隣接画素の中の最小輝度値を、隣接画素に対応す
る上位の階層の解像度変換画像の画素の輝度値とする。
輝度差分値計算手段は、第1の解像度変換画像と第2の
解像度変換画像の同一座標の画素の輝度値の差分の総和
である輝度差分値を計算する。フラクタル次元測定手段
は、解像度及び輝度差分値の座標軸上に、輝度差分値を
プロットして生成したグラフの傾きを求め、傾きをフラ
クタル次元として多値画像全体の各画素にわたって測定
する。フラクタル次元画像表示手段は、フラクタル次元
の画像を表示する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の画像処理装置の原
理図である。画像処理装置10は、フラクタル次元を測
定して画像処理を行う。
【0021】画像変換手段1は、多値画像Iに対し、輝
度の分布を調べて、設定したしきい値以上の輝度値(画
素値)を高輝度値(輝度値=1)、しきい値以下の輝度
値を低輝度値(輝度値=0)として、2値画像Iaに変
換する。
【0022】抽出画像生成手段2は、2値画像Iaから
一定領域の画像を抽出して抽出画像Ibを生成する。解
像度変換画像生成手段3は、抽出画像Ibに解像度(ボ
ックス)を設定し、解像度を階層的に変えて複数の解像
度変換画像を生成する。なお、解像度を変えるとは、ボ
ックスの大きさを変えることである。
【0023】例えば、解像度変換画像Aの解像度は16
×16ビット、解像度変換画像Bの解像度は8×8ビッ
ト、解像度変換画像Cの解像度は4×4ビットというよ
うに、階層毎に解像度を下位から上位に向かって粗くし
て、解像度変換画像を生成する。
【0024】また、解像度の変換を、この例では倍ずつ
に低解像度(ボックスの大きさを2倍ずつ)としたが、
3倍、4倍、あるいは解像度毎に異なった倍率で次の低
解像度を定義してもよい。また、画像内の領域毎に異な
った倍率を与えるようにしてもよい。これらのことは、
以降の実施の形態すべてに当てはまる。このように解像
度を倍毎に変えることが計算量削減につながることは後
述する。
【0025】また、抽出画像生成手段2は、実際には最
初に設定した解像度で一定領域の画像を抽出するので、
抽出画像Ibと解像度変換画像Aは同一(16×16ビ
ット)の画像である。
【0026】輝度値設定手段4は、下位の階層の解像度
変換画像を構成する隣接画素のうち、一つでも高輝度値
があれば、隣接画素に対応する上位の階層の解像度変換
画像の画素の輝度値を高輝度値とし、隣接画素がすべて
低輝度値の場合は対応する画素の輝度値を低輝度値とす
る。
【0027】すなわち、下位の階層の解像度変換画像A
を構成する隣接画素(隣接4画素とする)Pa1には、
高輝度値が1つあるので、隣接4画素Pa1に対応する
上位の階層の解像度変換画像Bの画素Pb1の輝度値は
高輝度値となる。
【0028】また、隣接4画素Pa2はすべて低輝度値
であるから、対応する画素Pb2の輝度値は低輝度値と
なる。なお、各階層における画素の対応づけ等の説明は
後述する。
【0029】高輝度画素数計算手段5は、高輝度値を持
つ画素数の総和である高輝度画素数を解像度変換画像毎
にそれぞれ計算する。図では、高輝度画素数をS
(A)、S(B)、S(C)としている。ここで、解像
度変換画像Aの高輝度画素数が例えば5個(1の数が5
個)あれば、S(A)=5である。
【0030】フラクタル次元測定手段6は、解像度をX
軸、高輝度画素数をY軸にとり(実際にはそれぞれ対数
をとって)、この座標軸上に、高輝度画素数(ここで
は、S(A)、S(B)、S(C))をプロットして生
成したグラフの傾きaを例えば、最小2乗法等で求め
る。
【0031】そして、この傾きaをフラクタル次元とし
て、2値画像Ia全体の各画素にわたって測定する。こ
の場合、抽出画像Ibを2値画像Ia上を移動させるこ
とによって、すべての画素のフラクタル次元を測定す
る。
【0032】フラクタル次元画像表示手段7は、測定さ
れたフラクタル次元の画像を表示する。また、後述のフ
ラクタル次元の統計的分布を表示してもよい。次に本発
明がもとづくフラクタル次元の定義及びフラクタル次元
の算出について説明する。
【0033】平面が一辺rの正方形(ボックス)に分割
された画面内に画像を取り込む。そして、画像の少なく
とも一部を含む正方形の数をN(r)とし、N(r)の
一辺rの大きさを種々の大きさに変えると、
【0034】
【数1】 N(r)・rD =C (Cは定数) …(1) となる時、Dをフラクタル次元と呼ぶ。
【0035】また、式(1)の両辺の対数をとると、
【0036】
【数2】 logN(r)=−Dlogr+logC …(2) となる。
【0037】図2は線形回帰直線を示す図である。式
(2)が線形回帰直線である。X軸にlogr、Y軸に
logN(r)をとる。図のようにlogrとlogN
(r)のグラフは直線関係である。
【0038】したがって、rとN(r)との関係をプロ
ットして、線形回帰直線を最小2乗法により算出すれ
ば、その傾きがフラクタル次元Dとして求まる。本発明
では、このフラクタル次元を高速に算出して画像処理を
行うものである。次に画像処理装置10のフラクタル次
元の測定を図3〜図5を用いてさらに詳しく説明する。
図3、図4はフラクタル次元測定の処理手順を示すフロ
ーチャートである。 〔S1〕画像変換手段1は、多値画像Iを2値画像Ia
に変換する。以降、ステップS2からステップS12
は、解像度を変換しながら行う繰り返し処理を順次説明
するものである。 〔S2〕抽出画像生成手段2は、2値画像Iaから抽出
画像Ibを生成し、解像度変換画像生成手段3は、抽出
画像Ibに16×16ビットの解像度を設定する。すな
わち、解像度変換画像Aは、16×16ビット解像度の
画像である。 〔S3〕高輝度画素数計算手段5は、16×16ビット
の解像度変換画像A内の輝度値1の総和を求め、それを
S(A)とする。
【0039】ここでは、この解像度変換画像Aの中心の
隣接する4画素(7,7)、(7,8)、(8,7)、
(8,8)のフラクタル次元を求めるものとする。な
お、16×16ビットのうち、フラクタル次元はどのビ
ットでも対応させることができるが、一番意味のある対
応づけがこの中心部の隣接する4ビットに対応させるこ
とである(この例は、エプソン社のEndeavor ET-6500(C
PU Pentium 133MHz)上でインプリメントされた。また、
人間の目で見て、その視覚に訴えるには、1画素よりも
隣接4画素で同じフラクタル次元を表わす方が効果的で
あることが知られている。)。 〔S4〕解像度変換画像生成手段3は、16×16ビッ
トの解像度変換画像Aに対して、8×8ビットの解像度
変換画像Bを用意する。そして、解像度変換画像Aの座
標(i,j)の画素に解像度変換画像Bの座標(〔i/
2〕,〔j/2〕)の画素が対応づけられる。
【0040】ここで〔n〕は、記号(ガウス記号)内の
数値を越えない最大の整数とする。したがって、解像度
変換画像Aの隣接する4画素が解像度変換画像Bの1画
素に対応することになる。 〔S5〕輝度値設定手段4は、この隣接4画素のうち一
つでも輝度値が1ならば、解像度変換画像Bに対応する
画素の輝度値は1にする。また、隣接4画素すべての輝
度値が0ならば、解像度変換画像Bに対応する画素の輝
度値は0にする。 〔S6〕高輝度画素数計算手段5は、8×8ビットの解
像度変換画像B内の輝度値1の総和を求め、S(B)と
する。 〔S7〕解像度変換画像生成手段3は、8×8ビットの
解像度変換画像Bに対して、4×4ビットの解像度変換
画像Cを用意する。解像度変換画像Bの(i,j)の画
素に解像度変換画像Cの画素(〔i/2〕,〔j/
2〕)の画素が対応づけられる。したがって、解像度変
換画像Bの隣接する4画素が解像度変換画像Cの1画素
に対応する。 〔S8〕輝度値設定手段4は、この隣接する4画素のう
ち一つでも輝度値が1ならば、解像度変換画像Cに対応
する画素の輝度値は1にする。また、隣接4画素すべて
の輝度値が0ならば、解像度変換画像Cに対応する画素
の輝度値は0にする。 〔S9〕高輝度画素数計算手段5は、4×4ビットの解
像度変換画像C内の輝度値1の総和を求め、S(C)と
する。 〔S10〕解像度変換画像生成手段3は、4×4ビット
の解像度変換画像Cに対して、2×2ビットの解像度変
換画像Dを用意する。また、対応する画素を上記同様に
定義する。 〔S11〕輝度値設定手段4は、この隣接する4画素の
うち一つでも輝度値が1ならば、解像度変換画像Cに対
応する画素の輝度値は1にする。また、隣接4画素すべ
ての輝度値が0ならば、解像度変換画像Cに対応する画
素の輝度値は0にする。 〔S12〕高輝度画素数計算手段5は、2×2ビットの
解像度変換画像D内の輝度値1の総和を求め、S(D)
とする。
【0041】ここで、S(A)、S(B)、S(C)及
びS(D)は、各対応する解像度で1を持つボックスの
総和である。それぞれの解像度の各ボックスは、もとの
16×16ビットの解像度変換画像Aに対し、輝度値が
1であるものが少なくとも1個はあり、その時に限って
1である。
【0042】ボックスの大きさはそれぞれ、1×1ビッ
ト、2×2ビット、4×4ビット、8×8ビットである
ので、そのボックスの1辺の対数(底2)をとれば0、
1、2、3である。 〔S13〕フラクタル次元測定手段6は、X軸にボック
スの1辺の大きさの対数、Y軸に各辺に対応するボック
スの数S(A)、S(B)、S(C)及びS(D)の対
数をとる。そして、各点を最も近似する直線を最小2乗
法により求め、その傾きからフラクタル次元を求める。
【0043】なお、この場合のフラクタル次元は、解像
度変換画像Aの中心隣接4画素のフラクタル次元と見な
し、画像処理装置10の記憶領域の同じ座標上の4画素
に記憶する。 〔S14〕16×16ビットの抽出画像Ib(解像度変
換画像A)を2値画像Iaに対してスライドさせながら
(この例では、2ビットずつずらす。すなわち、2ビッ
トずつずらした画像を抽出するのと同じ)画像全体の各
画素におけるフラクタル次元を測定する。
【0044】そして、すべての各画素のフラクタル次元
が求まった時点で、フラクタル次元画像は、フラクタル
次元画像表示手段7により表示される。図5は輝度値が
設定された解像度変換画像の生成過程の流れを示す図で
ある。解像度変換画像Aから解像度変換画像Cまでを示
している。
【0045】解像度変換画像Aの隣接画素Pa1は、4
画素で構成され、輝度値1の画素と輝度値0の3つの画
素からなる。隣接画素Pa2〜Pa4は、輝度値0の4
画素からなる。
【0046】解像度変換画像Bの画素Pb1は、隣接画
素Pa1に対応し、上述したように輝度値が1となる。
解像度変換画像Bの画素Pb2〜Pb4は、それぞれ隣
接画素Pa2〜Pa4に対応し、輝度値が0となる。
【0047】解像度変換画像Cの画素Pcは、画素Pb
1〜〜Pb4の4つの画素からなる隣接4画素Pbに対
応し、輝度値が1となる。なお、上記の説明では、最初
の設定として解像度変換画像Aを16×16ビットとし
たが、別のビットのサイズでもよい。このサイズは画像
処理装置10のアプリケーションによって決まる。
【0048】この例では、フラクタル次元を画像のロー
カルの値として求める必要上、またディスプレイ上での
画像の認識度を考慮して16×16ビットを採用した。
一般にn×nビットの画像全体のフラクタル次元を求め
るには、n/2×n/2、n/22 ×n/22 、n/2
3 ×n/23 、…、2×2のサイズの補助のデータ領域
があればよい。
【0049】また、抽出画像Ibをスライドさせる際に
は、中心部の2×2ビットのフラクタル次元を求めてい
るので、次の抽出画像は2ビットX軸またはY軸方向に
ずれた場所にとり、以降繰り返していく。
【0050】なお、同じ16×16の画像でも次の抽出
画像を4ビットずらしたり、8ビットずつずらしたり、
あるいはオーバーラップなしにして行ってもよい。次に
フラクタル次元測定の詳細アルゴリズムについて、図
6、図7を用いて説明する。図6は抽出画像Ibの生成
手順を示すフローチャートである。
【0051】フラクタル次元測定時に、抽出画像生成手
段2が2値画像Ia上に抽出画像Ibを数ビットスライ
ドさせて、新たな抽出画像を生成する際の処理手順を示
している。なお、以降では抽出画像をウインドとも呼
ぶ。
【0052】ここでは、処理される入力はサイズがn×
nの2値画像である。出力はサイズがn×nのフラクタ
ル次元の2次元データD(i,j)である。簡単のた
め、nは2のべき乗の数であるとする。また、対数の底
は2とする。〔S20〕アルゴリズムの始めに初期値と
して、X軸方向とY軸方向へのフラクタル次元を求めて
いる画素の座標値の各ループでの増加量(increment_x,
increment _y)を与える。ここでは2とする。
【0053】もとの画像のうち、ある任意の画素を中心
付近に含む2次元の解像度変換画像SL (i,j)の大
きさwindow_sizeを与える。ここでは16(=24) とす
る。すなわち、16×16サイズのウインドの単位でフ
ラクタル次元を求める。この例の16という数は、一般
のnに置き換えてもよい。その際の必要なメモリ領域の
数(ウインドを含めて)をmax _level と呼ぶ。ここで
は4の値を初期値として持つ。
【0054】なお、異なった階層(以降、レベル)が異
なった解像度、あるいは異なったサイズのボックスに対
応していると考えてよい。ウインドを2次元の画像上で
スライドさせながら、フラクタル次元を求めるが、その
ウインドの中心座標をi,jで表し、初期値として、X
座標、Y座標とも7をとる。なお、画像の座標は、X
軸、Y軸とも0から始まるものとする。 〔S21〕iとjがその最大値 i_max とj _max かど
うかを判断する。そうであれば、フラクタル次元を必要
とする画素すべてのフラクタル次元が求まったことにな
るので終了し、そうでなければステップS22へ行く。 〔S22〕X座標またはY座標をincrement _x または
increment _y だけ増やす。なお、ここではY座標優先
で行う。すなわち、一定のiに対して、jを増やしてそ
の最大値までにする。そこでjをリセットして、かつi
をincrement _xだけ増やす。すなわち、2次元データ
を行毎に上から下へスキャンする。 〔S23〕ある特定のi、jに対して、すなわち(i,
j)座標を中心にもつ16×16のウインド領域からフ
ラクタル次元を求める。なお、フラクタル次元dを求め
る詳細な処理は図7で説明する。 〔S24〕フラクタル次元dを出力データD(i,j)
上のウインドの中心部に対応する隣接4座標に記録す
る。すなわち、D(i,j)、D(i,j+1)、D
(i+1,j)、D(i+1,j+1)に今計算された
dが代入される。そして、ステップS21に戻る。
【0055】次に解像度変換画像の生成、輝度値の設定
及び高輝度画素数の計算を行って、フラクタル次元を測
定する際の処理手順について説明する。図7はフラクタ
ル次元測定の処理手順を示すフローチャートである。 〔S30〕フラクタル次元の計算に必要な入力は、ウィ
ンドウで囲まれた輝度値、ウインドウの元の画像での位
置を表す(i,j)、及びレベルの最小値Lmin(普通は
1) と最大値Lmaxである。 〔S31〕始めに現在のレベルLを1(=Lmin) に初期化
する。 〔S32〕レベルが最大Lmaxに達しているかをテストす
る。達していればステップS33へ、そうでなければス
テップS35へ行く。 〔S33〕d1 ,d2 ,…dLmaxから最小2乗法によっ
てフラクタル次元dを求める。これらのサフィックスは
レベルを表し、d1 ,d2 ,…dLmaxは各長さのボック
スに対し、その中に含まれるレベル1のボックスのう
ち、少なくとも一つの値が1であるボックスの数であ
る。そして、これらの点の集まりを最もよく近似する直
線を最小2乗法で求める。この直線の傾きからフラクタ
ル次元が求まる。 〔S34〕フラクタル次元が求まったなら、元のルーチ
ンに戻る。 〔S35〕レベル番号を1増やす(LをL+1)。さら
に、各レベルで使われるポインタi、jをリセットす
る。 〔S36〕未処理の隣接4画素があるかどうかを調べ
る。なければこのレベルの画素の計算が終わったことに
なり、dL にはこのレベルでの1の総和が入っているは
ずである。そして、ステップS32に戻る。未処理の隣
接4画素があればステップS37へ行く。 〔S37〕レベルの数Lが1増えたのに注意して、これ
までに計算したボックスカウンティング法での値SL-1
(i,j)、SL-1 (i,j+1)、SL-1 (i+1,
j)、SL-1 (i+1,j+1)のうち一つでも1があ
るかどうかを判断する。あればステップS38へ、なけ
ればステップS40へ行く。 〔S38〕次のレベルでのボックスカウンティングのた
めデータ領域SL (〔i/2〕,〔j/2〕)の場所に
1を記憶する。 〔S39〕このデータ領域SL (i,j)の1の画素の
総和を表すdL の値を1増やす。そして、ステップS3
6へ戻る。 〔S40〕SL (〔i/2〕,〔j/2〕)の場所に0
を記憶する。そして、ステップS36へ戻る。
【0056】その後、解像度を変えることによって得ら
れるデータから生成される直線を最小2乗法で求め、フ
ラクタル次元を測定する。次にフラクタル次元測定のア
ルゴリズムの正しさ(the validity of algorithm)につ
いて説明する。データが有限であり、かつレベル毎に計
算に利用されるデータが4分の1に減っているので、有
限の大きさのデータに対して必ず有限ステップで停止す
る。すなわち、上記のステップS32、S35、S36
から構成されるループは有限回で停止する。
【0057】一方、各レベルの各ボックスに含まれる元
の画像の画素(レベル1のボックス)が一つでも1なら
1であり、各ボックスに含まれる元の画像の画素全てが
0の時0になるようにした。
【0058】この主張はステップS37、38、40に
対し、もし、SL-1 (i,j)、S L-1 (i,j+
1)、SL-1 (i+1,j)、SL-1 (i+1,j+
1)がすべて0であるならば、SL (〔i/2〕,〔j
/2〕)=0であり、また前者の一つでも1があれば、
L (〔i/2〕,〔j/2〕)=1であるので、サフ
ィックスLについての数学的帰納法により簡単に証明さ
れる。このこととボックスカウンティング方法の正しさ
により、このアルゴリズムの正当性は証明される。
【0059】次にこのアルゴリズムに必要なメモリーの
大きさ(space complexity)について説明する。必要な
メモリは計算に有効な2次元のメモリがレベル毎に4分
の1になること、もとの入力n2 データをのぞいて、
【0060】
【数3】 (n×2×n/2+n×22 ×n/22 +n×23 ×n/23 +…+2×2) =n2 (1/4+1/42 +1/43 +…+(n×n)/(n/2)2 ) <n2 (1/4+1/42 +1/43 +…) =(1/3)×n2 …(3) の余分のスペースが必要となる。ここで2次元データの
各要素には0または1の値をとる。なお、このスペース
はn2 /22 で充分である(データ領域最小化の説明部
分で後述)。
【0061】次にアルゴリズムの時間の複雑さ(time c
omplexity )について説明する。各レベルに対し、次の
レベルの画素の値は2×2の小画像から計算される。す
なわち、隣接4画素の一つでも1があれば、次のレベル
の対応する画素は1となり、隣接4画素のすべてが0の
場合0となる。
【0062】これは3回の論理和をとるだけで充分であ
る。これはコンピュータ内部では実質比較と同じオペレ
ーションである(4画素の和が正かどうかで判断すると
すれば、3回の和と1回の比較ですることもできる)。
【0063】そのような2×2の小画像は全部でn2
2 ある。このことは各レベルでも成り立ち、かつ各レ
ベルでの画像の大きさは前レベルの1/22 になるの
で、すべてのレベルでの小画像の総和は、
【0064】
【数4】 n2 (1/22 +1/22 ×1/22 +1/22 ×1/22 ×1/22 +…+ 1/(n/2)2 )<n2 (1/4+1/42 +1/43 +…) =(1/3)×n2 …(4) である。したがって、全部で多くて3×(1/3)×n
2 =n2 の比較が必要である。
【0065】また、加算については各レベルでの画素を
足しあわせる必要があるので、最初の画素の加算n2
考慮すると全体で(4/3)n2 (=n2 +(1/3)
2)の加算が必要になる。
【0066】次にフラクタル次元の測定速度について説
明する。従来の方法では、ボックスの各サイズにおい
て、最悪の場合n2 の比較が必要である。したがって、
Lを異なったボックスの数(異なったスケールの数、あ
るいは本発明のアルゴリズムでのレベルの値に相当) と
すれば、全体の比較の数はL×n2 ある。同様に、ボッ
クスの各サイズにおいて、加算は最悪の場合n2 であ
り、全体の加算の数はL×n2 である。
【0067】一方、本発明の計算アルゴリズムでは、可
変させる異なるボックスの種類の数にかかわらずn2
比較、また加算は(4/3)n2 ですむ。したがって、
本アルゴリズムの速さT1 と従来のアルゴリズムの速さ
2 の比=T1/T2 =1/L(比較の場合)、あるいは
1/T2 =(4/3)・1/L(加算の場合)となる。
数Lは最低3から4であり、実用上では10から40で
あるので、本発明のアルゴリズムは従来のアルゴリズム
に比べて著しく優越性があることが分かる。
【0068】次にフラクタル次元画像表示手段7につい
て説明する。図8は人間の肺のX線画像を示す図であ
る。CTスキャナから得られた肺のX線画像である。5
12×512ピクセルのモノクロ画像で各画素は8ビッ
トのグレースケールのデータを保持する。
【0069】図9は図8のX線画像を処理した本発明の
フラクタル次元画像を示す図である。各画素のフラクタ
ル次元を求めたものである。両図ともコントラストとエ
ッジを強調処理して見やすくしてある。
【0070】X線画像100には、細かな暗影部mと画
像領域110に大きな暗影部Mが映し出されており、大
きな暗影部Mは癌腫瘍であろうと推測できる。フラクタ
ル次元画像100fには、画像領域110に画像Mfが
島状になって現れている。したがって、X線画像100
の推測に踏まえて、さらに確実に画像領域110の部分
に異常が発生していると判断することができる。
【0071】なお、もとのX線画像100の細かく黒く
現れた箇所(暗影部m)が、必ずしもフラクタル次元が
高く島状となって現れないことに注意する。図10、図
11はフラクタル次元の統計的分布を示す図である。人
間の脳のX線画像を解析し、X軸にとったフラクタル次
元に対する統計値をプロットした図である。さらに、図
11は図10の3ヵ月後に撮った図である。
【0072】図11では3ヵ月前にはなかった画像Ma
が現れており、撮影した箇所に異常が発生していると判
断できる。このように、フラクタル次元画像表示手段7
は、フラクタル次元の画像として、フラクタル次元画像
またはフラクタル次元の統計的分布を表示するので、画
像解析者にとって有効な情報を提供することができる。
【0073】次に多値画像(グレースケール画像)のフ
ラクタル次元を測定する画像処理装置について説明す
る。図12は本発明の多値画像のフラクタル次元を測定
する画像処理装置の原理図である。画像処理装置10a
は、多値画像のフラクタル次元を測定して画像処理を行
う。
【0074】抽出画像生成手段12は、多値画像Iから
一定領域の画像を抽出して抽出画像Icを生成する。解
像度変換画像生成手段13は、抽出画像Icに解像度を
設定し、解像度を階層的に変えて、複数の第1の解像度
変換画像及び複数の第2の解像度変換画像を生成する。
【0075】ここで、第1の解像度変換画像及び第2の
解像度変換画像は、同一解像度の画像である。解像度変
換画像生成手段13は、階層毎に解像度を下位から上位
に向かって粗くして、2系統の解像度変換画像を生成す
る。
【0076】また、抽出画像生成手段12は、実際には
最初に設定した解像度で一定領域の画像を抽出するの
で、抽出画像Icと、第1の解像度変換画像及び第2の
解像度変換画像の最初の解像度変換画像とは同一であ
る。
【0077】最大輝度値設定手段14aは、第1の解像
度変換画像に対し、下位の階層の解像度変換画像を構成
する隣接画素の中の最大輝度値を、隣接画素に対応する
上位の階層の解像度変換画像の画素の輝度値とする。
【0078】最小輝度値設定手段14bは、第2の解像
度変換画像に対し、下位の階層の解像度変換画像を構成
する隣接画素の中の最小輝度値を、隣接画素に対応する
上位の階層の解像度変換画像の画素の輝度値とする。最
大輝度値及び最小輝度値の設定の詳細については後述す
る。
【0079】輝度差分値計算手段15は、第1の解像度
変換画像と第2の解像度変換画像の同一座標の画素の輝
度値の差分の総和である輝度差分値を計算する。フラク
タル次元測定手段16は、解像度及び輝度差分値の座標
軸上に、輝度差分値をプロットして生成したグラフの傾
きを最小2乗法により求め、この傾きをフラクタル次元
として多値画像全体の各画素にわたって測定する。この
場合、抽出画像Icを多値画像I上を移動させることに
よって、すべての画素のフラクタル次元を測定する。
【0080】フラクタル次元画像表示手段17は、上述
したようなフラクタル次元画像またはその統計的分布を
表示する。次に画像処理装置10aのフラクタル次元の
測定を図13〜図15を用いてさらに詳しく説明する。
図13はフラクタル次元測定の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【0081】なお、以降の説明で、セルとはn×nの2
次元の小画像のことであり、ボックスとは、このセル上
に定義されるn×n×nの3次元の小画像を意味する。
ここでの処理は、解像度変換画像A1の中を2×2ビッ
トの重なりのない小画像(2次元のボックス)で分割す
る。隣接する4画素のうち、左上の画素の座標を(i,
j)とする。
【0082】そして、それぞれの小画像の4画素に対
し、輝度の最大値を求める。同様に、解像度変換画像A
2の中を2×2ビットの小画像で分割する。4画素のう
ち、左上の画素の座標を(i,j)とする。そして、そ
れぞれの小画像の4画素に対し、輝度の最小値を求め
る。〔S50〕抽出画像生成手段12は、多値画像Iか
ら抽出画像Icを生成し、解像度変換画像生成手段13
は、抽出画像Icに16×16ビットの解像度を設定し
て、第1の解像度変換画像A1と第2の解像度変換画像
A2を生成する。
【0083】すなわち、第1の解像度変換画像A1と第
2の解像度変換画像A2は、16×16ビット解像度の
画像である。ここでは、抽出画像Icの中心の隣接する
4画素、(7,7)、(7,8)、(8,7)、(8,
8)のフラクタル次元を求めるものとする。以降、ステ
ップS51からステップS59までは、画像の解像度の
変換を順次繰り返しながら行うことを説明する。 〔S51〕解像度変換画像生成手段13は、16×16
ビットの解像度変換画像A1、A2に対して、8×8ビ
ットの解像度変換画像B1、B2を用意する。そして、
解像度変換画像A1、A2の画素(i,j)に解像度変
換画像B1、B2の座標(〔i/2〕,〔j/2〕)の
画素がそれぞれ対応づけられる。〔n〕は上述したので
説明は省略する。 〔S52〕最大輝度値設定手段14aは、解像度変換画
像A1の隣接4画素内の最大輝度値を解像度変換画像B
1の対応する画素に設定する。最小輝度値設定手段14
bは、解像度変換画像A2の隣接4画素内の最小輝度値
を解像度変換画像B2の対応する画素に設定する。 〔S53〕輝度差分値計算手段15は、解像度変換画像
B1、B2の同一アドレスの差分の総和を求め、それを
S(B)とする。 〔S54〕解像度変換画像生成手段13は、8×8ビッ
トの解像度変換画像B1、B2に対して、4×4の解像
度変換画像C1、C2を用意する。画素の対応づけは、
上記と同様である。 〔S55〕最大輝度値設定手段14aは、解像度変換画
像B1の隣接4画素内の最大輝度値を解像度変換画像C
1の対応する画素に設定する。最小輝度値設定手段14
bは、解像度変換画像B2の隣接4画素内の最小輝度値
を解像度変換画像C2の対応する画素に設定する。 〔S56〕輝度差分値計算手段15は、解像度変換画像
C1、C2の同一アドレスの差分の総和を求め、それを
S(C)とする。 〔S57〕解像度変換画像生成手段13は、4×4ビッ
トの解像度変換画像C1、C2に対して、2×2の解像
度変換画像D1、D2を用意する。画素の対応づけは、
上記と同様である。 〔S58〕最大輝度値設定手段14aは、解像度変換画
像C1の隣接4画素内の最大輝度値を解像度変換画像D
1の対応する画素に設定する。最小輝度値設定手段14
bは、解像度変換画像C2の隣接4画素内の最小輝度値
を解像度変換画像D2の対応する画素に設定する。 〔S59〕輝度差分値計算手段15は、解像度変換画像
D1、D2の同一アドレスの差分の総和を求め、それを
S(D)とする。
【0084】ここで、S(B)、S(C)及びS(D)
は、各対応する解像度での各セルにおいて、輝度の最大
値と最小値の差を各セルの一辺の長さで割った数であ
る。したがって、この数はボックスがセルの辺の長さだ
けの高さが合ったとした場合の立方体で輝度の最大と最
大を含むように覆った場合の立方体の数である。
【0085】なお、立方体の高さをボックスと同じ長さ
にできるのは、輝度の最大値が画像の一辺の長さと同じ
場合である。そうでない場合は補正を行う。ボックスの
大きさはそれぞれ、2×2ビット、4×4ビット、8×
8ビットであるので、そのボックスの1辺の対数をとれ
ば、1、2、3である。 〔S60〕フラクタル次元測定手段16は、X軸のボッ
クスの1辺の大きさの対数、Y軸に異なった辺の大きさ
に対応するボックスの数の対数をとる。
【0086】そして、各点をよく近似する直線を最小2
乗法により求め、その傾きからフラクタル次元を求め
る。なお、この場合のフラクタル次元は、解像度変換画
像Aの中心隣接4画素のフラクタル次元と見なし、画像
処理装置10aの記憶領域の同じ座標の4画素に記憶さ
れる。 〔S61〕16×16ビットの抽出画像Icを多値画像
Iに対してスライドさせながら(この例では2ビットず
つずらした画像を抽出する)画像全体の各画素における
フラクタル次元を求める。
【0087】そして、すべての各画素のフラクタル次元
が求まった時点で、フラクタル次元画像は、フラクタル
次元画像表示手段17により表示される。図15は最大
輝度値及び最小輝度値が設定された解像度変換画像の生
成過程の流れを示す図である。解像度変換画像A1、A
2〜解像度変換画像D1、D2までを示している。
【0088】図では例えば、解像度変換画像A1の隣接
4画素の中の最大輝度値246が解像度変換画像B1の
対応する画素に設定される。以降、解像度変換画像D1
まで同様である。
【0089】また、解像度変換画像A2の隣接4画素の
中の最小輝度値88が解像度変換画像B2の対応する画
素に設定される。以降、解像度変換画像D2まで同様で
ある。
【0090】なお、上記の説明では、最初の設定として
解像度変換画像A1、A2を16×16ビットとした
が、別のビットのサイズでもよい。このサイズは画像処
理装置10aのアプリケーションによって決まる。
【0091】この例では、フラクタル次元を画像のロー
カルの値として求める必要上、またディスプレイ上での
画像の認識度を考慮して16×16ビットを採用した。
一般にn×nビットの画像全体のフラクタル次元を求め
るには、n/2×n/2、n/22 ×n/22 、n/2
3 ×n/23 、…、2×2のサイズの補助のデータ領域
があればよい。
【0092】また、この例ではフラクタル次元を求める
ために、8×8,4×4,2×2の画像からS(B),
S(C),S(D)を求めている。S(A)を利用する
ために、もとの画像から抽出する小画像の大きさを32
×32にしてもよいが、実験の結果、X線写真の場合、
3つのS(*)値でフラクタル次元を求めるのに充分で
あることが分かった。
【0093】さらに、抽出画像Icをスライドさせる際
には、中心部の2×2ビットのフラクタル次元を求めて
いるので、次の抽出画像は2ビットX軸またはY軸方向
にずれた場所にとり、以降繰り返していく。
【0094】ただし、同じ16×16の画像でも次の抽
出画像を4ビットずらしたり、8ビットずつずらした
り、あるいはオーバーラップなしにしてもよい。以上説
明したように、本発明の画像処理装置10aは、多値画
像Iから第1と第2の解像度変換画像を構成し、それぞ
れの解像度を階層的に変化させて解像度変換画像を生成
し、解像度変換画像に最大、最小輝度値を設定して、輝
度値の差の総和を計算した後、フラクタル次元を測定す
る構成とした。これにより、解像度を変化させる度に画
像をスキャンさせる必要がないので、フラクタル次元を
高速に測定することが可能になる。
【0095】次にフラクタル次元測定の詳細アルゴリズ
ムについて説明する。抽出画像Icの生成手順は図6と
同様であるので、フラクタル次元を計算する部分のみを
説明する。図16はフラクタル次元の測定処理手順を示
すフローチャートである。〔S70〕フラクタル次元計
算ルーチンは、インプットとしてウインドウの元の画像
上の所在を示す座標i、j(これによって、ウインドウ
小画像を表す)、解像度のレベルの最大値を表すLmax、
レベルの最小を表すLminがある。
【0096】Lminは普通1である。このルーチンのアウ
トプットはウインドウ小画像のフラクタル次元dであ
る。 〔S71〕LminをLに入れる。また、ウインドウで囲ま
れた画素値W(i,j)をSmax,L (i,j)、S
min,L (i,j)にそれぞれにコピーする。すなわち、
第一レベル(最下位のレベル)では各座標値の最大値と
最小値は同じであるとする。これはアルゴリズムを簡単
にするために行われる。 〔S72〕LがLmaxに達したかどうかテストする。達し
た場合はステップS73へ、そうでなければステップS
75へ行く。 〔S73〕d2 ,d3 ,…dLmaxから(それぞれの対数
を求めた後)最小2乗法によってフラクタル次元dを求
める。 〔S74〕フラクタル次元が求まったなら、もとのルー
チンに戻る。なお、この例の場合は、図7のステップS
33のように、フラクタル次元の計算にd1 を利用しな
いことに注意する。 〔S75〕Lを1だけ増やし、小画像のポインタi,j
及び、imax,jmax(現在の小画像の1辺の画素数(下記の
説明でaとする)をリセットする。 〔S76〕未処理の隣接4画素があるかどうかを調べ
る。なければステップS77へ行き、あればステップS
78へ行く。 〔S77〕現在のレベルの小画像の処理が終わったの
で、dL を画像の一辺の長さと輝度の比率(G/M)で
補正したボックスの一辺の長さでもって割る。
【0097】
【数5】 dL ←dL /(2L ・G/M) …(5) この時点で、dL =1/(2L ・G/M)max
i,j=0...,(a-1){Smax,L (i,j)―Smin,L (i,
j)}を計算したことと同じになる。
【0098】ここでa=M/2L である。すなわち、
i、jは各レベルでのすべての座標値をとる。また、G
は可能な輝度の最大値、Mは元の画像の1辺の長さ(画
素の数)である。そしてステップS72へ戻る。 〔S78〕Lが1だけ増えたので、L―1のレベルの隣
接する4画素Smax,L-1(i,j)、Smax,L-1 (i,
j+1)、Smax,L-1 (i+1,j)、Smax,L- 1 (i
+1,j+1)から最大値(smax)を選ぶ。
【0099】同様にL―1のレベルの隣接する4画素S
min,L-1 (i,j)、Smin,L-1 (i,j+1)、S
min,L-1 (i+1,j)、Smin,L-1 (i+1,j+
1),から最小値(smin)を選ぶ。 〔S79〕ここで次のレベルの輝度のmax とmin の差分
をこれまでの差分の部分和に加算する。さらに、Lのレ
ベルに対し、smaxをSmax,L (〔i/2〕,〔j/
2〕)に、sminをSmin,L (〔i/2〕,〔j/2〕)
に記憶させる。その後、ステップS76に戻る。
【0100】次にアルゴリズムの正当性(the validity
of algorithm) について説明する。データが有限であり
かつレベル毎に計算に利用されるデータが4分の1に減
っているので、有限の大きさのデータに対して必ず有限
ステップで停止する。
【0101】今、ある座標(x,y)における輝度値f
(x,y)からなる擬似曲面を考える。するとある解像
度で一つのセル内の最大値と最小値を求めて、それをセ
ルの1辺の大きさで割るとその擬似曲面を上下から囲む
3次元のボックスの数が求められる(正確にはセルの1
辺×G/Mで補正したもの、ここで、Gは輝度の最大
値、Mは元の画像の1辺の長さ)。
【0102】したがって、すべてのセルの3次元ボック
スの数の総和は、現在のセルに対応する解像度で見た時
の擬似曲面の近似値を与える。なぜなら、ボックスは曲
面を下と上から覆いつくし、また、画素同士の間隔が無
限に小さくなれば、画素値の集まりが近似的になだらか
な曲面を表し、無限に輝度からなる曲面に近づくからで
ある。以上の説明及びボックスカウンティング法の正し
さから、このアルゴリズムの正しさが証明される。
【0103】次にアルゴリズムに必要なメモリの大きさ
(space complexity)について説明する。必要なメモリ
は計算に有効な2次元のメモリがレベル毎に4分の1に
なること、及び各レベルで最大値と最小値を保持するた
めに2倍のメモリが必要なことから、もとの入力n2
ータをのぞいて
【0104】
【数6】 2×(n/2×n/2+n/22 ×n/22 +n/23 +…+2×2) =2×n2 (1/4+1/42 +1/43 +…+(n×n)/(n/2)2 ) <2×n2 (1/4+1/42 +1/43 +…)=(2/3)×n2 …(6) の余分のスペースが必要となる。なお、このスペース
は、n2 /2(=(n2 ×2)/22 )で充分である
(データ領域最小化の説明部で後述する)。
【0105】次にアルゴリズムの時間の複雑さ(time c
omplexity )について説明する。各レベルで最大値のみ
を保持する2次元データと最小値のみを保持する2次元
データがある。
【0106】あるレベルの隣接する4画素から最大値を
求めるには3回の比較ですむ。また、そのような4画素
からなる小画像は全部でn2 /22 個ある。次のレベル
での解像度変換画像1枚につき隣接4画素の数は常に4
分の1になっていることを考慮にすると、各レベルでの
隣接4画素の数の総和は、最大値と最小値を保持するデ
ータ領域が必要であることを考慮して、
【0107】
【数7】 2×n2 (1/22 +1/42 +1/82 +…1/(n/2)2 ) <2×n2 (1/4+1/42 +1/43 +…) =(2/3)×n2 …(7) したがって、全部で多くて3×(2/3)×n2 =2×
2 の比較が必要である。乗算はまったく必要としな
い。加算と減算、及び解像度が異なるために対する補正
(すなわち、ボックスの大きさが変わるため)のための
割り算はステップS79で生じて、それぞれ補助画像デ
ータの異なったインデックスをもつ画素の総和回数だけ
行う。すなわち、(1/3)×n2 である。
【0108】次にフラクタル次元の測定速度について説
明する。本発明のアルゴリズムは、Sarkar and Chaudhu
riらによるこれまで最速と知られているアルゴリズムの
時間の複雑さより、はるかによいことがわかる。
【0109】この論文によれば、画像の大きさをn×n
として、スケールダウンの比率をrとすれば(本件のボ
ックスの一辺のサイズは1/rに対応する) 、各解像
度、すなわち、レベル(あるいは比率r)に対して、2
×n2 の比較、4/r2 の加算、2/r2 の減算、3/
2 の乗算、3/r2 の除算を必要とする。
【0110】全体でL異なる解像度で計算したとする
と、全体の計算量は、単純に同じ解像度で計算が行われ
たとして、それぞれL×2×n2 、L×4/r2 、L×
2/r 2 、L×3/r2 、L×3/r2 である(なお、
最小2乗法を使うため、L>2である)。
【0111】2つのアルゴリズムを比較するために、条
件を同じにしてSarkar and Chaudhuriらのアルゴリズム
でも、異なる解像度を2、4、8... 画素間ずつ取った
とすると、簡単な計算の後、最後の4つは、それぞれ
(4/3)×n2 、(2/3)×n2 、n2 、n2 とな
る。
【0112】本発明のアルゴリズムでは2×n2 の比較
を必要とするが、加算、減算、乗算、除算はそれぞれ、
(1/3)×n2 、(1/3)×n2 、0、(1/3)
×n 2 である。これはすべての解像度に合わせての時間
のコストであり、また、乗算は本発明で使われていない
のは注目に値する。
【0113】同じ解像度でフラクタル次元の計算がなさ
れたと仮定して、本発明のアルゴリズムと従来のSarkar
and Chaudhuriのアルゴリズムの比をとると、比較、加
算、減算、乗算、除算の時間に対して、それぞれ、1/
L、1/4、1/2、0、1/3となる。よって、全体
としてこの新しいアルゴリズムは実用的な見地からも優
れたアルゴリズムである。
【0114】以上説明したように、本発明の画像処理装
置10aは、解像度を階層的に変化させて第1及び第2
の解像度変換画像を生成し、第1の解像度変換画像に最
大輝度値の設定、第2の解像度変換画像に最小輝度値を
設定し、輝度差分値を計算した後、最小2乗法によりフ
ラクタル次元を測定する構成とした。
【0115】これにより、解像度を変化させる度に画像
をスキャンさせる必要がないので、フラクタル次元を高
速に測定することが可能になる。次にフラクタル次元画
像生成手段について説明する。
【0116】3次元データは、次のようにして作成す
る。CTスキャンやMRIから得られた人体の画像は、
通常連続する2次元画像である場合が多い。これをG0
(x,y)、G1(x,y)、....Gn−1(x,
y)、x,y=0、...(画像の1辺の長さをnで表わ
す)。これらを3次元のデータに宣言されたメモリ上の
{(x,y,0), (x,y,1),.....(x,y,n
−1)}の座標値に入れると自動的に3次元画像が構成
される。
【0117】また、この3次元画像から、Z軸方向につ
いてスライスした画像は、固定したx'に対して、Y−Z
軸からなる2次元平面{(x',y,z)}を考えればよい。こ
れも、例えば、コンピュータのハードディスクを利用す
れば容易に構成できる。
【0118】データ構造としてX、Y、Z軸からなる直
方体を考える。図17はデータ構造の3次元座標を示す
図である。各点の座標は(x、y、z)で表現できる。
各座標は2値、0または1の値を持つ。それをf(x、
y、z)で表わす。
【0119】座標は直方体の奥下の角の一つを(0、
0、0)原点とし、手前にX座標値が増える方向にX軸
があり、右手にY座標値が増える方向にY軸があり、ま
た上にZ座標値が増える方法にZ軸があるものとする。
【0120】図18はX−Y平面の画像からX−Z平面
の画像を構成する様子を示す図である。複数のX−Y軸
からなる2次元画像(1からnまで)を3次元のデータ
領域からなる記憶部に読み込む。各2次元平面はX軸と
Y軸がそれぞれ同じ長さの辺からなるものとする。すな
わち、k番目の画像の座標(x,y)は3次元記憶部の
座標(x,y,k)に記憶される。
【0121】したがって、この記憶部からY座標を固定
してあるY=mについて、(x,m,z)のすべての値
を読み出すと、m番目の(x,z)軸からなる画像が構
成される。なお、このような変換は通常のコンピュータ
のハードディスク上に3次元データを定義することによ
って容易に構成できる。
【0122】3次元2値画像のフラクタル次元の測定に
ついては、まず、直方体(ボックス)は16×16×1
6の大きさとして説明する。この直方体の構造をAと呼
ぶ。最初に直方体Aのなかの要素(画素に対応する)の
値1の総和S(A)を求める。次に8×8×8の大きさ
の直方体Bを考える。Aにおいてf(i,j,k)、f(i+1,j,
k)、f(i,j+1,k)、f(i+1,j+1,k)、 f(i,j,k+1) 、f(i+1,
j,k+1)、f(i,j+1,k+1)、f(i+1,j+1,k+1)の8つの値の内
一つでも1があれば、Bにおけるf(〔i/2 〕,〔j/2
〕, 〔k/2 〕)の値は1となる。また、8つの値の全
てが0の時、 f(〔i/2 〕, 〔j/2 〕, 〔k/2 〕) の値
は0となる。
【0123】次に直方体Bのなかの要素の値1の総和S
(B)を求める。同様に、4×4×4の直方体Cを考
え、Cの各要素の値は、Bの各要素の値がAの要素から
決められたように、Bの隣接する8つの要素から定義さ
れる。
【0124】次に直方体Cのなかの要素の値1の総和S
(C)を求める。さらに、2×2×2の直方体Dを考
え、Dの各要素の値は、これまで記述したように、Cの
隣接する8つの要素から定義される。
【0125】次に直方体Dのなかの要素の値1の総和S
(D)を求める。最後に、X軸にボックスの1辺の大き
さの対数、Y軸に異なる長さの各辺に対応するボックス
の数、S(A),S(B),S(C),S(D)の対数
をとれば、各点を最も近似する直線を最小2乗法により
求め、その傾きからフラクタル次元を求める。
【0126】一般的な形でのアルゴリズムはここまでの
説明から容易に作成できる。また、アルゴリズムの解析
はn×n×nの入力データでもって行う。アルゴリズム
の正当性は上述したものと同様に証明されるので省略す
る。
【0127】次にアルゴリズムに必要なメモリの大きさ
(space complexity)について説明する。あるレベルの
3次元的に隣接する8要素の値が、次のレベルの1個の
要素の値を決める。
【0128】したがって、必要なメモリは計算に有効な
3次元のメモリスペースがレベル毎に8分の1になるこ
と、もとの入力データを保持する領域n3 をのぞいて、
ほとんど上述したものと同様である。
【0129】
【数8】 (n/2×n/2×n/2+n/22 ×n/22 ×n/22 +n/23 ×n/ 23 ×n/23 +…+2×2×2) =n3 (1/8+1/82 +1/83 +…+((n×n×n)/(n/2)3 ) <n3 (1/8+1/82 +1/83 +…) =(1/7)×n3 …(8) に比例する余分のスペースが必要となる。ここで2次元
データの各要素には0または1の値をとる。なお、この
スペースはn3 /8で充分である(データ領域最小化の
説明部で後述する)。
【0130】次にアルゴリズムの時間の複雑さ(time c
omplexity )について説明する。各レベルにおいて、次
のレベルの要素の値は前のレベルの2×2×2の小画像
から計算される。
【0131】すなわち、8要素の一つでも1があれば、
次のレベルの対応する要素は1となり、8要素の全てが
0の場合0となる。これは多くとも7回の論理和オペレ
ーションをするだけで充分である。これはコンピュータ
内部では実質比較と同じオペレーションである。
【0132】そのような小画像は全部でn3 /23
る。したがって、各レベルにおいて、3次元画像の各辺
の長さは半分になるので、全てのレベルを通して、
【0133】
【数9】 n3 (1/23 +1/43 +1/83 +…1/(n/2)3 ) <n3 (1/23 +1/43 +1/83 +…) =(1/7)×n3 …(9) の小画像に比較処理をしたことになる。よって、全部で
多くて7×( 1/7) ×n3 =n3 の比較が必要であ
る。
【0134】また、加算については各レベルでの要素を
足しあわせる必要があるので、最初の要素の加算n2
考慮すると全体で(8/7)n2 (=n2 +(1/7)
2)の加算が必要になる。
【0135】アルゴリズムの測定速度についてはこの場
合、3Dの対象物の形状そのもののフラクタル次元を、
2次元のデータに落とすことなく効率良く測れる。その
計算速度は2Dの場合に比べて遜色がない。
【0136】次に本発明の画像処理装置10aで3次元
の多値画像を扱う場合について説明する。すなわち、自
然のカラー3Dオブジェクトを全て扱うものである。始
めに、元の多値画像から16×16×16ビットの画像
を抽出する。この画像のコピーを二つ作る。これらの解
像度変換画像をA1とA2と呼ぶ。この例では16×1
6×16ビットの中心部の座標のフラクタル次元を求め
る。
【0137】ここで、16は偶数なので、この小画像の
中心部は隣接する8画素からなるものとする。すなわ
ち、中心部とは、この例の場合、(7、7、7)、
(8、7、7)、(7、8、7)、(8、8、7)…
(8、8、8)からなる座標で示された隣接8要素のこ
とである。
【0138】この画像A1の中を2×2×2ビットの小
画像で分割する。隣接する8画素の内、左下角の画素の
座標を(i,j,k)とする。それぞれの小画像の8画
素に対し、輝度の最大値を求める。同様に、この画像A
2の中を2×2×2ビットの小画像で分割する。4画素
の内、左下角の画素の座標を(i,j,k)とする。そ
れぞれの小画像の8画素に対し、輝度の最小値を求め
る。
【0139】16×16×16ビットの画像A1、A2
に対して、それぞれ8×8×8ビットの画像B1、B2
を用意する。画像A1またはA2の画素(i,j,k)
に対して、B1またはB2の画素(〔i/2〕,〔j/
2〕,〔k/2〕)が対応する。したがって、画像A1
(A2)の隣接する8画素が画像B1(B2)の1画素
に対応する。
【0140】画像B1の座標(〔i/2〕,〔j/
2〕,〔k/2〕)にA1の隣接する8画素の最大値を
記憶させる。同様にして、画像B2の座標(〔i/
2〕,〔j/2〕,〔k/2〕)にA2の隣接する8画
素の最小値を記憶させる。
【0141】そして、画像B1とB2の同一アドレスの
差分の総和を求め、それをS(B)とする。同様に8×
8×8ビットの画像B1、B2に対して、それぞれ4×
4×4の画像C1、C2を用意する。
【0142】画像B1(B2)の(i,j,k)の画素
がC1(C2)の座標(〔i/2〕,〔j/2〕,〔k
/2〕)に対応する。したがって、画像B1(B2)の
8画素が画像C1(C2)の1画素に対応する。
【0143】このB1の8画素の内、最大値を画像C1
の対応する画素が受け取る。同様に、B2の8画素のう
ち、最小値を画像C2の対応する画素が受け取る。画像
C1とC2の同一アドレスの差分の総和を求め、それを
S(C)とする。同様に4×4×4ビットの画像C1、
C2に対して、2×2×2の画像D1、D2を用意し
て、その画素値を上記同様に定義する。
【0144】画像D1とD2の同一アドレスの差分の総
和を求め、それをS(D)とする。S(B),S
(C),S(D)は各対応する解像度での、すなわち、
大きさがそれぞれ、2×2×2ビット、4×4×4ビッ
ト、8×8×8ビットのボックスで測った時の、各ボッ
クスでの輝度の最大値と最小値の差分の総和である。
【0145】なお、そのボックスの1辺の対数(2を底
数とする)をとれば、1、2、3である。したがって、
X軸のボックスの1辺の大きさの対数、Y軸に長さの異
なった辺に対応する輝度差分の総和の対数をとる。する
と、各点を最も近似する直線を最小2乗法により求める
と、その傾きからフラクタル次元が求まる。このフラク
タル次元は画像Aの中心8画素のフラクタル次元と見な
す。
【0146】そして、16×16×16ビットの3Dウ
インドウを元の画像に対してスライドさせながら(例え
ばこの例では2ビットずつ)画像全体の各画素における
フラクタル次元を求める。
【0147】上記の16×16×16ビットの小ウイン
ドは16×16×16ビットである必要はなく、別のサ
イズでもよい。サイズはアプリケーションによる。この
例ではフラクタル次元を画像のローカルの値として求め
る必要から16×16×16ビットになった。
【0148】一般にn×n×nビットの画像全体のフラ
クタル次元を求めるには、多くともn/2×n/2×n
/2、n/22 ×n/22 ×n/22 、n/23 ×n/
3×n/23 …2×2×2のサイズのデータ領域の2
倍の領域があればよい。
【0149】また、この例ではフラクタル次元を求める
ために、8×8×8、4×4×4、2×2×2の画像か
らS(B)、S(C)、S(D)を求めている。S
(A)を利用するために、もとの画像から抽出する小画
像の大きさを32×32×32にすることもできる。
【0150】コンピュータによる実験によれば、X線写
真の場合、3つのS(*)値でフラクタル次元を求めれ
ば充分である。別法としてB,C,DにつづいてEを定
義して、S(C),S(D),S(E)からフラクタル
次元を計算するようにしてもよい。
【0151】また、同じ16×16×16の小ウインド
ウでも次のウインドを4ビットずらしたり、8ビットず
つずらしたり、オーバーラップなしにしてもよい。次に
アルゴリズムに必要なメモリの大きさ(space complexi
ty)について説明する。なお、アルゴリズムの正当性に
ついては上記と同様なので省略する。
【0152】必要なメモリは計算に有効な3次元のメモ
リスペースがレベル毎に8分の1になること、及び各レ
ベルで最大値と最小値を保持するために2倍のメモリが
必要なことから、もとの入力n3 データをのぞいて
【0153】
【数10】 2×(n/2×n/2×n/2+n/22 ×n/22 ×n/22 +×n/23 ×n/23 ×n/23 +…+2×2×2) =2×n3 (1/8+1/82 +1/83 +…+(n×n×n)/(n/2)3 <2×n3(1/8+1/82 +1/83 +…) =(2/7)×n3 …(10) の余分のスペースが必要となる。このスペースはn3
4(=(n2 ×2)/8)で充分である(データ領域最
小化の説明部で後述する)。
【0154】次にアルゴリズムの時間の複雑さ(time c
omplexity )について説明する。各レベルの各要素は、
一つ手前のレベルの隣接する8要素の最大値のみを保持
する3次元データと最小値のみを保持する3次元データ
がある。
【0155】あるレベルの隣接する8要素から最大値を
求めるには多くて7回の比較ですむ。また、そのような
8要素からなる小画像は全部でn3 /23 ある。同様に
して、3次元の画像の一辺は各レベル毎に半分になるの
で、
【0156】
【数11】 2×n3 (1/23 +1/43 +1/83 +…+1/(n/2)3 ) <2×n2 (1/23 +1/43 +1/83 +…) =(2/7)×n3 …(11) の小画像に対して比較計算を行うことになる。従って、
全部で多くて7×(2/7)×n3 =n3 =2×n3
比較で処理が終わる。
【0157】乗算は全く必要としない。加算と減算、及
び、ボックスの大きさによる補正のための除算が補助面
積の異なったインデックスの画素の総和だけ、すなわ
ち、(1/7)×n3 行われる。
【0158】フラクタル次元測定速度については、従来
は画像の次元が上がる度にボックスの大きさを増やせば
増やすほど、多大の計算を必要としたが、本発明では、
3次元データを2次元データに分解することなく、多値
3次元画像のフラクタル次元の高速処理ができるように
なった。その計算量は異なったサイズのボックスの数に
依存しない。
【0159】次にフラクタル次元を求めるためデータ領
域を最小化する方法について説明する。あるレベルLの
2次元データの内隣接する4要素が次のレベルL+1の
一つの要素の値を決める。すべての隣接する4要素はオ
ーバーラップがない背反の要素なので、次のレベルの要
素は独立に(あるいは並列に)計算することができる。
【0160】図19はメモリスペースを節約する構造を
示す図である。円で示された隣接4要素が矢印の先の要
素の値を決める。SL (i,j)、SL (i,j+
1)、SL (i+1,j),SL (i+1,j+1)が
L+1 (〔i/2〕, 〔j/2〕)の要素を決める。し
たがって、i, jが行優先で増加するならば、次のレベ
ルの要素を別の領域に入れずに、一旦、上記隣接する4
要素の値を0にリセットしてからSL+1 (〔i/2〕,
〔j/2〕)に入れればよい。行と列番号の最大値は各
レベルが進む毎に半分になるので、各レベルでデータの
オーバラップを生じることはない。
【0161】上述した式(3)、(6)、(8)、(1
0)のメモリスペースも同様にデータ領域を最小化する
ことができる。次にフラクタル次元の測定で複数の連続
画像を取り扱う場合の効率的なアルゴリズムについて図
20〜図22を用いて説明する。
【0162】図20はフラクタル次元の測定で複数の連
続画像を取り扱う場合の概念を示す図である。画像の量
を減らすために、最初の画像を除いて、2枚目からの画
像は前画像からの差分のみを記憶するようにする。この
アルゴリズムで2枚目以降のフラクタル次元計算に差分
のあった所のみ計算し直すことによって計算されること
を示す。なお、ここで説明してあるアルゴリズムのプロ
トタイプはAkia Mircobook 55(MMX pentium 233MHz) 上
でその動作を確認した。
【0163】1枚目と2枚目の画像の間に差分がある場
合には2枚目の画像はその差分がある座標に1の値を持
たせる。そうでない場合は0にする。2枚目の元の画像
は、1枚目の各要素をH1(i,j)で2枚目をH2
(i,j)で表わし、差分の画像をHD2(i,j)で
表現したとすれば、次の関係を満たす。
【0164】
【数12】 H2(i,j)=H1(i,j)○HD2(i,j) …(12) ここで○は排他的論理和(Exclusive or)( すなわち、も
しx ≠y であれば、x○y=1、もしx=y であれば、x○
y=0) である。
【0165】なお、ここでの計算はブール代数(Boolea
n Algebra )であるので、容易に
【0166】
【数13】 HD2(i,j)=H1(i,j)○H2(i,j) …(13) であることがわかる。すなわち差分を求める方法と差分
を1枚目に重ねて2枚目を得る方法は同じである。
【0167】3枚目の画像は1枚目に2枚目の変更を重
ねて得られる画像(2枚目の元の画像)) と3枚目の画
像の差を記録させる。4枚目以降も同様にする。図2
1、図22は複数の連続画像を取り扱う場合のフラクタ
ル次元測定の処理手順を示すフローチャートである。 〔S90〕始めに、1枚目の画像の処理を図6、図7で
説明したアルゴリズムを使って行う。ただし、中間補助
データS0 (i,j)、d0 、SL (i,j)、d1
2 (i,j)、d2 、S3 (i,j)、d3 …はすべ
てそのままにしておく。なお、S0 (i,j)には前の
画像のインプットが入っている。 〔S91〕次の差分画像があるかないかを調べる。なけ
れば終了し、そうでなければ、ステップS92へ行く。 〔S92〕Lに1を設定する。 〔S93〕次の画像、すなわち、最初の差分画像を読み
込む。これをS-L(i,j)で表わす。 〔S94〕未処理の隣接4要素の選択において、もし隣
接する4要素S-L(i,j)の内一つでも0でないもの
があるならば、すなわち、一つでも1があるならば、今
問題となっている隣接4要素について、排他的論理和S
0 (i,j)=S 0 (i,j)○S-L(i,j)を行っ
て、S0 (i,j)の補正を行う。 〔S95〕次に、現在のレベルLがレベルの最大値Lma
x より大きいかを調べ、大きければ次に差分画像をとる
為に、ステップS91に戻る。そうでなければ、ステッ
プS96へ行く。 〔S96〕初期設定の後の繰り返し処理について最初に
説明する。補正後のS0(i,j)の隣接4要素の論理
和をAと置く。そのAとS1 (〔i/2〕、〔j/
2〕)の値が違えば、S1 (〔i/2〕、〔j/2〕)
をAで置き換えると同時に、S-2(〔i/2〕、〔j/
2〕)=1とする。
【0168】そして、今度はS-2(i,j)=1である
ようなインデックス(i,j)についてS1 (i,j)
の隣接4要素の論理和を求める。S2(〔i/2〕、〔j
/2〕)の値との比較を行う。 両者に違いがあれば、S
-3(〔i/2〕、〔j/2〕)=1とする。
【0169】したがって、S0 (i,j)の補正の後の
一般の繰り返しループは次のようになる。一般にS
-K(i,j)はSK-1 (i,j)のどの要素を更新する
かを決めるパイロットの役目をする。別の言葉で言え
ば、S-K(i,j)=1である要素のインデックスにつ
いてそのインデックスを含む隣接4要素SK-1 (i,
j)の更新が行われる。
【0170】補正が行われて隣接4要素S-L(i,j)
について、少なくとも1の要素があるか調べる。そのよ
うな要素がなければ、ステップS97へ行き、そうでな
ければステップS98へ行く。 〔S97〕レベルを1増やし、ステップS95に戻る。 〔S98〕この(i,j)を含む隣接4要素S
L-1 (i,j)の論理和をAと記す。隣接4要素は2次
元のデータを2×2ずつのオーバーラップのない小画像
に分割することによって定義される。 〔S99〕そして、一つ上のレベルの対応要素の値SL
(〔i/2〕,〔j/2〕)と比べ、変化があれば(A
≠SL (〔i/2〕,〔j/2〕)ステップS100
へ、なければステップS104へ行く。 〔S100〕SL (〔i/2〕,〔j/2〕)にAを入
れると同時にS-(L+1)(〔i/2〕,〔j/2〕)= 1
とする。 〔S101〕Aが1ならステップS102へ、そうでな
ければステップS103へ行く。 〔S102〕SL (〔i/2〕,〔j/2〕)が0から
1にリセットされるのであれば(リセットさえる前に4
要素のうちあるi,jが存在して、A=SL-1 (i,
j)=1≠0=SL (〔i/2〕,〔j/2〕)が成り
立っている)、dLを1増やす。 〔S103〕SL (〔i/2〕,〔j/2〕)が1から
0にリセットされるのであれば(リセットさえる前に4
要素の全てのインデックスi,jについて、A=SL-1
(i,j)=0≠1=SL (〔i/2〕,〔j/2〕)
が成り立っている)、dlを1減らす。 〔S104〕S-L(〔i/2〕,〔j/2〕)=0とす
る。したがって 変化のない場合これ以降のレベルでの
補正は不必要となる。そして、ステップS96へ戻る。
【0171】なお、全体のアルゴリズムは以下の通りで
ある。(1)1枚目の画像のフラクタル次元を求める。
次元を求めるための中間のデータを保持しておく。
(2)2枚目(n枚目) の差分画像を読みこむ。読み込
まれた差分画像はS-L(i,j)に保持される。(3)
n−1枚目(1枚目)の中間データをn枚目(2枚目)
の差分画像でもって、上記に説明したアルゴリズムを利
用して更新し、n枚目(2枚目)の画像のフラクタル次
元を求める。
【0172】このアルゴリズムにおいて、差分の部分だ
け再計算が行われるようにするためには、サフィックス
がマイナスであるS-L(i,j)の要素値が1であるも
のをリンクで繋げればよい。但し、単純にリンクで繋げ
た場合、対応する隣接4要素SL (i,j)の値を同時
に調べることが出来ないのでインプリメンテーションが
複雑になる。
【0173】これを回避する方法として、S-L(i,
j)に対応してサイズが行列とも2分の1ずつの2次元
データS-L' (i,j)を用意する。これはS
-(L+1)(i,j)のデータ構造と同じであるが、区別す
る為にS-L' と表記する。このS-L' (i,j)は、S
-L(i,j)の隣接4要素の内一つでも1があれば1、
そうでなければ0とする。そして、S-L' (i,j)=
1なる要素をリンクで結ぶ。よって、このリンクを辿り
ながら、隣接4要素SL-1 (2*i,2*j)、SL-1
(2*i+1,2*j)、SL-1 (2*i,2*j+
1)、SL-1 (2*i+1,2*j+1)の要素の1の
存在をこれまで説明したように検査すればよい。なお、
このようなリンクづけは差分画像を得られる時に同時に
作ればよい。
【0174】更に、2枚目以降の画像のフラクタル次元
を求めるのに差分があった所だけを、中間データを更新
していけば充分である。よって、2枚目以降のフラクタ
ル次元の計算を1枚ずつ初めからやり直して計算する時
に比べて、差分があったところだけ(S-L(i,j)=
1となるようなi,jについてのみ)計算し直せばよい
ので大幅に計算時間を減らすことができる。また、2枚
目からの画像は一つ手前の画像からの差分だけを記憶す
ればよく、連続する画像全体を保持する為の記憶スペー
スを大幅に節約することが出来る。
【0175】差分画像の差分のある部分の大きさは、元
の画像に比べて約1/10から1/100(=k)の大
きさである。従って、例えば、1枚のオリジナルの画像
のフラクタル処理時間をC1とするとn枚のオリジナル
画像を処理した時間のコストはn×C1であるが、1枚
目だけオリジナルを2枚目以降を差分画像を利用した場
合の時間のコストはC1+(n−1)×k×C1であ
る。
【0176】従って、この場合のアルゴリズムの時間の
コストと上述した2次元2値画像でのアルゴリズムの時
間のコストは(C1+(n−1)×k×C1)/(n×
C1)である。この値はnが大きくなればなるほどkに
近づき、kは通常の動画等では約1/10から1/10
0であるので、その効果は大となる。同様なことがメモ
リスペースについて言える。
【0177】なお、ここでは連続する2値画像について
説明したが、連続する多値画像の場合も0,1のかわり
に、maxとminを扱うため、計算が複雑になるが全
体のアルゴリズムの流れは同様にして処理することがで
きる。
【0178】特にMRIやCTのように人体の輪切り画
像の場合、連続画像である場合が多く、隣接する画像の
相関(coherence) が非常に高いのでデータの省スペー
ス、ひいては計算時間の削減を大幅に達成できる。この
ことは、遠隔医療診断において多量の画像を送らねばな
らないことを考えると非常に重要な効果である。
【0179】次にフーリエ変換画像のフラクタル次元測
定について説明する。解析される元の画像は2値画像で
も多値画像I(i,j)でもよい。この画像はフラクタ
ルブラウン関数であると仮定すると、そのフーリエ変換
された画像のパワースぺクトラム(fourier power spec
trum)はこの関数の密度関数は1/f2H+1に従うこ
とが知られている。ここで、fは帯域を表わす。このH
を求めることにより、フラクタル次元D=2−Hが求め
られる。
【0180】次に本発明のCTスキャナについて説明す
る。図23はCTスキャナの構成を示す図である。CT
スキャナ20は、フラクタル次元を測定して、X線医療
画像の処理を行う。
【0181】CTスキャナ20は、ガントリ200と寝
台201を有する。多値画像収集手段21は、被検体を
X線撮影した医療画像である多値画像を収集する。画像
処理手段22は、本発明の画像処理装置10、10aを
適用したものであり、多値画像からフラクタル次元を測
定し表示する。詳細は上述したので説明は省略する。
【0182】以上説明したように、本発明のCTスキャ
ナ20は、フラクタル次元を高速に測定する画像処理手
段22を設ける構成とした。これにより、X線画像を効
率よく高速に処理することが可能になる。
【0183】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像処理
装置は、多値画像から2値画像に変換し、解像度を階層
的に変化させて解像度変換画像を生成し、解像度変換画
像に輝度値を設定して、高輝度画素数を計算した後、フ
ラクタル次元を測定する構成とした。これにより、解像
度を変化させる度に画像全体をスキャンする必要がなく
なるので、効率よくボックスと画像が重なり合うボック
ス数の検出を行うことができ、フラクタル次元を高速に
測定することが可能になる。
【0184】また、本発明の画像処理装置は、多値画像
に対し、解像度を階層的に変化させて第1及び第2の解
像度変換画像を生成し、第1の解像度変換画像に最大輝
度値の設定、第2の解像度変換画像に最小輝度値を設定
し、輝度差分値を計算した後、フラクタル次元を測定す
る構成とした。これにより、解像度を変化させる度に画
像全体をスキャンする必要がなくなるので、効率よくボ
ックスと画像が重なり合うボックス数の検出を行うこと
ができ、フラクタル次元を高速に測定することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の原理図である。
【図2】 線形回帰直線を示す図である。
【図3】 フラクタル次元測定の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図4】 フラクタル次元測定の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図5】 輝度値が設定された解像度変換画像の生成過
程の流れを示す図である。
【図6】 抽出画像の生成手順を示すフローチャートで
ある。
【図7】 フラクタル次元測定の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図8】 人間の肺のX線画像を示す図である。
【図9】 図8のX線画像を処理した本発明のフラクタ
ル次元画像を示す図である。
【図10】 フラクタル次元の統計的分布を示す図であ
る。
【図11】 フラクタル次元の統計的分布を示す図であ
る。
【図12】 本発明の多値画像のフラクタル次元を測定
する画像処理装置の原理図である。
【図13】 フラクタル次元測定の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図14】 フラクタル次元測定の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図15】 最大輝度値及び最小輝度値が設定された解
像度変換画像の生成過程の流れを示す図である。
【図16】 フラクタル次元の測定処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図17】 データ構造の3次元座標を示す図である。
【図18】 X−Y平面の画像からX−Z平面の画像を
構成する様子を示す図である。
【図19】 メモリスペースを節約する構造を示す図で
ある
【図20】 フラクタル次元の測定で複数の連続画像を
取り扱う場合の概念を示す図である。
【図21】 複数の連続画像を取り扱う場合のフラクタ
ル次元測定の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】 複数の連続画像を取り扱う場合のフラクタ
ル次元測定の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】 CTスキャナの構成を示す図である。
【図24】 2次元の画像にボックスカウンティング法
を適用した場合の図である。(A)は2次元画像を示
す。(B)は2次元画像の境界線を示す。(C)は2次
元画像の境界線及び境界線を覆うボックスを示す。
(D)は(C)のボックスを細分化したものである。
【図25】 3次元の画像にボックスカウンティング法
を適用した場合の図である。
【符号の説明】
1 画像変換手段 2 抽出画像生成手段 3 解像度変換画像生成手段 4 輝度値設定手段 5 高輝度画素数計算手段 6 フラクタル次元測定手段 7 フラクタル次元画像表示手段 10 画像処理装置 I 多値画像 Ia 2値画像 Ib 抽出画像 A、B、C 解像度変換画像 S(A)、S(B)、S(C) 高輝度画素数

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラクタル次元を測定して画像処理を行
    う画像処理装置において、 多値画像に対し、設定したしきい値以上の輝度値を高輝
    度値、前記しきい値以下の輝度値を低輝度値として、2
    値画像に変換する画像変換手段と、 前記2値画像から一定領域の画像を抽出して抽出画像を
    生成する抽出画像生成手段と、 前記抽出画像に解像度を設定し、前記解像度を階層的に
    変えて複数の解像度変換画像を生成する解像度変換画像
    生成手段と、 下位の階層の前記解像度変換画像を構成する隣接画素の
    うち、一つでも前記高輝度値があれば、前記隣接画素に
    対応する上位の階層の前記解像度変換画像の画素の輝度
    値を前記高輝度値とし、前記隣接画素がすべて低輝度値
    の場合は対応する画素の輝度値を前記低輝度値とする輝
    度値設定手段と、 前記高輝度値を持つ画素数の総和である高輝度画素数を
    前記解像度変換画像毎にそれぞれ計算する高輝度画素数
    計算手段と、 前記解像度及び前記高輝度画素数の座標軸上に、前記高
    輝度画素数をプロットして生成したグラフの傾きを求
    め、前記傾きを前記フラクタル次元として前記2値画像
    全体の各画素にわたって測定するフラクタル次元測定手
    段と、 前記フラクタル次元の画像を表示するフラクタル次元画
    像表示手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記画像変換手段は、フーリエ変換を行
    って、前記多値画像をフーリエ変換画像に変換すること
    を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 複数の2次元2値画像をY軸の方向に切
    って、複数のX−Z軸からなる2次元のフラクタル次元
    画像を生成するフラクタル次元画像生成手段をさらに有
    することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記輝度値設定手段は、下位の階層の前
    記解像度変換画像の画素(i,j)に対し、i/2及び
    j/2の数値を越えない最大の整数〔i/2〕及び〔j
    /2〕を、上位の階層の前記解像度変換画像の画素
    (〔i/2〕,〔j/2〕)に対応させて、前記輝度値
    を設定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記フラクタル次元画像表示手段は、フ
    ラクタル次元画像または前記フラクタル次元の統計的分
    布を表示することを特徴とする請求項1記載の画像処理
    装置。
  6. 【請求項6】 複数の連続画像の処理を行う場合は、2
    枚目からの画像は前画像からの差分を記憶し、前記差分
    のある箇所のみ前記フラクタル次元を測定することを特
    徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 フラクタル次元を測定して画像処理を行
    う画像処理装置において、 多値画像から一定領域の画像を抽出して抽出画像を生成
    する抽出画像生成手段と、 前記抽出画像に解像度を設定し、前記解像度を階層的に
    変えて、複数の第1の解像度変換画像及び複数の第2の
    解像度変換画像を生成する解像度変換画像生成手段と、 前記第1の解像度変換画像に対し、下位の階層の解像度
    変換画像を構成する隣接画素の中の最大輝度値を、前記
    隣接画素に対応する上位の階層の前記解像度変換画像の
    画素の輝度値とする最大輝度値設定手段と、 前記第2の解像度変換画像に対し、下位の階層の解像度
    変換画像を構成する隣接画素の中の最小輝度値を、前記
    隣接画素に対応する上位の階層の前記解像度変換画像の
    画素の輝度値とする最小輝度値設定手段と、 前記第1の解像度変換画像と前記第2の解像度変換画像
    の同一座標の画素の輝度値の差分の総和である輝度差分
    値を計算する輝度差分値計算手段と、 前記解像度及び前記輝度差分値の座標軸上に、前記輝度
    差分値をプロットして生成したグラフの傾きを求め、前
    記傾きを前記フラクタル次元として前記多値画像全体の
    各画素にわたって測定するフラクタル次元測定手段と、 前記フラクタル次元の画像を表示するフラクタル次元画
    像表示手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】 フーリエ変換を行って、前記多値画像を
    フーリエ変換画像に変換する画像変換手段をさらに有す
    ることを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 複数の連続画像の処理を行う場合は、複
    数の2次元多値画像をY軸の方向に切って、複数のX−
    Z軸からなる2次元のフラクタル次元画像を生成するフ
    ラクタル次元画像生成手段をさらに有することを特徴と
    する請求項7記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記最大輝度値設定手段は、下位の階
    層の前記第1の解像度変換画像の画素(i,j)に対
    し、i/2及びj/2の数値を越えない最大の整数〔i
    /2〕及び〔j/2〕を、上位の階層の前記第1の解像
    度変換画像の画素(〔i/2〕,〔j/2〕)に対応さ
    せて、前記最大輝度値を設定することを特徴とする請求
    項7記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記最小輝度値設定手段は、下位の階
    層の前記第2の解像度変換画像の画素(i,j)に対
    し、i/2及びj/2の数値を越えない最大の整数〔i
    /2〕及び〔j/2〕を、上位の階層の前記第2の解像
    度変換画像の画素(〔i/2〕,〔j/2〕)に対応さ
    せて、前記最小輝度値を設定することを特徴とする請求
    項7記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記フラクタル次元画像表示手段は、
    フラクタル次元画像または前記フラクタル次元の統計的
    分布を表示することを特徴とする請求項7記載の画像処
    理装置。
  13. 【請求項13】 複数の連続画像の処理を行う場合は、
    2枚目からの画像は前画像からの差分を記憶し、前記差
    分のある箇所のみ前記フラクタル次元を測定することを
    特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 フラクタル次元を測定してX線医療画
    像の処理を行うCTスキャナにおいて、 被検体の前記X線医療画像である多値画像を収集する多
    値画像収集手段と、 前記多値画像に対し、設定したしきい値以上の輝度値を
    高輝度値、前記しきい値以下の輝度値を低輝度値とし
    て、2値画像に変換する画像変換手段と、前記2値画像
    から一定領域の画像を抽出して抽出画像を生成する抽出
    画像生成手段と、 前記抽出画像に解像度を設定し、前記解像度を階層的に
    変えて複数の解像度変換画像を生成する解像度変換画像
    生成手段と、下位の階層の前記解像度変換画像を構成す
    る隣接画素のうち、一つでも前記高輝度値があれば、前
    記隣接画素に対応する上位の階層の前記解像度変換画像
    の画素の輝度値を前記高輝度値とし、前記隣接画素がす
    べて低輝度値の場合は対応する画素の輝度値を前記低輝
    度値とする輝度値設定手段と、前記高輝度値を持つ画素
    数の総和である高輝度画素数を前記解像度変換画像毎に
    それぞれ計算する高輝度画素数計算手段と、前記解像度
    及び前記高輝度画素数の座標軸上に、前記高輝度画素数
    をプロットして生成したグラフの傾きを求め、前記傾き
    を前記フラクタル次元として前記2値画像全体の各画素
    にわたって測定するフラクタル次元測定手段と、前記フ
    ラクタル次元の画像を表示するフラクタル次元画像表示
    手段と、から構成される画像処理手段と、 を有することを特徴とするCTスキャナ。
  15. 【請求項15】 フラクタル次元を測定してX線医療画
    像の処理を行うCTスキャナにおいて、 被検体の前記X線医療画像である多値画像を収集する多
    値画像収集手段と、 前記多値画像から一定領域の画像を抽出して抽出画像を
    生成する抽出画像生成手段と、前記抽出画像に解像度を
    設定し、前記解像度を階層的に変えて、複数の第1の解
    像度変換画像及び複数の第2の解像度変換画像を生成す
    る解像度変換画像生成手段と、前記第1の解像度変換画
    像に対し、下位の階層の解像度変換画像を構成する隣接
    画素の中の最大輝度値を、前記隣接画素に対応する上位
    の階層の前記解像度変換画像の画素の輝度値とする最大
    輝度値設定手段と、前記第2の解像度変換画像に対し、
    下位の階層の解像度変換画像を構成する隣接画素の中の
    最小輝度値を、前記隣接画素に対応する上位の階層の前
    記解像度変換画像の画素の輝度値とする最小輝度値設定
    手段と、前記第1の解像度変換画像と前記第2の解像度
    変換画像の同一座標の画素の輝度値の差分の総和である
    輝度差分値を計算する輝度差分値計算手段と、前記解像
    度及び前記輝度差分値の座標軸上に、前記輝度差分値を
    プロットして生成したグラフの傾きを求め、前記傾きを
    前記フラクタル次元として前記多値画像全体の各画素に
    わたって測定するフラクタル次元測定手段と、前記フラ
    クタル次元の画像を表示するフラクタル次元画像表示手
    段と、から構成される画像処理手段と、 を有することを特徴とするCTスキャナ。
  16. 【請求項16】 フラクタル次元を高速測定するフラク
    タル次元測定方法において、 多値画像に対し、設定したしきい値以上の輝度値を高輝
    度値、前記しきい値以下の輝度値を低輝度値として、2
    値画像に変換し、 前記2値画像から一定領域の画像を抽出して抽出画像を
    生成し、 前記抽出画像に解像度を設定し、前記解像度を階層的に
    変えて複数の解像度変換画像を生成し、 下位の階層の前記解像度変換画像を構成する隣接画素の
    うち、一つでも前記高輝度値があれば、前記隣接画素に
    対応する上位の階層の前記解像度変換画像の画素の輝度
    値を前記高輝度値とし、前記隣接画素がすべて低輝度値
    の場合は対応する画素の輝度値を前記低輝度値とし、 前記高輝度値を持つ画素数の総和である高輝度画素数を
    前記解像度変換画像毎にそれぞれ計算し、 前記解像度及び前記高輝度画素数の座標軸上に、前記高
    輝度画素数をプロットして生成したグラフの傾きを求
    め、前記傾きを前記フラクタル次元として前記2値画像
    全体の各画素にわたって測定することを特徴とするフラ
    クタル次元測定方法。
  17. 【請求項17】 フラクタル次元を高速測定するフラク
    タル次元測定方法において、 多値画像から一定領域の画像を抽出して抽出画像を生成
    し、 前記抽出画像に解像度を設定し、前記解像度を階層的に
    変えて、複数の第1の解像度変換画像及び複数の第2の
    解像度変換画像を生成し、 前記第1の解像度変換画像に対し、下位の階層の解像度
    変換画像を構成する隣接画素の中の最大輝度値を、前記
    隣接画素に対応する上位の階層の前記解像度変換画像の
    画素の輝度値とし、 前記第2の解像度変換画像に対し、下位の階層の解像度
    変換画像を構成する隣接画素の中の最小輝度値を、前記
    隣接画素に対応する上位の階層の前記解像度変換画像の
    画素の輝度値とし、 前記第1の解像度変換画像と前記第2の解像度変換画像
    の同一座標の画素の輝度値の差分の総和である輝度差分
    値を計算し、 前記解像度及び前記輝度差分値の座標軸上に、前記輝度
    差分値をプロットして生成したグラフの傾きを求め、前
    記傾きを前記フラクタル次元として前記多値画像全体の
    各画素にわたって測定することを特徴とするフラクタル
    次元測定方法。
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