JP2000000050A - 昆虫誘殺装置 - Google Patents
昆虫誘殺装置Info
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- JP2000000050A JP2000000050A JP34366698A JP34366698A JP2000000050A JP 2000000050 A JP2000000050 A JP 2000000050A JP 34366698 A JP34366698 A JP 34366698A JP 34366698 A JP34366698 A JP 34366698A JP 2000000050 A JP2000000050 A JP 2000000050A
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- attracting
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 捕獲した昆虫等の数を正確に自動計数する機
能を有し、捕獲した昆虫等を薬剤を用いることなく自動
的に殺すことのできる昆虫誘殺装置を提供する。 【解決手段】 誘引物質により誘引された昆虫等は入口
15から下部構造体20に入り、更に導入部21内部を
徘徊又は飛翔する間に殺傷計数部22に進入する。殺傷
計数部22と中心電極31の露出部31aとの間には高
電圧が印加されており、ここへ昆虫等が到達すると、空
気による絶縁が破壊されて放電が生じる。この放電の発
生回数を数えることにより、昆虫等の誘殺数を得る。
能を有し、捕獲した昆虫等を薬剤を用いることなく自動
的に殺すことのできる昆虫誘殺装置を提供する。 【解決手段】 誘引物質により誘引された昆虫等は入口
15から下部構造体20に入り、更に導入部21内部を
徘徊又は飛翔する間に殺傷計数部22に進入する。殺傷
計数部22と中心電極31の露出部31aとの間には高
電圧が印加されており、ここへ昆虫等が到達すると、空
気による絶縁が破壊されて放電が生じる。この放電の発
生回数を数えることにより、昆虫等の誘殺数を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昆虫や小動物(以
下、昆虫等という)を誘引して捕殺するための装置(以
下、昆虫誘殺装置という)に関する。
下、昆虫等という)を誘引して捕殺するための装置(以
下、昆虫誘殺装置という)に関する。
【0002】
【従来の技術】農作物にとって有害な昆虫等が大量発生
すると農作物に大きな被害が生じる。これを防止するた
めに、従来より大量の農薬を散布する等の対策が講じら
れている。また、これに併せて、害虫の発生を早期に発
見するための調査や、害虫対策の効果を確認するための
調査も行われている。
すると農作物に大きな被害が生じる。これを防止するた
めに、従来より大量の農薬を散布する等の対策が講じら
れている。また、これに併せて、害虫の発生を早期に発
見するための調査や、害虫対策の効果を確認するための
調査も行われている。
【0003】昆虫等の発生状況や根絶過程を把握するた
めの調査には、特定の昆虫等を誘引できるフェロモン等
の誘引物質で昆虫等を誘引して捕獲する装置(フェロモ
ントラップ)が従来より使用されている。すなわち、調
査場所に所定期間フェロモントラップを設置しておき、
これに捕らえられた昆虫等の数を定期的に調べることに
より、昆虫等の発生状況や、それに対して採られた対策
の効果を確認するのである。
めの調査には、特定の昆虫等を誘引できるフェロモン等
の誘引物質で昆虫等を誘引して捕獲する装置(フェロモ
ントラップ)が従来より使用されている。すなわち、調
査場所に所定期間フェロモントラップを設置しておき、
これに捕らえられた昆虫等の数を定期的に調べることに
より、昆虫等の発生状況や、それに対して採られた対策
の効果を確認するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より、フェロモン
トラップに捕獲された昆虫等の数を計数する作業は、多
大な時間を使い人力で行われている。また、一般に捕獲
数の集計は24時間単位で成されているが、例えば、2
4時間以前に捕獲した昆虫等と1時間前に捕獲した昆虫
等がフェロモントラップの容器内で混ざってしまうと、
両者を識別できない。このため、昆虫等の捕獲数のデー
タを24時間単位で得るには、24時間毎に昆虫等を回
収する必要があり、この回収作業にも多くの時間が割か
れている。
トラップに捕獲された昆虫等の数を計数する作業は、多
大な時間を使い人力で行われている。また、一般に捕獲
数の集計は24時間単位で成されているが、例えば、2
4時間以前に捕獲した昆虫等と1時間前に捕獲した昆虫
等がフェロモントラップの容器内で混ざってしまうと、
両者を識別できない。このため、昆虫等の捕獲数のデー
タを24時間単位で得るには、24時間毎に昆虫等を回
収する必要があり、この回収作業にも多くの時間が割か
れている。
【0005】一部には、光センサ等を用いた自動計数機
能を有するフェロモントラップも存在するが、光センサ
は昆虫等の体液・排泄物・燐粉等で汚染されると誤動作
を生じやすく、また、昆虫等が生きた状態で通過するた
め通過時間が変化したり再通過による2重計数が生じや
すいなどの理由で、広く利用されるに至っていない。
能を有するフェロモントラップも存在するが、光センサ
は昆虫等の体液・排泄物・燐粉等で汚染されると誤動作
を生じやすく、また、昆虫等が生きた状態で通過するた
め通過時間が変化したり再通過による2重計数が生じや
すいなどの理由で、広く利用されるに至っていない。
【0006】また、誘引した昆虫等は収納容器に生きた
ままで捕獲するか、同容器に殺虫剤などの薬剤を入れて
おき死滅させている。生きたまま捕獲した場合、回収・
殺虫作業を必要とし、死滅させた場合でも廃棄作業や薬
剤の補充などの作業を必要とし、完全な自動化は難し
い。更に、薬剤による殺虫作業は人体や環境に悪影響を
及ぼす恐れがあるという問題もある。
ままで捕獲するか、同容器に殺虫剤などの薬剤を入れて
おき死滅させている。生きたまま捕獲した場合、回収・
殺虫作業を必要とし、死滅させた場合でも廃棄作業や薬
剤の補充などの作業を必要とし、完全な自動化は難し
い。更に、薬剤による殺虫作業は人体や環境に悪影響を
及ぼす恐れがあるという問題もある。
【0007】ところで、上記のような昆虫誘殺装置に類
似した装置として、食品工場や飲食店等のように食品を
扱う場所において害虫を駆除するための電撃殺虫器が知
られている。このような電撃殺虫器としては、一対の電
撃格子と、該電撃格子に数千ボルト程度の高電圧を印加
する電圧印加手段と、前記電撃格子へ昆虫等を誘引する
ための誘引手段(誘引物質、誘引光等を利用したもの)
とを備えるものが広く用いられている。この種の電撃殺
虫器において、誘引手段により誘引された昆虫等が電撃
格子間に侵入すると、該電撃格子間に放電が発生し、こ
れにより昆虫等が感電死するのである。更に、このよう
な電撃殺虫器において、電撃格子間に発生する電撃の回
数を数えることにより昆虫等の殺傷数を自動的に計数す
るように構成されたものも知られている。
似した装置として、食品工場や飲食店等のように食品を
扱う場所において害虫を駆除するための電撃殺虫器が知
られている。このような電撃殺虫器としては、一対の電
撃格子と、該電撃格子に数千ボルト程度の高電圧を印加
する電圧印加手段と、前記電撃格子へ昆虫等を誘引する
ための誘引手段(誘引物質、誘引光等を利用したもの)
とを備えるものが広く用いられている。この種の電撃殺
虫器において、誘引手段により誘引された昆虫等が電撃
格子間に侵入すると、該電撃格子間に放電が発生し、こ
れにより昆虫等が感電死するのである。更に、このよう
な電撃殺虫器において、電撃格子間に発生する電撃の回
数を数えることにより昆虫等の殺傷数を自動的に計数す
るように構成されたものも知られている。
【0008】しかし、上記のような自動計数機能付電撃
殺虫器を農場における害虫の発生状況調査に利用しよう
とすると、次のような問題がある。農場における昆虫等
の発生状況調査では、昆虫等一般の発生状況ではなく、
特定の種類の昆虫等の発生状況を調査しなければならな
い。一方、食品を扱う場所ではほとんどの昆虫等が有害
とみなされるため、そこに用いられる電撃殺虫器は多種
多様な昆虫等をほぼ無差別に殺傷するものがほとんどで
ある。このような電撃殺虫器を用いて農場における特定
の昆虫等の発生状況を示すデータを得ようとしても、正
しいデータを得ることはできないのである。
殺虫器を農場における害虫の発生状況調査に利用しよう
とすると、次のような問題がある。農場における昆虫等
の発生状況調査では、昆虫等一般の発生状況ではなく、
特定の種類の昆虫等の発生状況を調査しなければならな
い。一方、食品を扱う場所ではほとんどの昆虫等が有害
とみなされるため、そこに用いられる電撃殺虫器は多種
多様な昆虫等をほぼ無差別に殺傷するものがほとんどで
ある。このような電撃殺虫器を用いて農場における特定
の昆虫等の発生状況を示すデータを得ようとしても、正
しいデータを得ることはできないのである。
【0009】また、特定の誘引物質により特定の昆虫等
のみを上記自動計数機能付電撃殺虫器に誘引するという
方法も考えられるが、これにも次のような問題がある。
農場において調査の対象となる昆虫等の種類は多種多様
で、その大きさも2mm程度から50mm程度という広
い範囲にわたる。そして、もし、調査の対象となる昆虫
等が電撃格子の間隔(ピッチ)よりもはるかに小さい
と、電撃格子間に放電が発生せず、従って、該昆虫等の
殺傷及び計数はできない。一方、調査の対象となる昆虫
等が電撃格子の間隔よりもはるかに大きいと、該昆虫等
が電撃格子間で複数回放電を誘起したり、その死骸が電
撃格子間に付着して正常な放電の妨げとなったりする。
のみを上記自動計数機能付電撃殺虫器に誘引するという
方法も考えられるが、これにも次のような問題がある。
農場において調査の対象となる昆虫等の種類は多種多様
で、その大きさも2mm程度から50mm程度という広
い範囲にわたる。そして、もし、調査の対象となる昆虫
等が電撃格子の間隔(ピッチ)よりもはるかに小さい
と、電撃格子間に放電が発生せず、従って、該昆虫等の
殺傷及び計数はできない。一方、調査の対象となる昆虫
等が電撃格子の間隔よりもはるかに大きいと、該昆虫等
が電撃格子間で複数回放電を誘起したり、その死骸が電
撃格子間に付着して正常な放電の妨げとなったりする。
【0010】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、農場に
おける昆虫等の発生状況や根絶過程を示すデータを採取
するための装置であって、目的となる種類の昆虫等のみ
を選択的に採集できること、採集された標本の数を正確
に計数できること、採集された標本を確実に殺傷できる
こと、殺傷した昆虫等の死骸の処理に手間がかからない
こと、といった、自動化のための諸要件を満たす昆虫誘
殺装置を提供することにある。
成されたものであり、その目的とするところは、農場に
おける昆虫等の発生状況や根絶過程を示すデータを採取
するための装置であって、目的となる種類の昆虫等のみ
を選択的に採集できること、採集された標本の数を正確
に計数できること、採集された標本を確実に殺傷できる
こと、殺傷した昆虫等の死骸の処理に手間がかからない
こと、といった、自動化のための諸要件を満たす昆虫誘
殺装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る昆虫誘殺装置は、特定の種類の
昆虫等を誘引するための誘引手段と、前記誘引手段によ
り誘引された昆虫等を後記第1対の電極間へ誘導する誘
導手段と、放電を発生させるための第1対の電極と、前
記第1対の電極間に前記昆虫等が存在しないときには該
電極間に放電が発生せず、該電極間に前記昆虫等が存在
するときには該昆虫等を媒体として該電極間に放電が発
生するような電圧を該電極間に印加するための電圧印加
手段と、前記電極間において放電が発生した回数及び時
刻を測定する放電検出手段と、を備えることを特徴とす
る。
に成された本発明に係る昆虫誘殺装置は、特定の種類の
昆虫等を誘引するための誘引手段と、前記誘引手段によ
り誘引された昆虫等を後記第1対の電極間へ誘導する誘
導手段と、放電を発生させるための第1対の電極と、前
記第1対の電極間に前記昆虫等が存在しないときには該
電極間に放電が発生せず、該電極間に前記昆虫等が存在
するときには該昆虫等を媒体として該電極間に放電が発
生するような電圧を該電極間に印加するための電圧印加
手段と、前記電極間において放電が発生した回数及び時
刻を測定する放電検出手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態及び発明の効果】本発明に係る昆虫
誘殺装置において、誘引手段は、目的となる昆虫等を選
択的に誘引するためのものであり、例えば目的となる昆
虫等を誘引する誘引物質(フェロモン)等を利用して構
成することができる。
誘殺装置において、誘引手段は、目的となる昆虫等を選
択的に誘引するためのものであり、例えば目的となる昆
虫等を誘引する誘引物質(フェロモン)等を利用して構
成することができる。
【0013】誘導手段は、上記誘引手段により誘引され
た昆虫等を逃がすことなく確実に後記第1対の電極間へ
誘導するためのものである。このような誘導手段の例と
しては、上記誘引手段により誘引された昆虫等が集まる
場所の近くに大径の入口を有し、第1対の電極が配設さ
れた場所の近くに小径の出口を有する誘導通路を用いた
ものが挙げられる。
た昆虫等を逃がすことなく確実に後記第1対の電極間へ
誘導するためのものである。このような誘導手段の例と
しては、上記誘引手段により誘引された昆虫等が集まる
場所の近くに大径の入口を有し、第1対の電極が配設さ
れた場所の近くに小径の出口を有する誘導通路を用いた
ものが挙げられる。
【0014】なお、上記のような誘導通路を用いる場
合、更に該誘導通路の入口を通過できる昆虫等の大きさ
を制限するための入口制限手段を設けることが好まし
い。このようにすると、特定の大きさよりも大きい昆虫
等は誘導通路に進入できなくなる。すなわち、入口制限
手段を設けることにより、昆虫等の大きさの上限を設定
/変更することができるようになるのである。このよう
にして昆虫等の大きさの上限を適宜設定すれば、目的と
する昆虫等よりも大きい昆虫等を誘殺する可能性が小さ
くなるため、目的の昆虫等の発生状況に関するより正確
なデータが得られる。なお、誘導通路へ大型の昆虫等が
侵入して該通路が閉塞されるといった事態を防止するた
め、誘導通路の入口の大きさは、第1対の電極間の距離
よりも小さめに設定することが望ましい。
合、更に該誘導通路の入口を通過できる昆虫等の大きさ
を制限するための入口制限手段を設けることが好まし
い。このようにすると、特定の大きさよりも大きい昆虫
等は誘導通路に進入できなくなる。すなわち、入口制限
手段を設けることにより、昆虫等の大きさの上限を設定
/変更することができるようになるのである。このよう
にして昆虫等の大きさの上限を適宜設定すれば、目的と
する昆虫等よりも大きい昆虫等を誘殺する可能性が小さ
くなるため、目的の昆虫等の発生状況に関するより正確
なデータが得られる。なお、誘導通路へ大型の昆虫等が
侵入して該通路が閉塞されるといった事態を防止するた
め、誘導通路の入口の大きさは、第1対の電極間の距離
よりも小さめに設定することが望ましい。
【0015】第1対の電極は、上記誘導手段により誘導
された昆虫等を放電により殺傷するための放電空間を構
成するためのものである。この電極間には、本発明に係
る昆虫誘殺装置の使用中、電圧印加手段により電圧が印
加されるのであるが、この電圧は、前記電極間に目的と
する昆虫等が存在しないときには放電が発生せず、該電
極間に前記昆虫等が存在するときには該昆虫等を媒体と
して放電が発生するような電圧に予め設定しておく。
された昆虫等を放電により殺傷するための放電空間を構
成するためのものである。この電極間には、本発明に係
る昆虫誘殺装置の使用中、電圧印加手段により電圧が印
加されるのであるが、この電圧は、前記電極間に目的と
する昆虫等が存在しないときには放電が発生せず、該電
極間に前記昆虫等が存在するときには該昆虫等を媒体と
して放電が発生するような電圧に予め設定しておく。
【0016】放電検出手段は、上記第1対の電極間にお
いて発生する放電を検出することにより、昆虫等の殺傷
された数及び時刻を間接的に測定するものである。
いて発生する放電を検出することにより、昆虫等の殺傷
された数及び時刻を間接的に測定するものである。
【0017】以上のような本発明に係る昆虫誘殺装置に
よれば、誘引手段により目的とされる昆虫等のみが誘引
され、該昆虫等は誘導手段により確実に第1対の電極間
へ誘導され、放電により殺傷される。そして、前記放電
の発生回数及び発生時刻を放電検出手段により検出する
ことにより、誘殺された昆虫等の数及び誘殺の時刻を正
確に得ることができる。このような作業は全て自動化可
能であるから、従来の面倒な作業、すなわち、捕獲され
た昆虫を所定時間毎に回収してその数を人力で数え、計
数作業の完了後に昆虫等の死骸等を廃棄するという面倒
且つ費用のかかる作業は最早不要となる。また、本発明
の昆虫誘殺装置によれば、誘殺数及び誘殺時刻の正確な
データを採取することができるため、昆虫等の活動状況
(どの時間帯に昆虫等が活発に活動するか)を正確に把
握し、その駆除対策(例えば農薬散布)を適切なタイミ
ングで効率よく行うことができるようになる。更に、本
発明に係る昆虫誘殺装置では、誘引された昆虫等を放電
により殺すようにしているため、薬剤を用いて人力で昆
虫等を殺すという作業が不要であり、従って人体や環境
へ悪影響が及ぶおそれもない。
よれば、誘引手段により目的とされる昆虫等のみが誘引
され、該昆虫等は誘導手段により確実に第1対の電極間
へ誘導され、放電により殺傷される。そして、前記放電
の発生回数及び発生時刻を放電検出手段により検出する
ことにより、誘殺された昆虫等の数及び誘殺の時刻を正
確に得ることができる。このような作業は全て自動化可
能であるから、従来の面倒な作業、すなわち、捕獲され
た昆虫を所定時間毎に回収してその数を人力で数え、計
数作業の完了後に昆虫等の死骸等を廃棄するという面倒
且つ費用のかかる作業は最早不要となる。また、本発明
の昆虫誘殺装置によれば、誘殺数及び誘殺時刻の正確な
データを採取することができるため、昆虫等の活動状況
(どの時間帯に昆虫等が活発に活動するか)を正確に把
握し、その駆除対策(例えば農薬散布)を適切なタイミ
ングで効率よく行うことができるようになる。更に、本
発明に係る昆虫誘殺装置では、誘引された昆虫等を放電
により殺すようにしているため、薬剤を用いて人力で昆
虫等を殺すという作業が不要であり、従って人体や環境
へ悪影響が及ぶおそれもない。
【0018】また、本発明に係る昆虫誘殺装置におい
て、放電検出手段により放電が検出された時刻及び放電
回数をデータとして外部へ出力するためのデータ出力手
段を設けてもよい。
て、放電検出手段により放電が検出された時刻及び放電
回数をデータとして外部へ出力するためのデータ出力手
段を設けてもよい。
【0019】上記昆虫誘殺装置においては、上記データ
出力手段と遠隔地にあるコンピュータとを通常に用いら
れる通信手段(通信線、無線等)により接続し、昆虫等
の発生状況に関するデータを瞬時に且つ自動的にコンピ
ュータに取り込んで処理する、ということが可能であ
る。このようにすれば、昆虫等の発生状況を広域に渡っ
て迅速且つ正確に把握できるため、昆虫等による発生状
況の変化に関する正確な予測を行い、それに基づいて迅
速且つ適切な対策を講じることが可能となる。このよう
に昆虫等の発生の初期段階において適切な対策を講じる
ことにより、昆虫等の大量発生や隣接地域への被害の拡
大が未然に防止され、昆虫駆除のために必要とされてき
た農薬の使用量を大幅に削減することができる。
出力手段と遠隔地にあるコンピュータとを通常に用いら
れる通信手段(通信線、無線等)により接続し、昆虫等
の発生状況に関するデータを瞬時に且つ自動的にコンピ
ュータに取り込んで処理する、ということが可能であ
る。このようにすれば、昆虫等の発生状況を広域に渡っ
て迅速且つ正確に把握できるため、昆虫等による発生状
況の変化に関する正確な予測を行い、それに基づいて迅
速且つ適切な対策を講じることが可能となる。このよう
に昆虫等の発生の初期段階において適切な対策を講じる
ことにより、昆虫等の大量発生や隣接地域への被害の拡
大が未然に防止され、昆虫駆除のために必要とされてき
た農薬の使用量を大幅に削減することができる。
【0020】次に、上記第1対の電極間に印加する電圧
について更に説明する。
について更に説明する。
【0021】一般に、対向して配置された1対の電極間
に高電圧を印加したとき該電極間に放電が発生するか否
かは、電極間の距離、印加電圧の大きさ、及び電極間に
存在する物(物質、物体等)の導電率等に依存する。例
えば、電極間距離及び印加電圧が同じという条件の下で
は、ある大きさよりも大きい昆虫等が電極間に進入した
ときには該昆虫等を媒体として放電が発生し、その大き
さよりも小さい昆虫等が電極間に進入したときには放電
が発生しないという特定の大きさが存在する。
に高電圧を印加したとき該電極間に放電が発生するか否
かは、電極間の距離、印加電圧の大きさ、及び電極間に
存在する物(物質、物体等)の導電率等に依存する。例
えば、電極間距離及び印加電圧が同じという条件の下で
は、ある大きさよりも大きい昆虫等が電極間に進入した
ときには該昆虫等を媒体として放電が発生し、その大き
さよりも小さい昆虫等が電極間に進入したときには放電
が発生しないという特定の大きさが存在する。
【0022】このことを踏まえると、本発明に係る昆虫
誘殺装置の一態様として、上記第1対の電極間の距離
を、誘殺の対象となる昆虫等の大きさに応じて適宜変更
できるように構成したものが考えられる。この昆虫誘殺
装置の特徴は次のように説明される。例えば、誘引手段
により誘引しようとする昆虫等が小型である場合、従来
の電撃殺虫器では、対とされた電撃格子間の距離が大き
過ぎるために昆虫等が該電撃格子間に進入しても放電が
生じず、従って放電による殺傷及び計数もできないとい
った事態が生じることがあった。逆に、誘殺しようとす
る昆虫等が大型である場合、従来の電撃殺虫器では、電
撃格子のピッチが小さ過ぎるために昆虫等が電撃格子間
に進入できず、従って放電による殺傷及び計数もできな
いといった事態が生じることがあった。これに対し、上
記昆虫誘殺装置では、誘殺しようとする昆虫等が小型で
あるときには第1対の電極間の距離を小さくする一方、
該昆虫等が大型である場合は前記電極間の距離を大きく
するというように、昆虫等の大きさに応じて第1対の電
極間の距離を適宜変更することにより、どのような大き
さの昆虫等を対象とする場合でも放電により確実に該昆
虫等を殺傷することができるのである。
誘殺装置の一態様として、上記第1対の電極間の距離
を、誘殺の対象となる昆虫等の大きさに応じて適宜変更
できるように構成したものが考えられる。この昆虫誘殺
装置の特徴は次のように説明される。例えば、誘引手段
により誘引しようとする昆虫等が小型である場合、従来
の電撃殺虫器では、対とされた電撃格子間の距離が大き
過ぎるために昆虫等が該電撃格子間に進入しても放電が
生じず、従って放電による殺傷及び計数もできないとい
った事態が生じることがあった。逆に、誘殺しようとす
る昆虫等が大型である場合、従来の電撃殺虫器では、電
撃格子のピッチが小さ過ぎるために昆虫等が電撃格子間
に進入できず、従って放電による殺傷及び計数もできな
いといった事態が生じることがあった。これに対し、上
記昆虫誘殺装置では、誘殺しようとする昆虫等が小型で
あるときには第1対の電極間の距離を小さくする一方、
該昆虫等が大型である場合は前記電極間の距離を大きく
するというように、昆虫等の大きさに応じて第1対の電
極間の距離を適宜変更することにより、どのような大き
さの昆虫等を対象とする場合でも放電により確実に該昆
虫等を殺傷することができるのである。
【0023】また、別の態様としては、前記第1対の電
極間に印加する電圧を、誘殺の対象となる昆虫等の大き
さに応じて変更するための電圧制御手段を備える昆虫誘
殺装置が考えられる。この昆虫誘殺装置を使用する際、
誘殺しようとする昆虫等が小型である場合は電極間に印
加する電圧を高めに設定する一方、誘殺しようとする昆
虫等が小型である場合は電極間に印加する電圧を高めに
設定する。このような方法によっても、電極間距離を適
宜変更するという上記方法による場合と同様に、昆虫等
の大きさに応じて放電の発生を制御することができる。
極間に印加する電圧を、誘殺の対象となる昆虫等の大き
さに応じて変更するための電圧制御手段を備える昆虫誘
殺装置が考えられる。この昆虫誘殺装置を使用する際、
誘殺しようとする昆虫等が小型である場合は電極間に印
加する電圧を高めに設定する一方、誘殺しようとする昆
虫等が小型である場合は電極間に印加する電圧を高めに
設定する。このような方法によっても、電極間距離を適
宜変更するという上記方法による場合と同様に、昆虫等
の大きさに応じて放電の発生を制御することができる。
【0024】上記のように、電極間距離又は印加電圧を
適宜変更することにより、誘殺可能な昆虫等の大きさの
下限を適宜設定/変更できるのであるが、電極間距離と
該電極間に印加する電圧の両方を変更可能にすれば、よ
り高い精度で下限の設定及び変更を行うことができるこ
とは言うまでもない。
適宜変更することにより、誘殺可能な昆虫等の大きさの
下限を適宜設定/変更できるのであるが、電極間距離と
該電極間に印加する電圧の両方を変更可能にすれば、よ
り高い精度で下限の設定及び変更を行うことができるこ
とは言うまでもない。
【0025】また、上記誘導通路を備える昆虫誘殺装置
において、上記誘導通路の入口が出口よりも上に配置さ
れている場合、上記誘導通路の入口から上記第1対の電
極へ至る経路の途上に配設された第2対の電極と、前記
第2対の電極間内に昆虫等が存在しないときには該電極
間に放電が生じず、該電極間に昆虫等が存在するときに
は該昆虫等を媒体として該電極間に放電が生じるような
電圧を該電極間に印加する電圧印加手段と、を備えるよ
うにしてもよい。このような昆虫誘殺装置では、誘導通
路に進入した昆虫等は、まず第2対の電極間で生じる放
電により感電死し、又は活動不能な状態とされた後に第
2対の電極から落下して第1対の電極に達する。このよ
うにすると、2度の電撃を加えることにより殺傷能力を
高めることができるだけでなく、昆虫等が第1対の電極
間を通過する速度が安定するため、計数精度が高まる。
なお、上記電圧印加手段は、第1対の電極間に電圧を印
加するための電圧印加手段と同じものを利用するように
してもよい。
において、上記誘導通路の入口が出口よりも上に配置さ
れている場合、上記誘導通路の入口から上記第1対の電
極へ至る経路の途上に配設された第2対の電極と、前記
第2対の電極間内に昆虫等が存在しないときには該電極
間に放電が生じず、該電極間に昆虫等が存在するときに
は該昆虫等を媒体として該電極間に放電が生じるような
電圧を該電極間に印加する電圧印加手段と、を備えるよ
うにしてもよい。このような昆虫誘殺装置では、誘導通
路に進入した昆虫等は、まず第2対の電極間で生じる放
電により感電死し、又は活動不能な状態とされた後に第
2対の電極から落下して第1対の電極に達する。このよ
うにすると、2度の電撃を加えることにより殺傷能力を
高めることができるだけでなく、昆虫等が第1対の電極
間を通過する速度が安定するため、計数精度が高まる。
なお、上記電圧印加手段は、第1対の電極間に電圧を印
加するための電圧印加手段と同じものを利用するように
してもよい。
【0026】
【実施例】本発明に係る昆虫誘殺装置の実施例を、図面
を参照しながら説明する。
を参照しながら説明する。
【0027】図1は本発明の一実施例である昆虫誘殺装
置1の縦断面図である。この昆虫誘殺装置1は、電子回
路収納部12、雨浸入防止傘11、昆虫等の種類に応じ
て入口15の大きさを調整する入口調整リング14等を
有する上部構造体10と、漏斗状をした導入部21及び
殺傷計数部22よりなる下部構造体20と、上部構造体
10と下部構造体20を電気的・機械的に接続する接続
金具13により主として構成される。なお、上部構造体
10の適当な位置に、誘引物質保持体50が取り付けら
れている。
置1の縦断面図である。この昆虫誘殺装置1は、電子回
路収納部12、雨浸入防止傘11、昆虫等の種類に応じ
て入口15の大きさを調整する入口調整リング14等を
有する上部構造体10と、漏斗状をした導入部21及び
殺傷計数部22よりなる下部構造体20と、上部構造体
10と下部構造体20を電気的・機械的に接続する接続
金具13により主として構成される。なお、上部構造体
10の適当な位置に、誘引物質保持体50が取り付けら
れている。
【0028】上部構造体10からは、下部構造体20に
ある円筒状をした殺傷計数部22の概ね中心に位置する
ように、棒状をした導電性の中心電極31が伸びてい
る。この中心電極31と筒状の導電体でできた殺傷計数
部22により、中心電極31を片側の電極とし殺傷計数
部22を対向電極とし、昆虫等を殺傷及び計数するため
の電極対が構成されている。
ある円筒状をした殺傷計数部22の概ね中心に位置する
ように、棒状をした導電性の中心電極31が伸びてい
る。この中心電極31と筒状の導電体でできた殺傷計数
部22により、中心電極31を片側の電極とし殺傷計数
部22を対向電極とし、昆虫等を殺傷及び計数するため
の電極対が構成されている。
【0029】中心電極31は、その全長において電極を
構成するようにすると、同時に進入した複数の昆虫等に
対して放電を発生し誤計数の原因になるため、下端部の
概ね1cm程度を除き絶縁性の電極カバー30で被覆し
てある。
構成するようにすると、同時に進入した複数の昆虫等に
対して放電を発生し誤計数の原因になるため、下端部の
概ね1cm程度を除き絶縁性の電極カバー30で被覆し
てある。
【0030】電子回路収納部12に内蔵された図示せぬ
高電圧電源の両極の端子のうち接地電位側の端子は、接
続金具13を経由して導電体でできた下部構造体20に
接続され、対する高電圧側の端子は中心電極31に接続
されている。
高電圧電源の両極の端子のうち接地電位側の端子は、接
続金具13を経由して導電体でできた下部構造体20に
接続され、対する高電圧側の端子は中心電極31に接続
されている。
【0031】上記のように構成された昆虫誘殺装置1に
おいて、誘引物質保持体50から誘引物質が気化し、漏
斗状をした導入部21と上部構造体10及び入口調整リ
ング14に囲まれた空間内における前記誘引物質の濃度
が高くなると、その物質に誘引された昆虫等は、上部構
造体10と下部構造体20又は入口調整リング14の隙
間から前記空間内へ進入する。
おいて、誘引物質保持体50から誘引物質が気化し、漏
斗状をした導入部21と上部構造体10及び入口調整リ
ング14に囲まれた空間内における前記誘引物質の濃度
が高くなると、その物質に誘引された昆虫等は、上部構
造体10と下部構造体20又は入口調整リング14の隙
間から前記空間内へ進入する。
【0032】進入した昆虫等は、上記空間を飛翔したり
導入部21等の内壁面上を徘徊しているうちに、下方の
殺傷計数部22に滑落する。ここで、効率的に昆虫等を
滑落させるためには、殺傷計数部22を構成する筒と、
中心電極31及び電極カバー30の間に、昆虫等の通過
を妨げない十分な間隔を設け、更にその材質及び表面は
昆虫等が容易に付着したりひっかかることがないよう滑
らかなほうがよい。
導入部21等の内壁面上を徘徊しているうちに、下方の
殺傷計数部22に滑落する。ここで、効率的に昆虫等を
滑落させるためには、殺傷計数部22を構成する筒と、
中心電極31及び電極カバー30の間に、昆虫等の通過
を妨げない十分な間隔を設け、更にその材質及び表面は
昆虫等が容易に付着したりひっかかることがないよう滑
らかなほうがよい。
【0033】また、電極間に印加する適当な電圧と電極
間の間隔は相互に関係するが、電極間に昆虫等が存在し
ない場合は放電が生じず、昆虫等が存在すると確実に放
電が生じるような電源電圧及び電極間隔にする必要があ
る。このため、対象とする昆虫等の種類(大きさ)に応
じて、殺傷計数部22を構成する筒としてそれぞれ異な
る内径を有する複数種類の筒を準備するか、異なる直径
を有する複数種類の中心電極31及び電極カバー30を
準備し、適宜これを交換できるようにするとよい。ま
た、高電圧電源として、印加電圧の可変な電源を用いる
ようにすれば、さらに広範囲の昆虫等に対応できる。
間の間隔は相互に関係するが、電極間に昆虫等が存在し
ない場合は放電が生じず、昆虫等が存在すると確実に放
電が生じるような電源電圧及び電極間隔にする必要があ
る。このため、対象とする昆虫等の種類(大きさ)に応
じて、殺傷計数部22を構成する筒としてそれぞれ異な
る内径を有する複数種類の筒を準備するか、異なる直径
を有する複数種類の中心電極31及び電極カバー30を
準備し、適宜これを交換できるようにするとよい。ま
た、高電圧電源として、印加電圧の可変な電源を用いる
ようにすれば、さらに広範囲の昆虫等に対応できる。
【0034】滑落した昆虫等が、中心電極31の露出部
31a及び殺傷計数部22から成る電極対の間に到達す
ると、それまで空気により保たれていた電極対間の絶縁
が導電性の高い昆虫等により破壊されて放電が生じ、昆
虫等は殺傷されるとともに計数される。なお、放電は、
1匹の昆虫等の通過に対して1回ないし複数回生じる
が、放電の発生を適当な周波数のフィルタで処理するこ
とにより、殺傷された昆虫等の数を正確に得ることがで
きる。
31a及び殺傷計数部22から成る電極対の間に到達す
ると、それまで空気により保たれていた電極対間の絶縁
が導電性の高い昆虫等により破壊されて放電が生じ、昆
虫等は殺傷されるとともに計数される。なお、放電は、
1匹の昆虫等の通過に対して1回ないし複数回生じる
が、放電の発生を適当な周波数のフィルタで処理するこ
とにより、殺傷された昆虫等の数を正確に得ることがで
きる。
【0035】電撃(放電)により昆虫等は感電死する
か、もしくはその活動が一時的に麻痺(停止)するた
め、殺傷計数部22に昆虫等が長時間留まることはな
く、従って、同じ昆虫等を重複して計数するという誤動
作が生じることはない。さらに、多くの昆虫等が集まる
場所に営巣したり進入するクモ等食虫動物が殺傷計数部
22に止まると機能に障害を与えたり誤動作を引き起こ
す等の問題が生じることがあるが、そのような食虫動物
も電撃により駆除されるため、上記のような問題が生じ
るおそれもない。
か、もしくはその活動が一時的に麻痺(停止)するた
め、殺傷計数部22に昆虫等が長時間留まることはな
く、従って、同じ昆虫等を重複して計数するという誤動
作が生じることはない。さらに、多くの昆虫等が集まる
場所に営巣したり進入するクモ等食虫動物が殺傷計数部
22に止まると機能に障害を与えたり誤動作を引き起こ
す等の問題が生じることがあるが、そのような食虫動物
も電撃により駆除されるため、上記のような問題が生じ
るおそれもない。
【0036】図2は、下部構造体20を導電体ではなく
絶縁体により構成した例で、殺傷計数部22の内壁面に
別途導電性の帯状電極23を、中心電極31の露出部3
1aに対向して設けてある。
絶縁体により構成した例で、殺傷計数部22の内壁面に
別途導電性の帯状電極23を、中心電極31の露出部3
1aに対向して設けてある。
【0037】図1及び図2の例では殺傷計数部22を円
筒状としたが、その形状は必ずしも円筒状である必要は
ない。例えば、図3(A)は、断面が6角形である筒状
部材22bを含む殺傷計数部22を示す横断面図であ
る。なお、この例では中心電極31bの断面も筒状部材
22bと同じ6角形にしてあるが、同じである必要はな
い。もちろん、断面を6角形以外とすることも可能であ
る。また、図3(B)は、非導電性材料により作成され
た断面が四角形である殺傷計数部22を示す横断面図で
あって、対向する壁面の一部をそれぞれ構成する一対の
電極板23b及び31cから成る電極対が保持部材22
cにより保持されている。
筒状としたが、その形状は必ずしも円筒状である必要は
ない。例えば、図3(A)は、断面が6角形である筒状
部材22bを含む殺傷計数部22を示す横断面図であ
る。なお、この例では中心電極31bの断面も筒状部材
22bと同じ6角形にしてあるが、同じである必要はな
い。もちろん、断面を6角形以外とすることも可能であ
る。また、図3(B)は、非導電性材料により作成され
た断面が四角形である殺傷計数部22を示す横断面図で
あって、対向する壁面の一部をそれぞれ構成する一対の
電極板23b及び31cから成る電極対が保持部材22
cにより保持されている。
【0038】図4は上記昆虫誘殺装置1の変形例を示す
縦断面図である。この昆虫誘殺装置101は、前述し
た、昆虫等を殺傷及び計数するための中心電極31の露
出部31aよりも上に、主として昆虫等の殺傷を目的と
した殺傷電極32を設けたものである。以下、中心電極
31の露出部31aと殺傷計数部22から成る電極対を
第1電極対、殺傷電極32と殺傷計数部22から成る電
極対を第2電極対と呼ぶ。
縦断面図である。この昆虫誘殺装置101は、前述し
た、昆虫等を殺傷及び計数するための中心電極31の露
出部31aよりも上に、主として昆虫等の殺傷を目的と
した殺傷電極32を設けたものである。以下、中心電極
31の露出部31aと殺傷計数部22から成る電極対を
第1電極対、殺傷電極32と殺傷計数部22から成る電
極対を第2電極対と呼ぶ。
【0039】昆虫誘殺装置101の内部に進入してきた
昆虫等は、第2電極対の間を通過する際に1回目の電撃
を受け、これにより殺傷されて活動不能となった状態で
殺傷計数部22の内部を落下し、第1電極対の間を落下
する際に再度電撃を受ける。このようにすると、殺傷能
力が更に高まるだけでなく、昆虫等が1回目の電撃によ
り活動不能となった状態で中心電極31付近を落下する
ため、第1電極対の間を昆虫等が通過する速度が安定
し、計数精度を高めることができる。
昆虫等は、第2電極対の間を通過する際に1回目の電撃
を受け、これにより殺傷されて活動不能となった状態で
殺傷計数部22の内部を落下し、第1電極対の間を落下
する際に再度電撃を受ける。このようにすると、殺傷能
力が更に高まるだけでなく、昆虫等が1回目の電撃によ
り活動不能となった状態で中心電極31付近を落下する
ため、第1電極対の間を昆虫等が通過する速度が安定
し、計数精度を高めることができる。
【0040】上記説明では、第2電極対は昆虫等の殺傷
だけを目的とするものとして説明したが、両方の電極対
を組合わせて計数機能を実現することもできる。
だけを目的とするものとして説明したが、両方の電極対
を組合わせて計数機能を実現することもできる。
【0041】図5は、コガネ虫等の甲虫を対象にした昆
虫誘殺装置111の例である。
虫誘殺装置111の例である。
【0042】コガネ虫等の甲虫は、蛾等の昆虫に比べ、
主に直線的な飛翔をすることから、図1又は図4に示す
ように上部構造体10と下部構造体20の間にできた入
口15の幅が狭いと、そこに飛び込むことが困難であ
る。このことを考慮し、図5(A)に示したように、本
例の装置では、上部構造体10と下部構造体20の間の
入口15を広くして甲虫の進入を容易にするとともに、
飛来した甲虫を下方の殺傷計数部22に誘導するために
衝突板40を設けてある。直線的に飛来した甲虫は衝突
板40に衝突すると一時的に飛翔できなくなり、殺傷計
数部22に滑落する。
主に直線的な飛翔をすることから、図1又は図4に示す
ように上部構造体10と下部構造体20の間にできた入
口15の幅が狭いと、そこに飛び込むことが困難であ
る。このことを考慮し、図5(A)に示したように、本
例の装置では、上部構造体10と下部構造体20の間の
入口15を広くして甲虫の進入を容易にするとともに、
飛来した甲虫を下方の殺傷計数部22に誘導するために
衝突板40を設けてある。直線的に飛来した甲虫は衝突
板40に衝突すると一時的に飛翔できなくなり、殺傷計
数部22に滑落する。
【0043】図5(B)は十字型をした衝突板40の平
面図で、中心に中心電極31及び電極カバー30を挿通
させる穴40aと、十字の4辺の先端に接続金具13を
挿通させる穴40bがあり、この穴に挿通させた接続金
具13で上部構造体10と下部構造体20を電気的・機
械的に接続すると、同時に衝突板40も上部構造体10
と下部構造体20の間に固定される。
面図で、中心に中心電極31及び電極カバー30を挿通
させる穴40aと、十字の4辺の先端に接続金具13を
挿通させる穴40bがあり、この穴に挿通させた接続金
具13で上部構造体10と下部構造体20を電気的・機
械的に接続すると、同時に衝突板40も上部構造体10
と下部構造体20の間に固定される。
【0044】図6は、昆虫等の習性に応じた各種形状の
付加部品及びその設置例である。
付加部品及びその設置例である。
【0045】まず、図6(A)は、飛翔型昆虫の中で誘
引物質に下方から接近する傾向の強い種類に対応する付
加部品を示す図で、昆虫等が内径の細い殺傷計数部22
に下方から容易に到達できるように、下方に開いたラッ
パ状の誘導路41を設けた例である。
引物質に下方から接近する傾向の強い種類に対応する付
加部品を示す図で、昆虫等が内径の細い殺傷計数部22
に下方から容易に到達できるように、下方に開いたラッ
パ状の誘導路41を設けた例である。
【0046】図6(B)は、地上を徘徊する昆虫等に対
応する付加部品の1例で、図6(A)の誘導路41と同
様に下方に開いたラッパ状部材の下端に一部切欠を設け
て成る誘導路42を殺傷計数部22の下端に取り付け、
地表に設置する例である。誘導路42の下端の切り欠き
から流れ出す誘引物質に誘引された昆虫等は、切り欠き
から誘導路42の内部に進入し、誘導路42の内壁を登
り第1電極対に到達し、電撃を受けて殺傷されると共に
計数される。なお、このような誘導路の内壁は、昆虫等
が容易に上れるように、平滑ではないほうが良い。
応する付加部品の1例で、図6(A)の誘導路41と同
様に下方に開いたラッパ状部材の下端に一部切欠を設け
て成る誘導路42を殺傷計数部22の下端に取り付け、
地表に設置する例である。誘導路42の下端の切り欠き
から流れ出す誘引物質に誘引された昆虫等は、切り欠き
から誘導路42の内部に進入し、誘導路42の内壁を登
り第1電極対に到達し、電撃を受けて殺傷されると共に
計数される。なお、このような誘導路の内壁は、昆虫等
が容易に上れるように、平滑ではないほうが良い。
【0047】図6(C)も、図6(B)と同様、地上徘
徊型の昆虫等に対応するための付加部品である誘導路の
例であるが、図6(C)の誘導路43においては、誘引
された昆虫等は誘導路43の外壁を登り、本発明による
昆虫誘殺装置1の上部構造体の入口15に到達する。そ
の後、その昆虫等を殺傷し、計数する行程は、先に説明
した通りである。
徊型の昆虫等に対応するための付加部品である誘導路の
例であるが、図6(C)の誘導路43においては、誘引
された昆虫等は誘導路43の外壁を登り、本発明による
昆虫誘殺装置1の上部構造体の入口15に到達する。そ
の後、その昆虫等を殺傷し、計数する行程は、先に説明
した通りである。
【0048】図6(D)は、地上徘徊型の昆虫等に対応
する第三の例で、特別な付加部品を付加するのではな
く、地面に適当な大きさの穴を掘り、本発明による昆虫
誘殺装置1を設置することにより、徘徊型の昆虫等が容
易に本装置の上部構造体の入口15に到達できるように
してある。
する第三の例で、特別な付加部品を付加するのではな
く、地面に適当な大きさの穴を掘り、本発明による昆虫
誘殺装置1を設置することにより、徘徊型の昆虫等が容
易に本装置の上部構造体の入口15に到達できるように
してある。
【0049】図7は本発明に係る昆虫誘殺装置の電子回
路の一例を示す回路図である。
路の一例を示す回路図である。
【0050】高電圧を発生させるには、商用電源をトラ
ンスで昇圧する方法によるのが一般的であるが、昆虫誘
殺装置は、近くに商用電源の得られない山間部や田畑に
設置する例が多い。そこで、図7の電子回路では、電源
Vccから得られる直流電流を、発振・駆動回路60に
より駆動される2石のトランジスタTr1、Tr2を用
いて高周波交流に変換し、トランスT1で昇圧したもの
を、更にダイオードD1〜D8及びコンデンサC1〜C
8を用いた4倍圧整流回路で整流し数千ボルトの直流高
電圧にしている。
ンスで昇圧する方法によるのが一般的であるが、昆虫誘
殺装置は、近くに商用電源の得られない山間部や田畑に
設置する例が多い。そこで、図7の電子回路では、電源
Vccから得られる直流電流を、発振・駆動回路60に
より駆動される2石のトランジスタTr1、Tr2を用
いて高周波交流に変換し、トランスT1で昇圧したもの
を、更にダイオードD1〜D8及びコンデンサC1〜C
8を用いた4倍圧整流回路で整流し数千ボルトの直流高
電圧にしている。
【0051】発生した直流高電圧は中心電極31に接続
され、直流高電圧の接地電位側は接続金具13等を経て
下部構造体20の下端に位置する殺傷計数部22に接続
され、両電極間に昆虫等が到達すると主にコンデンサC
1〜C8にチャージされていた電荷が放出され昆虫等を
殺傷する。
され、直流高電圧の接地電位側は接続金具13等を経て
下部構造体20の下端に位置する殺傷計数部22に接続
され、両電極間に昆虫等が到達すると主にコンデンサC
1〜C8にチャージされていた電荷が放出され昆虫等を
殺傷する。
【0052】さらに、直流高電圧はコンデンサC9を経
てコンデンサC10、直流バイアス用の抵抗R1、及び
比較回路61に接続されている。昆虫等が電極間に到達
し放電が生じると、直流高電圧電源の出力には数百ボル
ト〜数千ボルトのパルス状の電圧降下が生じるが、コン
デンサC9とコンデンサC10の容量比をn:mとする
と、比較回路61にはm/(n+m)に分圧されたパル
ス信号が入力されことになる。
てコンデンサC10、直流バイアス用の抵抗R1、及び
比較回路61に接続されている。昆虫等が電極間に到達
し放電が生じると、直流高電圧電源の出力には数百ボル
ト〜数千ボルトのパルス状の電圧降下が生じるが、コン
デンサC9とコンデンサC10の容量比をn:mとする
と、比較回路61にはm/(n+m)に分圧されたパル
ス信号が入力されことになる。
【0053】比較回路61に入力されたパルス信号は、
雑音等の影響を避けるため、適当な電圧以上であるか比
較回路61で比較し、大きいと昆虫等が到達したことを
意味する信号として、コンピュータ回路63に入力され
る。なお、コンピュータ回路63は、マイクロプロセッ
サ、プログラムを記憶するROM、データを記憶するR
AM、データ入出力用のI/O回路等で構成する。
雑音等の影響を避けるため、適当な電圧以上であるか比
較回路61で比較し、大きいと昆虫等が到達したことを
意味する信号として、コンピュータ回路63に入力され
る。なお、コンピュータ回路63は、マイクロプロセッ
サ、プログラムを記憶するROM、データを記憶するR
AM、データ入出力用のI/O回路等で構成する。
【0054】高電圧の放電は、昆虫等の1個体に対して
1回とは限らないため、コンピュータ回路63はパルス
信号の幅や周期を測定するとともに、一種のフィルタ処
理を加えた上でパルス信号の数を計数する。実施例で
は、この処理をコンピュータ回路63のソフトウエアに
より実現しているが、放電により得られるパルス信号に
対して電子回路によるアナログ的なフィルタ処理を実施
するか、比較回路61の2値化された信号に対してモノ
ステーブルマルチバイブレータ等を用いたフィルタ処理
を行っても同様の効果を発揮できる。
1回とは限らないため、コンピュータ回路63はパルス
信号の幅や周期を測定するとともに、一種のフィルタ処
理を加えた上でパルス信号の数を計数する。実施例で
は、この処理をコンピュータ回路63のソフトウエアに
より実現しているが、放電により得られるパルス信号に
対して電子回路によるアナログ的なフィルタ処理を実施
するか、比較回路61の2値化された信号に対してモノ
ステーブルマルチバイブレータ等を用いたフィルタ処理
を行っても同様の効果を発揮できる。
【0055】さらに、コンピュータ回路63に時計機能
を持たせることにより、所定時間毎の誘殺数を計数して
記録することができる。これにより、人力による計数の
場合24時間毎に必ず必要になる誘殺した昆虫等の回収
作業が不要になる。
を持たせることにより、所定時間毎の誘殺数を計数して
記録することができる。これにより、人力による計数の
場合24時間毎に必ず必要になる誘殺した昆虫等の回収
作業が不要になる。
【0056】また、有線、電波、光等を利用した通信機
能62を持たせることにより、誘殺した昆虫等に関する
データをコンピュータ等に容易に収集することができ、
発生状況の監視や予測などが迅速かつ容易に行うことが
できる。
能62を持たせることにより、誘殺した昆虫等に関する
データをコンピュータ等に容易に収集することができ、
発生状況の監視や予測などが迅速かつ容易に行うことが
できる。
【0057】図1に示す下部構造体20は、高電圧の印
加された中心電極31を取り囲み、高電圧が昆虫等以外
の人間等に放電しないようにガードする機能も兼ねるも
のである。従って、もし下部構造体20を取り外すと中
心電極31が露出することになり危険である。
加された中心電極31を取り囲み、高電圧が昆虫等以外
の人間等に放電しないようにガードする機能も兼ねるも
のである。従って、もし下部構造体20を取り外すと中
心電極31が露出することになり危険である。
【0058】そこで、図7の回路では、次のようにして
下部構造体20の取り付け状態を検出するようにしてい
る。すなわち、複数個ある接続金具13の中の1個以外
は接地電位に接続し、残りの1個を抵抗R2を通じて電
源Vccに接続する。接続金具13と下部構造体20が
正常に接続された状態では電源Vccから抵抗R2を経
て流れる電流は全て接地電位に流れ込むが、下部構造体
20が取り外された状態では電流が流れない。この電流
の変化をコンピュータ回路63が監視し、下部構造体2
0が取り外されたことを検出すると、発振・駆動回路6
0を制御して高電圧の発生を停止させるのである。
下部構造体20の取り付け状態を検出するようにしてい
る。すなわち、複数個ある接続金具13の中の1個以外
は接地電位に接続し、残りの1個を抵抗R2を通じて電
源Vccに接続する。接続金具13と下部構造体20が
正常に接続された状態では電源Vccから抵抗R2を経
て流れる電流は全て接地電位に流れ込むが、下部構造体
20が取り外された状態では電流が流れない。この電流
の変化をコンピュータ回路63が監視し、下部構造体2
0が取り外されたことを検出すると、発振・駆動回路6
0を制御して高電圧の発生を停止させるのである。
【0059】図8は本発明による昆虫誘殺装置の設置例
を示す側面図である。前記したように、本装置に類する
昆虫誘殺装置は商用電源が容易には利用できない山間部
や田畑に設置されることが多い。そこで、図8の装置で
は、太陽電池パネル71で発電した電力を、蓄電池及び
充放電制御回路を備えた電源装置72に貯え、その電力
で本装置の電力を賄うようにしたものである。
を示す側面図である。前記したように、本装置に類する
昆虫誘殺装置は商用電源が容易には利用できない山間部
や田畑に設置されることが多い。そこで、図8の装置で
は、太陽電池パネル71で発電した電力を、蓄電池及び
充放電制御回路を備えた電源装置72に貯え、その電力
で本装置の電力を賄うようにしたものである。
【0060】上記実施例において、放電を検出するため
の回路としては、従来の電撃殺虫器に用いられている検
出回路を適宜使用してもよい。また、上記実施例では、
電極間の距離を変更する方法として、中心電極31や導
入部21を異なる径のものと交換するという方法を例に
挙げたが、例えば図3(B)のように一対の電極板を対
向配置させて成る電極対を備える装置においては、各電
極を機械的に移動させるような機構を設け、これにより
電極間距離を変更できるようにしてもよい。
の回路としては、従来の電撃殺虫器に用いられている検
出回路を適宜使用してもよい。また、上記実施例では、
電極間の距離を変更する方法として、中心電極31や導
入部21を異なる径のものと交換するという方法を例に
挙げたが、例えば図3(B)のように一対の電極板を対
向配置させて成る電極対を備える装置においては、各電
極を機械的に移動させるような機構を設け、これにより
電極間距離を変更できるようにしてもよい。
【0061】図9は本発明の別の実施例である昆虫誘殺
装置の縦断面図である。この昆虫誘殺装置121の説明
において、先に図1〜図8を参照しながら説明した構成
要素と構成的及び機能的に同一とみなされる構成要素に
は同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
装置の縦断面図である。この昆虫誘殺装置121の説明
において、先に図1〜図8を参照しながら説明した構成
要素と構成的及び機能的に同一とみなされる構成要素に
は同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0062】昆虫誘殺装置121は、上端に鍔を有する
筒状の誘引物質装填部品51を備えている。この誘引物
質装填部品51の下端には、誘引物質保持体50を装着
するための凸部51aが形成されている。上部構造体1
0には、該上部構造体10の中心を上下方向に貫通する
誘引物質装填口52が設けられている。前記誘引物質装
填部品51の凸部51aに誘引物質保持体50を装着
し、該誘引物質装填部品51を前記誘引物質装填口52
に挿入すると、図9に示したように、誘引物質保持体5
0が漏斗状の導入部21の直上に配置される。誘引物質
の交換や補充を行う際には、誘引物質装填口52から誘
引物質装填部品51を抜き出し、誘引物質保持体50を
新たなものと交換する。
筒状の誘引物質装填部品51を備えている。この誘引物
質装填部品51の下端には、誘引物質保持体50を装着
するための凸部51aが形成されている。上部構造体1
0には、該上部構造体10の中心を上下方向に貫通する
誘引物質装填口52が設けられている。前記誘引物質装
填部品51の凸部51aに誘引物質保持体50を装着
し、該誘引物質装填部品51を前記誘引物質装填口52
に挿入すると、図9に示したように、誘引物質保持体5
0が漏斗状の導入部21の直上に配置される。誘引物質
の交換や補充を行う際には、誘引物質装填口52から誘
引物質装填部品51を抜き出し、誘引物質保持体50を
新たなものと交換する。
【0063】上部構造体10の底面には、n本の陽極3
2A及びn本の陰極32Bを含む2×n本(ただし、n
は正の整数)の針状電極が、誘引物質装填口52の周囲
に、一定の間隔で、陽極32Aと陰極32Bとが交互に
現れるように、配置されている。n本の陽極32Aとn
本の陰極32Bとの間には、電子回路収納部12内に収
納された図示せぬ高圧電源により所定の電圧が印加され
ている。すなわち、隣接するいずれの針状電極を対と成
しても、その対は陽極32A及び陰極32Bを含み、そ
の間には前記電圧が印加されている。
2A及びn本の陰極32Bを含む2×n本(ただし、n
は正の整数)の針状電極が、誘引物質装填口52の周囲
に、一定の間隔で、陽極32Aと陰極32Bとが交互に
現れるように、配置されている。n本の陽極32Aとn
本の陰極32Bとの間には、電子回路収納部12内に収
納された図示せぬ高圧電源により所定の電圧が印加され
ている。すなわち、隣接するいずれの針状電極を対と成
しても、その対は陽極32A及び陰極32Bを含み、そ
の間には前記電圧が印加されている。
【0064】導入部21の直下には、梁17が、一対の
吊持棒16により水平に吊持されている。梁17の中心
には電極保持口17aが設けられており、ここに円筒状
の電極支持体33が摺動可能に挿入、保持されている。
電極支持体33の上端には中心電極31が固定されてい
る。中心電極31は導入部21の内部に挿入され、該導
入部21とともに殺傷計数部22を構成している。中心
電極31の上下方向の位置(高さ)は、電極支持体33
を上下に摺動させることにより適宜調節可能である。な
お、中心電極31は、導入部21の外側に配された給電
線34により、電子回路収納部12内に収納された図示
せぬ高圧電源と接続されている。
吊持棒16により水平に吊持されている。梁17の中心
には電極保持口17aが設けられており、ここに円筒状
の電極支持体33が摺動可能に挿入、保持されている。
電極支持体33の上端には中心電極31が固定されてい
る。中心電極31は導入部21の内部に挿入され、該導
入部21とともに殺傷計数部22を構成している。中心
電極31の上下方向の位置(高さ)は、電極支持体33
を上下に摺動させることにより適宜調節可能である。な
お、中心電極31は、導入部21の外側に配された給電
線34により、電子回路収納部12内に収納された図示
せぬ高圧電源と接続されている。
【0065】以上のように構成された昆虫誘殺装置12
1においては、前記陽極32A及び陰極32Bが、図4
の昆虫誘殺装置101にいう殺傷電極32と同様に機能
する。すなわち、誘引物質により誘引されて入口15か
ら上部構造体10内へ進入した昆虫等は、殺傷電極32
による電撃を受けて殺傷され、導入部21内へ落下す
る。このように落下する昆虫等が殺傷計数部22を通過
する際に、該昆虫等を媒体として2回目の電撃(放電)
が生じる。この電撃を数えることにより、殺傷された昆
虫等の数が得られる。
1においては、前記陽極32A及び陰極32Bが、図4
の昆虫誘殺装置101にいう殺傷電極32と同様に機能
する。すなわち、誘引物質により誘引されて入口15か
ら上部構造体10内へ進入した昆虫等は、殺傷電極32
による電撃を受けて殺傷され、導入部21内へ落下す
る。このように落下する昆虫等が殺傷計数部22を通過
する際に、該昆虫等を媒体として2回目の電撃(放電)
が生じる。この電撃を数えることにより、殺傷された昆
虫等の数が得られる。
【0066】なお、殺傷電極32に印加する電圧が高す
ぎると、昆虫等を殺傷する際に該昆虫等が静電気により
針状電極に付着することがある。一方、印加電圧が低す
ぎると、十分な殺傷力が得られない。そこで、低電圧で
も十分な殺傷力が得られるように、針状電極の配置間隔
は小さく、例えば5〜10mm程度とする。この程度に
針状電極の間隔を小さくすると、1000〜3000V
程度の電圧でも強い放電が発生し、十分な殺傷力が得ら
れる。
ぎると、昆虫等を殺傷する際に該昆虫等が静電気により
針状電極に付着することがある。一方、印加電圧が低す
ぎると、十分な殺傷力が得られない。そこで、低電圧で
も十分な殺傷力が得られるように、針状電極の配置間隔
は小さく、例えば5〜10mm程度とする。この程度に
針状電極の間隔を小さくすると、1000〜3000V
程度の電圧でも強い放電が発生し、十分な殺傷力が得ら
れる。
【0067】上記のような昆虫誘殺装置121では、殺
傷電極32を構成する針状電極が誘引物質保持体50を
囲繞するように配置されているため、誘引物質に向かっ
て飛行する昆虫等は必ずいずれかの殺傷電極32付近を
飛行し、該殺傷電極32からの電撃を受けて確実に殺傷
される。また、昆虫誘殺装置121では、昆虫等が殺傷
電極32から殺傷計数部22まで落下する経路上に障害
物が存在しないため、昆虫等が殺傷計数部22を通過す
る速度がより安定する。更にまた、前記障害物に静電気
が発生してそこに昆虫等が付着してしまうといった事態
も防止される。
傷電極32を構成する針状電極が誘引物質保持体50を
囲繞するように配置されているため、誘引物質に向かっ
て飛行する昆虫等は必ずいずれかの殺傷電極32付近を
飛行し、該殺傷電極32からの電撃を受けて確実に殺傷
される。また、昆虫誘殺装置121では、昆虫等が殺傷
電極32から殺傷計数部22まで落下する経路上に障害
物が存在しないため、昆虫等が殺傷計数部22を通過す
る速度がより安定する。更にまた、前記障害物に静電気
が発生してそこに昆虫等が付着してしまうといった事態
も防止される。
【0068】図9に示したように、中心電極31の下部
は下方が小径となる漏斗状に成形されており、その側面
と、導入部21の壁面とは略平行であり、両面間の距離
dは、中心電極31の高さに応じて変化する。図10
(A)〜(C)は中心電極31の高さに応じて距離dが
変化する様子を示す図である。図から明らかなように、
中心電極31の位置が高いときには距離dは大きく、低
いときには距離dは小さい。このように、図9の昆虫誘
殺装置は、目的とする昆虫等が大型である場合には中心
電極31の位置を高く設定し、目的とする昆虫等が小型
である場合には中心電極31の位置を低く設定すること
により、どのような大きさの昆虫等の殺傷及び計数にも
対応できる。
は下方が小径となる漏斗状に成形されており、その側面
と、導入部21の壁面とは略平行であり、両面間の距離
dは、中心電極31の高さに応じて変化する。図10
(A)〜(C)は中心電極31の高さに応じて距離dが
変化する様子を示す図である。図から明らかなように、
中心電極31の位置が高いときには距離dは大きく、低
いときには距離dは小さい。このように、図9の昆虫誘
殺装置は、目的とする昆虫等が大型である場合には中心
電極31の位置を高く設定し、目的とする昆虫等が小型
である場合には中心電極31の位置を低く設定すること
により、どのような大きさの昆虫等の殺傷及び計数にも
対応できる。
【図1】 本発明の一実施例である昆虫誘殺装置の縦断
面図。
面図。
【図2】 下部構造体を絶縁体により構成した例を示す
縦断面図。
縦断面図。
【図3】 (A)殺傷計数部の変形例を示す横断面図、
(B)殺傷計数部を複数の部材で構成した例を示す横断
面図。
(B)殺傷計数部を複数の部材で構成した例を示す横断
面図。
【図4】 図1の昆虫誘殺装置の変形例を示す縦断面
図。
図。
【図5】 (A)甲虫を対象にした昆虫誘殺装置の例を
示す縦断面図、(B)衝突板を示す平面図。
示す縦断面図、(B)衝突板を示す平面図。
【図6】 (A)〜(D)昆虫等の習性に応じた各種形
状の付加部品及び設置例を示す縦断面図。
状の付加部品及び設置例を示す縦断面図。
【図7】 昆虫誘殺装置の電子回路の一例を示す回路
図。
図。
【図8】 本発明による昆虫誘殺装置の設置例を示す側
面図。
面図。
【図9】 本発明の別の実施例である昆虫誘殺装置の縦
断面図。
断面図。
【図10】 (A)〜(C)中心電極の高さの変化に応
じて該中心電極と漏斗状の導入部との間の距離が変化す
る様子を示す図。
じて該中心電極と漏斗状の導入部との間の距離が変化す
る様子を示す図。
10…上部構造体 12…電子回路収納部 13…接続金具 20…下部構造体 21…導入部 22…殺傷計数部 30…電極カバー 31…中心電極 32…殺傷電極 40…衝突板 41〜43…誘導路 50…誘引物質保持体 60…発振・駆動回路 61…比較回路 62…通信機能 63…コンピュータ回路 71…太陽電池パネル 72…電源装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮原 隆和 鹿児島県加世田市武田15248−11 株式会 社エルム内 (72)発明者 瀬戸口 脩 鹿児島県鹿児島市鴨池新町27−1−306 (72)発明者 上和田 秀美 鹿児島県鹿児島市中山町1186−1 (72)発明者 竹村 薫 鹿児島県鹿児島市宇宿764−2
Claims (3)
- 【請求項1】 特定の種類の昆虫等を誘引するための誘
引手段と、 前記誘引手段により誘引された昆虫等を後記第1対の電
極間へ誘導する誘導手段と、 放電を発生させるための第1対の電極と、 前記第1対の電極間に前記昆虫等が存在しないときには
該電極間に放電が発生せず、該電極間に前記昆虫等が存
在するときには該昆虫等を媒体として該電極間に放電が
発生するような電圧を該電極間に印加するための電圧印
加手段と、 前記電極間において放電が発生した回数及び時刻を測定
する放電検出手段と、を備えることを特徴とする昆虫誘
殺装置。 - 【請求項2】 上記誘導手段が、上記誘引手段により誘
引された昆虫等が集まる場所の近くに入口を有し、上記
第1対の電極が配設された場所の近くに出口を有する誘
導通路を含む請求項1に記載の昆虫誘殺装置において、 前記誘導通路の入口を通過できる昆虫等の大きさを制限
するための入口制限手段、を備えることを特徴とする昆
虫誘殺装置。 - 【請求項3】 上記誘導通路の入口が出口よりも上に配
置されている請求項2に記載の昆虫誘殺装置において、 上記誘導通路の入口から上記第1対の電極へ至る経路の
途上に配設された第2対の電極と、 前記第2対の電極間内に昆虫等が存在しないときには該
電極間に放電が生じず、該電極間に昆虫等が存在すると
きには該昆虫等を媒体として該電極間に放電が生じるよ
うな電圧を該電極間に印加する電圧印加手段と、を備え
ることを特徴とする昆虫誘殺装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34366698A JP2000000050A (ja) | 1998-01-09 | 1998-12-03 | 昆虫誘殺装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1482998 | 1998-01-09 | ||
JP12300498 | 1998-04-15 | ||
JP10-123004 | 1998-04-15 | ||
JP10-14829 | 1998-04-15 | ||
JP34366698A JP2000000050A (ja) | 1998-01-09 | 1998-12-03 | 昆虫誘殺装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000000050A true JP2000000050A (ja) | 2000-01-07 |
Family
ID=27280789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34366698A Pending JP2000000050A (ja) | 1998-01-09 | 1998-12-03 | 昆虫誘殺装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000000050A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000069258A1 (fr) * | 1999-05-18 | 2000-11-23 | Elm Inc. | Dispositif de capture et d'elimination d'insectes |
JP2002119185A (ja) * | 2000-10-12 | 2002-04-23 | Terada Seisakusho Co Ltd | 電撃型自動カウント式トラップ |
US7779575B2 (en) | 2007-01-12 | 2010-08-24 | National Agriculture And Food Research Organization | Pulse container for an insect electrocutor |
WO2014098579A1 (en) * | 2012-12-17 | 2014-06-26 | Stichting Dienst Landbouwkundig Onderzoek | Crawling insect counting device, system and method for indicating crawling insect infestation and determining a moment for treatment and/or control of said insects |
CN106070131A (zh) * | 2016-07-01 | 2016-11-09 | 遵义师范学院 | 一种电网可调式灭虫灯 |
JP2017023101A (ja) * | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 日之出水道機器株式会社 | 地下構造物用の害虫捕獲装置および害虫捕獲システム |
US20170071185A1 (en) * | 2015-09-15 | 2017-03-16 | Brian Patrick Janowski | Insect zapper apparatus, game methods, and kit |
CN108925527A (zh) * | 2018-07-23 | 2018-12-04 | 福建省农业科学院科技干部培训中心 | 一种可拆卸的昆虫电击实验装置 |
US11716984B2 (en) * | 2019-02-22 | 2023-08-08 | Kevin Bradley Watts | Insect trapping device |
-
1998
- 1998-12-03 JP JP34366698A patent/JP2000000050A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2000069258A1 (fr) * | 1999-05-18 | 2000-11-23 | Elm Inc. | Dispositif de capture et d'elimination d'insectes |
US6564503B1 (en) | 1999-05-18 | 2003-05-20 | Elm, Inc. | Apparatus for trapping and killing insects |
JP2002119185A (ja) * | 2000-10-12 | 2002-04-23 | Terada Seisakusho Co Ltd | 電撃型自動カウント式トラップ |
JP4634593B2 (ja) * | 2000-10-12 | 2011-02-16 | 株式会社寺田製作所 | 電撃型自動カウント式トラップ |
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CN108925527A (zh) * | 2018-07-23 | 2018-12-04 | 福建省农业科学院科技干部培训中心 | 一种可拆卸的昆虫电击实验装置 |
US11716984B2 (en) * | 2019-02-22 | 2023-08-08 | Kevin Bradley Watts | Insect trapping device |
US20230309539A1 (en) * | 2019-02-22 | 2023-10-05 | Kevin Bradley Watts | Insect trapping device |
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