JP2011031036A - 自力服薬援助器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 処方に従い、薬剤師が調剤し供給した1回分毎の全薬剤のみを収納した密閉薬剤分包1と、これを格納し、服薬時刻に提供する小2・中3・大4、3種類の容器群と、薬剤を格納した小容器を大容器の上方に出現させる手段6とからなり、服薬時刻到来時に、該分包を上方にとび出させて、認知機能を刺激し、患者が該分包を自身の指で取り上げ終わるまで、患者の準氏名を含む文言音声や、公知の複数の警報・告知手段による告知信号を中断無く発信し続けることで、該患者が独力で、安全・確実に服薬できる服薬援助器具。
【選択図】図1
Description
そのため、薬剤師、看護士、臨床福祉士、家族等、該患者を介護し、適正な服薬を指導・援助する役割を持つ、介護資格のある正常な認知機能を備えた介護人(以下“介護人等”と略称する)は、該患者等の服薬時には、必ず該患者等に接し、処方に沿った正しい服薬が安全に行われるよう、直接的な服薬援助をしなければならなかった。
これらの中には、わが国のみならず、世界的な規模での、殆ど完成されたと思われる大規模システム(例えば、特許文献14参照)もある。
例えば参考文献15では、竪型ケージに予め収納した薬剤カプセルを複数装填して積み重ねておき、タイマーに設定した時刻になるとカプセルをケージからすべり落とすと共に服薬を報知する装置がある。
しかしこの装置においては、カプセルは同一種類の薬剤であり、仮にある時刻に飲み忘れ、次の服薬時に服薬しても支障の無い場合であり、服薬時刻により薬剤の種類や量が異なる場合には対応不能である。 さらに報知は、短い一定時間が経つと自然停止してしまうので、短時間の不在や、一時的な放心状態でも服薬せずにパスされてしまう。
また、何らかの理由で服薬不能であった場合に、その日・時が記録に残らず後日に確認することはできない。
しかも患者自身が、服薬時刻の到来を電話での応答で知ったり、PTP包装をはがして服用したりせねばならないので、使えるのはかなり軽症の場合に限られる。
まず薬剤の取り出し機構であるが、服薬時刻到来時に、単に箱の一部の蓋が開くだけで気付き難い。 また、もし患者がこれに気付いても、この中へ手指を突っ込んで薬剤を漏れなく取り出さなければならない。 一方本発明では、全薬剤の入った小容器が、上方に飛び上がって患者の眼前に出現するので、素直にこの全量をれを受け取ることができる。 次にこの発明では、各コンパートメントに薬剤を装荷する人が不定である。 薬剤師が調剤し該装置に装荷するなら、薬事法の調剤は薬剤師が行う、という原則に合致するが、それ以外の介護人や家族が行うなら違法となる。 一方、薬剤師が個々の患者向けの該装置に一々装荷することは、大病院の手術室等特別な場合を除き考えられない。 薬剤師が調剤した薬剤を無資格者が装荷すれば、その時のミス等により、薬剤師の調剤責任と権限を犯す可能性がある。
これに対し、本発明では、薬剤師の調剤責任は、薬剤師が作成する一回分の全薬剤を収納する密閉薬剤分包作成で終わる。 そして介護人や家族は、その薬剤分包を、薬剤師の指示に従って、一袋ずつを収納した小容器を服薬時刻順に並べるだけである。 つまり、現在広く普及している、薬剤師が毎回の調剤薬剤を一袋ずつ包み、これを服薬時期、服薬量、服薬回数を明記した紙袋に入れ(調剤終了)、患者や家族に手渡したものから、患者や家族がその記述に従って取り出して服用する、あるいは服用させる、現行方式と、何ら変わるところがない方法である。
しかしこの場合でも、服薬時刻到来後直ちに服薬することが出来ず、可なり長時間経過後(例えば次回の服薬時刻到来直前)に、服薬に気付き、あわてて服薬することを防止することができなかったり、これと報知直後に正常に服薬した場合との区別が付けられなかったりすることが多い。
更に、所定の服薬時刻での、遅れ時間の短い正常な服薬がなされる場合でも、それが安全面から見て正しく行われるか、否か、の視点は極めて脆弱である。 これは認知機能の衰えた患者等に対しては、文字通り患者の生命にもかかわる致命的な欠陥になる。
1)認知機能の低下した患者等に、必要な薬剤を、安全に提供できるしくみになっている器具、という視点で製作されていない。
2)認知機能への刺激策が弱く、服薬時刻到来の告知信号が出ていても気付き難く見逃してしまう。
3)服薬時刻到来告知信号の告知が簡単すぎて、(短時間だったり、回数が少なかったり)患者等に十分に伝わらないうちに、報知・告知が停止してしまう。
4)告知信号が、患者等や第三者の恣意により、容易に止められてしまう。
5)最近の市販の錠剤やカプセルの90%近くを占めるPTP包装や、ブリスター包装の、包装材が付着したままの薬剤が、そのまま誤飲され得るしくみである。 つまりこれらの包装材をすべて除去する服薬前の作業が、機能の低下した認知症患者等自身の認知力に任されている。 きわめて危険なしくみである。
6)認知症患者の特性を十分に考慮して製作されていないので、患者等が一旦告知信号を受信しても、服薬直前までに至る過程で、患者等の認知機能の低下のため、作業が中断してしまう。(認知症患者等の特徴は、次々段落番号の項に記述)
7)器具類の構造や操作方法が複雑な場合、患者等は完全に習得することができない。
8)服薬時刻到来告知信号の発信が、一定時間間隔ごとの繰り返し発信されるのみであるものが多く、実用に適さないものが多い。
9)処方薬剤の種類や数が多い場合や、治療途中で処方が変化する場合に、機器が正しく対応できない場合が多い。
10)機器によっては、薬剤師の調剤、供給権限を侵害しかねないものがある。
11)大規模援助システム等は高価なため、システムへの加入費が高く、個人が安価に利用できない。
12)何等かに理由で服薬できなかった場合、その日・時等の正確な実施情報が、医師に伝わらない場合が多い。
13)患者等や介護人等の置かれている環境によっては、医師の方で、きめの細かいベストの処方箋を出し難い場合がある。
14)関連する諸法令に抵触しない、安全な薬剤供給が確保し難い場合がある。
15)従来品はいずれも、以上のいずれかの欠点のため、独力服薬援助器具としての信頼性が低く、毎服薬時刻での正常な介護人等の立ち会い援助が省けない。
16)その結果、自宅や遠隔地に、一人身の老齢の肉親や、認知症患者等の家族を抱えた介護人等は、その服薬援助のため、自由に住所や職業を選ぶことが困難で、社会的、経済的、心理的な負担の大きいものであった。
17)以上の欠陥すべてをクリアーする器具が現在まで見当たらない。
1)薬剤師が安全に調剤した薬剤が、安全な状態を保持したまま、服薬患者等に直接交付される。
2)特に厚生省告示の趣旨に合致した一包化による安全確保ができるものである。
3)又、特に最近著増しているPTP包装材等、誤飲による食道傷害の原因である危険な包装材のない薬剤が供給できる。
4)なるべく強烈に、複数の感覚器官を刺激し、重層的、継続的に、報知・告知信号を発信し、見過ごしをさせない。
例えば、重力に逆らって薬剤がとび上がって出てくる“びっくり箱”的効果で、認知能力の衰えた脳に、視覚的な刺激を与えるのに加え、患者等の氏名又は準氏名(後述)を親しい肉親の録音音声等で連呼することで、脳に聴覚的な刺激を与える、等。
5)服薬告知信号を、患者等が自身の手指で確実に薬剤を取り上げ終わるまで、発信を続ける。 途中で中断させない。
6)4)5)の服薬告知信号を恣意的に簡単に中断する手段を具備しない。
7)重症ではない患者等の特性をよく理解し、どのような状況でも援助し続けることができるよう、肌理の細かい工夫を重ね、具備させる。 患者等の特性は次の段落番号の項に記載する。
8)処方で定められた一回分の服薬可能な全薬剤が、一分包の袋に入っており、これさえ飲めば、安全で、必要且つ充分な服薬であるという簡単な仕組みになっている。
9)薬剤供給の全過程で安全性が確保できているものであり、途中での散逸や不純物の混入などあり得ない構造になっているもの。
10)所定服薬時刻での重複服薬が起こり得ない仕組みになっている。
11)服薬時刻の設定が、一定の時間間隔毎のみでなく、任意の服薬時刻の選定が可能であるもの。
12)小型・軽量で、ベッドサイドに設置できるもの。
13)購入が簡単で、安価な器具である。
14)後日、服薬実績が、正確に医師に伝達できるもの。
15)介護人等の援助作業が最小限ですむもの。
例えば、週1回の患者見舞い時の援助作業で十分であるもの。
16)介護人等と患者等の個人的な環境状況を考慮せずに、医師が、安心してベストの処方箋を作成できるもの。
17)医師法・薬剤師法等、基本的な諸関連法規に抵触しないもの。
18)患者等が自身の手指で薬剤を取り上げ終わっても、それでも尚、あえて服薬しようとしないものを、強制的に飲ませるものではないもの。
19)先行する公知技術の特許権を含む工業所有権等を侵害しないもの。
1、何も難しい判断をせず、自分に分かる最も簡単なことだけなら、安心して実施しよう、という気になる。
2、眼前の服薬援助器具等が自分用のものであると認識しないと、認知症患者等はこれを使おうとしない。
3、患者等が服薬時刻到来を告知する警報音や警報光を感知しても、それは誰か他人宛のものであり、自分宛のものではないと判断すれば、何もせずに見過ごしてしまう。
4、服薬時刻到来を告知する通常の音や光の信号が表示されても、その表示時間が短いと、“これは自分への合図だから服薬しよう”、という意識が起こる前に、信号が消滅してしまい、患者等に伝わらない。
5、告知信号を、服薬を促す自分宛のものだと認識できても、“服薬せよ、服薬せよ”と繰り返し促されていないと、なすべき行為を忘れてしまう。
6、告知信号により薬剤を取り出し、服薬行為に移ろうと思っても、服薬前に患者等の行うべき行為が複雑であると、適切な行為ができない。
7、服薬する為の適切な行為は何だったか、を思い出すことに戸惑っている間に、自分は今、一体何をしようとしていたのかが分らなくなり、真の目的が服薬することであったことを忘れてしまう。
8、服薬しようとして薬剤を取り出すことができても、薬剤が複数個で、ばらばらであると、その一部を落下させたり散逸したりしてしまう。
9、取り出した薬剤の一部に、直接服薬してはならないPTP包装材やブリスター包装材等が付着していても、気付かずに誤飲する可能性がある。
10、適切な服薬を完了しても、その事実が確実に自覚されていなかったり、記憶が持続していないと、再度続けて服薬しようとする。
11、何等かの事情により服薬できなかった場合に、服薬できなかった事実を、正確に覚えておられない。 従って医師や介護人等に伝えられない。
例えば器具の外形を動物に似せたり、家族や女優の写真を添付したりして、機器に親密感を抱かせたり、警報・告知回数を増加したり、その手段を複数化したり、その時間を若干長くしたり、一定の長時間経過後再度簡単な告知信号を発したりしているが、いずれも、不徹底で、最終的に患者等が薬剤を取り上げ終わったことを確認して警報・告知を停止するものではない。 つまり、前記の諸中断があり得る、中途半端なものである。
それどころか逆に、警告・告知信号を、五月蝿いからと恣意的に容易に停止できる、停止装置を設置しているものまで存在する。
しかもこれらはすべて、認知症患者等の服薬援助で最も重要な服薬の安全性確保、具体的には、異物の混入防止、薬剤の散逸防止、及び前述の服用不可能で危険な包装材の完全除去等、所定の安全策を確保した上、薬剤を供給するという視点が全く欠如している。
つまりこれらは、一見、本発明と類似の服薬時刻の告知手段ではあるが、安全性の確保を患者等の低下した認知機能に全面的に依存しているので、認知症患者等の独力での使用には供せられない。 服薬時刻を知って服薬するという、表面的に類似した一面のみに着目したもので、全く発明の思想と目的及び効果を異にするものである。
また、この場合、該機器具内での薬剤の移動が、重力に抗しない水平方向または下方向への、ごく自然な移動のみであるから、何等新規性のあるものでも、患者等の認知機能を刺激するものでもない。 だから患者等は、取り出し口に薬剤が落下していても、それに気付かず、やり過ごす可能性が多いのである。 しかも、薬剤が、ばらばらで纏まっていないので、取り出し時に取りこぼしもあり得るし、仮に取り忘れると、それが何時のものであったかが分からない等、上述の認知症患者等には、肌理の粗い不親切なものである。 しかも、この場合も、薬剤調合や、その供給の諸過程で、服薬の安全性を確保する視点を欠いているので、きわめて危険な場合があり、本発明の目指すものとは、発明の思想、目的、手段、効果、新規性、を異にするものと言わざるを得ない。
この密閉薬剤分包一袋ずつを格納し、上方に出現する上に開いた複数個の小容器及びこの全数を同一水平面上に格納し、その中の1個を、水平回転または水平移動により、又は不動のまま選択する、上に開いた1個の中容器並びに両容器の上・側方を覆い包む下に開いた1個の大容器とで成る3種類の容器群と、
予め設定する服薬時刻毎の薬剤分包を格納する小容器を、1個ずつ順番に大容器の上部・上方に出現させる手段と、
で成る服薬援助器具。
しかも、この分包作成は薬剤師が責任をもって実施するから、PTP包装やブリスター包装された薬剤やカプセルを、その包装材を伴ったまま分包されることはあり得ない。純粋に必要且つ安全な薬剤のみが封入されている。
更に、これには医師の処方に示された服薬時期(朝、昼、夕、眠前、等、以下同じ)毎の1回分の服薬薬剤の全量が1袋内に封入されている。 処方内容が異なれば当然分包の内容薬は異なるわけで、その場合、薬剤師はその区別を明瞭に示し、介護者等に無用な混乱を生じさせないよう、マーキング等適当な処置を施す必要がある。 更に必要なら、該薬剤師により、特定の患者等や介護人等に対し、本器具を利用した服薬方法に対し適当な指導がなされねばならない。
この薬剤分包小袋は、縦・横各10cm未満、厚さ約1cmの紙、又はプラスチックシート製の枕状の袋で通常、専用の道具を用い、薬局等で密閉状態に作成され提供される。
これら3種類の各容器の機能はそれぞれ下記の如く、その主要な役割を異にしている。小容器はそれぞれ服薬時刻に服用する薬剤分包1個を患者等に明確に差し出すための容器で、患者等は安心してこの容器内の分包のみを全部服用すれば良い。 中容器は収納内容の異なる小容器を、それぞれ1個ずつ分離して格納する為、隔壁等で隔てられた複数の小容器格納空所を保有する。 大容器は、服薬時刻に服用するべき分包の入った小容器1個のみを、いきなり上方に出現させるため、開口部と開閉蓋を持った容器である。 そのため不透明材質のものが望ましい。
本器具は、これら3要素の組み合わせにより成り立つものであり、小容器内の密閉薬剤分包を、該器具から患者が取り上げることで、一連の服薬援助機能は完結する。
例えば、視覚を刺激するのに、多色の点滅燈、閃光、連続変色灯、線状灯、面状灯、塊状灯、発光点移動灯を用いたり、聴覚を刺激するのに、器械音、吹鳴音、鳥の啼声、各種メロデイ、を用いたり、触覚を刺激する為、器具の一部を振動させたり、これらを併用したりする。 いずれも公知のものを活用することができる。
つまり、この“呼びかけ文言音声”は、個々の対象患者等向けのものであるから、介護人等により、適宜、入力変更することが可能なものでなければならない。
また、“お薬の時間ですよ”が“お薬を飲みましょうね”等、他の文言であっても支障ないことは勿論である。
類似の在来品のうち、服薬時刻に薬剤を自動排出する機構の付いたものはすべて、同一水平面内の移動か、落下または滑り降りか、あるいは両者の混合するものであり、本発明の如く、重力に抗して薬剤の所在位置を高め、器具の上方に出現させるという、認知機能を刺激する効果のある機構を具備したものは見当たらない。
蛇足ながら、薬剤分包の取り出しの終わった後の、空の小容器等の移動については論外である。
又、この内部機器にアクセスできないというのは、単に物理的に内蔵する諸装置・機構・機器に触れないだけでなく、内蔵されている情報、即ち服薬時刻や、許容服薬遅延時間幅等、予め入力した服薬情報にアクセスできないことも含まれている。一旦施錠した後は、何等かの通信手段を用いる等で、これらの服薬情報を外部から操作することはできない。
また、予め設定した服薬時刻には、服薬遅延許容時間幅があり、これは予め設定可能である。 この遅延許容時間幅の時間が経過すれば、今回の服薬援助は失敗裡に終了したのであるとして、次回の服薬時刻到来を待たねばならない。
尚、何らかの緊急事態が発生し、本器具の全面停止乃至電源切断の必要がある場合に対し、器具の一部または電源コードの途中に、電源切断用のスイッチ類を設置することを妨げるものではないが、使用者がきわめて容易には操作できないための工夫が必要である。
標準としては、向後一週間のすべて(標準は28回)の服薬時刻が設定されるが、その設定や入力に用いる機器の、方式や種類、機種、簡便性、設定・入力方式の詳細如何が本発明を拘束するものではない。 従って、それが、パソコンを用いた入力であったり、予め必要事項を入力した記録メモリーチップの装着や挿入等であっても構わない。
またこれと連動する時計装置は、標準実時刻に合わせて入力設定されるものであるが、その仕様・性能如何が本発明を左右するものではない。
尚、ここで言う“現時の服薬時刻到来告知信号”とは、必要な服薬時刻時に、あるいはその直前に、外部機器や外部機関から電気的通信手段を利用して伝えられる服薬時刻到来告知信号のことであり、処方に従って予め密閉薬剤分包を容器内に格納する時に、該器具の服薬時刻設定装置に入力する際に用いる服薬時刻の設定手段とは別物である。
これは中容器水平移行機構の一種であるが、この場合、小容器の形状は、上に開いたほぼ扇形柱状体となる。 これらは「実施例1」に詳述する。
「実施例1」及び「実施例2」では、上下移動機構の一例として、プーリーを利用する方法例と、ラック・ピニオンを用いる方法例(図のみ詳細説明略)を示すが、これら機構の詳細は、これに限定されるものでないのは当然である。
又、大容器との関係位置が底板を介して固定しているので、大容器と中容器を統合した第4の新容器を工夫することも可能である。 ただしこの場合においても、既述の小容器・中容器・大容器のそれぞれの機能が消滅したわけではない。 異なる内容の薬剤分包をそれぞれ1個ずつ格納する小容器と、これを1個ずつ隔壁等で隔離して格納する役目の中容器と、小容器の出現に必要な1箇所の開口部の開閉蓋を開き、其処から小容器1個を上に出現させる役目の大容器と、それぞれの機能が存在するので、他の中容器のケースと同様、一連の容器群としての必須の機能を果たしているのだから、見かけの個数や形が変わっても同じ範疇の器具である。
いずれにしても、このケースの決め手は“水平移行体付押上機構”をいかに簡潔に製作できるかに懸かっており、今後の技術開発が期待される。
この機構の実施例の一例を「実施例4」に略述する。
又、ロボットアームの先端部の構造には、可なりの工夫が必要である。 下手をすると、隣接する小容器間の離隔距離を大きくしなければならなくなり、中容器の空所も大きくなり、該器具全体が大型化するおそれがある。 更に又、小容器を挟み上げる先端部の圧力調節も微妙であり、センサーの性能次第では、患者が薬剤分包をつまみ上げる前に落下させてしまう可能性があり、この器具の目的を果たせなくなる。 しかも現時点では、ロボット技術は開発途上であり、価格も高い。
しかし、将来、微妙な接触センサーを含むロボット技術が進化し、汎用量産品が出回るようになれば、機能・価格ともに劇的に変化し、有利になる可能性がある。
現時点で、採用可能な一試案である吊り上げ方式についての要点を「実施例3」に略述する。
この場合は、ロボットの制御機構の中に、各服薬時刻に選択するべき密閉薬剤分包の選定情報を織り込むこともできるので、中容器への小容器の格納作業も格段に容易になる。 しかし、大容器の上面の開閉蓋は、1箇所でなく、複数箇所必要であり、これらから服薬する密閉薬剤分包を選択する服薬情報と緊密に連動する、開閉蓋の選択操作機構が新たに必要となる。 これは当然、固定式のロボットマニピュレター機構との緊密な連携動作が必要である。
多くの場合は、透過光や反射光利用の光学的センサーが用いられるが、他の公知の、種々の原理・タイプのものも採用できる。 原理だけでも、接触圧力や、電界強度や磁界強度の変化、重量変化、可視光線や赤外光線の透過度や反射度、音波や超音波の到達時間、等々数多く存在するので、賢明な選択が必要である。
次に該患者が処方通りの服薬ができるよう、向後の毎日の服薬時刻をセットする。 原則は毎日・毎回だが、処方次第で、まとめてセットすることも可能である。 あるいは又、抗生物質のように一定の時間間隔での服用が必要な場合にも、対応できなければならない。
尚、この操作を行うロボット機構及びその管理・制御装置の詳細については、記述を割愛するが、その詳細如何が本発明を左右するものではないのは勿論である。
又、これらの標識は、患者等が、何等かの都合で服薬不能になった時には、中容器の小容器中に、服用できなかった密閉薬剤分包が残るので、その位置から、服薬不能であった日・時が、介護人等に正確に分るので、認知機能の正常な介護人等は、それを後日、医師に連絡することができる。
但し、本発明の実施形態の主要事項は、特許請求の範囲「請求項1」「請求項2」「請求項3」「請求項4」「請求項5」「請求項6」を中心とする各請求項、及び「課題を解決する為の手段」の各段落番号に記載のものすべてである。 以下に記載する実施形態は、いずれもその一例を示すもので、これが本発明のすべてを示すものではなく、また、自明のものについては詳細な記載を省いている。
あるいは、上述の待機期間中には中容器3が回転せず、次の所定の服薬時刻到来時に、大容器4の開閉蓋43が開くのに先立ち、次の小容器2が、大容器4の上面の開口部42および開閉蓋43の直下の位置に来るまで、中容器3が回転して停止し、その後、小容器2が押し上げられて、開閉蓋43が開き、続いて前述と同様の一連の服薬援助の自動動作を行う、一連の機能と構造を持ったものとしても良い。
なお、扇形等柱状体として、底面が扇形の、上に開いた扇形柱状体2を用いた場合は、外側壁面は曲壁面となり、底面が二等辺台形の、上に開いた柱状体を用いた場合は、外側壁面はそれぞれ平壁面となるのである。
更に、逆コップ状の覆い部の内部は、上・下2つの部分で構成されており、上部は、中容器3全体が、完全に格納される空間になっており、下部は、底面に設置された、後述の各種の回転機構や上下移行機構、各種装置類が格納される空間46になっている。
又、ベルト・プーリーに代えて、ラック・ピニオン等、他の動力伝達機構を用いることもできる。
具体的には、設定の便宜上、日付け、曜日、服薬時期等で分類し、纏めて入力する等の便宜手段を使うことができるが、これには機械式・電気式等種々のタイプが選定できるが、自力服薬援助管理制御装置に内蔵されている時計機構と連動する電子式が最も好ましい。電子式にも種々のタイプが存在するが、この時計機構と連動して作動し、認知機能の正常な介護人等が、予め、必要な複数の服薬時刻を設定でき、その時刻になると、自動的に、服薬時刻到来のトリガー信号を発信し、管理制御装置に伝送する機能を有している必要があり、その種類や形式や意匠如何が、本発明を特定するものではない。
服薬時刻等の情報設定は、この装置内の記録機構に直接入力され記録される方法が標準であるが、パソコン等他の外部器具により予め服薬時刻等の情報が入力された記録媒体をこの装置に装着したり電送したりする等の間接的な方法でも構わない。
いずれの場合でも、この装置への入力のためのアクセスは、施錠機構90が解錠された期間(小・中容器に密閉薬剤分包が格納されるとき)にのみ可能でなければならない。 従って施錠後に於いて、予め設定された服薬情報等に対し、外部から無線通信手段等の手段によりアクセスすることはできない。
また、時刻をセットするためのアクセス時だけでなく、施錠後の該器具の使用中にも、現在または次回の服薬時刻等が、器具の外側から読み取れることが望ましい。 その場合には、71を、その設定・表示面部が大容器の外側に向くように底板45に設置し、その設定・表示面部に直近の円筒形容器の側筒面44の一部を、透明物質製の窓にして、外部から透視できるようにするのが好ましい。
又、その他にも各種の設置方法があるが、いずれの設置方法を用いる場合でも、最終的に施錠が終了した後には、71の設定値を任意に変更することが不可能であることが必須である。
また、服薬時刻の設定は、原則としては、毎回の、それぞれの時刻を設定するが、同時刻のものをまとめて一度に設定すること等も可能とする。 但し、一回の設定時の最大の合計設定可能回数は、仕様値(標準は28)回分である。
参考のため、本服薬時刻設定表示装置に設定・表示するべき事項の一例を述べる。
現時点の正しい日・時刻、の入力、普通日と休日日の選択、普通日・休日日それぞれの朝・昼・夕・眠前の服薬時刻の設定、1回の服薬遅延許容時間幅の設定、次回の服薬開始時期の設定等である。 いずれも設定器近傍に確認のための表示灯等をそれぞれ設けても良いが、別に液晶等の電子文字表示板を設け、ここに電子文字で設定や表示の内容を記載しても良い。 勿論併用も可である。
又、特殊な服薬方法に備え、一日の初回の服薬時刻と、その後の定期的な服薬間隔を設定する機能を付加したものも望ましい。 その他一括設定等使用経験により、より便利な諸機能を付加することも可能である。
またこの開口穴は、これらすべての穴を連結する円環状のスリットに変更することも可能である。 この場合、中容器の底面は、円芯部と周辺部に分かれるが、いずれも中容器の放射状の隔壁の下端で接続されているので支障は生じない。
また、この際、円筒形容器の内部に設けた、この検出センサー一式の発光器80aと、受光器80bとが、回転する中容器の放射状の隔壁31や、中容器の空所に格納されている小容器の側壁21に接触する恐れがある場合には、小容器の側壁21と、中容器の放射状隔壁31とに、それぞれ新たな切り欠きを施せば大容器の無用な大型化を防止できる。
この場合は、検出センサー一式が、円筒形容器4の外部に設置されているので、小容器を格納した中容器が回転しても、センサー80が、中容器3や小容器2の隔壁31や側壁21に接触することはない。 従ってこの場合には、それらに新たな切り欠きを設ける必要はない。
但し、円筒形容器は完全な円筒形でなく、このセンサーの発光器80a、受光器80bが、瘤のように突出するという若干見苦しい外観を呈するようになる。
また、円筒形容器の円筒形の側壁面44にも、同様に面状光源体75bを含む各種発光源が用いられる。 これら発光装置の設置位置や発光原理や形態には、多くの種類があるので、数種の方式を標準として製作し、購入者に選ばせるのも一方法である。
発音器具は、ベル・ブザー・ホーン・チャイム・録音盤等のいずれでもよいが、これも数種類を標準として準備し、購入者のオプションとするのも一方法である。
いずれも、音量や吹鳴時間は、介護者等が予め設定することはできるが、施錠後に、認知症患者等が勝手に変更したり停止したりすることのできないものでなければならない。
1)介護人等は、施錠機構を解錠し、中容器に残留している薬剤分包の位置から、それが前回準備した、何時に服用するべきものだったかを知ることができる。
この情報を医師に報告する。
2)医師は、患者等の新しい処方箋を、一包化可として発行する。
3)調剤薬局の薬剤師は、介護人等に該器具の使用計画等を訊ねながら、一包化(密閉分包化)を確認する。
4)同時に、薬剤師は、処方に従い、必要な各種薬剤を調合し、危険で無用な包装材を除去し、純枠に服用可能な、1回分の裸の固体薬剤の全量のみを封入した服薬薬剤分包を作り、それぞれを薬剤師の責任において密封する。
5)薬剤師は、内容薬剤の異なる密閉分包には、それぞれの識別マーキング等を施し内容薬剤毎に区別する。
6)薬剤師は、介護人等に対し、それぞれの識別マークや、分包の内容を、処方箋をもとに説明し、必要な注意事項等を説明する。
7)介護人等は、患者等や介護人等の都合や、環境状況を考慮して、それぞれの服薬時期毎に服薬時刻を決定する。
8)介護人等は、薬剤師から受け取った密封分包を、1袋ずつ小容器に格納し、この小容器を、服薬順序に従って、中容器の回転方向に沿って格納する。
9)介護人等は、服薬時刻設定表示装置に、現時点の日時、平常日、休日日別のそれぞれの朝、昼、夕、眠前等の必要な服薬時刻と、許容服薬遅延時間幅、次の初回の服薬時刻等を入力設定する。
10)介護人等は、薬剤分包の格納方法、服薬時刻等の設定の正しいことを確認し、間違いなければ、中容器を大容器にセットし、一体の服薬援助器具に組み立てる。
11)介護人等は、組み立て後、施錠機構を施錠する。
12)介護人等は、器具をベッドサイドに安置し、使用方法を患者等に説明する。
13)介護人等は、次回の訪問予定日時を患者等に説明し、別れる。
但し、本発明の実施形態の主要事項も、特許請求の範囲の各請求項、「課題を解決する為の手段」の各段落番号の項に記載のものすべてであり、前述の「実施例1」と重複又は類似の事項も多い。 従って「実施例1」と重複する事項については、「実施例1」に準じる、としてなるべく省略し、異なるものについてその要点を記載する。 また、この実施例も前例同様、記載する実施形態は、その細部の一例を示すもので、これが本発明のすべてを示すものではない。 また、自明のものについては詳細な記載を省いているが、詳細な記載がないから実施されていない、ということではないのも前例と同じである。
あるいは、上述の待機期間中には中容器103が移動せず、次の所定の服薬時刻到来信号到来時に、大容器104の開閉蓋143が開くのに先立ち、次の小容器102が、大容器104の上面の開口部142および開閉蓋143の直下の位置に来るまで、中容器103が縦・横方向に移動して停止し、その後、開閉蓋143を押し開き、続いて前述と同様の一連の服薬援助の自動操作を行う、一連の機能と構造を持ったもののいずれかである。
さらにこの下部可動部支持具148cは、強固な保持機構149により、数箇所で大容器104の底板145に強固に設置されている。
従って、中容器およびその内部格納物全体は、この上部・下部の両移動盤機構と保持機構を介して底板145に設置され、且つ、前後左右に移動可能なように構成されている。
これら上に開いた仕様値個数(標準は28個)の小容器102の空所125内には、薄紙又は不透明なプラスチックシート材製の、縦・横各10cm未満の長方形で、厚さ約1cmの枕状の密閉薬剤分包小袋1が、一袋ずつ、垂直方向(水平投影面積が最少になる向き)に格納されており、更にこれらの小容器102は、分包小袋内の薬剤が、服薬処方に定められた服薬時刻順に順番に取り出せるように、中容器103の小空間135内に、所定の服薬時刻順序に従って順番に格納されている。
そして、施錠機構が施錠された場合には、底板145とともに一体の直方体容器104を構成しているが、解錠された時には、二体に分離され、直方体大容器の側面144と上平面141とで構成される深絞り蓋状の覆いの部分と、上・下の移動盤機構、保持機構及び薬剤分包を格納する小容器・中容器等の重量物を支える底面部分145とに分かれる。
その機構や機器・作動の概略は、「実施例1」に詳述したものと基本的には同じであるので、下記の若干の注意事項を除き記述を省略する。
さらにまた、中容器の下部に、上部・下部の移動盤機構があるので、押し上げ・引き下げ機構106も押上棒161の長い背高のものになり、益々大型化に拍車がかかることになる。 従って、これらの機構の相互関係につき、細心の注意を払った設計が必要である。
尚、当然ながら、上部移動盤機構、下部移動盤機構にも、同様な配慮が必要で、両者とも内部に広い空間をもった“ロ”の字状の水平投影面形状を持った構造のものとなる
反射光式の場合は、開口部142の、矩形の対峙する2辺の一方に、発光器と受光器を一体化させた構造のセンサー180A一基を設置すればよい。但し、反射光式の場合は、対象物(密閉薬剤分包)の色・透明性・反射率や対象物の格納位置のばらつき、等が検出性能に微妙に影響することが多いので、両者の仕様を十分に吟味して、不測の検出ミスの生じないものを選択する必要がある。
又、大容器の上面141の表・裏いずれに設置することも可能であるが、密閉薬剤分包が小容器内にある場合と、取り出された場合とで、確実に検出差の生じるような工夫や調整が必要である。 その他の事項については特に相違はないので省略する。
通常朝・昼・夜・眠前で薬剤が変わることが多いので、これらを赤・青・黄・緑等と色分けして格納されることが多い。 又、日曜や祭日等の休日と平日とによって薬剤が変わることもある(週1回の薬剤が混ざる等)ので、この場合には、適当なラベルを付す等、混乱を避ける為の配慮をする必要がある。
又、一定の短時間毎(例えば4時間毎等)の服薬が必要な場合には、標準品の小容器数が28個しかないので、小容器数の多い特殊仕様品を用いるか、密閉薬剤分包の供給準備回数を週2回等に増加させて対処する。
また、さらに近親者の写真や、簡単な家族、動物、好きな乗り物等の動画を併用することも可能である。
また、介護者等が新しい薬剤分包を供給する時(標準は毎週1回)、必要ならその文言音声をより妥当なものに変更できる、音声文言録音自在なものが好ましい。
いずれにしろ、これらの警報・告知信号が、該認知症患者等自体に向けたものであることを、強く印象づけ、繰り返し報知されるものでなければならない。
従って本器具の殆どの説明内容は、「実施例2」とほぼ同一であるので、その詳細説明は省略し、相違点のみを「図11」、「図12」を用いて記述する。
いずれの場合にも、薬剤分包が小容器から完全に取り上げられたことを、確実に検出可能な性能を持つことが必須である。
そのため、底板に設置するレール、ラック、直線状溝面、平坦板面等の設置範囲は、中容器の底面の周囲に広がって設置されなければならなくなり、縦方向・横方向いずれも、中容器自体の縦・横各方向の寸法の2倍余になってしまう。
ただし、この場合、大容器104の内部では、中容器の設置位置が固定されているので、その前後左右には、中容器の高さにほぼ等しい広大な空間が広がっている。 この空間部に、本器具に必要な種々の機構や装置類を収納することは十分に可能である。 更に患者等の身近な日用品等の収納庫として利用することも可能である。
2,102 小容器
3、103 中容器
4、104 大容器
45 底板
47 支持機構
5 回転機構
6 押し上げ・引き下げ機構
73 文言音声発生装置
74 警報・告知音声発生装置
75 警報光発光装置
80 透過光式、存在・不存在検出センサー
90 施錠機構
Claims (17)
- 医師の処方に従い、薬剤師が適正に調剤し、供給し、服薬指導した、1回分の服用可能な適法な固体薬剤の全量のみを収納し、一包化された密封薬剤分包(以下、密閉薬剤分包と略称する)と、この密閉薬剤分包一袋ずつを格納し、上方に出現する上に開いた複数個の小容器及びこの全数を同一水平面上に格納し、その中の1個を、水平回転または水平移動により、又は不動のまま選択する、上に開いた1個の中容器並びに両容器の上・側方を覆い包む下に開いた1個の大容器とで成る3種類の容器群と、予め設定する服薬時刻毎の薬剤分包を格納する小容器を、1個ずつ順番に大容器の上部・上方に出現させる手段とで成る服薬援助器具。
- 「請求項1」の服薬援助器具において、所定の服薬時刻に達するごとに、音響、光、振動等による公知の単数または複数の警報・報知手段を用いて服薬時刻の到来を告知・発信することに加え、同時に、該時刻に該分包の薬剤を服用するべき患者に対し、明らかに該患者向けの報知であることを示す文言を含む呼びかけ音声、例えば“OOさんお薬の時間ですよ”等、氏名または“準氏名”を含む“呼びかけ文言音声”、を告知・発信し、これらの発信を、該患者が該密閉薬剤分包を小容器から完全に取り出し終わるまで、又は予め設定した許容遅延時間幅の遅れ時間が経過するまで、中断することなく継続することを特徴とする「請求項1」の服薬援助器具。
- 「請求項1」、または「請求項2」、の器具において、密閉薬剤分包が、該器具内に格納されてから、取り出され終わるまでの間の、如何なる時期、如何なる行程、如何なる場所においても、落下、降下、滑り下り等、重力の作用により、器具内の所在位置を下げる移行過程をとらず、これを高めること、を特徴とする「請求項1」の服薬援助器具。
- 「請求項1」、「請求項2」、又は「請求項3」の器具において、大容器の下端に接し、大容器内部の下部空間内に、該器具を稼動させる為に必要な諸機構・諸装置類、−−中容器水平移行機構、小容器上下移行機構、警報告知信号発生装置、呼びかけ文言音声発生装置、服薬時刻設定装置、時計装置、管理制御装置、各種検知センサー装置、電源装置、その他の付属装置・機器類−−を格納し設置する底板を設け、該底板と大容器とを施錠機構を介し、施錠して一体連結化し、使用中に解体したり、内部機器にアクセスしたりできない構造の服薬援助器具。
- 「請求項1」、「請求項2」又は「請求項3」の器具において、服薬時刻到来告知信号の継続発信を、該患者自身または第三者の恣意により停止するための、信号停止用押しボタン等の、いかなる公知の発信信号停止手段をも設置しない服薬援助器具
- 「請求項1」、「請求項2」または「請求項3」の器具において、該器具内に内蔵する時計機構と服薬時刻設定装置とにより、所定の服薬時刻の到来を検知して作動を開始し、所定の許容時間内での服薬がなければ次回の服薬を待つ、管理制御装置を具備する器具であり、携帯電話等、無線・有線の何らかの電気的通信手段を利用した、該器具以外の外部機器や外部機関からの、いかなる現時の服薬時刻到来告知信号にも依存しない服薬援助器具。
- 「請求項1」、「請求項2」又は「請求項3」の器具において、上部・上方に出現する小容器1個を中容器の水平回転により選択する、代表的な一形態として、中容器が、垂直な中心軸の周囲に水平に放射状に設置された扇形柱状体又は二等辺三角形柱状体(以下ほぼ扇形柱状体と略称する)の、内部に一個ずつ小容器を格納できる、複数の小空間をもち、服薬時刻到来毎に、一小空間ずつ一定の向きに水平回転した後、所定の角度位置に停止する、ことを順次繰り返す水平回転機構を伴った構造の、上に開いた、円筒形又は正多角形柱状体形(以下ほぼ円筒形と略称する)の容器である服薬援助器具。
- 「請求項1」、「請求項2」又は「請求項3」の器具において、上部・上方に出現する小容器1個を中容器の水平移動により選択する、一形態として、中容器が、縦及び横方向に水平に伸びた複数の格子状の垂直隔壁に区切られた直方体(正方形柱状体を含む、以下同じ)の内部に一個ずつ小容器を格納できる複数の小空間をもち、服薬時刻到来毎に、一空間ずつ予め定めた順序で、小空間が順次、水平な緯・経度の特定位置に来るように、縦行・横行の水平移動をした後に停止する、ことを順次繰り返す構造の縦・横の水平移動機構を伴った、上に開いた、直方体形の容器である、ことを特徴とする服薬援助器具。
- 「請求項7」又は「請求項8」の器具において、小容器を1個ずつ順番に大容器の上部・上方に出現させる手段として、小容器1個を水平回転又は水平移動により選択する中容器が、回転後または水平移動後に停止する、所定の角度位置、または所定の緯・経度位置、の場所の下方の、大容器の下部空間内に、中容器の底面に設けた複数の開口部または吹き抜け部を貫通して、小容器の底面を押し上げ棒等で押し上げ、小容器を大容器の上部に出現させ、密閉薬剤分包が取り上げられた後に引き下げる、“押し上げ・引き下げ機構”を具備する服薬援助器具
- 「請求項1」、「請求項2」または「請求項3」において、小容器を1個ずつ順番に大容器の上部・上方に出現させる手段として、自身は移行することなく不動のまま、小容器1個を選択する中容器を用いた器具において、固定位置に設置された中容器内に格納された密閉薬剤分包のある小容器を、一個ずつ順番に大容器の上方・上部に出現させる手段として、上に開いた“不動の中容器”の下方の、大容器の下部空間に、服薬時刻到来毎に予め定められた順序で、該時刻に服用する密閉薬剤分包を格納した小容器の存在場所の直下まで、水平回転または、縦・横両方向に水平移動する移行体機構と、この移行体機構上に設置された、上下移動用の押し上げ引き下げ機構とからなる、“水平移行体付押上機構”を設置することができる。 これを用いて服薬告知信号が入信する毎に、予め設定したルールに従って順番に、この“水平移行体付押上機構”を水平に移行し、該当する薬剤分包を格納した小容器の直下にアクセスさせ、押し上げ機構を作動させて小容器を押し上げ、小容器から分包が取り出されると、元の場所まで引き下げる、ことを順次に行う機構をもつた服薬援助器具
- 「請求項1」、「請求項2」または「請求項3」の器具において、小容器を1個ずつ順番に大容器の上部・上方に出現させる手段として、既述の“押し上げ・引き下げ機構”又は“水平移行体付押上機構”に代えて、大容器の外部上面に設置した、挟み上げや吊り上げ等の持ち上げ機能を具備したロボットアーム機構の先端部を、大容器上部に設けた蓋付きの開口部を経て、該時刻での該密閉薬剤分包を格納した小容器にアクセスさせ、小容器の上部側面を挟み上げや吊り上げ等の方法で持ち上げ、大容器上面の上方につまみ出し、患者等がこの小容器から密閉薬剤分包を取り出した後、空の小容器を中容器内部の元の空間位置に格納する、“持ち上げ・戻し機構”を具備する服薬援助器具。
- 「請求項1」「請求項2」又は「請求項3」において、自身は不動のまま小容器1個を選択する中容器を用いた器具において、固定位置に設置された中容器内に格納された密閉薬剤分包のある小容器を、一個ずつ順番に大容器の上部・上方に出現させる手段として、前項の機構に代えて、服薬時刻到来毎に、一空間ずつ予め定められた順序で、中容器の該小空間に格納された該時刻に服用の密閉薬剤分包を格納した小容器を、大容器の上面に設置された不動のロボット機構のマニピュレーターを作動させ、具備するロボットアーム先端のハンド部の挟み器具や吊り上げ器具で、小容器の上部側壁をはさみ上げたり吊り上げたりして持ち上げ、該服薬時刻での服薬の密閉薬剤分包を格納する小容器を、処方で示された順序通り、順次、大容器の上方外部に出現させ、所定の密閉薬剤分包が取り出された後、空になった小容器を中容器の元の空所内に格納することのできる、“固定式のロボットマニピュレーター機構”を具備した服薬援助器具。
- 「請求項1」、「請求項2」又は「請求項3」の器具において、患者が薬剤分包を該小容器から完全に取り出し終わる、ことを、服薬時刻到来告知信号受信後、数乃至十数秒の一定時間内に分包物体の存在を検知し、その後、許容服薬遅延幅時間内に該分包物体の不存在を検知する、という、タイマーと“物体の存在・不存在検知センサー”の一連の検知信号群の発現をもって、検知したこととする器具、を具備する服薬援助器具。
- 「請求項1」、「請求項2」又は「請求項3」の器具において、予め設定する服薬時刻と、その許容服薬遅延時間幅を設定することが可能で、今の時刻と、今後の服薬時刻設定も可能であり、日々の服薬時刻を個別に設定することも、平常日と祝祭休日とに分けて、それぞれの同一服薬時期毎に纏めて同一の服薬時刻を設定することも、曜日毎に纏めて異なる服薬時刻を設定することも、あるいはまた、毎日の服薬開始時刻とその後の同一の服薬時間間隔とで設定することも、いずれの設定も可能な、服薬時刻設定に関する諸機能を具備する装置を備えた服薬援助器具。
- 「請求項7」、「請求項8」、「請求項9」、「請求項10」又は「請求項11」において、服薬時刻到来告知信号により、中容器を回転・移動等水平移行させる機構、又は不動の中容器に対する“水平移行体付押上機構”を、直ちに水平移行させ、該時刻の服薬薬剤の分包を格納した小容器を取り出せる位置に停止させ、これを確認した後に、小容器を上方に押し出すか又はつまみ出して大容器の上部・上方に出現させ、該薬剤分包が患者等により、確実に取り出された後に、空の小容器を元に戻し、そのまま次回の告知信号到来まで待機するか、あるいは、服薬時刻到来告知信号により、直ちに該時刻の服薬薬剤分包の格納された小容器を上方に押し出すか又はつまみ出して大容器の上部・上方に出現させ、該薬剤分包が患者等により、確実に取り出された後に、空の小容器を元に戻し、戻ったことを確認した後、中容器を回転・移動等水平移行させる機構、又は不動の中容器に対する“水平移行体付押上機構”を水平移行させ、次回の服薬薬剤分包を格納した小容器を取り出せる位置まで移行すると水平移行を停止し、そのままの状態で次回の服薬時刻到来信号まで待機するか、のいずれかの連続的な運転操作を行う。 そして本器具には、これを自動的に行うため、必要な各種センサー類を含む連続自動運転管理制御装置を備えている服薬援助器具。
- 「請求項12」の、“不動の中容器”と“固定ロボットアーム機構”を用いた器具においては、服薬時刻告知信号到来により、管理制御機構に内在するシーケンスプログラムにより、ロボットアームが作動し、該時刻での服用薬剤分包を格納した小容器の存在する中容器の直上の位置にアクセスし、同時に、中容器の開口部の上方に近接している大容器上面に設置されている複数の開閉蓋の内、該小容器の存在する場所の直上にある開閉蓋のみを開き、その開口部を通してロボットアームの先端のつまみ器具または吊り上げ器具が、中容器内の該小容器にアクセスして、該小容器を取り上げ、大容器の外上方に出現させ、その後、患者等がロボットアームの先端にある小容器から、完全に該薬剤分包を取り出したという信号により、ロボットの先端器具類が、空の小容器を中容器の元の中空部に戻した後、開口部から大容器の外に出て、他のアーム機構と共に、元の待機位置に戻り、開口部の開閉蓋を閉じ、次回の服薬告知信号到来まで待機する、という一連の連続自動運転操作を行うのに必要な各種センサー類やロボット操作装置を含む、連続自動運転管理制御装置を備えている服薬援助器具。
- 「請求項1」、「請求項2」、「請求項3」、「請求項4」、「請求項5」又は「請求項6」の器具において、患者の該器具使用に先立ち、医師の処方、薬剤師の調剤、供給、服薬指導に従い、向後の予定期間(標準は1週間)の該患者の服用時刻を確定し、これを該器具の服薬時刻設定装置に入力し、処方に従った服薬時刻順に、薬剤師が調剤した内容の異なる密閉薬剤分包を格納した小容器を、誤りなく、薬剤師の指示した正しい服薬順序順(押し上げ・引き下げ機構等の取り出し機構が取り出す順序)に従い、一定のルール(左回り等)に従って順序正しく、所定の密閉薬剤分包の全数を格納し終わった、介護人等が、誤りなくその作業をなし終わったことを、一目瞭然に確認できる識別表示又は標識を具備した服薬援助器具。
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